JP2007119594A - 耐衝撃性に優れたポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物 - Google Patents

耐衝撃性に優れたポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】良流動性を保持したまま、耐衝撃性特に面衝撃性を大幅に改善された、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)(a1)ポリトリメチレンテレフタレート樹脂,および(a2)ポリトリメチレンテレフタレート樹脂以外の熱可塑性ポリエステル樹脂からなり、(a1)/(a2)=1/0〜1/3である樹脂100重量部に対し、(B)(b1)エチレン−不飽和無水カルボン酸コポリマー(i)及び/又はエチレン−不飽和エポキシドコポリマー(ii)並びに(b2)反応性官能基を有さないエラストマーからなり、(b1)/(b2)=1/19〜19/1である耐衝撃改質材を1〜100重量部配合してなるポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、良流動性を保持したまま、耐衝撃性特に面衝撃性を大幅に改善された、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物に関するものである。
ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートに代表される熱可塑性ポリエステルは、流動性、機械特性、耐熱性、耐薬品性、耐候性、電気的特性に優れ、自動車材料、電気・電子部品などの広い分野で使用されている。しかしながらその一方で、熱可塑性ポリエステルは、耐衝撃性が充分でないことがなどが知られている。
例えば、ポリトリメチレンテレフタレートに耐衝撃改質材を添加する方法が、特許文献1、特許文献2などに開示されている。
しかしながら、これらの方法では、ポリトリメチレンテレフタレートの耐衝撃性をある程度向上することはできても、流動性を大きく損ない、複雑な形状の成形は困難となる。
特開平11−54189号公報 特開平11−286596号公報
本発明は、この様な現状に鑑み、上記の問題点のない、即ち、良流動性を保持したまま、耐衝撃性特に面衝撃性を大幅に改善された、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂(A)に、耐衝撃改質材(B)として、(b1)エチレン−不飽和無水カルボン酸コポリマー(i)及び/又はエチレン−不飽和エポキシドコポリマー(ii)並びに(b2)反応性官能基を有さないエラストマーを配合してなる樹脂組成物が、良流動性を保持したまま、耐衝撃性特に面衝撃性が大幅に改善されることを見出し本発明に至った。
すなわち本発明は、以下の構成を有するポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物である。
[1] (A)(a1)ポリトリメチレンテレフタレート樹脂,および(a2)ポリトリメチレンテレフタレート樹脂以外の熱可塑性ポリエステル樹脂からなり、(a1)/(a2)=1/0〜1/3である樹脂100重量部に対し、(B)(b1)エチレン−不飽和無水カルボン酸コポリマー(i)及び/又はエチレン−不飽和エポキシドコポリマー(ii)並びに(b2)反応性官能基を有さないエラストマーからなり、(b1)/(b2)=1/19〜19/1である耐衝撃改質材を1〜100重量部配合してなるポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物。
[2] (b1)と(b2)の比率が、(b1)/(b2)=1/9〜1/1であることを特徴とする上記1に記載のポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物。
[3] (b1)成分が、エチレン−アルキル(メタ)アクリレート−不飽和エポキシドコポリマーであることを特徴とする上記1または2に記載のポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物。
[4] (b2)成分が、エチレン−アルキル(メタ)アクリレートコポリマーであることを特徴とする上記1〜3に記載のポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物。
[5] (a1)と(a2)の比率が、(a1)/(a2)=19/1〜1/1であることを特徴とする上記1〜4に記載のポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物。
[6] (a2)成分が、ポリブチレンテレフタレートであることを特徴とする上記1〜5に記載のポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物。
[7] (C)成分として、さらに無機充填材を、(A)と(B)の合計100重量部に対し、5〜150重量部配合したことを特徴とする上記1〜5に記載のポリトリメチレンテレフタレート。
本発明の、耐衝撃改質材を配合してなるポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物は、良好な流動性を保持しながら、優れた耐衝撃性能を有する。
以下、本発明に関して具体的に説明する。
まず、本発明のポリトリメチレンテレフタレート樹脂(a1)について記述する。
本発明におけるポリトリメチレンテレフタレート(以下、「PTT」と略称することがある。)とは、酸成分としてテレフタル酸を用い、グリコール成分としてトリメチレングリコールを用いて得られるポリエステルポリマーを表す。本発明においてトリメチレングリコールは、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,1−プロパンジオール、2,2−プロパンジオール、あるいはこれらの混合物の中から選ばれるが、安定性の観点から1,3−プロパンジオールが特に好ましい。
このほかに、本発明の目的を損なわない範囲で、酸成分として、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルメタンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、ジフェニルスルフォンジカルボン酸等;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸;ε−オキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシエトキシ安息香酸等のオキシジカルボン酸を、グリコール成分として、エチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、キシリレングリコール、ジエチレングリコール、ポリオキシアルキレングリコール、ハイドロキノンなどを一部用いて共重合することができる。
共重合する場合の共重合の量は、本発明の目的を損なわない範囲であれば特に制限はないが、通常酸成分の20モル%以下、あるいはグリコール成分の20モル%以下であることが好ましい。
また、上述のポリエステル成分に分岐成分、例えばトリカルバリル酸、トリメシン酸、トリメリット酸等の、三官能または四官能のエステル形成能を持つ酸またはグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリットなどの三官能または四官能のエステル形成能を持つアルコールを共重合してもよく、その場合にそれらは全ジカルボン酸成分の1.0モル%以下、好ましくは、0.5モル%以下、さらに好ましくは、0.3モル%以下である。
更に、PTTはこれら共重合成分を2種類以上組み合わせて使用しても構わない。
本発明のPTTは、その極限粘度[η]が0.60以上であることが機械特性の面から好ましく、[η]が0.70以上であることがより好ましく、[η]が0.80以上であることが最も好ましい。
極限粘度[η]についてはオストワルド粘度計を用い、35℃、o−クロロフェノール中での比粘度ηspと濃度C(g/100ml)の比ηsp/Cを濃度ゼロに外挿し、以下の式により求めることが出来る。
Figure 2007119594
本発明に用いられるPTTの製造方法は、特に限定されるものではないが例えば、特開昭51−140992号公報、特開平5−262862号公報、特開平8−311177号公報等に記載されている方法によって、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体(例えばジメチルエステル、モノメチルエステル等の低級アルキルエステル)とトリメチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体とを、触媒の存在下、好適な温度・時間で加熱反応させ、更に得られるテレフタル酸のグリコールエステルを触媒の存在下、好適な温度・時間で所望の重合度まで重縮合反応させる方法が挙げられる。
また、PTT以外の熱可塑性ポリエステル樹脂(a2)とは、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートやポリブチレンナフタレート等が挙げられるが、中でもポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートが好ましい。
(a1)と(a2)の比率については、(a1)/(a2)=1/0〜1/9であり、好ましくは19/1〜1/1であり、より好ましくは9/1〜2/1である。
次に、本発明の(b1)成分のひとつであるエチレン−不飽和無水カルボン酸コポリマー(i)は、不飽和無水カルボン酸がグラフトされたポリエチレンまたはラジカル重合等で得られるエチレンと不飽和無水カルボン酸とのコポリマーにすることができる。
不飽和無水カルボン酸は例えば無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水アリルコハク酸、シクロヘキシ−4−エン−1,2−無水ジカルボン酸、4−メチレンシクロヘキシ−4−エン−1,2−無水ジカルボン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−無水ジカルボン酸、x−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,2−無水ジカルボン酸の中から選択することができる。無水マレイン酸を用いるのが好ましい。無水物の全部または一部の代わりに不飽和カルボン酸、例えば(メタ)アクリル酸を用いても本発明の範囲を逸脱するものではない。
不飽和カルボン酸をグラフトするポリエチレンは,ポリエチレンのホモポリマーまたはコポリマーを意味する。コモノマーの例としては下記のものを挙げることができる:
(1)α−オレフィン
好ましくは3〜30個の炭素原子を有するα−オレフィン。α−オレフィンの例としてはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1− ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1− ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、1−ドコセン、1−テトラコセン、1−ヘキサコセン、1−オクタコセンおよび1−トリアコンテンが挙げられる。これらのα−オレフィンは単独または2種類以上の混合物で使用することができる。
(2)不飽和カルボン酸のエステル
例えばアルキル基が最大で24個の炭素原子を含むアルキル(メタ)アクリレート。アルキルアクリレートまたはメタクリレートの例としてはメチルメタクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートが挙げられる。
(3)飽和カルボン酸ビニルのエステル(例えば酢酸ビニルまたはプロピオン酸ビニル等)
(4)ジエン(例えば1,4−ヘキサジエン等)
ポリエチレンは上記のコモノマーの複数を含むことができる。ポリエチレンは複数のポリマーのアロイにすることができ、少なくとも50mol%、好ましくは75mol%のエチレンを含み、密度が0.86〜0.98g/cmであるのが好ましい。MFI(メルトフローインデックス、190℃/2.16kg)は0.1〜1000g/10分であるのが好ましい。
ポリエチレンの例としては下記のものを挙げることができる:
(1)低密度ポリエチレン(LDPE)
(2)高密度ポリエチレン(HDPE)
(3)直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)
(4)超低密度ポリエチレン(VLDPE)
(5)メタロセン触媒(すなわち一般に金属(例えばジルコニウムまたはチタン)原子とこの金属に結合した2つの環状アルキル分子とで構成されるモノサイト触媒の存在下でエチレンとα−オレフィン(例えばプロピレン、ブテン、ヘキセンまたはオクテン)とを共重合して得られるポリエチレン)
メタロセン触媒は一般に金属に結合した2つのシクロペンタジエン環で構成される。この触媒は共触媒または活性剤としてのアルミノオキサン、好ましくはメチルアルミノオキサン(MAO)と一緒に用いられることが多い。シクロペンタジエンが結合する金属としてハフニウムを用いることもできる。他のメタロセンにはIVA,VAおよびVIA族の遷移金属が含まれる。ランタニド系列の金属を用いることもできる。
(6)EPR(エチレン−プロピレン−ゴム)エラストマー
(7)EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン)エラストマ―
(8)ポリエチレンとEPRまたはEPDMとのアロイ
(9)エチレン−アルキル(メタ)アクリレートコポリマー(最大で60%、好ましくは2〜40重量%の(メタ)アクリレートを含むことができる)。
グラフト操作自体は周知である。エチレンと不飽和無水カルボン酸とのコポリマー(すなわち不飽和カルボン酸無水物がグラフトされていないコポリマー)は、エチレンモノマーと無水不飽和カルボン酸モノマーとを共重合させて得られるコポリマーである(任意成分として、グラフトされるエチレンコポリマーに関して述べた上記コモノマーの中から選択することができる他のモノマーを含むことができる)。
エチレン−無水マレイン酸コポリマーおよびエチレン−(メタ)アクリレート−無水マレイン酸コポリマーを用いるのが有利である。これらのコポリマーは0.2〜10重量%の無水マレイン酸と、0〜40重量%、好ましくは5〜40重量%のアルキル(メタ)アクリレートとを含み、MFIは、0.5〜200(190℃/2.16kg)である。アルキル(メタ)アクリレートは既に説明したものである。複数のコポリマーのアロイを用いることができ、エチレン-無水マレイン酸コポリマー/エチレン−アルキル(メタ)アクリレート−無水マレイン酸コポリマーアロイを用いることもできる。
コポリマー(i)は200〜2500barの圧力でラジカル重合によって製造された顆粒の形で市販されている。
エチレン−不飽和エポキシドコポリマー(ii)は、エチレンと不飽和エポキシドとの共重合か、ポリエチレンに不飽和エポキシドをグラフトすることによって得ることができる。グラフトは溶媒相で行うか、ペルオキシドの存在下で溶融状態のポリエチレンに対して行うことができる。これらのグラフト法自体は周知である。エチレンと不飽和エポキシドとの共重合は通常200〜2500barの圧力で操作されるいわゆるラジカル重合を用いることができる。
不飽和エポキシドの例としては特に下記のものを挙げることができる:
1)脂肪族グリシジルエステルおよびエーテル、例えばアリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、グリシジルマレート、グリシジルイタコネート、グリシジルアクリレートおよびグリシジルメタクリレート
2)脂環式グリシジルエステルおよびエーテル、例えば2−シクロヘキセン−1−グリシジルエーテル、シクロヘキセン−4,5−ジグリシジルカルボキシレート、シクロヘキセン−4−グリシジルカルボキシレート、5−ノルボルネン−2−メチル−グリシジルカルボキシレート、エンド−シス−ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボキシレート
コポリマー(ii)のグラフトは、無水物の代わりにエポキシドをグラフトする点を除いて(i)で述べたのと同様に、エチレンのホモポリマーまたはコポリマーにグラフトする。共重合も、エポキシドを用いる点を除いて(i)で述べたのと同様である。(i)の場合と同様に、他のコモノマーを含むこともできる。化合物(ii)はエチレン−アルキル(メタ)アクリレート−不飽和エポキシドコポリマーであるのが特に好ましい。このコポリマー(ii)は最大で40重量%、好ましくは5〜40重量%のアルキル(メタ)アクリレートと、最大で10重量%、好ましくは0.1〜8重量%の不飽和エポキシドとを含むのが好ましい。
エポキシドはグリシジル(メタ)アクリレートであるのが有利である。アルキル(メタ)アクリレートはメチル(メタ)アクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートの中から選択するのが有利である。アルキル(メタ)アクリレートの量は20〜35%であるのが有利である。MFIは0.5〜200(g/10分、190℃/2.16kg)であるのが有利である。複数のコポリマー(ii)のアロイを用いることができ、エチレン−アルキル(メタ)アクリレート−不飽和エポキシドコポリマー/エチレン−不飽和エポキシドコポリマーアロイを用いることもできる。このコポリマー(ii)はモノマーのラジカル重合で得ることができる。コポリマー(i)と(ii)を併用する場合は、それぞれを他の成分と混合してもよいし、予めコポリマー(i)とコポリマー(ii)とのアロイを調製しておいて、これを他の成分と混合してもよい。このコポリマー(ii)はモノマーのラジカル重合で得ることができる。
次に、本発明の(b2)について説明する。
本発明の(b2)の具体的エラストマーは、オレフィン系エラストマー、ナイロン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリエステルポリエーテル系エラストマー、ポリエステルポリエステル系エラストマー、ポリエステルポリアミド系エラストマーが挙げられるが、特にオレフィン系エラストマーが好ましい。
このようなオレフィン系エラストマーの具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリイソブチレンなどのオレフィン系モノマーの単独重合体や、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体などのエチレンと炭素数3以上のα−オレフィンとの共重合体や、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/メタクリル酸共重合体などの エチレンと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体や、数平均分子量2500以上のビニル芳香族モノマー(例えば、スチレン、α−メチルスチレンなど)から成るブロックと、イソプレンもしくはイソプレン−ブタジエンからなり、3,4結合及び1,2結合のビニル結合含有量が20%以上であるブロックより構成される、ブロック共重合体などがある。
上記(b2)エラストマーは、実質上反応性官能基を有さないエラストマーである。
本発明における耐衝撃改質材の(b1)と(b2)の比率については、(b1)/(b2)=1/19〜19/1であり、好ましくは1/9〜9/1であり、より好ましくは1/4〜4/1である。 (b1)/(b2)が1/19未満であると衝撃性の改良効果が少なく、19/1を超えると流動性が低下する。
本発明の熱可塑性ポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物は、100重量部のポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物(A)に、1〜100重量部の衝撃改質剤(B)を含むものである。好ましくは(B)が3〜70重量部であり、より好ましくは5〜50重量部である。
コポリマー(b1)の中ではコポリマー(ii)を用いるのがより好ましい。
また本発明の樹脂組成物に、(C)成分として、さらに無機充填材を、(A)と(B)の合計である100重量部に対し、5〜150重量部配合すると、より目的に合致した組成物が得られる。
無機充填材について具体的には、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、アラミド繊維、アスベスト、チタン酸カリウムウィスカ、ホウ酸アルミニウムウィスカ、ワラストナイト、タルク、ガラスフレーク、ガラスビーズなどが挙げられる。特に、ガラス繊維が好ましく、ガラス繊維の種類は、一般に樹脂の強化用に用いられるものなら特に制限はなく、例えば長繊維タイプや短繊維タイプのチョップトストランド、ミドルファイバーなどから選択できる。
さらに本発明の樹脂組成物に対して、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂と衝撃改質剤との相溶性を高める化合物を0.001〜5重量部添加すると、より一層本発明の目的に合致する組成物が得られる。
それらの化合物の具体例としては、トリフェニルアミン、ジメチルステアリルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの3級アミン、トリフェニルホスファイト、トリイソデシルホスファイトなどの亜リン酸エステルが挙げられる。
また、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の成分として、例えば、PTTの熱安定性向上を目的とした、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニ]−4,4’−ジイルビスホスフォナイトやトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどの熱安定剤や、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]などの酸化防止剤などの配合、光安定性向上を目的とした、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノールや2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノールやオクタベンゾンなどの各種紫外線吸収剤などの配合、成形加工性向上を目的とした、タルク、カオリン、窒化ホウ素などの核剤や、脂肪酸金属塩(モンタン酸Caやステアリン酸Ca)、脂肪酸(ステアリン酸など)、脂肪酸エステルやワックスなどの滑剤などの配合、着色を目的とした、カーボンブラックやアルミ粉などの顔料や、フタロシアニンなどの染料などの配合、難燃性付与を目的とした臭素化ポリスチレンなどのハロゲン系難燃剤や、ポリリン酸メラミンなどの非ハロゲン系難燃剤などの配合、耐衝撃性や耐熱性向上などを目的とした、ポリカーボネート樹脂やABS樹脂などの熱可塑性樹脂などの配合を行うことができる。
以下、実施例などを用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は実施例などにより何ら限定されるものではない。なお実施例中に用いた熱可塑性ポリエステル樹脂及び主な評価・測定は以下の方法で行った。
(1)熱可塑性ポリエステル樹脂(A)
a1:極限粘度0.9である、ポリトリメチレンテレフタレート
a2:極限粘度0.9である、ポリブチレンテレフタレート
(2)耐衝撃改質材(B)
b1:エチレン/アクリル酸/グリシジルメタクリレートコポリマー(アルケマ社(株)製 商品名「LOTADER AX8900」)
b2:エチレン/アクリル酸エステルコポリマー(アルケマ社(株)製 商品名「LOTRYL 35BA40」)
(3)無機充填材(C)
D:ガラス繊維(日本電気硝子社(株)製 03T−187/PL)
(4)流動性の評価
下記の条件に設定した成形機(日精樹脂社(株)製PS40E)を用い、肉厚2mm、幅10mm、最大流動長1600mmの渦巻状の金型を用いて、射出圧力75kg/cmで射出成形を行い、樹脂が充填する流動距離(スパイラルフロー)を測定した。
流動距離が長い方が、流動性が高いと判断できる。
成形条件:シリンダー温度240℃、金型温度90℃、射出圧力75kg/cm
(5)耐衝撃性の評価
厚さ1.6mm、150mm角の平板試験片を作成し、23℃、50%RHの条件下で100時間状態保存した後、JIS K7211規格に基づき落球衝撃試験を実施し、50%破壊吸収エネルギーを求めた。数値は高いほど、耐衝撃性に優れていることを示す。
非強化品試験の場合: 落錘重量=4.6kgf
強化品試験の場合 : 落錘重量=0.5kgf
[実施例1〜7]
表1に示すように、PTT樹脂、PBT樹脂及び耐衝撃改質材の組成を変えて、さらに安定剤としてIRGAFOS 168を0.2重量部、滑剤としてモンタン酸Caを0.1重量部となるよう配合し、スクリュー径25mm、L/D=45のベント付き二軸押出機(ワーナー・アンド・フライドラー(株)社製ZSK−25)に供給した。混練条件として、シリンダー設定温度260℃、スクリュー回転数300rpmで溶融混練、ペレット化した。このペレットを120℃×5時間乾燥させた後、各評価を行った。その結果を表1に示す。
[実施例8]
実施例6の組成に、さらに、ベント手前に設置したサイドアームより、ガラスファイバーを樹脂100重量部に対し、45重量部供給した。混練条件として、シリンダー設定温度260℃、スクリュー回転数300rpmで溶融混練、ペレット化し、このペレットを120℃×5時間乾燥させた後、各評価を行った。その結果を表1に示す。
[比較例1]
PTTペレット100重量部に、安定剤としてIRGAFOS 168を0.2重量部、滑剤としてモンタン酸Caを0.1重量部となるよう配合し、スクリュー径25mm、L/D=45のベント付き二軸押出機(ワーナー・アンド・フライドラー(株)社製ZSK−25)に供給した。混練条件として、シリンダー設定温度260℃、スクリュー回転数300rpmで溶融混練、ペレット化した。このペレットを120℃×5時間乾燥させた後、各評価を行った。その結果を表1に示す。
[比較例2,3]
PTTペレット90重量部、耐衝撃改質材(b1)または(b2)を15重量部配合し、さらに安定剤としてIRGAFOS 168を0.2重量部、滑剤としてモンタン酸Caを0.1重量部となるよう配合し、スクリュー径25mm、L/D=45のベント付き二軸押出機(ワーナー・アンド・フライドラー(株)社製ZSK−25)に供給した。混練条件として、シリンダー設定温度260℃、スクリュー回転数300rpmで溶融混練、ペレット化した。このペレットを120℃×5時間乾燥させた後、各評価を行った。その結果を表1に示す。
[比較例4]
比較例1の組成に、さらにガラスファイバーを樹脂100重量部に対し、45重量部供給した。混練条件として、シリンダー設定温度260℃、スクリュー回転数300rpmで溶融混練、ペレット化し、このペレットを120℃×5時間乾燥させた後、各評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2007119594
本発明のポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物は、良流動性及び耐衝撃性特に面衝撃性を大幅に改善されているので、自動車材料、電気・電子部品材料として好適に使用できる。

Claims (7)

  1. (A)(a1)ポリトリメチレンテレフタレート樹脂,および(a2)ポリトリメチレンテレフタレート樹脂以外の熱可塑性ポリエステル樹脂からなり、(a1)/(a2)=1/0〜1/3である樹脂100重量部に対し、(B)(b1)エチレン−不飽和無水カルボン酸コポリマー(i)及び/又はエチレン−不飽和エポキシドコポリマー(ii)並びに(b2)反応性官能基を有さないエラストマーからなり、(b1)/(b2)=1/19〜19/1である耐衝撃改質材を1〜100重量部配合してなるポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物。
  2. (b1)と(b2)の比率が、(b1)/(b2)=1/9〜9/1であることを特徴とする請求項1に記載のポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物。
  3. (b1)成分が、エチレン−アルキル(メタ)アクリレート−不飽和エポキシドコポリマーであることを特徴とする請求項1または2に記載のポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物。
  4. (b2)成分が、エチレン−アルキル(メタ)アクリレートコポリマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物。
  5. (a1)と(a2)の比率が、(a1)/(a2)=19/1〜1/1であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物。
  6. (a2)成分が、ポリブチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物。
  7. (C)成分として、さらに無機充填材を、(A)と(B)の合計100重量部に対し、5〜150重量部配合したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物。
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