JP2007118053A - 鋳造金型 - Google Patents

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Abstract

【課題】バリの除去が容易であり、バリ除去部の研磨作業も容易な鋳造金型を得る。
【解決手段】タイヤホイール12の窓部20は鋭角三角形状を成し、タイヤホイール12を鋳造する鋳造金型の、窓部20の輪郭線28の小曲率半径部32の近傍および輪郭線28の大曲率半径部30に対応する部分に、絞り通路および溶湯収容キャビティを含むパーティング面型内圧調整部を設ける。絞り通路は、タイヤホイール成形キャビティ内の圧力を鋳造に必要な大きさに保ちつつ、溶湯収容キャビティへの溶湯の流入を許容する断面積を有し、幅が小さいものとされる。成形時の加圧により溶湯は絞り通路104を経て溶湯収容キャビティ102へ流出し、タイヤホイール成形キャビティ内の圧力が調整される。溶湯収容キャビティへの溶湯の流入により一種のバリが形成されるが、小曲率半径部32以外の部分であり、また、幅が小さく、迅速にかつ容易に除去し、研磨し得る。
【選択図】図4

Description

本発明は、金属製品を鋳造により成形するための金型に関するものであり、特に、金型のパーティング面に発生するバリの対策に関するものである。
鋳造金型は、少なくとも第1型と第2型とによって製品を成形するための製品成形キャビティを形成するものであり、その製品成形キャビティに溶湯が注入され、固化(凝固)させられることによって製品が成形される。その際、第1型と第2型との合わせ面であるパーティング面の間に、金型の熱変形や圧力に基づく弾性変形に起因して隙間が生じ、その隙間に溶湯が侵入して固化し、バリとなることがある。大きなバリは当然除去されることが必要であるが、製品によっては小さなバリの存在も望ましくない場合がある。例えば、タイヤホイールは一般に表面に塗装が施されるのであるが、バリが塗膜損傷の原因となることがある。バリ等の鋭い突起が存在している部分では塗膜が極端に薄くなり、その近傍においては逆に塗膜が一般的な部分より厚くなることが多く、製品の使用中に、塗膜の極端に薄い部分が損傷して錆の起点となり易いため、バリが除去されて滑らかな表面とされることが望ましい。そこで研磨作業によりバリの除去が行われるのであるが、この作業はタイヤホイールの製造コストを上昇させる。
それに対し、下記特許文献1に記載のバリ対策が提案されている。これは、エンジン等のシリンダスリーブ集合体を鋳造する金型に関するものであり、一列に並んだ複数のスリーブ形成キャビティのうち両端の2つに、それら2つの軸方向の全長にわたってスリット状の絞り通路とそれに連通した溶湯収容部とを設け、溶湯の注入時に溶湯の一部が絞り通路を経て溶湯収容部に収容されるようにしたものである。絞り通路は溶湯がスリーブ形成キャビティから溶湯収容キャビティに流れることを許容するが、所定の流通抵抗を付与し、スリーブ形成キャビティ内の圧力がシリンダスリーブ集合体の鋳造に適した値に保たれることを保証する。溶湯の固化後は、溶湯収容キャビティ内で固化した棒状部が絞り通路内において形成された薄板部により製品たるシリンダスリーブ集合体に結合された形態のバリが形成される。したがって、棒状部に打撃力を加えれば、薄板部がシリンダスリーブ集合体との境界において折れ、バリ全体が容易に除去される。
特開平10−109139号公報
しかし、前述のように、バリ除去後に小さい突起が存在することが望ましくない等の理由でバリ除去部を研磨する必要がある場合には、スリーブ形成キャビティの軸方向の全長にわたる部分を研磨する必要があり、研磨作業の所要時間短縮の観点からは十分とは言えない。バリの発生する部分が研磨作業の困難な部分である場合には、特に長時間を要する。本発明は、バリの除去が容易となるのみならず、バリ除去部の研磨作業も容易となる鋳造金型を得ることを課題として為されたものである。
本発明は上記の課題を解決するために、製品を成形するための製品成形キャビティを画成する第1型および第2型を備えた鋳造金型において、それぞれ、製品成形キャビティと連通してその製品成形キャビティから流出する溶湯を収容する溶湯収容部と、その溶湯収容部への溶湯の流れに抵抗を付与する絞り部とを備えた複数の内圧調整部を、少なくとも絞り部が製品成形キャビティに離散的に開口する状態で設けたことを特徴とする。
上記内圧調整部は、上記溶湯収容部として、第1型および第2型のパーティング面の少なくとも一方に設けられた溶湯収容キャビティ形成凹部により形成される溶湯収容キャビティを備え、上記絞り部として、第1型および第2型のパーティング面の少なくとも一方に設けられた接続通路形成溝により形成され、溶湯収容キャビティと製品成形キャビティとを接続する接続通路であって、製品成形キャビティの内面であるキャビティ面とパーティング面との交線であるパーティング線の長さより小さい幅を有する絞り通路を備えたパーティング面型内圧調整部を含むように構成することができる。
上記内圧調整部はまた、上記溶湯収容部と上記絞り部とが直線的に延び、溶湯収容部の横断面積が絞り部の横断面積以下であり、かつ、それら溶湯収容部と絞り部との合計長さが絞り部の内のり寸法の5倍以上である直線型内圧調整部を含むように構成することもできる。
製品成形キャビティ内の溶湯の圧力が過度に高くなることが防止される領域(被内圧調整領域と称する)は、絞り部の製品成形キャビティ側の開口に対応する領域のみではなく、その開口からの離間距離が比較的小さい領域においても内圧調整効果が得られる。この内圧調整効果が得られる領域は、絞り部の開口から半径Reの領域であると考えることができ、半径Reを内圧調整有効半径と称することとする。換言すれば、一つの絞り部から内圧調整有効半径以内の領域には他の絞り部を形成する必要がないのであり、本発明に従えば、前記従来技術による場合には研磨作業が必要であった部分に比較して短い部分、すなわち絞り部の幅に対応する部分について研磨作業を行えばよいのであって、研磨作業に要する時間を短縮し得る。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(2)項が請求項2に、(3)項が請求項3に、(4)項が請求項4に、(7)項が請求項5に、(9)項が請求項6に、(10)項が請求項7に、(12)項が請求項8に、(13)項が請求項9に、(14)項が請求項10に、(22)項が請求項11に、(24)項が請求項12に、(25)項が請求項13に、(26)項が請求項14に、それぞれ相当する。
(1)製品を成形するための製品成形キャビティを画成する第1型および第2型を備えた鋳造金型において、
それぞれ、前記製品成形キャビティと連通してその製品成形キャビティから流出する溶湯を収容する溶湯収容部と、その溶湯収容部への溶湯の流れに抵抗を付与する絞り部とを備えた複数の内圧調整部を、少なくとも前記絞り部が前記製品成形キャビティに離散的に開口する状態で設けたことを特徴とする鋳造金型。
(2)前記内圧調整部が、前記溶湯収容部として、前記第1型および第2型のパーティング面の少なくとも一方に設けられた溶湯収容キャビティ形成凹部により形成される溶湯収容キャビティを備え、前記絞り部として、前記第1型および第2型のパーティング面の少なくとも一方に設けられた接続通路形成溝により形成され、前記溶湯収容キャビティと前記製品成形キャビティとを接続する接続通路であって、前記製品成形キャビティの内面であるキャビティ面と前記パーティング面との交線であるパーティング線の長さより小さい幅を有する絞り通路を備えたパーティング面型内圧調整部を含む(1)項に記載の鋳造金型。
パーティング面型内圧調整部においては、金型が開かれれば内圧調整部も開放されるため、溶湯収容部としての溶湯収容キャビティの横断面積を、絞り部としての絞り通路の横断面積より大きくすることができる。すなわち、パーティング面型内圧調整部は形状の自由度に富み、十分な容積を備えた溶湯収容キャビティと、十分な絞り作用を有する絞り通路とを組み合わせて形成することが容易である。絞り通路は、溶湯収容キャビティと製品成形キャビティとを接続する接続通路であって、製品成形キャビティの内面であるキャビティ面とパーティング面との交線であるパーティング線の長さより小さい幅を有する。絞り通路の幅はパーティング線に平行な方向の寸法である。パーティング線に直角な方向の寸法は高さと称することとする。
絞り通路の長手方向に直角な断面形状は、正方形,長方形,台形等の四角形や半円形,円形,U字形,V字形等、種々の形状が採用可能である。上記四角形は角が丸められたものも含むものとする。
なお、製品成形キャビティのパーティング線の全長を対象として絞り通路を設けることも可能であるが、不可欠ではない。バリの切削による除去や、研磨作業が困難な部分等、特定の部分のみを対象として設けてもよいのである。溶湯収容キャビティおよび絞り通路を設ければ、溶湯がそれらに収容される分だけ余分に消費されるため、溶湯の歩留まり向上の観点からは、特に望まれる部分にのみ溶湯収容キャビティおよび絞り通路を設けることが推奨されるのである。
(3)前記製品が、前記パーティング線に対応する部分に、バリの切削による除去や研磨作業の困難な部分である除去困難部を有し、その除去困難部またはその近傍に前記絞り通路が形成された(2)項に記載の鋳造金型。
切削による除去が困難な部分にバリが生ずれば、バリの除去自体が困難になり、研磨が困難な部分にバリが生ずれば、研磨作業に多大の時間を要することとなるのであるが、本項の特徴を採用すれば切削や研磨による除去作業が容易になる。絞り通路は除去困難部自体に設けられてもよく、除去困難部の近傍に設けられてもよい。除去困難部の少なくとも一部について内圧調整効果が得られれば効果が得られるのであり、広義には、この場合にも絞り通路が除去困難部の近傍に設けられているものとするが、除去困難部の全部について内圧調整効果が得られるようにすることが望ましく、狭義にはこの場合に除去困難部またはその近傍に絞り通路が形成されているものとする。
(4)前記除去困難部が研磨作業の困難な研磨困難部を含み、その研磨困難部が、前記製品を前記パーティング面の前記製品成形キャビティ側への延長面で切断した場合に、輪郭線が内向きに凸となる部分である(3)項に記載の鋳造金型。
輪郭線が内向きに凸となる部分は一般に研磨作業が困難であり、この部分に絞り通路を形成することが有効である。
本項に記載の鋳造金型によれば、従来であれば研磨困難部であった部分の研磨作業が不要になる(除去困難部の近傍に絞り通路が形成される場合)か、あるいは容易になる(除去困難部に絞り通路が形成される場合)。
(5)前記輪郭線の曲率半径が、前記製品の最大外のり寸法の1/15以下である(4)項に記載の鋳造金型。
輪郭線が内向きに凸であり、かつ、曲率半径が小さい場合に特に研磨作業が困難である。研磨作業が困難である曲率半径は、製品の大きさが小さいほど小さくなるのが普通である。研磨作業が困難である否かは、研磨作業に使用される工具の大きさと関係があり、製品が大きいほど大形の研磨工具が使用されるのが普通であるからである。したがって、研磨作業が困難である内向きに凸の部分の曲率半径を製品の最大外のり寸法との比で規定することは妥当なことである。この比が1/30以下である場合に効果が大きく、1/60以下である場合にさらに効果が大きい。
(6)前記除去困難部が、製品の加工上必要な切削を利用したバリの除去が不可能な切削除去不可能部を含み、その切削除去不可能部が、パーティング線に対応する部分の、切削工具による切削によって形成される切削面からその切削面に対する法線の方向に外れた部分である(3)項ないし(5)項のいずれかに記載の鋳造金型。
製品の切削面からその切削面に対する法線の方向に外れた部分に生じたバリは、その切削面を形成するための切削を利用して除去することができない。切削工具としては、製品との相対回転により切削加工を行うバイト,フライス等が便利であり、本項の発明は、それら態様の切削工具により形成される切削面からその切削面に対する法線の方向に外れた部分を切削除去不可能部とする場合に、特に効果的である。
切削面に対する法線の方向に外れた部分は、例えば、切削面に平行で、かつ切削面から外れた一平面内に位置する部分であり、あるいは製品のパーティング線に対応する部分のうち、切削面に対して三次元的に曲げられた部分である。
従来の鋳造金型により成形された製品については、切削面に対する法線の方向に外れた部分に沿ってバリが形成され、このバリは製品の機械加工面となる切削面を形成する切削加工では除去することが不可能である。それに対し、本項に記載の鋳造金型により製品を成形する場合、絞り通路および溶湯収容キャビティへの溶湯の流入により形成されるバリは、絞り通路への溶湯の流入により形成された部分を製品側の部分において折って除去することができる。したがって、本項に記載の鋳造金型により成形された製品については、バリの除去を切削加工により行うことが予定されず、実質的に切削除去不可能部がないに等しいこととなり、切削除去不可能部を有することによる不具合が解消されることとなる。本項に記載の鋳造金型によれば、切削除去不可能部のない製品を成形することができるのである。
(7)前記除去困難部がリーマによる切削によってバリの除去が困難な切削除去困難部を含み、その切削除去困難部が、前記パーティング線に対応する部分の、前記第1型と第2型との型開閉方向に直角な一平面から外れて三次元的に曲げられた部分である(3)項ないし(6)項のいずれかに記載の鋳造金型。
切削除去困難部に沿って形成されたバリは、例えば、作業者が手持ちの回転加工装置に取り付けたリーマによって除去することができるが、三次元曲線に沿ってリーマを移動させ、正確にバリを除去することは困難である。それに対し、本項に記載の鋳造金型においては、鋳造金型の切削除去困難部またはその近傍に対応する部分に設けられた絞り通路から溶湯収容キャビティへの溶湯の流入により、バリがパーティング面型内圧調整部に集中して形成されるため、切削個所が、絞り通路への溶湯の流入によりバリが形成された部分のみで済み、短く、切削除去作業が容易である。したがって、本項に記載の鋳造金型によれば、実質上切削除去困難部がないに等しいこととなり、バリの切削除去が容易な製品が得られる。
(8)前記パーティング線の複数個所に前記絞り通路と前記溶湯収容キャビティとが形成された(2)項ないし(7)項のいずれかに記載の鋳造金型。
本鋳造金型は、複数のパーティング面型内圧調整部を備える。
(9)1つの前記溶湯収容キャビティが、複数の前記絞り通路により前記製品成形キャビティに接続された(2)項ないし(8)項のいずれかに記載の鋳造金型。
少ない数の溶湯収容キャビティによって、パーティング線の比較的長い部分について効果が得られる。この態様は、複数の絞り通路によって1つの溶湯収容キャビティが共有されると考えることもでき、複数の収容キャビティが一体的に形成されていると考えることもできる。
1つの溶湯収容キャビティは、複数の絞り通路を通って製品成形キャビティから流出する溶湯を収容し、内圧調整効果が得られる容積を有するものとされる。大形の溶湯収容キャビティが1つ形成されればよいのであり、小形の溶湯収容キャビティを複数形成する場合に比較して形成が容易である。また、溶湯収容キャビティをパーティング面に占める比率が高くなるように形成すれば、第1型および第2型のパーティング面の当接面積を小さくすることが可能となり、それにより、型が閉じられた際のパーティング面の面圧を高くし、密着性の向上によりパーティング面間への溶湯の漏れによるバリの発生を低減させることができる。1つの内圧調整部によって内圧調整効果が得られる領域が広くなるのであり、絞り通路の数を減少させ、加工工数を低減することができる。
(10)前記パーティング線に平行な方向において、前記絞り通路の寸法が前記溶湯収容キャビティの寸法より小さい(2)項ないし(9)項のいずれかに記載の鋳造金型。
絞り通路の幅を小さくしつつ溶湯収容キャビティの容積を大きくすることが容易である。
(11)前記絞り通路の前記パーティング線に平行な方向の寸法を、同方向の前記溶湯収容キャビティの寸法で割った商が、1/2以下である(2)項ないし(10)項のいずれかに記載の鋳造金型。
一般的に、上記商が小さい場合に(2)項の発明の効果が大きく、1/3以下、1/5以下、1/10以下である場合にさらに効果が大きい。
(12)前記絞り通路の幅を高さで割った商が20以下である(2)項ないし(11)項のいずれかに記載の鋳造金型。
上記商が10以下であることが望ましく、5以下、3以下である場合にさらに効果的であり、事情に応じて1以下、1/2以とすることもできる。
(13)前記製品成形キャビティが、前記製品としてのタイヤホイールを成形するタイヤホイール成形キャビティである(1)項ないし(12)項のいずれかに記載の鋳造金型。
タイヤホイールは、前述のように、尖った部分の存在が特に望ましくないものであり、(1)項ないし(12)項の発明の有効な適用対象である。
(14)前記タイヤホイールが、リム部と、ハブ部と、それら両部を接続するスポーク部と、それらリム部,ハブ部およびスポーク部に囲まれた窓部とを備えたものであり、前記絞り通路および前記溶湯収容キャビティが、当該鋳造金型の前記窓部を形成する部分に設けられた(13)項に記載の鋳造金型。
窓部は一般にバリの除去作業や研磨作業が困難な部分であり、この部分に(1)項ないし(12)項の発明を適用することが有効である。
(15)前記窓部の輪郭線が曲率半径の大きい部分と小さい部分とを備え、当該鋳造金型のその曲率半径の小さい部分あるいはその近傍に対応する部分に、前記絞り通路および前記溶湯収容キャビティが設けられた(14)項に記載の鋳造金型。
(16)前記窓部が、多角形の角部が丸められたに近い形状を有し、前記絞り通路および前記溶湯収容キャビティが、当該鋳造金型の前記丸められた角部あるいはその近傍に対応する部分に設けられた(14)項または(15)項に記載の鋳造金型。
多角形は、三角形や四角形とすることができ、四角形は矩形,台形等とすることができる。
(17)前記多角形が鋭角三角形である(16)項に記載の鋳造金型。
窓部が鋭角三角形である場合には、角部の研磨作業が特に困難であり、特に有効である。
(18)前記窓部の縁の、前記タイヤホイールを一方向に回転させたと仮定した場合にリーディングエッジとなる部分とトレーリングエッジとなる部分との一方を、研磨が困難な研磨困難部として、当該鋳造金型のその研磨困難部に対応する部分に、前記絞り通路および前記溶湯収容キャビティが設けられた(14)項ないし(17)項のいずれかに記載の鋳造金型。
タイヤホイールの内側面(車両に組み付けられた状態において車両の幅方向中央側を向く面)に同心的に回転ブラシを接触させて窓部の縁を研磨する場合に、回転ブラシ上の任意の1点が離れて行く側の縁は、任意の1点が接近して来る側の縁に比較して研磨効率が低い。したがって、鋳造金型の上記任意の1点が離れて行く側の縁に対応する部分に絞り通路および溶湯収容キャビティを設けて、長いバリが生じないようにすることが望ましい。
(19)前記タイヤホイールの周方向とほぼ平行な部分を研磨が困難な研磨困難部として、当該鋳造金型のその研磨困難部に対応する部分に、前記絞り通路および前記溶湯収容キャビティが設けられた(14)項ないし(17)項のいずれかに記載の鋳造金型。
上記のように回転ブラシにより研磨作業を行う場合に、タイヤホイールの周方向に近い部分は、半径方向に近い部分に比較して研磨効率が低い。したがって、鋳造金型のタイヤホイールの周方向にほぼ平行な部分に対応する部分に絞り通路および溶湯収容キャビティを設けて、長いバリが生じないようにすることが望ましい。ここにおいて「タイヤホイールの周方向とほぼ平行な方向」は、周方向に対して成す角度が10度以下の方向であるとすることが望ましく、20度以下、30度以下の方向であるとすることがさらに望ましい。タイヤホイールの形状が同じであれば、周方向に対して成す角度が大きい方向まで「ほぼ平行な方向」であるとするほど、長いバリの発生する部分が少なくなるのである。
(20)前記タイヤホイールの内側面のうち、切削加工される部分から半径方向に外れた部分を、切削加工によるバリの除去が困難な切削困難部として、当該鋳造金型のその切削困難部に対応する部分に前記絞り通路および前記溶湯収容キャビティが形成された(13)項ないし(17)項のいずれかに記載の鋳造金型。
切削加工される部分から半径方向に外れた部分に生じたバリを切削により除去するためには、本来不必要な部分の切削加工が必要となる。この部分も一種の除去困難部であると言い得る。また、切削加工自体が困難である場合もあり、その場合には文字通り除去困難部である。
(21)前記溶湯収容キャビティが、前記タイヤホイールの内側面のうち、切削加工によって形成される切削面より切削工具側に位置する部分を有する(14)項ないし(20)項のいずれかに記載の鋳造金型。
切削加工の実行時に切削工具が、溶湯収容キャビティ内に収容されて固化した金属により形成される部分に接触し、その部分と絞り通路内に形成された金属により形成される細いあるいは薄い首部とから成る一種のバリが自然に除去されることとなって、好都合である。
(22)前記絞り通路が、前記パーティング線の長さLの部分に、N×2Re≧LおよびD≦Re(ただし、Reは内圧調整有効半径、Nは絞り通路の数、Dは絞り通路の位置から前記パーティング線の長さLの部分上における任意の位置までの距離)を満たす条件で設けられた(2)項ないし(21)項のいずれかに記載の鋳造金型。
内圧調整効果が得られる領域は、絞り通路から半径Reの領域であり、上記条件式は、問題とされている長さLのパーティング線上には内圧調整効果が不十分となる部分が存在しないという条件を満たし得る限りにおいて、絞り通路の個数をできる限り少なくするための条件を表す式である。
(23)前記第1型あるいは前記第2型の前記製品成形キャビティを画成する部分が、前記パーティング線に直角な平面で切断した場合の断面形状が、前記絞り通路側から順に、丸味部,傾斜部および被切削部形成部を有する形状とされ、被切削部形成部が後に切削加工される被切削部を形成する部分であり、傾斜部と被切削部形成部とが鈍角を成す(2)項ないし(22)項のいずれかに記載の鋳造金型。
本項の鋳造金型によれば、絞り通路の痕跡(首部が折られた後の疵)を除去するための研磨作業が容易であり、かつ、被切削部の切削加工時に、切削面と傾斜部との境界にバリが生じ難い。さらに、絞り通路と丸味部との間に抜き勾配部が設けられれば、絞り通路の痕跡を除去するための研磨作業が一層容易となる。なお、研磨作業の容易性のみを求める場合には、抜き勾配部と丸味部、あるいは丸味部のみをもうければよく、切削加工時におけるバリの発生回避のみを目的とする場合は、少なくとも傾斜部を設ければよい。
(24)前記内圧調整部が、前記溶湯収容部と前記絞り部とが直線的に延び、前記溶湯収容部の横断面積が前記絞り部の横断面積以下であり、かつ、それら溶湯収容部と絞り部との合計長さが前記絞り部の内のり寸法の5倍以上である直線型内圧調整部を含む(1)項ないし(23)項のいずれかに記載の鋳造金型。
直線型内圧調整部は鋳造金型のパーティング面に形成されてもよく、パーティング面以外の部分に形成されてもよい。直線型内圧調整部がパーティング面に形成される場合、例えば、製品のバリの切削による除去や研磨作業が困難な部分である除去困難部またはその近傍に形成される。
溶湯収容部および絞り部の各横断面積および溶湯収容部と絞り部との合計長さは、直線型内圧調整部を含む内圧調整部の数,製品成形キャビティの容積,許容される内圧の高さ等に応じて、適切な内圧調整効果が得られるように設定される。
直線型内圧調整部の形成方向は、通常は(24)項に記載の鋳造金型におけるように、型開閉方向に平行な方向であることが望ましいが、金型および製品の形状,構造等によっては型開閉方向に対して傾斜した方向でもよい。
成形時に製品成形キャビティ内の溶湯の圧力が高くなれば、溶湯は絞り部の絞り作用を受けつつ溶湯収容部に流出し、内圧調整効果が得られる。
また、直線型内圧調整部においては、溶湯収容部と絞り部とが直線的に延びているとともに、溶湯収容部の横断面積が絞り部の横断面積以下とされているため、溶湯収容部および絞り部に溶湯が流出して固化したバリを、直線型内圧調整部から真っ直ぐに離脱させることができる。したがって、直線型内圧調整部はパーティング面に形成することが不可欠ではなく、キャビティ面の任意の位置に形成することができ、内圧調整部の配設位置の自由度に富む利点がある。それにより、例えば、製品がタイヤホイールである場合、直線型内圧調整部を、成形後に切削加工が施される面から直線状に突出する状態でバリが形成されるように設けることにより、切削と共にバリを除去することができ、除去が容易である。
本態様においても、バリは離散的に形成されるため、バリの除去および除去痕の研磨が容易である。
(25)前記直線型内圧調整部が、前記第1型と前記第2型との型開閉方向に平行に形成された(24)項に記載の鋳造金型。
溶湯収容部の横断面積が絞り部の横断面積以下であり、第1型と第2型との型開き時あるいは型開き後に、直線的なバリを直線型内圧調整部内から離脱させることができ、製品の金型からの取出しが容易である。
(26)前記複数の内圧調整部の少なくとも一部のものに、その内圧調整部内の空間を当該鋳造金型の外部と連通させ、内圧調整部内のガスを外部に逃がすガス抜き穴が形成された(1)項ないし(25)項のいずれかに記載の鋳造金型。
内圧調整部にガス抜き穴を設ければ、溶湯の流入によって内圧調整部内の圧力が上昇し、溶湯の流入を妨げることを回避できるため、内圧調整部を小形にすることができる。それにより、例えば、パーティング面型内圧調整部が設けられる場合、鋳造金型の剛性の低下を回避することができる。また、パーティング面型内圧調整部の数を増やしても、互いに干渉することが少なく、形成密度を高くすることができる。さらに、直線型内圧調整部が設けられる場合、絞り部と溶湯収容部との合計長さを短くすることができ、加工が容易となる。
(2)項ないし(23)項および(26)項に記載の各特徴は、絞り通路と溶湯収容キャビティとが1組設けられ、内圧調整部としてパーティング面内圧調整部を1つのみ含む鋳造金型にも適用可能である。
以下、請求可能発明の実施例を、図を参照しつつ説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、上記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
図1に、一実施例としての鋳造金型10を示す。この鋳造金型10は、製品としてのタイヤホイール12を鋳造するものである。タイヤホイール12は、図1および図5に示すように、リム部14と、ハブ部16と、それら両部14,16を接続する複数のスポーク部18と、それらリム部14,ハブ部16およびスポーク部18に囲まれた複数の窓部20とを備えたものであり、アルミニウム合金製である。これら窓部20はそれぞれ、タイヤホイール12の内側面(車両に組み付けられた状態において車両の幅方向中央側を向く面)であるホイール内側面22と、外側面(車両に組み付けられた状態において車両の幅方向中央とは反対側を向く面)であるホイール外側面23とに開口させられ、タイヤホイール12をその軸線に平行な方向に貫通して設けられている。また、スポーク部18には、ホイール内側面22に開口する凹部である肉盗み部24が形成されている。
上記複数の窓部20はそれぞれ、本タイヤホイール12においては、図5に示すように、鋭角三角形の3つの角部がそれぞれ丸められたに近い形状を有し、その内側面である窓部内側面26は、上記ホイール内側面22側の部分とホイール外側面23側の部分とが互いに逆向きに傾斜させられた傾斜面とされ、タイヤホイール12の軸線に平行な方向の途中から両端開口に向かうに従って、窓部20の、タイヤホイール12の軸線に直角な方向における断面積は大きくなる。この窓部内側面26を構成する傾斜が互いに逆向きの2つの面の境界線28が、鋳造金型10の後述する上型と下型との、窓部20におけるパーティング線と一致し、この部分にバリが生ずる。この境界線28は、窓部20の両端開口からは引っ込んでいるが、窓部20の輪郭を規定する輪郭線であり、以後、輪郭線28と称する。輪郭線28は閉曲線であり、図5に示すように、曲率半径の大きい部分である大曲率半径部30と、曲率半径の小さい部分である小曲率半径部32とをそれぞれ、3箇所ずつ備えている。小曲率半径部32は、鋭角三角形の3つの角の部分であり、輪郭線28は、小曲率半径部32においては内向き(タイヤホイール12の肉の内部に向かう向き)に凸となる。本実施例では、小曲率半径部32の曲率半径は、タイヤホイール12の最大外のり寸法の約1/40〜1/50とされている。大曲率半径部30は、鋭角三角形の3つの辺の部分であり、輪郭線28は、大曲率半径部30においては、小曲率半径部32におけるより緩やかに内向きに凸となる。
タイヤホイール12は、窓部20の輪郭線28を含む部分に、切削加工によるバリの除去が不可能な切削除去不可能部34と、研磨作業の困難な研磨困難部36とを有している。
これら切削除去不可能部34および研磨困難部36は、従来のバリ除去方法の実施時に生じていたものである。タイヤホイールは、一般に、タイヤホイール12と類似した構成を有し、従来の鋳造金型により鋳造されたタイヤホイールにおいては、図6に示すように、窓部の縁全体に比較的大きなバリ(鋳造バリ)42が生じるため、ホイール内側面が図6に二点鎖線で示す切削面44まで切削加工される際、一緒に除去されていた。図6は、従来の鋳造金型により成形されたタイヤホイールのスポーク部を、その長手方向に直角な切断面において切断して示す図である。
しかし、上記切削加工時には、図7に示すように新たにバリ46が形成される。切削加工は図6において切削工具に対してタイヤホイールが矢印の方向に移動させられて行われるのであるが、その際、スポーク部の、切削工具が接触を開始する側の縁(リーディングエッジと称する)においてはバリが殆ど生じないのであるが、反対側のトレーリングエッジにおいてはバリ(切削バリ)46が生じる。
このバリ46は、例えば手持ちのグラインダによって除去されるが、その際、図8に示すように、小さいバリ(研削バリ)48が生じる。このバリ48を除去するために、例えば、図9に示す回転ブラシ型バリ処理具52(以下、ブラシ板52と略称する)が使用される。ブラシ板52は、円形の回転板54の表面にブラシ56が設けられた構成を有する。ブラシ56は、微小な砥粒を含む合成樹脂から成る繊維が密に立植されたものであり、ブラシ板52がホイール内側面に同心的に接触させられた状態で回転させられることにより、リム部,ハブ部およびスポーク部が研磨される。
従来の鋳造金型によりタイヤホイールが鋳造される際、切削除去不可能部34および研磨困難部36においても長いバリが形成され、その迅速な除去が困難であった。図10は、従来の鋳造金型により成形されるタイヤホイールの1例であり、成形されることが多いタイヤホイール58について切削除去不可能部および研磨困難部を一般的に説明する図であり、タイヤホイール12の構成要素に相当する構成要素には同一の符号を付して示す。このタイヤホイール58はタイヤホイール12と類似した構成を有するが、窓部内側面が、ホイール外側面側からホイール内側面側に向かうに従って真っ直ぐに傾斜させられ、窓部の車両内側の開口端を規定する輪郭線が窓部におけるパーティング線と一致させられている。このタイヤホイール58において切削除去不可能部34は、図10において円Aにより囲んで示す部分であり、小曲率半径部32の一部であって、意匠上の理由で、輪郭線28を含む一平面に対してホイール外側面23側へ浮き上がらされ、三次元的に曲げられた部分である。切削工具とタイヤホイール12とを相対回転させて前述のように切削加工を施す場合、浮き上がり部分は切削面からその切削面に対する法線の方向に外れた部分であり、切削工具を接触させることができず、この部分にバリが形成されれば、切削により除去できないのである。なお、図10には、1箇所の小曲率半径部32について代表的に切削除去不可能部34が図示されているが、タイヤホイール58は、3箇所の小曲率半径部32の全部が切削除去不可能部34となっている。タイヤホイール58の切削除去不可能部34は、切削除去困難部でもある。切削除去不可能部34に沿って形成されたバリは、例えば、作業者が手持ちの回転加工装置に取り付けたリーマによって除去することができるのであるが、ホイール外側面23側へ浮き上がらされた部分に沿って形成されたバリを正確に除去することは困難であるからである。
タイヤホイール12については、これを従来の鋳造金型により鋳造する場合に生ずる切削除去不可能部34は、窓部20の、その両端開口から引っ込んだ位置にある輪郭線28の部分であって、鋳造金型のパーティング線と一致する部分である。この部分に沿ってバリが形成されれば、ホイール内側面22に対して製品の加工上必要な切削を行うとしても切削工具を接触させることができず、機械加工面となる切削面を形成する切削加工では除去することが不可能であるからである。タイヤホイール12におけるこの切削除去不可能部34は、鋳造金型10の開閉方向に直角な一平面内に位置するため、バリが形成されても、作業者によるリーマを用いた除去作業は困難ではなく、タイヤホイール12には、従来の鋳造金型により鋳造する場合であっても切削除去困難部はない。
また、3つの小曲率半径部32は、従来であればいずれも研磨困難部36である。タイヤホイール58においては、3箇所の小曲率半径部32は切削除去不可能部34でもあり、研磨困難部36でもあるのである。タイヤホイール12においては、3箇所の小曲率半径部32が研磨困難部36である。研磨は、前述のように、ブラシ板52を使用して行われるのであるが、小曲率半径部32は、その一部の方向が、タイヤホイール12の周方向とほぼ平行であって、周方向に対して成す角度が20度以下であり、ブラシ56の樹脂繊維の回転軌跡にほぼ平行に延びるため、この部分に形成されたバリは研磨され難い。また、ブラシ56の、ブラシ板52の回転軸線に近い側の部分ほど回転速度が遅く、研磨効果が小さい。さらに、窓部20の縁の、ブラシ板52の回転につれてそのブラシ板52上の任意の1点が入ってくる側の部分(リーディングエッジ)はブラシ56がかかり易く、研磨が容易であるが、ブラシ板52上の任意の1点が出て行く側の部分(トレーリングエッジ)はブラシ56がかかり難く、この部分に形成されたバリは研磨され難い。ブラシ56の回転速度,回転方向に対して成す角度およびブラシ板52上の任意の1点が入る側か出る側かによる研磨困難の事情は、大曲率半径部30についても同様である。さらに、小曲率半径部32に形成された鋳造バリを除去した後、その痕跡をグラインダ等の工具によって1つずつ研磨して除去する場合、工具の半径が小曲率半径部32の曲率半径より大きい場合には、工具が窓部20の縁に当たらず、研磨ができない。工具の半径が小曲率半径部32の曲率半径より小さい場合は、研磨は可能であるが、工具の半径が曲率半径に近い場合には研磨が困難である。
このように、従来の鋳造金型により鋳造されたタイヤホイールのバリ除去を従来の方法で行う場合には、切削除去不可能部34や研磨困難部36が存在し、そのため、タイヤホイールの仕上げには多大な時間を要していた。
それに対し、図1の鋳造金型10は、バリを迅速に除去することができるタイヤホイール12を鋳造し得るように構成されている。鋳造金型10を説明する。
本鋳造金型10は、高加圧鋳造法の一種であるスクイズ鋳造法としてのプランジャ法によりタイヤホイール12を成形するものであり、縦型とされている。そのため、鋳造金型10は、図1に示すように、第1型としての上型60,第2型としての下型62および複数個の横型(ここでは2個の横型64,66)を備え、これら型60,62,64,66によって製品成形キャビティとしてのタイヤホイール成形キャビティ68が画成されている。下型62に湯口70および湯道72が上下方向に設けられるとともに、加圧筒74が取り付けられ、その加圧筒74に収容された溶湯がプランジャ76によって加圧され、タイヤホイール成形キャビティ68に充填されるように構成されている。
上型60は、図1に示すように、前記肉盗み部24を成形するための肉盗み部成形突部78および窓部20の車両内側の部分を成形するための複数の窓部成形突部80を備え、下型62は、窓部20の車両外側の部分を成形するための複数の窓部成形突部82を備えている。したがって、上型60と下型62との合わせ面であるパーティング面90,92のうち、上型60のパーティング面90は、複数の窓部成形突部80の各突出端面を含み、下型62のパーティング面92は、複数の窓部成形突部82の各突出端面を含む。
また、窓部成形突部80,82の各外周面等が共同してタイヤホイール成形キャビティ68の内面であるキャビティ面94を構成し、キャビティ面94と、パーティング面90,92との交線であるパーティング線96は窓部20の前記輪郭線28と一致する。したがって、タイヤホイール12の前記従来の鋳造での研磨困難部36は、タイヤホイール12をパーティング面90,92のタイヤホイール成形キャビティ68側への延長面で切断した場合に、輪郭線28が内向きに凸となる部分である。また、窓部20におけるパーティング線96は、切削工具により切削されるホイール内側面22の切削面に対する法線の方向に外れた位置に形成されており、窓部20のパーティング線96全体に対応する部分が従来の鋳造での切削除去不可能部34であることになるが、本実施例においては、バリの除去を切削加工により行うことは予定されていないので支障はない。
下型62の窓部成形突部82の突出端面であって、パーティング面92には、図2に示すように、複数、例えば、8つの接続通路形成溝としての絞り通路形成溝98と、複数、例えば、7つの溶湯収容キャビティ形成凹部100とが形成されている。絞り通路形成溝98は、下型62のキャビティ面を形成するキャビティ面形成面101およびパーティング面92に開口させられ、溶湯収容キャビティ形成凹部100は絞り通路形成溝98に連通させられるとともに、パーティング面92に開口させられており、上型60および下型62が閉じられ、パーティング面90,92が合わされた状態では、溶湯収容キャビティ形成凹部100のパーティング面92への開口が上型60のパーティング面90により塞がれ、図3に示すように、溶湯収容キャビティ102が形成されるとともに、絞り通路形成溝98のパーティング面92への開口がパーティング面90により塞がれて絞り通路104が形成され、溶湯収容キャビティ102および絞り通路104を備えたパーティング面型内圧調整部106が複数、本鋳造金型10では8つ設けられる。
絞り通路104は、溶湯収容キャビティ102とタイヤホイール成形キャビティ68とを接続する接続通路であり、上型60のパーティング線96の一部が絞り通路104のタイヤホイール成形キャビティ68側の開口の一辺を成している。前述のように、窓部20の輪郭線28は、窓部20の両端開口から引っ込んだ位置にあり、パーティング面90,92は、窓部20の、タイヤホイール12の軸線に平行な方向の途中において合わされ、絞り通路104および溶湯収容キャビティ102は、鋳造金型10の、窓部20の上記途中に対応する部分に形成されていることとなる。絞り通路形成溝98は、窓部成形突部82の前記3つの大曲率半径部30の各々を成形する部分にそれぞれ設けられるとともに、従来の鋳造での研磨困難部36である3つの小曲率半径部32の各々を成形する部分の近傍に形成されている。そのため、絞り通路104は、本鋳造金型10のパーティング線96の大曲率半径部30に対応する部分および小曲率半径部32の近傍に対応する部分に設けられ、複数のパーティング面型内圧調整部106は、8つの絞り通路104がタイヤホイール成形キャビティ68に離散的に開口する状態で設けられる。以後、簡略化のために、絞り通路104は、大曲率半径部30に、小曲率半径部32の近傍に、あるいは研磨困難部36の近傍に設けられていると記載する。
8つの絞り通路形成溝98は、本鋳造金型10では、いずれも横断面形状が長方形を成し、溝の底面と両側面との交線近傍が丸められ、絞り通路104の幅および高さ(パーティング線96に直角な方向の寸法。ここでは絞り通路形成溝98の深さ)は、タイヤホイール成形キャビティ68内の溶湯の圧力をタイヤホイール12の成形に必要な高さに保ちつつ、その圧力が過度に高くなることを防止する内圧調整効果が得られるとともに、後述の条件(a)および(b)を満たす大きさとされている。
タイヤホイール成形キャビティ68に充填された溶湯が加圧され、その圧力が高くなれば、パーティング面90,92の間へ侵入しようとするが、絞り通路104および溶湯収容キャビティ102が設けられていれば、溶湯は絞り通路104を経て溶湯収容キャビティ102へ流出し、それによってタイヤホイール成形キャビティ68内の圧力が適切な高さに保たれる。つまり、タイヤホイール成形キャビティ68内の圧力が過度に高くなって、パーティング線96の絞り通路104が形成された部分以外から溶湯がパーティング面90,92間へ漏れ、バリとなることが防止されるのである。この際、溶湯収容キャビティ102への溶湯の流出が容易過ぎれば、タイヤホイール成形キャビティ68内の溶湯の圧力が下がり過ぎて良好なタイヤホイール12が鋳造されない。そのため、絞り通路104は、タイヤホイール成形キャビティ68から溶湯収容キャビティ102へ流出する溶湯の流れを適度に抑制し、タイヤホイール成形キャビティ68内の溶湯の圧力を、タイヤホイール12の成形に適した高さに維持するものであることが必要なのであり、絞り通路104の断面積の設定により、適切な絞り効果が得られ、内圧調整効果が得られる。溶湯収容キャビティ102は、溶湯の加圧充填が終了するまで溶湯を収容し続け得る容積を有することが必要である。
絞り通路104および溶湯収容キャビティ102による内圧調整効果は、絞り通路104のタイヤホイール成形キャビティ68側の開口に対応する部分のみではなく、その開口からの離間距離が比較的小さい部分においても得られる。この内圧調整効果が得られる領域は、絞り通路104から半径Reの領域であると考えることができ、この半径Reを内圧調整有効半径と称し、絞り通路104から内圧調整有効半径Re内の領域においては、タイヤホイール成形キャビティ68内の溶湯の圧力が過度に高くなって、パーティング面90,92の間に侵入することがなく、バリの形成が回避される。本鋳造金型10において絞り通路104および溶湯収容キャビティ102は、パーティング線96の全長を内圧調整の対象として設けられ、その全長Lの部分に、N×2Re≧LおよびD≦Reの条件を満たして設けられている。ただし、Nは絞り通路の数、Dはパーティング線96上の任意の点から直近の絞り通路104(厳密には絞り通路104の幅方向の中央の点)までの距離である。なお、内圧調整有効半径Reは、絞り通路104の断面積が大きいほど大きく、溶湯の流動性が大きいほど大きくなる。
タイヤホイール成形キャビティ68から絞り通路104を経て溶湯収容キャビティ102内に流出した溶湯は、それら絞り通路104および溶湯収容キャビティ102内において固化し、バリとなる。このバリは除去されるのであるが、絞り通路104の幅が小さい方がバリの切除が容易であり、また、切除痕が小さく、その切除痕の研磨による除去も容易である。そのため、前記条件(a),(b)は、(a)絞り通路104の幅がパーティング線96に平行な方向における溶湯収容キャビティ102の寸法の1/3以下であること、(b)絞り通路104の幅を高さ(パーティング線96に直角な方向の寸法)で割った商が5以下であることとされている。
上記7つの溶湯収容キャビティ102は、それぞれ対応する絞り通路104を経て流出する溶湯の全部を収容可能な容積を有するものとされている。本鋳造金型10においては、7つの溶湯収容キャビティ102のうちの1つは、図2に示すように、複数、例えば、2つの絞り通路104によりタイヤホイール成形キャビティ68に接続され、それら絞り通路104全部から流入する溶湯を収容可能な容積を有し、他の溶湯収容キャビティ102より大きい。
上記8つのパーティング面型内圧調整部106内の各空間はそれぞれ、図3に1つを代表的に示すように、ガス抜き穴120によって鋳造金型10の外部と連通させられる。ガス抜き穴120は、ガス抜き部122と外部連通部124とを含む。そのため、下型52には、図2に示すように、パーティング面92に、それぞれ一端が7つの溶湯収容キャビティ形成凹部100に開口させられ、他端が1つに合わされた8つのガス抜き部形成溝126が形成されるとともに、一端が8つのガス抜き部形成溝126の1つに合わされた他端に開口し、他端が下型62の外面であって、本実施例ではパーティング面92とは反対側の面に開口させられて型開閉方向に平行に延びる貫通孔128が形成されている。なお、他より大きい溶湯収容キャビティ102を形成する溶湯収容キャビティ形成凹部100については、ガス抜き部形成溝126が複数、例えば2本設けられ、ガス抜き穴120が2本設けられるようにされているが、1本でもよい。
ガス抜き部形成溝126の横断面形状は、本鋳造金型10においては、絞り通路104と同様に長方形状を成し、横断面積は絞り通路形成溝98より小さく、幅および高さがいずれも絞り通路形成溝98より小さくされている。したがって、上型60および下型62が閉じられ、ガス抜き部形成溝126のパーティング面92側の開口および貫通孔128のパーティング面92側の開口が塞がれることにより、複数の溶湯収容キャビティ102にそれぞれ連通し、溶湯収容キャビティ102からの溶湯の流出を生ずることなく、溶湯収容キャビティ102内のガスを流出させるガス抜き部122と、ガス抜き部122を外部に連通させる外部連通部124とを含むガス抜き穴120が形成される。外部連通部124は8つのガス抜き穴120に共有である。
以上のように構成された鋳造金型10によってタイヤホイール12を成形する場合には、図1に示すように、溶湯がプランジャ76によりタイヤホイール成形キャビティ68に注入され、高圧で加圧され、固化させられて、タイヤホイール12が鋳造される。この際、タイヤホイール成形キャビティ68内の溶湯の圧力が上昇すれば、溶湯が絞り通路104を通って溶湯収容キャビティ102に流出し、タイヤホイール成形キャビティ68内の溶湯の圧力が過大となってパーティング面90,92間に侵入することはない。複数のパーティング面型内圧調整部106はそれぞれ、ガス抜き穴120によって外部に連通させられているため、タイヤホイール成形キャビティ68から溶湯収容キャビティ102への溶湯の流入により溶湯収容キャビティ102内の圧力が上昇して溶湯の流入を妨げることが回避される。そのため、溶湯収容キャビティ102を小形にしつつ、絞り通路104および溶湯収容キャビティ102による内圧調整効果が得られる。
プランジャ76は、タイヤホイール成形キャビティ68に、それを満たすのに必要な量に誤差の分を加えた量の溶湯が注入された状態で停止させられる。そのため、内圧調整のために溶湯収容キャビティ102に流入する溶湯の量が限られ、溶湯の無駄を抑えつつ、内圧調整効果が得られる。
絞り通路104は、窓部20を囲むパーティング線96全体について内圧調整効果が得られるようにほぼ均一に設けられているため、従来は研磨困難部36であった部分においても、溶湯がパーティング面90,92間に侵入してバリを形成することがない。その代わり、鋳造されたタイヤホイール12の窓部内側面26であって、従来は切削除去不可能部34であった部分には、図4に示すように、そのタイヤホイール12の軸線に平行な方向の途中に、溶湯収容キャビティ102内で固化した塊状部110が、絞り通路104内において形成された首部112により窓部内側面26に連結された形状の7つのバリ114が形成される。絞り通路104および溶湯収容キャビティ102が設けられることにより、バリが窓部20の予め設定された個所に集約して形成されるのみで、それ以外の部分にはバリが形成されないのである。この効果をバリ集約形成効果と称することとする。
バリ114は、首部112と窓部内側面26との境界から折って除去するとともに、その折り跡を研磨して除去する。研磨は、作業者が手持ちの研磨具を用いて行うか、数値制御研磨装置を使用して行う。いずれにしても、前記条件(a),(b)を満たして形成された絞り通路104は幅が小さいため、バリ114の折り痕が小さく、研磨面積が小さく、迅速に研磨を行うことができる。また、絞り通路104は、小曲率半径部32の近傍には設けられるが、小曲率半径部32自体には設けられないため、研磨作業が容易である。鋳造金型10により成形されたタイヤホイール12には研磨困難部が実質的にないに等しいのである。また、窓部内側面26に生じたバリを切削により除去すること自体が予定されていないため、切削除去不可能部というものも存在しない。このため、バリの切除が容易であるとともに研磨作業が容易であり、バリの除去,研磨に要する時間が短くて済み、タイヤホイール12の製造時間が著しく短縮される。
図10に示すタイヤホイール58も、鋳造金型10と同様に、小曲率半径部の近傍および大曲率半径部に対応する部分にそれぞれ絞り通路が形成された複数のパーティング面型内圧調整部を有する鋳造金型によって鋳造することにより、研磨困難部,切削除去不可能部および切削除去困難部が実質的に存在しないに等しいタイヤホイール58が得られる。パーティング面型内圧調整部への溶湯の流入によりバリが集約して形成され、従来は研磨困難部,切削除去困難部および切削除去不可能部であった部分にバリが形成されないようにすることができ、あるいは形成されても、絞り通路への溶湯の流入により形成された首部において折って除去することができるとともに、その折痕をリーマを用いて切削したり、研磨加工を施すとしても短く、容易にかつ迅速に加工を行うことができるからである。
別の実施例である鋳造金型150の要部を図11に示し、それによって鋳造されたタイヤホイール164の要部を図12に示す。本鋳造金型150は、前記鋳造金型10と同様に、上型152,下型154および2つの横型(図示省略)を有し、それぞれ絞り通路156および溶湯収容キャビティ158を備えたパーティング面型内圧調整部159が複数、設けられている。本鋳造金型150においては、スポーク部162の、ホイール内側面172を切削工具(例えば、バイト)によって加工する際に切削工具が接触を開始する側の縁であるリーディングエッジ165とは反対側の縁であるトレーリングエッジ167側の部分に対応する部分であって、小曲率半径部166の近傍および大曲率半径部168に対応する部分にそれぞれ、パーティング面型内圧調整部159の絞り通路156が設けられている。絞り通路156および溶湯収容キャビティ158を形成するために、上型152のパーティング面160に、絞り通路形成溝169および溶湯収容キャビティ形成凹部171が設けられているが、パーティング面160の、スポーク部162のトレーリングエッジ167側の部分に対応する部分と、リーディングエッジ165側の部分に対応する部分とでは高さを異にし、窓部170のホイール内側面172に開口する部分より窓部170内に引っ込んだ位置にトレーリングエッジ167側の部分が位置するとともに、それに対応する部分に絞り通路156および溶湯収容キャビティ158が形成され、パーティング面160の、スポーク部162のリーディングエッジ165側の部分に対応する部分は、タイヤホイール成形キャビティ182のキャビティ面のホイール内側面172を形成する部分と同一面内に一致するように設けられている。
下型154のパーティング面178も、上記パーティング面160に合わせて形成され、部分的に高さを異にする。したがって、パーティング線180は、スポーク部162のトレーリングエッジ167側の部分に対応する部分からリーディングエッジ165側の部分に対応する部分にかけて傾斜した傾斜部を有する。なお、溶湯収容キャビティ形成凹部171は、溶湯収容キャビティ158が、パーティング面160のホイール内側面172と一致する部分を超える深さを有し、切削加工によって形成される切削面より切削工具側に位置する部分を有するものとなるように形成されている。絞り通路156は、前記絞り通路104と同様の条件を満たして形成されているが、パーティング線180のうちの一部分であって、スポーク部162のトレーリングエッジ167側の部分に対応する部分の長さLの部分について内圧調整効果が得られるように設けられる。
また、上型152のタイヤホイール成形キャビティ182を画成する部分であって、スポーク部162のトレーリングエッジ167側の部分を鋳造する部分が、パーティング線180に直角な平面で切断した場合の断面形状が、図11に示すように、絞り通路156側から順に、抜き勾配部188,丸味部190,傾斜部192および被切削部形成部194を有する形状とされている。被切削部形成部194は後に切削加工される部分であり、傾斜部192と被切削部形成部194との成す角βは鈍角とされている。
なお、図示は省略するが、本鋳造金型150においても、パーティング面型内圧調整部159を上型152の外部と連通させるガス抜き穴が形成され、ガス抜きによる効果が得られるようにされている。
本鋳造金型150によりタイヤホイール164が鋳造される場合、鋳造金型150のスポーク部162のトレーリングエッジ167側の部分を成形する部分においては、絞り通路156を経て溶湯収容キャビティ158に溶湯が流出し、複数のパーティング面型内圧調整部159の内圧調整効果により、絞り通路156および溶湯収容キャビティ158への溶湯の流入によるバリのみが形成される。この部分においては、パーティング面160,178の間への溶湯の侵入によるバリが形成されることはないのであり、絞り通路156の近傍部である小曲率半径部166にバリが形成されることが防止される。絞り通路156および溶湯収容キャビティ158への溶湯の流入により形成されるバリ200は、首部202および塊状部204を含むが、塊状部204はホイール内側面172から突出した状態で形成される。鋳造金型150のスポーク部162のリーディングエッジ165側の部分を鋳造する部分には、絞り通路156および溶湯収容キャビティ158が形成されていないため、パーティング面160,178の間に溶湯が侵入し、バリが形成される。
成形後、窓部170に形成された2種類のバリ、すなわち絞り通路156および溶湯収容キャビティ158により形成されたバリ200と、パーティング面160,178への溶湯の侵入により発生した従来と同様の鋳造バリ(図示省略)とが除去される。窓部170の縁の、スポーク部162のリーディングエッジ165側の部分に形成された鋳造バリは、ホイール内側面172に位置するため、図11に二点鎖線で示す切削面206に沿った切削により除去される。切削は、図11に矢印で示す方向に行われ、傾斜部192側(タイヤホイール164の、上型152の抜き勾配部188,丸味部190,傾斜部192および被切削部形成部194により成形された部分についてもそれぞれ、同じ名称および符号を付して説明することとする。)であって、トレーリングエッジ167側が切削面206のトレーリングエッジとなるように行われる。そのため、切削面206と傾斜部192との境界に切削バリが生じ難い。また、切削面206のトレーリングエッジとは反対側の縁であるリーディングエッジには本来切削バリが殆ど生ぜず、スポーク部162のリーディングエッジ165側の部分には殆ど切削バリが生じない。さらに、切削の進行に伴って切削工具が溶湯収容キャビティ158により形成されたバリ200の塊状部204に接触し、それにより、バリ200が首部202の窓部内側面208側の部分から折れて除去される。このバリの痕跡は、研磨により除去されるのであるが、首部202の幅は小さく、研磨作業を容易にかつ迅速に行うことができる。また、絞り通路156と丸味部190との間に角度αの抜き勾配部188が設けられているため、研磨工具を首部202の痕跡に接触させることが容易であり、研磨作業を容易に行うことができる。さらに、丸味部190が設けられることにより、窓部170の内側開口端に尖ったエッジが形成されることがない。
本鋳造金型150によれば、パーティング線180の一部のみについて、絞り通路156および溶湯収容キャビティ158を設けることにより、バリの集約形成効果が得られるとともに、溶湯の消費抑制効果が得られる。すなわち、スポーク部162のトレーリングエッジ167側の部分については、絞り通路156および溶湯収容キャビティ158が大曲率半径部168および従来ではバリの除去が困難である小曲率半径部166の近傍に設けられるため、小曲率半径部166に従来と同様の鋳造バリが形成され、除去が困難になることが回避される。また、スポーク部162のリーディングエッジ165側の部分については絞り通路156および溶湯収容キャビティ158が設けられないが、この部分に形成される鋳造バリは、切削バリの発生を抑えつつ切削により除去することができ、鋳造金型150に設ける絞り通路156および溶湯収容キャビティ158の数が少なく、それらに収容される溶湯の量が少なくて済み、溶湯の消費が抑制される。タイヤホイール164のホイール内側面の加工上必要な切削を利用した鋳造バリの除去により、絞り通路156および溶湯収容キャビティ158の形成位置,数が少なくされ、溶湯の無駄な消費を抑えつつ、バリ除去の容易化を図ることができるのである。
さらに別の実施例である鋳造金型220を図13に示す。この鋳造金型220は、上型222および下型224のパーティング面226,228が、タイヤホイールのホイール内側面の位置に形成されている。そして、下型224のパーティング面228に複数の絞り通路形成溝230および溶湯収容キャビティ形成凹部232が形成され、それら溝230および凹部232の開口がパーティング面226によって塞がれることにより、それぞれ絞り通路234と溶湯収容キャビティ236とを備えた複数のパーティング面型内圧調整部238が設けられる。本鋳造金型220においても、図示は省略するが、パーティング面型内圧調整部238と下型224の外部とを連通させるガス抜き穴が形成され、ガス抜き効果が得られるようにされている。
本鋳造金型220においては、成形時にタイヤホイール成形キャビティ240から溶湯収容キャビティ236への溶湯の流出,固化によるバリはいずれも、窓部のホイール内側面側開口端に形成されることとなり、タイヤホイールの鋳造後、バリが首部において折られ、除去された後、首部の痕跡が部分的な研磨によって除去される。絞り通路234および溶湯収容キャビティ236は、窓部の輪郭線の全体に設けられ、パーティング線の全長を内圧調整の対象として設けられるが、研磨困難部には設けられず、首部の痕跡の研磨作業が容易である。
さらに別の実施例である鋳造金型250の下型252を図14に示す。下型252の窓部成形突部254の突出端面256であって、当接面ないしパーティング面には、複数、例えば、4つの絞り通路形成溝258と1つの溶湯収容キャビティ形成凹部260とが形成されており、これらの開口が上型のパーティング面によって塞がれることにより、絞り通路および溶湯収容キャビティが形成され、4つのパーティング面型内圧調整部が設けられる。
溶湯収容キャビティ形成凹部260は、窓部成形突部254の突出端面256に、その周縁部を残して形成され、4つの絞り通路形成溝258はいずれも溶湯収容キャビティ形成凹部260に開口させられている。したがって、溶湯収容キャビティ形成凹部260によって形成される溶湯収容キャビティは、4つの絞り通路形成溝258によって形成される絞り通路に共有であり、タイヤホイール成形キャビティから4つの絞り通路を経て流入する溶湯を収容するのに十分な容積を有する。4つの絞り通路形成溝258は、4つの絞り通路がパーティング線の、タイヤホイールの3つの小曲率半径部の近傍にそれぞれ対応する部分に設けられるように形成されている。また、下型252には、溶湯収容キャビティ形成凹部260と下型252の外面とに開口する貫通孔262が形成され、パーティング面型内圧調整部を外部と連通させるガス抜き穴が形成される。
本鋳造金型250においては、図示を省略する上型と下型252とが合わされ、タイヤホイール成形キャビティに溶湯が充填されるとともに加圧される際、その圧力が高くなれば、4つの絞り通路を経て溶湯収容キャビティに流出し、それによってタイヤホイール成形キャビティ内の圧力が過度に高くなることが防止される。また、パーティング面254を構成する窓部成形突部254の突出端面256は、4つの絞り通路に共有の溶湯収容キャビティを形成する溶湯収容キャビティ形成凹部260が設けられ、その周縁部のみが残されることにより、上型のパーティング面に合わされる当接面積が小さく、面圧が高くなり、溶湯の漏れ防止効果が得られる。そのため、1つのパーティング面型内圧調整部による内圧調整領域が広くなり、面圧の高さによっては、4つのパーティング面型内圧調整部によってパーティング線の全長において内圧調整効果が得られ、溶湯の漏れが防止される。パーティング線の全長において内圧調整効果が得られなくても、4つの絞り通路は、輪郭線の小曲率半径部近傍に設けられ、パーティング線の小曲率半径部に対応する部分からの溶湯の漏れが防止され、バリの除去および除去痕の研磨が困難になることが回避される。
4つの絞り通路および1つの溶湯収容キャビティへの溶湯の流入により、4つの首部と、それら首部によりタイヤホイールにつながれた大きい1つの塊状部とを含むバリが形成される。このバリは、4つの首部をそれぞれ窓部内側面側において折ることによりタイヤホイールから切り離される。首部の折痕には研磨加工を施すが、首部は、小曲率半径部近傍部であって研磨困難部から外れた部分に形成され、研磨が容易である。
さらに別の実施例である鋳造金型280を図15ないし図17に示す。本鋳造金型280においては、上型282のパーティング面284に複数の絞り通路形成溝286および溶湯収容キャビティ形成凹部288が形成され、下型290のパーティング面292によって塞がれることにより、絞り通路294および溶湯収容キャビティ296を含むパーティング面型内圧調整部298が複数、形成される。溶湯収容キャビティ296は、ガス抜き穴300によって外部に連通させられる。これらパーティング面型内圧調整部298は、例えば、前記鋳造金型10のパーティング面型内圧調整部106と同様に、窓部成形突部302の、大曲率半径部を成形する部分および小曲率半径部の近傍部分を成形する部分にそれぞれ設けられている。
本鋳造金型280にはまた、複数の直線型内圧調整部310が設けられている。上型282には、図15に示すように、型開閉方向である上下方向に平行に、かつ直線的に(一直線状に)延びる絞り孔形成孔312および溶湯収容孔形成孔314が形成されている。絞り孔形成孔312は、本鋳造金型280では断面形状が円形を成し、タイヤホイール成形キャビティ316を形成するタイヤホイール成形キャビティ形成凹部318の内面であって、ホイール内側面319を成形する面に開口させられ、図16に示すように、キャビティ面形成面320に沿って複数、形成されている。
溶湯収容孔形成孔314も横断面形状が円形を成し、絞り孔形成孔312と直径が同じであって同じ横断面積を有し、同心に形成されている。1つの孔が絞り孔形成孔としても溶湯収容孔形成孔としても機能すると考えることができ、あるいはそのタイヤホイール成形キャビティ形成凹部318側の部分が絞り孔形成孔を構成し、残りの部分が溶湯収容孔を構成すると考えることもできる。上型282と下型290とが閉じられることにより、絞り孔形成孔312および溶湯収容孔形成孔314によって絞り部としての絞り孔322および溶湯収容部としての溶湯収容孔324が形成される。キャビティ面326に開口する一直線状の孔全体が絞り孔322かつ溶湯収容孔324であり、1つの孔が絞り孔322と溶湯収容孔324とを兼ねていると考えることもでき、孔のキャビティ面326への開口側の部分が絞り孔322を構成し、残りの部分が溶湯収容孔324を構成していると考えることもできる。本鋳造金型280において絞り孔322と溶湯収容孔324との合計長さは、絞り孔322の内周面の周の長さの30倍とされている。
また、直線型内圧調整部310は、図15に示すように、ガス抜き穴330によって外部に連通させられている。ガス抜き穴330は上型282に形成された溶湯収容孔形成孔314より小径のガス抜き穴形成穴332により形成され、溶湯の流入は阻止しつつ、ガス抜きを許容する。ガス抜き穴330は、型開閉方向に平行に直線状に延びるとともに、上型282の外面に開口して形成された大径の凹部334に開口させられており、ガス抜き穴330を短くすることができる。
なお、上型282のタイヤホイール成形キャビティ形成凹部318が設けられた部分には、図17に示すように、抜き勾配部336,丸味部338,傾斜部340および被切削部形成部342が設けられている。これら抜き勾配部336等は、上型282のタイヤホイール成形キャビティ形成凹部318を形成する部分のうち、スポーク部を形成する部分の、肉盗み部側の2箇所と窓部側の2箇所とにそれぞれ形成されている。傾斜部340と被切削部形成部342との成す角は鈍角とされている。溶湯収容キャビティ296は、タイヤホイールの内側面のうち、切削加工によって形成される切削面より切削工具側に位置する部分を有するように設けられる。
本鋳造金型280においては、タイヤホイール成形キャビティ316に溶湯が充填されるとともに加圧され、その圧力が高くなれば、溶湯は絞り通路294を経て溶湯収容キャビティ296に流出するとともに、絞り孔322を経て溶湯収容孔324に流出し、タイヤホイール成形キャビティ316内の圧力が過度に高くなることが防止される。したがって、パーティング面型内圧調整部298の数,溶湯収容キャビティ296の容積と、直線型内圧調整部310の絞り孔322,溶湯収容孔324の直径,合計長さおよび数とは、タイヤホイール成形時に、内圧調整部298,310が共同して適切な内圧調整効果が得られる大きさ,寸法および数に設定されている。溶湯充填時には、ガス抜き穴300,330により溶湯収容キャビティ296内および溶湯収容孔324内のガスが外部に抜かれ、溶湯収容キャビティ296内および溶湯収容孔324内の圧力が上昇して溶湯の流入を妨げることが回避される。本鋳造金型280においても、タイヤホイール成形キャビティ316に溶湯を充填するためのプランジャは、タイヤホイール成形キャビティ316に、それを満たすのに必要な量に誤差の分を加えた量の溶湯が注入された状態で停止させられる。そのため、内圧調整のために溶湯収容キャビティ296および溶湯収容孔324に流入する溶湯の量が限られ、溶湯の無駄を抑えつつ、内圧調整効果が得られる。
鋳造金型280により鋳造されたタイヤホイールには、溶湯収容キャビティ296および絞り通路294への溶湯の流入によりバリが形成されるとともに、溶湯収容孔324および絞り孔322への溶湯の流入によりバリが形成される。絞り孔322および溶湯収容孔324への溶湯の流入によるバリは、タイヤホイールのホイール内側面319から型開閉方向に平行に直線状に突出する状態で形成され、鋳造金型280が開かれるとき、あるいは鋳造金型280が開かれた後、タイヤホイールの型からの取出しと共に直線型内圧調整部310から離脱させられる。
絞り孔322および溶湯収容孔324への溶湯の流入によるバリは、タイヤホイールに、ホイール内側面319から直角に突出する状態で形成され、タイヤホイールの成形後、図15に二点鎖線で示す切削面344に沿ってホイール内側面319に切削加工が施される際に同時に除去される。切削は、図15に矢印で示す方向に行われ、絞り通路294および溶湯収容キャビティ296への溶湯の流入により形成されたバリに向かう向きに行われる。前述のように、上型282のタイヤホイール成形キャビティ形成凹部318が設けられた部分には傾斜部340が設けられており、傾斜部340が切削面344のトレーリングエッジとなり、切削面344と傾斜部340との境界にバリが生じ難い。さらに、切削の進行に伴って切削工具が溶湯収容キャビティ296により形成されたバリの塊状部に接触し、それにより、バリが首部の窓部内側面の部分から折れて除去される。バリの痕跡は研磨により除去される。溶湯収容キャビティ296は、鋳造金型280の窓部を成形する部分に設けられ、絞り通路294および溶湯収容キャビティ296への溶湯の流入によるバリは、窓部の、切削加工時にリーディングエッジ側となる部分にも、トレーリングエッジ側となる部分にも形成されるが、いずれも切削工具が接触することにより折れて除去される。
傾斜部340は、タイヤホイール成形キャビティ形成凹部318のスポーク部を成形する部分の、肉盗み部側の2部分であって、切削方向に平行な方向に隔たった2部分と、スポーク部の両側の各窓部側の部分とにそれぞれ形成されているため、成形されたタイヤホイールは、正逆いずれの方向に切削が行われても傾斜部340が切削面344のトレーリングエッジとなり、バリが生じ難い。溶湯収容キャビティ296への溶湯の流入により形成されたバリのうち、スポーク部の切削時にリーディングエッジ側となる側に形成されたバリは手で折って除去してもよく、リーディングエッジ側およびトレーリングエッジ側にそれぞれ形成されたバリをいずれも手で折って除去してもよい。バリを手で折って除去する場合、溶湯収容キャビティは切削面より切削工具側に位置する部分を有しなくてよい。
また、図11に示す鋳造金型150と同様に、スポーク部のトレーリングエッジ側となる部分に対応する部分にのみパーティング面型内圧調整部を設け、抜き勾配部336,丸味部338,傾斜部340および被切削部形成部342は、上型282の溶湯収容キャビティ形成凹部が設けられる側の部分のみ(切削面344のトレーリングエッジとなる側の部分のみ)に設けられてもよい。さらに、切削方向が1方向に決まっている場合、上型の、切削面のトレーリングエッジになる側のみに抜き勾配部336,丸み部338,傾斜部340および被切削部形成部342を設けてもよい。
なお、直線型内圧調整部にガス抜き穴を形成する場合、その直径は、溶湯収容孔と同じにしてもよい。絞り孔と溶湯収容孔との直径を同じにするとともに、ガス抜き穴の直径も同じにしてもよい。この場合、1つの孔が絞り孔としても溶湯収容孔としてもガス抜き穴としても機能すると考えることもでき、1つの孔のタイヤホイール成形キャビティ側の部分が絞り孔を構成し、中間の部分が溶湯収容孔を構成し、鋳造金型の外部側の部分がガス抜き穴を構成すると考えることもできる。鋳造金型に型開閉方向に延び、直径が同じである孔を形成することにより直線型内圧調整部およびガス抜き穴が得られ、それらの形成が容易である。ガス抜き穴の直径を溶湯収容孔の直径と同じにすれば、ガス抜き穴にも溶湯が流入することが可能となるが、その長さを十分に長くすれば、ガス抜き穴に溶湯が流入しても、外部やガス抜き穴を外部に連通させる凹部への溶湯の漏れを防止しつつ、ガス抜きを行うことができる。
鋳造金型に直線型内圧調整部のみを設けてもよい。
また、鋳造金型は、第1型および第2型のパーティング面が上下方向に延びる横型でもよい。
さらに、タイヤホイールは、マグネシウム合金製でもよい。
また、スクイズ鋳造法の他、ダイカスト法や低圧鋳造法等、種々の方法が採用可能である。
請求可能発明の一実施例である鋳造金型を示す正面断面図である。 上記鋳造金型の下型に形成された絞り通路形成溝,溶湯収容キャビティ形成溝,ガス抜き部形成溝および貫通孔を示す平面図である。 上記鋳造金型の絞り通路,溶湯収容キャビティおよびガス抜き穴が形成された部分を示す側面断面図である。 上記鋳造金型により成形されるタイヤホイールの複数の窓部の一部を示す正面図である。 上記タイヤホイールを示す正面図である。 従来の鋳造金型により成形されたタイヤホイールに生ずるバリの切削を説明する図であって、図5におけるa−a断面図である。 図6におけるバリの切削によりなお残るバリを断面にして示す図である。 図7に示すバリの除去の結果、なお残るバリを示す図である。 バリの除去に使用される回転ブラシ型バリ処理機を示す正面図である。 前記タイヤホイールの切削困難部および研磨困難部を示す斜視図である。 別の実施例である鋳造金型の絞り通路および溶湯収容キャビティが形成された部分を示す側面断面図であり、図12におけるa−a断面図である。 図11に示す鋳造金型により鋳造されるタイヤホイールの一部を示す正面図である。 さらに別の実施例である鋳造金型の絞り通路および溶湯キャビティが形成された部分を示す側面断面図である。 さらに別の実施例である鋳造金型の下型の絞り通路形成溝および溶湯キャビティ形成凹部が形成された部分を示す斜視図である。 さらに別の実施例である鋳造金型のパーティング面型内圧調整部,直線型内圧調整部およびガス抜き穴が形成された部分を示す側面断面図である。 図15に示す鋳造金型の直線型内圧調整部が形成された部分を断面にして示す斜視図である。 図15に示す鋳造金型の上型に設けられた傾斜部等を示す側面断面図である。
符号の説明
10:鋳造金型 12:タイヤホイール 14:リム部 16:ハブ部 18:スポーク部 20:窓部 28:輪郭線 30:大曲率半径部 32:小曲率半径部 34:切削困難部 36:研磨困難部 60:上型 62:下型 68:タイヤホイール成形キャビティ 90,92:パーティング面 94:キャビティ面 96:パーティング線 102:溶湯収容キャビティ 104:絞り通路 106:パーティング面型内圧調整部 120:ガス抜き穴 150:鋳造金型 152:上型 154:下型 156:絞り通路 158:溶湯収容キャビティ 159:パーティング面型内圧調整部 160:パーティング面 164:タイヤホイール 166:小曲率半径部 168:大曲率半径部 170:窓部 1171:溶湯収容キャビティ形成凹部 72:ホイール内側面 178:パーティング面(下型) 180:パーティング線 182:タイヤホイール成形キャビティ 220:鋳造金型 222:上型 224:下型 226,228:パーティング面 234:絞り通路 236:溶湯収容キャビティ 238:パーティング面型内圧調整部 250:鋳造金型 252:下型 280:鋳造金型 282:上型 290:下型 292:パーティング面 294:絞り通路 296:溶湯収容キャビティ 298:パーティング面型内圧調整部 300:ガス抜き穴 310:直線型内圧調整部 316:タイヤホイール成形キャビティ 322:絞り孔 324:ガス抜き穴形成穴 330:ガス抜き穴

Claims (14)

  1. 製品を成形するための製品成形キャビティを画成する第1型および第2型を備えた鋳造金型において、
    それぞれ、前記製品成形キャビティと連通してその製品成形キャビティから流出する溶湯を収容する溶湯収容部と、その溶湯収容部への溶湯の流れに抵抗を付与する絞り部とを備えた複数の内圧調整部を、少なくとも前記絞り部が前記製品成形キャビティに離散的に開口する状態で設けたことを特徴とする鋳造金型。
  2. 前記内圧調整部が、前記溶湯収容部として、前記第1型および第2型のパーティング面の少なくとも一方に設けられた溶湯収容キャビティ形成凹部により形成される溶湯収容キャビティを備え、前記絞り部として、前記第1型および第2型のパーティング面の少なくとも一方に設けられた接続通路形成溝により形成され、前記溶湯収容キャビティと前記製品成形キャビティとを接続する接続通路であって、前記製品成形キャビティの内面であるキャビティ面と前記パーティング面との交線であるパーティング線の長さより小さい幅を有する絞り通路を備えたパーティング面型内圧調整部を含むことを特徴とする請求項1に記載の鋳造金型。
  3. 前記製品が、前記パーティング線に対応する部分に、バリの切削による除去や研磨作業の困難な部分である除去困難部を有し、その除去困難部またはその近傍に前記絞り通路が形成されたことを特徴とする請求項2に記載の鋳造金型。
  4. 前記除去困難部が研磨作業の困難な研磨困難部を含み、その研磨困難部が、前記製品を前記パーティング面の前記製品成形キャビティ側への延長面で切断した場合に、輪郭線が内向きに凸となる部分であることを特徴とする請求項3に記載の鋳造金型。
  5. 前記除去困難部がリーマによる切削によってバリの除去が困難な切削除去困難部を含み、その切削除去困難部が、前記パーティング線に対応する部分の、前記第1型と第2型との型開閉方向に直角な一平面から外れて三次元的に曲げられた部分であることを特徴とする請求項3または4に記載の鋳造金型。
  6. 1つの前記溶湯収容キャビティが、複数の前記絞り通路により前記製品成形キャビティに接続されたことを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載の鋳造金型。
  7. 前記パーティング線に平行な方向において、前記絞り通路の寸法が前記溶湯収容キャビティの寸法より小さいことを特徴とする請求項2ないし6のいずれかに記載の鋳造金型。
  8. 前記絞り通路の幅を高さで割った商が20以下であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の鋳造金型。
  9. 前記製品成形キャビティが、前記製品としてのタイヤホイールを成形するタイヤホイール成形キャビティであることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の鋳造金型。
  10. 前記タイヤホイールが、リム部と、ハブ部と、それら両部を接続するスポーク部と、それらリム部,ハブ部およびスポーク部に囲まれた窓部とを備えたものであり、前記絞り通路および前記溶湯収容キャビティが、当該鋳造金型の前記窓部を形成する部分に設けられたことを特徴とする請求項9に記載の鋳造金型。
  11. 前記絞り通路が、前記パーティング線の長さLの部分に、N×2Re≧LおよびD≦Re(ただし、Reは内圧調整有効半径、Nは絞り通路の数、Dは絞り通路の位置から前記パーティング線の長さLの部分上における任意の位置までの距離)を満たす条件で設けられたことを特徴とする請求項2ないし10のいずれかに記載の鋳造金型。
  12. 前記内圧調整部が、前記溶湯収容部と前記絞り部とが直線的に延び、前記溶湯収容部の横断面積が前記絞り部の横断面積以下であり、かつ、それら溶湯収容部と絞り部との合計長さが前記絞り部の内のり寸法の5倍以上である直線型内圧調整部を含む請求項1ないし11のいずれかに記載の鋳造金型。
  13. 前記直線型内圧調整部が、前記第1型と前記第2型との型開閉方向に平行に形成された請求項12に記載の鋳造金型。
  14. 前記複数の内圧調整部の少なくとも一部のものに、その内圧調整部内の空間を当該鋳造金型の外部と連通させ、内圧調整部内のガスを外部に逃がすガス抜き穴が形成された請求項1ないし13のいずれかに記載の鋳造金型。
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