JP2016001572A - 端子化電線の製造方法及び端子化電線 - Google Patents

端子化電線の製造方法及び端子化電線 Download PDF

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Abstract

【課題】引っ張り強度が高く、安価な端子化電線の製造方法及び端子化電線を提供する。【解決手段】端子化電線11の製造方法は、下型31の導体成形凹部51に電線本体部13の導体15を環状に曲げて配置する電線セット工程と、導体成形凹部51に嵌合する導体押圧凸部53を有する上型33と下型31とを合わせて導体押圧凸部53によって導体成形凹部51内の導体15を加圧するとともに加熱して溶融させる溶融工程と、下型31と上型33との間に設けた溶融導体流出部35に余剰の溶融導体を溶け出させるバリ集約工程と、融固化した導体15から溶融導体流出部35によって成形された集約バリを除去する集約バリ除去工程と、を含む。【選択図】図3

Description

本発明は、端子化電線の製造方法及び端子化電線に関する。
電線を他部材に電気的に接続するため、電線端末の被覆を除去し、露出した導体を端子金具に圧着し、この端子金具を介して接続を行う場合がある。この場合、端子金具が必要となるため、部品コストが高くなる。これに対し、端子金具よりも安価な筒状体を用いた端子付きケーブルが特許文献1に開示されている。
この端子付きケーブルは、図7の(a)に示す多数本の芯線が丸形状に配された丸形導体501が、横断面長円形状を有する筒状体に合った形状の平形導体503となるように、図7の(b)に示すように平形状に成形される。これを図7の(c)に示す筒状体505に挿入して、筒状体505に圧着を施す。そして、筒状体505に貫通孔507を形成することで、図7の(d)に示す端子付きケーブル509が得られる。ところが、この端子付きケーブル509は、筒状体505と電線511の固定が圧着または半田付けのため、ボルト締結時の引張り強度が低いという問題がある。また、筒状体505を用いて圧着を行うため、やはり部品コストが増大する。
そこで、端子金具や筒状体505を用いることなく導体(芯線)を溶着処理して環状端子部を形成する端子化電線が提案されている。
このような端子化電線の製造方法は、図8の(a)に示すように、電線511の被覆513を除去した導体515の先端側が導体515の根本部517に重ねて環状に曲げられる。そして、重ねた導体515が、抵抗溶接等によって溶融され、所望の端子状に形成される。これにより、図8の(b)に示すボルト締結穴519を備えた端子化電線521が得られる。この端子化電線521によれば、端子金具や筒状体505等の別部材を用いることなく導体515のみを使用するので、部品コストを低減することができる。また、導体515を環状に曲げて溶融することで端子状に成形するので、引っ張り強度を高めることができる。
特開2011−150841号公報
しかしながら、上記した端子化電線521は、環状に曲げた導体515を溶融して端子状に形成する際に、図8の(c)に示す下電極523と上電極525とが用いられる。導体515は、環状に曲げた部分を溶融して端子状に成形される時、下電極523と上電極525とにより所定圧力Pで加圧され、電流の印加によって所定温度Tに加熱される。その際、溶融した溶融導体(溶融芯線)が、下電極523と上電極525の型合わせ目から押し出され、バリ527(はみ出し)が発生することがある。このバリ527は、下電極523と上電極525の合わせ目の不特定な位置において、不定形、不定量で発生する。このため、従来の端子化電線521は、個々の製品毎に手作業でバリ527の除去が必要となり、煩雑な後処理工数が増え、製造コストを招いていた。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、引っ張り強度が高く、安価な端子化電線の製造方法及び端子化電線を提供することにある。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 下型の導体成形凹部に電線の導体を環状に曲げて配置する電線セット工程と、前記導体成形凹部に嵌合する導体押圧凸部を有する上型と前記下型とを合わせて前記導体押圧凸部によって前記導体成形凹部内の前記導体を加圧するとともに加熱して溶融させる溶融工程と、前記下型と前記上型との間に設けた溶融導体流出部に余剰の溶融導体を溶け出させるバリ集約工程と、を含むことを特徴とする端子化電線の製造方法。
上記(1)の構成の端子化電線の製造方法によれば、環状に曲げられた導体が導体成形凹部を有する下型と導体押圧凸部を有する上型とによって加圧及び加熱される。加圧及び加熱された導体は、溶融して一体となって、環状端子状に成形される。この際、導体成形凹部と導体押圧凸部とに囲まれたキャビティの内部で溶けた溶融導体は、キャビティの内形状に倣って流動する。キャビティ内に充満した溶融導体は、下型と上型との間に設けた溶融導体流出部から余剰の溶融導体が流出する。余剰の溶融導体は、溶融導体流出部から流出することで、上型と下型との他の合わせ目部分からバリとなってはみ出すことがなくなる。加圧及び加熱が解除され、環状端子状に固化した導体(環状端子部)には、溶融導体流出部から流出して固まった集約バリのみが所定部位に突出して成形される。そこで、バリの除去や、ハウジングのモールド成形など後工程で処理し易い端子化電線を得ることができる。従って、引っ張り強度が高く、安価な端子化電線を製造することができる。
(2) 上記(1)の構成の端子化電線の製造方法であって、溶融固化した前記導体から前記溶融導体流出部によって成形された集約バリを除去する集約バリ除去工程を更に含むことを特徴とする端子化電線の製造方法。
上記(2)の構成の端子化電線の製造方法によれば、バリの除去し易い所定部位に突出して成形された端子化電線の不要な集約バリを除去するだけで、見映えの良好な製品を得ることができる。
(3) 上記(1)又は(2)の構成の端子化電線の製造方法であって、前記溶融導体流出部が、前記導体成形凹部から上方へ徐々に開口面積が大きくなるように形成されていることを特徴とする端子化電線の製造方法。
上記(3)の構成の端子化電線の製造方法によれば、溶融導体流出部から流出して固まった集約バリが、環状端子状に固化した導体(環状端子部)の所定部位に繋がる最小断面積部分で切断される。このため、切断作業が容易となる。また、集約バリの切断面が最小となり、集約バリ除去処理部の見栄えをよくできる。
更に、導体成形凹部と導体押圧凸部とに囲まれたキャビティと溶融導体流出部との連通部が、最小に絞られたノズル状となる。成形時、キャビティ内の溶融導体はこの連通部から所定の圧力で押し出され、溶融導体流出部から流出する。これにより、キャビティ内の成形圧力が適宜確保され、環状端子状に成形される溶融導体には成形性の低下が生じない。
(4) 導体が被覆によって覆われた電線本体部と、前記電線本体部の前記被覆が除去されて露出した前記導体が環状に曲げられて下型の導体成形凹部と上型の導体押圧凸部によって加圧及び加熱され溶融した後に固化して成形された環状端子部と、前記下型と前記上型との間に設けた溶融導体流出部から流出して成形された集約バリと、を備えることを特徴とする端子化電線。
上記(4)の構成の端子化電線によれば、導体が溶融され、下型の導体成形凹部と上型の導体押圧凸部とに囲まれるキャビティに倣った形状に環状端子部が成形されている。成形時、この環状端子部には、加圧及び加熱によって溶融した溶融導体が溶融導体流出部から流出することで一体に成形された集約バリのみが所定部位(溶融導体流出部に対応する部位)に突出する。即ち、環状端子部は、他の部分にはバリがはみ出さない綺麗な状態で成形される。環状端子部の所定部位から集約バリが突出した端子化電線は、集約バリのみを除去すればよく、バリの処理が容易となる。従って、引っ張り強度が高く、安価な端子化電線を提供することができる。
(5) 上記(4)の構成の端子化電線における前記集約バリが除去された後の集約バリ除去処理部を備えることを特徴とする端子化電線。
上記(5)の構成の端子化電線によれば、集約バリが切断された痕跡である集約バリ除去処理部が所定部位にのみ残る見映えの良好な端子化電線を提供することができる。
(6) 絶縁樹脂により形成されるハウジングが、上記(4)の構成の端子化電線における前記環状端子部と前記電線本体部の被覆のそれぞれの隣接部分と共に、前記集約バリを一体に覆うことを特徴とするコネクタ。
(7) 絶縁樹脂により形成されるハウジングが、上記(5)の構成の端子化電線における前記環状端子部と前記電線本体部の被覆のそれぞれの隣接部分と共に、前記集約バリ除去処理部を一体に覆うことを特徴とするコネクタ。
上記(6)又は(7)の構成のコネクタによれば、集約バリ又は集約バリ除去処理部と共に導体の露出部が、ハウジングで覆われる。そこで、液体が導体を構成する素線の隙間を通って電線の内部へ浸入する虞がなく、集約バリ又は集約バリ除去処理部が露呈しない見映えの良好なコネクタを提供することができる。
本発明に係る端子化電線の製造方法によれば、引っ張り強度の高い端子化電線を安価に製造することができる。
本発明に係る端子化電線によれば、引っ張り強度の高い安価な端子化電線を提供することができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
本発明の一実施形態に係る端子化電線の要部斜視図である。 図1に示した端子化電線を製造するための下型及び上型を表した要部斜視図である。 図2に示した下型及び上型に電線がセットされた状態を示す縦断面図である。 成形時に溶融導体流出部に溶融導体が流出して集約バリが形成される状態を説明するための要部拡大図である。 環状端子部に集約バリが形成された端子化電線の要部斜視図である。 本発明の一実施形態に係るコネクタの縦断面図である。 (a)は従来の丸形導体が露出した電線の斜視図、(b)は(a)の丸形導体が平形導体に成形された電線の斜視図、(c)は(b)の平形導体に筒状体が圧着された電線の斜視図、(d)は(c)の筒状体に貫通孔が形成された端子付きケーブルの斜視図である。 従来の端子化電線を説明する説明図であり、(a)は導体が環状に曲げられた電線の斜視図、(b)はボルト締結穴を備えた端子化電線の斜視図、(c)は下電極と上電極とによる成形時の縦断面図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る端子化電線11は、電線本体部13と、導体15と、環状端子部17と、集約バリ除去処理部19と、を有する。
電線本体部13は、導体15が絶縁性の被覆21によって覆われて成る電線である。電線本体部13の少なくとも一端側には、導体15を加圧及び加熱することによって環状端子部17が成形されている。なお、本実施形態では、電線本体部13が一本である場合を例に説明するが、電線本体部13は、複数本であってもよい。この場合、複数の導体15は、一括して纏められて成形される。
電線本体部13の被覆21が除去されて露出される導体15は、単線、複数の素線が撚られた撚り線であってもよい。導体15の材質としては、例えばアルミニウム合金や銅合金等が挙げられる。本実施形態では、電線本体部13の端末における被覆21が除去されて、アルミニウム合金からなる撚り線の導体15が露出される。この他、導体15は、電線本体部13の途中部分の被覆21が除去されて露出されたものであってもよい。この場合、導体15は、被覆21に覆われた両側の電線本体部13が同方向となるように纏められて環状に曲げられる。
環状端子部17は、被覆21が除去されて露出した導体15を加圧及び加熱することによって成形される。すなわち、環状端子部17は、露出された導体15が、先ず、環状に曲げられる。この際、導体15は、先端側が根本側に、上下方向で重ねられる。これにより、環状端子部17は、根本側(被覆21に近い側)が、他の部分の倍の体積となる。環状に曲げられた導体15は、後述する下型31の導体成形凹部51と上型33の導体押圧凸部53によって挟持された状態で、加圧加熱される。導体15は、溶融した後に固化して、図1に示す環状端子部17として成形される。
環状端子部17は、中央の穴がボルト貫通穴23となった、平板状丸端子として形成される。環状端子部17と非成形の導体15との間は、端子根本部25となる。端子根本部25は、上述したように導体15の先端側と根本側とが重ねられることにより、環状端子部17の他の部分よりも倍程度の断面積を有する。この端子根本部25は、例えばテーパーを有した略四角柱形状で形成される。このテーパーは、環状端子部17の円環部から非成形の導体15に向かって断面積が徐々に増える向きとなる。端子化電線11は、環状端子部17と電線本体部13との間の強度が、この端子根本部25によって他の部分よりも高く確保されている。これにより、端子化電線11は、ボルト貫通穴23がボルト固定され、電線本体部13に張力が作用した際にも端子根本部25の破断が生じにくくなる。
端子根本部25の例えば上側のテーパー面27には、集約バリ除去処理部19が設けられる。集約バリ除去処理部19は、成形時に下型31と上型33との間に設けた溶融導体流出部35に流出して成形された集約バリ29(図5参照)を除去した後の痕跡である。なお、集約バリ除去処理部19は、環状端子部17の全体を研磨することにより、表面上は殆ど目立たなくすることもできる。
本実施形態に係る集約バリ29は、図5に示すように、環状端子部17から上方へ徐々に大きくなるくさび形状に成形される。勿論、集約バリ29は、くさび状に限らず、円錐形状や角錐形状などの何れの形状であってもよい。集約バリ29は、上述したように端子根本部25の上側のテーパー面27の他、側面、下面等に形成してもよい。但し、集約バリ29は、上側のテーパー面27に設けることで、下型31と上型33の構造を簡素にすることができる。なお、集約バリ29は、後工程である集約バリ除去工程の除去作業性を考慮すれば、一つであることが好ましいが、成形性等を考慮して複数であってもよい。
また、本実施形態に係る端子化電線11は、後工程であるハウジングのモールド成形工程により、図6に示すように、環状端子部17と電線本体部13の被覆21のそれぞれの隣接部分が、絶縁樹脂により形成されるハウジング70で一体に覆われてコネクタ71を構成する場合がある。この際、集約バリ29を除去せずにハウジング70をモールド成形しても、他の部分にはバリがはみ出していないので、成形条件が安定し、成形不良が生じ難いという効果がある。勿論、集約バリ29を除去して集約バリ除去処理部19をハウジング70で一体に覆ってコネクタ71を構成することもできる。
次に、上述した端子化電線11の製造方法について説明する。
先ず、本実施形態に係る端子化電線11の製造装置37は、図2及び図3に示すように、基台39上に載置された下型31と、上型33とを備え、抵抗溶接機を応用して構成されている。
本実施形態の下型31は、基台39に固定された下側電極43と、下側電極43の上面に植設された穴形成治具41と、下側電極43の周囲を囲む一対の電線押え治具45,47と、バリ抑止治具49と、を備える。
一対の電線押え治具45,47及びバリ抑止治具49は、基台39の所定の位置に取り外し自在に組み付けられている。これら一対の電線押え治具45,47及びバリ抑止治具49が、基台39に固定された下側電極43を囲むように組み付けられることで、下型31には、導体成形凹部51が区画形成される。この導体成形凹部51には、後述する上型33の導体押圧凸部53が嵌合される。下型31と上型33とは、導体成形凹部51に導体押圧凸部53が嵌合されることで、環状端子部17を成形するキャビティ55を形成する(図4参照)。
本実施形態の上型33は、上側電極により構成されており、下面側に導体押圧凸部53が形成されている。導体押圧凸部53の下面には、穴形成治具41が嵌合する嵌合穴57が穿設されている。導体押圧凸部53には、図3に示すように、製造装置37にセットされた電線本体部13に向かって徐々に下型31から離反する根本部成形傾斜面59が設けられている。これにより、電線本体部13に向かって断面積が徐々に増える端子根本部25が、環状端子部17と非成形の導体15との間に成形されるようになっている(図5参照)。
図3に示すように、一対の電線押え治具45,47と組み合わされるバリ抑止治具49には、キャビティ55に繋がる導出傾斜面61が形成される。この導出傾斜面61は、下型31に上型33が嵌合されると、くさび状空間を有する溶融導体流出部35を構成する。溶融導体流出部35は、キャビティ55の内部と接続されている。これにより、キャビティ55の内部で加圧された溶融導体は、キャビティ55から溶融導体流出部35へ流れ出すことが可能となっている。
上型33は、加圧機(図示略)によって所定の荷重が加えられることで、導体成形凹部51に配置された電線本体部13の導体15を加圧可能とされている。上側電極である上型33と、下型31の下側電極43とには、電源から所定の電流が通電される。下側電極43と上型とに印加された電流は、導体自身の抵抗や、接触部の抵抗により、ジュール熱を発生させる。本実施形態の製造装置37は、この抵抗溶接の熱と圧力を利用して導体15を溶融し、環状端子部17の成形を行う。なお、端子化電線11の製造装置としては本実施形態の製造装置37に限らず、種々の溶接装置を用いることができる。
次に、上記製造装置37を用いた端子化電線11の製造方法を説明する。
本実施形態に係る端子化電線11の製造方法は、電線セット工程と、溶融工程と、バリ集約工程と、集約バリ除去工程と、を含む。
先ず、電線セット工程では、下型31の導体成形凹部51に、電線本体部13の導体15が環状に曲げて配置される。環状に曲げられた導体15は、被覆21が除去されて露出された導体15の根本部で先端側が上下に重ねられる。これにより、根本部での断面積が拡大される。
次に、溶融工程では、下型31の導体成形凹部51に嵌合する導体押圧凸部53を有する上型33と下型31とを合わせることで、導体押圧凸部53によって導体成形凹部内の導体15を加圧するとともに加熱して溶融させる。導体15は、穴形成治具41の周りに配置された環状部分から、重ねた根本までが抵抗溶接で溶融される。
次のバリ集約工程では、図4に示すように、下型31と上型33との間にバリ抑止治具49で区画形成することにより設けた溶融導体流出部35に、余剰の溶融導体を溶け出させる。溶融された導体15は、キャビティ55から溶融導体流出部35へ溶け出し、端子根本部25の上側のテーパー面27に集約バリ29となって成形される(図5参照)。
そして、集約バリ除去工程では、通電による加熱終了後、溶融固化した導体15から溶融導体流出部35によって成形された集約バリ29が、基部で切断されて除去される。この集約バリ29は、所定の位置と形状に成形されていることで、容易に除去することができる。これにより、図1に示した集約バリ除去処理部19を端子根本部25に有する端子化電線11の製造が完了する。
即ち、本実施形態に係る端子化電線11の製造方法によれば、集約バリ29が切断された痕跡である集約バリ除去処理部19が所定部位にのみ残る見映えの良好な端子化電線111を提供することができる。
なお、集約バリ除去処理部19は、環状端子部17の全体を研磨することにより、表面上は殆ど目立たなくすることができる。しかし、集約バリ除去処理部19の有無は、その痕跡における金属組成を観察することによって確認可能となる。即ち、集約バリ除去処理部19に連続していた環状端子部17の内部組成を観察すれば、溶融導体が溶融導体流出部35に流出して固化された後に、切断されたものであるか否かの判断が可能となる。
また、図6に示したように、後工程として端子化電線11に対してハウジング70のモールド成形が行われてコネクタ71が成形される場合には、上記集約バリ除去工程を省略することができる。即ち、集約バリ29は、端子化電線11における環状端子部17と電線本体部13の被覆21のそれぞれの隣接部分と共に、ハウジング70で一体に覆われてしまうので、除去しなくとも露呈せず見映えを損なうことがない。また、集約バリ29を除去せずにハウジング70をモールド成形する際には、所定部位にのみ集約バリ29が形成されており、他の部分にはバリがはみ出していないので、成形条件が安定し、ハウジング70の成形不良が生じることもない。
次に、上記の構成を有する端子化電線11の作用を説明する。
本実施形態に係る端子化電線11では、下型31の導体成形凹部51と上型33の導体押圧凸部53とに囲まれるキャビティ55に倣った形状に環状端子部17が成形されている。環状端子部17は、被覆21から延出した導体15の根本部で、導体15の先端部が上下方向に重ねられることで、根本部(すなわち、端子根本部25)の断面積が拡大される。これにより、端子化電線11には、端子根本部25の強度の高い環状端子部17が成形される。
成形時、この環状端子部17には、加圧及び加熱によって溶融した溶融導体が溶融導体流出部35から流出することで一体に成形された集約バリ29のみが所定部位(溶融導体流出部35に対応する部位)に突出する。即ち、環状端子部17は、他の部分にはバリがはみ出さない綺麗な状態で成形される。環状端子部17の所定部位から集約バリ29が突出した端子化電線11は、集約バリ29のみを除去すればよく、バリの処理が容易となる。環状端子部17の所定部位には、集約バリ29の切断された痕跡である集約バリ除去処理部19のみが残り、見映えの良好な端子化電線11を提供することができる。
また、本実施形態に係るコネクタ71によれば、絶縁樹脂により形成されるハウジング70が、端子化電線11における環状端子部17と電線本体部13の被覆21のそれぞれの隣接部分と共に、集約バリ29又は集約バリ除去処理部19を一体に覆うことができる。即ち、集約バリ29又は集約バリ除去処理部19と共に導体15の露出部が、ハウジング70で覆われるので、液体が導体15を構成する素線の隙間を通って電線の内部へ浸入する虞がなく、集約バリ29又は集約バリ除去処理部19が露呈しない見映えの良好なコネクタ71を提供することができる。
また、本実施形態に係る端子化電線11の製造方法では、環状に曲げられた導体15が導体成形凹部51を有する下型31と導体押圧凸部53を有する上型33とによって加圧及び加熱される。加圧及び加熱された導体15は、溶融して一体となって、環状端子状に成形される。この際、導体成形凹部51と導体押圧凸部53とに囲まれたキャビティ55の内部で溶けた溶融導体は、キャビティ55の内形状に倣って流動する。キャビティ55内に充満した溶融導体は、下型31と上型33との間に設けた溶融導体流出部35から余剰の溶融導体が流出する。
余剰の溶融導体は、溶融導体流出部35から流出することで、上型33と下型31との他の合わせ目部分からバリとなってはみ出すことがなくなる。加圧及び加熱が解除され、環状端子状に固化した導体15(環状端子部17)には、溶融導体流出部35から流出して固まった集約バリ29のみが所定部位に突出して成形される。そこで、バリの除去や、ハウジング70のモールド成形など後工程で処理し易い端子化電線11を得ることができる。
また、本実施形態に係る端子化電線11の製造方法では、溶融固化した導体15から溶融導体流出部35によって成形された集約バリ29を除去する集約バリ除去工程において、溶融導体流出部35から流出して固まった集約バリ29が、環状端子状に固化した導体(環状端子部17)の所定部位に繋がる最小断面積部分で切断される。このため、切断作業が容易となる。また、集約バリ29の切断面が最小となり、集約バリ除去処理部19の見栄えをよくできる。従って、バリの除去し易い所定部位に突出して成形された端子化電線11の不要な集約バリ29を除去するだけで、見映えの良好な製品を得ることができる。
更に、導体成形凹部51と導体押圧凸部53とに囲まれたキャビティ55と溶融導体流出部35との連通部が、最小に絞られたノズル状となる。成形時、キャビティ55内の溶融導体はこの連通部から所定の圧力で押し出され、溶融導体流出部35から流出する。これにより、キャビティ55内の成形圧力が適宜確保され、環状端子状に成形される溶融導体には成形性の低下が生じない。
従って、本実施形態に係る端子化電線11の製造方法によれば、引っ張り強度の高い端子化電線11を安価に製造することができる。
また、本実施形態に係る端子化電線11によれば、引っ張り強度の高い安価な端子化電線11を提供することができる。
ここで、上述した本発明に係る端子化電線の製造方法及び端子化電線の実施形態の特徴をそれぞれ以下に簡潔に纏めて列記する。
[1] 下型(31)の導体成形凹部(51)に電線(電線本体部13)の導体(15)を環状に曲げて配置する電線セット工程と、
前記導体成形凹部(51)に嵌合する導体押圧凸部(53)を有する上型(33)と前記下型(31)とを合わせて前記導体押圧凸部(53)によって前記導体成形凹部(51)内の前記導体(15)を加圧するとともに加熱して溶融させる溶融工程と、
前記下型(31)と前記上型(33)との間に設けた溶融導体流出部(35)に余剰の溶融導体を溶け出させるバリ集約工程と、
を含むことを特徴とする端子化電線(11)の製造方法。
[2] 上記[1]の構成の端子化電線(11)の製造方法であって、
溶融固化した前記導体(15)から前記溶融導体流出部(35)によって成形された集約バリ(29)を除去する集約バリ除去工程を更に含むことを特徴とする端子化電線(11)の製造方法。
[3] 上記[1]又は[2]の構成の端子化電線(11)の製造方法であって、
前記溶融導体流出部(35)が、前記導体成形凹部(51)から上方へ徐々に開口面積が大きくなるように形成されていることを特徴とする端子化電線(11)の製造方法。
[4] 導体(15)が被覆(21)によって覆われた電線本体部(13)と、
前記電線本体部(13)の前記被覆(21)が除去されて露出した前記導体(15)が環状に曲げられて下型(31)の導体成形凹部(51)と上型(33)の導体押圧凸部(53)によって加圧及び加熱され溶融した後に固化して成形された環状端子部(17)と、
前記下型(31)と前記上型(33)との間に設けた溶融導体流出部(35)から流出して成形された集約バリ(29)と、
を備えることを特徴とする端子化電線(11)。
[5] 上記[4]の構成の端子化電線(11)における前記集約バリ(29)が除去された後の集約バリ除去処理部(19)を備えることを特徴とする端子化電線(11)。
[6] 絶縁樹脂により形成されるハウジング(70)が、上記[4]の構成の端子化電線(11)における前記環状端子部(17)と前記電線本体部(13)の被覆(21)のそれぞれの隣接部分と共に、前記集約バリ(29)を一体に覆うことを特徴とするコネクタ(71)。
[7] 絶縁樹脂により形成されるハウジング(70)が、上記[5]の構成の端子化電線(11)における前記環状端子部(17)と前記電線本体部(13)の被覆(21)のそれぞれの隣接部分と共に、前記集約バリ除去処理部(19)を一体に覆うことを特徴とするコネクタ(71)。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
11…端子化電線
13…電線本体部(電線)
15…導体
17…環状端子部
19…集約バリ除去処理部
21…被覆
29…集約バリ
31…下型
33…上型
35…溶融導体流出部
51…導体成形凹部
53…導体押圧凸部
70…ハウジング
71…コネクタ

Claims (7)

  1. 下型の導体成形凹部に電線の導体を環状に曲げて配置する電線セット工程と、
    前記導体成形凹部に嵌合する導体押圧凸部を有する上型と前記下型とを合わせて前記導体押圧凸部によって前記導体成形凹部内の前記導体を加圧するとともに加熱して溶融させる溶融工程と、
    前記下型と前記上型との間に設けた溶融導体流出部に余剰の溶融導体を溶け出させるバリ集約工程と、
    を含むことを特徴とする端子化電線の製造方法。
  2. 溶融固化した前記導体から前記溶融導体流出部によって成形された集約バリを除去する集約バリ除去工程を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の端子化電線の製造方法。
  3. 前記溶融導体流出部が、前記導体成形凹部から上方へ徐々に開口面積が大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の端子化電線の製造方法。
  4. 導体が被覆によって覆われた電線本体部と、
    前記電線本体部の前記被覆が除去されて露出した前記導体が環状に曲げられて下型の導体成形凹部と上型の導体押圧凸部によって加圧及び加熱され溶融した後に固化して成形された環状端子部と、
    前記下型と前記上型との間に設けた溶融導体流出部から流出して成形された集約バリと、
    を備えることを特徴とする端子化電線。
  5. 請求項4の端子化電線における前記集約バリが除去された後の集約バリ除去処理部を備えることを特徴とする端子化電線。
  6. 絶縁樹脂により形成されるハウジングが、請求項4の端子化電線における前記環状端子部と前記電線本体部の被覆のそれぞれの隣接部分と共に、前記集約バリを一体に覆うことを特徴とするコネクタ。
  7. 絶縁樹脂により形成されるハウジングが、請求項5の端子化電線における前記環状端子部と前記電線本体部の被覆のそれぞれの隣接部分と共に、前記集約バリ除去処理部を一体に覆うことを特徴とするコネクタ。
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