JP6058935B2 - 繊維導体、及び電線の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維導体、及び電線の製造方法に関する。
従来、電線の芯線としては、例えば複数本の銅線が撚られて構成されたものが用いられていた。この芯線として銅線を用いた電線に対して、引張強度及び屈曲性を高め、且つ軽量化を図るために、銅等の導電性金属により表面をメッキされた繊維が複数本撚られて構成された繊維導体を芯線としたものが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
特開平6−20522号公報 特開2012−74180号公報
従来の電線の例として、特許文献2に開示された電線2を図5に示す。図5は、従来の電線2を示す図であり、図5(a)は電線2の側面図、図5(b)は電線2の正面図、図5(c)は導体23の斜視図である。
電線2は、例えば移動体としての自動車などに配索されるワイヤハーネスを構成する。電線2は、図5(a)に示すように、導電性の繊維導体21と、絶縁性の被覆層22と、を備えている。繊維導体21は、複数の導体23が撚られて構成されている。この導体23は、例えばパラ系アラミドやポリアリレート等の樹脂から成る繊維24と、この繊維24の表面にメッキされて形成された導電性金属である銅から成るメッキ層25と、から構成されている。
ところで、繊維は、銅等の金属と比較して、引張応力が作用した場合に破断するまでに伸びる程度(伸度)が小さい。このため、繊維は、引張応力が作用した場合には、僅かに伸びた後、破断する。また、従来の電線2には、撚られた各導体23を構成する各繊維24の長さにバラつきが存在する虞がある。繊維24の長さにバラつきが存在する場合に、電線2に徐々に大きくなる引張応力を作用させると、繊維24は短いものから順に破断する。このように、従来の電線2では、繊維24の長さにバラつきが存在する場合に、電線2に引張応力が作用して短い繊維が長い繊維よりも先に破断することにより、電線2全体の引張強度が低下してしまう虞があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、引張強度を向上した繊維導体、及び電線の製造方法を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る繊維導体は、下記(1)〜(6)を特徴としている。
(1) 少なくとも2本の樹脂から成る繊維と、
前記少なくとも2本の繊維が導電性金属により一体にメッキされて、前記繊維の外周面に形成されたメッキ層と、
を備えること。
(2) (1)の構成の繊維導体であって、
前記メッキ層は、第1のメッキ層と、第2のメッキ層と、を有し、
前記第1のメッキ層が、前記繊維の外周面を覆って、前記繊維毎に形成され、
前記第2のメッキ層が、前記第1のメッキ層によって外周面が覆われた、少なくとも2本の前記繊維が内側に位置する状態で、該第1のメッキ層の外周面を更に覆う、
こと。
(3) (1)又は(2)の構成の繊維導体であって、
前記少なくとも2本の繊維が、平行に配置されている、
こと。
(4) (2)の構成の繊維導体であって、
前記第1のメッキ層が、前記第2のメッキ層よりも導電性が高い導電性金属により形成されている、
こと。
(5) (2)又は(4)の構成の繊維導体であって、
前記第1のメッキ層が、前記第2のメッキ層よりもイオン化傾向が小さい導電性金属により形成されている、
こと。
(6) (2)の構成の繊維導体であって、
前記第1のメッキ層が銅により形成され、前記第2のメッキ層が錫により形成されている、
こと。
また、前述した目的を達成するために、本発明に係る電線の製造方法は、下記(7)〜(11)を特徴としている。
(7) 少なくとも2本の樹脂から成る繊維と、前記少なくとも2本の繊維が導電性金属によりそれぞれメッキされて、前記繊維の外周面に形成されたメッキ層と、該メッキ層によって外周面が覆われ、束ねられた前記少なくとも2本の繊維が内側に位置する状態で、該メッキ層の外周面を覆う絶縁性材料により形成された被覆層と、を備える電線を形成する電線形成工程と、
前記電線の一端部における前記被覆層を除去して、該一端部における前記繊維の外周面を覆う前記メッキ層を露出させる除去工程と、
露出した前記一端部における前記メッキ層を、該メッキ層を形成する前記導電性金属の融点よりも高い温度環境下に配置して溶融させる溶融工程と、
溶融した前記メッキ層を固化させて前記一端部における前記少なくとも2本の繊維を一体にメッキする固化工程と、
を含むこと。
(8) (7)の構成の電線の製造方法であって、
前記電線形成工程では、前記メッキ層が、前記少なくとも2本の繊維それぞれの外周面を覆う、第1の導電性金属により形成された第1のメッキ層と、該第1のメッキ層それぞれの外周面を更に覆う、前記第1の導電性金属よりも融点が低い第2の導電性金属により形成された第2のメッキ層と、を有する前記電線を形成し、
前記溶融工程では、前記メッキ層を、第1の導電性金属の融点よりも低く前記第2の導電性金属の融点よりも高い温度環境下に配置して、前記第2のメッキ層を溶融させる、
こと。
(9) 少なくとも2本の繊維と、前記少なくとも2本の繊維が導電性金属によりそれぞれメッキされて、前記繊維の外周面に形成されたメッキ層と、該メッキ層によって外周面が覆われ、束ねられた前記少なくとも2本の繊維が内側に位置する状態で、該メッキ層の外周面を覆う絶縁性材料により形成された被覆層と、を備える電線を形成する電線形成工程と、
前記電線の一端部における前記被覆層を除去して、該一端部における前記繊維の外周面を覆う前記メッキ層を露出させる除去工程と、
露出した前記一端部における前記メッキ層を、該メッキ層を形成する前記導電性金属の融点よりも高い温度環境下に配置して溶融させる溶融工程と、
溶融した前記メッキ層を固化させて前記一端部における前記少なくとも2本の繊維を一体にメッキする固化工程と、
前記除去工程と前記溶融工程との間に、前記メッキ層を形成する導電性金属の融点よりも融点が低い第3の導電性金属により形成された付着部材を、露出した前記一端部における前記メッキ層に付着させる付着工程と、
を含み、
前記溶融工程では、前記付着部材を、前記メッキ層を形成する導電性金属の融点よりも低く前記第3の導電性金属の融点よりも高い温度環境下に配置して溶融させ、
前記固化工程では、溶融した前記付着部材を固化させる、
こと。
(10) 少なくとも2本の繊維と、前記少なくとも2本の繊維が導電性金属によりそれぞれメッキされて、前記繊維の外周面に形成されたメッキ層と、該メッキ層によって外周面が覆われ、束ねられた前記少なくとも2本の繊維が内側に位置する状態で、該メッキ層の外周面を覆う絶縁性材料により形成された被覆層と、を備える電線を形成する電線形成工程と、
前記電線の一端部における前記被覆層を除去して、該一端部における前記繊維の外周面を覆う前記メッキ層を露出させる除去工程と、
前記メッキ層を形成する導電性金属よりも融点が低い第4の導電性金属により形成された付着剤を、該メッキ層を形成する導電性金属の融点よりも低く該第4の導電性金属の融点よりも高い温度環境下に配置して溶融させ、溶融した該付着剤を、露出した前記一端部における前記メッキ層に付着させる付着工程と、
前記メッキ層に付着させた前記付着剤を固化させて前記一端部における前記少なくとも2本の繊維を一体にメッキする固化工程と、
を含むこと。
(11) (7)又は(8)の構成の電線の製造方法であって、
前記固化工程では、一体にメッキされた前記一端部における前記少なくとも2本の繊維の外形が平型となるように前記メッキ層を固化する、
こと。
上記(1)の構成の繊維導体では、少なくとも2本の繊維が導電性金属により一体にメッキされているため、繊維導体に引張応力が作用した際に、各繊維に対して均等に力が加わり易い。このため、各繊維の長さにバラつきが存在する場合において、繊維導体に引張応力が作用しても、短い繊維が長い繊維よりも先に破断しにくい。
上記(2)の構成の繊維導体では、メッキ層が第1のメッキ層と第2のメッキ層とにより構成されているため、引張強度が高い。このため、繊維導体に引張応力が作用した場合に、短い繊維が長い繊維よりも先に破断しにくい。
上記(3)の構成の繊維導体では、少なくとも2本の繊維が平行に配置されているため、繊維が撚られて構成された従来の繊維導体と比較して繊維の長さにバラつきが生じにくい。このため、繊維導体に引張応力が作用した場合に、短い繊維が長い繊維よりも先に破断しにくい。特に、一本一本の繊維が導電性金属によって覆われている場合には、繊維の剛性が上昇して繊維を扱い易くなるため、平行に配置し易い。
上記(4)の構成の繊維導体では、導電性が高い金属により形成されたメッキ層が内側に配置されているため、繊維に良好な導電性が付加される。また、例えば比較的安価な金属により更にその外周面を覆うことによって、少ないコストで引張強度の高い繊維導体が得られる。
上記(5)の構成の繊維導体では、イオン化傾向が小さい金属により形成された第1のメッキ層が内側に配置され、該第1のメッキ層よりもイオン化傾向が大きい金属により形成された第2のメッキ層がその外周面を覆うように配置されているため、繊維導体の使用時において、第1のメッキ層及び第2のメッキ層よりもイオン化傾向が更に大きい金属により形成された端子が繊維導体の端部に取付けられた場合に、端子と繊維導体との電位差を小さくでき、端子と繊維導体との間に電食が生じることを抑制できる。
上記(6)の構成の繊維導体では、第1のメッキ層が銅により形成され、前記第2のメッキ層が錫により形成されている。銅は錫よりも導電性が高くイオン化傾向が小さい。このため、繊維に良好な導電性を付加し、且つ、端子と繊維導体との間に電食が生じることを抑制できる。
上記(7)の構成の電線の製造方法では、少なくとも2本の繊維と、該少なくとも2本の繊維の外周面に導電性金属により形成されたメッキ層と、該メッキ層の外周面を覆う絶縁性材料により形成された被覆層と、を備える電線に基づいて、当該少なくとも2本の繊維が導電性金属により一体にメッキされた電線が得られる。こうして得られた電線では、少なくとも2本の繊維が導電性金属により一体にメッキされているため、該電線に引張応力が作用した際に、各繊維に対して均等に力が加わり易い。このため、各繊維の長さにバラつきが存在する場合において、該電線に引張応力が作用しても、短い繊維が長い繊維よりも先に破断しにくい。
上記(8)の構成の電線の製造方法では、メッキ層が、少なくとも2本の繊維それぞれの外周面を覆う、第1の導電性金属により形成された第1のメッキ層と、該第1のメッキ層それぞれの外周面を更に覆う、第1の導電性金属よりも融点が低い第2の導電性金属により形成された第2のメッキ層と、を有する電線に基づいて、少なくとも2本の繊維が第1のメッキ層と第2のメッキ層とにより一体にメッキされた電線が得られる。こうして得られた電線では、メッキ層が第1のメッキ層と第2のメッキ層とにより構成されているため、引張強度が高い。このため、繊維導体に引張応力が作用した場合に、短い繊維が長い繊維よりも先に破断しにくい。
上記(9)の構成の電線の製造方法では、電線とは別個に用意された付着部材を該電線の一端部におけるメッキ層に付着させた後で、該付着部材を溶融及び固化させることにより、少なくとも2本の繊維が導電性金属により一体にメッキされた電線が得られる。このため、溶融及び固化して各繊維を一体にメッキするためのメッキ層を予め電線に形成しておく必要がなく、作業工程を簡素化して低コスト化を図ることができる。
上記(10)の構成の電線の製造方法では、電線とは別個に用意されて溶融された付着剤を該電線の一端部におけるメッキ層に付着し、その後、固化させることにより、少なくとも2本の繊維が導電性金属により一体にメッキされた電線が得られる。このため、溶融及び固化して各繊維を一体にメッキするためのメッキ層を予め電線に形成しておく必要がなく、作業工程を簡素化して低コスト化を図ることができる。
上記(11)の構成の電線の製造方法では、少なくとも2本の繊維の外形が平型であるため、繊維が撚られて構成された従来の繊維導体と比較して繊維の長さにバラつきが生じにくい。このため、繊維導体に引張応力が作用した場合に、短い繊維が長い繊維よりも先に破断しにくい。
本発明に係る繊維導体、及び電線の製造方法によれば、引張強度を向上した繊維導体、及び電線の製造方法を提供できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、参考例に係る電線1を示す図であり、図1(a)は電線1の側面図、図1(b)は電線1の正面図、図1(c)は導体13の斜視図である。 図2は、図1に示す繊維導体の引張強度を示すグラフである。 図3は、第1の実施形態に係る電線3を示す斜視図である。 図4は、電線3の製造工程を示す図であり、図4(a)は被覆層32が取付けられる前の繊維導体31を、図4(b)は製造された電線3を示す斜視図である。 図5は、従来の電線2を示す図であり、図5(a)は電線2の側面図、図5(b)は電線2の正面図、図5(c)は導体23の斜視図である。 図6は、第2の実施形態に係る電線4を示す斜視図である。 図7は、電線4の製造方法に用いられる電線5を示す図であり、図7(a)は電線5の側面図、図7(b)は電線5の正面図、図7(c)は電線5の導体53の斜視図である。 図8は、電線4の製造方法を示す図であり、図8(a)は電線5を形成する電線形成工程を、図8(b)は電線5の一端部における繊維54の外周面を覆うメッキ層55を露出させる除去工程を、図8(c)は露出した当該一端部における錫メッキ層55Bを溶融させる溶融工程を、図8(d)は溶融した錫メッキ層55Bを固化させて繊維54を一体にメッキする固化工程を、図8(e)は製造した電線5を端子80に取付ける取付工程を示す斜視図である。 図9は、電線4の製造方法の第1の変形例を示す図であり、図9(a)は電線6を形成する電線形成工程を、図9(b)は電線6の一端部における繊維64の外周面を覆うメッキ層65を露出させる除去工程を、図9(c)は露出した一端部におけるメッキ層65に錫テープ71を付着させる付着工程を、図9(d)は付着させた錫テープ71を溶融させる溶融工程を、図9(e)は溶融した錫テープ71を固化させて繊維64を一体にメッキする固化工程を、図9(f)は製造した電線6を端子80に取付ける取付工程を示す斜視図である。 図10は、電線4の製造方法の第1の変形例において用いられる電線6を示す図であり、図10(a)は電線6の側面図、図10(b)は電線6の正面図、図10(c)は電線6の導体63の斜視図である。 図11は、電線4の製造方法の第2の変形例を示す図であり、図11(a)は電線6を形成する電線形成工程を、図11(b)は電線6の一端部における繊維64の外周面を覆うメッキ層65を露出させる除去工程を、図11(c)は錫ペースト73を、露出した一端部におけるメッキ層65に付着させる付着工程を、図11(d)は付着させた錫ペースト73を固化させて繊維64を一体にメッキする固化工程を、図11(e)は製造した電線6に端子80を取付ける取付工程を示す斜視図である。 図12は、端子と繊維導体の接続形態を示す説明図であり、図12(a)は一段接続の場合を、図12(b)は二段接続の場合を、図12(c)は三段接続の場合を、図12(d)は四段接続の場合を、図12(e)は実際の圧着時における接続形態の例を示す断面図である。 図13は、端子と繊維導体の接続形態と、端子と繊維導体との間の接続抵抗と、の関係を示す説明図であり、各グラフは、左から順に、一段接続の場合における端子芯線間抵抗、二段接続の場合における端子芯線間抵抗及び芯線間抵抗、四段接続の場合における端子芯線間抵抗及び芯線間抵抗、実際の圧着時における端子芯線間抵抗及び芯線間抵抗、をそれぞれ示している。
本発明に係る繊維導体、及び電線の製造方法の具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
(参考例)
はじめに、本発明に係る繊維導体を創出する以前に、本願の発明者らが創出した繊維導体を参考例として説明する。図1は、参考例に係る電線1を示す図であり、図1(a)は電線1の側面図、図1(b)は電線1の正面図、図1(c)は導体13の斜視図である。
参考例に係る電線1は、前述した図5に示す従来の電線2と同様に、例えば移動体としての自動車などに配索されるワイヤハーネスを構成する。電線1は、図1(a)に示すように、導電性の繊維導体11と、当該繊維導体11の外周面を被覆する絶縁性の被覆層12と、を備えている。繊維導体11は、図1(b)に示すように、複数の導体13が撚られて構成されている。この導体13は、例えばパラ系アラミドやポリアリレート等の樹脂から成る繊維14と、この繊維14が導電性金属によりメッキされて、繊維14の外周面に形成されたメッキ層15と、を備えている。メッキ層15は、図1(c)に示すように、繊維14の外周面を覆う銅から成る銅メッキ層15Aと、繊維14の外周面を覆う銅メッキ層15Aの外周面を更に覆う錫から成る錫メッキ層15Bと、を有している。
繊維導体11は、従来の電線2と比較して、銅メッキ層15Aの外周面を覆う錫メッキ層15Bを更に備えているために、引張強度が向上されている。
図2は、図1に示す繊維導体11の引張強度を示すグラフである。図2は、1本では引張強度が約2.5Nの導体13が80本撚られて構成された断面積0.05mmの繊維導体11の引張強度と、断面積0.5mmの軟銅の引張強度と、を示している。横軸は元の長さからの伸び(%)を、縦軸は引張強度(N)を示している。
1本では引張強度が約2.5Nの導体13が80本撚られて構成された繊維導体11の引張強度は、理論的には、単純に1本での引張強度である約2.5Nを80倍すると200Nとなるはずである。しかしながら、図2に示すように、繊維導体11の引張強度は、約120Nであり、理論値よりも小さい。
図2に示すように、引張応力が作用した場合に、軟銅が破断するまでに30%以上伸びているのに対して、参考例に係る繊維導体は破断するまでに、即ち80本の導体13全てが破断するまでに約4%しか伸びていない。即ち、前述したように、繊維は、銅等の金属よりも伸度が小さい。また、前述したように、導体13を構成する繊維14の長さにはバラつきが存在する。このため、繊維導体11に引張応力が作用すると、80本の導体13のうちの短いものが先に破断する。この結果、繊維導体11の引張強度が低下して、繊維導体11の引張強度が理論値よりも小さい約120Nとなったと本願の発明者らは推察している。
(第1の実施形態)
次に、以上説明した、本願の発明者らが創出した参考例に係る繊維導体11から更なる引張強度の向上を図った、本発明に係る繊維導体の第1の実施形態を説明する。図3は、第1の実施形態に係る電線3を示す斜視図である。概略的には、従来の電線2における繊維導体21及び参考例に係る繊維導体11は、外周面にメッキ層が形成された複数の導体が撚られて構成されていたのに対して、第1の実施形態に係る繊維導体31は、外周面にメッキ層が形成された複数の繊維を一体にメッキして構成されている点で相違する。
第1の実施形態に係る繊維導体31は、前述した図5に示す従来の電線2と同様に、例えば移動体としての自動車などに配索されるワイヤハーネスを構成する。電線3は、導電性を有して長手方向に延びる繊維導体31と、当該繊維導体31の外周面を被覆する絶縁性材料から成る被覆層32と、を備えている。繊維導体31は、複数の繊維34が縦横に並べられて構成されている。繊維34の配置の詳細については後述する。この繊維導体31は、例えばパラ系アラミドやポリアリレート等の樹脂から成る繊維34と、この繊維34が導電性金属によりメッキされて、繊維34の外周面に形成されたメッキ層35と、を備えている。メッキ層35は、繊維34の外周面を覆って、繊維34毎に形成される銅から成る銅メッキ層35A(第1のメッキ層)と、銅メッキ層35Aによって外周面が覆われた、繊維34全てが内側に位置する状態で、当該銅メッキ層35Aの外周面を更に覆う錫から成る錫メッキ層35B(第2のメッキ層)と、を有する。即ち、錫メッキ層35Bは、銅メッキ層35Aが外周面に形成された繊維34が錫により一体にメッキされて、銅メッキ層35Aの外周面に形成されたメッキ層である。銅メッキ層35Aを構成する銅は、錫メッキ層35Bを構成する錫よりも、導電性が高くイオン化傾向が小さい。
第1の実施形態に係る繊維導体31では、繊維34は、図3に示すように、図3における左右方向に6本、図3における上下方向に3本、並べて配置されている。また、各繊維34は、図3における上下左右方向それぞれに均等に間隔を空けて、平行に配置されている。また、繊維導体31の外形は、平型に形成されている。
次に、図4を参照して、第1の実施形態に係る電線3の製造方法を説明する。図4は、電線3の製造工程を示す図であり、図4(a)は被覆層32が取付けられる前の繊維導体31を、図4(b)は電線3を示す斜視図である。以下、電線3の製造方法の説明に際して、製造に係る作業を作業者が実施する態様を説明するが、本発明の実施態様はこれに限られない。例えば、製造に係る作業の一部又は全てが製造装置により為される態様であってもよい。
まず、作業者は、各繊維34の外周面を銅によりメッキして、外周面が銅メッキ層35Aにより覆われた繊維34を得る。作業者は、外周面が銅メッキ層35Aにより覆われた各繊維34を左右方向に6本、上下方向に3本、各方向に均等に間隔を空けて、平行に並べて配置する。そして、作業者は、図4(a)に示すように、並べて配置された、外周面が銅メッキ層35Aにより覆われた繊維34全てが一体となるように、当該繊維34の外周面を覆う銅メッキ層35Aの外周面を錫によりメッキする。これにより、図4(a)に示す中実筒状の平型の繊維導体31が得られる。
次に、作業者は、図4(b)に示すように、繊維導体31の外周面を絶縁性材料から成る被覆層32により被覆する。これにより、図4(b)に示す電線3が得られる。
以上説明した製造方法により、本実施形態に係る電線3が製造される。
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る繊維導体の第2の実施形態を説明する。図6は、第2の実施形態に係る電線4を示す斜視図である。電線4は、概略的には、繊維34の配置が第1の実施形態に係る電線3とは異なる。以下、第2の実施形態の説明に関して、第1の実施形態に係る電線3と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。尚、図6では、被覆層の図示を省略して電線4を示している。
第2の実施形態に係る繊維導体31では、繊維34は、図6に示すように、図6における左右方向に6本、図6における上下方向に2本、並べて配置されている。また、各繊維34は、図3における上下左右方向それぞれに均等に間隔を空けて、平行に配置されている。また、一体にメッキされた繊維34は、外形が平型に形成されている。
次に、第2の実施形態に係る電線4の製造方法を説明する。
以下に説明する第2の実施形態に係る電線4の製造方法では、図1に示した参考例に係る電線1と同様の構成を有する、図7に示す電線5を順に加工することによって、電線4を製造する例について説明する。即ち、電線5は、図7に示すように、複数の導電性の繊維導体51と、当該繊維導体51の外周面を被覆する絶縁性の被覆層52と、を備えている。繊維導体51は、複数の繊維54が束ねられて(撚られて)構成されている。繊維54は、導電性金属により形成されたメッキ層55により外周面がそれぞれ覆われている。換言すれば、電線5は、複数の繊維54と、繊維54が導電性金属によりそれぞれメッキされて、繊維54の外周面に形成されたメッキ層55と、メッキ層55によって外周面が覆われ、束ねられた繊維55が内側に位置する状態で、メッキ層55の外周面を覆う絶縁性材料により形成された被覆層52と、を有している。メッキ層55は、図7(c)に示すように、繊維54それぞれの外周面を覆う銅(第1の導電性金属)により形成された銅メッキ層55Aと、繊維54の外周面を覆う銅メッキ層55Aそれぞれの外周面を更に覆う錫(第2の導電性金属)により形成された錫メッキ層55Bと、を有している。第1の導電性金属としての銅の融点は、約1000℃であり、約400℃である第2の導電性金属としての錫の融点よりも高い。
図8は、電線4の製造工程を示す図であり、図8(a)は電線5を形成する電線形成工程を、図8(b)は電線5の一端部における繊維54の外周面を覆うメッキ層55を露出させる除去工程を、図8(c)は露出した当該一端部における錫メッキ層55Bを溶融させる溶融工程を、図8(d)は溶融した錫メッキ層55Bを固化させて繊維54を一体にメッキする固化工程を、図8(e)は製造した電線5を端子80に取付ける取付工程を示す斜視図である。以下、電線4の製造方法の説明に際して、製造に係る作業の一部を製造装置により実施する態様を説明するが、本発明の実施態様はこれに限られない。例えば、製造装置により実施されるとして説明する作業が、作業者により為される態様であってもよい。
電線形成工程では、まず、図8(a)に示すように、公知の製造装置(図示せず。)により上記電線5が形成されて用意される。そして、図8(a)に示すように、電線送り装置(図示せず。)が、所定の間隔を空けて配置された、次工程である除去工程において用られる被覆除去用の一対の刃91,91の間に当該電線5を配置する。
除去工程では、一対の刃91,91が、互いに近付く方向に移動して、図8(b)に示すように、電線5の一端部における被覆層52を除去して、当該一端部における繊維54の外周を覆うメッキ層55を露出させる。そして、図8(b)に示すように、電線送り装置が、所定の間隔を空けて配置された、次工程である溶融工程において用いられる一対の型92,92の間に、当該一端部におけるメッキ層55が露出した電線5を配置する。型92,92には、図8(b)に示すように、凹部93がそれぞれ形成されている。
溶融工程では、まず、一対の型92,92が、図8(c)に示すように、対向する面が接触するまで互いに近接する方向に移動して、凹部93,93により形成される平型角筒状の空間94の内部に、露出したメッキ層55を収容する。その後、加熱装置(図示せず。)が、空間94の内部を、銅の融点よりも低く錫の融点よりも高い温度、例えば600℃まで加熱する。このような温度環境下に配置されると、露出した繊維54に付着した電線5の一端部におけるメッキ層55のうちの、空間94の内部温度よりも融点が低い錫メッキ層55Bが溶融して空間94内部に拡がる。このとき、当該内部温度よりも融点が高い銅メッキ層55Aは、溶融しない。
固化工程では、冷却装置(図示せず。)が、空間94内部を、錫の融点よりも充分に低い温度、例えば室温まで冷却する。このように冷却されると、溶融工程で溶融した錫メッキ層55Bが、固化して空間94の外形に則した形状と成り、電線5の一端部における各繊維54が錫メッキ層55Bにより一体にメッキされる。その後、一対の型92,92が、互いに離間する方向に移動すると、図8(d)に示すように、繊維54が一体にメッキされた繊維導体51が一端部に形成された電線5が得られる。このとき、溶融した錫メッキ層55Bを固化させる前に、図8(d)に示すように、繊維54を平行に並べて配置し、繊維54が平行に並んだ状態で錫メッキ層55Bを固化させることが好ましい。
以上の製造工程により得られた電線5には、その後、取付工程において、図8(e)に示すように、一端部に形成された繊維導体51が端子80の導体加締め片81,81により加締められることにより、端子80が取付けられる。
以上の一連の工程により、図7に示した電線5が、複数の繊維34の外周面を覆って、繊維34毎に形成される銅から成る銅メッキ層35Aと、銅メッキ層35Aによって外周面が覆われた、繊維34全てが内側に位置する状態で、当該銅メッキ層35Aの外周面を更に覆う錫から成る錫メッキ層35Bと、を有し、当該複数の繊維34が平型形状に一体にメッキされた、図6に示した第2の実施形態に係る電線4に加工され、電線4が製造される。
(第2の実施形態に係る電線4の製造方法の第1の変形例)
次に、第2の実施形態に係る電線4の製造方法の第1の変形例を説明する。
以下に説明する第1の変形例では、図5に示した従来例に係る電線2と同様の構成を有する、図10に示す電線6を順に加工することによって、電線4を製造する例について説明する。即ち、電線6は、図10に示すように、導電性の繊維導体61と、絶縁性の被覆層62と、を備えている。繊維導体61は、複数の導体63が撚られて構成されている。この導体23は、繊維64と、この繊維64の表面にメッキされて形成された導電性金属である銅から成る単層のメッキ層65と、から構成されている。換言すれば、電線6は、複数の繊維64と、繊維64が導電性金属によりそれぞれメッキされて、繊維64の外周面に形成されたメッキ層65と、メッキ層65によって外周面が覆われ、束ねられた繊維64が内側に位置する状態で、メッキ層65の外周面を覆う絶縁性材料により形成された被覆層62と、を有している。
図9は、電線4の製造方法の第1の変形例を示す図であり、図9(a)は電線6を形成する電線形成工程を、図9(b)は電線6の一端部における繊維64の外周面を覆うメッキ層65を露出させる除去工程を、図9(c)は露出した一端部におけるメッキ層65に錫テープ71を付着させる付着工程を、図9(d)は付着させた錫テープ71を溶融させる溶融工程を、図9(e)は溶融した錫テープ71を固化させて繊維64を一体にメッキする固化工程を、図9(f)は製造した電線6を端子80に取付ける取付工程を示す斜視図である。第1の変形例に係る製造方法は、概略的には、予め繊維に形成したメッキ層を溶融して固化させる代わりに、露出したメッキ層65に付着させた導電性金属の錫テープ71を溶融して固化させる点で、上述した製造方法と相違する。以下、当該相違点について詳述し、上述した製造方法と同一の点については省略して説明する。
変形例に係る製造方法では、図9(b)に示す除去工程により電線6の一端部における繊維64の外周面を覆うメッキ層65を露出させた後、図9(c)に示す付着工程において、付着装置(図示せず。)が、第3の導電性金属としての錫により形成された錫テープ(付着部材)70を、当該一端部におけるメッキ層65に巻き付けて付着させる。これにより、電線5の一端部には、第3の導電性金属としての錫により形成された錫テープ層が形成される。そして、電線送り装置が、所定の間隔を空けて配置された、次工程である溶融工程において用いる一対の型92,92の間に、当該錫テープ層が形成された繊維64を配置する。その後、図9(d)に示す溶融工程では、加熱装置が、空間94の内部を、銅の融点よりも低く錫の融点よりも高い温度、例えば600℃まで加熱する。このような温度環境下に配置されると、空間94の内部温度よりも融点が低い、露出したメッキ層65に付着した錫テープ71が溶融して空間94内部に拡がる。このとき、当該内部温度よりも融点が高い、銅により形成されたメッキ層65は溶融しない。その後、図9(e)に示す固化工程では、溶融工程で溶融した錫テープ71が固化して、空間94の外形に則した形状と成り、電線6の一端部における各繊維64が錫により一体にメッキされる。このとき、溶融した錫テープ71を固化させる前に、繊維64を平行に並べて配置し、繊維64が平行に並んだ状態で錫テープ71を固化させることが好ましい。
以上の一連の工程により、図10に示した電線6が、複数の繊維34の外周面を覆って、繊維34毎に形成される銅から成る銅メッキ層35Aと、銅メッキ層35Aによって外周面が覆われた、繊維34全てが内側に位置する状態で、当該銅メッキ層35Aの外周面を更に覆う錫から成る錫メッキ層35Bと、を有し、当該複数の繊維34が平型形状に一体にメッキされた、図6に示した第2の実施形態に係る電線4に加工され、電線4が製造される。
(第2の実施形態に係る電線4の製造方法の第2の変形例)
次に、第2の実施形態に係る電線4の製造方法の第2の変形例を説明する。
以下に説明する第2の変形例では、第1の変形例の場合と同様に、繊維64に単層のメッキ層が形成された、図10に示した電線6を順に加工することによって、電線4を製造する例について説明する。
図11は、電線4の製造方法の第2の変形例を示す図であり、図11(a)は電線6を形成する電線形成工程を、図11(b)は電線6の一端部における繊維64の外周面を覆うメッキ層65を露出させる除去工程を、図11(c)は錫ペースト73を、露出した一端部におけるメッキ層65に付着させる付着工程を、図11(d)は錫ペースト73を固化させて繊維64を一体にメッキする固化工程を、図11(e)は製造した電線6に端子80を取付ける取付工程を示す斜視図である。以下、前述した製造方法と同一の点については省略して説明する。
電線形成工程では、まず、図11(a)に示すように、公知の製造装置により電線6が形成される。そして、図11(a)に示すように、電線送り装置が、所定の間隔を空けて配置された、次工程である除去工程において用られる被覆除去用の一対の刃91,91の間に当該電線6を配置する。
除去工程では、一対の刃91,91が、互いに近付く方向に移動して、図11(b)に示すように、電線6の一端部における被覆層62を除去して、当該一端部における繊維64の外周を覆うメッキ層65を露出させる。そして、図11(b)に示すように、電線送り装置が、所定の間隔を空けて配置された、次工程である溶融工程において用いられる一対の型92,92の間に、当該一端部におけるメッキ層65が露出した電線6を配置する。型92、92のうちの上方側の型92には、図11(c)に示すように、後述する錫ペースト(付着剤)73を注入するための角柱状の注入孔75が、上面から凹部93に亘って(即ち、上面の上方側の空間と空間94とを連通するように。)形成されている。
付着工程では、まず、一対の型92,92が、図11(c)に示すように、対向する面が接触するまで互いに近接する方向に移動して、凹部93,93により形成される平型角筒状の空間94の内部に、露出したメッキ層65を収容する。そして、図11(c)に示すように、注入装置(図示せず。)が、注入用容器76に貯留された、銅の融点よりも低く錫の融点よりも高い温度、例えば600℃まで加熱されることにより、溶融してペースト状にされた第4の導電性金属としての錫である錫ペースト(付着剤)73を、空間94内部に注入する。注入された錫ペースト73は、空間94内部に拡がり、空間94内部におけるメッキ層65に付着する。
固化工程では、冷却装置が、空間94内部を、錫の融点よりも充分に低い温度、例えば室温まで冷却する。このように冷却されると、付着工程で溶融した錫ペースト73が、固化して空間94の外形に則した形状と成り、電線6の一端部における各繊維64が錫により一体にメッキされる。その後、一対の型92,92が、互いに離間する方向に移動すると、図11(d)に示すように、一端部に繊維導体61が形成された電線6が得られる。このとき、溶融した錫ペースト73を固化させる前に、図11(c)に示すように、繊維64を平行に並べて配置し、繊維64が平行に並んだ状態で錫ペースト73を固化させることが好ましい。
以上の製造工程により得られた電線6には、その後、取付工程において、図11(e)に示すように、一端部に形成された繊維導体61が端子80の導体加締め片81,81により加締められることにより、端子80が取付けられる。
以上の工程により、図10に示した電線6が、複数の繊維34の外周面を覆って、繊維34毎に形成される銅から成る銅メッキ層35Aと、銅メッキ層35Aによって外周面が覆われた、繊維34全てが内側に位置する状態で、当該銅メッキ層35Aの外周面を更に覆う錫から成る錫メッキ層35Bと、を有し、当該複数の繊維34が平型形状に一体にメッキされた、図6に示した第2の実施形態に係る電線4に加工され、電線4が製造される。
以下では、実施形態に係る電線における繊維導体、及び電線の製造方法の作用及び効果を説明する。
実施形態に係る繊維導体31は、複数の繊維34と、当該複数の繊維34が導電性金属である錫により一体にメッキされて、繊維34の外周面に形成された錫メッキ層35Bと、を備える。
これにより、複数の繊維34が錫により一体にメッキされているため、繊維導体31に引張応力が作用した際に、各繊維34に対して均等に力が加わり易い。このため、各繊維34の長さにバラつきが存在する場合において、繊維導体31に引張応力が作用しても、短い繊維が長い繊維よりも先に破断しにくい。
したがって、実施形態に係る繊維導体31によれば、引張強度を向上した繊維導体を提供できる。
また、実施形態に係る繊維導体31は、メッキ層35が、第1のメッキ層である銅メッキ層35Aと、第2のメッキ層である錫メッキ層35Bと、を有し、銅メッキ層35Aが、複数の繊維34の外周面を覆って、繊維34毎に形成され、錫メッキ層35Bが、銅メッキ層35Aによって外周面が覆われた、複数の繊維34が内側に位置する状態で、当該銅メッキ層35Aの外周面を更に覆う。
これにより、メッキ層35が第1のメッキ層と第2のメッキ層とにより構成されているため、引張強度が高い。このため、繊維導体31に引張応力が作用した場合に、短い繊維が長い繊維よりも先に破断しにくい。
また、実施形態に係る繊維導体31は、複数の繊維34が、平行に配置されている。
これにより、複数の繊維34が平行に配置されているため、繊維34が撚られて構成された従来の繊維導体と比較して繊維34の長さにバラつきが生じにくい。このため、繊維導体31に引張応力が作用した場合に、短い繊維が長い繊維よりも先に破断しにくい。
また、実施形態に係る繊維導体31は、第1のメッキ層が第2のメッキ層よりも導電性が高い導電性金属である銅により形成されている。
これにより、導電性が高い金属である銅により形成されたメッキ層が内側に配置されているため、繊維34に良好な導電性が付加される。また、比較的安価な金属である錫により更にその外周面を覆うことによって、少ないコストで引張強度の高い繊維導体が得られる。
また、実施形態に係る繊維導体31は、第1のメッキ層が第2のメッキ層よりもイオン化傾向が小さい導電性金属である銅により形成されている。
これにより、イオン化傾向が小さい金属である銅により形成された第1のメッキ層が内側に配置され、該第1のメッキ層よりもイオン化傾向が大きい金属である錫により形成された第2のメッキ層がその外周面を覆うように配置されているため、繊維導体31の使用時において、第1のメッキ層及び第2のメッキ層よりもイオン化傾向が更に大きい金属(例えば、アルミ。)により形成された端子が繊維導体31の端部に取付けられた場合に、端子と繊維導体31との電位差を小さくでき、端子と繊維導体31との間に電食が生じることを抑制できる。
また、実施形態に係る繊維導体31は、第1のメッキ層が銅により形成され、第2のメッキ層が錫により形成されている。銅は錫よりも導電性が高くイオン化傾向が小さい。
このため、実施形態に係る繊維導体31によれば、繊維に良好な導電性を付加し、且つ、端子と繊維導体との間に電食が生じることを抑制できる。
また、本実施形態に係る電線の製造方法は、繊維54(64)と、該繊維54(64)が導電性金属によりそれぞれメッキされて、繊維54(64)の外周面に形成されたメッキ層55(65)と、該メッキ層55(65)によって外周面が覆われ、束ねられた繊維54(64)が内側に位置する状態で、該メッキ層55(65)の外周面を覆う絶縁性材料により形成された被覆層52(62)と、を備える電線5(6)を形成する電線形成工程と、電線5(6)の一端部における被覆層52(62)を除去して、該一端部における繊維54(64)の外周面を覆うメッキ層55(65)を露出させる除去工程と、露出した一端部におけるメッキ層55(65)を、該メッキ層55(65)を形成する上記導電性金属の融点よりも高い温度環境下に配置して溶融させる溶融工程と、溶融したメッキ層55(65)を固化させて一端部における繊維54(64)を一体にメッキする固化工程と、を含む。
これにより、繊維54(64)と、該繊維54(64)の外周面に導電性金属により形成されたメッキ層55(65)と、該メッキ層55(65)の外周面を覆う絶縁性材料により形成された被覆層52(62)と、を備える電線5(6)に基づいて、繊維34が導電性金属により一体にメッキされた電線4が得られる。こうして得られた電線4では、少なくとも2本の繊維34が導電性金属により一体にメッキされているため、該電線4に引張応力が作用した際に、各繊維34に対して均等に力が加わり易い。このため、各繊維34の長さにバラつきが存在する場合において、該電線4に引張応力が作用しても、短い繊維が長い繊維よりも先に破断しにくい。
また、本実施形態に係る電線の製造方法は、電線形成工程では、メッキ層55が、繊維54それぞれの外周面を覆う、第1の導電性金属としての銅により形成された第1のメッキ層55Aと、該第1のメッキ層55Aそれぞれの外周面を更に覆う、第1の導電性金属である銅よりも融点が低い第2の導電性金属としての錫により形成された第2のメッキ層55Bと、を有する電線5を形成している。そして、溶融工程では、メッキ層55を、第1の導電性金属である銅の融点よりも低く第2の導電性金属である錫の融点よりも高い温度環境下に配置して、第2のメッキ層55Bを溶融させる。
これにより、メッキ層55が、繊維54それぞれの外周面を覆う、銅により形成された第1のメッキ層55Aと、該第1のメッキ層55Aそれぞれの外周面を更に覆う、銅よりも融点が低い錫により形成された第2のメッキ層55Bと、を有する電線5に基づいて、第1のメッキ層35Aと第2のメッキ層35Bとにより一体にメッキされた電線4が得られる。こうして得られた電線4では、メッキ層35が第1のメッキ層35Aと第2のメッキ層35Bとにより構成されているため、引張強度が高い。このため、繊維導体31に引張応力が作用した場合に、短い繊維が長い繊維よりも先に破断しにくい。
また、本実施形態に係る電線の製造方法は、除去工程と溶融工程との間に、電線6におけるメッキ層65を形成する導電性金属である銅の融点よりも融点が低い第3の導電性金属としての錫により形成された錫テープ(付着部材)70を、露出した一端部におけるメッキ層65に付着させて錫テープ層を形成する付着工程を更に含む。そして、溶融工程では、錫テープ層を、メッキ層65を形成する銅の融点よりも低く錫の融点よりも高い温度環境下に配置して溶融させ、固化工程では、溶融した錫テープ層を固化させる。
これにより、電線6とは別個に用意された錫テープ71を該電線6の一端部におけるメッキ層65に付着して錫テープ層を形成した後で溶融及び固化させることにより、少なくとも2本の繊維34が導電性金属により一体にメッキされた電線4が得られる。このため、溶融及び固化して各繊維64を一体にメッキするためのメッキ層を予め電線6に形成しておく必要がなく、作業工程を簡素化して低コスト化を図ることができる。
また、本実施形態に係る電線の製造方法は、繊維64と、該繊維64が導電性金属としての銅によりそれぞれメッキされて、繊維64の外周面に形成されたメッキ層65と、該メッキ層65によって外周面が覆われ、束ねられた繊維64が内側に位置する状態で、該メッキ層65の外周面を覆う絶縁性材料により形成された被覆層62と、を備える電線6を形成する電線形成工程と、電線6の一端部における被覆層62を除去して、該一端部における繊維64の外周面を覆うメッキ層65を露出させる除去工程と、メッキ層65を形成する銅よりも融点が低い第4の導電性金属としての錫により形成された錫ペースト(付着剤)73を、該メッキ層65を形成する銅の融点よりも低く錫の融点よりも高い温度環境下に配置して溶融させ、溶融した該錫ペースト73を、露出した電線6の一端部におけるメッキ層65に付着させる付着工程と、付着させた錫ペースト73を固化させて該一端部における繊維64を一体にメッキする固化工程と、を含む。
これにより、電線6とは別個に用意されて溶融された錫ペースト73を該電線の一端部におけるメッキ層65に付着し、その後、固化させることにより、繊維34が導電性金属により一体にメッキされた電線4が得られる。このため、溶融及び固化して各繊維64を一体にメッキするためのメッキ層を予め電線4に形成しておく必要がなく、作業工程を簡素化して低コスト化を図ることができる。
また、本実施形態に係る電線の製造方法は、固化工程では、一体にメッキされた一端部における繊維54(64)の外形が平型となるようにメッキ層55(65)を固化する。
これにより、得られた電線4における繊維34の外形が平型であるため、繊維が撚られて構成された従来の繊維導体と比較して繊維の長さにバラつきが生じにくい。このため、繊維導体31に引張応力が作用した場合に、短い繊維が長い繊維よりも先に破断しにくい。
さらに、図12及び図13を参照して、従来技術における、前述した理由に起因する引張強度の低下とは別の問題点を説明する。以下、図12に示すように、繊維導体111に端子180を接続する場合について説明する。
図12は、端子180と繊維導体111の接続形態を示す説明図であり、図12(a)は一段接続の場合を、図12(b)は二段接続の場合を、図12(c)は三段接続の場合を、図12(d)は四段接続の場合を、図12(e)は実際の圧着時における接続形態の例を示す断面図である。図13は、端子と繊維導体の接続形態と、端子と繊維導体との間の接続抵抗と、の関係を示す説明図であり、各グラフは、左から順に、一段接続の場合における端子芯線間抵抗、二段接続の場合における端子芯線間抵抗及び芯線間抵抗、四段接続の場合における端子芯線間抵抗及び芯線間抵抗、実際の圧着時における端子芯線間抵抗及び芯線間抵抗、をそれぞれ示している。
繊維導体111と端子180との接続に際して、図12に示すように、端子180により多くの繊維導体111を圧着して接続する場合がある。このとき、端子180と繊維導体111の導体113との間の電気抵抗(端子芯線間抵抗)は比較的小さく、導体113同士の間の電気抵抗(芯線間抵抗)は比較的大きい、と本願の発明者らは認識している。図11に示すように、端子180により圧着される導体113の段数が多くなる程、導体113同士の間の接触面積が大きくなる。このため、図11(a)に示すように、導体113を一段に配置する構成が最も好ましいが、導体113はそれぞれ独立しているために、段数を管理することは困難であり、実際の圧着時には図11(e)のような形状になっていると予想される。このような理由により、図12に示すように、芯線数が多くなり、端子180により圧着される導体113の段数が多くなる程、芯線間抵抗が大きくなり、端子180と繊維導体111との間に生じる接続抵抗が大きくなってしまっている、と本願の発明者らは認識している。
これに対して、実施形態に係る繊維導体31は、複数の繊維34が平型形状に一体にメッキされている。
これにより、各繊維34が一体にメッキされており、予め繊維34の配置を定めることができるため、圧着時の段数を容易に管理することができる。また、繊維導体31に接続される端子80により圧着される、メッキ層35により被覆された繊維34の段数を従来よりも少なく設定できるため、芯線間抵抗を小さくでき、端子80と繊維導体31との間に生じる接続抵抗の増加を抑制できる。
また、図11(a)に示すように、端子180に圧着される導体113の段数が多くなり、導体113同士の接触面積が大きくなる程、端子180と導体113との間だけではなく、導体113同士の間にも接触荷重が生じるために、端子180と繊維導体111との間の接触荷重にバラつきが生じ、繊維導体111の引張強度が低下する虞があった。
これに対して、実施形態に係る繊維導体31は、複数の繊維34が一体にメッキされている。
これにより、各繊維には均等に圧着荷重が作用するため、繊維導体31に接続される端子80と繊維導体31との間の接触荷重にバラつきが生じることを抑制でき、繊維導体31の引張強度の低下を防止できる。また、複数の繊維34が一体にメッキされているため、繊維導体31のほつれを防止できる。
尚、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態は、本発明の技術的範囲内で種々の変形や改良等を伴うことができる。
例えば、第1の実施形態に係る繊維導体31では、各繊維34が左右方向に6本、上下方向に3本、各方向に均等に間隔を空けて、平行に並べて配置されている構成としたが、繊維34の本数及び配置はこれに限られない。本数に関しては、繊維34は少なくとも2本あればよく、例えば左右に2本だけ並べた構成でも構わない。また配置に関しては、本実施形態のように繊維34が格子状に並べられた構成ではなく、例えば繊維34が各方向に非規則的に間隔を空けて配置されている構成としてもよいし、或いは環状に並べられた構成としてもよい。
また、配置に関して、本実施形態に係る繊維導体31では、複数の繊維34が、平行に配置されている構成としたが、略平行に配置されている構成でも構わない。より具体的には、例えば複数の繊維34が互いに交差しないように並列して配置されている構成としてもよい。この構成によっても、複数の繊維34が略平行に配置されているため、繊維34が撚られて構成された従来の繊維導体と比較して繊維34の長さにバラつきが生じにくい。
また、実施形態に係る繊維導体31では、繊維34の外周面に形成されたメッキ層35が、繊維34それぞれの外周面を覆う銅メッキ層35Aと、繊維34の外周面を覆う銅メッキ層35Aの外周面を一体に覆う錫メッキ層35Bと、を有する構成としたが、繊維35の外周面に形成されたメッキ層35が、繊維34の外周面を覆う錫メッキ層35Bのみを有する構成としても構わない。即ち、繊維34が錫により一体にメッキされて、繊維34の外周面にメッキ層35として錫メッキ層35Bのみが形成された構成としてもよい。当該構成であっても、複数の繊維34が錫により一体にメッキされているため、繊維導体31に引張応力が作用した際に、各繊維34に対して均等に力が加わり易い。
また、実施形態に係る電線の製造方法では、第1の導電性金属として銅を、第2の導電性金属、第3の導電性金属、及び第4の導電性金属としてそれぞれ錫を用いる場合を説明したが、これら導電性金属の種類は、本発明の技術的範囲内で変更可能であり、例えば、第1の導電性金属として銀(融点約1000℃)を、第2の導電性金属として亜鉛(融点約400℃)を用いても構わない。
また、第2の実施形態に係る電線4の製造方法の第1の変形例及び第2の変形例では、単層のメッキ層の材料として銅を用いる場合を説明したが、この導電性金属の種類は、本発明の技術的範囲内で変更可能であり、例えば、ニッケル(融点約1500℃)や銀等を用いても構わない。
1 電線
11 繊維導体
12 被覆層
13 導体
14 繊維
15 メッキ層
15A 銅メッキ層
15B 錫メッキ層
3 電線
31 繊維導体
32 被覆層
34 繊維
35 メッキ層
35A 銅メッキ層
35B 錫メッキ層
2 電線
21 繊維導体
22 被覆層
23 導体
24 繊維
25 メッキ層

Claims (8)

  1. 少なくとも2本の樹脂から成る繊維と、
    前記少なくとも2本の繊維が導電性金属により一体にメッキされて、前記繊維の外周面に形成されたメッキ層と、
    を備えることを特徴とする繊維導体。
  2. 前記メッキ層は、第1のメッキ層と、第2のメッキ層と、を有し、
    前記第1のメッキ層が、前記繊維の外周面を覆って、前記繊維毎に形成され、
    前記第2のメッキ層が、前記第1のメッキ層によって外周面が覆われた、少なくとも2本の前記繊維が内側に位置する状態で、該第1のメッキ層の外周面を更に覆う、
    ことを特徴とする請求項1に記載の繊維導体。
  3. 前記少なくとも2本の繊維が、平行に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の繊維導体。
  4. 少なくとも2本の樹脂から成る繊維と、前記少なくとも2本の繊維が導電性金属によりそれぞれメッキされて、前記繊維の外周面に形成されたメッキ層と、該メッキ層によって外周面が覆われ、束ねられた前記少なくとも2本の繊維が内側に位置する状態で、該メッキ層の外周面を覆う絶縁性材料により形成された被覆層と、を備える電線を形成する電線形成工程と、
    前記電線の一端部における前記被覆層を除去して、該一端部における前記繊維の外周面を覆う前記メッキ層を露出させる除去工程と、
    露出した前記一端部における前記メッキ層を、該メッキ層を形成する前記導電性金属の融点よりも高い温度環境下に配置して溶融させる溶融工程と、
    溶融した前記メッキ層を固化させて前記一端部における前記少なくとも2本の繊維を一体にメッキする固化工程と、
    を含むことを特徴とする電線の製造方法。
  5. 前記電線形成工程では、前記メッキ層が、前記少なくとも2本の繊維それぞれの外周面を覆う、第1の導電性金属により形成された第1のメッキ層と、該第1のメッキ層それぞれの外周面を更に覆う、前記第1の導電性金属よりも融点が低い第2の導電性金属により形成された第2のメッキ層と、を有する前記電線を形成し、
    前記溶融工程では、前記メッキ層を、第1の導電性金属の融点よりも低く前記第2の導電性金属の融点よりも高い温度環境下に配置して、前記第2のメッキ層を溶融させる、
    ことを特徴とする請求項4に記載の電線の製造方法。
  6. 少なくとも2本の繊維と、前記少なくとも2本の繊維が導電性金属によりそれぞれメッキされて、前記繊維の外周面に形成されたメッキ層と、該メッキ層によって外周面が覆われ、束ねられた前記少なくとも2本の繊維が内側に位置する状態で、該メッキ層の外周面を覆う絶縁性材料により形成された被覆層と、を備える電線を形成する電線形成工程と、
    前記電線の一端部における前記被覆層を除去して、該一端部における前記繊維の外周面を覆う前記メッキ層を露出させる除去工程と、
    露出した前記一端部における前記メッキ層を、該メッキ層を形成する前記導電性金属の融点よりも高い温度環境下に配置して溶融させる溶融工程と、
    溶融した前記メッキ層を固化させて前記一端部における前記少なくとも2本の繊維を一体にメッキする固化工程と、
    前記除去工程と前記溶融工程との間に、前記メッキ層を形成する導電性金属の融点よりも融点が低い第3の導電性金属により形成された付着部材を、露出した前記一端部における前記メッキ層に付着させる付着工程と、
    を含み、
    前記溶融工程では、前記付着部材を、前記メッキ層を形成する導電性金属の融点よりも低く前記第3の導電性金属の融点よりも高い温度環境下に配置して溶融させ、
    前記固化工程では、溶融した前記付着部材を固化させる、
    ことを特徴とする電線の製造方法。
  7. 少なくとも2本の繊維と、前記少なくとも2本の繊維が導電性金属によりそれぞれメッキされて、前記繊維の外周面に形成されたメッキ層と、該メッキ層によって外周面が覆われ、束ねられた前記少なくとも2本の繊維が内側に位置する状態で、該メッキ層の外周面を覆う絶縁性材料により形成された被覆層と、を備える電線を形成する電線形成工程と、
    前記電線の一端部における前記被覆層を除去して、該一端部における前記繊維の外周面を覆う前記メッキ層を露出させる除去工程と、
    前記メッキ層を形成する導電性金属よりも融点が低い第4の導電性金属により形成された付着剤を、該メッキ層を形成する導電性金属の融点よりも低く該第4の導電性金属の融点よりも高い温度環境下に配置して溶融させ、溶融した該付着剤を、露出した前記一端部における前記メッキ層に付着させる付着工程と、
    前記メッキ層に付着させた前記付着剤を固化させて前記一端部における前記少なくとも2本の繊維を一体にメッキする固化工程と、
    を含むことを特徴とする電線の製造方法。
  8. 前記固化工程では、一体にメッキされた前記一端部における前記少なくとも2本の繊維の外形が平型となるように前記メッキ層を固化する、
    ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の電線の製造方法。
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