JP6399668B1 - 繊維導体、繊維電線及びその製造方法 - Google Patents

繊維導体、繊維電線及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】繊維導体の端部の樹脂被覆が剥がされても、各々のフィラメントの端部が散らばるようにほぐれず、固まった状態のままとされ、ターミナルに容易に組み付けることが可能であると共に、導電性が高い繊維導体、繊維電線及びその製造方法を提供すること
【解決手段】互いが絡まって交絡された糸の各々のフィラメント41に、第1のめっき層10をなす無電解めっき層を備えさせ、更にその周囲を取り囲むように第2のめっき層20をなす電気めっき層を備えさせた繊維電線3とした。交絡された糸をなす各々のフィラメント41が、第2のめっき層20により一体に纏められていることにより、繊維電線3の絶縁被覆が剥がされた状態であっても、繊維導体1をなすフィラメント41が散らばるようにほぐれることがない繊維電線3。
【選択図】図1

Description

本発明は、高分子繊維、カーボン繊維、セラミック繊維等からなる非金属繊維の細線(以下、フィラメントという)を一束として、その周囲に金属めっきがされている繊維導体に関する。より詳細には、繊維導体の端部の樹脂被覆が剥がされても、各々のフィラメントの端部が散らばるようにほぐれず、固まった状態のままとされ、電気接続端子(以下、ターミナルという)に容易に組み付けることが可能であると共に、導電性が高い繊維導体、繊維電線及びその製造方法に関する。
近年、電子機器の小型化により、配線スペースも狭くなっている。これに伴って、配線される電線自体も細径化が必要となっている。しかし、金属電線を従来以上に細径化しようとしても、強度が不足し、また加工性が悪化するため、細径化も限界に近づいていた。そこで、従来の金属電線に代えて、軽量かつ細径のフィラメントに金属めっきをして導電性を付与して繊維導体とし、その周囲を樹脂被覆で覆った繊維電線が利用され始めている。
ここで、金属電線と繊維導体を比較して、具体的に説明する。電子機器の内部配線に使用される細径の金属電線の例としては、約0.45mmの線径の銅線を7本撚り合わせた直径約1.26mmの金属電線がある。一方、細径の繊維導体の例としては、フィラメント単線の周囲に約1μmの膜厚の金属めっきをし、その約12μmの線径のフィラメントを267本束ねた、直径約0.1〜0.2mmの繊維導体がある。
上記の例のように、繊維導体は金属電線と比較して、約1/10の細径とされると共に、フィラメントが非金属であるため軽量かつ柔軟で配線させやすいという利点がある。ところが、繊維導体がフィラメントを一束としたものであるため、電子機器に組み付ける際の作業に手間がかかるという課題があった。
繊維導体は、多数の本数のフィラメントが一束にまとめられ、且つフィラメント単線が柔軟であり、変形しやすいため、樹脂被覆を剥がした状態では、各々のフィラメントが散らばるようにほぐされた状態となり、ターミナルに挿し込んで取付けることが困難であるという課題があった。
そのため、従来は、繊維導体をなすフィラメントの端部が、散らばるようにほぐれないようにするために、作業員が手作業でフィラメントの端部を撚って一束としてから、ターミナルに繊維導体が組み付けられていた。繊維導体の組み付け作業を効率化するために、フィラメントを予め撚っておいてから、樹脂被覆をして繊維導体とすることもされていた。
しかし、予めフィラメントが撚られていても、多数の柔軟なフィラメントから繊維導体が形成されているために、樹脂被覆を剥がす際に、繊維導体の端部に作用する引張力により、一部又は全てのフィラメントが散らばるようにほぐれた状態となっていた。フィラメントに予め撚りをかける工程を経ても、フィラメントが散らばるようにほぐれることを抑制する効果は限られていた。そこで、樹脂被覆が剥がされた状態であっても、繊維導体をなす各々のフィラメントが散らばるようにほぐれず、ターミナルに組み付けやすい繊維導体を開発することが必要とされていた。
特許文献1には、フィラメントの束を芯線とする被覆電線において、被覆電線の樹脂被覆が剥がされた状態であっても、各々のフィラメントにケバ立ちを生じにくくさせる技術が開示されている。特許文献1に記載の技術によれば、繊維束に含まれるフィラメント単線の周囲に、電気めっきを可能にするための無電解めっき層を形成させておいてから、電気めっき層を積層させている。この電気めっき層により、互いに隣接されたフィラメント同士が部分的に結合され、フィラメントの端部がケバ立ちにくくされている。
しかし、特許文献1の技術によっても、フィラメントの端部がケバ立つことを抑制することができても、繊維導体の端部においてフィラメントの束が散らばるようにほぐれないようにすることはできなかった。特許文献1に記載の技術によっても、繊維導体をターミナルに組み付ける際に手間がかかるという課題を解決することはできなかった。
特許文献2には、繊維導体の引っ張り強度を向上させる技術が開示されている。特許文献2の技術によれば、フィラメント単線の周囲を第1のめっき層が覆うと共に、複数の第1のめっき層に覆われたフィラメントの束の周囲を第2のめっき層が更に覆うとされている。複数のフィラメントが、互いに交差しないように並列に配置された状態で、第2のめっき層により周囲を覆われているため、繊維導体の端部のほつれ、すなわちフィラメントがほぐれることを防止できるとされている。
第2のめっき層を形成させる方法としては、繊維導体の樹脂被覆を剥がし、繊維導体の端部を束ねたままで加熱させる例が開示されている。具体的には、フィラメントの周囲に、第1のめっき層、例えば銅めっき層と、第1のめっき層よりも溶融点の低い第2のめっき層、例えば錫めっき層とを順に、内側から積層させている。そして、第1のめっき層と第2のめっき層の溶融点の差を利用し、繊維導体の端部に第2のめっき層を形成させ、繊維導体の端部のほつれを抑制するとしている。
この錫めっき層を溶融させるには、錫の溶融点よりも高い、例えば600℃といった高温を加えるとされている。芯線の例として挙げられているアラミド繊維の場合には、錫の溶融点と同等の約400℃で炭化されるため、繊維導体の端部の錫を溶融させる際に、アラミド繊維が炭化する可能性があった。仮に内部の温度を上げないように錫を溶融させるとしても、繊維導体をターミナルに組み付ける際に、その都度、繊維導体の端部を加熱加工させる必要があり、生産性を向上させにくいという課題があった。
更に、溶融点の差を利用して第2のめっき層を形成させるには、第1のめっき層と第2のめっき層とに異なる種類の金属が使用される必要がある。そのため、各々のめっき層において導電性に差が生じ、繊維導体の長手方向における電気抵抗値が不均一となる可能性があるという課題があった。
特許文献3には、高い機械的強度を有する複合電線の製造方法の技術が開示されている。特許文献3に記載の技術によれば、高強度連続長繊維集束体をなすフィラメントを、平行に離間して配置した状態に開繊させている。そして、開繊された状態のフィラメントごとに無電解めっき層を形成させ、その表面に電解めっき層を積層させている。
更に、めっき層を形成させたフィラメントの束が、金属製の筒状体に包まれて複合電線が製造されるとしている。しかし、筒状体でフィラメントの束を包むと、樹脂被覆を剥がした状態でフィラメントがほぐれることを抑制できても、複合電線すなわち導電線自体が太くなると共に、柔軟性が損なわれるという課題があった。
特許文献4には、細径化と引張り強さの向上を課題として、ポリエステル系樹脂を含む樹脂フィラメントの最外周に配置させた樹脂フィラメントの外表面上に、導電層を形成させた絶縁電線の技術が開示されている。特許文献4の技術には、導電層は、めっき層、導電性ペースト、導電層塗料、導電性樹脂等とされ、樹脂フィラメントは、モノフィラメント又はマルチフィラメントとされている。しかし、モノフィラメントの絶縁電線とした場合には、モノフィラメントが折れた場合には、絶縁電線として機能しないという課題があった。
一方、マルチフィラメントの絶縁電線とした場合には、樹脂被覆を剥がす際に、繊維導体の端部に作用する引張力により、最外周に配置された導電層を有するフィラメントの一部を損なった場合には、その内周より内側のフィラメントが散らばるようにほぐれた状態となり易いという課題があった。そうすると、ターミナルに繊維導体を組み付けにくくなるという課題があった。
特許文献1:特開2013−26077号公報
特許文献2:特開2014−13741号公報
特許文献3:特開2012−129092号公報
特許文献4:特開2017−59447号公報
本発明が解決しようとする課題は、高分子繊維、カーボン繊維、セラミック繊維等からなる非金属繊維のフィラメントを一束として、その周囲に金属めっきがされている繊維導体を提供することである。より詳細には、繊維導体の端部の樹脂被覆が剥がされても、各々のフィラメントの端部が散らばるようにほぐれず、固まった状態のままとされ、ターミナルに容易に組み付けることが可能であると共に、導電性が高い繊維導体、繊維電線及びその製造方法を提供することである。
本発明の第1の発明の繊維導体は、非金属繊維からなる多数のフィラメントを芯線として、前記フィラメントが一束をなし、その周囲に金属めっき層を備えた繊維導体であって、前記フィラメントは、互いに絡まって交絡状態とされ、前記金属めっき層は、無電解めっき層からなる第1のめっき層と、電気めっき層からなる第2のめっき層とを含み、第1のめっき層が、各々の前記フィラメントの周囲に備えられ、第2のめっき層が、各々の前記フィラメントが一束とされた繊維導体の周囲の全体を取り囲むように備えられていることを特徴としている。
まず、非金属繊維の芯線について簡単に説明する。芯線の材質は、高分子繊維、カーボン繊維、セラミック繊維等であればよい。繊維導体をなすフィラメントの本数は限定されない。例えば、フィラメントあたりの線径が約12μm、フィラメントの本数が267本であればよい。繊維の材質は、パラアラミド繊維、ポリアリレート繊維等であればよい。
各々のフィラメントは、互いが絡まって交絡状態とされている。ここで、交絡状態とは、絡まって束となった状態をいう。交絡状態とさせるためには、フィラメント糸の進行方向に対して、側方から気体を吹き付け、フィラメント同士を絡まらせ、インターレースの状態とすればよい(図3各図参照)。また、フィラメント糸の束を加熱しながら撚り、反対方向に撚りを戻して、縮れて伸縮性のある各フィラメント同士が互いに絡まらせ、仮撚りの状態とさせてもよい。
繊維導体の芯線が、多数のフィラメントが互いに絡まって交絡状態とされている。芯線が交絡状態とされているため、繊維導体の端部において絶縁被覆が剥がされても、各々のフィラメントが絡まったまま散らばるようにほぐれず、端部のフィラメントは纏まったままである。これにより、繊維導体をターミナルに組み付ける際に、仮に繊維導体の外周面の第2の電気めっき層の一部を損なうことがあっても、繊維導体の端部が散らばるようにほぐれず、繊維導体をターミナルに容易に組み付けることができる。
また、交絡状態とされた糸は、無撚糸の繊維束と比較して、各々のフィラメントが切れにくく、引っ張り強度を向上させることができる。また、交絡状態とされた糸は、撚糸と比べてフィラメントの繊維束が固く締まっておらず、柔らかく、かつ、膨らみをもっている。そのため、交絡されているフィラメント同士の間を一時的に離間させることが容易とされる。このため、無電解めっき層を形成させる際に、フィラメント単線の周囲にむらなく無電解めっき層を形成させやすい。
また、交絡状態とされた糸が膨らみをもっているため、ボビンに巻き取った際に、無撚糸や撚糸と比較して、より柔らかく巻きつけること(以下、ソフト巻きという)が容易となる。そのため、超臨界処理等のめっき前処理がされる際に、超臨界流体等をフィラメントにむらなく接触させやすく、フィラメント単線に確実に有機金属錯体を付着させることができる。その結果、フィラメントの周囲に良好な無電解めっき層を形成させやすくなる。
フィラメントを、ボビンの回りに重ねて巻く際に、フィラメントがゆるやかに曲がり、その際にも撚れが発生する。また、無電解めっきの際に無電解めっき液の中を通過する際にも、交絡状態とされた糸の交絡状態は維持される。
第1のめっき層は、無電解めっき層であればよく、めっき層をなす金属の種類は限定されない。例えば、無電解銅めっき層、無電解ニッケルめっき層等とされればよい。第1のめっき層の膜厚も限定されないが、例えば、約0.2μmから約1μmの膜厚の無電解めっき層とされれば、繊維導体が所定の導電性を確保できる。なお、無電解めっき層の表面に、電気めっき層を積層させ導電性を高くさせてもよい。
第2のめっき層は、第1のめっき層が形成されたフィラメントが一束とされた状態で、その周囲を取り囲むように形成されている。フィラメント単線が無電解めっきされ導電機能を有していることに加えて、フィラメントが接し合った一束の外周が電気めっきされ、繊維導体全体に導電機能が備えられている。
第1の発明によれば、繊維導体をターミナルに組み付ける際に、仮に繊維導体の外周面の第2の電気めっき層の一部を損なうことがあっても、繊維導体の端部が散らばるようにほぐれず、繊維導体をターミナルに容易に組み付けることができる。無電解めっき層を形成させる際に、フィラメント単線の周囲にむらなく無電解めっき層を形成させやすい。互いが絡まって交絡状態とされている各々のフィラメントに無電解めっき層が形成され、更に電気めっき層により一体に纏められていることにより、繊維電線の樹脂被覆が剥がされた状態であっても繊維導体をなすフィラメントが散らばるようにほぐれることがない。
また、無電解めっき工程に連続して電気めっき工程を行えば、フィラメントの端部が散らばるようにほぐれない繊維導体を、単一のめっき装置により製造させることができる。そうすると、ターミナルに組み付けやすい繊維導体を、少ない工程数により生産させることができる。また、繊維電線の端部が散らばるようにほぐれないように、作業員が手作業で撚りをかける必要もなく、組み付け作業の効率を向上させることができる。
第2のめっき層は、電気めっき層であればよく、めっき層をなす金属の種類は限定されない。例えば、硫酸銅めっき層等とされればよい。第2のめっき層の膜厚も限定されず、第1のめっき層の膜厚、繊維導体に要求される導電性、柔軟性に応じて適宜選択されればよい。例えば、約0.3μmから約3μmの膜厚の電気めっき層とさせることにより、繊維導体の柔軟性を高く維持させたまま、端部が散らばるようにほぐれない繊維導体とさせることができる。
本発明の第2の発明は、第1の発明の繊維導体であって、電気めっき層からなる第3のめっき層を含み、第3のめっき層が、第1のめっき層をなす無電解めっき層に積層されていることを特徴としている。第3のめっき層の膜厚は限定されないが、例えば、0.5μm以上4μm以下の範囲とされると、繊維導体のめっき処理時間が短く、かつ、繊維導体の柔軟性が損なわれにくく好適である。
フィラメント単線の周囲に形成された無電解めっき層に、第3のめっき層をなす電気めっき層が積層されるため、繊維導体に必要な導電性を、無電解めっき層と電気めっき層との複層のめっき層により確保することができる。電気めっきは、無電解めっきと比較して、同一の膜厚のめっき層を形成させるために、必要な処理時間を短くすることができ、繊維導体の生産性を向上させることができる。
フィラメント単線の周囲に、無電解めっき層からなる第1のめっき層と、電気めっき層からなる第3のめっき層が備えられることにより、フィラメント束の部分の導電性能を高くすることができる。そうすると、繊維導体の外周面の第2のめっき層の膜厚を厚くしないでも、繊維導体の導電性能を高くすることができ、繊維導体の柔軟性を損なわないようにすることができる。これにより、配線が容易な繊維導体を、高い生産効率で生産させることができる。
本発明の第3の発明は、第2の発明の繊維導体であって、少なくとも第2のめっき層と、第3のめっき層とが銅からなる電気めっき層とされることを特徴としている。第1のめっき層をなす金属は限定されないが、無電解銅めっき層とされると、全てのめっき層が同一の金属とされるため、より好適とされる。少なくとも第2のめっき層と第3のめっき層がいずれも銅からなるため、繊維導体の長手方向における電気抵抗値を均一にさせることができる。
本発明の第4の発明は、第1から第3の発明の繊維導体であって、第2のめっき層の膜厚が、0.3μm以上3μm以下の範囲とされていることを特徴としている。第2のめっき層の膜厚は、第1のめっき層、第3のめっき層の膜厚に応じて、上記範囲から適宜選択されればよい。第1のめっき層のみが備えられる場合には、第2のめっき層の膜厚を厚くさせると、繊維導体の導電性を確保させやすい。一方、第1のめっき層及び第3のめっき層のいずれもが備えられる場合には、第2のめっき層の膜厚を薄くさせると、繊維導体の柔軟性と高い導電性とを両立させやすい。
また、第2のめっき層をなす電気めっき層の膜厚が、少なくとも0.3μm以上とされるため、繊維電線をなす樹脂被覆が剥がされる際、誤って第2のめっき層を損ないにくく、樹脂被覆を除去することが容易である。第2のめっき層の膜厚が3μm以下とされるため、めっき処理に要する時間が短く、繊維導体の生産性を向上させることができ、かつ、繊維導体の柔軟性も損なわれにくい。
本発明の第5の発明は、第2又は第3の発明の繊維導体であって、第1のめっき層の膜厚と、第2のめっき層の膜厚と、第3のめっき層の膜厚の合計が、1μm以上6μm以下の範囲とされていることを特徴としている。めっき層の膜厚の合計が1μm以上であるため、良好な導電性が得られ、めっき層の膜厚の合計が6μm以下であるため柔軟な繊維導体とされる。なお、第1から第3のめっき層の個別の膜厚は限定されない。
本発明の第6の発明は、第1から第5の発明の繊維導体であって、第2のめっき層が、前記芯線の全長に亘って連続して備えられていることを特徴としている。これにより、繊維導体を、いずれの位置で切断し、切断した端部において樹脂被覆を剥離させても、剥離させた部分のフィラメントが散らばるようにほぐれず、ターミナルに繊維導体を組み付ける作業が容易となる。
本発明の第7の発明は、繊維電線であって、第1から第6の発明の繊維導体を含み、前記繊維導体の周囲に、全長に亘って樹脂被覆が備えられていることを特徴としている。繊維電線の全長に亘って樹脂被覆が備えられているため、電子機器に多くの繊維導体を配線させても、繊維電線同士が短絡する可能性が無い。また、任意の長さで繊維電線を切断して使用することができる。
本発明の第8の発明の繊維導体の製造方法は、非金属繊維からなる多数のフィラメントが互いに絡まって交絡された糸を芯線とし、前記フィラメントの束の周囲に金属めっき層がめっきされてなる繊維導体の製造方法であって、第1のめっき及び開繊工程と、集束工程と、第2のめっき工程とを含み、第1のめっき及び開繊工程が、前記交絡された糸を開繊させながら無電解めっきする無電解めっき工程であり、前記集束工程が前記フィラメントを一束に集束させる集束工程であり、第2のめっき工程が電気めっき工程であり、第1のめっき及び開繊工程において、交絡された糸を一時的に離間させ、離間させた各々のフィラメントの周囲に無電解めっき層からなる第1のめっき層を形成させてから、前記集束工程において、前記各々のフィラメントを、ローラ周面に沿って環状に掘削された凹部を有する集束用の回転ローラの凹部に引っ掛けて、開繊状態から交絡されて接し合う状態に一束に集束させ、第2のめっき工程において、前記一束に集束させたフィラメントの束の周囲の全体を取り囲むように、電気めっき層からなる第2のめっき層を形成させることを特徴とする繊維導体の製造方法としている。
第8の発明は、第1の発明で示した繊維導体を製造する製造方法としている。フィラメントは、撚りのない状態のフィラメントが並列され一方向に送出される際に、フィラメントの送出方向と交差される方向から、高圧のエアーをあてる等により、各々のフィラメントが交絡され、交絡された糸とされている。また、フィラメント糸の束を加熱しながら、フィラメントの長さ1mあたり10〜100回の撚りをかけ、反対方向に撚りを戻して、縮れて伸縮性のある各フィラメント同士が互いに交絡されていてもよい。フィラメントの長さ1mあたり10回以上の撚りがかけられているため、フィラメントの束が散らばるようにほぐれにくい。また、フィラメントの長さ1mあたり100回以下の撚りとされているため、フィラメントの束を開繊させることが容易とされる。
無電解めっきは、フィラメント同士の間を離間させた開繊状態で行われる。これにより、交絡された糸の内方に位置しているフィラメントも、無電解めっき液とむらなく接されるため、フィラメント単線に均一な無電解めっき層を形成させることができる。開繊工程は、フィラメント同士の間を一時的に離間させることができればよく、周知の開繊方法であればよい。
例えば、交絡された糸を、糸を巻き取る回転ローラと糸を送り出す回転ローラの間に掛け渡した状態で、少なくともいずれかの回転ローラの回転速度を変化させ、糸を張る動作と糸を弛ませる動作とを交互に繰り返させればよい。なお、糸を張る動作と弛ませる動作とが交互に繰り返されるため、隣接されたフィラメントが無電解めっきの段階で一体化されることはない。
無電解めっき工程は、周知の無電解めっき処理とされればよい。集束工程は、無電解めっき層が形成された各々のフィラメントを、開繊状態から交絡されて接し合う状態に復帰させるように、一束に集束させている。例えば、電気めっき工程において使用される回転ローラの周面に凹部を設けておき、その凹部に各々のフィラメントが集められ、一束に集束されればよい。
電気めっき工程では、各々のフィラメントが一束に集束された状態で、電気めっき層がめっきされる。そうすると、電気めっき層が、無電解めっきされた交絡されたフィラメントの束の周囲を取り囲むように、集束されたフィラメントの束の周囲に形成される。これにより、樹脂被覆が剥がされた状態であっても、各々のフィラメントが交絡されているため散らばるようにほぐれず、ターミナルに装着させやすい繊維導体とされる。第8の発明によれば、樹脂被覆が剥がされた状態であっても、フィラメントの端部が散らばるようにほぐれることがない繊維導体を効率よく生産できる。
本発明の第9の発明は、第8の発明の繊維導体の製造方法において、第1のめっき工程と前記集束工程との間に第3のめっき及び開繊工程を含み、第3のめっき及び開繊工程において、無電解めっき層が形成された各々のフィラメントを開繊させながら、第1のめっき層の周囲に電気めっき層からなる第3のめっき層を形成させることを特徴とする繊維導体の製造方法としている。
本発明の第9の発明は、第2の発明の製造方法として好適である。なお、無電解めっき工程までは第8の発明と同一の工程とされる。第3のめっき及び開繊工程は、第2の発明における第3のめっき層を形成させる工程とされている。第3のめっき及び開繊工程も、周知の電気めっき処理とされればよい。めっきされる金属の種類、めっき液の組成、めっき時間、浴温度、電流密度等は、繊維導体に要求される導電性・柔軟性と、無電解めっき層の膜厚とに応じて適宜選択されればよい。
電気めっき層からなる第3のめっき層を備えているため、フィラメントの周囲の無電解めっき層、すなわち第1のめっき層の膜厚は薄くされても、良好な導電性とされる。第9の発明によれば、めっき処理に長時間を必要とする無電解めっき層の時間を短縮することができ、全体のめっき処理の時間を短縮することができる。これにより、同一の製造時間であっても、より多くの繊維導体を製造させることができ、生産性を向上させることができるようになる。
・本発明の第1の発明によれば、繊維導体をターミナルに組み付ける際に、仮に繊維導体の外周面の第2の電気めっき層の一部を損なうことがあっても、繊維導体の端部が散らばるようにほぐれず、繊維導体をターミナルに容易に組み付けることができる。無電解めっき層を形成させる際に、フィラメント単線の周囲にむらなく無電解めっき層を形成させやすい。互いが絡まって交絡状態とされているフィラメント単線に無電解めっき層が形成され、更に電気めっき層により一体に纏められていることにより、繊維電線の樹脂被覆が剥がされた状態であっても繊維導体をなすフィラメントが散らばるようにほぐれることがない。
・本発明の第2の発明によれば、配線が容易な繊維導体を、高い生産効率で生産させることができる。
・本発明の第3の発明によれば、繊維導体の長手方向における電気抵抗値を均一にさせることができる。
・本発明の第4の発明によれば、誤って第2のめっき層を損ないにくく、樹脂被覆を除去することが容易であると共に、めっき処理に要する時間が短く、繊維導体の生産性を向上させることができ、かつ、繊維導体の柔軟性も損なわれにくい。
・本発明の第5の発明によれば、良好な導電性が得られると共に、柔軟な繊維導体とされる。
・本発明の第6の発明によれば、繊維導体を、いずれの位置で切断し、切断した端部において樹脂被覆を剥離させても、剥離させた部分のフィラメントが散らばるようにほぐれず、ターミナルに繊維導体を組み付ける作業が容易となる。
・本発明の第7の発明によれば、電子機器に多くの繊維導体を配線させても、繊維電線同士が短絡する可能性が無い。また、任意の長さで繊維電線を切断して使用することができる。
・第8の発明によれば、樹脂被覆が剥がされた状態であっても、フィラメントの端部が散らばるようにほぐれることがない繊維導体を効率よく生産できる。
・本発明の第9の発明によれば、同一の製造時間であっても、より多くの繊維導体を製造させることができ、生産性を向上させることができるようになる。
繊維導体を説明する説明図(実施例1)。 繊維導体の製造工程を説明するフロー図(実施例1)。 交絡された糸を説明する説明図(実施例1)。 超臨界処理を説明する説明図(実施例1)。 めっき装置を説明する説明図(実施例1)。 開繊工程を説明する説明図(実施例1)。 繊維導体を説明する説明図(実施例2)。 繊維導体の製造工程を説明するフロー図(実施例2)。
互いが絡まって交絡された糸の各々のフィラメントに無電解めっき層が形成され、更にその周囲を取り囲むように電気めっき層が形成された繊維導体とした。フィラメントが交絡されていると共に、電気めっき層によって一体に纏められていることにより、繊維電線の樹脂被覆が剥がされた状態であっても、繊維導体をなすフィラメントが散らばるようにほぐれることがない繊維導体とした。
実施例1では、繊維電線3の樹脂被覆70が剥がされた状態であっても、各々のフィラメント41が散らばるようにほぐれず、ターミナルに組み付けやすい繊維導体1を、図1から図6を参照して説明する。各々の図では、理解を容易にするため、繊維導体1に含まれるフィラメント41の本数を一部省略して示している。また、図3及び図6においては、交絡された糸40の一部拡大図を示している。
図1は、繊維導体1の構成を説明する説明図を示している。図2は、図1で示した繊維導体1の製造工程を説明するフロー図を示している。図3は、交絡された糸3を説明する説明図を示している。図4は、めっき前処理を説明する説明図を示している。図5は、繊維導体1を製造させるめっき装置100の概要を説明する説明図を示している。図6は、図5のめっき装置100に含まれる開繊工程において、交絡された糸40が開繊された状態を説明する説明図である。
まず、繊維導体1をなす交絡された糸40について、図3を参照して説明する。図3(A)図は、無撚フィラメント44を交絡をさせる前の状態の一部拡大図を示している。図3(B)図は、無撚フィラメント44が交絡され、交絡された糸40が生産されている状態を示している。図3(C)図は、交絡された糸40の一部拡大図を示している。なお、図3(B)図では、送風装置45を破線で示している。
非金属繊維からなるフィラメント41が互いに絡まって交絡状態とされて、フィラメントの束が交絡された糸40をなしている(図3(C)図)。交絡された糸40の材質は、パラアラミド繊維とされる。パラアラミド繊維のフィラメント41は、一本あたりの線径が約12μm(単糸繊度1.7dtex:フィラメント10000mあたりの重さが1.7g)、本数が267本とされている。非金属繊維の材質はこれに限定されず、ポリアリレート繊維、絹糸等の高分子繊維、カーボン繊維、セラミック繊維等とされてもよい。フィラメントの線径、本数等もこれに限定されない。
交絡された糸40は、フィラメント41同士を交絡させ、交絡箇所42を節のように細く固めた繊維束とされる(図3(C)図参照)。交絡された糸40の製造方法は、複数の無撚フィラメント44(図3(A)図参照)を、各々のフィラメントを平行にさせた状態で、送風装置45に向けて送出させる。そして、無撚フィラメント44の進行方向と交差された方向から、高圧の空気46を周期的に吹きつけさせることにより(図3(B)図矢印参照)、フィラメント41が互いに絡まって交絡箇所42ができる(図3(C)図参照)。
そのため、交絡された糸40は、フィラメント41が互いに交絡されて一束をなしており、各々のフィラメント41が散らばるようにほぐれにくい。更に、交絡箇所以外の部分43では、各々のフィラメント41が固く締付られていないため、フィラメントの束全体として柔らかく、かつ、膨らみをもった状態となる(図3(C)図参照)。そのため、交絡された糸は、撚糸と比較して柔らかい糸とされる。また、交絡箇所42において互いが交絡されているため、無撚糸のように各々のフィラメントが散らばるようにほぐれることはなく、かつ、引張応力が一部のフィラメントに偏らないため引張強度も向上される。
また、交絡された糸40は、フィラメントの束が膨らみを有しているため、後述する超臨界工程において、各々のフィラメント41に有機金属錯体をむらなく付着させることができる。また、フィラメントの束が固く締まっておらず、フィラメント41同士の間を一時的に離間させた開繊状態とさせやすい。そのため、後述する無電解めっき工程において、各々のフィラメント41に均一な無電解めっき層を形成させることができる。
次に、前記交絡された糸40に金属めっき層をめっきさせてなる繊維導体1を、図1を参照して説明する。図1(A)図は、繊維導体1の端部の斜視図を示し、図1(B)図は、繊維電線3の端部の斜視図を示している。図1(C)図では、繊維電線3の断面図を示し、図1(D)図は、その一部拡大断面図を示している。また、図1(A)図では、理解を容易にするため、第2のめっき層20を一部切欠いて示している。
繊維導体1は、フィラメント41が交絡された糸40(図3(C)図参照)と、無電解めっき層からなる第1のめっき層10と、電気めっき層からなる第2のめっき層20とを含んでいる(図1(D)図参照)。繊維導体1の線径は、各々のめっき層を含めて、約0.1〜0.2mmとされる(図1(A)図参照)。樹脂被覆70を含めた繊維電線3の線径は、約0.2〜0.3mmとされる(図1(B)図参照)。第1のめっき層10の膜厚は、0.2〜1μmとされている。第2のめっき層20の膜厚は、0.3〜3μmとされている。なお、繊維導体1をなすフィラメントの束47は、めっき処理がされる段階で元の交絡された糸の交絡状態よりも交絡された状態となっている。
第1のめっき層10は、銅の無電解めっき層とされ、交絡された糸をなす各々のフィラメント41ごとに、その周囲に形成されている(図1(D)図参照)。そのため、第1のめっき層が備えられたフィラメントの束47も、交絡された糸40(図3(C)図参照)と同様に、互いが交絡された状態とされている(図1(A)図)。
第2のめっき層20は、銅の電気めっき層とされ、交絡状態とされている各々のフィラメント41の一束の周囲を取り囲むように形成されている(図1(A)図、図1(C)図参照)。最外周に位置されたフィラメント単線においては、外方の部分21は電流密度が高いため、第2のめっき層20の膜厚が厚くなり、内方の部分22は電流密度が低いため、第2のめっき層20の膜厚が薄くなる(図1(D)図参照)。上記のような膜厚の第2のめっき層20が、フィラメントの束の周囲を連続して取り囲み、フィラメントの束が一体に纏められた状態とされる。
第2のめっき層20がフィラメントの束47の周囲を取り囲んでいるため、繊維電線3の周囲に備えられた樹脂被覆70が剥がされても、各々のフィラメントが散らばるようにほぐれることがない(図1(B)図参照)。更に、第1のめっき層10が備えられたフィラメント41が、互いに交絡された糸をなしている(図1(A)図参照)。そのため、仮に繊維導体1が所望の長さに切断される際や、樹脂被覆70が剥がされる際に、第2のめっき層20の一部を損なうことがあっても、各々のフィラメント41が散らばるようにほぐれることがない。これにより、繊維導体1をターミナルに組み付ける際に、従来の金属電線のように、容易に組み付けることができる。
次に、繊維導体1の製造工程を、図2から図6を参照して説明する。繊維導体1の製造工程は、めっき前処理工程(S01〜S02)と、めっき処理工程(S11〜S13)と、めっき後処理工程(S21〜S24)に大別されている。まず、めっき前処理から順に説明する。最初に、交絡(または仮撚り)工程(S01)において、無撚フィラメント44が交絡された糸40とされる(図3各図参照)。交絡に替えて、仮撚りとしてもよいことは勿論のことである。次に、交絡された糸40が、巻取装置によりボビン50にソフト巻きされる(図4(A)図参照)。一つのボビンには、約1000〜2000mの交絡された糸がソフト巻きされている。なお、交絡された糸を、ボビンの回りに重ねて巻く際に、フィラメントがゆるやかに曲がり、交絡された糸に撚れが発生されるため、元の交絡された糸の交絡状態よりも交絡された状態となる。
次に、超臨界工程(S02)について、図4を参照して説明する。図4(A)図は、交絡された糸40がボビン50にソフト巻きされた状態を示し、図4(B)図は、超臨界処理がされている状態を示している。交絡された糸40が超臨界流体に接触されると、超臨界流体に含まれた有機金属錯体が、各々のフィラメントに付着される。膨らみのある交絡された糸がソフト巻きされているため、各々のフィラメントにむらなく超臨界流体を接しさせることができ、有機金属錯体をフィラメントに確実に付着させることができる。
ここで超臨界工程(S02)と、超臨界装置60について簡単に説明する。超臨界装置60は、超臨界流体と交絡された糸40とが接触される処理空間61と、超臨界流体を貯留させる貯留部62と、貯留部62と処理空間61の間で超臨界流体を循環させる循環配管63,64と、前記貯留部62にCOガスを供給させるガスタンク66とを備えている。循環配管63の先方には、ボビン50が装着され、ボビンの内筒の上部は、蓋65により閉鎖されている。超臨界流体は、ボビンの巻取軸51から処理空間61に向けて循環可能とされている。
次に超臨界処理の工程を説明する。実施例1では、超臨界流体をCOガスとパラジウム錯体としている。まず、ガスタンク66から貯留部62にCOガスが導入される(図4(B)図矢印D)。そして、貯留部62に蓄えられたCOガスとパラジウム錯体とが高温高圧の状態とされる。そうすると、臨界点以上の温度・圧力を受けたパラジウム錯体がCOガスに溶解され、気体の拡散性と液体の溶解性を併せ持った超臨界流体とされる。高圧となった超臨界流体が循環配管63を通じて、処理空間に導入され(図4(B)図矢印A)、処理空間61内が高圧の状態に維持される。
そして、超臨界流体が、巻取軸51(図4(A)図参照)から処理空間61に向けて循環されることにより、ボビンの内筒の貫通孔52から流出された超臨界流体が、交絡された糸40に接触し、超臨界流体に含まれるパラジウム錯体が交絡された糸に付着される(図4(B)図矢印B)。そして、超臨界流体が循環配管64を通じて、再び貯留部62に導入される(図4(B)図矢印C)。これが繰り返されて、超臨界工程が完了される。
次に、めっき処理工程(S11〜S13)、及びめっき後処理工程(S21〜S24)について、図2、図5及び図6を参照して説明する。めっき処理工程は、無電解めっき処理と交絡された糸の開繊が同時に行われる、第1のめっき及び開繊工程(S11)と、集束工程(S12)と、電気めっき工程からなる第2のめっき工程(S13)とから構成されている(図2参照)。めっき後処理工程は、水洗工程(S21)、乾燥工程(S22)、電気抵抗値測定工程(S23)、繊維導体の巻取工程(S24)から構成されている。
めっき処理工程(S11〜S13)とめっき装置100の構成とを、図2及び図5を参照して対比させて説明する。図5(A)図は、めっき装置100の全体の概要図を示し、図5(B)図は、一本の繊維導体の製造ラインについての概要図を示している。図5(C)図は、集束工程において、各々のフィラメントを一束に集束させる回転ローラ121の側面図を示し、図5(D)図は、前記回転ローラ121の一部拡大図を示している。
めっき装置100は、図上左側を始点として、交絡された糸の送出部101、無電解めっき処理を行う第1のめっき浴槽110、交絡された糸の送り速度を調整する速度調整用ローラ113、電気めっき処理を行う第2のめっき浴槽120、水洗装置130、乾燥装置140、電気抵抗測定装置150、繊維導体の巻取部160の順で配置されており、複数の繊維導体1を並行にめっきできる生産ラインをなしている(図5(A)図矢印参照)。
送出部101には、複数の糸送り用の回転モータ102が備えられており、複数の交絡された糸40を、同時に第1のめっき浴槽120に送出させている。また、送出部101には、糸送り用の回転モータ102と同数の、糸の送り速度を調整する速度調整用ローラ103と、糸の張力を調整するダンサー104とが備えられており、交絡された糸が張りすぎない状態で第1のめっき浴槽110に送出させている。この送出元の速度調整用ローラ103と、第1のめっき浴槽110と第2のめっき浴槽120の中間位置に配設された送出先の速度調整用ローラ113とが、交絡された糸の開繊手段とされる。第1のめっき及び開繊工程(S11)において、この二つのローラの回転速度を調整させることにより、交絡された糸を開繊状態とさせている。
めっき処理工程(S11〜S13)では、第1のめっき及び開繊工程(S11)において、交絡された糸を開繊状態とさせると共に、無電解めっき処理を行っている。開繊状態とは、交絡された糸40をなす各々のフィラメント41の間を一時的に離間させた状態をいう(図6(B)図参照)。例えば、交絡された糸40が弛んだ状態(図6(B)図参照)と張られた状態(図6(A)図参照)を交互に繰り返させることにより、各々のフィラメント41の間を離間させればよい。
具体的には、送出元の速度調整用ローラ103の回転速度を、送出先の速度調整用ローラ113の回転速度よりも速くさせると、二つのローラの間に掛け渡された交絡された糸40が弛んだ状態となる(図6(B)図矢印参照)。そうすると、各々のフィラメント41の交絡箇所42が弛み、各々のフィラメント41の間が離間された状態とされる。一方、送出元の速度調整用ローラ103の回転速度を、送出先の速度調整用ローラ113の回転速度よりも遅くさせると、交絡された糸40は弛んだ状態(図6(B)図参照)から張られた状態に復帰される(図6(A)図参照)。
第1のめっき浴槽110では、第1のめっき及び開繊工程(S11)における無電解めっき処理がされる。無電解めっき処理では、交絡された糸40が開繊状態のまま無電解めっき浴がされ、フィラメント単線の周囲に、無電解銅めっき層からなる第1のめっき層10(図1(D)図参照)が形成される。無電解銅めっき液の主な成分は、銅めっき水溶液1リットルあたり、硫酸銅10g、還元剤をなすホルムアルデヒド溶液(35重量%水溶液)2〜3gとされる。浴温度が40〜50℃、pHが8〜13、浴時間が5〜20分とされる。この無電解めっき浴の浴条件で、フィラメント単線の周囲に、約0.2〜1μmの膜厚とされた第1のめっき層が形成される。
第1のめっき浴槽110は、交絡された糸40を第1のめっき浴槽に案内させる回転ローラ111と、交絡された糸40を無電解めっき液の中に浸漬させた状態を維持させる回転ローラ112とを備えている。交絡された糸40は、回転ローラ112,112の間に張られすぎないように掛け渡され、開繊状態のまま第1のめっき浴槽の中を通過されている。
交絡された糸が第1のめっき浴槽110の中を通過される際にも、交絡された糸40の交絡状態は維持された状態とされている。なお、回転ローラ111及び回転ローラ112は、ローラ周面が平坦な回転ローラとされ、交絡された糸を開繊状態とさせたまま、フィラメント単線ごとに第1のめっき層を形成できるようにされている。
集束工程(S12)では、開繊状態とされていたフィラメント41(図6(B)図参照)が、交絡されて接し合う状態に復帰されるように、各々のフィラメントを一束に集束させる。具体的には、ローラ周面122に沿って環状に掘削された凹部123を有する集束用の回転ローラ121により、フィラメント41が一束に集束される(図5(C)図,図5(D)図参照)。凹部の両側124は、凹部123に向けて緩やかに傾斜されている。そのため、ローラ周面122に引っ掛けられた各々のフィラメントが凹部に集束され、フィラメントの束47とされる(図5(D)図参照)。
集束用の回転ローラ121は、第2のめっき浴槽120の直前と、第2のめっき浴槽の内部とに配置されている(図5(B)図参照)。そのため、各々のフィラメントが一束に集束された状態で、第2のめっき浴槽120に導入されると共に、第2のめっき浴槽120の内部においても各々のフィラメントが集束された状態が維持されている。
第2のめっき浴槽120では、電気めっき工程からなる第2のめっき工程(S13)がされる。第2のめっき工程により、集束されたフィラメントの束47(図1(A)図、図5(D)図参照)の周囲を取り囲むように、硫酸銅めっき層からなる第2のめっき層20が形成される(図1(D)図参照)。電気めっき工程は、硫酸銅めっき浴としている。銅めっき液は、硫酸銅めっき水溶液1リットルあたり、硫酸銅180〜250g、硫酸(硫酸成分が98重量%)45〜60g、浴温度が20〜35℃とされる。電流密度は0.5〜5A/dm、めっき浴時間は、5〜30分とされる。この電気めっき浴の浴条件で、0.3〜3μmの膜厚とされた第2のめっき層20が形成される。ここまでの工程で、繊維導体1が生産される。
めっき工程に引き続いて、めっき後処理工程(S21〜S24)が行われる。めっき後処理工程では、水洗装置により繊維導体が水洗され(S21)、乾燥装置により水洗された繊維導体が乾燥される(S22)。ここで、繊維導体が所望の導電性を有しているかを、電気抵抗測定装置150により電気抵抗を測定させている(S23)。そして、最後に巻取用の回転ローラ161により繊維導体がボビンに巻きとられる(S24)。
実施例2では、実施例1の場合と比べて、生産性を向上させた繊維導体2の例を、図7及び図8を参照して説明する。図7(A)図は、繊維導体2に樹脂被覆を備えさせてなる繊維電線4の断面図を示し、図7(B)図は、その一部拡大断面図を示している。図7(C)図は、めっき装置200の概要を説明する説明図を示している。図8は、繊維導体2の製造工程を説明するフロー図を示している。製造工程においても、共通する工程は、実施例1と同様の符号を付して説明を省略する。
まず、繊維導体2の構成の相違点を説明する。繊維導体2は、フィラメントが交絡された糸40(図3(C)図参照)と、第1のめっき層11と第2のめっき層20に加えて、銅の電気めっき層からなる第3のめっき層30とを含んでいる点が異なっている(図7(B)図参照)。第3のめっき層30は、フィラメント単線ごとに、第1のめっき層11の周囲に備えられる。繊維導体2では、第1のめっき層11の膜厚を0.2〜1μmとされ、第3のめっき層30の膜厚を0.4〜4μmとされている。また、第1から第3のめっき層の膜厚の合計は、1〜6μmの範囲内とされている。
次に、繊維導体2の製造工程とめっき装置200の構成の相違点について説明する。繊維導体2の製造工程は、無電解めっき及び開繊工程(S11)と、集束工程(S12)の間に、電気めっき工程からなる第3のめっき及び開繊工程(S31)が備えられる点が異なっている。第3のめっき及び開繊工程において、電気めっき処理がされ第1のめっき層11の周囲に第3のめっき層30が形成される。第3のめっき及び開繊工程も第2のめっき工程と同様のめっき浴条件であればよい。なお、浴時間については、第3のめっき層30の膜厚に応じて、適宜調整されればよい。
めっき装置200の構成は、第1のめっき浴槽110と第2のめっき浴槽120の間に、第3のめっき浴槽220が設けられている点が異なっている。第3のめっき浴槽220では、第3のめっき及び開繊工程がされる(S31)。第3のめっき及び開繊工程においても、前後に配設された2つの速度調整用ローラ113,114の回転速度を変化させて交絡された糸を開繊させ、第1のめっき層10が形成された各々のフィラメントの周囲に第3のめっき層30を電気めっきさせる。
第3のめっき及び開繊工程の後、第2のめっき浴槽120では、実施例1と同様に、第2のめっき処理がされる。なお、第3のめっき浴槽に配設される回転ローラ221は、ローラ周面が平坦な回転ローラとされ、交絡された糸を開繊状態とさせたまま、フィラメント単線ごとに第3のめっき層を形成できるようにされている。
(その他)
・実施例2では、理解を容易にするため、第3のめっき浴槽と第2のめっき浴槽とを分離させた例を説明した。電気めっきのめっき浴槽を一つの浴槽とし、前半部分で第3のめっき層をめっきさせ、後半部分でフィラメントを集束させると共に、第2のめっき層をめっきさせてもよいことは勿論のことである。
・本実施例では、めっき前処理が超臨界処理にされた例を開示したが、限定されず湿式方式によってもよい。
・今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の技術的範囲は、上記した説明に限られず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,2…繊維導体、3,4…繊維電線、100,200…めっき装置、
10,11…第1のめっき層、
20…第2のめっき層、21…外方の部分、22…内方の部分、
30…第3のめっき層、
40…交絡された糸、41…フィラメント、42…交絡箇所、43…交絡箇所以外の部分、
44…無撚フィラメント、45…送風装置、46…空気、47…フィラメントの束、
50…ボビン、51…巻取軸、52…貫通孔、
60…超臨界装置、61…処理空間、62…貯留部、63,64…循環配管、
65…蓋、66…ガスタンク、
70…樹脂被覆、
101…送出部、102…回転モータ、103…速度調整用ローラ、104…ダンサー、
110…第1のめっき浴槽、111,112…回転ローラ、113,114…速度調整用ローラ、
120…第2のめっき浴槽、121…回転ローラ、122…ローラ周面、123…凹部、
124…凹部の両側、
130…水洗装置、140…乾燥装置、150…電気抵抗測定装置、
160…巻取部、161…回転ローラ、
220…第3のめっき浴槽、221…回転ローラ、

Claims (9)

  1. 非金属繊維からなる多数のフィラメントを芯線として、前記フィラメントが一束をなし、その周囲に金属めっき層を備えた繊維導体であって、
    前記フィラメントは、互いに絡まって交絡状態とされ、
    前記金属めっき層は、無電解めっき層からなる第1のめっき層と、電気めっき層からなる第2のめっき層とを含み、
    第1のめっき層が、各々の前記フィラメントの周囲に備えられ、
    第2のめっき層が、各々の前記フィラメントが一束とされた繊維導体の周囲の全体を取り囲むように備えられている、
    ことを特徴とする繊維導体。
  2. 電気めっき層からなる第3のめっき層を含み、
    第3のめっき層が、第1のめっき層をなす無電解めっき層に積層されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の繊維導体。
  3. 少なくとも第2のめっき層と、第3のめっき層とが銅からなる電気めっき層とされる、
    ことを特徴とする請求項2に記載の繊維導体
  4. 第2のめっき層の膜厚が、0.3μm以上3μm以下の範囲とされている、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の繊維導体。
  5. 第1のめっき層の膜厚と、第2のめっき層の膜厚と、第3のめっき層の膜厚の合計が、1μm以上6μm以下の範囲とされている、
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の繊維導体。
  6. 第2のめっき層が、前記芯線の全長に亘って連続して備えられている、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の繊維導体。
  7. 繊維電線であって、
    請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の繊維導体を含み、
    前記繊維導体の周囲に、全長に亘って樹脂被覆が備えられている、
    ことを特徴とする繊維電線。
  8. 非金属繊維からなる多数のフィラメントが互いに絡まって交絡された糸を芯線とし、前記フィラメントの束の周囲に金属めっき層がめっきされてなる繊維導体の製造方法であって、
    第1のめっき及び開繊工程と、集束工程と、第2のめっき工程とを含み、
    第1のめっき及び開繊工程が、前記交絡された糸を開繊させながら無電解めっきする無電解めっき工程であり、
    前記集束工程が前記フィラメントを一束に集束させる集束工程であり、
    第2のめっき工程が電気めっき工程であり、
    第1のめっき及び開繊工程において、交絡された糸を一時的に離間させ、離間させた各々のフィラメントの周囲に無電解めっき層からなる第1のめっき層を形成させてから、
    前記集束工程において、前記各々のフィラメントを、ローラ周面に沿って環状に掘削された凹部を有する集束用の回転ローラの凹部に引っ掛けて、開繊状態から交絡されて接し合う状態に一束に集束させ、
    第2のめっき工程において、前記一束に集束させたフィラメントの束の周囲の全体を取り囲むように、電気めっき層からなる第2のめっき層を形成させる、
    ことを特徴とする繊維導体の製造方法。
  9. 繊維導体の製造方法であって、
    第1のめっき工程と前記集束工程との間に第3のめっき及び開繊工程を含み、
    第3のめっき及び開繊工程において、無電解めっき層が形成された各々のフィラメントを開繊させながら、第1のめっき層の周囲に電気めっき層からなる第3のめっき層を形成させる、
    ことを特徴とする請求項8に記載の繊維導体の製造方法。
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