JP2017059447A - 絶縁電線 - Google Patents
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Abstract
【課題】細径化が容易であり、座屈しにくく、引張強さが強い絶縁電線を提供する。
【解決手段】絶縁電線1は、導体線2と、導体線2を被覆する絶縁体3とを有している。導体線2は、ポリエステル系樹脂を含む樹脂フィラメント21と、樹脂フィラメント21の表面上に形成された導電層22とを有している。樹脂フィラメント21は、モノフィラメント211であってもよく、マルチフィラメント212であってもよい。樹脂フィラメント21におけるポリエステル系樹脂は、軸方向に配向していることが好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】絶縁電線1は、導体線2と、導体線2を被覆する絶縁体3とを有している。導体線2は、ポリエステル系樹脂を含む樹脂フィラメント21と、樹脂フィラメント21の表面上に形成された導電層22とを有している。樹脂フィラメント21は、モノフィラメント211であってもよく、マルチフィラメント212であってもよい。樹脂フィラメント21におけるポリエステル系樹脂は、軸方向に配向していることが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、絶縁電線に関する。
近年、例えば自動車等に使用する絶縁電線において、導体の細径化が求められている。導体としては、タフピッチ銅の軟質材等の加工性に優れた金属線が多用されている。しかし、従来の金属線は、端子挿入性の悪化、引張強さの低下、あるいは高温環境下における端子固着力の低下等の問題のため、細径化することが困難であった。
上記の問題点は、高強度の合金から構成した金属線を用いることにより解決することができる。しかし、高強度の合金は、一般に加工性が低いため、金属線を細径化することが困難である場合が多い。
そこで、特許文献1には、絶縁電線の導体に用いられる銅合金撚線の製造方法が開示されている。この銅合金撚線の製造方法は、Mg、Ag、Sn、Zn等の添加元素の含有量が1質量%未満に制限された銅合金材に99%以上の冷間加工度で伸線加工を施して単線材を形成する工程と、得られた硬質の単線材を複数本撚り合わせて撚線材とする工程とを有している。
特許文献1の技術は、加工性が高い状態で銅合金材の伸線加工を行い、伸線加工の際の加工硬化により、得られる単線材の強度の向上を図っている。しかし、この技術を用いた場合であっても、得ようとする単線材の径が細くなるほど金属線の加工性が悪化するため、導体の細径化には限界がある。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、細径化が容易であり、座屈しにくく、引張強さが強い絶縁電線を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、導体線と、該導体線を被覆する絶縁体とを有する絶縁電線であって、
上記導体線は、
ポリエステル系樹脂を含む樹脂フィラメントと、
該樹脂フィラメントの表面上に形成された導電層とを有する、絶縁電線にある。
上記導体線は、
ポリエステル系樹脂を含む樹脂フィラメントと、
該樹脂フィラメントの表面上に形成された導電層とを有する、絶縁電線にある。
上記絶縁電線は、上記樹脂フィラメントと、該樹脂フィラメントの表面上に形成された導電層とを有する導体線を有している。上記樹脂フィラメントは、金属線に比べて優れた加工性を有しているため、金属線では実現することが難しかった領域まで細径化を行うことができる。それ故、上記絶縁電線は、従来の絶縁電線に比べて容易に細径化を行うことができる。
また、上記樹脂フィラメントは、金属線に比べて弾性率を大きくすることができる。さらに、上記樹脂フィラメントは、金属線に比べて細径化した際の引張強さを強くすることができる。それ故、上記樹脂フィラメントを有する上記絶縁電線は、従来の絶縁電線よりも座屈しにくくなり、また、引張強さを強くすることができる。
上記絶縁電線において、上記導体線は、表面に上記導電層が形成された樹脂フィラメントを1本以上有している。樹脂フィラメントは、モノフィラメントであってもよく、マルチフィラメントであってもよい。
例えば、導体線は、表面に導電層を有する1本のモノフィラメントから構成されていてもよい。また、導体線は、表面に導電層を有するモノフィラメントが複数本撚り合わされた構成を有していてもよい。
また、導体線は、表面に導電層を有する1本のマルチフィラメントから構成されていてもよい。また、導体線は、表面に導電層を有するマルチフィラメントが複数本撚り合わされた構成を有していてもよい。樹脂フィラメントがマルチフィラメントである場合には、導体層は、例えば、マルチフィラメントを構成する多数の単糸のうち最外周に配置されている単糸の表面に形成されていてもよい。また、この場合には、マルチフィラメントの表面だけでなく、その内部まで導体層が形成されていてもよい。
上記樹脂フィラメントは、ポリエステル系樹脂またはポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物より構成することができる。この樹脂組成物は、ポリエステル系樹脂に加えて、上記電線の諸特性を損なわない範囲で、酸化防止剤、耐熱剤、難燃剤、充填剤及び顔料等の従来公知の樹脂用添加物や、ポリエステル系樹脂以外の樹脂を含んでいてもよい。
上記ポリエステル系樹脂は、軸方向に配向していることが好ましい。ポリエステル系樹脂を軸方向に配向させるためには、例えば、樹脂フィラメントに軸方向の一軸延伸処理を施せばよい。ポリエステル系樹脂を軸方向に配向させることにより、樹脂フィラメントの引張強さや弾性率を高くすることができる。その結果、一軸延伸処理を施さない場合よりも、絶縁電線の引張強さや弾力性を強くすることができる。
上記導体線は、1000MPa以上の引張強さを有していることが好ましい。この場合には、強度の低下を抑制しつつ、導体線をより細径化することができる。それ故、上記絶縁電線をより容易に細径化することができる。
導体線の引張強さを高くするためには、引張強さの高い樹脂フィラメントを用いる必要がある。ポリエステル系樹脂を含む樹脂フィラメントの場合、軸方向に一軸延伸処理が施された樹脂フィラメントを用いることにより、導体線の引張強さを容易に1000MPa以上にすることができる。
上記ポリエステル系樹脂の具体的な材質は、絶縁電線の外径や弾力性などの諸特性が所望する範囲となるように適宜選択することができる。材料コストや工業的な入手性の観点からは、上記ポリエステル系樹脂として、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートからなる群より選ばれる1種または2種以上を用いることが好ましい。
上記ポリエステル系樹脂の融点は、上記絶縁体を上記導体線上に被覆する際の成形温度よりも高いことが好ましい。この場合には、押出加工により導体線上に絶縁体を被覆する作業の際に、樹脂フィラメントの溶融を防止することができる。また、この場合には、押出加工による樹脂フィラメントの軟化や変形等を回避することができるため、押出加工における加工条件の設定をより容易に行うことができる。
絶縁体は、絶縁性の樹脂または樹脂組成物から構成されている。絶縁体としては、絶縁性や難燃性、耐摩耗性等の観点から、塩化ビニル系樹脂やポリプロピレン系樹脂、架橋ポリエチレン系樹脂等が多用されている。例えば絶縁体として塩化ビニル系樹脂やポリプロピレン系樹脂を用いる場合には、通常、190℃程度の成形温度でこれらの樹脂の押出加工を行う。また、絶縁体として架橋ポリエチレン系樹脂を用いる場合には、210℃程度の成形温度で未架橋のポリエチレン系樹脂の押出加工を行った後、ポリエチレン系樹脂を架橋させる。
従って、融点が200℃以上、好ましくは210℃以上であるポリエステル系樹脂を樹脂フィラメントに用いることにより、押出加工時の樹脂フィラメントの溶融や軟化等を容易に回避することができる。また、融点が220℃以上であるポリエステル系樹脂を樹脂フィラメントに用いることにより、押出加工時の樹脂フィラメントの溶融等をほぼ確実に回避することができる。
また、上記ポリエステル系樹脂の融点を200〜350℃、より好ましくは210〜350℃、更に好ましくは220〜350℃の範囲内とすることにより、上記絶縁電線にヒューズとしての機能を付与することができる。即ち、ポリエステル系樹脂の融点を350℃以下、より好ましくは300℃以下にすることにより、絶縁体が燃焼する前に導体線を溶断させることができる。それ故、上記特定の範囲の融点を有するポリエステル系樹脂を用いて電線を作製することにより、ヒューズの機能が付与されたヒューズ付き絶縁電線を得ることができる。
ところで、従来のヒューズ付き絶縁電線としては、(1)導体線の一部または全部を低融点金属から構成する、(2)導体線の一部に、周囲よりも断面積の小さい溶断部を設ける、(3)絶縁電線内部にヒューズを埋設する、等の構成が提案されている。
しかし、導体線の一部または全部を低融点金属から構成する場合には、低融点金属の融点及び溶断特性を所望の範囲に調整することが難しいという問題がある。また、導体線に溶断部やヒューズを設ける場合には、導体線にこれらを設けるための作業が別途必要となり、絶縁電線の製造工程が複雑化する。更に、この場合には、絶縁電線を作製した後に、外観から溶断部やヒューズの位置を特定することが難しいという問題もある。
これらの問題に対し、上記絶縁電線においては、ポリエステル系樹脂の分子構造及び樹脂フィラメントの断面積を適宜選択することにより、ポリエステル系樹脂の融点及び樹脂フィラメントの溶断特性を容易に調整することができる。更に、ポリエステル系樹脂は結晶性樹脂であるため、過電流が流れた際に、速やかに導体線を溶断させることができる。それ故、上記絶縁電線は、従来のヒューズ付き絶縁電線に比べて良好な溶断特性を有するとともに、溶断特性の調整を容易に行うことができる。
また、上記絶縁電線は、樹脂フィラメント自体がヒューズとして機能するため、溶断部を設ける等の、ヒューズの機能を付与するための作業を、絶縁電線の製造工程に付け加えて行う必要がない。それ故、従来のヒューズ付き絶縁電線に比べて、上記絶縁電線の製造を容易に行うことができる。
上記導電層は、例えば、金属、導電性ペースト、導電性塗料及び導電性樹脂等の、電気伝導性を有する材料から構成することができる。導電層に使用する金属としては、例えば、Au(金)、Ag(銀)、Pt(白金)、Cu(銅)、Al(アルミニウム)、Sn(錫)及びNi(ニッケル)等の単体金属、若しくはこれらの単体金属を含む合金を採用することができる。これらの金属また合金からなる導電層を形成する手法としては、めっき、蒸着及びスパッタ等の、金属膜を形成する方法として従来公知の手法を用いることができる。
(実施例)
上記絶縁電線の実施例を、図を用いて説明する。図1〜図4に示すように、絶縁電線1(101、102、103、104)は、導体線2と、導体線2を被覆する絶縁体3とを有している。導体線2は、ポリエステル系樹脂を含む樹脂フィラメント21と、樹脂フィラメント21の表面上に形成された導電層22とを有している。
上記絶縁電線の実施例を、図を用いて説明する。図1〜図4に示すように、絶縁電線1(101、102、103、104)は、導体線2と、導体線2を被覆する絶縁体3とを有している。導体線2は、ポリエステル系樹脂を含む樹脂フィラメント21と、樹脂フィラメント21の表面上に形成された導電層22とを有している。
導体線2における樹脂フィラメント21は、モノフィラメント211であってもよく、マルチフィラメント212であってもよい。例えば図1に示すように、導体線2は、表面に導電層22を有する1本のモノフィラメント211から構成されていてもよい。図1に示す導体線2は、例えば、ポリエステル系樹脂を含むモノフィラメント211の表面にめっきを施し、導電層22としての金属膜を形成する等の方法により作製することができる。
また、図2に示すように、導体線2は、表面に導電層22を有する1本のマルチフィラメント212から構成されていてもよい。この場合には、導体線2は、例えば、マルチフィラメント212の表面にめっきを施す等の方法により作製することができる。本例の導電層22は、マルチフィラメント212を構成する多数の単糸213のうち、最外周に配置された単糸213aの外表面上に形成されている。なお、導電層22は、マルチフィラメント212の内部にまで形成されていてもよい。即ち、導電層22は、単糸213aよりも内側に配置された単糸213bの表面に形成されていてもよいし、単糸213の隙間を埋めるように形成されていてもよい。
また、図3に示すように、導体線2は、表面に導電層22を有する複数本のモノフィラメント211を互いに撚り合わせた構成とすることもできる。更に、図には示さないが、導体線2は、表面に導電層22を有する複数本のマルチフィラメント212を互いに撚り合わせた構成とすることもできる。
導電層22は、図1〜図3に示すように1層のみから構成されていても良く、図4に示すように互いに積層された複数の層からなる多層構造を有していてもよい。例えば、図4に示す導電層22は、モノフィラメント211の表面上に直接形成されたCu膜221と、Cu膜221上に積層されたNi膜222との2層構造を有している。
Cu、Au、Ag、Pt、AlまたはSn若しくはこれらの単体金属を含む合金は、高い導電性を有する。それ故、Cu膜221等の高い導電性を有する金属層を導電層22に用いることにより、絶縁電線1の許容電流を大きくすることができる。
また、NiまたはSn若しくはこれらの単体金属を含む合金は、耐摩耗性及び耐食性に優れている。それ故、導電層22の最外層にNi膜222等の高い耐摩耗性及び耐食性を有する金属層を配置することにより、導電層22の摩耗や腐食等を抑制することができる
導電層22は、図1〜図4に示すように、樹脂フィラメント21の表面上に直接形成することができる。また、図には示さないが、導電層22と樹脂フィラメント21との間に他の材料からなる層が介在していてもよい。導電層22と樹脂フィラメント21との間に介在し得る層としては、例えば、無電解めっきを施すためのシード層等がある。
絶縁体3は、絶縁性の樹脂または樹脂組成物より構成されている。絶縁体3は、押出加工により導体線2の周りに形成される。絶縁体3は、樹脂フィラメント21に含まれるポリエステル系樹脂の融点よりも押出加工時の成形温度が低い樹脂または樹脂組成物より構成されていることが好ましい。この場合には、押出加工時の絶縁体3の成形温度を、ポリエステル系樹脂の融点よりも低い温度に設定することができる。その結果、押出加工時の樹脂フィラメント21の溶融、軟化あるいは変形等を回避することができる。
上記の構成を有する絶縁電線1は、ポリエステル系樹脂を含むモノフィラメント211またはマルチフィラメント212を有している。そのため、導体線2を細径化した際に、金属線よりなる従来の導体線に比べて強度低下を抑制することができる。それ故、絶縁電線1は、従来の絶縁電線に比べて容易に細径化を行うことができる。また、絶縁電線1は、細径化を容易に行うことができるため、自動車用に好適である。
(実験例)
本例は、導体線及び絶縁体の構成を種々変更した絶縁電線の例である。本例においては、表1及び表2に示す材料を用いて外径1.6mmの絶縁電線(試験体1〜9)を作製し、電線押出加工性、耐熱性及び溶断性の評価を行った。なお、各試験体における導体線の外径は1.0mmとした。
本例は、導体線及び絶縁体の構成を種々変更した絶縁電線の例である。本例においては、表1及び表2に示す材料を用いて外径1.6mmの絶縁電線(試験体1〜9)を作製し、電線押出加工性、耐熱性及び溶断性の評価を行った。なお、各試験体における導体線の外径は1.0mmとした。
表1及び表2に示した材料の詳細は、以下の通りである。
・PE(架橋ポリエチレン):押出加工時の成形温度 210℃
・PVC(ポリ塩化ビニル):押出加工時の成形温度 190℃
・EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体):押出加工時の成形温度 150℃
・PBT(ポリブチレンテレフタレート):融点 224℃
・PET(ポリエチレンテレフタレート):融点 260℃
・PEN(ポリエチレンナフタレート)融点 265℃
・共晶半田:融点184℃
・PE(架橋ポリエチレン):押出加工時の成形温度 210℃
・PVC(ポリ塩化ビニル):押出加工時の成形温度 190℃
・EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体):押出加工時の成形温度 150℃
・PBT(ポリブチレンテレフタレート):融点 224℃
・PET(ポリエチレンテレフタレート):融点 260℃
・PEN(ポリエチレンナフタレート)融点 265℃
・共晶半田:融点184℃
PBT、PET及びPENは、いずれもモノフィラメントである。また、これらのモノフィラメントの表面に形成した導電層(Cuめっき膜)の膜厚は1μmとした。導電層の形成は、無電解Cuめっきにより行った。
試験体1〜9の評価は、以下の方法により行った。
・電線押出加工性
上述した成形温度で押出加工を行い、導体線の周囲に絶縁体を形成した。押出加工が完了した後の各試験体から絶縁体を剥ぎ取り、露出した導体線の外観を目視観察した。その結果を表1及び表2の「押出加工性」の欄に示した。なお、表1及び表2に示した記号のうち、「A」は導体線に断線や熱による変形が起こらなかったことを示し、「B」は断線や変形が起きたことを示す。
上述した成形温度で押出加工を行い、導体線の周囲に絶縁体を形成した。押出加工が完了した後の各試験体から絶縁体を剥ぎ取り、露出した導体線の外観を目視観察した。その結果を表1及び表2の「押出加工性」の欄に示した。なお、表1及び表2に示した記号のうち、「A」は導体線に断線や熱による変形が起こらなかったことを示し、「B」は断線や変形が起きたことを示す。
・耐熱性
JASO D618に記載された耐熱試験1Aの規定に従い、加熱後の試験体を用いて
を行い、耐圧試験を行った。また、加熱後の試験体の外観を目視観察した。その結果を表1及び表2の「耐熱性」の欄に示した。なお、表1及び表2に示した記号のうち、「A」は、絶縁電線の外観に異常がなく、かつ、耐圧試験に合格したことを示し、「B」は、絶縁電線の外観に異常が発生したか、または、耐圧試験に合格しなかったことを示す。ここで、絶縁電線の外観に異常が発生した状態とは、例えば、絶縁体に割れが発生した、あるいは、熱により絶縁電線が変形した等の状態をいう。
JASO D618に記載された耐熱試験1Aの規定に従い、加熱後の試験体を用いて
を行い、耐圧試験を行った。また、加熱後の試験体の外観を目視観察した。その結果を表1及び表2の「耐熱性」の欄に示した。なお、表1及び表2に示した記号のうち、「A」は、絶縁電線の外観に異常がなく、かつ、耐圧試験に合格したことを示し、「B」は、絶縁電線の外観に異常が発生したか、または、耐圧試験に合格しなかったことを示す。ここで、絶縁電線の外観に異常が発生した状態とは、例えば、絶縁体に割れが発生した、あるいは、熱により絶縁電線が変形した等の状態をいう。
・溶断性
各試験体の導体線に電流を流して温度を上昇させ、導体線が溶断するか否かを判定した。その結果を表1及び表2の「溶断性」の欄に示した。なお、表1及び表2に示した記号のうち、「A」は、絶縁体の熱分解または燃焼が起きる前に導体線が溶断したことを示し、「B」は、導体線が溶断する前に絶縁体の熱分解または燃焼が起きたことを示す。
各試験体の導体線に電流を流して温度を上昇させ、導体線が溶断するか否かを判定した。その結果を表1及び表2の「溶断性」の欄に示した。なお、表1及び表2に示した記号のうち、「A」は、絶縁体の熱分解または燃焼が起きる前に導体線が溶断したことを示し、「B」は、導体線が溶断する前に絶縁体の熱分解または燃焼が起きたことを示す。
表1及び表2に示すように、試験体1〜6は、樹脂フィラメントの融点が絶縁体の成形温度よりも高いため、押出加工時に導体線の断線や変形が起こらなかった。また、試験体1〜6は、自動車用として十分に高い耐熱性を有していた。
更に、試験体1〜6は、樹脂フィラメントの融点が200〜350℃の範囲内であるため、絶縁体の熱分解または燃焼が起きる前に導体線を溶断させることができた。それ故、試験体1〜6は、ヒューズ付き絶縁電線としても使用することができる。
一方、試験体7及び8は、導体線に用いた共晶半田の融点が絶縁体の成形温度よりも低いため、押出加工時に導体線の断線や変形が起こった。共晶半田よりなる導体線の断線や変形を回避するためには、試験体9のように、絶縁体の成形温度を共晶半田の融点よりも低くすればよい。しかしながら、この場合には、耐熱性が自動車用に要求される水準よりも低くなった。以上の結果から、共晶半田等の低融点金属から導体線を構成する場合には、耐熱性の要求を満たす絶縁電線を作製することができないことが理解できる。
なお、上記絶縁電線は、上述した態様に限定されることは無く、本発明の趣旨を損なわない範囲で構成を適宜変更することができる。
1、101、102、103、104 絶縁電線
2 導体線
21 樹脂フィラメント
22 導電層
3 絶縁体
2 導体線
21 樹脂フィラメント
22 導電層
3 絶縁体
Claims (7)
- 導体線と、該導体線を被覆する絶縁体とを有する絶縁電線であって、
上記導体線は、
ポリエステル系樹脂を含む樹脂フィラメントと、
該樹脂フィラメントの表面上に形成された導電層とを有する、絶縁電線。 - 上記ポリエステル系樹脂は軸方向に配向している、請求項1に記載の絶縁電線。
- 上記導体線は、1000MPa以上の引張強さを有している、請求項1または2に記載の絶縁電線。
- 上記ポリエステル系樹脂の融点は200〜350℃である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の絶縁電線。
- 上記ポリエステル系樹脂の融点は、上記絶縁体を上記導体線上に被覆する際の成形温度よりも高い、請求項1〜4のいずれか1項に記載の絶縁電線。
- 上記絶縁電線の外径は0.1〜2.0mmである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の絶縁電線。
- 上記ポリエステル系樹脂は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートからなる群より選ばれる1種または2種以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の絶縁電線。
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---|---|
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