JP6114521B2 - 金属被覆繊維 - Google Patents

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Description

本発明は、電線の中心線や信号線、シールド線などの用途に使用できる金属被覆繊維に関する。
従来の電線やシールド線には銅線が用いられ、自動車、電子機器、オーディオ機器等に使用されている。しかし、頻繁に屈曲やねじれが加わる用途では金属疲労により、銅線が断線しやすい問題があった。更に、取り付け加工時の引張りにより、銅線が断線しやすい問題もあった。
これら問題を解決するために、例えば特許文献1記載の装置で、マルチフィラメントのような繊維束の表面に金属めっき膜を設けたものが提案されている。
特開2005−097670号公報
しかしながら、特許文献1の装置で、マルチフィラメントのような繊維束の表面に金属めっき膜を設けたものは、図2に示すように金属めっき膜を設ける前の繊維束の形状に比べて扁平になり易く、即ち、後述の扁平率が3を超えた金属被覆繊維となり易く、結果、柔軟性が悪く、屈曲時に金属めっき膜が割れ、しかも密着性や引張強度が低下する問題があった。更に、扁平率が3を超えた金属被覆繊維は、後加工において、ねじれや糸切れが発生しやすく、生産性が低下する問題があった。
そこで、本発明は、有機繊維基材としてマルチフィラメントのような繊維束の表面に、金属めっき膜を設けても、屈曲時に金属めっき膜が割れることなく、かつ密着性や引張強度が低下し難い金属被覆繊維を提供することを目的とする。
本発明の金属被覆繊維は、有機繊維基材に金属めっき膜を設けた金属被覆繊維であって、有機繊維基材は、撚糸加工されたマルチフィラメントからなり、金属めっき膜のめっき率が50%以上であり、得られた金属被覆繊維における断面繊維の扁平率が1〜3であることを特徴とする。
本発明の金属被覆繊維は、有機繊維基材としてマルチフィラメントのような繊維束の表面に、金属めっき膜を設けても、屈曲時に金属めっき膜が割れることなく、かつ密着性や引張強度が低下し難いものである。
扁平率が1〜3の金属被覆繊維を説明する図。 扁平率が3を超えた金属被覆繊維を説明する図。
本発明について詳細に説明する。
本発明は、有機繊維基材に金属めっき膜を設けた金属被覆繊維であって、有機繊維基材は、撚糸加工されたマルチフィラメントからなり、金属めっき膜のめっき率が50%以上であり、得られた金属被覆繊維における断面繊維の扁平率が1〜3であることを特徴とする。なお、本発明の金属被覆繊維は、マルチフィラメントにおけるモノフィラメント(単糸)1本1本に金属めっき膜が形成されているものである。
(1)有機繊維基材
本発明に使用する前記有機繊維基材としては、マルチフィラメントであれば特に限定されない。また、ここでいう「マルチフィラメント」とは、モノフィラメント(単糸)の断面形状が真円又は真円に近い形状であり、かつ、そのモノフィラメント(単糸)を数本から数千本合わせて1本の糸としたものである。なお、モノフィラメント(単糸)の断面形状が真円又は真円に近い形状でないものを、数本から数千本合わせて1本の糸としたマルチフィラメントは、後述する扁平率が3を超える傾向にあるため好ましくない。
また、前記マルチフィラメントは、撚糸加工を行ってもよい。撚糸加工を行う際には、下記式1の撚糸係数k=4200以下がよく、好ましくは500〜4200のものが好ましい。(式1)k=T×√D (T=撚糸回数(T/m)、D=総繊度(dtex))
このように「撚糸係数k」とは、T=撚糸回数に、√D=総繊度を掛け算した値である。
また、ここでいう「D=総繊度(dtex)」とは、糸の太さを表すものである。糸の断面は真円ではなく様々な形が考えられることから、長さと重さの比でその太さを表現する。フィラメント糸の場合は『デシテックス(dtex)』が用いられる。なお、デシテックスは10,000mあたりのグラム数である。
また、ここでいう「T=撚糸回数(T/m)」とは、1mあたりの撚り回数である。
本発明の有機繊維基材の材料としては、特に限定されないが、アラミド繊維、芳香族ポリエステル繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維などの高強度特性を有するものが望ましい。
また、本発明の有機繊維基材の表面上に、複素環を有する高分子化合物層と酸化剤として機能し且つ無電解めっきの触媒能力を有する金属塩とから構成されるめっき下地層を設け、該めっき下地層上に無電解めっき法により金属めっき膜を設けてもよい。
また、前記めっき下地層を形成する前に有機繊維基材の表面を親水化処理してもよい。該基材表面に親水化処理を施すことで、複素環を有する化合物層が該基材表面から発生した官能基と水素結合し、密着性を高めることができる。また、めっき下地層(=複素環を有する化合物と金属塩とを含有する層)を形成しやすくなり、無電解めっき法による金属めっき膜の析出性と密着性が良好になる。
該基材表面を親水化処理する方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。前記親水化処理は、例えば、乾式処理でもよく、湿式処理でもよい。乾式処理としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理(窒素やアルゴンガスを用いたプラズマ処理は除く)及びグロー放電処理などの放電処理;オゾン処理;UVオゾン処理;紫外線処理及び電子線処理などの電離活性線処理などが挙げられる。湿式処理としては、例えば、水、アセトンなどの溶媒を用いた超音波処理;アルカリ処理;アンカーコート処理などが挙げられる。これらの処理は、単独で行ってもよいし、2つ以上を組み合せて行ってもよい。
前記複素環を有する化合物としては、例えば、ピロール、N−メチルピロール、N−エチルピロール、N−フェニルピロール、N−ナフチルピロール、N−メチル−3−メチルピロール、N−メチル−3−エチルピロール、N−フェニル−3−メチルピロール、N−フェニル−3−エチルピロール、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−n−ブチルピロール、3−メトキシピロール、3−エトキシピロール、3−n−プロポキシピロール、3−n−ブトキシピロール、3−フェニルピロール、3−トルイルピロール、3−ナフチルピロール、3−フェノキシピロール、3−メチルフェノキシピロール、3−アミノピロール、3−ジメチルアミノピロール、3−ジエチルアミノピロール、3−ジフェニルアミノピロール、3−メチルフェニルアミノピロール及び3−フェニルナフチルアミノピロール等のピロール誘導体;チオフェン、3−メチルチオフェン、3−n−ブチルチオフェン、3−n−ペンチルチオフェン、3−n−ヘキシルチオフェン、3−n−ヘプチルチオフェン、3−n−オクチルチオフェン、3−n−ノニルチオフェン、3−n−デシルチオフェン、3−n−ウンデシルチオフェン、3−n−ドデシルチオフェン、3−メトキシチオフェン、3−ナフトキシチオフェン及び3,4−エチレンジオキシチオフェン等のチオフェン誘導体等が挙げられ、好ましくはピロール、チオフェン及び3,4−エチレンジオキシチオフェン等が挙げられ、より好ましくはピロールが挙げられる。
また、前記複素環を有する化合物を高分子化する際の処理温度は、本発明に使用される。複素環を有する化合物の種類によって適宜選択されるが、好ましくは10℃〜130℃である。
また、前記酸化剤として機能し且つ無電解めっきの触媒能力を有する金属塩としては、例えば、硝酸銀、酢酸銀、硫酸銀、過塩素酸銀等、フッ化銀、亜硝酸銀、塩化銀、臭化銀、プロピオン酸銀、酒石酸銀、メチルエチル酢酸銀、トリメチル酢酸銀、炭酸銀、シュウ酸銀、雷酸銀の銀塩;硝酸銅、硫酸銅、塩化銅、塩素酸銅、過塩素酸銅、臭化銅、酢酸銅、炭酸銅、シュウ酸銅等の銅塩;硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、酢酸ニッケル、炭酸ニッケル、シュウ酸ニッケル等のニッケル塩;硫酸パラジウム、硝酸パラジウム、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウム等のパラジウム塩などが挙げられる。この中でも、ハロゲン化物が好ましく、特に塩化パラジウムが好ましい。
前記めっき下地層(複素環を有する高分子化合物層及び該層に吸着された無電解めっきの触媒能力を有する金属塩から構成される)の形成方法としては、以下の(a)乃至(c)のいずれかを採用することができる。
(a)前記有機繊維基材を、(i)複素環を有する化合物と(ii)酸化剤として機能し且つ無電解めっきの触媒能力を有する金属塩とを含む水溶液に浸漬し、そして引き上げる工程を含む方法
(b)前記有機繊維基材を、前記複素環を有する化合物を含む水溶液に浸漬し、そして引き上げた材料を、前記金属塩を含む水溶液に浸漬する工程を含む方法
(c)前記有機繊維基材を、前記金属塩を含む水溶液に浸漬し、そして引き上げた材料を、前記複素環を有する化合物を含む蒸気に接触する工程を含む方法 前記各方法は、当業者に既知である手段を利用して行うことができる。
前記(a)の方法において、前記複素環を有する化合物及び金属塩を含む水溶液を調製する場合、複素環を有する化合物と金属塩(=複素環を有する化合物/金属塩)の濃度比は0.1〜80であり、好ましくは0.1〜40である。濃度比が0.1未満であると複素環を有する化合物の酸化状態及び重合化が不十分となり、また金属塩についても還元状態が不十分となるため、無電解めっきの触媒として作用することが困難となる。一方、濃度比が80より大きいと、金属塩が材料上に均一に付着することができないため、その後のめっき処理よりにおいて、金属めっき膜も均一に形成しない虞があるからである。
また、材料を、前記複素環を有する化合物及び金属塩を含む水溶液に浸漬させる工程の処理温度は、10℃〜130℃であり、処理時間は、0.1分〜120分、好ましくは20分〜60分である。
前記(b)の方法において、前記複素環を有する化合物を含む水溶液の濃度は、5×10-4〜0.9Mであり、好ましくは0.01〜0.5Mである。
また、材料を、前記複素環を有する化合物を含む水溶液に浸漬させる工程の処理温度は、10℃〜130℃であり、処理時間は、0.1分〜50分、好ましくは1分〜40分である。
前記(b)及び(c)の方法において、好ましい、前記金属塩を含む水溶液としては、0.02%塩化パラジウム−0.01%塩酸水溶液(pH3)である。
また、材料を、前記金属塩を含む水溶液に浸漬させる工程における処理温度は、10℃〜130℃であり、処理時間は、0.1分〜50分、好ましくは1分〜40分である。
前記(c)の方法において、複素環を有する化合物を含む蒸気としては、上記の複素環を有する化合物を含む水溶液を気化させた蒸気でもよいが、好ましくは複素環を有する化合物そのものを気化させた蒸気である。
また、複素環を有する化合物を含む蒸気に接触させる工程における処理温度は、10℃〜130℃であり、処理時間は、0.1分〜40分、好ましくは1分〜30分であり、処理圧力は、常圧若しくは減圧状態であってもよい。
(2) 金属めっき膜
本発明の金属めっき膜は、めっき率が50%以上となるように設ければよい。
また、ここでいう「めっき率」とは、本発明の金属被覆繊維における金属めっき膜の重量を、金属めっき前の有機繊維基材の重量で割った値である。つまり、めっき率(%)=金属被覆繊維における金属めっき膜の重量/金属めっき前の有機繊維基材の重量×100で算出した値である。なお、金属被覆繊維における金属めっき膜の重量は、金属被覆繊維の重量を金属めっき前の有機繊維基材の重量で差し引いて求めることができる。つまり、(金属被覆繊維における金属めっき膜の重量)=(金属被覆繊維の重量)−(金属めっき前の有機繊維基材の重量)で求めることができる。
このめっき率が50%未満であると、マルチフィラメントからなる有機繊維基材のモノフィラメント(単糸)1本1本に均一に金属めっき膜が形成されない、即ち、マルチフィラメントにおいて金属めっき膜が析出しない部分が出来、結果、密着性を低下させると共に、抵抗値が高くなるため、例えば電線の中心線や信号線、シールド材として機能しない場合がある。
本発明の金属めっき膜は、有機繊維基材に金属めっき膜を形成する方法であれば、どのような方法でもよく、例えば無電解めっきや電気めっき等の湿式めっき法、蒸着等の乾式めっき法を適宜採用すればよい。
本発明の金属めっき膜は、例えば、前記めっき下地層上に無電解めっき法を用いて金属めっき膜を形成することもできる。その場合、上記(a)乃至(c)の方法で、有機繊維基材の表面にめっき下地層を設け、続いてめっき液に浸され、これにより無電解めっき法による金属めっき膜が形成される。
めっき液としては、通常、無電解めっきに使用されるめっき液であれば、特に限定されない。すなわち、無電解めっきに使用できる金属としては、例えば、銅、金、銀、ニッケル、及びクロム等、全て適用することができるが、銅が好ましい。無電解めっき浴の具体例としては、具体的には、ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)製)等が挙げられる。
無電解めっきの処理温度は、20℃〜50℃、好ましくは30℃〜40℃であり、処理時間は10分〜40分、好ましくは15分〜30分である。
また、無電解めっき法により形成された金属めっき膜の厚みは、0.3〜3μmとすることが好ましい。この金属めっき膜の厚みが3μmを超えると、柔軟性が低下する場合があり、厚みが0.3μm未満であると、例えば電線の中心線や信号線、シールド材として機能しない場合がある。
また、無電解めっき法により形成された金属めっき膜上に、溶融錫めっきや電気めっき
を行ってもよい。特に、耐熱性の高い有機繊維基材を使用した場合、溶融錫めっきが有効
である。
(3)金属被覆繊維
本発明の金属被覆繊維は、マルチフィラメントからなる有機繊維基材に金属めっき膜を設けたものであり、金属めっき膜のめっき率が50%であると共に、金属被覆繊維における断面繊維の扁平率が1〜3であればよい。
また、ここでいう「扁平率」とは、金属被覆繊維における繊維断面を観察し、長辺aと短辺bの長さを測定し、扁平率=a/bで算出した値である。
そして、金属めっき膜を形成する際、マルチフィラメントからなる有機繊維基材に張力を掛けない状態、例えば有機繊維基材をかせ状態で金属めっき膜を形成すると、得られた金属被覆繊維における断面繊維の扁平率を1〜3にすることができ、図1に示すようにマルチフィラメントにおけるモノフィラメント(単糸)1本1本に金属めっき膜が形成され、柔軟性に優れるため、屈曲時に金属めっき膜が割れず、更には密着性や引張強度の低下が少ない。
それに対し、金属めっき膜を形成する際、マルチフィラメントからなる有機繊維基材に張力を掛けた状態、例えば有機繊維基材を穴の開いた筒に張力でソフトワインディングしてチーズ状の巻糸体で金属めっき膜を形成すると、得られた金属被覆繊維における断面繊維の扁平率が3を超え、図2に示すような扁平状の金属被覆繊維となり、マルチフィラメントにおけるモノフィラメント(単糸)1本1本に金属めっき膜が形成されない上、マルチフィラメントの周囲を覆うように金属めっき膜が形成されてしまうため、柔軟性が悪く、屈曲時に金属めっき膜が割れ、更には密着性と引張強度が低下してしまう。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものでない。
[実施例1]
<めっき下地層>
ピロールモノマー6.5mM、塩化パラジウム水溶液0.25mM、及び塩酸10mMをイオン交換水に加えて、混合液を得た。そして、この混合液中に、マルチフィラメント(東レ・デュポン(株)製のKevlar、アラミド繊維、総繊度=110dtex、撚糸回数=100T/m)からなる有機繊維基材を80℃で30分間浸漬し、その後、イオン交換水で洗浄し、乾燥させてめっき下地層を形成したマルチフィラメントからなる有機繊維基材を得た。
<無電解めっき>
次に、前記めっき下地層を形成したマルチフィラメントからなる有機繊維基材をかせ状態にし、めっき液 (メルテックス(株)製のメルプレートCU5100P)に50℃で10分間浸漬し、前記めっき下地層上に銅膜からなる金属めっき膜を形成した金属被覆繊維を得た。
なお、得られた金属被覆繊維は、マルチフィラメントにおけるモノフィラメント(単糸)1本1本に金属めっき膜が形成されていた。
[実施例2]
実施例1と同様の操作を行い、めっき下地層を形成したマルチフィラメントからなる有機繊維基材を得た。
次に、前記めっき下地層を形成したマルチフィラメントからなる有機繊維基材をかせ状態にし、めっき液 (メルテックス(株)製のメルプレートCU5100P)に50℃で5分間浸漬し、前記めっき下地層上に銅膜からなる金属めっき膜を形成した金属被覆繊維を得た。
なお、得られた金属被覆繊維は、マルチフィラメントにおけるモノフィラメント(単糸)1本1本に金属めっき膜が形成されていた。
[比較例1]
実施例1と同様の操作を行い、めっき下地層を形成したマルチフィラメントからなる有機繊維基材を得た。
次に、前記めっき下地層を形成したマルチフィラメントからなる有機繊維基材を、穴の開いた筒に張力30gでソフトワインディングしてチーズ状の巻糸体にした。
次に、前記チーズ状の巻糸体をめっき液 (メルテックス(株)製のメルプレートCU5100P)に浸漬させ、流量20L/minで内側から外側へめっき液を循環させ、50℃で30分間処理を行った。その後、イオン交換水で水洗いし、脱水と乾燥を行って前記めっき下地層上に銅膜からなる金属めっき膜を形成した金属被覆繊維を得た。
なお、得られた金属被覆繊維は、マルチフィラメントにおけるモノフィラメント(単糸)1本1本に金属めっき膜が形成されない上、マルチフィラメントの周囲を覆うように金属めっき膜が形成されていた。
[比較例2]
実施例1と同様の操作を行い、めっき下地層を形成したマルチフィラメントからなる有機繊維基材を得た。
次に、前記めっき下地層を形成したマルチフィラメントからなる有機繊維基材を、穴の開いた筒に張力30gでソフトワインディングしてチーズ状の巻糸体にした。
次に、前記チーズ状の巻糸体をめっき液 (メルテックス(株)製のメルプレートCU5100P)に浸漬させ、流量20L/minで内側から外側へめっき液を循環させ、50℃で60分間処理を行った。その後、イオン交換水で水洗いし、脱水と乾燥を行って前記めっき下地層上に銅膜からなる金属めっき膜を形成した金属被覆繊維を得た。
なお、得られた金属被覆繊維は、マルチフィラメントにおけるモノフィラメント(単糸)1本1本に金属めっき膜が形成されない上、マルチフィラメントの周囲を覆うように金属めっき膜が形成されていた。
[比較例3]
実施例1と同様の操作を行い、めっき下地層を形成したマルチフィラメントからなる有機繊維基材を得た。
次に、前記めっき下地層を形成したマルチフィラメントからなる有機繊維基材をかせ状態にし、めっき液 (メルテックス(株)製のメルプレートCU5100P)に50℃で3分間浸漬し、前記めっき下地層上に銅膜からなる金属めっき膜を形成した金属被覆繊維を得た。
なお、得られた金属被覆繊維は、マルチフィラメントにおけるモノフィラメント(単糸)1本1本に均一に金属めっき膜が形成されていなかった、即ち金属めっき膜が析出していない部分があった。
試験例1
上記で製造した実施例1〜2、並びに比較例1〜3の金属被覆繊維において、各種の評価試験を行いその結果を表1に纏めた。
尚、評価試験項目及びその評価方法・評価基準は以下の通りである。
(扁平率)
金属被覆繊維における繊維断面を観察し、長辺aと短辺bの長さを測定し、扁平率=a/bを算出した。
(めっき率)
金属被覆繊維における金属めっき膜の重量を、金属めっき前の有機繊維基材の重量で割った値である。つまり、めっき率(%)=金属被覆繊維における金属めっき膜の重量/金属めっき前の有機繊維基材の重量×100で算出した。
(抵抗値)
デジタルテスター(CUSTOM(株)製のCDM−2000D)を用いて、金属被覆繊維の1mあたりの抵抗を2端子間で測定した。
(密着性)
編組機(共立(株)製)を用いて、20mの編組線加工を行った際に、金属被覆繊維同士の擦れ合いによる金属めっき膜の剥離状態を評価した。
○:金属めっき膜の剥離なし
×:金属めっき膜の剥離あり
(屈曲試験)
MIT耐折度試験機(テスター産業(株))にて、荷重2.9N、屈曲角度270°、屈曲半径0.38mm、屈曲速度175回/minの条件下で金属被覆繊維を100回屈曲させ、屈曲後の表面状態を観察し、金属めっき膜の割れを評価した。
○:金属めっき膜の割れなし
×:金属めっき膜の割れあり
(引張強度保持率)
1)金属被覆繊維について、JIS L1013化学繊維フィラメント系試験方法に準じて引張試験を実施した。
続いて、2)耐圧力容器に金属被覆繊維とイオン交換水を投入し、150℃で3時間浸漬させた金属被覆繊維について、JIS L1013化学繊維フィラメント系試験方法に準じて引張試験を実施した。
そして、1)金属被覆繊維の引張強度を100%として、2)金属被覆繊維の引張強度を相対的に評価した。
Figure 0006114521

Claims (2)

  1. 有機繊維基材に金属めっき膜を設けた金属被覆繊維であって、
    有機繊維基材は、撚糸加工されたマルチフィラメントからなり、
    金属めっき膜のめっき率が50%以上であり、
    得られた金属被覆繊維における断面繊維の扁平率が1〜3であることを特徴とする金属被覆繊維。
  2. 前記有機繊維基材の表面上に、複素環を有する高分子化合物層と酸化剤として機能し且つ無電解めっきの触媒能力を有する金属塩とから構成されるめっき下地層を設け、該めっき下地層上に無電解めっき法により金属めっき膜を設けたことを特徴とする請求項1記載の金属被覆繊維。
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