JP6204404B2 - メッキ繊維及びワイヤハーネス - Google Patents

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本発明は、メッキ繊維及びワイヤハーネスに関する。
近年、燃費向上のため、電線の細径化・計量化が求められており、0.13sq電線や0.35sq電線が提案されている。このような電線は、ワイヤハーネスの製造時において布線板に配索される際に張力が掛かってしまうため、これに耐え得るように導体部に銅合金が用いられ、高強度化が図られている。
しかし、銅合金を用いて電線を高強度化するには限界が近づいており、これ以上の電線の細径化及び軽量化が困難となっている。そこで、アラミド繊維、PBO(poly(p-phenylenebenzobisoxazole))繊維、及びポリアリレート繊維などの高強度繊維にメッキ加工を施したメッキ繊維を電線用導体とすることが提案されている(例えば特許文献1,2参照)。また、高強度の有機合成繊維上にメッキ層を設けた高強度導体を用いて切れない電線とするために破断強度や衝撃荷重について研究されたものも提案されている(特許文献3,4参照)。
特開2008−130241号公報 特開2009−242839号公報 特許5517148号公報 特開2014−150022号公報
しかし、上記のような電線において、ワイヤハーネス製造時など、メッキ繊維に張力が加わると、繊維が断線せず金属であるメッキのみが破断してしまい、見かけ上メッキ繊維が断線していないにも拘わらず、電気抵抗が高まって電線として機能を果たさなくなってしまう可能性があった。
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、繊維が断線していない場合におけるメッキの破断を防止することが可能なメッキ繊維及びワイヤハーネスを提供することにある。
本発明のメッキ繊維は、アラミド繊維、ポリアリレート繊維及びPBO繊維のいずれか1つの抗張力繊維上に、金属メッキを施してなるメッキ繊維であって、前記金属メッキの伸び率が、前記抗張力繊維の伸び率よりも高く、前記抗張力繊維の伸び率に対する引張荷重の傾きは、前記金属メッキを構成する金属の弾性域の最大伸び率に対する、当該最大伸び率に達するときの引張荷重の傾きよりも、大きいことを特徴とする。
本発明のメッキ繊維によれば、金属メッキの伸び率が抗張力繊維の伸び率よりも高いため、メッキ繊維に張力が加わった場合、抗張力繊維よりも金属メッキが伸びることとなる。このため、メッキ繊維を引っ張った場合、金属メッキの破断が抗張力繊維の断線よりも先に発生することがなく、抗張力繊維が断線していない場合におけるメッキの破断を防止することができる。さらに、抗張力繊維の伸び率に対する引張荷重の傾きは、金属メッキを構成する金属の弾性域の最大伸び率に対する、当該最大伸び率に達するときの引張荷重の傾きよりも、大きい。これにより、メッキ繊維に張力が加わった場合において、張力が抗張力繊維部分に加わりやすくなり、張力が金属メッキに集中的に加わって破断してしまう事態を防止することができる。
本発明のメッキ繊維において、前記金属メッキの伸び率は、8.5%以上24.1%以下であることが好ましい。
このメッキ繊維によれば、金属メッキの伸び率を8.5%以上24.1%以下としているため、繊維が断線していない場合におけるメッキの破断を防止することのみならず、耐屈曲性にも優れたメッキ繊維を提供することができる。
本発明のワイヤハーネスは、上記に記載のメッキ繊維を導体部とし、この導体部上に絶縁体を被覆した電線を備えることを特徴とする。
本発明のワイヤハーネスによれば、上記に記載のメッキ繊維を導体部とし、この導体部上に絶縁体を被覆した電線を備えるため、製造時における布線板への配索時に加わる張力によって、金属メッキが破断して電気抵抗が高まった電線を有したワイヤハーネスを提供してしまうことを防止することができる。
本発明によれば、繊維が断線していない場合におけるメッキの破断を防止することが可能なメッキ繊維及びワイヤハーネスを提供することができる。
本発明の実施形態に係るワイヤハーネスの構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るメッキ繊維の詳細を示す断面図であり、(a)メッキ繊維の断面を示し、(b)はメッキ繊維を導体部とする電線を示している。 繊維及び金属メッキを構成する金属の伸び率と引張強度との関係を示すグラフである。 繊維及び金属メッキを構成する金属の伸び率と引張荷重との関係を示すグラフである。 実施例及び比較例を示す図表である。 油圧式バルジ試験器を示す概略図である。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
図1は、本発明の実施形態に係るメッキ繊維の構成を示す断面図である。なお、図1には説明の便宜上、ワイヤハーネスのほか、布線板を図示する。
図1に示すように、ワイヤハーネスWHは、複数本の電線Wを束ねて構成したものであって、所定箇所で分岐されると共に、電線Wの端末部分にはコネクタCが取り付けられている。また、ワイヤハーネスWHは、特定の箇所にテープ巻きTが施されていたり、コルゲートチューブなどの外装部材101が取り付けられたりする。さらに、ワイヤハーネスWHはグロメットGが取り付けられることもある。ワイヤハーネスWHを構成する複数の電線Wのうち少なくとも1本は後述するメッキ繊維を有する電線1となっている。
このようなワイヤハーネスWHの製造時には、布線板100が用いられる。布線板100には、ワイヤハーネスWHを構成する各電線Wの経路を定めるためフォーク状の係止ピン102が設けられている。作業者は、係止ピン102を利用して複数の電線Wを布線板100上に配策していき、テープ巻きTを行い、必要に応じて外装部材101やグロメットGを取り付けることにより、ワイヤハーネスWHを製造する。また、ワイヤハーネスWHは、コネクタCに検査部材が取り付けられて導通確認が行われる。
このような布線板100への電線Wの配策時には、ある程度の張力が電線Wに掛かってしまう。以下に示すメッキ繊維では、このような張力が掛かった場合に、繊維の断線に先だって金属メッキが破断しない構成となっている。
図2は、本発明の実施形態に係るメッキ繊維の詳細を示す断面図であり、(a)メッキ繊維の断面を示し、(b)はメッキ繊維を導体部とする電線を示している。
図2(a)に示すように、メッキ繊維10は、繊維11上に、金属メッキ12を施してなるものである。繊維11は、石油などの原料から化学的に合成されて繊維材が作られたものであり、破断時における引張強度が1GPa以上で破断時の伸び率が1%以上10%以下のものが採用されている。伸び率が1%未満であると、例えばワイヤハーネスWHの製造時に電線1が座屈した際に繊維11が折れて断線してしまう可能性が高まるためである。また、伸び率が10%を超えると、伸び率が10%を超えて伸ばされた際に金属メッキ12も伸ばされることとなり、金属メッキ12が薄くなって電気抵抗値が10%以上高まってしまい、電線1の仕様を満たさなくなってしまうからである。このような繊維11としては、例えばアラミド繊維、ポリアリレート繊維、及びPBO繊維が該当する。
金属メッキ12は、導電性の金属であって、本実施形態では所定温度以上の温度で、所定時間以上熱処理された銅(軟銅)で構成されている。
図2(b)に示すように、電線1は、導体部20と、導体部20上に被覆された絶縁体30とから構成されている。導体部20は、図2(a)に示したメッキ繊維10が複数本束ねられて構成されている。
このようなメッキ繊維10を導体部20とする電線1は、メッキ繊維10の内部が繊維11により構成されているため、軽量且つ高強度であり、しかも耐屈曲性に優れることとなる。
ここで、従来の電線は、ワイヤハーネスWHの製造時など、メッキ繊維に張力が加わると、金属メッキのみが破断してしまい、見かけ上メッキ繊維が断線していないにも拘わらず、電気抵抗が高まって電線として機能を果たさなくなってしまうことがある。
そこで、本実施形態に係るメッキ繊維10は、金属メッキ12の伸び率(破断時の伸び率)を、繊維11の伸び率(破断時の伸び率)よりも高くしている。これにより、メッキ繊維10に張力が加わった場合、繊維11よりも金属メッキ12が伸びることとなり、繊維11が断線していないにも関わらず、金属メッキ12が破断してしまうことが防止されるからである。
図3は、繊維11及び金属メッキ12を構成する金属の伸び率と引張強度との関係を示すグラフである。図3に示すように、繊維11の一例であるパラ系アラミド繊維は、破断時の引張強度が3000MPa弱であり、そのときの破断伸び率は約2.7%となっている。さらに、繊維11の一例であるポリアリレート繊維は、破断時の引張強度が4000MPa強であり、そのときの破断伸び率は約3.0%となっている。
繊維11は、破断伸び率に達するまでは弾性変形するようになっている。すなわち、パラ系アラミド繊維は、所定の張力が加えられて約2.7%未満で伸ばされたとしても、張力がゼロとなると、伸び率0%の状態に弾性復帰する。ポリアリレート繊維等も同様である。
金属メッキ12の一例である軟銅は、破断時の引張強度が250MPa程度であり、そのときの破断伸び率は約20%以上となっている。ここで、軟銅を含む多くの金属は、伸び率0.5%以下の弾性域と、伸び率0.5%を超える塑性域とがある。このため、軟銅は、所定の張力が加えられて約0.5%以下で伸ばされたとしても、張力がゼロとなると、伸び率0%の状態に弾性復帰する。一方、軟銅は、所定の張力が加えられて約0.5%を超えて伸ばされた場合、その後張力がゼロとなったとしても、伸び率0%の状態に弾性復帰せず、伸ばされた状態のままとなってしまう。
ここで、引張強度の単位であるMPaは、単位面積あたりの引張荷重を示す値であることが知られている。図4は、繊維11及び金属メッキ12を構成する金属の伸び率と引張荷重との関係を示すグラフである。
図4に示すように、所定の断面積を有するパラ系アラミド繊維において、破断時の引張荷重がY1であり、そのときの破断伸び率が約2.7%であったとする(符号L1参照)。同様に同じ断面積を有する軟銅において、破断時の引張荷重がY2であり、そのときの破断伸び率が約20%以上となっている。なお、伸び率0.5%以下は弾性域であり、伸び率0.5%超は塑性域である(符号L2参照)。
また、ラインL2で示す軟銅よりも、断面積が約10倍となる軟銅においては、破断時の引張荷重は10Y2となる。このとき、破断伸び率は約20%以上のままであり、弾性域も0.5%以下のままである(符号L3参照)。
ここで、ラインL1の破断時の伸び率に対する破断時の引張荷重の傾きは、Y1/2.7(引張荷重/伸び率)となる。一方、ラインL2で示す軟銅の弾性域の最大伸び率(すなわち0.5%)に対する、当該最大伸び率に達するときの引張荷重の傾きはY2/0.5(<Y1/2.7)となる。同様にラインL3の傾きは、10Y2/0.5(>Y1/2.7)となる。
本実施形態に係るメッキ繊維10は、繊維11の径や、メッキ厚等を調整することにより、繊維11の上記の傾きが、金属メッキ12を構成する金属の上記の傾きよりも、大きくなっている。すなわち、本実施形態に係るメッキ繊維10には、ラインL1とラインL2との断面積の比率の関係を有するものが採用されることが好ましく、ラインL1とラインL3との断面積の比率の関係を有するものでないことが好ましい。
これは以下の理由による。例えばメッキ繊維10に対してY2/2程度の引張荷重が加わったとする。このとき、ラインL1とラインL2との断面積の比率の関係のように、繊維11と金属メッキ12との断面積が同じであるとすると、引張荷重に対しては繊維11が支配的となる。すなわち、引張荷重Y2/2に対して繊維11の伸び率は約0.1%である。これに対して、引張荷重Y2/2に対して金属メッキ12を構成する金属の伸び率は約0.3%である。ここで、金属メッキ12は繊維11上に一体となっていることから、実際のメッキ繊維10は、引張荷重Y2/2に対して0.1%を超えて伸ばされることがない。すなわち、引張荷重Y2/2に対して繊維11に負荷が掛かり易い状態となっており、金属メッキ12のみが破断してしまう可能性を一層軽減することができる。
一方、例えばメッキ繊維10に対して3Y2程度の引張荷重が加わったとする。このとき、ラインL1とラインL3との断面積の比率の関係のように、金属メッキ12の断面積が繊維11の断面積の10倍であるとすると、引張荷重に対しては金属メッキ12が支配的となる。すなわち、引張荷重3Y2に対して繊維11の伸び率は約0.7%である。これに対して、引張荷重3Y2に対して金属メッキ12を構成する金属の伸び率は約0.1%である。ここで、金属メッキ12は繊維11上に一体となっていることから、実際のメッキ繊維10は、引張荷重3Y2に対して0.1%を超えて伸ばされることがない。すなわち、引張荷重3Y2に対して金属メッキ12に負荷が掛かり易い状態となっており、金属メッキ12のみが破断してしまう可能性の増加を招く可能性がある。
以上のような理由から、本実施形態では繊維11の径や、メッキ厚等を調整することにより、繊維11の上記の傾きが、金属メッキ12を構成する金属の上記の傾きよりも大きくするようにしている。
次に、本発明の実施例及び比較例を説明する。図5は、実施例及び比較例を示す図表である。図5に示すように、実施例1〜3及び比較例1においては、ポリアリレート繊維上に銅メッキを施したものを80本束ねて、これに対して15Nの引張荷重を掛けた。ポリアリレート繊維は、繊維径が22μmであり、引張強さ(N/本)が1.5であり、破断伸び率が3%であった。一方、比較例1の銅メッキは、熱処理を加えておらず、引張強さ(N/本)が2.0であり、破断伸び率が2%であった。これに対して、実施例1の銅メッキは、100℃で所定時間の熱処理が加えられており、引張強さ(N/本)が0.13であり、破断伸び率が8.5%であった。また、実施例2では150℃で所定時間の熱処理が加えられており、引張強さ(N/本)が0.09であり、破断伸び率が15.7%であった。実施例3では200℃で所定時間の熱処理が加えられており、引張強さ(N/本)が0.06であり、破断伸び率が24.1%であった。
実施例4〜6及び比較例2においては、パラ系アラミド繊維上に銅メッキを施したものを270本束ねて、これに対して15Nの引張荷重を掛けた。パラ系アラミド繊維は、繊維径が12μmであり、引張強さ(N/本)が0.34であり、破断伸び率が2.7%であった。一方、比較例2の銅メッキは、比較例1と同じものである。同様に、実施例4〜6に示す銅メッキについても、実施例1〜3と同じものである。
実施例7〜9及び比較例3においては、PBO繊維上に銅メッキを施したものを270本束ねて、これに対して15Nの引張荷重を掛けた。PBO繊維は、繊維径が12μmであり、引張強さ(N/本)が0.63であり、破断伸び率が2.3%であった。一方、比較例3の銅メッキは、比較例1と同じものである。同様に、実施例7〜9に示す銅メッキについても、実施例1〜3と同じものである。
さらに、比較例4〜7においては、PET(polyethylene terephthalate)繊維上に銅メッキを施したものを410本束ねて、これに対して15Nの引張荷重を掛けた。PET繊維は、繊維径が10μmであり、引張強さ(N/本)が0.004であり、破断伸び率が20%であった。比較例4の銅メッキは、比較例1と同じものである。同様に、比較例5〜7に示す銅メッキについても、実施例1〜3と同じものである。
なお、銅メッキの伸び率については図6に示す油圧式バルジ試験器を用いて計測した。図6は、油圧式バルジ試験器を示す概略図である。図6に示すように、油圧式バルジ試験器200は、ISO8401にも示すものである。油圧式バルジ試験器200において、ピストン201が最低位置にあるとき、シリンダ202が水で満たされる。銅箔203はシリンダ202の上に置かれて固定される。その後、ピストン201は上昇し、0.1秒毎に圧力及び銅箔203の高さが検出される。圧力はシリンダ202につながる圧力センサ204により検出され、銅箔203の高さは、銅箔203を挟んでシリンダ202の反対側に設けられる変位センサ205によって検出される。これにより、銅箔203の圧力に対する伸び率の関係が明らかとなる。そして、最後に銅箔203が破断して試験は終了する。このときの銅箔203の破断時における伸び率が、上記の銅メッキの伸び率に相当する。
以上の実施例1〜9及び比較例1〜7に示すような銅メッキされた繊維に対して15Nの引張荷重を掛けたところ、実施例1〜9においては、全てメッキに割れが確認されなかった。一方、比較例1〜3については、全てメッキに割れが確認された。さらに、比較例4〜7については、15Nの引張荷重に耐えられず繊維自体が断線してしまった。これは、1本当たりの引張強さが0.004(N/本)のPET繊維を410本束ねたとしても、15Nの引張荷重が、0.004(N/本)×410(本)=1.64Nを大きく上回るためであると考えられる。
このように、銅メッキの破断伸び率が、各繊維の破断伸び率よりも高い実施例1〜9についてはメッキの割れが確認されず、繊維が断線していない場合におけるメッキの破断を防止することができることがわかった。
さらに、図5に示すように、実施例4〜6、及び比較例2に対しては、屈曲試験を行った。屈曲試験については、円筒形マンドレル屈曲試験器を用いて、実施例4〜6及び比較例2に係る銅メッキされた繊維に所定の曲げ半径での曲げを繰り返し行い、銅メッキされた繊維の抵抗値が屈曲試験開始前から10%上昇したときの往復曲げ回数を測定した。なお、上記においては0.5%の曲げ歪みが銅メッキされた繊維に加わるように曲げを繰り返し行った。
この結果、図5に示すように、実施例4では1911000回であり、実施例5では1956000回であり、実施例6では1852000回であった。一方、比較例2では594000回であった。さらに、実施例4〜6及び比較例2の銅メッキされた繊維の束と同程度の径を有する軟銅線に対して上記と同じ屈曲試験を行った結果、屈曲試験開始前から10%上昇したときの往復曲げ回数は、302330回であった。
以上より、実施例4〜6の方が比較例2よりも耐屈曲性が飛躍的に優れていることがわかった。なお、上記では、実施例4〜6及び比較例2のみについて耐屈曲試験を行ったが、実施例1〜3及び比較例1、並びに、実施例7〜9及び比較例3に対して耐屈曲試験を行った場合についても、同様に、それぞれの実施例の方が比較例よりも耐屈曲性が飛躍的に優れていると推察できる。さらに、図5及び上記からも明らかなように、実施例4〜6及び比較例2については軟銅線によりも耐屈曲性が優れていることもわかった。
このようにして、本実施形態に係るメッキ繊維10によれば、金属メッキ12の伸び率(油圧式バルジ試験器200を用いたISO8401に準拠する測定方法での伸び率)が繊維11の伸び率よりも高いため、メッキ繊維10に張力が加わった場合、繊維11よりも金属メッキ12が伸びることとなる。このため、メッキ繊維10を引っ張った場合、金属メッキ12の破断が繊維11の断線よりも先に発生することがなく、繊維11が断線していない場合における金属メッキ12の破断を防止することができる。
金属メッキ12の伸び率を8.5%以上24.1%以下としているため、繊維11が断線していない場合における金属メッキ12の破断を防止することのみならず、耐屈曲性にも優れたメッキ繊維10を提供することができる。
また、繊維11の破断時の伸び率に対する破断時の引張荷重の傾きは、金属メッキ12の弾性域の最大伸び率に対する、当該最大伸び率に達するときの引張荷重の傾きよりも、大きい。これにより、メッキ繊維10に張力が加わった場合において、張力が繊維11部分に加わりやすくなり、張力が金属メッキ12に集中的に加わって破断してしまう事態を防止することができる。
また、本実施形態に係るワイヤハーネスWHによれば、上記に記載のメッキ繊維10を導体部20とし、この導体部20上に絶縁体30を被覆した電線1を備えるため、製造時における布線板100への配索時に加わる張力によって、金属メッキ12が破断して電気抵抗が高まった電線1を有したワイヤハーネスWHを提供してしまうことを防止することができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。
さらに、上記のメッキ繊維10については複数本束ねられて導体部20とされ、この導体部20が絶縁体30によって被覆されて電線1とされる場合に限らず、メッキ繊維10が複数本束ねられたものを、複数束用意し、これらの束を所定のピッチで撚り上げて導体部20とし、この導体部20に絶縁体30を被覆して電線1としてもよい。
WH :ワイヤハーネス
W :電線
1 :電線
10 :メッキ繊維
11 :繊維
12 :金属メッキ
20 :導体部
30 :絶縁体

Claims (3)

  1. アラミド繊維、ポリアリレート繊維及びPBO繊維のいずれか1つの抗張力繊維上に、金属メッキを施してなるメッキ繊維であって、
    前記金属メッキの伸び率が、前記抗張力繊維の伸び率よりも高く、
    前記抗張力繊維の伸び率に対する引張荷重の傾きは、前記金属メッキを構成する金属の弾性域の最大伸び率に対する、当該最大伸び率に達するときの引張荷重の傾きよりも、大きい
    ことを特徴とするメッキ繊維。
  2. 前記金属メッキの伸び率は、8.5%以上24.1%以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載のメッキ繊維。
  3. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載のメッキ繊維を導体部とし、この導体部上に絶縁体を被覆した電線を備える
    ことを特徴とするワイヤハーネス。
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