JP6893496B2 - 同軸ケーブル - Google Patents

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本発明は、産業用ロボットや半導体装置等、可動部に用いられる同軸ケーブルに関する。
近年、産業用ロボットや半導体装置等、可動部に用いられる同軸ケーブルにおいては、屈曲及び捻回に対する更なる耐久性向上が求められている。また、省スペース化に伴い、同軸ケーブルの細線化が求められるとともに、高速伝送化に伴い減衰特性等、電気特性も重要視される。
特許文献1は、内部導体の外周に未焼結PTFE樹脂層を有し、さらに未焼結PTFE樹脂テープを巻きつけて配設された構造を有する同軸ケーブルが記されている。
未焼成PTFEは、多孔質体すなわち低誘電率であることから伝送特性に優れ、柔軟性においても優れるが、機械特性に弱く、屈曲・捻回時に伝送特性が悪化するという問題点があり、屈曲及び捻回に対する耐久性向上の要求に対して、更なる改良が求められている。
特許文献2は、外部導体として、高強度補強線の周囲に複数本の銅線を配置して撚り合わせた構造である金属線を用いた、同軸ケーブルが記されている。
1本の高強度補強線の周囲に銅線を撚り合わせる構造は、中心の高強度補強線に負荷が集中し断線する問題に対して有効ではあるが、屈曲及び捻回に対する更なる耐久性向上の要求に対して、未だ不十分であると共に、単に高強度補強線を用いるだけでは、誘電体が未焼結PTFE樹脂層の場合、屈曲・捻回時に誘電体への負荷が伝わりやすい、すなわちトルク伝達性が高くなってしまう、という問題点が生じる。
特開平9−320362号公報 特開2017−103117号公報
本発明の課題は、屈曲及び捻回に対する耐久性向上を図ると共に、細線化する一方で、減衰量等の電気特性についても優れる同軸ケーブルを提供することにある。
本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)内部導体の外周に、少なくとも誘電体、外部導体を、順次被覆してなる同軸ケーブルにおいて、
内部導体が、導電性を有する素線を複数本撚ることにより形成される集合撚線を、更に複数本束ねて撚ることで形成される複合撚線構造を有し、
素線の撚り方向と、集合撚線の撚り方向は、同じ方向であり、
複合撚線は、集合撚線の束の本数が15本以下であり、
複合撚線構造は、複合撚線の中心に1本の集合撚線を配設する構造を除くことを特徴とする。
(2)集合撚線の構造は、集合撚線の中心に1本の素線を配設する構造を除くことが好ましい。
誘電体が、内部導体の外周に未焼結PTFE樹脂層を有し、さらに延伸PTFE樹脂テープを巻きつけて配設された層の、少なくとも二層以上の構造からなることが好ましい。
(4)外部導体が、導電性を有する素線を複数本撚ることにより形成される集合撚線構造を有し、
前記外部導体が、前記誘電体の外周に、複数の前記集合撚線が横巻きされて配設された構造であり、
前記集合撚線構造は、集合撚線の中心に1本の素線を配設する構造を除くことが好ましい。
(5)外部導体が、導電性を有する素線を複数本撚ることにより形成される集合撚線を、更に複数本撚って形成される複合撚線構造を有し、
素線の撚り方向と、集合撚線の撚り方向は、同じ方向であり、
外部導体が、誘電体の外周に、複数の複合撚線が横巻きされて配設された構造であり、
複合撚線は、集合撚線の束の本数が15本以下であり、
複合撚線構造は、複合撚線の中心に1本の集合撚線を配設する構造を除くことが好ましい。
)同軸ケーブルの長手方向に対する、外部導体の横巻き角度は、5度以上50度以下であることが好ましい。
)同軸ケーブルの長手方向に対する、外部導体の横巻きの方向は、内部導体を構成する素線の撚り方向と同じであることが好ましい。
)同軸ケーブルの長手方向に対する、外部導体の横巻きの方向は、外部導体を構成する素線の撚り方向と同じであることが好ましい。
)同軸ケーブルにおいて、外部導体の外周に、テープを巻きつけて配設された構造を有することが好ましい。
10)同軸ケーブルにおいて、テープの外周に樹脂層を有し、テープと樹脂層との間に空隙を有することが好ましい。
本発明によれば、以下に記載する優れた効果が期待できる。
(1)内部導体が複合撚線構造を有しており、さらに本発明の構成の場合、屈曲及び捻回に対する耐久性が向上する。
(2)内部導体の外周に、未焼結PTFE樹脂層を有するため、柔軟性の向上による屈曲及び捻回に対する耐久性の向上と、低誘電率特性による細線化及び電気特性の向上を両立できる。
(3)未焼結PTFE樹脂層の外周に、延伸PTFE樹脂テープを巻きつけて配設しているため、外部導体との滑り性が向上し、結果として、特定の箇所に応力が集中することを回避できる。また、トルク伝達性が低いため、未焼結PTFE樹脂層への負荷を緩和でき、屈曲及び捻回に対する耐久性の向上に寄与する。
(4)外部導体が集合撚線構造、または複合撚線構造を有しており、さらに本発明の構成の場合、屈曲及び捻回に対する耐久性が向上する。
(5)外部導体の外周に、テープを巻きつけて配設する場合、屈曲や捻回等の可動時に外部導体が緩むことを防止し、屈曲及び捻回に対する耐久性が向上する。
(6)外部導体とジャケット間に空隙がある場合、ケーブル内部のトルク伝達性を低くでき、屈曲及び捻回に対する耐久性が向上する。
(7)本発明の内部導体、誘電体、外部導体を組み合わせた同軸ケーブルは、各構造における効果を合わせて期待できる。すなわち、柔軟性の向上や低いトルク伝達性による屈曲及び捻回に対する耐久性の大きな向上と、低誘電率特性による細線化及び電気特性の向上、全てにおいて優れる。
本発明の同軸ケーブルにおける断面図の一例を示す。 本発明の同軸ケーブルにおける断面図の他の一例を示す。 本発明における集合撚線の断面図の一例を示す。 本発明における複合撚線の断面図の一例を示す。 本発明における屈曲試験方法及び捻回試験方法を表す概略図を示す。
以下、本発明の同軸ケーブルの一例として、基本構成について、図面を参照しながら説明する。
図1の同軸ケーブル1は、中心より順に、内部導体2、誘電体5を形成する未焼結PTFE樹脂層3と多孔質ふっ素樹脂テープ層4、外部導体6、テープ材7、空隙8、そして、ジャケット9である。
内部導体2の材質は、導電性を有する材質であれば特に限定されないが、例えば、銅等の金属線や、あるいは、それらに錫、鉄、亜鉛、ニッケル等を添加した合金線等を素線として用いられる。金属線の表面は、適宜、銀、錫等のメッキが施されてもよい。電気特性及び機械特性の観点で、銀メッキ銅合金線、または錫メッキ銅合金線が好ましい。
内部導体2の構成について、素線を複数本束ねて撚ることにより形成される集合撚線(図3)を束ねて更に複数本撚って形成される複合撚線(図4)を用いる。
複合撚線は、上述の複合撚線をさらに束ね、複数本撚って形成されてもよく、複合撚線の構成は限定されない。
屈曲及び捻回に対する耐久性向上を考慮すると、複合撚線がより好ましい。複合撚線は、単線や集合撚線等と比べ、屈曲及び捻回時に、同軸ケーブル1にかかる負荷がさらに分散される。
複合撚線の構成について特に限定されないが、素線径は0.02mm以上0.3mm以下が好ましい。耐屈曲及び耐捻回の観点で、より好ましくは、0.03mm以上0.2mm以下、さらに好ましくは、素線径が0.05mm以上、0.1mm以下である。
さらに、複合撚線の撚り方向については、素線の撚り方向と、集合撚線の撚り方向は同じ方向であるため、さらに屈曲及び捻回に対する耐久性を向上できる。
複合撚線の構成について、電気特性向上の観点で、集合撚線の束が15本以下で構成される。また、集合撚線が7本の場合、中心の集合撚線1本の周りに6本配設される構造であり、中心の集合撚線1本に負荷が集中し断線しやすい(図4(c))。そのため、特定の集合撚線に負荷が集中しない、複合撚線の中心に1本の集合撚線を配設する構造を除く、複合撚線の構成を有する (例えば、図4(a)に示す3本撚り、図4(b)に示す4本撚り等)。
集合撚線の構成については特に限定されず、例えば素線が7本以上で構成されている(図3)。
複合撚線を構成する集合撚線の本数が少ないと、屈曲及び捻回に対する耐久性が向上しない。また、素線が7本の場合、中心の素線1本の周りに6本配設される構造であり、中心の素線1本に負荷が集中し断線しやすい。そのため、特定の素線に負荷が集中しない、集合撚線の中心に1本の素線を配設する構造を除く、集合撚線の構成がより好ましい(例えば10本撚り等)。
集合撚線及び複合撚線のピッチについては、特に限定されないが、
集合撚線は、素線の撚りのピッチが、集合撚線の外径の5倍以上50倍以下であり、かつ、複合撚線は、集合撚線の撚りのピッチが、複合撚線の外径の5倍以上50倍以下が適している。
好ましくは、素線の撚りのピッチが、集合撚線の外径の8倍以上40倍以下であり、かつ、集合撚線の撚りのピッチが、複合撚線の外径の8倍以上40倍以下である。
複合撚線の場合における、集合撚線及び複合撚線の撚りピッチについては、特に限定されないが、
屈曲及び捻回に対する耐久性を考慮し、素線の撚りピッチは、集合撚線の撚りピッチよりも小さいことが好ましい。素線の撚りピッチが、集合撚線の撚りピッチよりも大きい場合、耐屈曲性は向上するが、耐捻回性は低下する。
誘電体5の構成について、内側に施される未焼結PTFE樹脂層3、及び、外側に施される多孔質ふっ素樹脂テープ層4から構成される。
未焼結PTFE樹脂層は、多孔質体であることから柔軟性に優れ、低誘電率特性により、細径化及び電気特性に優れており、最も好ましいが、多孔質体で柔軟性に優れる材質であればこれに限定されない。(例えば、発泡PFA等)
誘電率は特に限定されないが、1.4〜1.8が好ましい。電気特性及び機械特性の観点において、特に好ましくは、1.6〜1.8がより好ましい。
未焼結PTFE樹脂層の成形方法は特に限定されず、未焼結PTFE樹脂テープを巻き付ける構成も知られているが、生産性の観点で一般的なペースト押出成形が好ましい。
多孔質ふっ素樹脂テープ層4は、未焼結PTFE樹脂層3の上に巻き付けられる。
テープの材質は特に限定されないが、特に好ましくは延伸PTFE樹脂テープである。
延伸PTFE樹脂テープは多孔質体のため低誘電率である上、焼結されたPTFEであるため機械特性についても優れる。
多孔質ふっ素樹脂テープ層4(例えば延伸PTFE樹脂テープ)を、未焼結PTFE樹脂層3の上に巻き付けることで、外部導体との滑り性が向上するため、トルク伝達性を低く抑え、特定の箇所に応力が集中することを回避でき、未焼成PTFE樹脂層3への負荷を格段に軽減される。その結果、屈曲及び捻回に対する耐久性が大幅に向上される。
多孔質ふっ素樹脂テープ層4のラップ幅について特に限定しないが、誘電体5の平滑性に優れ電気特性に寄与する点で1/2ラップが好ましい。
多孔質ふっ素樹脂テープ層4は、未焼結PTFE樹脂層3の潰れ防止等、保護層として機能する。
以上より、本発明の同軸ケーブルの誘電体5の構成は、未焼結PTFE樹脂層3及び多孔質ふっ素樹脂テープ層4から構成されることから、柔軟性に優れる上、電気特性及び耐屈曲・撚回に優れる。
誘電体5のその他の構成について、図1においては、未焼結PTFE樹脂層3と多孔質ふっ素樹脂テープ層4が一層ずつであるが、これに限定されず、例えば、多孔質ふっ素樹脂テープ層4を二層以上施してもよい。
外部導体6の材質は、導電性を有する材質であれば特に限定されないが、例えば、銅等の金属線や、あるいは、それらに錫、鉄、亜鉛、ニッケル等を添加した合金線等を素線として用いられる。金属線の表面は、適宜、銀、錫等のメッキが施されてもよい。電気特性及び機械特性の観点で、銀メッキ銅合金線、または錫メッキ銅合金線が好ましい。
外部導体6の構成について、素線を複数本束ねて撚ることにより形成される集合撚線(図3)、あるいは集合撚線を更に複数本撚って形成される複合撚線(図4)を用いる。
屈曲及び捻回に対する耐久性向上を考慮すると、複合撚線がより好ましい。複合撚線は、単線や集合撚線等と比べ、屈曲及び捻回時に、同軸ケーブル1にかかる負荷がさらに分散される。
複合撚線の構成について特に限定されないが、素線径は0.02mm以上0.3mm以下が好ましい。耐屈曲及び耐捻回の観点で、より好ましくは、0.03mm以上0.2mm以下、さらに好ましくは、素線径が0.05mm以上、0.1mm以下である。
さらに、複合撚線の撚り方向については、素線の撚り方向と、集合撚線の撚り方向は同じ方向であると、さらに屈曲及び捻回に対する耐久性を向上でき、より好ましい。
複合撚線の構成について特に限定されないが、電気特性向上の観点で、集合撚線の束が15本以下で構成されていることが好ましい。また、集合撚線が7本の場合、中心の集合撚線1本の周りに6本配設される構造であり、中心の集合撚線1本に負荷が集中し断線しやすい(図4(c))。そのため、特定の集合撚線に負荷が集中しない、複合撚線の中心に1本の集合撚線を配設する構造を除く、集合撚線の構成がより好ましい(例えば図4(a)に示す3本撚り、図4(b)に示す4本撚り等)。
集合撚線の構成については特に限定されず、例えば素線が7本以上で構成されている(図3)。
複合撚線を構成する集合撚線の本数が少ないと、屈曲及び捻回に対する耐久性が向上しない。また、素線が7本の場合、中心の素線1本の周りに6本配設される構造であり、中心の素線1本に負荷が集中し断線しやすい。そのため、特定の素線に負荷が集中しない、集合撚線の中心に1本の素線を配設する構造を除く、集合撚線の構成がより好ましい(例えば10本撚り等)
集合撚線及び複合撚線のピッチについては、特に限定されないが、
集合撚線は、素線の撚りのピッチが、集合撚線の外径の5倍以上50倍以下であり、かつ、複合撚線は、集合撚線の撚りのピッチが、複合撚線の外径の5倍以上50倍以下が適している。
好ましくは、素線の撚りのピッチが、集合撚線の外径の8倍以上40倍以下であり、かつ、集合撚線の撚りのピッチが、複合撚線の外径の8倍以上40倍以下である。
複合撚線の場合における、集合撚線及び複合撚線の撚りピッチについては、特に限定されないが、
屈曲及び捻回に対する耐久性を考慮し、素線の撚りピッチは、集合撚線の撚りピッチよりも小さいことが好ましい。素線の撚りピッチが、集合撚線の撚りピッチよりも大きい場合、耐屈曲性は向上するが、耐捻回性は低下する。
外部導体6は、複合撚線または集合撚線を、ケーブル長手方向に沿って螺旋状に巻きつけた、横巻き構造が好ましい。横巻き構造は、編組構造と比較して、捻回に対する耐久性が大幅に向上する。同軸ケーブルの長手方向に対する、外部導体6の横巻きの方向は、外部導体6を構成する素線の撚り方向と、及び/または、外部導体6を構成する集合撚線の撚り方向と同じであることが好ましい。さらに、外部導体6の横巻きの方向が、内部導体2を構成する素線の撚り方向と、及び/または、内部導体2を構成する集合撚線の撚り方向と同じであることが、より好ましい。
同軸ケーブルの長手方向に対する、外部導体6の横巻き角度は、5度以上50度以下が好ましい。さらに好ましくは10度以上40度以下であり、最も好ましくは、外部導体6の横巻き角度は15度以上35度以下である。
外部導体6の横巻き角度は、小さく設定すると、耐捻回性は向上するが、耐屈曲性は低下する。逆に、外部導体6の横巻き角度を大きく設定すると、耐屈曲性は向上するが、耐捻回性は低下する。屈曲及び捻回に対する耐久性を両立させるには、ケーブルの構造等に応じて、最適な横巻き角度を適宜決定する必要がある。
本発明の同軸ケーブル1は、適宜、外部導体6の上にテープ材7が施されてよい。構成は限定されないが、巻き付けが好ましい。
屈曲や捻回等の可動時に、外部導体6の素線ばらけを抑制する役割の他、外部導体6間の滑り性向上により、結果として、特定の箇所に応力が集中することを回避できる。また、トルク伝達性が低いため、未焼結PTFE樹脂層への負荷を緩和でき、屈曲及び捻回に対する耐久性の向上に寄与する。
テープの材質は、樹脂材料、金属箔等、特に限定されないが、摩擦係数が少ないこと等を考慮し、延伸PTFE樹脂テープが好ましい。
ジャケット9の材質は特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレン、ふっ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル系エラストマー等が挙げられる。
柔軟性及び汎用性の観点で、軟質のポリ塩化ビニルが好ましい。
またテープ材7とジャケット9の間には、空隙8が設けられることが好ましい。
空隙8が設けられることにより、ケーブル内部への負荷が緩和され、同軸ケーブル1の屈曲及び捻回に対する耐久性が向上する。
以下、本発明の同軸ケーブル1(図1)に関して実施例をあげ具体的に説明するが、本発明の範囲について、これらに限定されるものではない。
実施例は、内部導体が複合撚線(ロープ撚線)構造、誘電体が未焼結PTFE樹脂層を有し、さらに多孔質ふっ素樹脂テープを巻きつけて配設された2層の構造、外部導体が複合撚線(ロープ撚線)を横巻きした構造、外部導体の外周にテープを巻きつけて配設し、さらにその外周に軟質のポリ塩化ビニル層を有し、テープと軟質のポリ塩化ビニル層との間に、空隙を有する構造を基本としている。
実施例1は、内部導体の撚りピッチを変更し、「実施例1−1〜1−5」と記載する。具体的な値は表1にて後述する。
実施例1−3は、内部導体の撚りピッチが最適な値の条件において、内部導体の複合撚線(ロープ撚線)を構成する、集合撚線の本数を変更した。「実施例1−3−1〜
1−3−3」と記載する。
実施例2は、内部導体の撚りピッチ、及び内部導体の複合撚線(ロープ撚線)を構成する、集合撚線の本数が最適な値の条件において、外部導体の撚りピッチを変更し、「実施例2−1〜2−5」と記載する。具体的な値は表2にて後述する。
実施例2−3は、外部導体の撚りピッチが最適な値の条件において、外部導体の複合撚線(ロープ撚線)を構成する、集合撚線の本数を変更した。「実施例2−3−1〜
2−3−3」と記載する。
実施例3は、内部導体の撚りピッチ、及び内部導体の複合撚線(ロープ撚線)を構成する、集合撚線の本数が最適な値の条件において、外部導体の横巻き角度を変更し、「実施例3−1〜3−5」と記載する。具体的な値は表2にて後述する。
実施例4は、内部導体の撚りピッチ、及び内部導体の複合撚線(ロープ撚線)を構成する、集合撚線の本数が最適な値の条件において、外部導体の構成を複合撚線(ロープ撚線)から集合撚線に変更したケーブルについて、外部導体の撚りピッチを変更し、「実施例4−1〜4−5」と記載する。具体的な値は表2にて後述する。
実施例5は、内部導体及び外部導体が最適な条件において、誘電体が未焼結PTFE樹脂層を有し、さらに多孔質ふっ素樹脂テープを巻きつけて配設された2層の構造である。すなわち、内部導体の撚りピッチ、内部導体の複合撚線(ロープ撚線)を構成する集合撚線の本数、外部導体の撚りピッチ、及び外部導体の複合撚線(ロープ撚線)を構成する集合撚線の本数が、全て最適な値の条件である。具体的な値は表3にて後述する。
比較例1は、実施例1のうち、内部導体を集合撚線とした構造である。撚りピッチ等の具体的な値は、表1にて後述する。
比較例2は、誘電体が未焼結PTFE樹脂層を有し、さらに未焼結ふっ素樹脂テープを巻きつけて配設された2層の構造である。その他の構造は、実施例5と同じである。
従来例は、内部導体が同芯撚線構造、誘電体がFEP樹脂層、外部導体が単線を横巻きした構造、外部導体の外周に焼結PTFEテープを巻きつけて配設し、さらにその外周に軟質のポリ塩化ビニル層を有し、焼結PTFEテープと軟質のポリ塩化ビニル層との間に、空隙を有する構造である。
上記、実施例、比較例、従来例について、耐屈曲性、耐撚回性について評価する。
誘電体の構造が異なる、実施例5及び比較例2については、屈曲試験前後における特性インピーダンスの変化量にする。
各評価方法の詳細を以下に示す。
(屈曲試験方法)
屈曲試験方法を表す概略図を、図5(a)に示す。
サンプルの長さは1m、曲げ半径Rは15mm、荷重は100gfである。
図5(a)中の矢印のように、試験サンプルを180度屈曲させた後、直線状に戻し、次に反対方向に180度屈曲させ、直線状に戻す。この1サイクルを1回と数える。
一定回数屈曲させた後に、内部導体、外部導体の抵抗値を測定する。試験前の抵抗値と比較して、測定値が5%以上変化した際の屈曲回数の平均値を表1に記載する。
(捻回試験方法)
屈曲試験方法を表す概略図を、図5(b)に示す。
サンプルの長さは1m、固定間距離は127mm、荷重は100gfである。
図5(b)中の矢印のように、試験装置側のサンプル端を190度捻じった後、元に戻し、次に反対方向に190度捻じり、元に戻す。この1サイクルを1回と数える。
一定回数捻回させた後に、内部導体、外部導体の抵抗値を測定する。試験前の抵抗値と比較して、測定値が5%以上変化した際の捻回回数の平均値を表1に記載する。
なお、表1、表2における評価欄の記号は以下の通りである。
(屈曲試験及び捻回試験の評価方法)
◎:耐屈曲、耐捻回が共に100万回以上
○:耐屈曲、耐捻回が共に10万回以上
△:耐屈曲、耐捻回が共に5万回以上(良品限界)
×:耐屈曲、耐捻回が上記△の基準に満たない
(特性インピーダンス試験方法)
特性インピーダンス試験は、屈曲試験前後の屈曲部における特性インピーダンスの変化量を測定する。
測定器はネットワークアナライザ(キーサイト製:5071C)を用い、サンプル長は1mとする。
上述の屈曲試験方法にて30万回屈曲し、屈曲部における特性インピーダンス初期値及び屈曲後の測定値を記載する(表3)。
試験結果を表1、表2、及び表3に示す。
Figure 0006893496
Figure 0006893496
Figure 0006893496
実施例1は、内部導体を構成する集合撚線の撚りのピッチが、複合撚線の外径の8倍以上40倍以下の範囲で、特に良好な耐屈曲性、耐捻回性を有する。
中でも、撚りピッチが最適な値である、実施例1−3−1、1−3−2は、耐屈曲、耐捻回が共に100万回以上という、非常に高い値を得られた。
ただし、実施例1−3−3のように、内部導体の複合撚線(ロープ撚線)を構成する、集合撚線の本数が7本撚りの場合は、耐屈曲性、耐捻回性が共に低下する。これは上述の通り、中心の1本に負荷が集中したためと考えられる。
実施例2は、外部導体を構成する集合撚線の撚りのピッチが、複合撚線の外径の8倍以上40倍以下の範囲で、特に良好な耐屈曲性、耐捻回性を有する。
中でも、撚りピッチが最適な値である、実施例2−3−1、2−3−2は、耐屈曲、耐捻回が共に100万回以上という、非常に高い値を得られた。
ただし、実施例2−3−3のように、外部導体の複合撚線(ロープ撚線)を構成する、集合撚線の本数が7本撚りの場合は、耐屈曲性、耐捻回性が共に低下する。これは上述の通り、中心の1本に負荷が集中したためと考えられる。
実施例3は、外部導体の横巻き角度が、15度以上35度以下の範囲で、特に良好な耐屈曲性、耐捻回性を有する。
上述の通り、横巻き角度が小さい実施例3−1は、耐屈曲性が特に低下する。逆に、横巻き角度が大きい実施例3−5は、耐屈曲性は良好であるが、耐捻回性は低下する。
実施例4は、外部導体を構成する素線の撚りのピッチが、集合撚線の外径の8倍以上40倍以下の範囲で、特に良好な耐屈曲性、耐捻回性を有する。
しかし、実施例2と比較すると、耐屈曲性、耐捻回性が共に劣る。この結果より、外部導体の構成は、集合撚線より複合撚線(ロープ撚線)の方が、良好な耐屈曲性、耐捻回性が得られることがわかる。
比較例1は、実施例1よりも耐屈曲性、耐捻回性が共に劣る。この結果より、内部導体の構成は、集合撚線より複合撚線(ロープ撚線)の方が、良好な耐屈曲性、耐捻回性が得られることがわかる。
比較例2は、実施例5よりも耐屈曲性、耐捻回性が共に劣る。この結果より、誘電体の構成は、「未焼結PTFE樹脂層の外周に、未焼結ふっ素樹脂テープを巻きつけた構造」よりも「未焼結PTFE樹脂層の外周に、多孔質ふっ素樹脂テープを巻きつけた構造」の方が、良好な耐屈曲性、耐捻回性が得られることがわかる。
また、実施例5は比較例2と比較し、屈曲前後での特性インピーダンスの変化量が小さい。これは、実施例5で使用される多孔質ふっ素樹脂テープは、比較例2の未焼結ふっ素樹脂テープと比較し、機械特性に優れ潰れにくいことと、摺動性に優れるためトルク伝達による屈曲・捻回時の負荷が、誘電体へ伝わり難いため、誘電体の変形を防止できることが寄与している。
全ての実施例について、耐屈曲、耐捻回が共に10万回以上であり、屈曲及び捻回の耐久性について、優位性を有する。
一方、比較例1では、耐捻回が10万回未満であり、従来例では、耐屈曲が5万回未満である。
本発明の同軸ケーブルは、屈曲及び捻回に対する耐久性に優れると共に、細線化する一方で、減衰量等の電気特性についても優れるため、特に産業用ロボットや半導体装置等、可動部に用いられる同軸ケーブル等において有用であるが、用途は限定されない。
1 同軸ケーブル
2 内部導体
3 未焼結PTFE樹脂層
4 多孔質ふっ素樹脂テープ層
5 誘電体
6 外部導体
7 テープ材
8 空隙
9 ジャケット

Claims (11)

  1. 内部導体の外周に、少なくとも誘電体、外部導体を、順次被覆してなる同軸ケーブルにおいて、
    前記内部導体が、導電性を有する素線を複数本撚ることにより形成される集合撚線を、更に複数本束ねて撚ることで形成される複合撚線構造を有し、
    前記素線の撚り方向と、前記集合撚線の撚り方向は、同じ方向であり、
    前記複合撚線は、前記集合撚線の束の本数が15本以下であり、
    前記複合撚線構造は、複合撚線の中心に1本の集合撚線を配設する構造を除くことを特徴とする、同軸ケーブル。
  2. 前記集合撚線の構造は、集合撚線の中心に1本の素線を配設する構造を除くことを特徴とする、
    請求項1に記載の同軸ケーブル。
  3. 前記誘電体が、前記内部導体の外周に未焼結PTFE樹脂層を有し、さらに延伸PTFE樹脂テープを巻きつけて配設された層の、少なくとも二層以上の構造からなることを特徴とする、
    請求項1又は2に記載の同軸ケーブル。
  4. 内部導体の外周に、少なくとも誘電体、外部導体を、順次被覆してなる同軸ケーブルにおいて、
    前記内部導体が、導電性を有する素線を複数本撚ることにより形成される集合撚線を、更に複数本束ねて撚ることで形成される複合撚線構造を有し、
    前記素線の撚り方向と、前記集合撚線の撚り方向は、同じ方向であり、
    前記複合撚線は、前記集合撚線の束の本数が15本以下であり、
    前記複合撚線構造は、複合撚線の中心に1本の集合撚線を配設する構造を除く構造であって、
    前記集合撚線の構造は、集合撚線の中心に1本の素線を配設する構造を除く構造であって、
    前記誘電体が、前記内部導体の外周に未焼結PTFE樹脂層を有し、さらに延伸PTFE樹脂テープを巻きつけて配設された層の、少なくとも二層以上の構造からなることを特徴とする、同軸ケーブル。
  5. 前記外部導体が、導電性を有する素線を複数本撚ることにより形成される集合撚線構造を有し、
    前記外部導体が、前記誘電体の外周に、複数の前記集合撚線が横巻きされて配設された構造であり、
    前記集合撚線構造は、集合撚線の中心に1本の素線を配設する構造を除くことを特徴とする、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の同軸ケーブル。
  6. 前記外部導体が、導電性を有する素線を複数本撚ることにより形成される集合撚線を、更に複数本撚って形成される複合撚線構造を有し、
    前記素線の撚り方向と、前記集合撚線の撚り方向は、同じ方向であり、
    前記外部導体が、前記誘電体の外周に、複数の前記複合撚線が横巻きされて配設された構造であり、
    前記複合撚線は、前記集合撚線の束の本数が15本以下であり、
    前記複合撚線構造は、複合撚線の中心に1本の集合撚線を配設する構造を除くことを特徴とする、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の同軸ケーブル。
  7. 前記同軸ケーブルの長手方向に対する、前記外部導体の横巻き角度は、5度以上50度以下であることを特徴とする、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の同軸ケーブル。
  8. 前記同軸ケーブルの長手方向に対する、前記外部導体の横巻きの方向は、前記内部導体を構成する素線の撚り方向と同じであることを特徴とする、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の同軸ケーブル。
  9. 前記同軸ケーブルの長手方向に対する、前記外部導体の横巻きの方向は、前記外部導体を構成する素線の撚り方向と同じであることを特徴とする、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の同軸ケーブル。
  10. 前記同軸ケーブルにおいて、前記外部導体の外周に、テープを巻きつけて配設された構造を有することを特徴とする、
    請求項1〜のいずれかに記載の同軸ケーブル。
  11. 前記同軸ケーブルにおいて、前記テープの外周にジャケットを有し、前記テープと前記ジャケットとの間に空隙を有することを特徴とする、
    請求項10に記載の同軸ケーブル。
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