JP6775283B2 - 耐屈曲電線及びワイヤハーネス - Google Patents

耐屈曲電線及びワイヤハーネス Download PDF

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本発明は、耐屈曲電線及びワイヤハーネスに関する。
従来、素線を複数本撚り合わせて集合撚線とし、集合撚線を複数本撚り合わせた複合撚線を導体部とした耐屈曲電線が提案されている。この耐屈曲電線では、中心に配置される中心集合撚線と、その周囲に配置される第1層集合撚線と、さらにその周囲の第2層集合撚線とから構成されており、各集合撚線の撚り方向(下撚り方向)と、第1層集合撚線を複数本撚ってなる第1層複合撚線の撚り方向(本撚り方向)と、第2層集合撚線を複数本撚ってなる第2層複合撚線の撚り方向(本撚り方向)とが全て同一方向となっている(例えば特許文献1参照)。
特開2006−156346号公報
ここで、特許文献1に記載の耐屈曲電線においては、撚り方向が全て同一方向となっているため、耐屈曲性を向上させることができる。
詳細に説明すると、まず、特許文献1に記載の耐屈曲電線では、例えばそれぞれ第1層集合撚線の下撚り方向と第1層複合撚線の本撚り方向とが同一となっている。このため、各集合撚線を構成する素線は同一層内において隣接する集合撚線の素線と面接触することとなる。よって、屈曲時において面による摩耗が発生することとなり、素線が断線し難くなって耐屈曲性が向上することとなる。第2層も同様である。さらに、第2層集合撚線の下撚り方向及び第2層複合撚線の本撚り方向は、第1層集合撚線の下撚り方向及び第1層複合撚線の本撚り方向とも同じとなっている。よって、異なる層間においても集合撚線の素線同士が面接触することとなり、素線が断線し難くなって耐屈曲性が向上することとなる。
しかし、特許文献1に記載の耐屈曲電線では、耐屈曲性を向上できる反面、撚り方向が同一方向で統一されている関係上、屈曲時に一方向の力(撚り解き方向の力)が作用して導体部の形状の崩れや扁平が発生することがある。導体部の形状の崩れや扁平が発生すると層間での撚線の入れ替わりや潜り込みの発生確率が大きくなり、そのような状態で屈曲を繰り返すと、予期しない突発的な撚線・素線断線が懸念される。
そこで、撚り方向を一部異ならせることが考えられるが、この場合には導体部の形状の崩れや扁平を抑えることができるものの、面接触の関係が維持できず点接触する箇所が生じてしまい、素線が断線し易くなって耐屈曲性が低下してしまう。
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、導体部の形状の崩れや扁平を抑えつつも耐屈曲性の低下を抑制することが可能な耐屈曲電線及びワイヤハーネスを提供することにある。
本発明の耐屈曲電線は、導電性の素線を複数本撚る下撚りによって形成される集合撚線を更に複数本撚る本撚りによって形成される複合撚線を導体部とする耐屈曲電線であって、前記導体部は、当該導体部の最も断面中心側に位置する集合撚線である最内層撚線と、前記最内層撚線の周囲に複数層に重なって設けられる集合撚線である周囲撚線と、からなり、前記周囲撚線は、各集合撚線の下撚り方向と本撚り方向とが逆方向となっており、且つ、隣接する層同士において本撚り方向が逆方向となっており、前記集合撚線の本数は各集合撚線を構成する複数本の素線の本数よりも多いことを特徴とする。
本発明の耐屈曲電線によれば、周囲撚線は、各集合撚線の下撚り方向と本撚り方向とが逆方向となっているため、屈曲時に一方向に力が作用したとしても、この力と、下撚り方向又は本撚り方向とが逆向きとなるため、集合撚線の形状の崩れや扁平が発生し難くなる。また、周囲撚線は、隣接する層同士において本撚り方向が逆方向となっているため、屈曲時に一方向に力が作用したとしても、この力といずれかの層における本撚り方向とが逆向きとなるため、周囲撚線全体で見た場合における形状の崩れや扁平についても発生し難くすることができる。
ここで、各集合撚線の下撚り方向と本撚り方向とが逆方向とし、且つ、隣接する層同士の本撚り方向を逆方向とすると、同じ層の集合撚線同士及び異なる層の集合撚線同士の素線が点接触することとなって耐屈曲性の低下が懸念されるが、集合撚線の本数が各集合撚線を構成する複数本の素線の本数よりも多くされているため、1本の集合撚線の素線本数を比較的少なくでき、屈曲時における集合撚線の内部歪みを小さくすることとなり、耐屈曲性の低下を抑制することができる。
従って、導体部の形状の崩れや扁平を抑えつつも耐屈曲性の低下を抑制することができる。
また、本発明に係る耐屈曲電線において、前記最内層撚線の下撚り方向と、前記周囲撚線のうち前記最内層撚線に接する層を構成する集合撚線の下撚り方向とは、一致していることが好ましい。
この耐屈曲電線によれば、最内層撚線の下撚り方向と最内層撚線に接する層を構成する集合撚線の下撚り方向とが一致しているため、最内層撚線と最内層撚線に接する層の集合撚線とにおいて素線の延びる方向が同じとなり、更なる耐屈曲性の向上に寄与することができる。
さらに、本発明のワイヤハーネスは、上記のいずれかに記載の耐屈曲電線を含むことを特徴とする。
本発明のワイヤハーネスによれば、耐屈曲電線を含むワイヤハーネスであるため、耐屈曲性に優れ例えばスライドドアなど繰り返し屈曲されてしまう部位に用いられるワイヤハーネスとして好適なものを提供することができる。
本発明によれば、導体部の形状の崩れや扁平を抑えつつも耐屈曲性の低下を抑制することが可能な耐屈曲電線及びワイヤハーネスを提供することができる。
本発明の実施形態に係るワイヤハーネスの一例を示す斜視図である。 図1に示した耐屈曲電線を示す断面図である。 図1に示した耐屈曲電線の一部構成の断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明するが、本発明は以下の実施形態に限られるものではない。
図1は、本発明の実施形態に係るワイヤハーネスの一例を示す斜視図である。図1に示すようにワイヤハーネスWHは、複数の電線Wを束にしたものであり、複数の電線Wの少なくとも1本が以下に詳細説明する耐屈曲電線1により構成されている。このようなワイヤハーネスWHは、例えば図1に示すように電線Wの両端部にコネクタCを備えていてもよいし、複数の電線Wをまとめるためにテープ巻き(図示せず)されていてもよい。また、ワイヤハーネスWHは、コルゲートチューブ等の外装部品(図示せず)を備えていてもよい。
図2は、図1に示した耐屈曲電線を示す斜視図であり、図3は、図1に示した耐屈曲電線の一部構成の断面図である。図2及び図3に示すように、耐屈曲電線1は、導電性の素線11cを複数本撚る下撚りによって形成される集合撚線11を、更に複数本撚る本撚りによって形成される複合撚線12を導体部10とし、この導体部10を絶縁体20で被覆したものである。
具体的に導体部10は、当該導体部10の最も断面中心側に位置する集合撚線11である中心撚線(最内層撚線)11aと、中心撚線11aの周囲に複数層(本実施形態では4層)に重なって設けられる集合撚線11である周囲撚線11bとからなる。周囲撚線11bは層毎に本撚りされている。
本実施形態において最内層の撚線は中心撚線11aの1本となっており、周囲撚線11bは60本(内層側から6本、12本、18本、24本)となっている。各撚線11a,11bは、例えば27本の素線11cが撚られることによって形成されている。なお、本実施形態では素線11cを構成する主となる金属として錫入り銅合金を想定しているが、特にこれに限らず、他の銅合金、純銅、アルミニウム、及びアルミニウム合金等であってもよい。
なお、以下の説明において、最内層撚線である中心撚線11aに接する層である1層目を構成する6本の周囲撚線11bを第1層撚線11b1といい、2層目を構成する12本の周囲撚線11bを第2層撚線11b2といい、3層目を構成する18本の周囲撚線11bを第3層撚線11b3といい、4層目(最外層)を構成する24本の周囲撚線11bを最外層撚線11b4という。
ここで、本実施形態において周囲撚線11bは、各集合撚線11の下撚り方向と本撚り方向とが逆方向となっており、且つ、隣接する層同士において本撚り方向が逆方向となっている。
一例を説明する。表1は、本実施形態に係る耐屈曲電線1の撚り方向の一例を示す表である。
例えば表1に示すように、第1層撚線11b1の下撚り方向はS方向となっている。これに対して、第1層撚線11b1の本撚り方向はZ方向となっている。このように、第1層において集合撚線11の下撚り方向と本撚り方向とが逆方向となっている。
また、第2層撚線11b2の下撚り方向はZ方向となっているのに対して、本撚り方向はS方向となっている。さらに、第3層撚線11b3の下撚り方向はS方向となっているのに対して、本撚り方向はZ方向となっている。加えて、最外層撚線11b4の下撚り方向はZ方向となっており、本撚り方向はS方向となっている。
このように、第2層、第3層及び最外層においても集合撚線11の下撚り方向と本撚り方向とが逆方向となっている。
ここで、各集合撚線11の下撚り方向と本撚り方向とが逆方向となっていると、屈曲時において一方向に力(例えば図2に示す断面において中心撚線11aを中心とする回転方向の力)が作用したとしても、この力と、下撚り方向及び本撚り方向のいずれか一方とが逆向きとなるため、集合撚線11の形状の崩れや扁平が発生し難くなる。
また、表1に示すように、第1層撚線11b1の本撚り方向はZ方向となっており、第2層撚線11b2の本撚り方向はS方向となっている。このため、隣接する第1層と第2層とにおいて本撚り方向が逆方向となっている。
さらに、第3層撚線11b3の本撚り方向はZ方向であり、最外層撚線11b4の本撚り方向はS方向であるため、第2層と第3層、第3層と最外層とについても本撚り方向が逆方向となっている。
このように、周囲撚線11bについて、隣接する層同士の本撚り方向が逆方向となっていると、屈曲時に一方向に力(上記と同様の力)が作用したとしても、この力といずれかの層における本撚り方向とが逆向きとなるため、周囲撚線11bの全体で見た場合における形状の崩れや扁平についても発生し難くすることができる。
このように、上記のような撚り方向の関係であると、導体部10の形状の崩れや扁平を発生し難くすることができる。
ここで、各集合撚線11の下撚り方向と本撚り方向とが逆方向とし、且つ、隣接する層同士の本撚り方向を逆方向とすると、同じ層の集合撚線11同士及び異なる層の集合撚線11同士の素線11cが点接触することとなって摩耗断線し易くなることから、耐屈曲性の低下が懸念される。
そこで、本実施形態に係る耐屈曲電線1において、集合撚線11の本数は、各集合撚線11を構成する複数本の素線11cの本数よりも多くされている。このため、1本の集合撚線11の素線11cの本数を比較的少なくでき、屈曲時における集合撚線11の内部歪みを小さくすることとなり、耐屈曲性の低下を抑制することとなる。
詳細に説明すると、撚線においては、これを構成する素線の径が小さくなるほど、屈曲時における素線の内部歪みが抑えられるため、耐屈曲性が向上する。このため、所定の導体断面積に対して、素線本数を多くすることで素線径を小さくして耐屈曲性の向上を図ることができる。しかし、現実には素線間に摩擦が発生して、擬似的に太い電線のように作用してしまい、折角素線径を小さくしたにも拘わらず充分な耐屈曲性が得られ難くなってしまう。すなわち、擬似的に太い電線のように作用して屈曲時においては太い電線と同様に内部歪みが発生し得てしまう。そこで、集合撚線11の本数を、各集合撚線11を構成する複数本の素線11cの本数よりも多くする。これにより、1本の集合撚線11の素線11cの本数を比較的少なくして、集合撚線11が擬似的に太い1本の電線として作用してしまっても、このような擬似的に太くなる電線の径を極力抑えることとなり、耐屈曲性の低下を抑制することとなる。
加えて、本実施形態に係る耐屈曲電線1において、最内層撚線である中心撚線11aの下撚り方向と、周囲撚線11bのうち中心撚線11aに接する層を構成する集合撚線11、すなわち第1層撚線11b1の下撚り方向とは一致していることが好ましい。
これにより、中心撚線11aと第1層撚線11b1との素線11cの延びる方向が同じとなり、更なる耐屈曲性の向上に寄与することができるからである。
次に、実施例及び比較例に係る耐屈曲電線1を説明する。表2は、実施例及び比較例1,2に係る耐屈曲電線1の導体部10の詳細を示す表である。
表2に示すように、実施例においては、径を0.08mmとする27本の錫入り銅合金の素線を撚って集合撚線を61束分作成し、これらをさらに層毎(中心撚線を除き4層構造)に撚って複合撚線を作成して導体部とした。ここで、中心撚線の撚り方向をS方向としピッチを12mmとした。また、第1層、第2層、第3層及び最外層撚線の下撚りピッチを17mmに統一した。下撚り方向は順にZ方向、S方向、Z方向、及びS方向とした。さらに、第1層、第2層、第3層及び最外層撚線の本撚りピッチは、順に25mm、49mm、73mm、及び93mmとした。本撚り方向は順にS方向、Z方向、S方向、及びZ方向とした。
また、比較例1においては、径を0.08mmとする44本の錫入り銅合金の素線を撚って集合撚線を37束分作成し、これらをさらに層毎(中心撚線を除き3層構造)に撚って複合撚線を作成して導体部とした。ここで、中心撚線の撚り方向をS方向としピッチを16mmとした。また、第1層、第2層、及び最外層撚線の下撚りピッチを22mmに統一した。下撚り方向は順にS方向、Z方向、及びS方向とした。さらに、第1層、第2層、第3層及び最外層撚線の本撚りピッチは、順に31mm、62mm、及び89mmとした。本撚り方向は順にZ方向、S方向、及びZ方向とした。
さらに、比較例2においては、径を0.08mmとする228本の錫入り銅合金の素線を撚って集合撚線を7束分作成し、これらをさらに層毎(中心撚線を除き1層構造)に撚って複合撚線を作成して導体部とした。ここで、中心撚線の撚り方向をS方向としピッチを40mmとした。また、最外層撚線の下撚りピッチを55mmとし、下撚り方向をS方向とした。さらに、最外層撚線の本撚りピッチを、67mmとし、本撚り方向をZ方向とした。
実施例及び比較例1,2の導体部上にポリエチレン樹脂をチューブ状に成形した後、電子線照射により架橋させて被覆部を作成し、図2に示すような電線形態とした。
そして、上記実施例、及び比較例1,2の電線に対して屈曲試験を行った。屈曲試験については、円筒形マンドレル屈曲試験器を用いて、それぞれの実施例及び比較例に係る電線を真直ぐに伸ばした状態から、常温で0°から120°の角度範囲で曲げ半径30mmの曲げを繰り返し行い、素線が断線したとき(すなわち導体部の抵抗が屈曲前より10%上昇したとき)の曲げ回数(往復回数)を測定した。屈曲試験は、無荷重(荷重0g)にて行い、屈曲速度は1.5回/sとした。
表3は、実施例及び比較例1,2に係る屈曲試験の結果を示す表である。なお、表3にでは導体構成についても示すものとする。
表3に示すように、実施例では集合撚線の素線本数(下撚り本数)が27本であり、集合撚線の本数(本撚り本数)が61本であることから、全体の素線本数は1647本である。
また、比較例1及び比較例2は、集合撚線の素線本数(下撚り本数)がそれぞれ44本及び228本であり、集合撚線の本数(本撚り本数)がそれぞれ37本及び7本であり、全体の素線本数はそれぞれ1628本及び1596本である。
ここで、実施例、比較例1及び比較例2において素線径は同じであることから、導体断面積は、略同じであるといえる。
このような略同一の導体断面積を有する例のうち、実施例においては、集合撚線の本数が各集合撚線を構成する複数本の素線の本数よりも多くされているため、1本の集合撚線の径が比較的小さくなる。すなわち、擬似的に1本の電線として作用してしまう集合撚線の径を小さくすることとなり、屈曲時における内部歪みを極力抑えることとなる。よって、耐屈曲性の低下を抑制することとなり、耐屈曲試験の結果は約250万回と高い耐屈曲性を示す値となった。
一方、比較例1においては、集合撚線の本数が各集合撚線を構成する複数本の素線の本数よりも多くされていないため、集合撚線の径が比較的大きくなる。よって擬似的に1本の電線として作用してしまう集合撚線の径が比較的大きくなってしまい、屈曲時における内部歪みを抑え難く、耐屈曲性の低下を抑制し難くなる。このため、耐屈曲試験の結果は約200万回と実施例よりも低い値となった。
さらに、比較例2のように、1本の集合撚線の素線本数を228本という非常に多い本数としてしまうと、擬似的に1本の電線として作用してしまう集合撚線の径が飛躍的に大きくなってしまい、耐屈曲性が著しく低下してしまう。よって、耐屈曲試験の結果は約50万回と実施例よりもかなり低い値となってしまった。
以上のように、屈曲時における形状の崩れや扁平を考慮して、各集合撚線の下撚り方向と本撚り方向とを逆方向とし、且つ、隣接する層同士の本撚り方向を逆方向としたとしても、実施例のような1本の集合撚線の素線本数と集合撚線の本数との関係性によれば、耐屈曲性の低下を抑制することができた。
なお、実施例は1本の集合撚線の素線本数が27本であり、集合撚線の本数が61本であるが、集合撚線の本数を、各集合撚線を構成する素線の本数よりも多くすれば、実施例と同様の結果が得られることも推察できる。
このようにして、本実施形態に係る耐屈曲電線1によれば、周囲撚線11bは、各集合撚線11の下撚り方向と本撚り方向とが逆方向となっているため、屈曲時に一方向に力が作用したとしても、この力と、下撚り方向又は本撚り方向とが逆向きとなるため、集合撚線11の形状の崩れや扁平が発生し難くなる。また、周囲撚線11bは、隣接する層同士において本撚り方向が逆方向となっているため、屈曲時に一方向に力が作用したとしても、この力といずれかの層における本撚り方向とが逆向きとなるため、周囲撚線11b全体で見た場合における形状の崩れや扁平についても発生し難くすることができる。
ここで、各集合撚線11の下撚り方向と本撚り方向とが逆方向とし、且つ、隣接する層同士の本撚り方向を逆方向とすると、同じ層の集合撚線11同士及び異なる層の集合撚線11同士の素線が点接触することとなって耐屈曲性の低下が懸念されるが、集合撚線11の本数が各集合撚線11を構成する複数本の素線の本数よりも多くされているため、1本の集合撚線11の素線本数を比較的少なくでき、屈曲時における集合撚線11の内部歪みを小さくすることとなり、耐屈曲性の低下を抑制することができる。
従って、導体部10の形状の崩れや扁平を抑えつつも耐屈曲性の低下を抑制することができる。
また、中心撚線11aの下撚り方向と周囲撚線11bのうち中心撚線11aに接する層を構成する集合撚線11の下撚り方向とが一致しているため、中心撚線11aと中心撚線11aに接する層の集合撚線11、すなわち第1層撚線11b1とにおいて素線11cの延びる方向が同じとなり、更なる耐屈曲性の向上に寄与することができる。
また、本実施形態に係るワイヤハーネスWHによれば、耐屈曲電線1を含むワイヤハーネスWHであるため、耐屈曲性に優れ例えばスライドドアなど繰り返し屈曲されてしまう部位に用いられるワイヤハーネスWHとして好適なものを提供することができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。
例えば、本実施形態に係る耐屈曲電線1は、最内層となる集合撚線11が例えば3本など、多数本によって構成されていてもよい。
また、本実施形態に係る耐屈曲電線1は耐屈曲性の低下を抑制するものであるが、必ずしも屈曲部に用いられるとは限らず、直線部等に設けられるものであってもよい。
さらに、本実施形態に係る耐屈曲電線1は、導体断面の扁平抑制効果を有する。また、集合撚線11の本数が1本の集合撚線11を構成する複数本の素線11cの本数よりも多くなって、1本1本の集合撚線11の径が小さくなる関係上、最外層撚線11b4の径も小さくなる。これにより、絶縁体20の厚さのばらつきが小さくなる。すなわち、絶縁体の肉厚差の低減効果により、他の良好な結果をもたらすことも考えられる。
加えて、本実施形態において各集合撚線11を構成する素線11cの本数は全て同じであるが、これに限らず、各集合撚線11を構成する素線11cの本数は一部異なっていてもよい。例えば、27本の素線によって構成される集合撚線11と、37本の素線によって構成される集合撚線11とが混在してもよい。この場合、集合撚線11の本数は、各集合撚線11を構成する複数本の素線11cのうち多い方の本数よりも多くなる。
1 :耐屈曲電線
10 :導体部
11 :集合撚線
11a :中心撚線(最内層撚線)
11b :周囲撚線
11b1:第1層撚線
11b2:第2層撚線
11b3:第3層撚線
11b4:最外層撚線
11c :素線
12 :複合撚線
20 :絶縁体
C :コネクタ
W :電線
WH :ワイヤハーネス

Claims (3)

  1. 導電性の素線を複数本撚る下撚りによって形成される集合撚線を更に複数本撚る本撚りによって形成される複合撚線を導体部とする耐屈曲電線であって、
    前記導体部は、当該導体部の最も断面中心側に位置する集合撚線である最内層撚線と、前記最内層撚線の周囲に複数層に重なって設けられる集合撚線である周囲撚線と、からなり、
    前記周囲撚線は、各集合撚線の下撚り方向と本撚り方向とが逆方向となっており、且つ、隣接する層同士において本撚り方向が逆方向となっており、
    前記集合撚線の本数は各集合撚線を構成する複数本の素線の本数よりも多い
    ことを特徴とする耐屈曲電線。
  2. 前記最内層撚線の下撚り方向と、前記周囲撚線のうち前記最内層撚線に接する層を構成する集合撚線の下撚り方向とは、一致している
    ことを特徴とする請求項1に記載の耐屈曲電線。
  3. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載の耐屈曲電線を含む
    ことを特徴とするワイヤハーネス。
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