JP5970612B2 - 絶縁電線及びその製造方法、並びにワイヤハーネス - Google Patents

絶縁電線及びその製造方法、並びにワイヤハーネス Download PDF

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Description

本発明は、絶縁電線及びその製造方法、並びにワイヤハーネスに関する。
従来、導電性の金属素線を複数本撚ることによって導体部を形成した絶縁電線が提案されている。このような絶縁電線では、導体部が内層と外層との2層構造になっているものがあり、内層を形成する素線及び外層を形成する素線は、一括して撚られる構成が採用されている。
また、このような絶縁電線では、屈曲性の向上のため、内層と外層とを別に撚るものも提案されている。この絶縁電線において内層の素線は集合撚りされ、外層の素線は360°を2θで割った自然数n本よりも1本少ないn−1本とされている。このように構成することで、屈曲時において内層の素線は、集合撚りされていることから導体歪みが緩和する方向に移動可能となると共に、外層の素線も1本少ないことから導体歪みが緩和する方向に移動可能となる。また、内層と外層とが別々に撚られていることから、外層の素線が内層に移動してしまうことも防止している。
しかし、この絶縁電線では、以下の問題がある。図8は、従来の絶縁電線を示す断面図である。図8に示すように、例えば内層の素線数が7本であり、外層の素線数が12本である絶縁電線100を製造する場合、中心素線101(内層の素線)の周囲に6本の内層の素線102が配置されることとなり、その上から外層の素線を撚ったとすると、外層の素線103は、内層の素線102の隙間に入り込むこととなり、結果として19本の同心撚り構成に酷似してしまう。これにより、素線101〜103間の空間が無くなることとなり、屈曲時において上記の効果を見込めないこととなってしまう。
そこで、内層を撚った後に外層を撚る絶縁電線において、内層と外層との撚り方向を同じとすると共に、内層の撚りピッチと外層の撚りピッチとを異ならせることとしたものが提案されている。この絶縁電線では、内層の撚りピッチと外層の撚りピッチとが異なっているため、外層の素線は内層の素線の隙間に入らなくなり、素線間に隙間を形成することができる。すなわち、屈曲時において導体歪みが緩和する方向に素線を移動させることができる(特許文献1参照)。
日本国特開平4−289610号公報
しかし、特許文献1に記載の絶縁電線は、屈曲耐久性の面において未だ改善の余地があるものであった。
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その発明の目的とするところは、より屈曲耐久性を向上させることが可能な絶縁電線及びその製造方法、並びにワイヤハーネスを提供することにある。
本発明の絶縁電線は、中心に位置する中心金属素線と、前記中心金属素線の外周側において撚られた複数の内層金属素線とによって形成された内層導体と、前記内層導体上において複数の外層金属素線を前記複数の内層金属素線の撚り方向と同方向に撚って形成された外層導体と、を備え、前記複数の内層金属素線と前記複数の外層金属素線とは、異なるピッチで撚られており、且つ、屈曲時における素線歪みが前記中心金属素線の素線歪みと同じとなるピッチとされている。
また、本発明の絶縁電線の製造方法は、中心に位置する中心金属素線の外周側において複数の内層金属素線を撚って内層導体を形成する内層導体形成工程と、前記内層導体形成工程において形成された内層導体上において複数の外層金属素線を前記複数の内層金属素線の撚り方向と同方向に撚って外層導体形成する外層導体形成工程と、を備え、前記複数の内層金属素線と前記複数の外層金属素線とは、異なるピッチで撚られており、且つ、屈曲時における素線歪みが前記中心金属素線の素線歪みと同じとなるピッチとされている。
また、本発明のワイヤハーネスは、上記絶縁電線を含んでいる。
この絶縁電線及びその製造方法によれば、内層金属素線と外層金属素線とは、異なるピッチで撚られていることから、内層導体と外層導体との間に隙間を作ることができ、屈曲時において導体歪みが緩和する方向に金属素線を移動させることができる。また、外層金属素線が内層金属素線の撚り方向と同方向に撚られているため、内層金属素線と外層金属素線との交差ポイントが互いの拘束点とならず応力集中を受け難くすることができる。よって、屈曲耐久性を向上させることができる。
さらに、内層金属素線と外層金属素線とは、屈曲時における中心金属素線の素線歪みと同じとなるピッチとされている。ここで、屈曲時において、金属素線は、外周側に位置するほど曲げ半径が小さくなることから、歪みが大きくなる傾向にある。一方、撚りピッチが小さくなると、素線がコイル形状に線長が長くなって曲げ歪みが減少することとなる。また、中心金属素線については、コイル形状に撚られることがなく曲げ歪みが一定である。このため、曲げ歪みが一定となる中心金属素線に合わせて内層金属素線と外層金属素線とのピッチを設定することにより、繰り返しの屈曲によって内層金属素線や外層金属素線のみが中心金属素線よりも先に破断してしまうことを防止でき、より屈曲耐久性を向上させることができる。
なお、撚りピッチを一層小さくすることにより、内層金属素線と外層金属素線との歪みを一層小さくすることができるが、撚りピッチを小さくし過ぎると金属素線同士の拘束が強くなって撚り線が一個の塊として振る舞ってしまうため、屈曲耐久性の低下を招く可能性がある。よって、撚りピッチを小さくし過ぎず、内層金属素線と外層金属素線とを、屈曲時における中心金属素線の素線歪みと同じとなるピッチとすることが最適といえ、屈曲耐久性の面で優れているといえる。
本発明によれば、より屈曲耐久性を向上させることが可能な絶縁電線及びその製造方法、並びにワイヤハーネスを提供することができる。
本発明の実施形態に係る絶縁電線を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る絶縁電線を示す斜視図である。 曲げにより各金属素線に作用する歪みを説明する図であって、絶縁電線の断面を示している。 曲げにより各金属素線に作用する歪みを説明する図であって、屈曲による歪みの算出方法を示している。 曲げにより各金属素線に作用する歪みを説明する図であって、金属素線毎の曲げ半径と素線歪を示している。 撚りピッチと素線歪みとの相関を示すグラフである。 各種サイズの絶縁電線に対する所定の撚りピッチ(内層撚りピッチ)及び規定の撚りピッチ(外層撚りピッチ)を示す表である。 屈曲試験用の装置を示す概略図である。 本実施形態に係る撚りピッチにて製造された絶縁電線と比較例に係る絶縁電線との屈曲耐久回数を示す図である。 従来の絶縁電線を示す断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。図1は、本発明の実施形態に係る絶縁電線を示す断面図であり、図2は、本発明の実施形態に係る絶縁電線を示す斜視図である。
本実施形態に係る絶縁電線1は、図1に示すように、導体10上に絶縁性の絶縁部材20を被覆したものである。導体10は、内層導体11と内層導体11上に設けられる外層導体12とから構成されている。この絶縁電線1は、例えば、車両に配索されるワイヤハーネスに含まれる電線として用いられる。
より詳細に内層導体11は、中心に位置する1本の中心金属素線11aと、中心金属素線11aの外周側にて所定の撚りピッチで撚られた複数の内層金属素線11b(図1及び図2に示す例において6本)とによって形成されている。また、外層導体12は、内層導体11上において複数の外層金属素線12a(図1及び図2に示す例において12本)を内層導体11の撚り方向と同方向に規定の撚りピッチで撚られて形成されている。
なお、各素線11b,12aの本数は図1及び図2に示す本数に限るものではない。また、素線11a,11b,12aは、例えば軟銅や銅合金によって構成されているが、これに限らず、錫やアルミなどの合金から構成されていてもよい。
さらに、本実施形態に係る絶縁電線1において、内層導体11の所定の撚りピッチ及び外層導体12の規定の撚りピッチは、異なるピッチとなっている。このため、図1の断面図に示すように、内層導体11と外層導体12との間に隙間を作ることができ、屈曲時において導体歪みが緩和する方向に金属素線11b,12aを移動させることができる。
また、外層金属素線12aが内層金属素線11bの撚り方向と同方向に撚られているため、内層金属素線11bと外層金属素線12aとの交差ポイントが互いの拘束点とならず応力集中を受け難くすることができる。すなわち、撚り方向が逆方向であると、内層金属素線11bと外層金属素線12aとの交差ポイントが生じてしまう。そして、この交差ポイントが拘束点となって、応力集中が発生してしまう。しかし、撚り方向を同方向とすることにより、このような問題が発生しないようにすることができる。
加えて、本実施形態に係る絶縁電線1において所定の撚りピッチ及び規定の撚りピッチは、規定の屈曲(例えば曲げ半径R=20mm)時における複数の内層金属素線11bと複数の外層金属素線12aの素線歪みが中心金属素線11aの素線歪みと同じとなるピッチとされている。これにより、本実施形態に係る絶縁電線1は、より屈曲耐久性を向上させている。以下、この点について詳細に説明する。
図3A〜図3Cは、曲げにより各金属素線11a,11b,12aに作用する歪みを説明する図であって、図3Aは絶縁電線1の断面を示し、図3Bは屈曲による歪みの算出方法を示し、図3Cは金属素線11a,11b,12a毎の曲げ半径と素線歪を示している。なお、図3Cにおいては便宜上、内層導体11と外層導体12とは撚られていない真直な形態になっていると設定したうえで、曲げ半径から素線歪みを算出している。
まず、図3Aに示すように、各金属素線11a,11b,12aは絶縁部材20側から、外層金属素線12a、内層金属素線11b(中心金属素線を除く)、及び中心金属素線11aの順に並ぶこととなる。
また、図3Bに示すように、屈曲による歪みeは、線材の内周における曲げ半径をRとした場合、線材の最外周における曲げ半径はR1となり、線材の中心における曲げ半径はR2となる。そして、屈曲による歪みeは、e=R1/R2−1なる式によって表わすことができる。
ここで、曲げ半径Rが20mmであり、各金属素線11a,11b,12aの径が0.08mmであり、絶縁部材20の厚さが0.22mmであるとすると、図3Cに示すように、外層金属素線12aについて内周側の曲げ半径は20.22mmとなり、外周側の曲げ半径は20.30mmとなり、中心の曲げ半径は20.26mmとなる。そして、上記の式からも明らかように、外層金属素線12aの歪みは、0.1974%となる。
同様に、内層金属素線11bについて内周側の曲げ半径は20.30mmとなり、外周側の曲げ半径は20.38mmとなり、中心の曲げ半径は20.34mmとなる。そして、上記の式からも明らかように、内層金属素線11bの歪みは、0.1967%となる。
また、中心金属素線11aについて内周側の曲げ半径は20.38mmとなり、外周側の曲げ半径は20.46mmとなり、中心の曲げ半径は20.42mmとなる。そして、上記の式からも明らかように、中心金属素線11aの歪みは、0.1959%となる。
このように、屈曲時において、金属素線11a,11b,12aは、外周側に位置するほど曲げ半径が小さくなることから、歪みが大きくなる傾向にある。
図4は、撚りピッチと素線歪みとの相関を示すグラフである。撚り線では、素線がコイル形状になり線長が大きくなることから、曲げによる歪みが減少する傾向にある。撚りによる歪みへの寄与率は以下の式で算出できる。
ε/e=2k/{(2+u)×k−u}
ここで、εは撚り加工した素線の曲げ歪みであり、eは撚り加工しない真直な素線の曲げ歪みであり、uは線材のポアソン比(例えば純銅、銅合金で0.3)であり、kは(1ピッチ分の撚り素線の長さ)/(撚りピッチ)である。
そして、上記の式から図4に示すグラフが得られる。なお、図4に示すグラフにおいて、曲げ半径R(内周側)は20mmであり、各金属素線11a,11b,12aの径は0.08mmであり、絶縁部材20の厚さは0.22mmである。
図4に示すように、中心金属素線11aは撚られていないことから、素線歪みは一定値(0.1959%)となる。これに対して、内層金属素線11b及び外層金属素線12aは、撚りピッチが小さくなるほど、金属素線11b,12aの線長が大きくなるため、歪みが減少する。具体的に内層金属素線11bの場合、撚りピッチが5mmであるとき0.1954%となり、10mmであるとき0.1963%となり、15mmであるとき0.1966%となり、20mmであるとき0.1967%となる。また、外層金属素線12aの場合、撚りピッチが5mmであるとき0.1925%となり、10mmであるとき0.1962%となり、15mmであるとき0.1968%となり、20mmであるとき0.1971%となる。
そして、内層金属素線11bは撚りピッチが6.5mmにおいて歪みが中心金属素線11aの歪みと一致し、外層金属素線12aは撚りピッチが9.1mmにおいて歪みが中心金属素線11aの歪みと一致することとなる。
このため、曲げ歪みが一定となる中心金属素線11aに合わせて内層導体11の所定の撚りピッチ及び外層導体12の規定の撚りピッチを設定することにより、繰り返しの屈曲によって例えば外層金属素線12a及び内層金属素線11bのみが中心金属素線11aよりも先に破断してしまうことを防止でき、より屈曲耐久性を向上させることができる。
なお、撚りピッチを一層小さくすることにより、内層金属素線11bと外層金属素線12aとの歪みを一層小さくすることができるが、撚りピッチを小さくし過ぎると金属素線11a,11b,12a同士の拘束が強くなって撚り線が一個の塊として振る舞ってしまうため、屈曲耐久性の低下を招く可能性がある。よって、撚りピッチを小さくし過ぎず、所定の撚りピッチ及び規定の撚りピッチを、屈曲時における中心金属素線11aの素線歪みと同じとなるピッチとすることが最適といえ、屈曲耐久性の面で優れているといえる。
図5は、各種サイズの絶縁電線1に対する所定の撚りピッチ(内層撚りピッチ)及び規定の撚りピッチ(外層撚りピッチ)を示す表である。図5に示すように、断面積0.08mmの電線において素線径が0.08mmである場合、曲げ半径Rが20mmであるときの中心金属素線11aの歪みは0.1959%であり、内層金属素線11bは所定の撚りピッチが6.5mmで歪みが0.1959%となり、外層金属素線12aは規定の撚りピッチが9.1mmで歪みが0.1959%となり、中心金属素線11aの歪みと同じとなる。
同様に、断面積0.13mmの電線において素線径が0.10mmである場合、曲げ半径Rが20mmであるときの中心金属素線11aの歪みは0.2439%であり、内層金属素線11bは所定の撚りピッチが7.2mmで歪みが0.2439%となり、外層金属素線12aは規定の撚りピッチが10.2mmで歪みが0.2439%となり、中心金属素線11aの歪みと同じとなる。
また、断面積0.22mmの電線において素線径が0.13mmである場合、曲げ半径Rが20mmであるときの中心金属素線11aの歪みは0.3159%であり、内層金属素線11bは所定の撚りピッチが8.3mmで歪みが0.3159%となり、外層金属素線12aは規定の撚りピッチが11.6mmで歪みが0.3159%となり、中心金属素線11aの歪みと同じとなる。
さらに、断面積0.35mmの電線において素線径が0.16mmである場合、曲げ半径Rが20mmであるときの中心金属素線11aの歪みは0.3874%であり、内層金属素線11bは所定の撚りピッチが9.2mmで歪みが0.3874%となり、外層金属素線12aは規定の撚りピッチは12.9mmで歪みが0.3874%となり、中心金属素線11aの歪みと同じとなる。
また、断面積0.5mmの電線において素線径が0.19mmである場合、曲げ半径Rが20mmであるときの中心金属素線11aの歪みは0.4577%であり、内層金属素線11bは所定の撚りピッチが10.1mmで歪みが0.4577%となり、外層金属素線12aは規定の撚りピッチが14.1mmで歪みが0.4577%となり、中心金属素線11aの歪みと同じとなる。
さらに、断面積0.75mmの電線において素線径が0.23mmである場合、曲げ半径Rが20mmであるときの中心金属素線11aの歪みは0.5509%であり、内層金属素線11bは所定の撚りピッチが11.0mmで歪みが0.5509%となり、外層金属素線12aは規定の撚りピッチが15.4mmで歪みが0.5509%となり、中心金属素線11aの歪みと同じとなる。
また、断面積1.0mmの電線において素線径が0.27mmである場合、曲げ半径Rが20mmであるときの中心金属素線11aの歪みは0.6436%であり、内層金属素線11bは所定の撚りピッチが12.0mmで歪みが0.6436%となり、外層金属素線12aは規定の撚りピッチが16.8mmで歪みが0.6436%となり、中心金属素線11aの歪みと同じとなる。
さらに、断面積1.25mmの電線において素線径が0.30mmである場合、曲げ半径Rが20mmであるときの中心金属素線11aの歪みは0.7126%であり、内層金属素線11bは所定の撚りピッチが12.7mmで歪みが0.7126%となり、外層金属素線12aは規定の撚りピッチが17.7mmで歪みが0.7126%となり、中心金属素線11aの歪みと同じとなる。
また、断面積1.5mmの電線において素線径が0.33mmである場合、曲げ半径Rが20mmであるときの中心金属素線11aの歪みは0.7811%であり、内層金属素線11bは所定の撚りピッチが13.3mmで歪みが0.7811%となり、外層金属素線12aは規定の撚りピッチが18.5mmで歪みが0.7811%となり、中心金属素線11aの歪みと同じとなる。
さらに、断面積2.0mmの電線において素線径が0.38mmである場合、曲げ半径Rが20mmであるときの中心金属素線11aの歪みは0.8933%であり、内層金属素線11bは所定の撚りピッチが14.3mmで歪みが0.8933%となり、外層金属素線12aは規定の撚りピッチが19.8mmで歪みが0.8933%となり、中心金属素線11aの歪みと同じとなる。
また、断面積2.5mmの電線において素線径が0.42mmである場合、曲げ半径Rが20mmであるときの中心金属素線11aの歪みは0.9827%であり、内層金属素線11bは所定の撚りピッチが15.0mmで歪みが0.9827%となり、外層金属素線12aは規定の撚りピッチが21.0mmで歪みが0.9827%となり、中心金属素線11aの歪みと同じとなる。
さらに、断面積3.0mmの電線において素線径が0.46mmである場合、曲げ半径Rが20mmであるときの中心金属素線11aの歪みは1.0698%であり、内層金属素線11bは所定の撚りピッチが15.8mmで歪みが1.0698%となり、外層金属素線12aは規定の撚りピッチが21.9mmで歪みが1.0698%となり、中心金属素線11aの歪みと同じとなる。
図6は、屈曲試験用の装置を示す概略図である。図6に示すように、絶縁電線1は上クランプ31と下クランプ32により保持され、面盤33が回転することにより屈曲させられる。下クランプ32は上下動が可能となっており、マンドレル34の径に応じた曲げ半径の屈曲が面盤33の回転(正逆の回転)により繰り返し加えられることとなる。なお、屈曲速度は2回/sであり、内層導体11及び外層導体12は抵抗値が10%上昇すると、導体抵抗管理が必要な機器に使用できなくなるため、10%抵抗値が上昇するまでの屈曲耐久回数を測定することとなる。
図7は、本実施形態に係る撚りピッチにて製造された絶縁電線1と比較例に係る絶縁電線との屈曲耐久回数を示す図である。図7に示すように本実施形態に係る撚りピッチにて製造された絶縁電線1は、内層金属素線11bと外層金属素線12aとの撚りピッチが異なることから、内層導体11と外層導体12との間に隙間を有する。このため、屈曲時において導体歪みが緩和する方向に金属素線11b,12aを移動させることができる。
これに対して比較例に係る絶縁電線100では、外層の素線103を内層の素線102と一括して撚ると、外層の素線103が内層の素線102の隙間に入り込むこととなる。これにより、素線101〜103間の空間が無くなることとなり、導体歪みが緩和する方向に金属素線11b,12aを移動させることができない。また、比較例に係る絶縁電線100は、本実施形態の撚りピッチとされていない。
この結果、導体10を銅合金とした断面積0.08mmの電線において曲げ半径Rを10mmとした場合、10%抵抗値が上昇するまでの屈曲耐久回数は本実施形態に係る絶縁電線1で4460640回となり、比較例に係る絶縁電線100で3345498回となった。また、導体10をタフピッチ銅とした断面積0.75mmの電線においては、10%抵抗値が上昇するまでの屈曲耐久回数は本実施形態に係る絶縁電線1で14621回となり、比較例に係る絶縁電線100で10776回となった。
このように、本実施形態に係る絶縁電線1は、所定の撚りピッチ及び規定の撚りピッチは、異なるピッチであり、且つ、屈曲時における中心金属素線11aの素線歪みと同じとなるピッチとされているため、比較例よりも屈曲耐久回数が多くなることがわかった。
なお、このような絶縁電線1を製造するには、まず中心金属素線11aの外周側にて所定の撚りピッチで複数の内層金属素線11bを撚る内層導体形成工程を行う。このときの所定の撚りピッチは、上記したように、絶縁電線1の仕様に合わせて決定され、屈曲時における中心金属素線11aの素線歪みと同じとなるピッチとされる。
次に、内層導体11上において複数の外層金属素線12aを内層導体11の撚り方向と同方向に規定の撚りピッチで撚る外層導体形成工程を行う。このときの規定の撚りピッチは、上記したように、絶縁電線1の仕様に合わせて決定され、屈曲時における中心金属素線11aの素線歪みと同じとなるピッチとされる。
なお、上記のように撚りピッチが決定されると、所定の撚りピッチと規定の撚りピッチは異なるピッチとなり、内層導体11と外層導体12との間に隙間が形成される。
その後、内層導体11と外層導体12とで構成される導体10上の絶縁部材20が被覆される。この絶縁部材20は、屈曲時において導体歪みが緩和する方向に金属素線11b,12aを移動させるため、チューブ状のものが導体10上に被せられることとなる。
このようにして、本実施形態に係る絶縁電線1及びその製造方法によれば、内層金属素線11bと外層金属素線12aとは、異なるピッチで撚られていることから、内層導体11と外層導体12との間に隙間を作ることができ、屈曲時において導体歪みが緩和する方向に金属素線11b,12aを移動させることができる。また、外層金属素線12aが内層金属素線11bの撚り方向と同方向に撚られているため、内層金属素線11bと外層金属素線12aとの交差ポイントが互いの拘束点とならず応力集中を受け難くすることができる。よって、屈曲耐久性を向上させることができる。
さらに、内層金属素線11bと外層金属素線12aとは、屈曲時における中心金属素線11aの素線歪みと同じとなるピッチとされている。ここで、屈曲時において、金属素線11a,11b,12aは、外周側に位置するほど曲げ半径が小さくなることから、歪みが大きくなる傾向にある。一方、撚りピッチが小さくなると、素線11a,11b,12aがコイル形状に線長が長くなって曲げ歪みが減少することとなる。また、中心金属素線11aについては、コイル形状に撚られることがなく曲げ歪みが一定である。このため、曲げ歪みが一定となる中心金属素線11aに合わせて内層金属素線11bと外層金属素線12aとのピッチを設定することにより、繰り返しの屈曲によって内層金属素線11bや外層金属素線12aのみが中心金属素線11aよりも先に破断してしまうことを防止でき、より屈曲耐久性を向上させることができる。
なお、撚りピッチを一層小さくすることにより、内層金属素線11bと外層金属素線12aとの歪みを一層小さくすることができるが、撚りピッチを小さくし過ぎると金属素線11a,11b,12a同士の拘束が強くなって撚り線が一個の塊として振る舞ってしまうため、屈曲耐久性の低下を招く可能性がある。よって、撚りピッチを小さくし過ぎず、内層金属素線11bと外層金属素線12aとを、屈曲時における中心金属素線11aの素線歪みと同じとなるピッチとすることが最適といえ、屈曲耐久性の面で優れているといえる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。例えば、本実施形態における絶縁電線1は、図5の表に示したものに限られず、適宜寸法等を変更可能である。また、導体10についても銅合金に限らず、他の素材のものを用いてもよい。
ここで、上述した本発明に係る絶縁電線及びその製造方法、並びにワイヤハーネスの実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]〜[3]に簡潔に纏めて列記する。
[1]中心に位置する中心金属素線と、前記中心金属素線の外周側において撚られた複数の内層金属素線とによって形成された内層導体と、
前記内層導体上において複数の外層金属素線を前記複数の内層金属素線の撚り方向と同方向に撚って形成された外層導体と、を備え、
前記複数の内層金属素線と前記複数の外層金属素線とは、異なるピッチで撚られており、且つ、屈曲時における素線歪みが前記中心金属素線の素線歪みと同じとなるピッチとされている絶縁電線。
[2]中心に位置する中心金属素線の外周側において複数の内層金属素線を撚って内層導体を形成する内層導体形成工程と、
前記内層導体形成工程において形成された内層導体上において複数の外層金属素線を前記複数の内層金属素線の撚り方向と同方向に撚って外層導体形成する外層導体形成工程と、を備え、
前記複数の内層金属素線と前記複数の外層金属素線とは、異なるピッチで撚られており、且つ、屈曲時における素線歪みが前記中心金属素線の素線歪みと同じとなるピッチとされている絶縁電線の製造方法。
[3]上記[1]に記載の絶縁電線を含むワイヤハーネス。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2013年6月27日出願の日本特許出願(特願2013−134574)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明によれば、より屈曲耐久性を向上させることが可能な絶縁電線及びその製造方法を提供することができるという効果を奏する。この効果を奏する本発明は、絶縁電線及びその製造方法、並びにワイヤハーネスに関して有用である。
1…絶縁電線
10…導体
11…内層導体
11a…中心金属素線
11b…内層金属素線
12…外層導体
12a…外層金属素線
20…被覆部材

Claims (3)

  1. 中心に位置する中心金属素線と、前記中心金属素線の外周側において撚られた複数の内層金属素線とによって形成された内層導体と、
    前記内層導体上において複数の外層金属素線を前記複数の内層金属素線の撚り方向と同方向に撚って形成された外層導体と、を備え、
    前記複数の内層金属素線と前記複数の外層金属素線とは、異なるピッチで撚られており、且つ、屈曲時における素線歪みが前記中心金属素線の素線歪みと同じとなるピッチとされている
    絶縁電線。
  2. 中心に位置する中心金属素線の外周側において複数の内層金属素線を撚って内層導体を形成する内層導体形成工程と、
    前記内層導体形成工程において形成された内層導体上において複数の外層金属素線を前記複数の内層金属素線の撚り方向と同方向に撚って外層導体形成する外層導体形成工程と、を備え、
    前記複数の内層金属素線と前記複数の外層金属素線とは、異なるピッチで撚られており、且つ、屈曲時における素線歪みが前記中心金属素線の素線歪みと同じとなるピッチとされている
    絶縁電線の製造方法。
  3. 請求項1に記載の絶縁電線を含むワイヤハーネス。
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