JP7389624B2 - ケーブル - Google Patents
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Description
(1)径方向の断面において、中心に位置し、最外層に第1滑り素材が施された中心部材と、中心部材を囲うように位置し、最外層に第2滑り素材を施された複数の電線部と、複数本の電線部を撚り合わせた後に、複数本の電線部を結束する結束部材と、を備えるケーブルであって、第1滑り素材、及び第2滑り素材が、静摩擦係数が動摩擦係数以下からなる材料で構成されることを特徴とする。
(2)中心部材の硬度(アスカ-C型)は、30~98であることが好ましい。
(3)中心部材の扁平率(最小外径/最大外径)は、0.90~1.0であることが好ましい。
(4)中心部材は、介在の外周面に滑り素材が施された構造であることが好ましい。
(5)結束部材が、静摩擦係数が動摩擦係数以下からなる材料で構成されることが好ましい。
(6)第1滑り素材、及び/又は、第2滑り素材、及び/又は、結束部材は、テープ巻き構造からなることが好ましい。
(7)テープ巻きの巻きピッチが、テープの幅の0.1倍~5.0倍であることが好ましい。
(8)電線部の外径はいずれも同一であって、中心部材を囲うように配置された際、各電線部間の距離が、0μmより大きく20μm以下であることが好ましい。
(9)電線部の外径について、扁平率(最小外径/最大外径)が0.90~1.0であることが好ましい。
また、中心部材の硬度(アスカ-C型)が30~98の場合、中心部材の周囲にある電線部が中心に落ち込むことによるケーブルの変形が防止されるため、ケーブルの可動時、中心部材を中心としたベアリングに類似する動きとなる。
この動きと、滑り素材による摺動性との相乗効果により、電線間の摩擦等の過度な負荷が緩和され、耐屈曲性及び耐捻回性が格段に向上する。
中心部材の硬度(アスカ-C型)が30~98であると、周囲にある電線部3の位置が安定するため、ベアリングに類似する動きとなり、第1滑り素材22、第2滑り素材32による摺動性との相乗効果により、電線間の摩擦等の過度な負荷が緩和され、耐屈曲性及び耐捻回性が格段に向上する。
好ましくは50~98(アスカ-C型)であり、さらに好ましくは50~70である。
汎用のアスカ-ゴム硬度計C型を用い、総荷重9.8Nとする。
10mm以上であると、屈曲や捻回時においても、断面が円形状に維持できるため、ベアリング効果を発現する。
より好ましくは15mm以上である。
測定サンプル(長さ300mm)の先端に重り5gを取り付ける。測定サンプルが、測定台の支点より150mm外側に出るように固定し、測定台より垂らす。測定台と測定サンプルの先端の距離Xを測定する。(図2参照)
扁平率=最小外径/最大外径
中心部材2と電線部3との接触部分が点接触となるため、上述のベアリングに類似する動きがスムーズとなり摩擦が低減され、ケーブル1の耐屈曲性、耐捻回性が向上する。
より好ましくは、0.95~1.0である。
中心部材の変形率[%]={(変形前最小外径-変形後最小外径)/変形前最小外径}×100
より好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下である。
より好ましくは、第1滑り素材22、及び、第2滑り素材32、及び、結束部材4の全てがテープ巻き構造からなることである。
0.1倍以上である場合、テープ同士の摩擦及びテープを曲げる抵抗を低減できるため、ケーブル1の柔軟性が向上し、耐屈曲性、耐捻回性の向上に寄与する。
5.0倍以下である場合、第1滑り素材22、第2滑り素材32の滑り性や電線部3への押さえ効果を維持できる。
第1滑り素材22、及び/又は、第2滑り素材32、及び/又は、結束部材4の何れかのテープ巻きの巻きピッチが、テープの幅の0.1倍~5.0倍であればよいが、好ましくは、全てのテープ巻きの巻きピッチが、テープの幅の0.1倍~5.0倍である。
より好ましくは、テープ巻きの巻きピッチが、テープの幅の0.15倍~3.0倍である。
ここで同一とは、作製上生じ得る誤差は許容され、寸法の中心値から±10%以内は同一とする。
同一であることで、ベアリング効果が発現し、ケーブル1の耐屈曲性、耐捻回性の向上につながる。
各電線部3間の距離が、0μmより大きい場合、各電線部3間の摩擦が低減されるため、ケーブル1の耐屈曲性、耐捻回性が向上する。
20μm以下である場合、電線部3同士が好適に影響し合い、ベアリング効果が発現し、ケーブル1の耐屈曲性、耐捻回性が向上する。
上限について、より好ましくは10μm以下である。
下限については、ベアリング効果を阻害しない目的で1μm以上が好ましい。
扁平率=最小外径/最大外径
より好ましくは、0.95~1.0である。
導体の材質は特に限定されないが、例えば、銅やアルミニウム等の金属線や、あるいは、それらに錫、鉄、亜鉛、ニッケル等を添加した合金線等が用いられる。金属線の表面には、銀、錫等のメッキが施されてもよい。
導体の構造は特に限定されないが、複数の素線を撚り合わせた集合撚線を、さらに複数本撚り合わせた複合撚線構造であることが好ましい。単線構造や集合撚線構造と比較して、耐屈曲性が向上する。
0.005以上である場合、第2滑り素材32の効果が得られると共に、電線部3の細径化が可能である。
より好ましくは0.005~0.01である。
多芯ケーブル30の構造は特に限定されないが、例えば、導体31、第2滑り素材32、33から構成される。
同軸ケーブル300の構造は特に限定されないが、例えば、導体301、誘電体302、外部導体303、第2滑り素材304から構成される。
シース5の材質は特に限定されないが、好ましくは、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンが好ましい。
さらに、シース5の硬度が30~90(アスカーA型)であることが好ましい。中心部材2と電線部3の位置が安定し、ケーブルのベアリング効果の発現に、より効果的であり、ケーブル1の耐屈曲性、耐捻回性が向上する。
中心部材2について、中心21は、中から順にアラミド繊維、ポリプロピレン介在、綿介在からなり、その外周に第1滑り素材22としてPTFEテープ巻きを設ける。巻きラップは表1に示す。外径は約φ5.0mmである。
電線部3について、複合撚線構造からなる錫メッキ軟銅線(外径約φ2.3mm)の導体部31の外周に、第2滑り素材32としてPTFEテープを1/6ラップにて施す。
10本の電線部3を中心部材2の周囲に撚り合わせた後、10本の電線部3の外周に、結束部材4として紙テープを1/4ラップにて設ける。外径は約φ9.8mmである。
結束部材4の外周に、シースとして、ポリウレタンを厚さ1.2tにて施す(外径約12.2mm)。
屈曲試験方法を表す概略図を、図3(a)に示す。
測定条件として、サンプルの長さは600mm、曲げ半径Rは50mm、荷重は無(自重)である。
図のように左右90度の屈曲を1回とし、一定回数屈曲させた後に、導体部の抵抗値を測定する。試験前の抵抗値と比較した上昇率(%)を、表1に記載する。
屈曲試験方法を表す概略図を、図3(b)に示す。
測定条件として、サンプルの長さは600mm、固定間距離は200mm、荷重は500gfである。
図のようにサンプル端を左右180度捻じることを1回とし、一定回数捻回させた後に、導体部の抵抗値を測定する。試験前の抵抗値と比較した上昇率(%)を、表1に記載する。
これにより、屈曲や捻回時に優れる本願発明の実施例1では、硬度(アスカ-C型)が30以上であり、滑り素材を有さない比較例と比べ、一定の剛性を確認できる。これにより、本願発明は中心部材の断面が円形状に維持できるため、ベアリング効果を発現すると言える。
これより、屈曲や捻回時に優れる本願発明の実施例1では、柔軟性が10mm以上と、滑り素材を有さない比較例と比べ、一定の剛性を確認できる。硬度同様に、中心部材の断面が円形状に維持できるため、ベアリング効果を発現すると言える。
2 中心部材
21 中心
22 第1滑り素材
3 電線部
30 多芯ケーブル
300 同軸ケーブル
31 中心
32、33 第2滑り素材
4 結束部材
5 シース
6 空隙部
Claims (8)
- 径方向の断面において、中心に位置し、最外層に第1滑り素材が施された中心部材と、
前記中心部材を囲うように位置し、最外層に第2滑り素材を施された複数の電線部と、
複数本の前記電線部を撚り合わせた後に、複数本の前記電線部を結束する結束部材と、を備えるケーブルであって、
前記電線部の外径はいずれも同一であって、
前記中心部材を囲うように配置された際、各電線部間の距離が、0μmより大きく20μm以下であって、
前記第1滑り素材、及び前記第2滑り素材が、静摩擦係数が動摩擦係数以下からなる材料で構成されることを特徴とする、ケーブル。 - 前記中心部材の硬度(アスカ-C型)は、30~98であることを特徴とする、
請求項1に記載のケーブル。 - 前記中心部材の扁平率(最小外径/最大外径)は、0.90~1.0であることを特徴とする、
請求項1または2に記載のケーブル。 - 前記中心部材は、介在の外周面に滑り素材が施された構造であることを特徴とする、
請求項1~3の何れか一項に記載のケーブル。 - 前記結束部材が、静摩擦係数が動摩擦係数以下からなる材料で構成されることを特徴とする、
請求項1~4の何れか1項に記載のケーブル。 - 前記第1滑り素材、及び/又は、前記第2滑り素材、及び/又は、前記結束部材は、テープ巻き構造からなることを特徴とする、
請求項1~5の何れか1項に記載のケーブル。 - 前記テープ巻きの巻きピッチが、テープの幅の0.1倍~5.0倍であることを特徴とする、
請求項6に記載のケーブル。 - 前記電線部の外径について、扁平率(最小外径/最大外径)が0.90~1.0であることを特徴とする、
請求項1~7の何れか1項に記載のケーブル。
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