JP7010249B2 - 導体および電源ケーブル - Google Patents

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本発明は、導体、および該導体を用いた電源ケーブルに関する。
従来より、ケーブルに用いられる導体として、撚り導体が知られている(たとえば、特許文献1参照)。撚り導体は、一般的には、素線または集合撚り線を同心円状に並べて切断面の仕上がりが丸くなるように配置される。
このような撚り方を同心撚りというが、同心撚りの導体を用いた電源ケーブルとしては、図8(a)に示すように、中心に1本の子撚り導体142を配置し、その周囲に6本の子撚り導体144を配置して撚り合わせた7本撚りの導体151を用いた電源ケーブル201や、図8(b)に示すように、さらにその導体151の周囲に12本の子撚り導体145を配置して撚り合わせた19本撚りの導体152を用いた電源ケーブル202などが知られている。
特表2016-517133号公報
しかしながら、上述のように同心撚りされた導体151を用いた電源ケーブル201においては、たとえば、ロボットの関節部分など、捩りの発生する可動部に使用した場合、外層に位置する子撚り導体144により中心に位置する子撚り導体142が締め付けられて摩擦力が増大する。このため、子撚り導体142と子撚り導体144が互いに摩擦し合うことによって摩耗し、子撚り導体142、144の双方が断線しやすくなるという問題があった。なお、導体152を用いた電源ケーブル202においても同様に子撚り導体142、144、145が断線しやすくなる。
この問題を軽減するため、図9に示すように、最も断線しやすい中心部に子撚り導体142を配置しないようにすることが考えられる。しかし、この場合においても、導体160は、内層161と外層163の二重構造になるため、内層161が断線しやすくなり、内層161と外層163に寿命差が生じてしまうという問題があった。このため、電源ケーブル201、202、203のいずれにおいても、子撚り導体142の断線や内外層間の寿命差を生じさせない程度の十分な耐捩り性を得ることができなかった。
本発明の目的は、耐捩り性が高い導体および該導体を用いた電源ケーブルを提供することである。
本発明の導体は、
複数の子撚り導体を一層撚り構造で親撚りした導体であって、
該導体を長さ方向と直交する方向に切断した切断面の構成において、
複数の前記子撚り導体の中央には、空隙が形成され、
前記子撚り導体と前記子撚り導体との間には、前記子撚り導体の外径よりも小さな外径を有する補充部材がそれぞれ撚り合わせられ
前記子撚り導体は、複数の素線を撚って形成された基本導体を3本以上撚り合わせて形成され、
前記切断面において、該導体の外接円内の断面積に対する素線の合計断面積の占積率が50%以上62%以下であることを特徴とする。
このように、子撚り導体と補充部材を交互に配置することにより、導体内に発生する摩擦力を低減することができる。また、導体の中央に空隙を形成することにより、導体内の空気層の割合を多くし、子撚り導体同士の干渉、および子撚り導体と補充部材の間の干渉を抑制することができる。このため、導体内における寿命差の問題を抑制することができ、疲労具合が導体全体に均一化される。よって、従来構造に比べて耐捩り性を大幅に向上させることができる。
また、外径の大きさの異なる子撚り導体と補充部材を組み合わせることで、好適に導体内の空気層の割合を多くすることができる。また、補充部材の外径を子撚り導体の外径よりも小さくすることで、導体の切断面が円形になるように仕上がりを整えることができる。
また、導体の外接円内の断面積に対する素線の合計断面積の占積率50%以上62%以下とすることで、断線率が低く高寿命の導体を提供することができる。
また、本発明の導体は、
前記切断面において、該導体の外接円内の断面積が8mm2以上54mm2以下であることを特徴とする。
これにより、導体の耐捩り性を向上させることが可能となる。
また、本発明の導体は、
前記子撚り導体の外周および前記補充部材の外周の少なくとも一方が隙間なく螺旋状にテープで巻き付けられていることを特徴とする。
これにより、子撚り導体と補充部材が補強されて座屈しにくくなり、座屈した時の変形により発生する応力集中を防ぐことができるため、導体の耐屈曲性を向上させることができる。
また、本発明の導体は、
前記補充部材は、複数の素線を撚り合わせて形成された素材、樹脂チューブ、または介在のいずれかから成ることを特徴とする。
このように、補充部材には、金属以外の材質を用いることができる。
本発明の電源ケーブルは、
本発明に係る導体を用いて形成された電源ケーブルであることを特徴とする。
これにより、耐捩り性が高い電源ケーブルを提供することができる。
本発明によれば、耐捩り性が高い導体および該導体を用いた電源ケーブルを提供することができる。
第1の実施の形態に係る導体を用いた電源ケーブルの概略断面図である。 第1の実施の形態に係る導体の構成を説明するための概略断面図である。 第1の実施の形態に係る導体を用いて行った捻回試験の状況を示す図である。 第1の実施の形態に係る導体を用いて行った捻回試験の結果を示す図である。 第1の実施の形態に係る導体の断線率と占積率の相関関係を示す図である。 第2の実施の形態に係る導体の構成を説明するための概略断面図である。 第2の実施の形態に係る導体を用いて行った屈曲試験の状況を示す図である。 従来の導体を用いた電源ケーブルの概略断面図である。 従来の導体を用いた電源ケーブルの概略断面図である。
(第1の実施の形態)
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る導体について説明する。図1は、第1の実施の形態に係る導体を用いた電源ケーブルの概略断面図である。概略断面図は、捩れずかつ変形していない状態で長さ方向と直交する方向に切断した切断面を示している。ここで、図1に示すように、電源ケーブル1内には、導体2が配置されており、導体2の周りは絶縁体4、セパレータ6、シース8によって覆われている。
図2は、第1の実施の形態に係る導体の構成を説明するための概略断面図である。図2に示すように、導体2には、基本導体2b、子撚り導体2c、および補充部材2dが含まれている。この導体2は、複数の子撚り導体2cが一層撚り構造(一重構造となるように撚られた構造)で親撚りして形成されている。
子撚り導体2cは、さらに3本の基本導体2bを撚り合わせることによって形成され、撚り合わせられた3本の子撚り導体2cの中央には、空隙10が形成されている。なお、基本導体2bは、たとえば、軟銅線などの複数の素線を撚り合わせることによって形成されている。
補充部材2dは、子撚り導体2cと子撚り導体2cとの間に形成される凹状の隙間2hに配置され、基本導体2bと同様に、軟銅線などの複数の素線を撚り合わせることによって形成されている。また、補充部材2dの外径は、子撚り導体2cの外径よりも小さく形成されている。なお、補充部材2dは、すべての隙間2hに配置されている必要はなく、一部の隙間2hのみに配置されていてもよい。また、一箇所の隙間2hに複数の補充部材2dが配置されていてもよい。
また、補充部材2dには、素線に代えて、樹脂チューブや介在を用いてもよい。介在には、たとえば、綿糸、PE(ポリエチレン)やPET(ポリエチレンテレフタラート)等の熱可塑性樹脂、またはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂製を用いることができる。
次に、導体2の製造方法について説明する。まず中央に空隙10が形成されるようにして3本の子撚り導体2cを三角形状に束ねて配置し(配置工程)、次に、子撚り導体2cと子撚り導体2cとの間に形成された凹状の隙間2hに3本の補充部材2dを配置する(補充配置工程)。ここで、補充部材2dは、3本の子撚り導体2cとは逆向きの三角形状に配置される。また、補充部材2dは、子撚り導体2cと子撚り導体2cとの間に形成された隙間2hに配置される。この状態で子撚り導体2cと補充部材2dを一層で撚り合わせる(一層撚り工程)ことによって導体2が形成される。
なお、第1の実施の形態においては、子撚り導体2cと補充部材2dがそれぞれ3本である場合を例に説明しているが、子撚り導体2cと補充部材2dが4本以上であっても、中央に空隙10が形成されていれば、本願発明の効果を発揮することができる。
このようにして形成された導体2は、子撚り導体2cと補充部材2dが空隙10の周りに交互に配置された一層撚り構造を有している。また、この状態で、子撚り導体2cの外周面同士が接触し、かつ基本導体2bの外周面と子撚り導体2cの外周面もまた接触している。さらに、子撚り導体2cの外周面と補充部材2dの外周面もまた接触している。
なお、導体2の外接円内の断面積(以下、導体断面積という。)に対する素線(基本導体2bおよび補充部材2dを形成する素線)の全合計断面積の占積率は、62%以下であることが好ましく、下限値は50%以上であるのが好ましい。また、導体2の導体断面積は、8mm2以上54mm2以下であることが好ましい。
絶縁体4は、ポリ塩化ビニルから成る厚さ1.6mm程度の層を構成しており、セパレータ6は、不織布によって構成され、絶縁体4層を押え巻きしている。また、シース8は、ポリウレタンエラストマーによって構成された、電源ケーブル1の最外層を成す層を構成している。
この第1の実施の形態に係る導体2によれば、子撚り導体2cと補充部材2dを交互に配置することにより、導体2内に発生する摩擦力を低減することができる。また、導体2の中央に空隙10を形成することにより、導体2内の空気層の割合を多くし、子撚り導体2c同士の干渉、および子撚り導体2cと補充部材2dの間の干渉を抑制することができる。このため、導体2内の寿命差を低減することができ、疲労具合が導体2全体に均一化される。よって、従来構造に比べて耐捩り性を大幅に向上させることができる。
また、3本の子撚り導体2cの中央に空隙10が形成されているため、図8(a)に示す従来の導体151のように、捩れたときに中央の子撚り導体142に応力が集中することを防止できる。
また、補充部材2dの外径を子撚り導体2cの外径よりも小さくすることで、導体2の切断面が円形になるように仕上がりを整えることができる。
また、導体断面積に対する素線の全合計断面積の占積率を62%以下にすることにより、従来技術と比較して断線率を半減できるため、断線率が低く高寿命の導体2を提供することができる。なお、上述の占積率が62%を超える場合には、後述する実施例の図4に示すように、断線率が上昇し、導体2は十分な耐捩り性を得ることができない。一方、上述の占積率が50%未満の場合には、空隙の割合が増加して変形しやすくなり導体2の切断面を円形に保持できなくなるため、構造的に導体2を作成することができない。
また、導体断面積を8mm2以上54mm2以下にすることにより、導体2の耐捩り性を向上させることが可能となる。なお、上述の断面積が8mm2未満である場合には、導体2が一層撚りでも二層撚り以上でも十分な耐捩り性を発揮できるが、そもそも外径が細くなり可動時に導体2が受ける変形が小さくなるため、導体2の耐捩り性を向上させる技術としての意味は薄れる。一方、上述の断面積が54mm2を超えると外径が太くなりすぎて可動部に用いるのには適さない。
[実施例1]
次に、第1の実施の形態に係る導体2、及び従来の導体152、160を用いて行った断線率の実験について説明する。まず、実験において、試験者は、第1の実施の形態に係る導体2を用いた電源ケーブル1、従来の導体152を用いた電源ケーブル202、従来の導体160を用いた電源ケーブル203を準備した。ここで、導体2には、導体断面積が22mm2と35mm2の2種類のサンプルを用意した。なお、従来の導体152、160の導体断面積は、それぞれ35mm2、22mm2である。また、撚り方は、第1の実施の形態に係る導体2が一層撚りなのに対して、従来の導体152、160は多層撚りであり、占積率は、導体2が56.8%~63.87%、従来の導体152が67.5%、従来の導体160が67.7%である。また、サンプルとして用意した各電源ケーブルの長さは、それぞれ205mmである。また、電源ケーブル1、202、203の外径は、それぞれ、15.5mm、15.6mm、14.5mmである。
次に、図3に示すように、捻回試験機50を用意して各サンプルをセットした。ここで、固定アーム62への固定箇所と回転部64への固定箇所の間の固定間距離Lは、200mmである。実験においては、表1に示すように、サンプルが捻回試験機50にセットされた状態で回転部を±250°の回転角度で45往復/分回転させた。
Figure 0007010249000001
なお、断線率の実験については、図4に示すように行った。すなわち、導体断面積が22mm2、かつ占積率が58.3%の導体2の断線率については、捻回の回数が10万回目、20万回目、30万回目、40万回目、50万回目のそれぞれの時点で測定を行った。それ以外の導体2の断線率については、捻回の回数が30万回目の時点のみにおいて測定を行った。
また、従来の導体152を用いた実験においては、捻回の回数が30万回目の時点のみにおいて測定を行った。また、従来の導体160を用いた実験においては、捻回の回数が10万回目、20万回目、30万回目の時点において測定を行った。
図4に示す実験結果において、30万回目の断線率を比較すると、従来の導体152の断線率がすべての層で100%であるのに対し、中心に素線を位置させない構造の従来の導体160は、外層の断線率が64.4%に低減され、内外層全体で断線率が73.3%となった。
これに対し、第1の実施の形態に係る導体2の断線率は、導体断面積が22mm2のサンプルにおいては、占積率が56.8%のときに5.9%、占積率が58.3%のときに21.9%となった。導体断面積が35mm2のサンプルにおいては、占積率が57.57%~63.87%の間で14.52%~73.24%となった。
すなわち、一層撚りの導体2においては、多層撚りの導体152、160よりも大幅に断線率が低減される。特に、導体2の断線率は、占積率を62%以下にした場合(図4において、占積率63.87%のサンプル以外)に大幅に低くなる。
なお、従来の導体160は、内層161と外層163から成る二層撚りであるため、内層161の断線率が100%と高く、一層撚りの導体2より寿命が短くなる。
図5は、第1の実施の形態に係る導体2の断線率(捻回の回数30万回目)と占積率の相関関係を示すグラフである。グラフ中に示される点は、導体2の各占積率に対応する断線率をプロットしたものである。また、グラフ中の直線は、断線率と占積率の相関関係に基づいて計算した導体2の寿命予測線である。
本グラフによれば、占積率が63.8%では断線率が73.2%まで上昇すること、および占積率が低い方が断線率も低く、導体2が高寿命になる傾向があることなどがわかる。また、寿命予測線を参照すると占積率55%以下では断線率10%以下となり、占積率62%以上では断線率50%以上になることが予測される。なお、占積率50%未満の導線は構造上作製不可能である。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態に係る導体について説明する。第2の実施の形態では、第1の実施の形態と異なる部分について詳細に説明し、重複する部分については説明を省略する。なお、第2の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態に係る導体2の構成と同一の構成には、第1の実施の形態の説明で用いたのと同一の符号を用いて説明を行なう。
図6は、第2の実施の形態に係る導体2´を示す断面図である。図6に示すように、導体2´においては、子撚り導体2cの外周と補充部材2dの外周にはテープ80が巻き付けられている。なお、テープ80は、子撚り導体2cの外周と補充部材2dの外周に隙間なく螺旋状に巻き付けられている。
ここで、テープ80は素材にPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を用いて形成されている。なお、テープ80の素材はPTFEに限定されず、ETFE(エチレン・四フッ化エチレン共重合体)などのPTFE以外のフッ素樹脂、FEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体)、PET(ポリエチレンテレフタラート)などの熱可塑性樹脂、およびAL/PET(アルミ箔とPETフィルムを貼り合わせた複合材料)等の金属箔と樹脂フィルムの複合材料を用いてもよい。また、テープ80は、必ずしも子撚り導体2cと補充部材2dの双方の外周に巻き付ける必要はなく、子撚り導体2cの外周と補充部材2dの外周の少なくとも一方に巻き付けられていればよい。
このように、子撚り導体2cの外周と補充部材2dの外周の少なくとも一方に隙間なく螺旋状にテープ80を巻き付けることより、導体2(図2参照)の耐屈曲性を向上させることができる。
具体的に説明すると、たとえば、二層撚りの導体(図示せず)を屈曲させた場合、導体に圧縮応力が掛かり座屈が生じる。座屈が生じると座屈部分が応力集中点となり断線に繋がる。なお、一層撚りの導体2(図2参照)を屈曲させた場合であっても、導体2に圧縮応力が掛かるため、座屈が生じ断線を回避することはできない。
ここで、子撚り導体2cの外周と補充部材2dの外周のいずれか、もしくは子撚り導体2cの外周と補充部材2dの外周の双方を隙間なく螺旋状にテープ80で巻き付けることにより、子撚り導体2cおよび補充部材2dの少なくとも一方が補強されて座屈しにくくなる。これにより、座屈時の変形により発生する応力集中を防止できるため、導体2の耐屈曲性を向上させた導体2´を提供することができる。
[実施例2]
次に、第1の実施の形態に係る導体2(テープ巻なし)と第2の実施の形態に係る導体2´(テープ巻あり)を用いて行ったテープ巻きの効果に関する実験について説明する。まず、実験において、試験者は、第1の実施の形態に係る導体2を用いた電源ケーブル1、第2の実施の形態に係る導体2´を用いた電源ケーブルを準備した。ここで、表2に示すように、導体2の占積率は58.30%であり、導体2´の占積率は52.30%である。
Figure 0007010249000002
次に、図7に示すように、屈曲試験機90を用意して各電源ケーブルを一対の支持棒88の間に挟み込んだ。そして、各電源ケーブルの下端に2kgの錘92を装着し、±90°の屈曲角度で屈曲させた。なお、実験において、支持棒88の半径は25mmであり、支持棒88間の距離は、電源ケーブルの直径+2mmである。また、電源ケーブルは、30回/分の屈曲速度にて屈曲させた。
実験結果は、表2に示すように、第1の実施の形態に係る導体2(テープ巻なし)において、試験回数92,000回の時点で完全断線し、第2の実施の形態に係る導体2´(テープ巻あり)において、試験回数497,500回の時点で完全断線するという結果を得た。すなわち、子撚り導体2cの外周と補充部材2dの外周にテープ80を隙間なく螺旋状に巻き付けることにより、導体の耐屈曲性が大幅に向上することがわかった。
なお、上述の各実施の形態において、素線は、導電性を有する素材であれば、必ずしも軟銅線に限定されない。
また、上述の各実施の形態において、絶縁体4の厚さ、電源ケーブル1の外径の数値はあくまでも一例であり、必ずしもこのサイズに限定されない。
また、上述の各実施の形態において、基本導体2bの外径と補充部材2dの外径が同一サイズである場合を例示しているが、両者の外径は必ずしも同一でなくてもよい。たとえば、基本導体2bの外径が補充部材2dの外径よりも大きくてもよく、補充部材2dの外径が基本導体2bの外径よりも大きくてもよい。
また、上述の各実施の形態において、子撚り導体2cに含まれる基本導体2bは複数であればよい。
1 電源ケーブル
2 導体
2´ 導体
2b 基本導体
2c 子撚り導体
2d 補充部材
2h 隙間
4 絶縁体
6 セパレータ
8 シース
10 空隙
50 捻回試験機
62 固定アーム
64 回転部
80 テープ
88 支持棒
90 屈曲試験機
92 錘
142 子撚り導体
144 子撚り導体
151 従来の導体
152 従来の導体
160 従来の導体
161 内層
163 外層
201 電源ケーブル
202 電源ケーブル
203 電源ケーブル
L 固定間距離

Claims (5)

  1. 複数の子撚り導体を一層撚り構造で親撚りした導体であって、
    該導体を長さ方向と直交する方向に切断した切断面の構成において、
    複数の前記子撚り導体の中央には、空隙が形成され、
    前記子撚り導体と前記子撚り導体との間には、前記子撚り導体の外径よりも小さな外径を有する補充部材がそれぞれ撚り合わせられ
    前記子撚り導体は、複数の素線を撚って形成された基本導体を3本以上撚り合わせて形成され、
    前記切断面において、該導体の外接円内の断面積に対する素線の合計断面積の占積率が50%以上62%以下であることを特徴とする導体。
  2. 前記切断面において、該導体の外接円内の断面積が8mm2以上54mm2以下であることを特徴とする請求項記載の導体。
  3. 前記子撚り導体の外周および前記補充部材の外周の少なくとも一方が隙間なく螺旋状にテープで巻き付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の導体。
  4. 前記補充部材は、複数の素線を撚り合わせて形成された素材、樹脂チューブ、または介在のいずれかから成ることを特徴とする請求項1~の何れか一項に記載の導体。
  5. 請求項1~の何れか一項に記載された該導体を用いて形成されていることを特徴とする電源ケーブル。
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