JP6880465B2 - ケーブル - Google Patents

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Description

本発明は、ケーブルに関する。
従来、複数本の電線と、前記複数本の電線の周囲にテープ部材を螺旋状に巻き付けてなるテープ層と、テープ層の周囲を覆うように設けられ、金属素線を編み合わせた編組シールドからなるシールド層と、シールド層の周囲を覆うシースと、を備えたケーブルが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
テープ層に用いるテープ部材としては、一般に、ポリエチレンテープ等の樹脂テープが用いられている。
特開2014−191883号公報
しかしながら、上述の従来のケーブルを、繰り返し曲げが加えられる可動部用ケーブルとして用いた場合、曲げを繰り返すことにより、ケーブルが曲げられた部分において、樹脂テープのエッジ部分(樹脂テープの幅方向における一方の端部であって、重ね巻きで上側となる側の端部)がシールド層の金属素線を傷つけ、シールド層が損傷してノイズ遮蔽の機能低下につながるおそれがあった。
そこで、本発明は、シールド層の損傷を抑制可能な可動部用ケーブルを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決することを目的として、ケーブル中心の周囲に配置された複数本の対撚線および糸状の介在が撚り合わされた集合体と、前記集合体の周囲に紙テープからなるテープ部材を螺旋状に巻き付けてなるテープ層と、前記テープ層の周囲を覆うように設けられ、複数の金属素線からなるシールド層と、前記シールド層の周囲を覆うシースと、を備え、前記テープ層は、前記複数本の対撚線と前記テープ部材との間に前記介在が配置されている状態でケーブル長手方向に垂直な断面が円形状とならず、前記テープ部材が周方向に隣り合う前記複数本の対撚線同士の間に入り込むように前記集合体の外形に沿って配置されており、前記テープ部材が前記複数本の対撚線同士の間に入り込む部分において、前記シールド層と前記テープ層との間に空隙を有し、前記シースの外径を7.0mm以下とし、前記テープ部材に和紙を用いて、ケーブル先端に200g、300g、400g及び500gの錘をそれぞれ装着したときに測定されるケーブル戻り量が60mm以上65mm以下である、ケーブルを提供する。
本発明によれば、シールド層の損傷を抑制可能な可動部用ケーブルを提供できる。
本発明の一実施の形態に係る可動部用ケーブルの長手方向に垂直な断面を示す断面図である。 従来のケーブルを曲げた際の樹脂テープのエッジ部分の突出を説明する図である。 弾性力試験を説明する図である。 U字屈曲試験を説明する図である。
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
図1は、本実施の形態に係る可動部用ケーブルの長手方向に垂直な断面を示す断面図である。図1に示すように、可動部用ケーブル1は、複数本の電線2と、複数本の電線2の周囲にテープ部材31を螺旋状に巻き付けてなるテープ層3と、テープ層3の周囲を覆うように設けられた編組シールドからなるシールド層4と、シールド層4の周囲を覆うシース5と、を備えている。
可動部用ケーブル1は、繰り返し曲げが加えられる可動部に配置される。可動部用ケーブル1は、例えば、半導体の製造装置における搬送装置の配線等に用いられるものである。可動部用ケーブル1は、例えば、U字状に曲げた状態で配線され、その一端が制御装置等の固定部に接続され、その他端が搬送装置等の可動部に接続されスライド移動される。
また、本実施の形態では、可動部用ケーブル1が通信用ケーブル(所謂LANケーブル)である場合を説明する。本実施の形態に係る可動部用ケーブル1は、カテゴリー5eのLANケーブルである。なお、これに限らず、可動部用ケーブル1は、例えばセンサ等の信号を伝送する信号ケーブルであってもよいし、電源信号を伝送する電源ケーブルであってもよく、これらを複合した複合ケーブルであってもよい。
電線2は、導体21と、導体21の周囲を覆う絶縁体22と、を有している。曲げに対する耐久性を高めるために、導体21としては、複数本の金属素線を集合撚りした撚線導体からなるものを用いるとよい。導体21の外径は、曲げに対する耐久性を高めるために、例えば、0.30mm〜3.00mmとすることがよい。本実施の形態では、外径が0.08mmの金属素線を複数本集合撚りした導体21を用いた。
可動部用ケーブル1の細径化を図るために、絶縁体22の厚さは、できるだけ薄くすることが望ましい。例えば、0.10mm〜0.30mm程度とすることがよい。本実施の形態では、薄肉で押出成形が可能なフッ素樹脂からなる絶縁体22を用いた。絶縁体22に用いるフッ素樹脂としては、FEP(パーフルオロエチレンプロペンコポリマー)やPFA(パーフルオロアルコキシアルカン)が挙げられる。また、絶縁体22としては、PP(ポリプロピレン)を用いてもよい。
また、絶縁体22は、導体21の周囲にチューブ押出しにより形成されているとよい。これにより、絶縁体22内で導体21が電線2の長手方向に移動可能となり、可動部用ケーブル1を曲げた際に導体21に断線が発生しにくくなる。
本実施の形態では、可動部用ケーブル1は、一対の電線2を撚り合わせた対撚線20を4つ備え、それら4つの対撚線20と介在6とを撚り合わせて集合体7を構成している。なお、集合体7は、上述した構造に限定されず、可動部用ケーブルが適用される用途に応じて構造変更することができる。例えば、集合体7は、一対の電線2が対撚された対撚線20にかえて対撚りさせていない複数本の電線2を撚り合わせしたものから構成することもできる。
各対撚線20において、導体21の撚り方向と、対撚線20の撚り方向とは、反対方向とされる。これは、例えば導体21と対撚線20の撚り方向を同じ方向とした場合、導体21の撚りが締まる方向に対撚線20が撚り合されることになり、導体21に含まれる金属素線にかかる負荷が大きくなり、可動部用ケーブル1を曲げた際等に断線が生じるおそれがあるためである。なお、導体21の撚り方向とは、電線2の一端から見たときに、他端側から一端側にかけて金属素線が回転している方向である。また、対撚線20の撚り方向とは、対撚線20の一端から見たときに、他端側から一端側にかけて電線2が回転している方向である。
また、クロストークを抑制するため、集合体7を構成する各対撚線20は、それぞれ撚りピッチが異なるようにされる。各対撚線20の撚りピッチは、例えば、10mm〜20mmの範囲において、それぞれ異なるようにするとよい。本実施の形態では、4つの対撚線20の撚りピッチを、それぞれ、11mm、14mm、17mm、及び19mmとし、各対撚線20撚りピッチの差を2mm以上とした。なお、導体21の撚りピッチは11mmとし、最も撚りピッチの小さい対撚線20と同じ撚りピッチとした。なお、対撚線20の撚りピッチとは、対撚線20の周方向において任意の電線2が同じ周方向位置となる箇所の対撚線20の長手方向に沿った間隔である。同様に、導体21の撚りピッチとは、導体21の周方向において任意の金属素線が同じ周方向位置となる箇所の導体21の長手方向に沿った間隔である。
介在6としては、ポリプロピレン、紙、ナイロン等からなる糸状の介在を用いるとよい。特に、吸湿による膨張を抑制し、かつ、可動部用ケーブル1を繰り返し曲げた際に粉塵が発生することを抑制する場合は、ナイロンからなる糸状の介在を用いるとよい。介在6を充填し過ぎると、テープ層3がシールド層4に密着してシールド層4が摩耗し易くなり、また可動部用ケーブル1の可とう性が低下するおそれがあるため、介在6は、各対撚線20の周囲に隙間が残る程度に設けられるとよい。本実施の形態では、4つの対撚線20に囲まれた中央部(ケーブル中心)に形成される空間8a、及び、周方向に隣り合う対撚線20とテープ層3との間に形成される4つの空間8bを埋めるように、それぞれ210デニールのナイロンからなる糸状の介在6を5本ずつ配置した。つまり、介在6は、ケーブル中心からテープ部材3までの範囲において、複数本の対撚線20(複数本の電線2)同士を撚り合わせしたときに隣り合う電線2同士の間に生じる空間を充満させるように配置される。
集合体7の撚り方向は、対撚線20の撚り方向と反対方向とされる。つまり、集合体7の撚り方向は、導体21の撚り方向と同じ方向とされる。なお、集合体7の撚り方向とは、集合体7の一端から見たときに、集合体7の他端側から一端側にかけて対撚線20が回転している方向である。
集合体7の周囲には、テープ部材31を螺旋状に巻き付けたテープ層3が設けられる。このテープ層3の詳細については後述する。
シールド層4は、複数本の金属素線を編み合わせた編組シールドからなり、テープ層3の周囲を覆うように設けられている。本実施の形態では、可動部用ケーブル1の細径化及び可とう性向上のため、金属素線として、外径0.10mm未満の細径のものを用いている。本実施の形態では、外径0.08mmの軟銅線からなる金属素線を用いた。ノイズに対する遮蔽性を高めるため、シールド層4の編組密度は85%以上であることが望ましい。なお、シールド層4は、複数本の金属編組を螺旋状に横巻きして配置させた横巻きシールドでもよい。また、シールド層4を構成する金属素線としては、銅、アルミニウムまたはそれらの合金からなる素線、あるいは繊維糸の外面に金属箔や金属めっきからなる金属層を有する素線などを用いることができる。
シース5は、シールド層4の周囲を覆うように設けられている。本実施の形態では、シース5として、ポリ塩化ビニル樹脂からなるものを用いた。ただし、シース5の材質はこれに限定されず、例えばウレタン樹脂、フッ素樹脂、フッ素ゴム等の少なくとも1種の樹脂を主成分(ベース)とする樹脂組成物からなるものであってもよい。小スペースでの配線を容易とするため、シース5の外径、すなわち可動部用ケーブル1の外径は、7.0mm以下とした。本実施の形態では、シース5の外径を6.2mmとした。
(テープ層3の説明)
テープ層3は、集合体7の撚りが解けることを抑制し、かつ、集合体7と編組シールドからなるシールド層4とを隔離する役割を果たすものである。テープ層3は、テープ部材31を、その幅方向の一部が重なるように集合体7の周囲に螺旋状に巻き付けて構成される。
従来、テープ層3としては、ポリエチレンやポリテトラフルオロエチレン、ナイロン等からなる樹脂テープが一般的に用いられてきた。しかし、このような樹脂テープは、剛性が高く直線状に戻ろうとする復元力(弾性力)が大きいために、ケーブル長手方向に垂直な断面形状が略円形状となってシールド層4の内面に密着してしまい、ケーブルを繰り返し曲げた際に、樹脂テープとシールド層4とが繰り返し擦れてシールド層4が損傷し易いという課題がある。
より詳細には、図2に示すように、樹脂テープ101を用いた従来のケーブル100を曲げると、ケーブル100を曲げた部分において、樹脂テープ101のエッジ部分(樹脂テープ101の幅方向における一方の端部であって、重ね巻きで上側となる側の端部)101aがケーブル100の径方向外方に突出する。樹脂テープ101は比較的剛性が高いために、この突出したエッジ部分101aが、ケーブル100を繰り返し曲げた際に編組シールドの金属素線に繰り返し干渉し、当該干渉により編組シールドの金属素線が摩耗して断線が発生してしまい易い。特に、本実施の形態のように編組シールドの金属素線として外径が0.10mm未満といった細径のものを用いる場合には、金属素線に容易に断線が生じてしまい、編組シールドの遮蔽性が低下してしまうおそれがあった。
そこで、本実施の形態に係る可動部用ケーブル1では、樹脂テープ101よりも剛性が低く、曲げた際に直線状に戻ろうとする復元力(弾性力)が樹脂テープ101よりも非常に小さいテープ部材31を用いた。このようなテープ部材31を用いると、テープ部材31が集合体7の外形に沿うように巻き付けられるので、ケーブル長手方向に垂直な断面において、テープ部材31は円形状とはならず、シールド層4とテープ層3との間に空隙9が形成される。なお、後述する作用及び効果を得られやすくする観点から、空隙9の大きさは、シールド層4の内面からテープ層3の外面までの直線距離の最大値が、テープ層3の厚さの2倍以上であるとよい。空隙9の大きさは、例えば、光学顕微鏡あるいは電子顕微鏡を用いて、可動部用ケーブル1の横断面(可動部用ケーブル1の長手方向に垂直な断面)を観察することにより求められる。
つまり、本実施の形態では、シールド層4とテープ層3との間に空隙9が形成される程度に、剛性が低く、直線状に戻ろうとする復元力(弾性力)が非常に小さいテープ部材31を用いている。これにより、シールド層4に外径が0.10mm未満といった細径の金属素線を用いた場合であっても、可動部用ケーブル1を繰り返し曲げた際にテープ部材31によってシールド層4が損傷されることが抑制されるため、シールド層4の遮蔽性が低下することを抑制可能となる。なお、テープ部材31の復元力とは、後述する可動部用ケーブル1の復元力(ケーブル戻り量)と同様の試験方法を、テープ部材31に対して行うことによって求められるものであり、テープ部材31の復元力が小さいほどテープ部材31の戻り量は小さくなる。また、樹脂テープとは、電線やケーブルの部材に用いられるテープ部材であり、ポリエチレン、ナイロン、ふっ素樹脂等の樹脂によって構成されるテープ部材である。
また、シールド層4とテープ層3との間に、空隙9があることにより、可動部用ケーブル1を曲げた際に可動部用ケーブル1が直線状に戻ろうとする復元力を小さくする(例えば、後述するケーブル戻り量を小さくする)ことができる。可動部用ケーブル1のケーブル戻り量は、例えば65mm以下が好ましく、50mm以上65mm以下がより好ましい。このような復元力を小さくした(戻り量が小さい)可動部用ケーブル1とすることにより、繰り返し曲げた際に、テープ層3によるシールド層4の損傷を抑制しやすくすることができるため、シールド層4の遮蔽性が低下することを抑制することができる。
また、シールド層4とテープ層3との間に空隙9を有することにより、可動部用ケーブル1を曲げた際に、シールド層4よりも内側で各対撚線20が比較的自由に動けるようになるため、可動部用ケーブル1の可とう性が向上する。また、シールド層4とテープ層3との間に空隙9を有することにより、可動部用ケーブル1を曲げた際に、対撚線20同士、あるいは対撚線20とテープ層3、あるいはテープ層3とシールド層4とが擦り合わされ摩耗することが抑制され、可動部用ケーブル1の耐屈曲性が向上する。
テープ層3に用いるテープ部材31としては、紙テープまたは不織布テープからなるものを用いることができる。これにより、上述した大きさの空隙9が得られやすい。本実施の形態では、和紙からなる紙テープをテープ層3に用いた。テープ部材31は、容易に皺がよる程度に剛性の低いものであるとよく、集合体7の外形に沿って集合体7の周囲に巻き付けた状態でテープ部材31の表面に皺があることが望ましい。
また、テープ部材31の厚さは、60μm以下であるとよく、20μm以上60μm以下であるとさらによい。テープ部材31の厚さが60μm以下である場合は、60μmよりも厚い場合と比べて、テープ層3の剛性を小さくしやすくすることができるため、シールド層4をより損傷しにくくすることができる。本実施の形態では、テープ部材31の厚さを50μm程度とした。
また、テープ部材31の巻き方向は、集合体7の撚り方向と同じ方向であるとよい。これにより、テープ部材31が集合体7の凹部、すなわち周方向に隣り合う対撚線20の間の谷間部分(空間8b)に入り込み易くなり、シールド層4とテープ部材31との接触面積を減らして、テープ部材31によるシールド層4の損傷をより抑制することが可能になる。本実施の形態では、周方向に隣り合う対撚線20の間の谷間部分にテープ部材31が入り込むため、この谷間部分に入り込んだテープ部材31とシールド層4との間に、空隙9がそれぞれ形成されることになる。
また、テープ部材31の巻き方向を、集合体7の撚り方向と同じ方向とすることで、可動部用ケーブル1を曲げる際に対撚線20と共にテープ部材31が動き易くなり、可動部用ケーブル1を曲げ易くなる。なお、例えば、テープ部材31の巻き方向を、集合体7の撚り方向と逆方向とした場合、対撚線20とテープ部材31とが互いに動きを阻害し合うために、可動部用ケーブル1を曲げにくくなってしまう。なお、テープ部材31の巻き方向とは、可動部用ケーブル1を一端から見たときに、他端側から一端側にかけてテープ部材31が回転している方向である。
さらに、テープ部材31としては、その長手方向の引っ張り強さが、幅方向の引っ張り強さよりも大きいものを用いるとよい。テープ部材31の幅方向の引っ張り強さを小さくすることで、集合体7の外形にそってテープ部材31が配置されやすくなり、テープ部材31の長手方向の引っ張り強さを大きくすることで、集合体7の周囲にテープ部材31を巻き付ける際に張力を付与しても、テープ部材31が切れにくくなる。
(弾性力試験)
ケーブル外径を6.2mmとし、テープ部材31として和紙を用いた実施例の可動部用ケーブル1を作製し、弾性力試験を行った。弾性力試験では、図3に示すように、可動部用ケーブル1を100mmの長さに切断した試料400の一方の端部を固定し、もう一方の端部を固定していない状態(初期状態)とした後、固定していない端部の先端に紐で錘401を装着し、可動部用ケーブル1の先端に荷重をかけた状態とした(荷重状態)。次いで、可動部用ケーブル1の先端から錘401を除去し、錘401を除去したときの先端の位置から荷重状態での先端の位置までの垂直方向に沿った直線距離をケーブル戻り量として測定した。ケーブル戻り量は、先端に200g、300g、400g及び500gの錘をそれぞれ装着したときのそれぞれのケーブル戻り量を測定した。また、テープ部材31としてPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)からなる樹脂テープを用いた以外は実施例と同様の構造とした比較例の可動部用ケーブルを作製し、実施例と同様にケーブル戻り量を測定した。
(U字屈曲試験)
また、実施例及び比較例の可動部用ケーブルについて、U字屈曲試験を行った。U字屈曲試験では、図4に示すように、試料400の一端を固定すると共に他端をケーブル外径(D)の4倍の径(4D)でU字状に曲げ、ストローク長が300mmとなるように試料400の他端をスライド移動させた。試料400の他端を図示矢印Aの方向にスライド移動させ、その後矢印Bの方向にスライド移動させる1サイクルを1回とし、60回/分の速度でスライド動作を実施した。スライド動作が1000万回に達したときのシールド層4の抵抗値を測定し、スライド動作を実施する前の抵抗値からの増加率(抵抗増加率)が3%以下の場合を合格(○)、3%よりも大きい場合を不合格(×)とした。弾性力試験及びU字屈曲試験の結果をまとめて表1に示す。
Figure 0006880465
表1に示すように、実施例の可動部用ケーブル1では、ケーブル戻り量が60mm以上65mm以下であり、抵抗増加率が3%以下(2%程度)との結果であった。これに対して、比較例の可動部用ケーブルでは、ケーブル戻り量が65mmより大きく70mm以下であり、抵抗増加率が3%よりも大きい(20%程度)との結果であった。この結果から、実施例の可動部用ケーブル1では、テープ層3を構成するテープ部材31が周方向に隣り合う電線2同士の間に入り込むように配置されており、テープ部材3が電線2同士の間に入り込む部分において、シールド層4とテープ層3との間に空隙を有するケーブル構造としたことにより、可動部用ケーブル1がU字屈曲させられた部分において、テープ部材31のエッジ部分がシールド層4の金属素線を傷つけることを防止することができるため、シールド層4が損傷してノイズ遮蔽の機能低下を抑制することができたものと考える。他方、比較例の可動部用ケーブルでは、テープ層3を構成するテープ部材31が周方向に隣り合う電線2同士の間に入り込まないように配置されており、シールド層4とテープ層3との間に空隙を有しないケーブル構造であった。このため、可動部用ケーブルがU字屈曲させられた部分において、樹脂テープ31のエッジ部分がシールド層4の金属素線を傷つけてしまい、シールド層4が損傷してノイズ遮蔽の機能低下につながったものと考える。また、表1の結果から、可動部用ケーブル1の戻り量が小さいほど(例えば、65mm以下)、U字スライドを繰り返し行った場合に、シールド層4の損傷を抑制することができることが分かる。
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明したように、本実施の形態に係る可動部用ケーブル1では、シールド層4とテープ層3との間に空隙9を有する。
テープ部材31として、集合体7に巻き付けた際にシールド層4とテープ層3との間に空隙9が形成される程度に剛性が低いものを用いることで、可動部用ケーブル1を繰り返し曲げた際に、テープ部材31によりシールド層4が損傷されることを抑制できる。その結果、シールド層4の遮蔽性の低下を抑制でき、可動部用ケーブル1の耐屈曲性を向上することができる。
また、従来のようにテープ部材31として樹脂テープを用いた場合には、シールド層4を構成する金属素線の断線を抑制するために、金属素線として外径が大きいものを用いたり、金属素線として高価な合金線や銅箔糸を用いる必要があり、可動部用ケーブル1が大径化して小スペースへの配線が困難となったり、高コストとなったりするおそれがある。本実施の形態では、テープ部材31として樹脂テープよりも安価な紙テープや不織布テープを使用でき、かつ、シールド層4を構成する金属素線として高価な合金線や銅箔糸を用いる必要がないため、耐屈曲性を維持しつつも、非常に低コストに可動部用ケーブル1を実現できる。また、本実施の形態によれば、シールド層4を構成する金属素線として細径のものを使用できるために、耐屈曲性を維持しつつも、可動部用ケーブル1を細径化して小スペースへの配線が容易になる。
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
[1]複数本の電線(2)と、前記複数本の電線(2)の周囲にテープ部材(31)を螺旋状に巻き付けてなるテープ層(3)と、前記テープ層(3)の周囲を覆うように設けられ、複数の金属素線からなるシールド層(4)と、前記シールド層(4)の周囲を覆うシース(5)と、を備え、前記テープ層(3)は、前記テープ部材(31)が周方向に隣り合う前記電線(2)同士の間に入り込むように配置されており、前記テープ部材(31)が前記電線(2)同士の間に入り込む部分において、前記シールド層(4)と前記テープ層(3)との間に空隙(9)を有する、可動部用ケーブル(1)。
[2]前記テープ部材(31)の復元力が、樹脂テープ(101)の復元力よりも小さい、[1]に記載の可動部用ケーブル(1)。
[3]前記空隙(9)の前記シールド層(4)の内面から前記テープ層(3)の外面までの直線距離の最大値が、前記テープ層(3)の厚さの2倍以上である、[1]または[2]に記載の可動部用ケーブル(1)。
[4]前記テープ部材(31)が、紙テープまたは不織布テープからなる、[1]乃至[3]の何れか1項に記載の可動部用ケーブル(1)。
[5]前記テープ部材(31)の厚さが、60μm以下である、[1]乃至[4]の何れか1項に記載の可動部用ケーブル(1)。
[6]前記複数本の電線(2)と、糸状の介在(6)とを撚り合わせて集合体(7)が形成され、前記テープ層(3)は、前記集合体(7)の周囲に前記テープ部材(31)を螺旋状に巻き付けて構成される、[1]乃至[5]の何れか1項に記載の可動部用ケーブル(1)。
[7]一対の前記電線(2)を撚り合わせた対撚線(20)を複数備え、前記集合体(7)は、複数の前記対撚線(20)と前記介在(6)とを撚り合わせて構成されている、[6]に記載の可動部用ケーブル(1)。
[8]前記複数本の電線(2)を撚り合わせた前記集合体(7)の撚り方向と、前記テープ部材(31)の巻き方向とが、同じ方向である、[6]または[7]に記載の可動部用ケーブル(1)。
[9]前記シールド層(4)に用いる前記金属素線が、外径0.10mm未満の軟銅線からなる、[1]乃至[8]の何れか1項に記載の可動部用ケーブル(1)。
[10]前記シース(5)の外径が7.0mm以下である、[1]乃至[9]の何れか1項に記載の可動部用ケーブル(1)。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
1…可動部用ケーブル
2…電線
20…対撚線
21…導体
22…絶縁体
3…テープ層
31…テープ部材
4…シールド層
5…シース
6…介在
7…集合体
9…空隙

Claims (8)

  1. ケーブル中心の周囲に配置された複数本の対撚線および糸状の介在が撚り合わされた集合体と、
    前記集合体の周囲に紙テープからなるテープ部材を螺旋状に巻き付けてなるテープ層と、
    前記テープ層の周囲を覆うように設けられ、複数の金属素線からなるシールド層と、
    前記シールド層の周囲を覆うシースと、を備え、
    前記テープ層は、前記複数本の対撚線と前記テープ部材との間に前記介在が配置されている状態でケーブル長手方向に垂直な断面が円形状とならず、前記テープ部材が周方向に隣り合う前記複数本の対撚線同士の間に入り込むように前記集合体の外形に沿って配置されており、
    前記テープ部材が前記複数本の対撚線同士の間に入り込む部分において、前記シールド層と前記テープ層との間に空隙を有し、
    前記シースの外径を7.0mm以下とし、前記テープ部材に和紙を用いて、ケーブル先端に200g、300g、400g及び500gの錘をそれぞれ装着したときに測定されるケーブル戻り量が60mm以上65mm以下である、
    ーブル。
  2. 前記テープ部材の復元力が、樹脂テープの復元力よりも小さい、
    請求項1に記載のケーブル。
  3. 前記空隙の前記シールド層の内面から前記テープ層の外面までの直線距離の最大値が、前記テープ層の厚さの2倍以上である、
    請求項1または2に記載のケーブル。
  4. 前記テープ部材は、前記紙テープが和紙からなり、
    前記集合体の周囲に巻き付けられた前記テープ部材の表面に皺を有する、
    請求項1乃至3の何れか1項に記載のケーブル。
  5. 前記テープ部材の厚さが、60μm以下である、
    請求項1乃至4の何れか1項に記載のケーブル。
  6. 前記複数本の対撚線は、4本の対撚線であり、
    前記集合体は、前記4本の対撚線と前記介在とを撚り合わせて構成されている、
    請求項1に記載のケーブル。
  7. 前記複数本の対撚線を撚り合わせた前記集合体の撚り方向と、前記テープ部材の巻き方向とが、同じ方向である、
    請求項1に記載のケーブル。
  8. 前記シールド層に用いる前記金属素線が、外径0.10mm未満の軟銅線からなる、
    請求項1乃至7の何れか1項に記載のケーブル。
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