JP2005203117A - 可撓性ケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】 可撓性に優れたケーブルを提供する。
【解決手段】 介在物10の周囲に複数本の信号伝送用コア及び電源線コア12が同心円状に設けられたケーブルであって、介在物10が同心円状に2以上の層10a、10pからなる可撓性ケーブル1である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ケーブルに係り、特に取り扱いに優れた可撓性ケーブル構造に関するものである。
従来の可撓性ケーブルの断面構造図を図8に示す。
図8(a)に示したように一般的に可撓性ケーブル80の構造は、複数の信号線コア及び電源線コア82を撚り合わせたコア束に、そのコア束形状を崩さないように遮蔽層となるテープ85を巻くか、遮蔽層となる編組線等を巻いて、更にこれらの外側をケーブル保護用のシース材86等で覆った構造となっている。
また図8(b)に示した可撓性ケーブル90のように、複数の信号線コア及び電源線コア82をケーブル構造の安定化を図るために介在物91も同時に撚り合わせたコア束に、コア束形状を崩さないように遮蔽層となるテープ85を巻き、これらの外側にケーブル保護用のシース材86等で覆った構造となっているものもある。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、次のものがある。
特開平6−176626号公報
しかしながら、この可撓性ケーブル80、90の構造は、コア束にテープ85または編組線等を巻き付ける際には、テープ85がコア束に密着して巻かれ、コア束の構成要素である各信号線コア及び電源線コア82、介在物91が互いに密に押圧されている。
そのため、可撓性ケーブル80、90の仕上がりは硬いものとなり、コア束にテープ85または編組線等を巻き付ける前の状態に比べて、可撓性が著しく悪化すると云う問題があった。
そこで、本発明の目的は、可撓性に優れたケーブルを提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、第1の発明は、介在物の周囲に複数本の信号伝送用コア及び電源線コアが同心円状に設けられたケーブルであって、上記介在物が同心円状に2以上の層からなる可撓性ケーブルである。
第2の発明は、上記層のうち内側に位置する層の外側に第1の滑り層が設けられ、外側に位置する層の内側に第2の滑り層が設けられたものである。
第3の発明は、上記第1の滑り層が、上記第2の滑り層に対して滑り易さを有し、上記介在物の内側の層及び上記第1の滑り層が抜き取り可能なものである。
第4の発明は、上記介在物における外側に位置する層及び上記第2の滑り層は、上記内側に位置する層及び上記第1の滑り層が抜き取られた状態において、外力により容易に変形可能な柔軟性を有するものである。
第5の発明は、介在物の周囲に複数本の信号伝送用コア及び電源線コアが同心円上に設けられたケーブルであって、上記介在物、上記信号伝送用コア及び上記電源線コアの外側に各々滑り層が設けられた可撓性ケーブルである。
第6の発明は、上記介在物に設けられた滑り層が上記信号伝送用コア及び上記電源線コアに設けられた滑り層に対して滑り易さを有し、上記介在物及び上記介在物に設けられた滑り層が抜き取り可能なものである。
第7の発明は、上記介在物が、信号伝送用コアまたは電源線コアであるものである。
本発明によれば、可撓性に優れたケーブルを得られる優れた効果を発揮する。
以下、本発明の好適実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
図1(a)は、本発明の好適実施の形態である可撓性ケーブルの構造を示す断面構造図である。
図示したように可撓性ケーブル1は、介在物10に複数本の信号伝送用コア及び電源線コア(以下、単にコアと云う。)12が介在物10の周囲の同心円上に設けられたケーブルであって、介在物10が同心円状に2以上の層からなる構造となっている。
可撓性ケーブル1は、コア12と、介在物10とを同時に撚り合わせてコア束として、このコア束形状を崩さないように遮蔽層となるテープ15を巻いて、更にこれらの外側をケーブル保護用のシース材16等で覆って形成されている。
介在物10は、ケーブルの可撓性を向上させる機能性部材であり、同心円状に2以上の層からなる構造となっている。
図1(b)に介在物10の断面拡大図を示す。
2層からなる介在物10の中で内側に位置する層が介在内層10aをなしており、介在物10の中で外側に位置する層が介在外層10pをなしている。
介在内層10aの外側表面には第1の滑り層10bが設けられており、この第1の滑り層10bは、第1の滑り層10bが他の部材と接し擦り合わされた際に摩擦係数が低く他の部材との滑りが良くなる性質を有している。
介在外層10pの内側表面には第2の滑り層10qが設けられており、この第2の滑り層10qは、第2の滑り層10qが他の部材と接し擦り合わされた際に摩擦係数が低く他の部材との滑りが良くなる性質を有している。
介在物10の介在内層10aと介在外層10pとは、各々に設けられた第1の滑り層10bと第2の滑り層10qとを介して接する構造となっている。このため、第1の滑り層10bが、第2の滑り層10qに対して滑り易さを有し、第2の滑り層10qが、第1の滑り層10bに対して滑り易さを有している。
このような介在物10の構造により、介在内層10a及び第1の滑り層10bがケーブル長手方向に抜き取り可能になっており、介在内層10a及び第1の滑り層10bが抜き取られた可撓性ケーブル1はケーブルの可撓性が向上し、取り扱いの容易なものとなる。
介在物10は、例えばポリエチレン、ビニルなどの材質から成り、糸、紐等の部材から成り立っている。
第1の滑り層10bと第2の滑り層10qは、例えばPTFE、XF等で形成されている。
第1の滑り層10bと第2の滑り層10qにPTFEを用いた場合には、第1の滑り層10bと第2の滑り層10qとの間に0.2程度の動摩擦係数を有する。
更に好ましくは、介在物10の介在外層10p及び第2の滑り層10qは容易に変形可能な柔軟性を有し、弾性を有する部材であることが望ましい。
介在物10の介在外層10p及び第2の滑り層10qが柔軟性を有し、弾性を有する部材であることにより、介在内層10a及び第1の滑り層10bが抜き取られた状態において、介在外層10p及び第2の滑り層10qは外力により容易に変形可能な柔軟性を有する。
複数のコア12は、各コアが信号伝送用コアであるか若しくは電源線コアであり、その本数はケーブルの用途により適宜決められ、介在物10を中心として同心円上に設けられるとよい。これらのコア12は図中においては簡単のため1つの同心円上への配置となっているが、半径の異なる同心円上に重ねてコア12を配置し撚り合わせて束ねた構造でもよい。
また、コア12が同心円上に設けられたケーブルでない場合も、必ずしも本実施の形態の効果を逸するものではなく、介在物10を中心にコア12が同心円上に設けられた構造が最も本実施の形態の効果に供する。
コア12及び介在物10が同時に撚り合わせたコア束を形成した後に、このコア束の外側にはコア束の形状を崩さないように遮蔽層を設ける。
この遮蔽層は、コア束の外側にテープ15をきつく巻き付けるか、コア束の外側に編組線等をきつく巻き付けることにより形成する。
遮蔽層は、可撓性ケーブル1を他のケーブルや外部からの静電誘導若しくは電磁誘導の影響から保護するために設けられる。静電誘導からの保護のために例えば軟アルミテープ、軟銅線で編まれた編組線などが用いられ、電磁誘導からの保護のために例えば軟銅テープと鉄テープなどが組み合わせて用いられる。
遮蔽層を形成されたコア束の更にその外側は、ケーブル保護用のシース材16等で覆われる。
シース材16は、コア束の防水や機械的防護を目的として設けられるもので、ケーブルの用途、使用環境等によって、例えばクロロプレン、ポリ塩化ビニル等のゴム・プラスチック系の部材が用いられたり、アルミ等の金属部材が用いられたりする。
このような断面構造のケーブルとすることにより、コネクタ取付等のケーブルアセンブリ加工時にケーブルリールに巻かれたケーブル束から所望の長さを切り出し、その切り口断面からこの可撓性ケーブル1の介在内層10a(及び第1の滑り層10b)を容易に抜き取ることが可能となる。
図1(c)は、介在内層10aを抜き取った可撓性ケーブルの構造を示す断面構造図である。
図示したように、介在内層10a及び第1の滑り層10bを抜き取った可撓性ケーブル1aは、介在内層10aが抜き取られたことで、容易に変形可能な柔軟性、弾性を有する介在外層10p(及び第2の滑り層10q)を残すことになる。残った介在外層10p(及び第2の滑り層10q)の中は、中空となっている。これにより、コア束を巻き付けるテープ15等によって強く押さえつけられていたコア束を、緩い結束で束ねられた状態にすることができる。
このため、可撓性ケーブル1aに対して曲げが加えられた時に、可撓性ケーブル1aの各コア12には応力が加わる。介在外層10p(及び第2の滑り層10q)がその有する柔軟性、弾性により変形することによって、各コア12に加えられたこの応力は吸収される。
図2(a)は、左が可撓性ケーブル1aを曲げた時の状態を示し、右が曲げた部分の断面状態を示す図である。図2(b)は、左が従来の可撓性ケーブル90を曲げた時の状態を示し、右が曲げた部分の断面状態を示す図である。
図2(b)に示したように従来の可撓性ケーブル90の構造は、コア束にテープ85等を巻き付ける際には、コア束に密着して巻かれ、コア束の構成要素である各コア82、介在物91も密に押圧されている。
このため、可撓性ケーブル90は硬いものとなり、可撓性ケーブル90を曲げた時に加えられた応力に対してケーブルが硬いため反発する力がはたらき、曲がり難かった。
これに比して図2(a)に示したように介在内層及び第1の滑り層を抜き取った可撓性ケーブル1aは、介在内層が抜き取られたことで、ケーブルに加えられた応力は各コア12に伝えられる。各コア12に加えられた応力は、介在外層10pが吸収し、介在外層10pを中心に応力に応じた変形が生じる。
この介在外層10pを中心としたケーブルの変形は、即ち可撓性ケーブル1aの曲げの容易性に相当し、可撓性ケーブル1aの可撓性が向上する。
なお、可撓性ケーブル1は、図1(a)に示すように第1の滑り層10b及び第2の滑り層10qが設けられているため、介在内層10a及び第1の滑り層10bが抜き取られない状態でも、曲げ応力を受けた際には第1の滑り層10b及び第2の滑り層10qが滑り、従来の可撓性ケーブル90に比して可撓が容易になっている。
図3(a)は、本発明の他の実施の形態(請求項5〜7)である可撓性ケーブルの断面構造図である。
図示したように可撓性ケーブル2は、介在物11に複数本の信号伝送用コア及び電源線コア(以下、単にコアと云う。)13が介在物11の同心円上に設けられたケーブルであって、介在物11の介在11aの外側に滑り層(以下、介在滑り層と云う。)11bが設けられ、コア13の外側に滑り層(以下、コア滑り層と云う。)13cが設けられた構造となっている。
可撓性ケーブル2は、コア13と、介在物11とを同時に撚り合わせてコア束として、このコア束形状を崩さないように遮蔽層となるテープ15を巻いて、更にこれらの外側をケーブル保護用のシース材16等で覆って形成されている。
介在物11は、介在物11をケーブルから抜き取ることにより可撓性ケーブル2の可撓性を向上させる機能性部材であり、介在物11は介在11aの外側に介在滑り層11bが設けられており、この介在滑り層11bは、介在滑り層11bが他の部材と接し擦り合わされた際に摩擦係数が低く他の部材との滑りが良くなる性質を有している。
複数のコア13は、各コア13が信号伝送用コアであるか若しくは電源線コアであり、その本数はケーブルの用途により適宜決められ、介在物11を中心として同心円上に設けられるとよい。これらのコア13は図中においては簡単のため1つの同心円上への配置となっているが、半径の異なる同心円上に重ねてコア13を配置し撚り合わせて束ねた構造でもよい。
また、コア13が同心円上に設けられたケーブルでない介在物11が偏在した場合も、必ずしも本実施の形態の効果を逸するものではなく、介在物11を中心にコア13が同心円上に設けられた構造が最も本実施の形態の効果に浴する。
コア13の外側にコア滑り層13cが設けられており、このコア滑り層13cは、コア滑り層13cが他の部材と接し擦り合わされた際に摩擦係数が低く他の部材との滑りが良くなる性質を有している。
介在物11の介在11aとコア13とは、各々に設けられた介在滑り層11bとコア滑り層13cとを介して接する構造となっている。このため、介在滑り層11bとコア滑り層13cとが互いに滑り易さを有している。
また、各コア13は各々に設けられたコア滑り層13cを介して接する構造となっているため、コア滑り層13cによりコア13が互いに滑り易さを有している。
介在物11は、例えばポリエチレン、ビニルなどの材質から成り、糸、紐等の部材から成り立っている。
介在滑り層11bとコア滑り層13cは、例えばPTFE、XF等で形成されている。
介在滑り層11bとコア滑り層13cにPTFEを用いた場合には、介在滑り層11bとコア滑り層13cとの間若しくはコア滑り層13c相互の間には、0.2程度の動摩擦係数を有する。
このような介在物11、コア13の構造により、介在物11が抜き取り可能になっており、介在物11が抜き取られた可撓性ケーブル2a(図3(b)に示す。)はケーブルの可撓性が向上し、取り扱いの容易なものとなっている。
即ち、各コア13は各々に設けられたコア滑り層13cを介して接する構造となっているため、可撓性ケーブル2aに曲げ応力が加えられた際に、各コア13がコア滑り層13cの滑り易さにより介在物11が抜き取られた箇所や他の空いた適所にずれる。このため、可撓性ケーブル2aに加えられた曲げ応力は、各コア13の位置関係が変化することにより吸収され、可撓性ケーブル2aは容易に曲げられる。
コア12及び介在物11が同時に撚り合わせたコア束を形成した後に、このコア束の外側にはコア束の形状を崩さないように遮蔽層を設ける。
この遮蔽層は、コア束の外側にテープ15をきつく巻き付けるか、コア束の外側に編組線等をきつく巻き付けることにより形成する。
遮蔽層は、可撓性ケーブル1と同様の部材が用いられる。
遮蔽層を形成したコア束の更にその外側は、ケーブル保護用のシース材16等で覆われる。
シース材16は、可撓性ケーブル1と同様の部材が用いられる。
このような断面構造のケーブルとすることにより、コネクタ取付等のケーブルアセンブリ加工時にケーブルリールに巻かれたケーブル束から所望の長さを切り出し、この可撓性ケーブル2の介在物11を容易に抜き取ることが可能となる。
また、介在物11の代わり若しくは介在物11に加えてダミー用のコア13を適宜抜き取ってもよい。ダミー用のコア13は、コア13の内で使用しない信号伝送用コアや電源線コアをスペア線として残しておいたもので、このダミー用のコア13を支障にない範囲で抜き取ることで、介在物11を抜き取った場合と同様の効果(可撓性の向上)を得ることが出来る。
図3(b)は、介在物11を抜き取った可撓性ケーブルの構造を示す断面構造図である。
図示したように、介在物11(若しくはコア13)を抜き取った可撓性ケーブル2aは、介在物等が抜き取られたことで、きつく巻き付けられていたテープ15によって強く押さえ付けられていたコア束を緩い結束で束ねられている状態にすることが出来る。
このため、可撓性ケーブル2aに曲げ応力が加えられたとき、各コア13に加わる応力をコア13がその状態に応じて適所にずれる等でコア13の位置関係が変化することにより応力を吸収できる。更に、各コア13にもコア滑り層13cが設けられているため、コア13が互いに滑り位置関係の変化も容易に生じる。
これら可撓性ケーブル2aの緩い結束及び、コア13の位置関係変化の容易さにより可撓性ケーブル2aの曲げ容易性即ち可撓性が向上する。
図4(a)は、左が可撓性ケーブル2aを曲げた時の状態を示し、右が曲げた部分の断面状態を示す図である。図4(b)は、左が従来の可撓性ケーブル90を曲げた時の状態を示し、右が曲げた部分の断面状態を示す図である。
図4(b)に示したように従来の可撓性ケーブル90は硬いものであり、可撓性ケーブル90を曲げた時に加えられた応力に対してケーブルが硬いため反発する力がはたらき曲がり難かった。
これに比して図4(a)に示したように介在物(又はコア13)を抜き取った可撓性ケーブル2aは、介在物(又はコア13)が抜き取られたことで、各コア13が適所に移動する。このように各コア13が適所に移動することにより可撓性ケーブル2aが変形して、可撓性ケーブル2aに加えられた応力は吸収される。
この可撓性ケーブル2aの変形は、即ち可撓性ケーブル2aの曲げの容易性に相当し、可撓性ケーブル2aの可撓性が向上する。
なお、可撓性ケーブル2は、図3(a)に示すように介在滑り層11a及びコア滑り層13cが設けられているため、介在物11(又はコア13)が抜き取られない状態でも、曲げ応力を受けた際には介在滑り層11a及びコア滑り層13cが滑り、従来の可撓性ケーブル90に比して可撓容易になっている。
ここまで説明したような可撓性ケーブル1a、2aと従来の可撓性ケーブル90の可撓性の比較検証を次に示す。
図5に、ケーブルの可撓性評価試験方法及び条件を示す。
図示したように、評価用ケーブル3は、ケーブルの一端を長さ30cmに亘り自由に曲げられるようにして残りの部分を支持台20にしっかり固定する。ケーブルの自由に曲げられる側の端には、錘21が垂下される。
錘21の質量を15g刻みで変化させ、その時の各々の変移量Xを測定・記録する。評価用ケーブル3を交換し、同様の測定を行う。
図6は、評価用ケーブル3として用いた可撓性ケーブル1c、2cの具体的構造を示している。図6(a)は、請求項1〜4の実施の形態である評価用の可撓性ケーブル1cの構造を示す断面構造図である。
可撓性ケーブル1cは、図1(a)で示した可撓性ケーブル1の評価用サンプルの一例を示す。
可撓性ケーブル1cの中心に設けられた介在物10は、多層構造となっており2.0mmの外径を為す。介在物10は、外径1.0mmの介在内層10aの外側に第1の滑り層10bが層の厚さ0.1mmで形成されている。第1の滑り層10bの外側には第2の滑り層10qが厚さ0.1mmで形成され、第2の滑り層10qの外側には介在外層10pが厚さ0.3mmに亘り形成されている。
コア12は、仕上がり外径2.1mmの信号伝送用コア若しくは電源用コアを為す。コア12は、中心導体が単線の外径0.5mmの軟導線の外側に外径0.15mmの架橋ポリエチレンの層により絶縁体が形成され、その外側に厚さ0.65mmのPETが被覆され形成されている。
介在物10及びコア12で形成された外径が6mmのコア束の外側には、厚さ0.4mmに亘りテープが巻かれ、テープの外側は厚さ0.9mmのシース材により覆われている。
図6(b)は、請求項5〜7の実施の形態である評価用の可撓性ケーブル2cの構造を示す断面構造図である。
可撓性ケーブル2cは、図3(a)で示した可撓性ケーブル2の評価用サンプルの一例を示す。
可撓性ケーブル2cの中心に設けられた介在物11は、多層構造となっており2.0mmの外径を為す。介在物11は、外径1.8mmの介在10aの外側に介在滑り層10bが層の厚さ0.1mmで形成されている。
コア13は、仕上がり外径2.1mmの信号伝送用コア若しくは電源用コアを為す。コア13は、中心導体が単線の外径0.5mmの軟導線の外側に外径0.15mmの架橋ポリエチレンの層により絶縁体が形成され、その外側に厚さ0.55mmのPTFEが被覆されその外側に厚さ0.1mmでコア滑り層13cが形成されている。
介在物11及びコア13で形成された外径が6mmのコア束の外側には、厚さ0.4mmに亘りテープが巻かれ、テープの外側は厚さ0.9mmのシース材により覆われている。
このような、ケーブルを用いて、曲げ評価試験を行った評価結果を図7に示す。
図の横軸は、ケーブルに垂下した錘の質量(単位:g)を示し、縦軸は垂下した錘の質量に対応したケーブルの端の変移量X(単位:cm)を示す。尚、ここで云う変移量Xは、図5に示した評価試験方法で垂下した錘の質量が0gであるときに支持台20から30cm張り出した評価用ケーブル3がケーブルの自重により自然に下がった位置を基準0として、各錘の質量に於ける変移量を示したものである。
特性図から分かるように、従来の可撓性ケーブル90に比して、可撓性ケーブル1c、2cは、錘質量に対する変移量Xが大きくケーブルの可撓性が向上していることが分かる。
例えば、垂下した錘21の質量が30gの時には、従来の可撓性ケーブル90は、約11cm変移している。これに対して、可撓性ケーブル1cでは、変移量Xが約14cmと大幅に可撓性が向上している。更に、可撓性ケーブル2cではその変移量Xが約15cmと向上している。
以上説明したように、ケーブルの可撓性を向上させるために、信号伝送用コア及び電源線コアと2層からなる介在物を束ね、この2層の介在物は内側介在物と外側介在物との間に滑り層を設けるか、または内側介在物の外側及び外側介在物の内側に滑り層をそれぞれ設け、コネクタ取付等のケーブル加工時に介在または介在物内層の一部を抜き取ることが容易な構造とした。
また、更に介在物の最外層は容易に変形可能となるように弾性を有する素材若しくは構造とし、介在物の変形によりケーブル曲げ時に加わる応力を容易に吸収できるようにした。
本発明の実施の形態によるケーブルを用いたケーブルアセンブリ品は、可撓性に優れているため耐屈曲性が要求される自動車内配線やロボットの制御用途、又は小さい曲げ半径や組立時の取り扱いが要求される機器内配線等に用いることができる。
尚、説明した実施の形態では介在物1本とコア6本、又はコア7を撚り合わせたコア束の断面構造としたが、これに限らず任意本数の介在物及びコアを有するケーブルに対して本発明は有効である。
本発明は、ケーブルのみに限定して適用されるものではなく、撚り合わせて束ねる可撓性部材に広く適用され、これら部材の可撓性を著しく向上させる産業上の利用可能性を有する。
図1(a)は、可撓性ケーブルの構造を示す断面構造図である。図1(b)は、介在物の断面拡大図である。図1(c)は、内側介在物を抜き取った可撓性ケーブルの構造を示す断面構造図である。 図2(a)は、左が本発明の実施の形態である可撓性ケーブルを曲げた時の状態を示す概要図であり、右が曲げた部分の断面状態図である。図2(b)は、左が従来の可撓性ケーブルを曲げた時の状態を示す概要図であり、右が曲げた部分の断面状態図である。 図3(a)は、可撓性ケーブルの他の実施の形態を示す断面構造図である。図3(b)は、介在物を抜き取った可撓性ケーブルの構造を示す断面構造図である。 図4(a)は、左が他の実施の形態である可撓性ケーブルを曲げた時の状態を示す概要図であり、右が曲げた部分の断面状態図である。図4(b)は、左が従来の可撓性ケーブルを曲げた時の状態を示す概要図であり、右が曲げた部分の断面状態図である。 ケーブルの可撓性評価試験方法及び条件を示す説明図である。 図6(a)は、請求項1〜4の実施の形態である可撓性ケーブルの構造を示す断面構造図である。図6(b)は、請求項5〜7の実施の形態である可撓性ケーブルの構造を示す断面構造図である。 ケーブルの可撓性評価試験の評価結果を示す特性図である。 図8(a)は、複数の信号線及び電源線コアを撚り合わせた従来の可撓性ケーブルの構造を示す断面構造図である。図8(b)は、複数の信号線及び電源線コア、介在物を同時に撚り合わせた従来の可撓性ケーブルの構造を示す断面構造図である。
符号の説明
1、1a 可撓性ケーブル
10 介在物
10a 介在内層
10b 第1の滑り層
10p 介在外層
10q 第2の滑り層
12 コア(信号伝送用コア及び電源線コア)
15 テープ/遮蔽層
16 シース材

Claims (7)

  1. 介在物の周囲に複数本の信号伝送用コア及び電源線コアが同心円状に設けられたケーブルであって、上記介在物が同心円状に2以上の層からなることを特徴とする可撓性ケーブル。
  2. 上記層のうち内側に位置する層の外側に第1の滑り層が設けられ、外側に位置する層の内側に第2の滑り層が設けられた請求項1記載の可撓性ケーブル。
  3. 上記第1の滑り層が、上記第2の滑り層に対して滑り易さを有し、上記介在物の内側の層及び上記第1の滑り層が抜き取り可能な請求項2または3記載の可撓性ケーブル。
  4. 上記介在物における外側に位置する層及び上記第2の滑り層は、上記内側に位置する層及び上記第1の滑り層が抜き取られた状態において、外力により容易に変形可能な柔軟性を有する請求項2〜4いずれか記載の可撓性ケーブル。
  5. 介在物の周囲に複数本の信号伝送用コア及び電源線コアが同心円上に設けられたケーブルであって、上記介在物、上記信号伝送用コア及び上記電源線コアの外側に各々滑り層が設けられたことを特徴とする可撓性ケーブル。
  6. 上記介在物に設けられた滑り層が上記信号伝送用コア及び上記電源線コアに設けられた滑り層に対して滑り易さを有し、上記介在物及び上記介在物に設けられた滑り層が抜き取り可能な請求項5記載の可撓性ケーブル。
  7. 上記介在物が、信号伝送用コアまたは電源線コアである請求項5または6記載の可撓性ケーブル。
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