JP2007299562A - 耐屈曲ケーブル、自動車用ケーブル及びロボット用ケーブル - Google Patents

耐屈曲ケーブル、自動車用ケーブル及びロボット用ケーブル Download PDF

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Abstract

【課題】 ツイストペア線をシールドする横巻きシールドの断線を防止する。
【解決手段】 可撓性絶縁心線4を2心撚り合わせたツイストペア線5に横巻きシールド6が巻き付けられた可撓性シールド絶縁心線7を有する耐屈曲ケーブルにおいて、前記横巻きシールド6が前記ツイストペア線5の撚り方向と同一方向に巻き付けられたことを特徴とする耐屈曲ケーブル。
【選択図】 図1

Description

本発明は、屈曲した配線部又は屈曲動作部等に用いられる耐屈曲ケーブル、自動車用ケーブル、ロボット用ケーブルに関するものである。
ツイストペア線をシールド及びシースにより被覆した耐屈曲ケーブルは、ノイズに強く、自動車用又はロボットの制御ケーブル、電源ケーブル、ハーネスケーブル、通信ケーブルとして広く用いられている。図4は従来の耐屈曲ケーブルの構造を示す解説図、図5は耐屈曲ケーブル内の可撓性シールド絶縁心線の横断面図である。図4、図5に示すように、耐屈曲ケーブル1では、銅合金集合撚り線からなる可撓性導体2の上に絶縁被覆3を設けて可撓性絶縁心線4とし、この可撓性絶縁心線4,4を2心撚り合せて「対」とすることでツイストペア線5を構成しており、このツイストペア線5に、ツイストペア線5をシールドするための横巻きシールド6を被せて可撓性シールド絶縁心線7とし、可撓性シールド絶縁心線7をコア(ケーブル心)としてコア上に、介在物(図示せず)を配置してシース8により被覆している。なお、ツイストペア線5を多心有する多心耐屈曲ケーブルの場合、可撓性シールド絶縁心線7の複数本を撚り合わせたコア(ケーブル心)上に、介在物(図示せず)を配置してシース8によって被覆している。
この場合、横巻きシールド6には伸びのよい銅等等の金属素線が用いられており断線がし難いが、耐屈曲ケーブル1の動揺により繰り返し曲げが作用すると、横巻きシールド6に断線が発生してしまうことがある。そこで、従来の可撓性シールド絶縁心線7の構造を検討すると、横巻きシールド6はツイストペア線5の撚り方向と逆方向に巻き付けられており、2心の可撓性絶縁心線4を跨ぐ箇所で横巻きシールド6に破断が発生している。つまり、図5に示すように、2心の可撓性絶縁心線4を跨ぐ箇所で横巻きシールド6の素線が可撓性絶縁心線4間の谷間に入り込んでしまうと、横巻きシールド6に曲率の小さな曲げ部9が形成され、この曲げ部9から疲労破壊が発生するものと想定される。
なお、シールドの耐屈曲性を向上させるため、横巻きシールドとして高抗張力繊維糸(テトロン糸)の周りに銅箔テープを横巻きした銅箔糸を用いることが知られている(特許文献1参照)。
実開平5−38715号公報
このように、従来の耐屈曲ケーブルに横巻きシールドが用いられているが、局所的に小さな曲げ部に起因した断線が発生することがある。
そこで、本発明はツイストペア線をシールドする横巻きシールドの断線を防止することを目的とする。
請求項1の発明は、可撓性絶縁心線を2心撚り合わせたツイストペア線に横巻きシールドが巻き付けられた可撓性シールド絶縁心線を有する耐屈曲ケーブルにおいて、前記横巻きシールドが前記ツイストペア線の撚り方向と同一方向に巻き付けられたものである。このように横巻きシールドを巻き付けると、横巻きシールドの素線がツイストペア線を構成している可撓性絶縁心線の谷間に入り込むことがなく、撚り合わされた可撓性絶縁心線を跨ぐことがなく、繰り返し曲げが集中する局部的な曲げ部は存在しない。従って、横巻きシールドの疲れ強さが実質的に向上し、耐屈曲性が向上する。
請求項2記載の発明は、可撓性絶縁心線を2心撚り合わせたツイストペア線に横巻きシールドが巻き付けられた可撓性シールド絶縁心線を撚り合わせたケーブル心を有する耐屈曲ケーブルにおいて、前記横巻きシールドが前記ツイストペア線の撚り方向と同一方向に巻き付けられたものである。このようにすると、請求項1記載の発明と同様に、各横巻きシールドの疲れ強さが実質的に向上し、耐屈曲性が向上する。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記横巻きシールドが前記ツイストペアケーブルの撚りピッチと同じピッチで前記ツイストペア線に巻き付けられたものである。
このようにして横巻きシールドの素線を隣接する可撓性絶縁心線に支持させると、外側からの押し付け力に対して横巻きシールドの曲げ強さが増加する。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記横巻きシールドが、前記ツイストペア線の包絡線に沿って前記ツイストペア線に巻き付けられ、隣接する横巻きシールドの素線同士が互いに接しているものである。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4いずれかに記載の耐屈曲ケーブルを用いて形成された自動車用ケーブルを提供するものである。
請求項6記載の発明は、請求項1〜4いずれかに記載の耐屈曲ケーブルを用いて形成されたロボット用ケーブルを提供するものである。
本発明によれば、繰り返し曲げに対する横巻きシールドの疲れ強さを実質的に向上することができるという優れた効果を発揮する。
以下、図1乃至図3を参照して本発明の一実施形態を説明する。
図1は本実施形態に係る耐屈曲ケーブルの構造を示す解説図、図2は耐屈曲ケーブル内の可撓性絶シールド縁心線の横断面図、図3は本実施の形態に係る耐屈曲ケーブルの横断面図である。なお、この実施の形態では、従来と同じ構成については同一符号を付している。図示されるように、耐屈曲ケーブル1は、銅合金集合撚り線からなる可撓性導体2の上に絶縁被覆3を設けて可撓性絶縁心線4を形成し、この可撓性絶縁心線4を2心撚り合せて「対」とすることでツイストペア線5を構成している。
ツイストペア線5はノイズを遮蔽するため横巻きシールド6に覆われると可撓性シールド絶縁心線7となる。
本実施の形態では、横巻きシールド6には、軟銅線、銅合金糸又は銅合金箔糸が用いられており、横巻きシールド6の巻き付けピッチはツイストペア線5、すなわち、2心の可撓性絶縁心線4,4の撚りピッチと同ピッチであり、巻き付け方向も可撓性絶縁心線4の撚り方向と同一方向である。
横巻きシールド6がツイストペア線5にその包絡線に沿わせて隙間なく巻き付けられると、横巻きシールド6は、ツイストペア線5を構成している2心の可撓性絶縁心線4,4に支持される。このように横巻きシールド6を可撓性絶縁心線4に支持させると、横巻きシールド6が可撓性絶縁心線4を跨ぐことがなく局部的な曲げ部も無くなるので、繰り返し曲げに対しての横巻きシールド6の疲れ強さが実質的に向上し、耐屈曲ケーブル1としての信頼性が向上する。
ツイストペア線5に横巻きシールド6を巻き付けて可撓性シールド絶縁心線7とした後はシース8が被せられて耐屈曲ケーブル1となり、自動車用ケーブル、ロボット用ケーブルとして用いられる。ここで、自動車用ケーブル、ロボット用ケーブルとは、それぞれ、制御ケーブル、通信ケーブル、電源ケーブル、ハーネスケーブルとして、耐屈曲ケーブル(1)に必要な部品が取り付けられたケーブルのことをいう。このため、前記耐屈曲ケーブル1をハーネスケーブル、制御ケーブル、電源ケーブルとしてロボットや自動車に組み込み、ロボット側、自動車側の遥動により、耐屈曲ケーブル1が動揺した場合でも繰り返し曲げによる断線を防止することが可能となる。
多心屈曲ケーブルの場合、図3に示すように、可撓性シールド絶縁心線7を複数本、撚り合わせてコア(ケーブル心)とした後、このコア上に介在物12を介してシース13が被せられ、多芯の耐屈曲ケーブル14が形成される。この実施の形態では、4本の可撓性シールド絶縁心線7、つまり四対のツイストペア線5を介在物12とともに撚り合せて、全体として円形の横断面形状とした後に、その上からシース13を被覆している。なお、介在物12には、例えば、スフ糸の他、紐状の樹脂が用いられる。
まず、実施形態で説明したように、ツイストペア線5に横巻きシールド6を被せて可撓性シールド絶縁心線7を形成し、本実施形態に係る供試とした。横巻きシールド6の素線材料は銅とし、素線径は0.08mmとした。横巻きシールド6を、ツイストペア線5の撚りピッチと同じピッチの20mmでツイストペア線5の撚り方向と同じ方向に巻き付けた。
また、比較のため、供試片と同じツイストペア線5に、供試片と同じ横巻きシールド6を、供試片と逆方向、すなわち、従来技術で説明したように、ツイストペア線5の撚り方向と逆方向にツイストペア線5に横巻きシールド6を巻き付け、これを比較例として、左右屈曲試験を実施した。左右屈曲ケーブル試験は、横巻きシールド6に断線が発生するまで左右交互に供試片及び比較例の屈曲を繰り返し、横巻きシールド6に断線が発生した回数を知るための試験である。従って、回数が多いほど性能は高い。
比較例は15万回で横巻きシールド6に断線が発生し、供試片は55万回で断線が発生した。その差は40万回である。従って、横巻きシールド6の素線の巻き方向及び巻き線ピッチをツイストペア線5、言い換えると、可撓性絶縁心線4同士の撚り方向及び撚りピッチと同一とするだけの簡単な構成で、横巻きシールド6の断線までの回数を向上させることができた。
本実施形態に係る耐屈曲ケーブルの構造を示す解説図である。 耐屈曲ケーブル内の可撓性シールド絶縁心線の横断面図である。 本実施の形態に係る耐屈曲ケーブルの横断面図である。 従来の耐屈曲ケーブルの構造を示す解説図である。 耐屈曲ケーブル内の可撓性シールド絶縁心線の横断面図である。
符号の説明
1 耐屈曲ケーブル
2 可撓性導体
3 絶縁被覆
4 可撓性絶縁心線
5 ツイストペア線
6 横巻きシールド
7 可撓性シールド絶縁心線
8 シース
9 曲げ部
10 シールド絶縁心線
12 介在物
13 シース
14 耐屈曲ケーブル

Claims (6)

  1. 可撓性絶縁心線を2心撚り合わせたツイストペア線に横巻きシールドが巻き付けられた可撓性シールド絶縁心線を有する耐屈曲ケーブルにおいて、前記横巻きシールドが前記ツイストペア線の撚り方向と同一方向に巻き付けられたことを特徴とする耐屈曲ケーブル。
  2. 可撓性絶縁心線を2心撚り合わせたツイストペア線に横巻きシールドが巻き付けられた可撓性シールド絶縁心線を撚り合わせたケーブル心を有する耐屈曲ケーブルにおいて、前記横巻きシールドが前記ツイストペア線の撚り方向と同一方向に巻き付けられたことを特徴とする耐屈曲ケーブル。
  3. 前記横巻きシールドが前記ツイストペアケーブルの撚りピッチと同じピッチで前記ツイストペア線に巻き付けられたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の耐屈曲ケーブル。
  4. 前記横巻きシールドが、前記ツイストペア線の包絡線に沿って前記ツイストペア線に巻き付けられ、隣接する横巻きシールドの素線同士が互いに接している請求項3記載の耐屈曲ケーブル。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載の耐屈曲ケーブルを用いて形成された自動車用ケーブル。
  6. 請求項1〜4いずれかに記載の耐屈曲ケーブルを用いて形成されたロボット用ケーブル。
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