JP5465856B2 - 伸縮性ワイヤーハーネス - Google Patents

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Description

本発明は伸縮性ワイヤーハーネスに係わるものであり、特に断線しにくい伸縮性ワイヤーハーネスに関するものである。
近年、生活支援を目的とした多彩なロボットが研究開発されている。これらのロボットは、多彩な動きをするために、多数の関節を有するものや柔軟な皮膚感覚を持つ物が求められている。これらの開発において、配線は、伸縮性が無いため、屈曲部の軸中心に配置されるか、屈曲部をたるませて配置される必要があり、配線レイアウトが非常に難しくなるという問題、屈曲部に大きなスペースが必要となりコンパクトにできないという問題がある。また、皮膚の開発においては、配線が伸縮しないため、十分な柔軟性が発現できないという問題がある。従って、伸縮性のある伝送線(電力伝送線および/または信号伝送線)がもとめられている。
一方、医療用途においては、筋電位を計測し、義手、義足を動かす研究や、同じく筋電位を計測し、動きをアシストする介助具(足、腰、腕)に関する研究や、これらを統合したスーツの研究がある。さらに、心電位を計測し、健康状態(心臓疾患、うつ病など)を把握し、治療に役立てる研究がある。これらの生体電位計測においても伸縮性のある伝送線が強く求められている。さらに、いわゆるウエアラブルコンピュータなどの、身体に演算装置、デスプレイ、センサー、電源等を搭載したウエアーの開発においては、演算装置、デスプレイ、センサー、電源等をつなぐ配線として、伸縮性のある伝送線(電力伝送線、信号伝送線)が求められている。
伸縮性伝送線としては、所謂伸縮電線として、伸縮自在な芯材の周りに導線を捲回したもの(例えば特許文献1参照)、弾性糸の周りに導線を捲回したものを複数本束ねたもの(例えば特許文献2参照)などが知られている。一方伸縮性を有するハーネスとしては、フラットケーブルをたるませる機構を持った伸縮式フラットワイヤーハーネス(例えば特許文献3参照)や、ワイヤーハーネスの伸縮構造(例えば特許文献4参照)などが知られている。
しかし、伸縮電線とコンタクトおよびハウジングからなるコネクターとを一体にした伸縮性ワイヤーハーネスは知られていない。
ワイヤーハーネスは、絶縁電線の端部の絶縁被覆をはがし、裸銅線をコンタクトに圧着またはハンダ付けにより接続し、このコンタクトをハウジングに挿入することで形成される。
通常、この状態または接続部分を絶縁被覆した状態で使用することができる。これは、一般に電線を伸縮させることが無く、配線時に断線しなければ、実用上問題になることがないためである。
しかし、弾性体の周囲に導線が捲回されている伸縮性伝送線の場合は、伸縮させることを目的としており、実用時に伸縮応力及びこれにともなう変形がコネクター部分にも及ぶ。このため、導線部をコンタクトに圧着またハンダ付けにより接続しただけ、または、その周囲を絶縁被覆しただけでは、伸縮時に導線とコンタクトの接続部分に伸縮応力が伸張により伝播し、弾性体と導線が分離し、弾性体より分離した導線は直線状に近づくので、弾性体に捲回されている導線との境界で導線が歪み、断線しやすくなるという問題がある。
特開2004−134313号公報 特開昭61−163513号公報 特開平6−314519号公報 特開2006−174671号公報
本発明の目的は、弾性体を含む伸縮性のある伝送線を利用し、かつ、伸縮により接続部が断線しにくい、実用性の高い伸縮性ワイヤーハーネスを提供することである。
本発明者らは、この目的を達成するために鋭意検討した結果、弾性体をハウジングに接合することにより、特に特定範囲の接合特性を有する条件で接合することにより、伸張変形による断線を大幅に軽減できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は下記の発明を提供する。
(1)1本以上の導線および弾性体を含み、該弾性体の周囲に該導線が捲回されている伸縮性伝送線と、該伸縮性伝送線の少なくとも一端に設けられた、コンタクトおよびハウジングからなるコネクターとからなり、該コンタクトと該ハウジングが相互に接続または固定されており、該導線と該コンタクトが圧着またハンダ付けにより接続されており、該弾性体と該ハウジングが該伸縮性伝送線と該ハウジング双方にまたがる物体を介して各々圧力または接着により接合していることを特徴とする伸縮性ワイヤーハーネス。
(2)伸縮性伝送線の伸縮性が10%以上であり、弾性体とハウジングの接合力が伸縮性伝送線の常用伸張限界応力以上であることを特徴とする上記(1)に記載の伸縮性ワイヤーハーネス。
(3)伸縮性伝送線とハウジング双方にまたがる前記物体が接着剤であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の伸縮性ワイヤーハーネス。
(4)前記接着剤が、コンタクトとの濡れ角度が30°以上であることを特徴とする上記(3)に記載の伸縮性ワイヤーハーネス。
(5)前記接着剤の硬化後の硬度が60〜95であることを特徴とする上記(3)または(4)に記載の伸縮性ワイヤーハーネス。
(6)圧着またハンダ付けにより導線を結線したコンタクトをハウジングに挿入または装着した後、接着剤を付与してハウジングと弾性体と導線をまとめて接着することを特徴とする上記(3)〜(5)のいずれか一項に記載の伸縮性ワイヤーハーネスの製造法。
本発明の伸縮性ワイヤーハーネスは、優れた伸縮性を有し、伸縮による接続部の断線が起こり難く、実用性が高い。
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明の伸縮性ワイヤーハーネスは、1本以上の導線および弾性体を含む伸縮性伝送線と、コンタクトおよびハウジングからなるコネクターとから構成され、当該弾性体と当該ハウジングが接合しているものである。
本発明でいう伝送線とは、電力伝送線および/または信号伝送線をいう。
本発明で用いられる伸縮性伝送線は、10%以上の伸縮性があるものが好ましい。好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上である。
上限は特に限定は無いが、高い伸縮性を持つものは、内部に含まれる導線の長さが長くなるため、抵抗値および信号伝送性が低下する。一般的な用途としては、5倍以下で使用されるケースがほとんどで、3倍以下で使用されるケースが多い。
本発明で用いられる伸縮性伝送線は、容易に伸張するものが好ましい。
20%伸張荷重は2000cN未満が好ましい。さらに好ましくは1000cN以下、より好ましくは500cN以下である。2000cN以上のものは、伸張させるために大きな負荷が必要となり好ましくない。
本発明に用いる伸縮性伝送線は、使用時の所定伸張を、1万回以上好ましくは10万回以上、さらに好ましくは50万回以上繰り返しても断線しないものが好ましい。本発明は、耐繰り返し伸縮性に優れ、実用に適した伸縮性ワイヤーハーネスを提供するものである。
1本以上の導線と弾性体を含む伸縮性伝送線は、例えば、弾性体の周囲に導線を捲回する方法、弾性体の周囲に伸縮性を阻害しないように、絶縁繊維を配置し、弾性円筒体を形成し、その周囲に導線を捲回する方法、コイル状バネの周囲に絶縁性繊維で編み組みを形成し、その周囲に導線を捲回する方法、導線と弾性長繊維をひきそろえて、または、別々に編み組む方法などにより得ることができる。
本発明でいう弾性体とは、10%以上の伸縮性を持つ、長細い物体をいう。本発明で用いる弾性体は、伸度10%以上、好ましくは50%以上、さらに好ましくは100%以上、特に好ましくは300%以上で伸縮性に富むものであればよい。
その代表的なものは、所謂弾性長繊維や、糸ゴム、さらにはコイルバネなどがある。また、弾性チューブでもよい。これらの周りに繊維被覆層等を設け、弾性円筒体としたものでも良い。
弾性長繊維は、ポリウレタン系弾性長繊維、ポリオレフィンン系弾性長繊維、ポリエステル系弾性長繊維、ポリアミド系弾性長繊維、天然ゴム系弾性長繊維、合成ゴム系弾性長繊維および天然ゴムと合成ゴムの複合ゴム系弾性長繊維等をあげることができる。
ポリウレタン系弾性長繊維は、伸びが大きく、耐久性にもすぐれるため本発明の弾性長繊維として最適である。
天然ゴム系長繊維は、断面積あたりの応力が他の弾性長繊維に対比して小さく、低応力で伸縮する伸縮性伝送線を得やすいという利点がある。しかし、劣化しやすいため、長期にわたり伸縮性を保持することが難しい。従って、短期の使用を目的とする用途に好適である。
合成ゴム系弾性長繊維は、耐久性にはすぐれるが、伸びの大きな物が得にくい。従って、あまり大きな伸びを要求しない用途に好適である。
弾性長繊維は、モノフィラメントでもマルチフィラメントでも良い。
弾性長繊維の直径は0.01〜20mmの範囲が好ましい。より好ましくは0.02〜10mmである。さらに好ましくは0.03〜5mmである。直径が0.01mm以下の場合、伸縮性が得られず、直系が20mmを超えると、伸張させるのに大きな力が必要となる。弾性長繊維をあらかじめ、双糸もしくは多子撚りとしたもの、または、弾性長繊維を芯にしてその回りに別の弾性長繊維を捲回したものを用いることもできる。
コイルバネは、金属以外のコイルバネであっても、金属コイルバネであっても良い。金属のコイルバネは高温下でも劣化せず、高温環境下で使用される用途に適する。コイル形状のバネは、コイリングマシーンの選定と選定したコイリングマシーンの条件設定で任意に設計できる。コイルバネ単独では、その周囲に導線を捲回できないため、あらかじめコイルバネの周囲に絶縁繊維の編み組み等を形成することにより導線を捲回することができ、伸縮性伝送線を得ることができる。
コイル直径は0.02〜30mmの範囲が好ましい。より好ましくは0.05〜20mmであり、さらに好ましくは0.1〜10mmである。外径が0.02mm以下のコイルバネは製造が困難であり、30mmを越えると、導線の捲回径が大きくなりすぎ、好ましくない。
コイルバネの材料は、公知の伸線から任意に選ぶことができる。線材の材料は、ピアノ線、硬鋼線、ステンレス鋼線、オイルテンパー線、燐青銅線、ベリウム銅線および洋白線などがある。耐食性および耐熱性に優れ、かつ入手しやすい点から、ステンレス鋼線が望ましい。
弾性体として、弾性チューブを用いることもできる。
弾性チューブは、そのままで用いることも、弾性チューブの外層に繊維層を形成して用いることもでききる。導線と弾性チューブが直接接触すると、弾性チューブに傷が付きやすいため、弾性チューブの外層に繊維層を形成することが好ましい。また、弾性チューブの中に導線を埋め込むこともできる。例えば、ステンレス棒に導線を捲回し、これをゴムラテックス中に浸漬または塗布したのち、公知の方法(例えば、加硫処理、熱処理、乾燥処理)を行った後、内部のステンレス棒を抜き去る等することにより得ることができる。
弾性体の周りに繊維被覆層等を設け、弾性円筒体とした場合、弾性円筒体の伸度は10%以上必要であり、30%以上が好ましく、50%以上であるとさらに好ましい。伸度が30%未満と低い場合は、導線及び外部被覆層での被覆により伸びが低下し伸縮性の低い伸縮性伝送線になる場合がある。
弾性円筒体の20%伸長荷重は2000cN以下であることが好ましい。さらに好ましくは1000cN以下、特に好ましくは500cN以下である。
弾性円筒体の直径は、30mm以下、好ましくは20mm以下、より好ましくは10mm以下である。直径が30mm以上となると、太く、重くなり、実用上好ましくない。
本発明で用いられる導線は、導電性のよい物質からなる導体細線の集合線であることが好ましい。導体細線の集合線は、やわらかく、断線しにくいため、伸縮性伝送線の伸縮性や、耐久性の向上に寄与する。導体細線は2本以上集合して1つの導線として用いることが好ましい。集合本数の上限は特に無いが、柔軟性と、電気抵抗を勘案して任意に決めることができる。集合本数を増やすと生産性が低下するため、10000本以下が好ましい。より好ましくは1000本以下である。
導電性の良い物質とは比抵抗が1×10-4Ω・cm以下の電気伝導体を言う。特に好ましくは1×10-5Ω・cm以下の金属を言う。具体的な例としては、所謂銅(比抵抗が0.2×10-5Ω・cm)、アルミ(比抵抗が0.3×10-5Ω・cm)などを挙げることができる。
銅線は、比較的安価で電気抵抗が低く細線化も容易で、最も好ましい。アルミニウム線は軽量であるから、銅線に続いて好ましい。銅線は軟銅線または錫銅合金線が一般的であるが、熱処理を施した硬銅線、強力を高めた強力銅合金(例えば、無酸素銅に鉄、燐およびインジウム等を添加したもの)、錫、金、銀または白金などでメッキして酸化を防止したもの、電気信号の伝送特性を向上させるために金その他の元素で表面処理したものなどを用いることもできるが、これに限定されるものではない。
導線を構成する導体細線の単線直径は1mm以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.3mm以下であり、特に好ましくは0.1mm以下である。最も好ましくは0.05mm以下である。
細線化することにより、柔軟性を高めることができる。さらに、高周波特有の表皮効果に対して、細線化により、表面積が高まり伝送性を高めることができる。あまり細すぎると加工時に断線し易いため、0.005mm以上が好ましい。
導体細線を集合させるには様々な方法が知られており、本発明においても公知のどのような方法で集合させてもよい。しかし、ストレートにひきそろえるだけでは捲回しづらいため、撚り線とすることが好ましい。また、可撓性を発揮するために、集合線を絶縁繊維で捲回したものを用いることもできる。
本発明で用いられる導線は、導体細線各々または導線として、絶縁されていることが好ましい。絶縁層の厚みや種類は伸縮性ワイヤーハーネスの用途により任意に設計される。
絶縁材は、絶縁性、伝送性、柔軟性を加味して選択される。絶縁材は、公知の絶縁材料から任意に選ぶことができる。信号伝送性の観点からは、誘電率の低い素材が好ましく、フッ素系、ポリオレフィン系等の絶縁材がある。柔軟性の点からは、塩化ビニール系、ゴム系等の絶縁材がある。
本発明に用いる伸縮性伝送線は、伸縮性を有する弾性体の周囲に導線を配置することにより得ることができる。
伸縮性が発現しやすく、伸縮により導線が折れ曲がりにくいために、螺旋状に捲回することが好ましい。弾性体の周囲に捲回しても、弾性体と導線を編み組みすることによっても螺旋状の捲回状態を得ることができる。弾性体は、その周囲または内部に空気の層を保有させ、弾性円筒体を形成しても良い。
2本以上の導線を捲回する場合は、S/Zに交差して捲回しても、同一方向に捲回しても良い。
同一方向に、導線同志がクロスして重なり合うことが無く捲回されるものは、コンパクトで伸縮性に富んだ、伸縮性ワイヤーハーネスを得やすく好ましい。
弾性体と導線を平行にまたは、交差して編み組むことによって伸縮性伝送線を得ることもできる。例えば製紐機のボビンにスパンデックスと導線を各々または同時に前巻きし、製紐機を用いて、導線とスパンデックスを交差して編組などすることにより得ることができる。
本発明に用いる伸縮性伝送線は、弾性体の周囲に極細同軸ケ−ブルを捲回することによっても得ることができる。
当該極細同軸ケーブルは、太さ3mm以内が好ましい。中でも、屈曲性及び柔軟性の高いものを用いることが好ましい。許容曲げ半径は5mm以下のものが好ましい。これ以上の場合は、捲回径が大きく成りするか、または、伸縮性が低下する。
本発明に用いる伸縮性伝送線は、弾性円筒体の周囲に、所謂ツイストペアケーブルを捲回することによっても得ることができる。ツイストペアケーブルを他のツイストペアケーブルと共に捲回することも、他の導線と他のツイストペアケーブルと共に捲回することもできる。複数本のツイストペアケーブルを捲回する場合は、クロストーク防止の観点から、ツイストピッチの違うものを捲回することが好ましい。
本発明に用いる伸縮性伝送線は、弾性体の周囲に、所謂フレキシブルフラットケーブルを捲回することによっても得ることができる。フレキシブルフラットケーブルの幅は10mm以下が好ましい。より好ましくは5mm以下である。
厚みは3mm以下が好ましい。含まれる導線の数はフレキシブルフラットケーブルの幅の限界から自ずと制約される。
使用される導線は、1本以上が必要である。汎用で用いられるケースとしては、2本、3本、4本、5本、6〜10本などがある。上限は特に限定されるものでは無いが、36本以上となると、伸縮性が阻害されやすい。好ましくは16本以内である。特に好ましくは3本〜10本である。
2本の導線のみを用いる場合は、1本をシグナルライン、他をグランドラインとする。3本の導線を用いる場合は、シグナルライン2本、グランドラインとすることも、シグナルライン1本、電源ライン1本、グランドライン1本とすることもできる。
汎用性が高いケーブルとして、シグナルラインと電源ラインを併せ持つものが好まれる。特に高周波の領域では、差動伝送方式が用いられることが多いが、シグナルライン2本、電源ライン1本、グランドライン1本の合計4本とすることで、差動伝送方式による信号伝送と、電源供給を併せ持つ伸縮性伝送線を得ることができる。
電源ラインにはシグナルラインよりも大きな電流が流れるため、電源ラインの太さは、シグナルラインと同等以上であることが好ましい。
高周波領域に置いては電気抵抗の影響は小さくなるため、シグナルラインには比較的抵抗値の高い導線を用いることもできる。一方電源ラインは、電気抵抗が小さいことが好ましい。弛緩状態における伸縮性伝送線1m当たり、シグナルラインの電気抵抗は100Ω/m以下であることが好ましい。より好ましくは10Ω/m以下である。一方電源ラインの電気抵抗は、20Ω/m以下であることが好ましく、より好ましくは5Ω/m以下である。
本発明に用いる伸縮性伝送線は、導線と弾性体が接着していてもよい。通常接着剤は伸縮性が乏しく、弾性体全体を被覆するように塗布すると弾性円筒体の伸縮性が失われやすい。これを防ぐため、弾性のあるポリウレタンなどを用いて接着する方法や、導線と弾性円筒体との接触面のみを接着させるなどの方法がある。
本発明に用いる伸縮性伝送線は、導線が他の絶縁繊維で拘束されていてもよい。 例えば、導線を1方向(例えばZ方向)に捲回し、その上から絶縁性糸条体を逆方向(S方向)に捲回することで、導線を拘束し、伸縮によるズレを防止することができる。
さらに、導線と逆方向に導線の内側(弾性円筒体側)と外側を通って絶縁性糸状態を捲回し導線を拘束することにより導線の内側と外側を交互に通って、導線と逆方向に絶縁性糸状体を捲回することで、繰り返し伸縮や、伸縮を伴う屈曲動作によっても、伸張時と弛緩時の導線間隔の変化が少なく、かつ繰り返し伸縮によって導線間隔の変化が少ない伸縮性伝送線を得ることができる。
本発明に用いる伸縮性伝送線は外部被覆層を有していることが好ましい。
外部被覆層を有することにより、物理的な刺激や、化学的な刺激から保護され、耐久性が向上する。外部被覆層は絶縁繊維またはゴム弾性を持つ弾性樹脂により形成することが好ましい。
絶縁繊維による外部被覆層は伸縮性を阻害しにくく、ソフトな伸縮性を求める用途に適する。絶縁繊維は、マルチフィラメント、モノフィラメント、または紡績糸を用いることができる。マルチフィラメントは、被覆性が良く、毛羽も発生しにくく好ましい。
絶縁繊維は、伸縮性ワイヤーハーネスの用途や想定される使用条件に合わせて、公知の絶縁性繊維から任意に選ぶことができる。絶縁繊維は生糸のままでも良いが、意匠性や劣化防止の観点から原着糸や先染め糸を用いることもできる。仕上げ加工により、柔軟性や摩擦性の向上を図ることもできる。さらに、難燃加工、撥油加工、防汚加工、抗菌加工、制菌加工および消臭加工など、公知の繊維の加工を施すことにより、実用時の取り扱い性を向上させることもできる。
絶縁繊維は、耐熱性と耐磨耗性、伝送性に優れたフッ素繊維、耐熱性及び強度に優れたアラミド繊維、ポリスルホン繊維。耐火性に優れたガラス繊維、耐炎化アクリル繊維、サラン繊維。強度の強い、高強力ポリエチレン繊維およびポリケトン繊維。安価で使用しやすい、ポリエステル繊維、ナイロン繊維およびアクリル繊維などがある。これらに、難燃性を付与した難燃ポリエステル繊維、難燃ナイロン繊維および難燃アクリル繊維(モダクリル繊維)なども好適である。キュプラ、アセテート、コットンおよびレーヨンなどのセルロース系繊維や、絹または繊度の細い合成繊維は、人との接触による触感を重視する場合に好ましく用いられる。
弾性樹脂による被覆、または、ゴムチューブによる被覆を行うこともできる。
弾性樹脂は、様々な弾性の絶縁樹脂から任意に選ぶことができ、伸縮性伝送線の用途及び同時に使用する他の絶縁繊維との相性を考慮しながら、選定することができる。
考慮すべき性能として、伝送性、伸縮性、耐磨耗性、耐熱性および耐薬品性などが挙げられる。
伝送性に優れるものとしては、誘電率の低い弾性樹脂が好ましい。代表例としてはフッ素系の弾性樹脂が挙げられる。
伸縮性に優れるものとしては、所謂天然ゴム系の弾性樹脂、スチレンブタジエン系の弾性樹脂が挙げられる。
耐磨耗性、耐熱性、耐薬品性に優れるものとしては合成ゴム系弾性体が挙げられ、フッ素系ゴム、シリコーン系ゴム、エチレン・プロピレン系ゴム、クロロプレン系ゴムおよびブチル系ゴムが好ましい。
絶縁体からなる外部被覆層は、絶縁繊維により編組されたものと弾性樹脂とを組み合わせることもできる。伸縮性伝送線は小さい力で伸縮させることを望むケースが多いが、弾性樹脂のみでの被覆の場合は、弾性樹脂の厚みが厚くなる傾向があり、伸縮させる力が大きくなりやすい。このような場合は、厚みの薄い弾性樹脂と、絶縁繊維による編組を組み合わせることで、被覆性と伸縮性を両立させることができる。
本発明に用いる伸縮性伝送線は、シールドされていても良い。シールドの方法は、電気伝導性のある有機繊維または、電気伝導性の良い金属細線により編み組すること、電気伝導性の良いテープ状物(例えばアルミ箔)を捲回することなどにより得ることができる。
弾性円筒体の周囲に導線を並列に捲回した後、絶縁繊維により、絶縁層を構成し、その外周にシールド層を形成する。シールド層は電気伝導性のある有機繊維又は電気伝導性の良い金属細線又はその組み合わせで編み組することにより得ることができる。シールド層を保護する目的から、シールド層の外層に絶縁体による最外部被覆層を形成ことが好ましい。
電気伝導性のある有機繊維とは、比抵抗1Ω・cm以下のものを言う。例えばメッキ繊維や、導電性フィラを充填した繊維が上げられる。より具体的には銀メッキ繊維などが挙げられる。
コネクターは一般に、配線と配線をつなぐもの、配線と基板をつなぐもの、基板と基板をつなぐものに分類される。本発明で用いるコネクターは、配線−配線または配線−基板用のコネクターの配線側のコネクター(配線用コネクター)である。
コネクターのサイズは、導線サイズ(一般にアメリカンワイヤーゲージ(AWG)または断面積(単位mm2)で表記される)に応じて、適合したものが選定される。
通常、配線用コネクターは各導線が接続されるコンタクトと導線が接続された各コンタクトが収められるハウジングから構成される。
コンタクトは、導線サイズを考慮して選ばれる。また、ハウジングの雄型または雌型に合わせて、雄ピンまたは、雌ピンが選定される。
コンタクトは、導電性、耐食性(酸化防止)等を考慮して作製されており、銅、銅合金、ニッケル等の表面を錫、ニッケル、金、銀などでメッキされたものがある。用途、特性、価格等を考慮して選定される。錫メッキが安価で好ましく用いられる。
ハウジングは雄、雌があり、任意に選定される。
ハウジングは、金属またはプラスチックいずれかからなる。金属は、静電気の発生を防ぐ目的、または、電波ノイズをグランドにアースさせるなど、高周波特性を向上させる目的で用いられることがある。一般に高価で、音響機器や計測機器に用いられる。
プラスチックからなるハウジングは一般に軽量で、安価であり好ましく用いられる。プラスチックの材質は、強度、絶縁性、耐熱性、誘電特性(高周波特性)などを考慮して選定される。広く用いられる材質として、ナイロン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレートなどが挙げられる。
本発明の伸縮性ワイヤーハーネスは伸縮性伝送線の内部に含まれる弾性体とハウジングが接合されていることが必須である。
弾性体とハウジングの接合は、直接接合されてもよく、間接的に接合されていてもよい。ここで言う接合とは、接合されているいずれか一方に力を加える(引っ張る)と、加えた力の増加に伴い、連続的に他方に力が及ぶ状態をいう。
接合されていない場合は、加えた力の増加に伴い他方に及ぶ力が不連続となる(接着部の剥離)かまたは力が及ばない(伸縮性伝送線の断線)。
直接接合する方法は、溶解再凝固させる方法がある。
間接的に接合する方法は、弾性体を含む伸縮性伝送線とハウジング双方にまたがる物体を介して、各々圧力または接着により接合する方法がある。
圧力による接合方法としては、支持体の上から紐や糸で縛るなどの方法がある。接着による方法は、所謂接着剤で接着することができる。
また、直説法と間接法を併用することもできる。
接合力は伸縮伝送線の常用伸張限界応力以上であることが好ましい。さらに好ましくは常用伸張限界応力の2倍以上、特に好ましくは伸張限界応力5倍以上である。なお本発明で言う常用伸張限界とは伸張後弛緩しても伸張率が20%以下に回復しなくなる限界伸張率に0.6をかけた値をいう。
接着剤は公知の接着剤から、ハウジングと弾性体の接着性やコンタクトと接着剤との相性を考慮して選択することができる。
コンタクトと接着剤の濡れ角度は30°以上であることが好ましい。より好ましくは濡れ角度が45°以上である。濡れ角度が小さい場合は、接着剤がコンタクト表面まで濡れ拡がり、接触不良を発現することがある。
接着剤の硬化は2時間以内で完了するものが好ましい。さらに好ましくは1時間以内である。なお、ここでいう硬化とは、少なくとも表面の接着性が消失する時点をいう。硬化の遅いものは、硬化のために長時間静置しなければならず、生産性を阻害する。
硬化後の接着剤硬度は60〜95が好ましい。95を超えると、接着剤そのものが割れやすい。60未満の場合は、外部からの変形応力に対し、接続部分を保護する効果が乏しくなる。
コンタクトへの濡れ拡がりが少なく、接着力が高いものであれば、接着剤の材質は特に限定されない。
合成系接着剤としては、アクリル樹脂系接着剤、オレフィン系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、塩化ビニル系接着剤、クロロプレン系接着剤、アクリレート系接着剤、シリコーン系接着剤、イソシアネート系接着剤、スチレン・ブタジエン系接着剤、スチレン・ブタジエン・ゴム系接着剤、ニトリルゴム系接着剤、ニトロセルロース系接着剤、反応性ホットメルト接着剤、フェノール樹脂系接着剤、変成シリコーン系接着剤、ポリアミド樹脂ホットメルト接着剤、ポリイミド系接着剤、ポリウレタン樹脂ホットメルト接着剤、ポリ酢酸ビニル樹脂溶液系接着剤、ポリスチレン樹脂系接着剤、ポリビニールアルコール系接着剤、ポリビニルピロリドン系接着剤、ポリビニルブチラート系樹脂系接着剤、ポリメタクリレート系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、ウレア樹脂系接着剤、レゾルシノール系接着剤などを上げることができる。
ホットメルト樹脂やゴム系材料を含んだ接着剤は、浸透性が低く、接着強度も高く、弾力のある硬化状態を得やすい。
作業手順上、導線をコンタクトに結線し、ハウジングに挿入した後、接着剤を付与し、ハウジングと導線と弾性体をまとめて接着することが好ましい。
さらに、当該接続部の直径を上回る内周の熱収縮チューブによりハウジングと伸縮性伝送線の接続部を含めて覆い、熱収縮をさせることにより間接的に弾性体とハウジングを接続することもできる。
コイルバネをハウジングに接合するには、上記記載の方法に加えて、所謂接着剤で接合する方法や、ハウジングに穴や突起を設け、ここにコイルバネの先端をひっかけた上で、接着剤で固定する方法や、ハウジングとコイルバネの両方にまたがる熱収縮チューブで固定した後、コイルバネ及び熱収縮チューブの上から、紐またはワイヤーで縛り、固定する方法などがある。
以下に、本発明を実施例および比較例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
本発明で用いた評価方法は以下の通りである。
1.ワイヤーハーネスの評価
(1)繰り返し伸張耐久性試験
デマッチャー試験機((株)大栄科学精機製作所製)を用い、図1に示したように、チャック間最短距離を20cmにセットし、チャック部(1)にハウジング(3)を先端5mmを出して把持し、伸縮性伝送線を自重で下に垂らした状態で、チャック部(2)に伸縮性伝送線(5)を把持した後、その中間に直径1.27cmのステンレス棒(4)を伸縮性伝送線から5cm離して配置する。チャック部(2)の可動位置を試料の伸張時である30cmに設定し、室温で、引っ張り時伸張約60%で100回/分で所定回伸縮を繰り返し、繰り返し伸張試験を行う。
繰り返し伸張試験の前後で各コンタクト間の導通を検査し、導線が少なくとも1本断線した場合、下記基準で判定する。
AA:50万回後断線無し。
A:10万回後断線無し50万回後断線あり。
B:1万回で断線無し10万回後断線あり。
C:1万回で断線あり。
なお、試験後の電気抵抗が試験前の電気抵抗の10倍以上になった場合、断線と判断した。
(2)接合力
標準状態(温度20℃、相対湿度65%)に試料を2時間以上静置したのち、標準状態下でテンシロン万能試験機((株)エーアンドディ社製)を用い、片方のチャックにハウジングを把持し、他方のチャックへ伸縮性伝送線を把持し引張り速度200mm/分で引張り、破断試験を行なう。
伸長時に応力が急激に減少した時点の荷重を接合力とした。
(3)コネクター接続性
所定の伸縮性伝送線の端部を所定のコネクターに仕上げたものを当該コネクターと雄雌が逆のコネクター(ハウジングにコンタクトを挿入したもの)に接続し、所定の位置まで挿入できるか否かにより判定した。同条件で5個のコネクターを作り、これについて接続性を評価し、下記基準で判定した。
A:良好なものが4個以上
B:良好なものが2個以上
C:良好なものが1個以下
2.接着剤の評価
(1)接着強力
当該ワイヤーハーネスに用いられているハウジングと、当該ワイヤーハーネスに用いられている弾性体をあらかじめ所定の接着剤で接着し、硬化完了後、テンシロン万能試験機((株)エーアンドディ社製)の上下のチャックに、ハウジングと弾性体を把持し引張り試験を行ない評価した。
(2)コンタクトの濡れ性
室温下で、当該ワイヤーハーネスに用いられるコンタクトを、水平に置いた硬質塩ビ板((株)ライオン事務器製カードケース(硬質ビニール製))の上に置き、導線接続側の端に、所定の接着剤を5〜10mmの直径で塗布し、静置した。
18時間経過後、裏側より、コンタクトと接着剤の接触面を拡大撮影し、分度器を用い、濡れ角度を測定した。本明細書において濡れ角度とは、接着剤の外周とコンタクトの接点に、接着剤の外周に引いた接線とコンタクトとのなす角度θを意味する(図2参照)。
(3)硬化性
室温下で、水平に置いた硬質塩ビ板((株)ライオン事務器製カードケース(硬質ビニール製))の上に所定の接着剤を5〜10mmの直径で塗布し静置した。3時間経過後、接着剤の表面を指先で触れ、下記基準で判定した。
A:強く押しても接着剤が指先につかない。
B:軽く触れただけでは接着剤が指先につかないが、強く押すと接着剤が指先につく。
C:軽く触れても指先に接着剤がつく。
(4)硬度
上記硬化試験により硬化した接着剤を、硬化後1日静置したのち、硬度計(ASHER HARDNESS TESTER TX−351)により計測した。
(伸縮性伝送線の作製と前処理)
940dtexのポリウレタン弾性長繊維(旭化成せんい(株)製、商品名:ロイカ)を芯にして、伸張倍率を4.2倍下で、230dtexのウーリーナイロン(黒染め糸)を700T/Mの下撚りおよび500T/Mの上撚りで捲回し、ダブルカバー糸を得た。得られたダブルカバー糸を製紐用ボビンに巻き取り、当該ボビン4本を、8本打ち製紐機((有)桜井鉄工製)のS方向に2本、Z方向に2本、均等に配置し組み紐を作成し、直径1.8mmの弾性円筒体を得た。当該弾性円筒体を、特殊製紐機((1)弾性円筒体を芯部として供給する機構、(2)弾性円筒体を、複数のV溝を有する2連のロールのV溝に8の字掛けに沿わせて把持し、フィードする機構、(3)弾性円筒体を、複数のV溝を有する2連のロールのV溝に8の字掛けに沿わせ把持し、巻き取る機構、(4)弾性円筒体を伸張した状態で、導線を弾性円筒体に並列に捲回する機構、および(5)弾性円筒体を伸張した状態で、導線の捲回方向と逆方向に導線の内側と外側を交互に通って絶縁性糸状体を捲回する機構を備えた製紐機)により、2.2倍伸張しながら、導線(絶縁ビニール線(太陽電線製AWG26(50/0.08))または2USTC(180/0.03)(有限会社竜野電線社製繊維被覆電線 芯線名:ウレタンエナメル線(U)、糸巻き層数:シングル(S)、繊維:テトロン(T)、電線:銅(C)))2本をZ方向に並列に捲回し、S方向にエステル糸(56dtex(12f))を2本の導線の内側と外側を通して捲回して伸縮性伝送線を得た。当該伸縮性伝送線を弛緩状態で50cm採取し、両端から導線を約10mm引き出し、長さをそろえて約8mmで切断した。当該導線の端から約5mmの絶縁被覆を取り除き、先端にフラックス(BS−65B 太陽電線産業(株)製)を塗布した後ハンダ浴(400℃)へ約1秒浸漬し、導体細線の導通を高める前処理を行った。
(実施例1)
熱収縮チューブ(スミチューブ:内径6mm)を長さ15mmに2個切り出し、前処理を完了した伸縮性伝送線に差込み、中央部にテープで仮止めした。その後両端の2本の導線をコンタクト170204−1(タイコエレクトロニクスアンプ(株)製)へ圧着し、各々に適合した2芯ハウジング171822−2(タイコエレクトロニクスアンプ(株)製)へ挿入した。次に、クルーンガンを用いてホットメルト樹脂をハウジング、弾性体、導線の隙間を埋めるようにして、充填し、弾性体とハウジングを接合した。約20分放冷後、熱収縮チューブを両側のハウジングに約5mmかかるようにして、接合部の上を被覆し、120℃乾燥機中で1分間熱処理を行った。この後放冷し、本発明の伸縮性ワイヤーハーネスを得た。得られた伸縮性ワイヤーハーネスの繰り返し伸張耐久性および接合力の評価結果を表1に示す。
(実施例2)
両端の2本の導線をコンタクト170204−1(タイコエレクトロニクスアンプ(株)製)へ圧着し、各々に適合した2芯ハウジング171822−2(タイコエレクトロニクスアンプ(株)製)へ挿入した。次に、クルーンガンを用いてホットメルト樹脂をハウジング、弾性体、導線の隙間を埋めるようにして、充填し、弾性体とハウジングを接合した。約20分放冷後ハウジングと伸縮伝送線の接続部分を絶縁ビニールテープで5周巻き、絶縁被覆を行い本発明の伸縮性ワイヤーハーネスを得た。得られた伸縮性ワイヤーハーネスの繰り返し伸張耐久性および接合力の評価結果を表1に示す。
(実施例3)
両端の2本の導線をコンタクト170204−1(タイコエレクトロニクスアンプ(株)製)へ圧着し、各々に適合した2芯ハウジング171822−2(タイコエレクトロニクスアンプ(株))製へ挿入した。次に、クルーンガンを用いてホットメルト樹脂をハウジング、弾性体、導線の隙間を埋めるようにして、充填し、弾性体とハウジングを接合した。約20分放冷後、熱収縮チューブを両側のハウジングに約5mmかかるようにして、接合部の上を被覆し、120℃乾燥機中で1分間熱処理を行った。この後放冷し、本発明の伸縮性ワイヤーハーネスを得た。得られた伸縮性ワイヤーハーネスの繰り返し伸張耐久性および接合力の評価結果を表1に示す。
(実施例4)
前処理を完了した当該伸縮性伝送線に、熱収縮チューブ(内径6mm、長さ15mm)を2本入れ中央部にテープで仮止めした。その後両端の2本の導線をコンタクト170204−1(タイコエレクトロニクスアンプ(株)製)へ圧着し、各々に適合した2芯ハウジング171822−2(タイコエレクトロニクスアンプ(株))製へ挿入した。前処理を完了した当該伸縮熱収縮チューブを両側のハウジングに約5mmかかるようにして、接合部の上を被覆し、130℃乾燥機中で3分間熱処理を行った。得られた伸縮性ワイヤーハーネスの繰り返し伸張耐久性および接合力の評価結果を表1に示す。
同様にして作ったコネクター部分を把持してテンシロンにて、引っ張り試験を行ったところ、50%伸長しても、被覆部から伸縮伝送線が引き出されることは無く、ハウジングと弾性体が間接的に接合しているものであった。
(比較例1)
前処理を完了した当該伸縮性伝送線に、熱収縮チューブ(内径6mm、長さ15mm)を2本入れ中央部にテープで仮止めした。その後両端の2本の導線をコンタクト170204−1(タイコエレクトロニクスアンプ(株)製)へ圧着し、各々に適合した2芯ハウジング171822−2(タイコエレクトロニクスアンプ(株)製)へ挿入した。前処理を完了した当該伸縮熱収縮チューブを両側のハウジングに約5mmかかるようにして、接合部の上を被覆し、100℃乾燥機中で1分間熱処理を行った。得られた伸縮性ワイヤーハーネスの繰り返し伸張耐久性および接合力の評価結果を表1に示す。
同様にして作ったコネクター部分を把持してテンシロンにて、引っ張り試験を行ったところ、20%伸長までに、被覆部から伸縮伝送線が引き出され、導線が露出した。従って、ハウジングと弾性体は接合しいないものであった。
(比較例2)
両端の2本の導線をコンタクト170204−1(タイコエレクトロニクスアンプ(株)製)へ圧着し、各々に適合した2芯ハウジング171822−2(タイコエレクトロニクスアンプ(株)製)へ挿入した。ハウジングと伸縮伝送線の接続部分を絶縁ビニールテープで5周巻き、絶縁被覆を行った。得られた伸縮性ワイヤーハーネスの繰り返し伸張耐久性および接合力の評価結果を表1に示す。
同様にして作った、コネクター部分を把持してテンシロンにて、引っ張り試験を行ったところ、20%伸長までに、被覆部から伸縮伝送線が引き出され、導線が露出した。従って、ハウジングと弾性体は接合しいないものであった。
Figure 0005465856
(実施例5〜10)
両端の2本の導線をコンタクト170204−1(タイコエレクトロニクスアンプ(株)製)へ圧着し、各々に適合した2芯ハウジング171822−2(タイコエレクトロニクスアンプ(株)製)へ挿入した。次に、所定の接着剤を用いてハウジング、弾性体、導線の隙間を埋めるようにして、充填し、弾性体とハウジングを接合した。室温下で1日静置後、得られた伸縮性ワイヤーハーネスのコネクター接続評価及び導通評価を行なった結果を表2に示した。また、表2には用いた接着剤の評価も併せて示した。
Figure 0005465856
このように、本発明は、伸縮しても断線しにくいコネクター部分を持つ、実用に適した伸縮性ワイヤーハーネスを提供するものである。
本発明の伸縮性ワイヤーハーネスは、優れた伸縮性を有し、伸縮による接続部の断線が起こり難いので、その産業上の利用可能性は極めて大きい。特に、多関節ロボットやウエアラブル電子機器に有用である。
繰り返し伸張耐久性試験装置の模式図である。 濡れ角度の測定方法を説明する図である。
符号の説明
1 チャック部
2 チャック部
3 ハウジング
4 ステンレス棒
5 伸縮性伝送線
10 コンタクト
11 接着剤

Claims (6)

  1. 1本以上の導線および弾性体を含み、該弾性体の周囲に該導線が捲回されている伸縮性伝送線と、該伸縮性伝送線の少なくとも一端に設けられた、コンタクトおよびハウジングからなるコネクターとからなり、該コンタクトと該ハウジングが相互に接続または固定されており、該導線と該コンタクトが圧着またハンダ付けにより接続されており、該弾性体と該ハウジングが該伸縮性伝送線と該ハウジング双方にまたがる物体を介して各々圧力または接着により接合していることを特徴とする伸縮性ワイヤーハーネス。
  2. 伸縮性伝送線の伸縮性が10%以上であり、弾性体とハウジングの接合力が伸縮性伝送線の常用伸張限界応力以上であることを特徴とする請求項1に記載の伸縮性ワイヤーハーネス。
  3. 伸縮性伝送線とハウジング双方にまたがる前記物体が接着剤であることを特徴とする請求項1または2に記載の伸縮性ワイヤーハーネス。
  4. 前記接着剤が、コンタクトとの濡れ角度が30°以上であることを特徴とする請求項3に記載の伸縮性ワイヤーハーネス。
  5. 前記接着剤の硬化後の硬度が60〜95であることを特徴とする請求項3または4に記載の伸縮性ワイヤーハーネス。
  6. 圧着またハンダ付けにより導線を結線したコンタクトをハウジングに挿入または装着した後、接着剤を付与してハウジングと弾性体と導線をまとめて接着することを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の伸縮性ワイヤーハーネスの製造法。
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