JP6600494B2 - 耐捻回性に優れる伸縮ケーブル - Google Patents

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Description

本発明は、耐捻回性および伸縮性に優れるケーブルに関するものである。
従来、電力、電気信号、光信号などを伝送する各種ケーブルが開発されている。これらのケーブルは、ケーブルの長さ方向へ引っ張られる用途においては、可動域の制限があるとともに、断線の問題があるため不向きであった。これを解決するために、伸縮性に優れることを標榜するケーブルが、種々提案されている。
例えば、特許文献1には、プラスチックチューブの周囲に導体線を配した伸縮性ケーブルが開示されている。このケーブルは、信号伝送性に優れるものの、捻回時の導体線の変形を緩和する効果が少ない。そのため、耐捻回寿命を延ばす効果は小さいものであった。
特許文献2には、曲げ回復率が10%および剛軟度が10,000以下の芯材の外周に、一方向に導体繊維を捲回する構成を有する、曲げ易く、耐屈曲性に優れるケーブルが開示されている。しかしながら、この技術は、耐屈曲性を向上するために、伸縮性が10%未満に制限されているため、伸縮特性が不足している他、捻回性に関して考慮されたものではなかった。
このように、従来知られている技術では、伸縮特性を有しながら、耐捻回性にも優れるケーブルを得ることができず、新たな技術の開発が望まれている。特に近年は、多関節ロボット、小型で高速に動作するロボットなどが実用に供され始めている。また、ウエアラブル機器など、人間の動作に追従することが求められるデバイスも出て来ている。
このような状況に伴い、優れた伸縮性を有するとともに、従来に増して捻回寿命が長いケーブルが求められている。しかしながら、これらの用途に好適な伸縮特性および耐捻回性に優れたケーブルは、未だ見出されていない。
国際公開第2009/157070号 特開2013−101823号公報
本発明の目的は、優れた伸縮性を有するとともに、耐捻回性にも優れるケーブルを提供することである。
本発明者らは、上記の目的を達成するために、鋭意検討した。その結果、ねじったときに、断面形状の歪む程度が少なくなるようにケーブルを設計することにより、伸縮性および耐捻回性の双方に優れたケーブルが得られることを見出し、この知見をもとに、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は下記の発明を提供する:
[1] 弾性円筒体と、
該弾性円筒体の周囲に同一方向に捲回された少なくとも2本の導体線を有する導体捲回体と、
該導体捲回体の外周に形成された、絶縁糸による編組および絶縁樹脂製の外部被覆層から成る群より選択される1種以上から成る外部被覆体と、
から構成されるケーブルであって、
該ケーブルを長さ方向に4.5cmの間隔を開けて把持した状態で前記導体線の捲回方向とは逆の方向に270°ねじり、
該ねじった4.5cmのうちの中央3cmの範囲で5点の測定点を均等に設定し、
各測定点の断面における最大径をLとし、最小径をLとして、L/Lを求め、そして
5点の測定点についてそれぞれ得られたL/Lのうちの最大値が1.3以下であることを特徴とする、前記ケーブル。
[2] 前記ケーブルから外部被覆体を除いた部分を長さ方向に4.5cmの間隔を開けて把持した状態で前記導体線の捲回方向とは逆の方向に270°ねじり、
該ねじった4.5cmのうちの中央3cmの範囲で5点の測定点を均等に設定し、
各測定点の断面における最大径をLとし、最小径をLとして、L/Lを求め、そして
5点の測定点についてそれぞれ得られたL/Lのうちの最大値が1.3以下である、[1]に記載のケーブル。
[3] 前記導体捲回体が、
弾性円筒体の周囲に同一方向に捲回された少なくとも2本の導体線のみから成るか、または、
弾性円筒体の周囲に同一方向に捲回された少なくとも2本の導体線、および該導体線と同一方向に捲回され該導体線間に配置された介在糸のみから成る、[1]または[2]に記載のケーブル。
[4] 前記ケーブルから外部被覆体を引き抜き速度100mm/分で引き抜いたときの引き抜き抵抗力が、250N未満である、[3]に記載のケーブル。
[5] 前記導体捲回体が、
弾性円筒体の周囲に同一方向に捲回された少なくとも2本の導体線と、
弾性円筒体の周囲に前記導体線とは逆方向に捲回されたオサエ糸と、
を有する、[1]または[2]に記載のケーブル。
[6]前記導体捲回体が、
弾性円筒体の周囲に該導体線と同一方向に捲回され該導体線間に配置された介在糸をさらに有する、[5]に記載のケーブル。
[7] 前記オサエ糸が、3N以下の捲回テンションで捲回されている、[5]に記載のケーブル。
[8] 伸縮率が10%以上である、[1]〜[7]のいずれか一項に記載のケーブル。
[9] 導体線の剛軟度が70mN以上である、[1]〜[8]のいずれか一項に記載のケーブル。
本発明のケーブルは、伸縮性および耐捻回性の双方に優れるから、ロボット、ウエアラブル機器など、伸縮および捻回を伴う機器の配線として有用である。
芯材の外径歪み率およびねじり外径歪み率の測定方法を説明するための概略図である。 複数の導体線の捲回態様を説明するための概略図である。 隣接する2本の導体線間の間隔を説明するための概略図である。 オサエ糸の捲回態様を説明するための概略図である。 オサエ糸の別の捲回態様を説明するための概略図である。 引き抜き抵抗力の測定方法を説明するための概略図である。 断面における最大径および最小径の測定例を示す概略図である。
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明のケーブルは、
弾性円筒体と、
該弾性円筒体の周囲に同一方向に捲回された少なくとも2本の導体線を有する導体捲回体と、
該導体捲回体の外周に形成された、絶縁糸による編組および絶縁樹脂製の外部被覆層から成る群より選択される1種以上から成る外部被覆体と、
から構成される。
従来知られている伸縮ケーブルは、捻回時に容易に破断する傾向が見られる。この場合の破断の理由は、以下のように考えられている:
(1)捻回時に導体部が不均一に変形することにより、該変形部に応力が集中して断線する。
(2)捻回時に、導体部の外径が変化する。そして、この外径が変化した導体部が、芯材、外部被覆、およびオサエ糸のうちの少なくとも1つから応力を受けることにより断線が発生する。
本発明者らは、上記のような、導体線に対する捻回時の応力を低下させることによって、ケーブルの耐捻回寿命を向上させることができると考えた。
具体的には、ケーブルを、前記導体線の捲回方向とは逆の方向に3cm間で180°ねじったときの断面における最大径Lと最小径Lとの比(外部被覆のねじり外径歪み率)L/Lを1.3以下となるように構成することにより、捻回時に導体線にかかる応力が低減され、捻回時の寿命が向上する。さらに、前記ケーブルから前記外部被覆体を除いた部分を、前記導体線の捲回方向とは逆の方向に3cm間で180°ねじったときの断面における最大径Lと最小径Lの比(導体捲回体のねじり外形歪み率)L/Lを1.3以下となるように構成することが好ましい。
上記において、3cm間で180°ねじったときの断面における最大径および最小径は、それぞれ、実験的には、4.5cm間で270°捻じったときの中央部の3cmについて測定される。
外部被覆のねじり外径歪み率L/Lは、ケーブル試料を長さ方向に4.5cmの間隔を開けて把持した状態で前記導体線の捲回方向とは逆の方向に270°ねじり(3cm間で180°のねじりに相当する。)、その断面径を、45°ずつ角度を変えながら4ヶ所において測定する(図1)。そして、得られた4点の断面径のうちの最大値をLとし、最小値をLとして、下記式:
外部被覆のねじり外径歪み率=L/L
に従って、前記断面における外径歪み率を求める。図7に、LおよびLの決め方を例示する。このような測定を、ねじった4.5cmのうちの中央3cmの範囲で均等に設定した5点の測定点における断面についてそれぞれ行い、
得られた5個のL/Lのうちの最大値を、該外部被覆のねじり外径歪み率として採用する。
導体捲回体のねじり外形歪み率L/Lは、ケーブルから外部被覆体を除いた部分について上記と同様の測定を行い、断面径のうちの最大値をLとし、最小値をLとする他は、外部被覆のねじり外径歪み率と同様の手法によって知ることができる。
上記の構成を達成するためには、弾性円筒体、導体線、および外部被覆、ならびに任意的に用いられるオサエ糸が、絶妙にバランスを取ることが必要である。
1.弾性円筒体(芯材)
本発明のケーブルは、特定の伸長率を有することが好ましい。そのため、芯材としては、伸長率10%以上の弾性円筒体を用いることが好ましい。10%未満の伸長率の芯材を使用すると、該芯材を用いた伸縮ケーブルの伸長率も10%未満となり、好ましくない。
本発明のケーブルにおける芯材は、特定の外径歪み率(R/R)およびねじり外径歪み率(R/R)を有する弾性円筒体であることが好ましい。
本発明における芯材は、断面形状が真円に近い形状であることが好ましい。定量的には、外部応力を加えられていない状態(ねじる前)における芯材の断面において、最大径をR、最小径をRとしたときの両者の比R/R(芯材の外径歪み率)が、1.8以下であることが好ましい。さらに、芯材を3cm間で180°ねじったときの断面における最大径をR、最小径をRとしたときの両者の比R/R(芯材のねじり外径歪み率)が、1.8以下であることが好ましい。
/Rが1.8を超えると、ケーブルを捻回したときの導体線の捲回螺旋形状が変形し、導体線が折れ曲がる、または応力集中が生じ易くなり、断線し易くなる。R/Rは、より好ましくは1.8%以下、さらに好ましくは1.5以下、特に好ましくは1.3以下である。R/Rが1.0に近い程、芯材の周囲に捲回された導体線は、ケーブルの捲回時にも螺旋形状が均一に変形するために局部変形が低減し、捻回寿命を高める効果が発現する。R/Rを小さくするには、ねじる前の芯材の外径歪み率R/Rも、1.8以下とすることが好ましい。この値は、より好ましくは1.5以下、さらに好ましくは1.3以下、特に好ましくは1.15以下である。
ここで、芯材に外部応力を加えないときの断面における最大径Rと最小径Rの比R/R(芯材の外径歪み率)、および3cm間で180°ねじったときの外径の最大径Rと最小径Rの比R/R(芯材のねじり外径歪み率)は、ぞれぞれ、外部被覆のねじり外径歪み率=L/Lの場合と同様にして測定することができる。すなわち、
芯材の外径歪み率は、外部応力が加えられていない芯材の断面径を、45°ずつ角度を変えながら4ヶ所において測定する(図1)。そして、得られた4点の断面径のうちの最大値をRとし、最小値をRとして、下記式:
芯材の外径歪み率=R/R
に従って、前記断面における外径歪み率を求める。同様の測定を、芯材の長さ方向3cmの範囲で均等に設定した5点の測定点における断面について行い、
得られた5個のR/Rのうちの最大値を、該芯材の外径歪み率として採用する。
芯材のねじり外径歪み率R/Rは、芯材を3cm間で180°ねじった状態で上記と同様の測定を行うことにより、知ることができる。具体的には、芯材試料を長さ方向に4.5cmの間隔を開けて把持した状態で270°ねじり(3cm間で180°のねじりに相当する。)、
該ねじった4.5cmのうちの中央の3cmの長さにおいて上記と同様に設定した5点の測定点の断面について、それぞれ最大径Rおよび最小径Rの測定を行ってR/Rを算出し、
得られたR/Rのうちの最大値を、該芯材のねじり外径歪み率として採用する。
上記における断面径の測定は、例えば、デジタルキャリパーケージEDC−A125(新潟精器製)を用いて行うことができる。
本発明において芯材は、長さ方向の均等係数(J/J)が2以下であることが好ましい。均等係数が2を超えると、ケーブルを捻回した時に、局部的な変形が生じ、捻回耐久性が低下する場合がある。均等係数は、好ましくは1.8以下、さらに好ましくは1.5以下、特に好ましくは1.3以下である。長さ方向の均等係数が小さく、外径歪み率およびねじれ外径歪み率が小さい芯材を使用することにより、捻回寿命を飛躍的に延ばすことができる。
ここで、芯材の長さ方向の均等係数とは、該芯材が真円度の高い所定の直径の断面形状を長さ方向に維持している程度を表す指標である。
具体的には、芯材に外部応力を加えない状態で、上記と同様にして45°ずつ角度を変えながら4ヶ所において断面径を測定する。この測定を、長さ方向に10cmの範囲で均等に設定した10点の測定点における断面について行う。そして、得られた40個の測定値のうちの最大値Jと最小値Jとの比J/Jを、該芯材の均等係数として採用する。この場合の断面径の測定は、例えば、デジタルキャリパゲージEDC−A125(新潟精器製)を用いて行うことができる。
本発明における芯材としては、公知のものの中から、上記の好ましい特性を有するものを選択して用いることができる。
本発明で好ましく用いられる芯材を構成する材料の具体例としては、例えば、
軟質の樹脂(例えば、軟質ビニール、軟質シリコンなど)、
弾性体(例えば、天然ゴム、合成ゴムなど)、
弾性長繊維を含む材料、
該弾性長繊維を含む糸状体を編み組みして成る材料、
これらの周囲に絶縁繊維を配して成る材料、
などを用いることができる。
芯材の形状としては、例えば、紐状物、チューブ状物などであることができる。これらは、中空でも中実でもよい。
芯材の断面形状としては任意であるが、上記の外径歪み率の要件を充足するためには、例えば、円筒形、多角形などであることが好ましいが、捻回時の芯材の変形を可及的に少なくするためには、芯材の断面形状はできるだけ真円に近い方が好ましい。
芯材の密度は、断面方向および長さ方向に均一であることが好ましい。この密度が不均一であると、捻回により芯材が大きく歪む。そのため、該芯材の周りに捲回された導体線の螺旋形状も不均一に変形し、応力集中が生じ断線し易くなる。ただし、芯材の断面方向における密度分布が不均一であっても、同心円状に層構造を取っている芯材の場合には、捻回時の芯材の変形が小さい。そのため、得られるケーブルの捻回耐久性が高くなるから、この場合も本発明における好ましい態様である。
芯材の直径は、0.1mm〜30mmであることが好ましい。直径が0.1mm未満の場合には、耐捻回性を高める効果が乏しい。より好ましくは0.3mm以上である。さらに好ましくは0.5mm以上、特に好ましくは1mm以上である。直径が30mmを超える場合には、直径が大きくなり過ぎ、実用上好ましくない。より好ましくは20mm以下である。
芯材の直径(D)は、導体線の直径(d)との関係がD>3dとなるようにすることが好ましい。さらに好ましくはD>6dである。この範囲の直径の芯材を使用ことにより、得られるケーブルを捻回した時の導体線の変形が抑制され、捻回寿命を長くできる。
本発明においては、上記のような芯材を一本のみ使用することができ、あるいは、
上記のような芯材の複数本(例えば2〜4本、好ましくは2本)を束ねて使用することができる。
2.導体捲回体
本発明のケーブルは、上記のような弾性円筒体の周囲に同一方向に捲回された少なくとも2本の導体線を有する導体捲回体を備える。
この導体捲回体は、
弾性円筒体の周囲に同一方向に捲回された少なくとも2本の導体線のみから成っていてもよいし、
弾性円筒体の周囲に同一方向に捲回された少なくとも2本の導体線、および該導体線と同一方向に捲回され該導体線間に配置された介在糸のみから成っていてもよいし、あるいは
弾性円筒体の周囲に同一方向に捲回された少なくとも2本の導体線と、弾性円筒体の周囲に前記導体線とは逆方向に捲回されたオサエ糸と、を有していてもよい。導体捲回体がオサエ糸を有する場合は、介在糸を有する態様および有さない態様の双方が可能である。
2−1.導体線
本発明で用いる導体線としては、例えば、
導電性の良い物質から成る細線の集合線、
極細同軸ケ−ブル、
フレキシブルフラットケーブル
などを使用することが好ましい。
導電性の良い物質とは、比抵抗が1×10−4Ω・cm以下の電気伝導体を言う。特に好ましくは1×10−5Ω・cm以下の金属である。金属細線の集合線は、柔らかく、断線し難いため、ケーブルの耐久性の向上に寄与する。
金属の具体的な例としては、例えば、銅(比抵抗:0.2×10−5Ω・cm)、アルミニウム(比抵抗:0.3×10−5Ω・cm)などを挙げることができる。
銅線は、比較的安価で電気抵抗が低く、細線化も容易であるため、最も好ましい。アルミニウム線は、軽量であるから、銅線に続いて好ましい。
銅線としては、軟銅線および錫銅合金線が一般的である。しかしながら、
強力を高めた強力銅合金(例えば、無酸素銅に、鉄、燐、インジウムなどを添加した合金);
錫、金、銀、白金などでメッキして酸化を防止した銅線;
金その他の元素で表面処理した銅線
などを用いることもできる。しかし、これらに限定されるものではない。
導体線を構成する金属細線の単線直径は、0.5mm以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.1mm以下であり、特に好ましくは0.05mm以下である。金属を細線化することにより、柔軟性を高めることができる。しかしながらあまり細すぎると加工時に断線し易いため、0.01mm以上が好ましい。
金属細線の集合本数に特に制限はなく、柔軟性、および電気抵抗を勘案して任意に決めることができる。集合本数が過度に多いと生産性が低下するため、10,000本以下が好ましい。より好ましくは1,000本以下である。集合本数の下限としては、5本以上とすることが好ましい。
導電性の良い物質から成る細線の集合線の直径は、10mm以下が好ましい。直径が10mmを超えると集合線が曲げ難くなり、本発明の耐捻回伸縮ケーブルを得ることが困難となる。細線の集合線の直径は、好ましくは5mm以下である。細線の集合線の直径は、耐久性を確保し、製造を容易とする観点から、0.05mm以上とすることが好ましい。
細線を集合させるには様々な方法が知られている。本発明においても、公知のどのような方法で集合させてもよい。しかし、細線をストレートに引き揃えるだけでは捲回し難いため、撚り線とすることが好ましい。可撓性を発揮するためには、複数回に分けて撚り合わせたものが好ましい。
細線を集合させる際には、円筒の最密充填となる7本の組み合わせを避けることが好ましい。
本発明に用いる導体線が細線の集合線である場合、該集合線における細線のそれぞれは、樹脂被覆されていてもよい。
各細線の被覆に用いられる樹脂材は、絶縁性、摩擦性、および柔軟性を加味して選択される。この樹脂材は、公知の絶縁材料から任意に選ぶことができる。代表的な絶縁材料としては、所謂エナメル被覆剤を用いることができる。例えば、ポリウレタン被覆剤、ポリウレタン−ナイロン被覆剤、ポリエステル被覆剤、ポリエステル−ナイロン被覆剤、ポリエステル−イミド被覆剤、ポリエステルイミド・アミド被覆剤などを挙げることができる他;
摩擦力の小さいフッ素系、シリコン系、ポリオレフィン系などの樹脂被覆剤も好適に用いることができる。
本発明に用いる導体線が細線の集合線である場合は、該集合線は、その全体が樹脂被覆されていてもよい。具体的には、フッ素系絶縁材、ポリオレフィン系絶縁材、塩化ビニール系絶縁材、ゴム系絶縁材などからなる被覆剤を用いることができる。
本発明に用いる導体線が細線の集合線である場合は、該集合線は絶縁繊維で捲回されていてもよい。
上記極細同軸ケーブルの太さとしては、5mm以下が好ましい。さらに好ましくは3mm以下、特に好ましくは2mm以下である。
この極細同軸ケーブルとしては、屈曲性、捻回性、および柔軟性の高いものを選択して用いることが好ましい。具体的には、許容曲げ半径が、10mm以下のものが好ましく、5mm以下のものがさらに好ましい。曲げ半径が10mmを超える場合は、捲回径が大きく成りすぎるか、または捻回寿命が低下する場合があり、好ましくない。
上記フレキシブルフラットケーブルの幅は、10mm以下が好ましい。より好ましくは5mm以下である。フレキシブルフラットケーブルの厚みは、3mm以下が好ましい。より好ましくは2mm以下である。幅がこれ以上のフレキシブルフラットケーブルは、芯材の周囲に捻回し難く、本発明のケーブルを得ることが困難となる。
導体線が樹脂被覆を有している場合、該樹脂被覆の硬さは、得られるケーブルに捻回耐久性を持たせるために重要である。これは、伸縮性を有するケーブルを捻回すると、通常は導体線と対角に捲回されているオサエ糸に起因する応力により、導体線が断線することがあるためである。
本発明においては、剛軟度が70mN以上の導体線を使用することが好ましい。
導体線の剛軟度が70mN以上であると、ケーブルの捻回時に、導体線がオサエ糸から受ける応力が小さくなり捻回耐久性が高まる。しかしながら、導体線が過度に硬いと、芯材に導体線を捲回できないことがあり、伸縮ケーブルの製造が出来ない場合が生ずる。そのため、導体線の剛軟度は500mN以下が好ましく、より好ましくは300mN以下、さらに好ましくは200mN以下、特に好ましくは100mN以下である。
導体線の剛軟度が70mN未満であると、芯材に捲回し易いが、得られるケーブルを捻回した時にオサエ糸からの応力の影響を受け易くなる。そのため、導体線の剛軟度が70mN未満である場合には、後述する適切なオサエ糸を選択する必要がある。
2−2.オサエ糸
本発明のケーブルにおける導体捲回体は、上記のような導体線のみから成っていてもよいし、導体線とともに後述の介在糸から成る構成であってもよいし、該導体線(および介在糸)の他にオサエ糸を有していてもよい。
このオサエ糸は、その伸縮性によって、例えば、伸縮性が10%以上のオサエ糸、および伸縮性が10%未満のオサエ糸に分類することができる。
オサエ糸が10%以上の伸縮性を有していると、得られるケーブルを捻回した時に、導体線に過度な応力がかからないため、捻回耐久性が向上する。さらに、伸縮性が10%以上であるオサエ糸を、導体線の捲回方向と逆方向に捲回することによって、芯材にかかる導体線捲回張力を相殺し、安定生産を可能にするという利点もある。
上記伸縮性が10%以上のオサエ糸としては、例えば、シリコーン、天然ゴム、ポリウレタン繊維などの他;
ポリウレタン繊維の外部を他の絶縁繊維で被覆したものなどを挙げることができる。
この場合のオサエ糸の伸縮性は、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上である。
上記伸縮性が10%未満のオサエ糸を使用する場合は、公知の絶縁繊維から任意に用いることができる。このような繊維としては、例えば、マルチフィラメント、モノフィラメント、または紡績糸を用いることができる。好ましくはマルチフィラメントである。
伸縮性が10%未満のオサエ糸を構成する材料としては、例えば、ポリエステル、ナイロン、フッ素繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、サラン繊維、ガラス繊維、絹、レーヨン、キュプラ、コットン紡績糸などを挙げることができる。
これらのうち、細く、柔らかく、拘束力が強く(高強度)、安価という観点からは、ポリエステル繊維またはナイロン繊維が好ましい。誘電率が低いという観点からは、フッ素繊維、ポリエチレン繊維、またはポリプロピレン繊維が好ましい。難燃性の観点からは、塩化ビニル繊維、サラン繊維、またはガラス繊維が好ましい。
伸縮性が10%未満のオサエ糸を使用する場合は、該オサエ糸にクッション性を持たせることにより、得られるケーブルを捻回した時に導体線にかかる応力を減少させることができ、ケーブルの耐捻回を向上させることができる。オサエ糸にクッション性を持たせるためには、バルキー性のあるオサエ糸、またはゴム弾性を示す外部被覆を有する糸を使用することが好ましい。バルキー性のあるオサエ糸としては、例えば、ウーリー加工されたナイロン、ポリエステルなどである。ゴム弾性を示す外部被覆を構成する材料の例としては、例えば、シリコーン、天然ゴム、ポリウレタンなどである。
本発明で用いるオサエ糸の直径は、導体線の直径と同じであるか、あるいはこれよりも細いものが好ましい。導体線より太い直径のオサエ糸を用いると、捻回時に導体線そのものが変形せざるを得なくなるから、ケーブルの耐捻回性が低下し易い傾向がある。
2−3.介在糸
本発明のケーブルにおいては、導体線の位置がずれないようにするために、導体線間に絶縁性の糸状体(以下介在糸と呼ぶ)を介在させて捲回してもよい。この介在糸は、弾性円筒体上に、導体線と同一方向に捲回されることができる。介在糸は、隣接する導体線の間に配置されることが好ましい。
導体捲回体が介在糸を有するとき、オサエ糸は、導体線と介在糸とを一緒にして、または別々に、これらの内側と外側とを交互に通して捲回することができる。
この介在糸により、導体線間にクッション性を持たせることができるため、ケーブルの寿命を伸ばすことができる。
介在糸の直径は、導体線の直径と同じであるか、あるいはこれより大きいものが好ましい。介在糸の直径を導体線の直径より大きくすることにより、得られるケーブルを捻回した時に、隣接する導体線間の接圧を緩和する効果が発現し、該ケーブルの寿命を長くすることができる。
介在糸はバルキー性を有することが好ましい。介在糸にバルキー性を持たせることにより、ケーブルを捻回した時に、隣接する導体線間の接圧を緩和する効果に加えて、導体線のズレを減少させる効果が発現する。そのため、局部的な応力がかかり難くなるから、耐捻回性が向上する。
本発明における介在糸を構成する材料としては、例えば、塩化ビニール、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーン、天然ゴム、合成ゴムなどを挙げることができる。介在糸の形状は、例えばチューブ状、中実のロッド状などを挙げることができる。
2−4.導体捲回体の態様
本発明のケーブルは、弾性円筒体の周囲に少なくとも2本の導体線が同一方向に捲回されている。弾性円筒体の周囲に捲回される導体線の数は、好ましくは2〜30本であり、より好ましくは2〜15本である。具体的には、例えば、2本、3本、4本、6本、8本、10本、または12本であることが、実用上有用である。
従来技術においては、柔軟な芯材の周囲に複数の導体線を捲回する場合、交互に逆方向に(所謂S/Zで)捲回し、その捲回張力を相殺させることが通常である。しかし、複数の導体線を逆方向に捲回すると、交差した部分が断線し易くなるから、耐捻回性に優れるケーブルを得ることができない。
従って、本発明においては、複数の導体線同士が交差しないよう、導体線を同一方向に捲回することが必須である。
図2に、導体線の捲回状態の模式図を示す。
図2においては、弾性円筒体1の周囲に、導体線2および導体線3が同一方向に捲回されている。
導体線は、一定の捲回角度を維持しつつ、ばらつきがないように、均一に捲回されていることが好ましい。図2において記号「θ」で示される捲回角度(芯材の長さ方向と導体線捲回方向とがなす角度)は、30°以上80°未満であることが好ましい。この捲回角度が30°未満の場合は、捻回時に導体線にかかる応力が過度に大きくなり、断線に至る場合がある。捲回角度は、より好ましくは40°以上、さらに好ましくは50°以上である。また、捲回角度が80°以上となると、捲回される導体線の長さが長くなり、ケーブルの単位長さあたりの電気抵抗が大きくなるため、好ましくない。捲回角度は、より好ましくは70°以下である。
複数の導体線の捲回角度は、互いに等しいことが好ましい。
複数の導体線が同一方向に捲回される場合は、並列に捲回されることを推奨する。本発明で並列とは、導体線同士が交差することなく捲回されている状態を言う。さらに好ましくは、一定のピッチで捲回されていることが好ましい。長さ方向で捲回ピッチがばらつくと、局部変形し易くなり、応力集中して断線し易くなる。
導体線の捲回ピッチは、図2のaで示される。導体線の捲回ピッチは0.05〜50mmが好ましい。捲回ピッチが0.05mm未満の場合は、捲回される導体線の長さが長くなりすぎ、電気抵抗値が高くなり過ぎる。50mmを超える場合は、耐捻回性を向上させる効果が乏しい。捲回ピッチは、より好ましくは0.1〜20mmであり、特に好ましくは1〜10mmである。
図2中のbは、隣接する導体線の中心間距離である。
複数の導体線が捲回されるときに、隣接する導体線との間隔(図3におけるdで表される間隔)は、前述の捲回角度および捲回ピッチの範囲内で捲回する限り、設計上は一定であるはずである。しかし、製造上のばらつきなどにより、ある程度は変動する。このとき、隣接する導体線との間隔dの変動が、耐捻回伸縮性および信号伝送性に悪影響を与えることを防ぐために、該バラツキは小さいことが好ましい。
具体的には、ケーブルをまっすぐにした状態で、30箇所の捲回状態を観察して求めた間隔dの平均値davと、測定領域における間隔dの最大値dmaxと最小値dminとの差として定義されるばらつきs(s=dmax−dmin)との関係が、0≦s<4davであることが好ましい。4dav以上のばらつきsがある場合は、捻回寿命が低下する。sの値は、好ましくは3dav以下、さらに好ましくは2dav以下である。
隣接する2本の導体線の間隔dを、図3に示す。隣接する2本の導体線間の間隔dは、該隣接する導体線の中心間距離b、2本の導体線の半径をそれぞれrおよびrとしたとき、d=b−(r+r)で定義される。
隣近接する2本の導体線の間隔dは、0.01〜20mmであることが好ましい。dが0.01mm未満の場合は、捻回によりケーブルがショートする危険性がある。dは、より好ましくは0.02〜10mmであり、特に好ましくは0.05〜5mmである。
導体線の捲回径は0.1〜40mmが好ましい。さらに好ましくは0.3〜30mmであり、特に好ましくは0.5〜20mmである。捲回径が40mmを超える場合は、ケーブルの出来上がり外径が大きくなりすぎるため、好ましくない。捲回径が0.1mm未満の場合は、導体線を捲回することが困難となる。
導体線のピッチ、間隔、および捲回径を上記のような範囲にすることにより、伸縮性および耐捻回性に優れたケーブルが得られる。
本発明のケーブルにおける導体捲回体は、上記のように捲回された導体線の外側に、あるいは外側および内側を通過させて捲回されたオサエ糸を有していてもよい。
導体捲回体がオサエ糸を有すると、捲回された導体線を拘束し、ケーブルの捻回によるズレを防止することができる。また、オサエ糸を捲回させるときに、オサエ糸にかける荷重を適宜に設定して捲回張力を調整することにより、オサエ糸の拘束力を調整することができる。
オサエ糸は、弾性円筒体上に、導体線の捲回方向とは逆の方向に捲回される。例えば、導体線をZ方向に捲回した場合には、オサエ糸はS方向に捲回される。
オサエ糸の配置例を、図4および図5を参照して説明する。
図4では、弾性円筒体上で、導体線2および3の外側に、導体線の捲回方向とは反対方向にオサエ糸4が捲回されている。
図5に示したように、導体線の内側(芯材側)と外側とを、交互に通るようにオサエ糸4を捲回して導体線を拘束してもよい。オサエ糸4を、導体線の内側と外側とを交互に通って、かつ導体線と逆方向に捲回することにより、捻回を繰り返した場合であっても導体線間隔の変化が少ないケーブルを得易くなる。導体線の内側と外側とを交互に通るようにオサエ糸を捲回する場合、導体線1本ずつ交互に通してもよいし、複数の導体線をまとめて交互に通してもよい。
オサエ糸による導体線の拘束力を高めるためには、弾性円筒体上をオサエ糸が1周する間に、好ましくは1箇所以上、より好ましくは4箇所以上、さらに好ましくは8箇所以上の拘束点(導体線とオサエ糸とが交差する点)を持つように、導体線の内側と外側を交互に通ってオサエ糸を捲回することが好ましい。
オサエ糸を捲回するときの捲回テンション(オサエ糸を捲回するときに該オサエ糸にかける荷重)は、3N以下にすることが好ましい。オサエ糸のテンションが3Nを超えると、ケーブルを捻回した時に導体線にかかる応力が大きくなるため、耐捻回性が低下し易い。一方、オサエ糸の捲回テンションが低すぎると、導体線を拘束することが出来ないこととなり、オサエ糸を使用することのメリットが発現しないこととなる。この観点から、オサエ糸の捲回テンションは0.01N以上が好ましく、より好ましくは0.1N以上、さらに好ましくは0.5N以上である。
上記のオサエ糸の捲回テンションの範囲を採用することは、伸縮率が10%未満のオサエ糸を使用する場合に特に有利である。
伸縮率が10%以上のオサエ糸を使用する場合は、伸縮率が3%以上を維持するような捲回テンションにて捲回することが望ましい。オサエ糸を捲回する時の伸縮率は、好ましくは5%以上、さらに好ましくは10%以上である。伸縮率が3%未満となる捲回テンションで捲回すると、導体線の拘束には効果があるが、ケーブルを捻回した時にオサエ糸が導体線に与える応力が大きくなるため、耐捻回性が低下し易い。
3.外部被覆体
本発明のケーブルは外部被覆体を有していることが好ましい。本発明のケーブルが外部被覆体を有することにより、物理的な刺激、および化学的な刺激から保護され、耐久性が向上する。
本発明のケーブルにおける外部被覆体は、例えば、絶縁糸による編組および絶縁樹脂製の外部被覆層からなる群より選択される1種以上から成るものである。特に、
ゴム弾性を持つ絶縁樹脂からなる被覆層、
絶縁繊維で柔軟に形成された編組など
は、クッション効果が高く、捻回時に導体線にかかる応力を低減することができるため、耐捻回性を向上させることができ、好ましい。
外部被覆体は、ケーブルの内部に液体が侵入することを防ぐ効果もある。従ってその材料は、耐捻回伸縮性、耐磨耗性、耐熱性、耐薬品性などを考慮して選択することが好ましい。
耐磨耗性、耐熱性、および耐薬品性に優れる樹脂材料としては、合成ゴム系弾性体が挙げられる。具体的には、例えば、フッ素系ゴム、シリコーン系ゴム、エチレン・プロピレン系ゴム、クロロプレン系ゴム、ブチル系ゴム、天然ゴム、およびスチレンブタジエン系ゴムからなる群より選択される1種以上が好ましい。
天然ゴムまたはスチレンブタジエン系ゴムから成る樹脂は、曲げ易いことからも好ましい。
ゴム弾性を持つ絶縁樹脂から成る外部被覆体は、該樹脂の摩擦力が過度に大きいと、ケーブルの捻回によって導体線が断裂し易くなる。そのため、外部被覆体の材料として、摩擦力が小さい樹脂を選ぶか、あるいは樹脂層の内周もしくは外周またはこれらの双方に、絶縁繊維による外部被覆層を組み合わせた材料を選択することにより、摩擦力を低減し、捻回による外部被覆体の断裂を防ぐことができる。
絶縁糸による編組から成る外部被覆は、柔軟度指数が低く、捻回による表面劣化が少ないという利点がある。この態様の外部被覆体は、クッション効果により導体部を保護する役割を、長期にわたり発現するという効果も有している。
絶縁糸の材料としては、内部に空気層を含ませ、クッション効果による利点を得るとの観点からは、バルキーなものが好ましい。ウーリー加工されたナイロン、エステルなどを用いることができる。絶縁繊維層は、伝送性などの観点から誘電率の低い、フッ素繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロポレン繊維を用いることもできる。
撥水性の絶縁糸は、ケーブルへの水の浸入を防ぐ効果があるとの観点から、好ましい。具体的には、フッ素繊維、ポリプロピレン繊維などの撥水性の絶縁糸を挙げることができる他、ポリエステル繊維、ナイロン繊維などの親水性を有する繊維に撥水加工を施して用いてもよい。この場合の撥水加工は、公知のものから任意に選定された撥水加工剤によって行うことができる。具体的にはフッ素系、シリコン系などの適宜の撥水加工剤を使用することができる。
耐熱性と耐磨耗性とを両立させるとの観点からは、絶縁糸の材料として、アラミド繊維、ポリスルホン繊維、およびフッ素繊維が挙げられる。
耐火性の観点からは、ガラス繊維、耐炎化アクリル繊維、フッ素繊維、およびサラン繊維が挙げられる。
耐磨耗性および強度の観点からは、高強力ポリエチレン繊維、およびポリケトン繊維が挙げられる。
コストおよび耐熱性の観点からは、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、およびアクリル繊維が挙げられる。
難燃性の観点からは、例えば、難燃ポリエステル繊維、難燃ナイロン繊維、難燃アクリル繊維(モダクリル繊維)なども好適である。
摩擦熱による局部的な劣化に対処する目的では、非溶融繊維を用いることが好ましい。その例としては、アラミド繊維、ポリスルホン繊維、コットン、レーヨン、キュプラ、ウール、絹、およびアクリル繊維を挙げることができる。
強度を重視する場合には、高強力ポリエチレン繊維、アラミド繊維、およびポリフェニレンサルファイド繊維が挙げられる。
摩擦性を重視する場合には、フッ素繊維、ナイロン繊維、およびポリエステル繊維が挙げられる。
上記「耐摩耗性」とは、絶縁糸が、ケーブルの捻回時に擦れた場合であっても、物理的な劣化を起こし難い性質をいう。例えば、毛羽立ちし難いことなどである。
上記「摩擦熱による局部的な劣化」とは、摩擦熱による材料の溶融に伴う絶縁糸の変形、部分的断裂などを意味する。
上記「摩擦性」とは、ケーブルの捻回時に擦れた場合に絶縁糸が滑り易いことをいう。絶縁糸が摩擦性を有することにより、ケーブルの捻回時の摩擦によっても劣化し難いこととなり、好ましい。
絶縁糸としては、上記の材料から成る、マルチフィラメント、モノフィラメント、または紡績糸を用いることができる。マルチフィラメントは、被覆性が良く、毛羽も発生し難く、好ましい。
絶縁糸は、生糸のままでもよいが、意匠性および劣化防止の観点から、原着糸、先染め糸などとして用いることもできる。適当な仕上げ加工により、柔軟性、摩擦性などの向上を図ることもできる。さらに、難燃加工、撥油加工、防汚加工、抗菌加工、制菌加工、消臭加工など、公知の繊維の加工を施すことにより、実用時の取り扱い性を向上させることもできる。
外部被覆体の厚みは、0.05mm〜10mmであることが好ましい。厚みが10mmを超えると、ケーブルが太くなりすぎ好ましくない。好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下である。厚みが0.05mm未満では、保護効果が乏しく、耐捻回性が低下し易い。好ましくは0.1mm以上であり、より好ましくは0.2mm以上である。
本発明のケーブルにおける導体捲回体がオサエ糸を有しない場合には、ケーブルを捻回した時に、オサエ糸が導体線に応力を与えないため、耐捻回性としては高いこととなる。ただしこの場合には、導体線の拘束を外部被覆体による必要がある。この場合、導体線の芯材に対する捲回強さと、外部被覆体の拘束力(外部被覆体が絶縁糸の編組である場合には、その捲回強さ)を適切に調整する必要がある。
芯材に対して導体線を締め過ぎると、捻回時に芯材から受ける応力が大きくなり、耐捻回性が低下する。一方、芯材に対して導体線が緩すぎるか、または外部被覆体の拘束力が強すぎると、捻回時に外部被覆体から受ける応力が大きくなるから、この場合も、耐捻回性が低下する。
導体線の捲回強さおよび外部被覆体の拘束力は、ケーブルから外部被覆体を引き抜いたときの引き抜き抵抗力によって規定することができる。これについては後述する。
外部被覆体の拘束力は、上記の条件を充足する範囲内で任意に設定することができる。
例えば、外部被覆体として絶縁糸による編組を使用する場合、該外部被覆体の拘束力は、絶縁糸の捲回テンションと製造条件(特に長さ当たりの巻付け数T/M)とに影響される。捲回テンションの好適な範囲は下記のとおりである。適当な製造条件については、当業者が下記の捲回テンションの範囲で少しの予備実験を行うことにより、容易に知ることができる。
導電捲回体上に該絶縁糸を捲回して編組みを行う際の捲回テンションは、30N以下とすることが好ましく、10N以下とすることがより好ましい。しかしながらこの捲回テンションが過度に低いと、得られるケーブルを実用に供した場合に、外部被覆体が容易にずれ、あるいは脱落することとなり、好ましくない。そのため、絶縁糸捲回時の捲回テンションは、0.1N以上に設定することが好ましい。
4.その他の要素(シールド)
本発明のケーブルは、上記のような弾性円筒体、導体捲回体、および外部被覆体を有するが、これ以外の要素を有していてもよい。
例えば、本発明のケーブルには、シールドが配されていてもよい。
本発明におけるシールドは、電気伝導性を有する材料から成る。具体的には、例えば、電気伝導性を有する細線による編組、電気伝導性を有するテープ状物の捲回などによることができる。上記電気伝導性を有する細線としては、例えば電気伝導性を有する有機繊維、電気伝導性の良い金属細線などである。前記電気伝導性の良いテープ状物としては、例えばアルミ箔である。
電気伝導性を有する有機繊維とは、比抵抗1Ω・cm以下のものを言う。例えばメッキ繊維、導電性フィラーを充填した繊維などが挙げられる。より具体的には銀メッキ繊維などである。
従来技術においてシールド材料を捲回する場合、二層以上の構成とし、各層は交互に(所謂S/Z)捲回し、捲回張力を相殺させることが通常である。しかし、シールド線を交互に捲回すると、交叉した部分が断線し易く、耐捻回性に優れるシールド層を得ることができない。
従って、本発明においては、シールド線同士が交差しないように、シールド線を1方向に捲回することが好ましい。この場合には、シールド線と逆方向にオサエ糸を捲回することにより、ケーブルを捻回した時のシールド材料のズレを防ぐことができ、耐捻回性を向上させることができるので好ましい。この場合に使用するオサエ糸としては、公知の絶縁繊維から任意に選択して用いることができる。しかしながら、本発明においては、10%以上の伸縮性を有する弾性糸を使用することが好ましい。
オサエ糸を使用しない場合は、シールドの外周にさらに第二の外部被覆体を形成し、該第二の外部被覆体によってシールドを拘束することが好ましい。この第二の外部被覆体は、シールドが保持できる程度の拘束力を有していればよく、シールドを過度に締め過ぎないことが好ましい。
5.本発明のケーブルの特性
本発明のケーブルは、10%以上の伸縮性を有する伸縮ケーブルであることが好ましい。10%未満の伸縮性では、伸長方向へケーブルが引っ張られた際の動きに追随できないため、繰返し伸長耐久性が低下する。ケーブルの伸縮性は、好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以上、特に好ましくは100%以上である。
本発明のケーブルは、該ケーブルを導体線の捲回方向とは逆の方向に3cm間で180°ねじったときの断面における最大径Lと最小径Lとの比(外部被覆のねじり外径歪み率)L/Lが1.3以下である。L/Lの値は、好ましくは1.2以下であり、より好ましくは1.15以下である。
本発明のケーブルは、さらに、該ケーブルから前記外部被覆体を除いた部分を、前記導体線の捲回方向とは逆の方向に3cm間で180°ねじったときの断面における最大径Lと最小径Lの比(導体捲回体のねじり外形歪み率)L/Lが1.3以下であることが好ましい。この値は、より好ましくは1.25以下であり、さらに好ましくは1.2以下である。
本発明のケーブルは、該ケーブルから外部被覆体を引き抜き速度100mm/分で引き抜いたときの引き抜き抵抗力が、250N未満であることが好ましい。この値は、より好ましくは200N以下であり、さらに好ましくは180N以下である。
本発明のケーブルを、このような引き抜き抵抗力を有するように構成することは、該ケーブルにおける導体捲回体がオサエ糸を有さない場合に特に有利である。
/LおよびL/Lの値の測定方法は上記した。
上記の伸縮性および引き抜き抵抗力は、それぞれ、後述の実施例に記載した手法によって測定される。
上記のような特性を有する本発明のケーブルは、ねじり易く、捻回性に優れ、さらに取扱い時に伸長特性を有する、実用に適した伸縮性耐捻回ケーブルである。
その性能は、後述する所定の捻回試験において、10万回以上、より優れたものは50万回以上、特に優れたものは100万回以上、繰り返し捻回しても、断線しないものである。
以下に、本発明を実施例および比較例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
本発明で用いた評価方法は以下の通りである。
(1)芯材の外径歪み率
芯材に外部応力を加えない状態(ねじる前の状態)で、デジタルキャリパゲージ(新潟精機)を用いて芯材の外径を45°ずつ測定角度を変えながら4回測定した。得られた測定値のうち、最大値を最大径Rとし、最小値を最小径Rとして、両者の比R/Rを調べた。
(2)芯材のねじり外径歪み率
芯材を長さ方向4.5cmの間隔を開けて把持し、該4.5cm間で270°(3cm間で180°に相当する。)ねじった状態で、上記「(1)芯材の外径歪み率」と同様の手法により、最大径Rと最小径Rとの比R/Rを調べた。このとき、把持間隔4.5cmのうちの中央部3cmの領域を測定対象とし、該領域から略均等に5点の測定位置を選択して得られた比のうちの最大値を、芯材のねじり外径歪み率(R/R)として採用した。
(3)外部被覆のねじり外径歪み率
芯材の代わりに各実施例または比較例で得られたケーブルを測定対象とした他は、上記「(2)芯材のねじり外径歪み率」と同様の手法により、外部被覆のねじり外径歪み率(L/L)を、5点の測定位置における最大値として得た。
(4)導体捲回体のねじり外径歪み率(実施例1〜5および比較例1〜4)
芯材の代わりに、各実施例または比較例で得られたケーブルから外部被覆体を除いた部分を測定対象とした他は、上記「(2)芯材のねじり外径歪み率」と同様の手法により、導体捲回体のねじり外径歪み率(L/L)を、5点の測定位置における最大値として得た。
(5)剛軟度
ガーレー式柔軟度試験機(株式会社安田精機製作所製 製品No.311)を用いて、JIS L−1096に従って測定を行い、以下の式から導体線の剛軟度Yを求めた。
Y=(RG×(aW+bW+cW)×(L−12.7))×3.375×10−5/d
上式中の記号は、それぞれ以下の意味である。
Y:剛軟度(mN)
RG:JIS L−1096における指示値
a、b、およびc:荷重位置(mm)
、W、およびW:荷重(g)
L:試料長さ(mm)
d:試料直径(mm)
(6)耐捻回性
各実施例または比較例で得られたケーブル試料を長さ20cmにカットし、これを標準状態(温度20℃、相対湿度65%)に2時間以上静置した後、標準状態下で耐捻回性を調べた。
捻回試験機(ユアサ工機株式会社製 型番TCDM111LH)を用い、長さ20cmの上記ケーブル試料の中央部を、長さ方向に10cmの間隔を開けて把持し、10cm間で左右270°の繰り返し捻回(最大300万回)を行ないながら、ケーブル試料両端間の電気抵抗値を連続的に測定し、電気抵抗値が初期値から20%以上高くなるまでの捻回回数(Nx:左右1往復を1回とする)を測定し、以下の基準で評価した。
Nx≧100万回:「AA」(耐捻回性極めて「良好」)
100万回>Nx≧50万回:「A」(耐捻回性「良好」)
50万回>Nx≧30万回:「B」(耐捻回性「可」)
30万回>Nx≧10万回:「C」(耐捻回性「不良」)
Nx<10万回:「D」(耐捻回性「極めて不良」)
(7)芯材の伸縮性
各実施例または比較例で得られた芯材に、20cm間隔で印をつけた。その印の外側を手で持ち、印の間隔が22cmになるまで引き伸ばせるか否かを確認した。印の間隔が22cmになるまで引き伸ばせた試料については、その後、弛緩して、長さを測定した。
上記の結果を下記基準により評価した。
22cmまで伸張させることができ、弛緩させると21cm未満に回復したもの:「A」(伸縮性「良好」)
22cmまで伸張させることができないか、または、22cmまで伸張させることができたが、弛緩しても21cm未満に回復しなかったもの:「B](伸縮性「不良」)
(8)ケーブルの伸縮性
芯材の代わりに、各実施例または比較例で得られたケーブルを測定対象とした他は、上記「(7)芯材の伸縮性」と同様の手法によりケーブルの伸縮性を測定した。
(9)外部被覆体の引抜抵抗力
外部被覆体の引き抜き抵抗力の測定について、図6を参照しつつ説明する。
各実施例または比較例で得られたケーブル試料(1)を、20cmに切断した。この試料の片端部約7.5cmから外部被覆体を除去して芯材および導体捲回体から成る内層部Bとし、
他方の含部約7.5cmからは芯材および導体捲回体を除去して外部被覆体のみから成る外層部Cとし、そして
中央部の5cmの領域を、芯材、導体捲回体、および外部被覆体から成る積層部A(ケーブルの全構成)として残した。
引張試験機(株式会社エー・アンド・デイ製、テンシロン試験機)を用い、つかみ間隔を100mmに設定し、上記積層部Aが、チャック(2)の略中心に位置するように、内層部Bおよび外層部Cをそれぞれチャックで把持した。そして、試料が破断するか、あるいは外部被覆体が積層部Aから完全に引き抜かれるまで、引張速度100mm/分で引っ張った。
記録された荷重−伸長曲線から最大荷重(N)を求め、この値を引抜抵抗力とした。試料5本について同様の試験を行い、その平均値を採用した。
芯材の製造例1
940dtexのポリウレタン弾性長繊維(旭化成せんい株式会社製、商品名:ロイカ)を芯にして、該芯を伸張倍率4.0倍に伸長した状態で、230dtexのウーリーナイロン(黒染め糸)を、700T/Mの下撚りおよび500T/Mの上撚りで捲回し、ダブルカバー糸を得た。得られたダブルカバー糸を製紐用ボビンに巻き取り、当該ボビン8本を、8本打ち製紐機((有)桜井鉄工製)のS方向に4本およびZ方向に4本、均等に配置して組み紐を作製し、直径2mmの芯材中間体を得た。当該芯材中間体の周りに、当該芯材中間体を収納したボビン16本を、16本打ち製紐機((有)桜井鉄工製)のS方向に8本およびZ方向に8本、均等に配置して組み紐を作製し、直径3.5mmの芯材Aを得た。
芯材の製造例2
上記芯材の製造例1で得られた直径2mmの芯材中間体の2本を、芯材Bとして用いた。
上記で得られた芯材AおよびBの評価結果を、以下の表1に示した。
Figure 0006600494
以下の実施例および比較例で使用した導体線およびオサエ糸は、それぞれ、以下の表2および表3のとおりである。
Figure 0006600494
Figure 0006600494
実施例1
芯材として上記で得られた芯材Aを、
導体線として導体A(沖電線(株)社製のPVC線(50μm×49本))の4本を、
オサエ糸として56dtexのポリエチレンテレフタレート(PET)糸を、
それぞれ用い、下記の特殊製紐機を使用してケーブル中間体を得た。
ここで使用した特殊製紐機は、
(1)芯材を供給する機構、
(2)芯材を、複数のV溝を有する2連のロールのV溝に8の字掛けに沿わせて把持し、フィードする機構、
(3)芯材を、複数のV溝を有する2連のロールのV溝に8の字掛けに沿わせて把持し、巻き取る機構、
(4)芯材を伸張した状態で、導体線を芯材に並列に捲回する機構、および
(5)芯材を伸張した状態で、導体線の捲回方向と逆方向に導体線の内側および外側を交互に通ってオサエ糸を捲回する機構
を備えた16本打ちの製紐機である。
上記(4)におけるオサエ糸捲回時のテンションは、1.1Nとした。
上記で得られたケーブル中間体を2.4倍に伸長しながら、該ケーブル中間体に、予め2本合わせで巻き取った330dt/72f(150/36/2)のエステルウーリー(TAIRIIN社製)のボビン16本を用いて130T/Mで捲回して外部被覆体を形成することにより、ケーブルを得た。外部被覆体の捲回時のテンションは1.5Nとした。
上記の手順により行った各種評価の結果を表5に示した。
実施例2〜、および比較例1〜
芯材および導体線の種類、オサエ糸の種類およびオサエ糸捲回時のテンション、ならびに外部被覆体の種類を、それぞれ、表4のとおりに変更した他は実施例1と同様にして、ケーブルを製造し、各種の評価を行った。
評価結果は、表5に示した。
Figure 0006600494
Figure 0006600494
本発明の耐捻回伸縮ケーブルは、伸縮性および耐捻回性の双方に優れるから、ロボットおよびその構成機器、ウエアラブル機器など、伸縮および捻回を伴う機器の配線として有用である。
ロボットとしては、例えば、
卓上ロボット、多関節ロボットなどの産業用ロボット;
ドローンなどの無人飛行体;
無人車両;
パワーアシストなどの人体装着型ロボット;
人型ロボット、蛇型ロボットなどの生体模倣ロボット、などが挙げられる。
ロボットの構成機器としては、例えば、
エアシリンダー、エアチャックなどの空気圧縮機器;
圧力センサ、圧力スイッチなどのスイッチ・センサ機器;
電動アクチュエーター、電動シリンダーなど;
サーボモータなどのモータ機器;
シーケンサ、半導体、電子デバイス;
レーザ加工機、放電加工機などの加工機、などが挙げられる。これらのロボットおよびその構成機器に使用される自動化制御システムおよびその周辺機器において、機器内配線または機器間を接続する配線が伸長および捻じれを伴う場合、当該部分の配線として本発明の伸縮ケーブルは好適である。
ウエアラブル機器としては、例えば、
インカム、ヘッドセット、POSシステム、ヘッドフォン、イヤフォン、スポーツイヤフォン、ヘッドマウントデスプレーなどの、画像、音声、または文字情報を送受信する機能を有する機器;
装着型AED、装着型連続生体信号測定装置等、生体信号(例えば、心電、筋電、脈拍など)を測定するセンサを備えた衣類(例えば、肌着、アウター、パンツ、ボトムなど)または装具(例えば、ベルトなど);
ホルター心電計などの機器または計測装置;
LEDなどの照明を備えた衣類(例えば、肌着、アウター、パンツ、ボトムなど)または装具(例えば、ベルトなど);
筋電計、心電計、脳向けフレキシブル電極などの電子皮膚デバイスまたは体内デバイス;
送風装置(扇風機)、ペルチェ素子などの体温を下げる機能を備えた衣類、装具、または機器;
ヒータなどの保温または加温の機能を備えた靴、衣類、装具、または機器;
上記に例示したウエアラブル機器の複数を組み合わせたスマートテキスタイル;
発電機構(圧力、摩擦、電磁誘導など)と、蓄電部または前記発電機構で発生した電力を用いて稼働する機構と、からなる機器;
運動、作業動作、または体型を計測するモーションキャプチャー;
遠隔操作をするための、モーションコントローラ、データグルーブなど;
運動機能が低下した人の、リハビリ、補助、または負荷軽減のためのアシストスーツ、介護ロボットなど、を挙げることができる。
これらのウエアラブル機器において、伸長および捻じれを伴う部分の配線として、本発明の伸縮ケーブルは好適である。
さらに、本発明の伸縮ケーブルは、汎用製品においても旧来の電線を代替することができる。すなわち、汎用機器においては、従来、可動部において伸縮および捻回性を持たせるために、配線にゆとりを持たせて配置していた。このような部分における配線として本発明の伸縮ケーブルを適用することにより、従来よりも短い配線としても、伸縮および捻回による断線が起き難いこととなる。そのため、汎用製品の小型化などの改良が可能となる。
従って、本発明の伸縮ケーブルは、機器内または機器間の可動部に配置される電線として、好適に適用することができる。
本発明の伸縮ケーブルを好適に適用可能な汎用製品としては、例えば、
洗濯機、乾燥機などのクリーニング機器;
冷蔵庫、棚食器乾燥機、炊飯器、電子レンジなどの電子調理器および台所製品;
エアコンディショナー、ストーブなどの空調機器、;
掃除機、ロボットクリーナーなどの清掃機器;
DVDプレーヤー、レコーダなどの録画・再生機器、およびその周辺機器;
ビデオカメラ、デジタルカメラ、監視カメラなどの映像撮影機器;
テレビ、プロジェクターなどの映像投影機;
携帯電話、タブレット、パーソナルコンピュータなどの情報家電およびその周辺機器;
電話機などの通話装置およびその周辺機器;
ファクシミリ、スキャナなどの画像読み取り記憶装置;
インクジェットプリンターなどの印刷機器、;
据置型ゲーム機、携帯ゲーム機などのゲーム機本体およびその周辺機器;
オーディオなどのAV機器およびその周辺機器;
エレキギターなどの楽器およびその周辺機器;
電気スタンド、スポットライトなどの照明機器;
体重計、低周波治療器などの健康家電;
脱毛器、ヘアアイロン、ドライヤーなどの美容家電;
電動ベッド、マッサージ機、アイロン、充電器(充電ケーブル、充電システムなど)、時計、腕時計、コンプレッサー、ミシン 、農機具、家庭用ロボット類、電動昇降吊戸、
放送受信機器などの家電製品;
エレベータなどの昇降装置;
スライドドア、回転ドアなどの自動ドア;
風力発電などの発電装置;
溶接装置プレス機械、掘削装置などの工作機械;
自動車、車載センサー、モータ、コントロールユニット、後方確認カメラなどのカーエレクトロニクス・カーメカトロニクス製品;
カーオーディオ、カーナビなどのカーマルチメディア製品;
航空機、電動機付自転車などの原動機付き乗物;
クレーンなどの重機械;
人工衛星などの宇宙システム;
衛生通信、有線通信システムなどの通信インフラ;
交通関連機器;
カラオケ機器、パチンコ、ゲーム機などのアミューズメント機器;
遊園地などに設置される大型遊具;
走査型電子顕微鏡(SEM)、オシロスコープなどの各種測定機器;
内視鏡、超音波画像診断装置などの医療機器など、を挙げることができる。
これらの機器は可動部を有する。そのため、本発明の伸縮ケーブルは、これらのうちのいずれの機器においても、伸長および捻じれを伴う部分の配線として好適である。
1 芯材
2 導体線
3 導体線
4 オサエ糸
(1) ケーブル試料
(2) 引張試験機のチャック
A ケーブルの積層部
B ケーブルの内層部
C ケーブルの外層部
a 導体線のピッチ
b 隣接する導体線間の中心間距離
導体線2の半径
導体線3の半径
d 近接する導体線の間隔

Claims (9)

  1. 弾性円筒体と、
    該弾性円筒体の周囲に同一方向に捲回された少なくとも2本の導体線を有する導体捲回体と、
    該導体捲回体の外周に形成された、絶縁糸による編組および絶縁樹脂製の外部被覆層から成る群より選択される1種以上から成る外部被覆体と、
    から構成されるケーブルであって、
    該ケーブルを長さ方向に4.5cmの間隔を開けて把持した状態で前記導体線の捲回方向とは逆の方向に270°ねじり、
    該ねじった4.5cmのうちの中央3cmの範囲で5点の測定点を均等に設定し、
    各測定点の断面における最大径をLとし、最小径をLとして、L/Lを求め、そして
    5点の測定点についてそれぞれ得られたL/Lのうちの最大値が1.3以下であることを特徴とする、前記ケーブル。
  2. 前記ケーブルから外部被覆体を除いた部分を長さ方向に4.5cmの間隔を開けて把持した状態で前記導体線の捲回方向とは逆の方向に270°ねじり、
    該ねじった4.5cmのうちの中央3cmの範囲で5点の測定点を均等に設定し、
    各測定点の断面における最大径をLとし、最小径をLとして、L/Lを求め、そして
    5点の測定点についてそれぞれ得られたL/Lのうちの最大値が1.3以下である、請求項1に記載のケーブル。
  3. 前記導体捲回体が、
    弾性円筒体の周囲に同一方向に捲回された少なくとも2本の導体線のみから成るか、または、
    弾性円筒体の周囲に同一方向に捲回された少なくとも2本の導体線、および該導体線と同一方向に捲回され該導体線間に配置された介在糸のみから成る、請求項1または2に記載のケーブル。
  4. 前記ケーブルから外部被覆体を引き抜き速度100mm/分で引き抜いたときの引き抜き抵抗力が、250N未満である、請求項3に記載のケーブル。
  5. 前記導体捲回体が、
    弾性円筒体の周囲に同一方向に捲回された少なくとも2本の導体線と、
    弾性円筒体の周囲に前記導体線とは逆方向に捲回されたオサエ糸と、
    を有する、請求項1または2に記載のケーブル。
  6. 前記導体捲回体が、
    弾性円筒体の周囲に該導体線と同一方向に捲回され該導体線間に配置された介在糸をさらに有する、請求項5に記載のケーブル。
  7. 前記オサエ糸が、3N以下の捲回テンションで捲回されている、請求項5または6に記載のケーブル。
  8. 伸縮率が10%以上である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のケーブル。
  9. 導体線の剛軟度が70mN以上である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のケーブル。
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