JP2014096262A - シールド付伸縮電線 - Google Patents

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Abstract

【課題】繰り返し伸縮耐久性に優れたシールド付伸縮電線の提供。
【解決手段】10%以上の伸縮性を有する伸縮性導体部1とシールド部を少なくとも含むシールド付伸縮電線であって、該シールド部に、少なくとも1本以上の電気伝導体捲回糸2を含む。前記シールド部に、同一方向に捲回された2本以上の電気伝導体捲回糸を含み、前記同一方向に捲回された電気伝導体捲回糸の逆方向に、拘束糸として、絶縁繊維又は弾性繊維が編組されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、繰り返し伸縮耐久性に優れるシールド付伸縮電線に関する。
外部からのノイズの入射を遮蔽し、内部からのノイズの放射を防止するシールドケーブルは、一般に、シールド層として、銅線、アルミ線、同箔、アルミ箔などで構成される。これらのケーブルは一般に柔軟性が無く、屈曲性に弱いという欠点を有する。かかる問題を解決すべく、外部導体を有するケーブルの屈曲性の向上と柔軟性の向上が検討されている。
例えば、以下の特許文献1には、金属細線と導電性繊維を編んだ中空紐状のシールド材を用いることが記載されている。また、以下の特許文献2には、シールド素線の摩擦係数を小さくすることが記載されている。しかしながら、これらのケーブルはいずれも伸縮せず単に曲げやすいことを目指したものである。
一方、以下の特許文献3には、伸縮性信号伝送ケーブルが開示されており、弾性円等体の周囲に導体線を並列に捲回した後、絶縁繊維により絶縁層を構成し、その外周にシールド層を構成する旨記載されており、シールド層は、電気伝導性のある有機繊維又は電気伝導性のよい金属細線又はその組み合わせで編み組みすることにより得ることができる旨記載されている。
しかしながら、繰り返し伸縮による寿命については、何ら記載されておらず、繰り返し伸縮させても断線しにくいシールドを付与する技術については、記載も示唆もない。
伸縮電線に施されたシールド部は、伸縮に伴い通常伸縮しない電線に比べて大きく変形するためシールド部が破断しやすく、伸縮を繰り返すと簡単に断線するという問題がある。
特開平1−176604号公報 特開2006−31954号公報 国際公開WO2010/074259号公報
かかる状況下、本発明が解決しようとする課題は、伸縮する電線において、繰り返し伸縮しても断線せず、機能を保持し続けることができる伸縮耐久性に優れるシールド層を有するシールド付伸縮電線を提供することである。
本発明者らは、かかる課題を解決すべく鋭意検討し実験を重ねた結果、シールド部に電気伝導体捲回糸を用いることにより、課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。すなわち、本発明は、以下通りのものである。
[1]10%以上の伸縮性を有する伸縮性導体部とシールド部を少なくとも含むシールド付伸縮電線であって、該シールド部に、少なくとも1本以上の電気伝導体捲回糸を含ことを特徴とする前記シールド付伸縮電線。
[2]前記シールド部に、同一方向に捲回された2本以上の電気伝導体捲回糸を含む、前記[1]に記載のシールド付伸縮電線。
[3]前記同一方向に捲回された電気伝導体捲回糸の逆方向に、拘束糸として、絶縁繊維又は弾性繊維が編組されている、前記[2]に記載のシールド付伸縮電線。
[4]前記シールド部に、金属皮膜を施された有機繊維をさらに含む、前記[1]〜[3]のいずれかに記載のシールド付伸縮電線。
[5]前記シールド部を2層以上含む、前記[1]〜[4]のいずれかに記載のシールド付伸縮電線。
[6]前記伸縮性導体部と該シールド部の間に中間層として網組の絶縁繊維層をさらに含む、前記[1]〜[5]のいずれかに記載のシールド付伸縮電線。
[7]前記伸縮性導体部の外周に、磁性吸収材をさらに含む、前記[1]〜[6]のいずれかに記載のシールド付伸縮電線。
[8]前記シールド部の外周に、網組の絶縁繊維又は伸縮性樹脂層の外部被覆をさらに含む、前記[1]〜[7]のいずれかに記載のシールド付伸縮電線。
本発明のシールド付伸縮電線は、繰り返し伸縮で使用しても断線せず、機能を保持し続けることができる伸縮耐久性に優れる。
本発明の電気伝導体捲回糸を捲回したシールド付伸縮電線の模式図である。 本発明の電気伝導体捲回糸と拘束糸(金属皮膜を施された有機繊維又は絶縁繊維又は弾性繊維)を網組したシールド付伸縮電線の模式図である。 伸縮耐久性試験装置の模式図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のシールド付伸縮電線は、10%以上の伸縮性を有する伸縮性導体部とシールド部を少なくとも含むシールド付伸縮電線であって、該シールド部に、少なくとも1本以上の電気伝導体捲回糸を含むことを特徴とする前記シールド付伸縮電線である。
本明細書中、用語「伸縮性」とは、伸張後、弛緩することにより伸張回復率が50%以上であることを言う。例えば、10%伸縮可能とは、10%伸張した後に弛緩すると、5%伸張未満に戻ることをいう。
本発明においては、「導体部」は、10%以上伸縮可能であることが必要である。「導体部」が10%未満の伸縮性しかない場合は、本発明のシールド付き伸縮電線を得ることができない。
伸縮可能な導体部(伸縮性導体部)としては、弾性長繊維の周囲に電気伝導体を配したものを用いることができる。弾性長繊維としては、所謂ポリウレタン系弾性長繊維、ポリオレフィン系弾性長繊維、天然ゴム系ゴム糸、合成ゴム系ゴム糸が挙げられる。ポリウレタン系弾性長繊維又はポリオレフィン系弾性長繊維は、細いものが得やすく、シールド材を細くすることができう点で好ましい弾性長繊維である。電気伝導体の捲回に対する抗力を得やすくするために、予め、弾性長繊維の周囲に有機繊維を捲回しておくこともできる。伸張により電気伝導体が断線することを防ぐために、弾性長繊維の周囲に、予め、伸張限界長さの高抗張力繊維を捲回又は引きそろえて配しておくこともできる。
本発明においては、導体部の外周にある「シールド部」に少なくとも1本以上の電気伝導体捲回糸を含むことが必要である。
本発明者らは、シールド部に、銅線や銅箔を捲回してシールド性の付与を試みたが、伸縮性が低下するか又は繰り返し伸縮させるとシールド部が断線しやすいという問題に悩まされた。これを解決すべく鋭意研究し、実験を重ねた結果、驚くべきことに、シールド部に、電気伝導体捲回糸を用いることによって、繰り返し伸縮させても、シールド部が断線しないことを見出し、本発明に至ったものである。
本発明において、「電気伝導体捲回糸」とは、芯糸に電気伝導体を巻きつけて形成されたものをいう。芯糸としては、アラミド繊維、フッ素繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、塩化ビニル繊維、サラン繊維、ガラス繊維およびポリウレタン繊維等の公知の絶縁繊維が挙げられる。
電気伝導体とは、好ましくは、比抵抗1Ωcm以下のものをいう。比抵抗がこれ以上であると、電磁波シールド効果及び電界安定効果が落ちて、シールド材としての実用に適さない。比抵抗は、より好ましくは10−2Ωcm以下であり、さらに好ましくは10−4Ωcm以下である。電気伝導体の厚み又は直径は、1.0mm以下であることが好ましい。1.0mmを超えると、硬くなり、芯糸への捲回が困難となる。電気伝導体の厚み又は直径は、より好ましくは0.5mm以下であり、さらに好ましくは0.1mm以下である。電気伝導体の材質としては、銅、銅合金、アルミ、ニクロム、鉄などの金属箔又は金属繊維が挙げられる。金属箔は金属繊維に比べ、芯糸に巻きつけられた電気伝導体同士の隙間が少なくなり、シールド性に優れるため好ましい。電気伝導体には炭素繊維を用いることもできる。有機繊維の表面又は該繊維の集合体表面に金属皮膜を有している有機繊維を用いることもできる。皮膜を形成する金属としては、金、銀、銅、亜鉛、ニッケル、スズ及びそれらの合金等が挙げられ、中でも低コストの銅が好ましい。また、これらの金属により形成される層は1層であっても、2層以上の多層であっても構わない。電気伝導体は、単線でも複数を束ねたものでもよい。錆防止のために、電気伝導体の外周にニッケルなどの耐食性のより金属皮膜を形成させたり、防錆剤を塗布したりすることもできる。
また、電気伝導体としては、磨耗による損傷を防ぐため、所謂エナメル被覆を施したものや、合成繊維により外部を覆ったものを用いることもできる。裸線、裸線にメッキを施したもの、裸線にエナメル被覆を施したものは、細いシールド材を得ること容易で好ましい。特にエナメル被覆を施したものは、伸張摩擦に対して優れる。
本発明においては、シールド部に含まれる電気伝導体捲回糸を2本以上同一方向に捲回することが好ましい。より好ましくは4本以上、さらに好ましくは8本以上の電気伝導体捲回糸が同一方向に捲回されていることが好ましい。複数本を同一方向に捲回することにより、電気伝導体捲回糸の密度を高めることができ、シールド性を向上させることができる。他方、同一方向に捲回する本数が、多くなりすぎると伸縮性が低下するため、その本数は伸縮性とシールド性を考慮して決定される。
電気伝導体捲回糸を前記したように配置することで、伸縮により電気伝導体捲回糸同士の摩耗を防ぐことができ、断線寿命を長くすることができる。また、電気伝導体捲回糸の外側に電気伝導体捲回糸と逆方向に捲回された拘束糸を含むことで、伸縮による電気伝導体捲回糸のズレを防ぐことができ、さらに寿命を長くすることができる。電気伝導体捲回糸を1方向(例えば、Z方向)に捲回し、その上から拘束糸を逆方向(S方向)に捲回することで、電気伝導体捲回糸を拘束し、伸縮によるズレを防止することができる。電気伝導体捲回糸と逆方向に電気伝導体捲回糸の内側(導体部側)と外側を交互に通って拘束糸を捲回し電気伝導体捲回糸を拘束することも好ましい。電気伝導体捲回糸の内側と外側を交互に通って、電気伝導体捲回糸と逆方向に拘束糸を捲回することで、繰り返し伸縮や、伸縮を伴う屈曲動作によっても、伸張時と弛緩時の電気伝導体捲回糸間隔の変化が少なく、かつ繰り返し伸縮によって電気伝導体捲回糸間隔の変化が少ないシールド部を得ることができる。電気伝導体捲回糸の内側と外側を交互に通す場合、電気伝導体捲回糸1本ずつ交互に通しても、複数の電気伝導体捲回糸を纏めて交互に通してもよい。拘束糸は電気伝導体捲回糸より細いものが好ましい。さらに、拘束糸として、電気伝導体捲回糸の1/2以下の細さ、特に好ましくは1/10の細さのものを用いることが好ましい。このような拘束糸を用いることで、電気伝導体拘束糸にかかる負荷を抑えることができ、シールドの寿命延長に寄与する。さらに、電気伝導体拘束糸の密度を高めるで、シールド性を向上させることができる。
1周につき1箇所以上、好ましくは4箇所以上、拘束糸を電気伝導体捲回糸の内側と外側を交互に通って捲回することが好ましい。
拘束糸としては、公知の絶縁繊維も任意に用いることができ、例えば、マルチフィラメント、モノフィラメント、紡績糸であり、好ましくはマルチフィラメントを用いるもとができる。細く、柔らかく、拘束力が強く(高強度)、安価という観点からは、拘束糸として、ポリエステル繊維、ナイロン繊維が挙げられる。誘電率が低いという観点からは、拘束糸として、フッ素繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維が挙げられる。難燃性の観点からは、拘束糸として、塩化ビニル繊維、サラン繊維、ガラス繊維を挙げることができる。その他の拘束糸として、絹、レーヨン繊維、キュプラ繊維、コットン紡績糸を用いることもできる。しかし、これらに限定されるものではなく、拘束糸としては公知の絶縁繊維を任意に用いることができる。
拘束糸として、弾性繊維を用いることで、電気伝導体捲回糸の変形による負荷を減らし、シールド部の繰り返し伸縮耐久性を向上させることができる。弾性繊維としては、所謂ポリウレタン系弾性長繊維、ポリオレフィン系弾性長繊維、天然ゴム系ゴム糸、合成ゴム系ゴム糸が挙げられる。しかし、これらに限定されるものではなく、拘束糸として、公知の弾性繊維を任意に用いることができる。予め、弾性長繊維の周囲に有機繊維を捲回しておくこともできる。
シールド部に、金属皮膜を施された有機繊維をさらに含むことによりシールド性を向上させることもできる。金属皮膜は有機繊維の表面又は該繊維の集合体表面に施されている。皮膜する金属としては、ニッケル、銅、亜鉛、スズ、銀、金、それらの合金等、種々の金属種が挙げられ、中でも低コストの銅が好ましい。皮膜を施す有機繊維としては、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、アクリル等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、公知の有機繊維を任意に用いることができる。
シールド部は、電気伝導体捲回糸が捲回又は網組されているシールド層を2層以上にしたものであることもできる。シールド部は、1層よりも2層の方がシールド層の密度が高くなり、シールド性能が向上するため、好ましい。
導体部とシールドの間の中間層として、編組する絶縁繊維をさらに含むことができるが、かかる絶縁繊維の種類は特に限定されるものではなく、公知の繊維から任意に選ぶことができる。中間層はクッション性があることが好ましい。導体部が、硬い材質(金属)で構成されるため、緩衝材としての役目を果たす。また、バルキー性を持つ中間層は、その上に捲回する電気伝導体捲回糸をずれにくくする効果を発揮する。
好ましくは、クッション性を持つ中間層は、バルキー性のあるマルチフィラメント又は紡績糸又は弾性繊維を用い締付けすぎることのないように編組することにより得られる。密な編み組では、被覆が十分となり好ましい。バルキー性のあるマルチフィラメント又は紡績糸は、公知の方法により得ることができる。例えば、マルチフィラメントを1種類以上引きそろえ、仮撚り加工するか、コンジュゲート糸のマルチフィラメントを用いることもできる。また、紡績糸においては、1種類以上の短繊維を混合して紡績することで、バルキー性が得られる。特に、熱収縮率の異なる短繊維を混合し、紡績し、熱処理することにより、バルキー性の高い紡績糸を得ることができる。汎用性があり、耐磨耗性及びバルキー性が良好な絶縁繊維としては、ウーリーナイロンやエステルウーリー糸が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、公知の絶縁繊維を任意に用いることができる。
弾性繊維は、所謂弾性長繊維でも、弾性長繊維の周囲に有機繊維を配した所謂カバーリング糸でもよい。
さらに、電磁波吸収効果を高めるために、フェライトやカーボンなどの磁性吸収材料粉末を練りこんだポリエステルやナイロンなどの合成繊維を用いることもできる。同じく磁性吸収材料を弾性繊維に練りこんだものを用いることもできる。フィルム上の絶縁基板上に金属皮膜を有しているフィルム導体を用いることもできる。
外部被覆として、絶縁繊維を編み組又は伸縮性の樹脂を配置することができる。
外部被覆の編組する絶縁繊維の種類は特に限定されるものではなく、伸縮電線の用途や想定される使用条件に合わせて、公知の繊維から任意に選ぶことができる。
外部被覆として考慮すべき性能は、摩擦耐久性が挙げられ、使用する絶縁繊維としては、アラミド繊維、ポリスルホン繊維、フッ素繊維、高強力ポリエチレン繊維、ポリケトン繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維が好ましい。また、使用する絶縁繊維は、仕上げ加工により、柔軟性や耐摩擦性の向上を図ることもできる。さらに、難燃加工、撥水加工、撥油加工、防汚加工、抗菌加工、制菌加工、消臭加工など、公知の繊維の加工を施すことにより、実用時の取り扱い性を向上させることもできる。特に、繊維の表面にシリコーン樹脂等の平滑剤を付与すると、伸縮電線表面の摩擦係数をより低減できるので好ましい。
外部被覆の伸縮性樹脂は、さまざまな弾性の絶縁樹脂から任意に選ぶことができる。
外部被覆として考慮すべき性能は、伸縮性、耐水性、耐老化性が挙げられ、これらの性能に優れる伸縮性樹脂としては、合成ゴム系弾性体が挙げられ、アクリル系ゴム、二トリル系ゴム、ブタジエン系ゴム、スチレン・ブタジエン系ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン系ゴム、ウレタン系ゴム、エチレン・酢酸ビニル系ゴム、イソプレン系ゴム、エピクロルヒドリン系ゴム、多流化ゴム、フッ素系ゴム、シリコーン系ゴム、エチレン・プロピレン系ゴム、クロロプレン系ゴム、ブチル系ゴムが好ましく、より好ましくは、伸縮性、耐水性に優れるブチル系ゴム、多流化ゴム、シリコーン系ゴムであり、さらに好ましくはシリコーン系ゴムである。
次に、本発明のシールド付伸縮電線の代表的な製造方法について説明が、以下の製造方法に限定されるものではない。
(1)伸縮性導体部の製法
本発明のシールド付伸縮電線(ケーブル)で用いる伸縮性導体線は、弾性体を芯部として、芯部を伸長した状態で電気伝導体をらせん状に1本又は複数本捲回させることにより得ることができる。伸縮しやすい導体線を得るため、芯部を30%以上伸長することが好ましい。さらに好ましくは50%以上、特に好ましくは100%以上である。
電気伝導体を捲回させる方法としては、例えば、所謂カバーリング装置により捲回する方法、製紐機等を用いて電気伝導体を芯部の外周に編組する方法や横巻き機を用いて導体線を捲回する方法が挙げられる。芯部と電気伝導体が連動して動くようにするため電気伝導体に適度な張力を掛けて捲回することが好ましい。
電気伝導体としては、細線を用いることが好ましい。例えば、製紐機を用いて電気伝導体を捲回する場合、電気伝導体に掛ける糸錘の重さ又はテンサーを変えたり、編組加工中の単位長さ当たりの巻付数を変えたりすることによって、電気伝導体の捲回角度及び捲回張力を変えることができる。電気伝導体を複数本捲回する場合は、S撚り又はZ撚りのいずれか1方向のみに捲回することもS/Zの2方向で捲回したものを用いることもできる。1方向に捲回したものは、伸縮耐久性が向上しやすく好ましい。
横巻き機を用いて弾性長繊維を伸張しながら、電気伝導体を捲回することもできる。1方向のみの捲回となり、残留トルクが残りやすいが、前記カバーリング方法記載の方法と同様にして、残留トルクを少なくすることができる。
(2)シールド部の製法
シールド部は、例えば、以下に示す方法により製造することができる。
シールド部は、伸縮性導体線を伸長した状態で1本以上の電気伝導体捲回糸を捲回又は網組させることにより得ることができる。
電気伝導体捲回糸を捲回又は網組させる方法としては、例えば、所謂カバーリング装置により捲回する方法、製紐機等を用いて電気伝導体捲回糸を伸縮性導体線の外周に編組する方法や横巻き機を用いて電気伝導体捲回糸を捲回する方法が挙げられる。
以下、本発明を具体的に説明する。
尚、実施例では、以下の評価方法を用いた。
(1)伸縮性
100cmの伸縮電線の両末端をテンシロンの上下チャックに固定し、10N以下の荷重で、110cmになるまで引き伸ばした後、弛緩して長さを測定する。下記評価基準で区別し、10N以下の荷重で110cmまで引き伸ばすことができ、かつ弛緩後105cm未満に回復したものを10%以上の伸縮性があると判断した。
A:10N以下の荷重で150cmまで伸張させることができ、弛緩させると105cm未満に回復したもの。
B:10N以下の荷重で130cmまで伸張させることができるが弛緩しても105cm未満に回復したもの。
C:10N以下の荷重で110cmまで伸張させることができるが弛緩しても105cm未満に回復したもの。
D:10N以下の荷重で110cmまで伸張させることができるが弛緩しても105cm未満に回復しないもの。
E:10N以下の荷重で110cmまで伸張させることができないもの。
(2)シールド部の繰り返し伸縮耐久性
デマッチャー試験機((株)大栄科学精機製作所製)を用い、図3に示したように、チャック上部(5)及びチャック下部(6)を試料(7)の長さ20cmにセットする。チャック下部(6)の可動位置を試料の伸張時である28cmに設定し、室温で、引張り時伸張40%で200回/minで所定回伸縮を繰り返し、0−40%繰り返し伸張試験を行う。繰り返し伸張試験の前後でシールド部の電気抵抗を測定し、繰り返し伸張試験前後での電気抵抗の変化率(ΔR)を求める。
ΔR=100×(R2−R1)/R1
{式中、R1:試験前の電気抵抗、R2:試験後の電気抵抗}
電気抵抗の変化率(ΔR)が10%以上となった回数を求め、下記評価基準により、耐断線性を判定した。
A:100万回以上
B:10万回以上100万回未満
C:100回以上10万回未満
D:100回未満
[実施例1]
ダブルカバリング機(カタオカテクノ社製、SP−400型)を用い、940dtex/72fのポリウレタン弾性長繊維(旭化成せんい株式会社製、商品名:ロイカ)を芯にして、伸長倍率3倍で伸長しながら、155dtexのナイロン仮撚糸を500T/mの下撚り(S撚り)及び332T/mの上撚り(Z撚り)で捲回し、940dtexポリウレタン弾性長繊維のダブルカバー糸を得た。得られたダブルカバー糸を用い、8本打ちの製紐機(株式会社国分社製)を用いて編組加工を行い、ポリウレタン弾性長繊維からなる直径1.8mmの略丸断面の組紐を得た。
得られた組紐を芯部にして、16本打ちの製紐機((有)桜井鉄工製)を用いて、芯部を2.0倍に伸長しながら、Z撚り方向に導体線として銅細線集合線((有)竜野電線社製2USTC、直径0.03mm×114本にポリエステル加工糸をカバーリングしたもの)4本と(230dtex)4本を1本交互に配置し、S撚り方向にポリエステル繊維(56dtex)を8本配置して編組加工を行い、伸縮性導体部を得た。
得られた導体部を再度芯にして16本打ちの製紐機に仕掛け、1.8倍に伸長しながら、エステル仮撚糸(300dtex*2本引き揃え)をZ撚り方向及びS撚り方向に各々8本ずつ配置して編組加工による中間層を形成した。
得られた中間層付の伸縮性導体部を再度、芯にして16本打ちの製紐機に仕掛け、1.8倍に伸長しながら銅箔糸((株)明清産業製 品名 IT2512)をZ撚り方向に銅箔糸8本配置し、S撚り方向にポリエステル繊維(56dtex)を8本配置して編組加工を行い、シールド部を持つ導体部を得た。
さらに、得られたシールド部を持つ導体部を再度、芯にして再度16本打ちの製紐機に仕掛け、1.8倍に伸長しながら、エステル仮撚糸(300dtex*2本引き揃え)をZ撚り方向及びS撚り方向に各々8本ずつ配置して編組加工による外部被覆を行い、4本の導体線を有するシールド付伸縮電線を得た。得られたシールド付伸縮電線の伸縮性と伸縮耐久性の評価結果を、以下の表1に示す。
[実施例2]
ダブルカバリング機(カタオカテクノ社製、SP−400型)を用い、22dtex/2fのポリウレタン弾性長繊維(旭化成せんい株式会社製、商品名:ロイカ)を芯にして、伸長倍率3倍で伸長しながら、11dtexのナイロン仮撚糸を2200T/mの下撚り(S撚り)及び1800T/mの上撚り(Z撚り)で捲回し、ダブルカバー糸を得た。
シールド部形成時に、S撚り方向にこの22dtexポリウレタン弾性長繊維のダブルカバー糸を用いた以外は、実施例1と同様にして、シールド付伸縮電線を得た。得られたシールド付伸縮電線の伸縮性と伸縮耐久性の評価結果を以下の表1に示す。
[実施例3]
中間層形成時に、実施例2の22dtexポリウレタン弾性長繊維のダブルカバー糸を用いた以外は、実施例1と同様にして、本願発明のシールド付伸縮電線を得た。得られたシールド付伸縮電線の伸縮性と伸縮耐久性の評価結果を以下の表1に示す。
[実施例4]
中間層形成工程を除いた以外は、実施例1と同様にして、本願発明のシールド付伸縮電線を得た。得られたシールド付伸縮電線の伸縮性と伸縮耐久性の評価結果を以下の表1に示す。
[実施例5]
シールド部形成時に、S撚り方向に銅箔糸((株)明清産業製 品名 IT2512)を用いた以外は、実施例1と同様にして、本願発明のシールド付伸縮電線を得た。得られたシールド付伸縮電線の伸縮性と伸縮耐久性の評価結果を以下の表1に示す。
[比較例1]
シールド部形成時に、Z撚り方向にスズメッキ銅線(三洋電線製 品名TA、直径0.05mm×41本)を用いた以外は、実施例1と同様にして、シールド付伸縮電線を得た。得られたシールド付伸縮電線の伸縮性と伸縮耐久性の評価結果を以下の表1に示す。
[比較例2]
シールド部形成時に、Z撚り方向、S撚り方向いずれにもスズメッキ銅線(三洋電線製 品名TA、直径0.05mm×41本)を用いた以外は、実施例1と同様にして、シールド付伸縮電線を得た。得られたシールド付伸縮電線の伸縮性と伸縮耐久性の評価結果を以下の表1に示す。
[比較例3]
市販のロボットケーブル(倉茂電工株式会社製 品名KDF−SB(CM)0.2SQ×2P)を購入し、そのロボットケーブルの伸縮性と伸縮耐久性の評価結果を以下の表1に示す。
Figure 2014096262
表1に示す結果から、本発明のシールド付伸縮電線は、市販品では達成できない伸縮性を有し、かつ、従来技術では実現困難であった繰り返し伸縮に耐えられるシールド付伸縮電線であることがわかる。
本発明のシールド付伸縮電線は、ロボット分野をはじめとして、身体装着機器及び衣服装着機器等の曲げ伸ばしなどの屈曲部を有する装置の信号配線として好適であり、特にヒューマノイド型ロボット(内部配線及び外皮配線)、パワーアシスト装置、ウエアラブル電子機器等に好適である。その他、各種ロボット(産業用ロボット、家庭用ロボット、ホビーロボット等)、リハビリ用補助具、バイタルデータ測定機器、モーションキャプチャー、電子機器付き防護服、ゲーム用コントローラー(人体装着型を含む)、マイクロヘッドフォン等の分野に好適に利用できる。
1 伸縮性導体部
2 電気伝導体捲回糸
3 外部被覆
4 拘束糸
5 チャック上部
6 チャック下部
7 試料
8 伸張時の試料状態

Claims (8)

  1. 10%以上の伸縮性を有する伸縮性導体部とシールド部を少なくとも含むシールド付伸縮電線であって、該シールド部に、少なくとも1本以上の電気伝導体捲回糸を含むことを特徴とする前記シールド付伸縮電線。
  2. 前記シールド部に、同一方向に捲回された2本以上の電気伝導体捲回糸を含む、請求項1に記載のシールド付伸縮電線。
  3. 前記同一方向に捲回された電気伝導体捲回糸の逆方向に、拘束糸として、絶縁繊維又は弾性繊維が編組されている、請求項2に記載のシールド付伸縮電線。
  4. 前記シールド部に、金属皮膜を施された有機繊維をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシールド付伸縮電線。
  5. 前記シールド部を2層以上含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシールド付伸縮電線。
  6. 前記伸縮性導体部と該シールド部の間に中間層として網組の絶縁繊維層をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のシールド付伸縮電線。
  7. 前記伸縮性導体部の外周に、磁性吸収材をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のシールド付伸縮電線。
  8. 前記シールド部の外周に、網組の絶縁繊維又は伸縮性樹脂層の外部被覆をさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のシールド付伸縮電線。
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