JP5808919B2 - 伸縮伝送線が配された布帛 - Google Patents

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Description

本発明は、電子機器等を装備する布製商品向けに伝送線を配線させた布帛に関する。
従来、モーションキャプチャー・システムやウェアラブル・コンピューターに用いられる、電子機器等が装備された布帛、または電子機器間を結ぶ配線が配された布帛、およびそれらからなる布製商品が提案されており(特許文献1〜3参照)、該布帛に配線される伝送線としては、芯線に銅線を用いて周囲を軟化ゴムや塩化ビニル等の合成樹脂で被覆した柔軟性のある絶縁電線や信号伝送ケーブルが用いられていた。しかし、既電線は屈曲に対する柔軟性はあるものの、伸縮性は殆ど無いことから、繰返し伸縮を受ける布製商品では伸長負荷による断線や基布損傷及び電子機器との接続部分が損傷し易いなどの理由から寿命が短く、配線使用は控えられてきた。また、電気信号ではなく光信号を伝送するための光信号伝送ケーブルを用いることも考えられるが、光信号伝送ケーブルは一般的に剛直で取り扱い性が悪く、柔軟性や伸縮性を必要とする用途に用いることは困難であった。
近年、伸縮自在な芯材の周囲に銅線や光ファイバ等の伝送線を配設又は捲回させ、外層に繊維など絶縁体で被覆した伸縮電線、信号伝送ケーブル、および光信号伝送ケーブルが提案され、伸縮性を付与してロボット分野、身体装着機器配線、衣服装着機器配線、多関節ロボットなどへの産業上の利用可能性が示唆され(特許文献4〜8参照)、このような伸縮伝線を利用した生体信号測定装置が提案されている(特許文献9参照)。
しかしながら、これらの伸縮伝送線を基布に配する際の、基布及び伸縮伝送線の伸縮率や配線の取り付け方法等を考慮していないため、繰り返し伸縮を伴う布製商品に利用した場合、伸縮伝送線が必要以上に伸ばされ、断線や基布損傷及び電子機器との接続不良(コネクター外れや損傷)などの問題が発生する可能性があり、これらの問題を改善する必要があった。
特開平10−261090号公報 特開2000−357025号公報 特開2000−148290号公報 特開2002−313145号公報 特許第4057877号公報 国際公開第2008/078780号 国際公開第2009/157070号 国際公開第2010/074259号 特開2010−142413号公報
本発明は前記従来技術の問題点を解決し、伸縮に対する追従性を向上させて繰返し伸縮を受けても断線や基布損傷を抑制でき、耐久性に優れた伸縮伝送線が配された布帛を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、伸縮伝送線が配された布帛を構成する基布と、伸縮伝送線の伸縮率の関係を特定することで上記課題を解決できることを見いだし、本発明に到達したものである。
すなわち、本願で特許請求される発明は以下の通りである。
(1)基布の少なくとも一部に伸縮伝送線が配された布帛であって、基布の伸縮伝送線が配された方向の伸縮率Aが5%〜200%であり、伸縮伝送線の長さ方向の伸縮率Bが5%〜200%であり、両者の伸縮率差C=((B)−(A))が0〜195の範囲であることを特徴とする伸縮伝送線が配された布帛。
(2)伸縮率差Cが0〜100の範囲であることを特徴とする上記(1)に記載の伸縮伝送線が配された布帛。
(3)伸縮伝送線が縫製により基布に装着されていることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の伸縮伝送線が配された布帛。
(4)基布に取り付けられた筒状部材の内側に伸縮伝送線が内装されていることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の伸縮伝送線が配された布帛。
(5)伸縮伝送線が基布を構成する織編物組織中に挿入されていることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の伸縮伝送線が配された布帛。
(6)伸縮伝送線の導体線が単線直径0.01mm〜1.00mmの1本以上の集合体で、且つ、該導体線が1本以上の集合線であって、該導体線1本の電気抵抗が弛緩状態で100Ω/m以下、伸縮率Bまで伸長した時の電気抵抗変化が10%未満の伸縮電線であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の伸縮伝送線が配された布帛。
(7)配線がシールドされていること特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の伸縮伝送線が配された布帛。
(8)上記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の伸縮伝送線が配された布帛が少なくとも一部に用いられていることを特徴とする衣服。
本発明の伸縮伝送線が配された布帛は、基布の伸縮範囲に合わせ伸縮伝送線が追従するため、基布の伸縮率Aまで伸縮を繰り返しても配線の断線や基布の損傷が起こり辛い。また、接続される電子機器とのコネクター外れや損傷もなく、繰返し伸縮に対する耐久性が向上し、該布製商品の寿命が延びる。
本発明における、伸縮伝送線を縫製によって基布に配する方法の一例を示した略図。 本発明における、伸縮伝送線の装着方法の一例を示した略図。 本発明における、伸縮伝送線の装着方法の他の一例を示した略図。 断線評価に用いる、伸縮伝送線が配された布帛試料の測定状態を示す略図。 コネクター部の接続性評価に用いる、伸縮伝送線が配された布帛資料の測定状態を示す略図。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明において、伸縮伝送線が配された布帛とは、基布の少なくとも一部に伸縮伝送線が配されている布帛を示す。伸縮伝送線は電力、電気信号、光信号等を伝送するために用いられるが、検出装置や信号発生装置、センサなどの電子機器等は本布帛に配されていても良く、本布帛が離れた場所にあるこれらの電子機器等を繋ぐ部分として構成されても良い。
本発明の伸縮伝送線が配された布帛は、最終用途となる布製商品の種類によって規格が異なるが、少なくとも一方向の伸縮率が5%〜200%の基布を用い、伸縮性Aが5〜200%となる方向に、長さ方向の伸縮率Bが5%〜200%の伸縮伝送線を配して構成する必要がある。すなわち、基布の伸縮伝送線が配される方向の伸縮率Aが5%〜200%であり、伸縮伝送線の長さ方向の伸縮率Bが5%〜200%であることを特徴とする。ここで言う伸縮率とは伸縮回復率が50%以上を保持できる最大伸縮率である。尚、伸縮率や伸縮回復率は後述する実施例中の測定方法で求めたものである。伸縮率Aは20%〜100%であることが好ましく、伸縮率Bは40%〜200%であることが好ましい。
更に本発明の伸縮伝送線が配された布帛は、基布の伸縮伝送線が配された方向の伸縮率Aと、伸縮伝送線の長さ方向の伸縮率Bとの伸縮率差C=B−Aが0〜195の範囲であるように配されることが重要である。好ましくはC=5〜100、より好ましくはC=10〜100になるように、伸縮伝送線が基布より伸縮率が高くなるように設計されなければならない。本構成であれば、基布の伸縮率Aまで伸長したときの伸縮伝送線に掛かる伸長荷重負荷を軽減でき、断線や配線外れを防ぐことができる。逆に、伸縮伝送線が基布の伸縮率よりも小さく設計(伸縮率の差C<0)すると、先に伸縮伝送線が伸長荷重を受け易く断線や配線外れに繋がってしまう。場合によっては基布の損傷に至ることがある。
本発明の伸縮伝送線が配された布帛の伸縮耐久性を向上させるには、伸縮伝送線の伸縮率Bが基布の伸縮率Aの2倍以上の伸縮率となるように、すなわち2A≦Bとなるように構成することが好ましい。
本発明の伸縮伝送線が配された布帛に用いる伸縮伝送線を基布に装着する方法は特に限定されないが、伸縮伝送線が縫製により基布に装着されていることが好ましい。縫製による装着状態の3通りの例を図1に示す。縫製する方法は手縫いやミシン縫いなど、どのような手段でも良く、縫製形態も図1の例だけでなく、どのような形状でも良い。縫い糸で直接基布へ縫い付ける場合、伸縮伝送線に針を突き刺さないよう取り扱う必要がある。また、縫い密度も伸縮性を損なわない範囲もしくは配線が浮き上がらないように縫いピッチを考慮し、伸縮運動で簡単に外れなければよい。
別の装着方法として、図2や図3のように基布に取り付けられた筒状部材を用いて、筒状部材の内部に伸縮伝送線を配線させる方法を採用しても良い。この方法であれば伸縮伝送線が基布に直接固定されないため、伸縮運動を阻害しないで追従し易くなる。また、筒状部材は予め基布と同等以上の伸縮性を有する布帛を用いれば、伸縮伝送線が配された布帛自身の伸縮運動を阻害しないので好ましい。図2、3には筒状部材を縫製によって基材に取り付けた形態の例が記載されているが、これに限らず、接着等任意の方法で取り付けられていればよく、マジックテープ(登録商標)、ファスナー、ホック等によって筒状部材が着脱可能となっていれば、伸縮伝送線の交換や基布の洗濯が容易であり、好ましい。特に、図3のように伸縮伝送線のほぼ全体、好ましくは80〜100%が筒状部材の内部に配置されていれば、配線が殆ど隠れるため、配線の引っ掛かり防止や見栄えの改善に繋がり好ましい。
上述の方法以外で伸縮伝送線を基布に装着する方法として、基布製造時に織編組織中に直接伸縮伝送線を挿入させる方法が採用でき、量産化には好適である。例えば、織機で緯糸として伸縮伝送線を挿入する方法、経編機では緯糸挿入装置を用いて挿入する方法、横編機で緯糸として挿入する方法などが挙げられる。伸縮伝送線の挿入間隔も任意に設定でき、使用する電子機器のコネクター数に合わせ適宜調整すればよい。また、取り外しが可能となる様にマジックテープ(登録商標)やマスキングテープ等で貼り付けても構わない。
本発明の伸縮伝送線が配された布帛を用いて衣服を作製する場合は、伸縮率Aが20%〜100%の基布と伸縮率Bが40%〜200%の伸縮伝送線で構成され、且つ、伸縮率差Cが0〜100になるように設計し、前述した装着方法のいずれか一部を採用すれば好適である。これらの伸縮伝送線が配された布帛からなる衣服は、着脱時の違和感(伝送線の突っ張り感や異物感など)を防止し着用中の不快感も解消できる。
本発明の伸縮伝送線が配された布帛に用いる基布を構成する繊維としては、特に限定されるものではなく、公知繊維から任意に選定できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリエステル系エラストマー繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリプロピレン系繊維等の合成繊維、綿、麻、ウール等の天然繊維、キュプラレーヨン、ビスコースレーヨン、リヨセル等の再生繊維その他、任意の繊維が挙げられる。また、伸縮性を付与するためにポリウレタン系弾性繊維、ポリオレフィン系弾性繊維、天然ゴム及び合成ゴム系弾性繊維等を組み合わせてもよい。
繊維の断面形状は、丸型、三角、L型、T型、Y型、W型、八葉型、偏平、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形なものでもよい。繊維の形態も、未加工糸、紡績糸、撚糸、仮撚加工糸、流体噴射加工糸等いずれのものを採用してもよい。また、マルチフィラメント等の繊維では、通常、10〜2000dtexの太さのものを用いることができ、単糸繊度は任意に設定できる。
基布の構造は平織、立体織、経編、横編、丸編、筒編、立体編などの布帛であれば特に限定されるものではなく、所定の伸縮率範囲で構成すればよい。
本発明の伸縮伝送線が配された布帛に用いる伸縮伝送線は特に限定されるものではなく、公知の伝送線より任意に選定できる。伝送線としては、電流を伝送する電流伝送線、電気信号を伝送する電気信号伝送線、光を伝送する光伝送線、光信号を伝送する光信号伝送線、熱を伝送する熱伝送線、液体を伝送する液体伝送線、気体を伝送する気体伝送線、音を伝送する音波伝送線等がある。これらは単独でも複合されたものでも良い。
電力伝送線の代表的なものは、所謂伸縮電線であり、例えば特許文献6に記載される伸縮電線が挙げられ、種々の伸縮電線の中から所定の伸縮率範囲である伸縮電線を適宜選定すればよい。伸縮率が5%未満では伸縮性に乏しく、200%を超える場合では伸縮電線の製造が難しく、伸縮回復性に劣るものとなる。このような伸縮電線が配された伸縮伝送線が配された布帛を、以下電装布帛と表記する。
伸縮電線が導体細線1本以上の集合線で構成されていれば、屈曲性が向上し断線し難くい傾向になる。また柔軟性が付与され取り扱い性が向上するため好適である。導体細線の単線直径は、伸縮電線の製造時の加工性や電線布帛の製造時の取り扱い性を考慮し、0.01mm〜1.00mmが好ましく、より好ましくは0.01mm〜0.08mm、最も好ましくは0.01mm〜0.05mmである。さらに該導体線1本の電気抵抗が弛緩状態で100Ω/m以下、伸縮率Bまで伸長した時の電気抵抗変化が10%未満であることが好ましい。これらの伸縮電線に微弱な電流を正確に伝送させたい場合、弛緩状態で10Ω/m以下がより好ましく、さらに好ましくは1Ω/m以下にすればよい。また伸縮電線が伸縮によって電気抵抗変化が10%以上では電流が乱れて伝送性に問題が生じため、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは3%以下にすればよい。
電気信号伝送線の代表的なものは、所謂伸縮性電気信号伝送ケーブルであり、例えば特許文献7に開示される、少なくとも2本の導体線が弾性円筒体の周囲に同一方向に捲き回されてなる導体部を有する、伸縮性信号伝送ケーブルが挙げられるが、これに限定されず、2本以上の導体線をS/Z方向に捲き回したものでも良い。種々の伸縮性信号伝送ケーブルの中から所定の伸縮率範囲である伸縮性信号伝送ケーブルを適宜選定すればよい。10%以上の伸縮性を有するものが好ましく、250MHzにおける伝送ロスが弛緩状態において10dB以下であるものが好ましい。
光信号伝送線の代表的なものは、所謂伸縮性光信号伝送ケーブルであり、例えば特許文献8に開示される、少なくとも1本の光ファイバが弾性円筒体の周囲に捲き回され、光ファイバの曲げ直径Rが限界曲げ直径Re以上である伸縮性光信号伝送ケーブルが挙げられるが、これに限定されない。種々の伸縮性光信号伝送ケーブルの中から所定の伸縮率範囲である伸縮性光信号伝送ケーブルを適宜選定すればよい。10%以上の伸縮性を有するものが好ましく、光伝送ロスが弛緩状態において20dB/m未満であるものが好ましい。
本発明の伸縮伝送線が配された布帛に配された伸縮伝送線の配線はシールドされていることが好ましい。特に微弱な電流や信号を伝送する場合はノイズの影響を受け易いため、伸縮伝送線などに予めシールド機能を付与させることを推奨する。シールドは伸縮伝送線の外側に配置される導電性物質によって外部からの電磁波の侵入防止又は内部発生の電磁波の漏洩防止を目的とする。その方法として、導体によるアース又は反射、磁性体による吸収方法、各々の組合せが例示できるが、特に限定されることはない。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、例中の各測定および特性評価は下記の方法で行った。
(1)伸縮率、伸縮回復率の測定
基布は200mm×50mm(幅)の短冊状にカットした試験片を準備、伸縮伝送線は200mm長を準備する。各々試料につかみ幅40mmとつかみ間隔100mmに評線を引く。次にテンシロン万能試験機((株)エーアンドディ社製)を用い、つかみ幅40mm、つかみ間隔100mm、布帛は引張速度100mm/min、伸縮伝送線は200mm/minの条件で1サイクル試験(所定伸長後、元に戻す)を実施する。この時、戻り応力がゼロとなる長さを測定する。1サイクル試験の所定伸縮率は、つかみ間隔の5%〜200%の範囲内で任意に設定でき、伸縮回復率が50%未満となる最大伸縮率まで5%刻みで繰返し測定する。伸縮率Aおよび伸縮率Bとは、それぞれの試料の伸縮回復率が50%以上を保持できる最大伸縮率である。ただし、1サイクル試験は1つの試料片で1回測定とし、試料片は毎回交換する。
尚、伸縮回復率は次式によって求めた。この時、つかみ間隔(元試料長)をL、所定伸縮率時の伸長長さ(L+L×所定伸縮率/100)をL、戻り応力ゼロ時のつかみ間隔をLとする。
伸縮回復率(%)={(L−L)/(L−L)}×100
(2)電気抵抗測定
2−1)弛緩時の電気抵抗値(R)測定
弛緩状態で1mとなる伸縮電線の両端をミリオームテスター(HIOKI8630)にて電気抵抗値を測定した。導体が集合線である場合は、使用本数を纏めてハンダ付けさせて測定し、電気抵抗値を使用本数で割り返して1本当たりに算出する。
2−2)最大伸縮率時の電気抵抗値(R)測定
伸縮電線1mを直径2cmの滑車を介して折り返し、最大伸縮率まで引き伸ばした状態で保持させ、前記2−1)と同様にして電気抵抗値を測定した。但し、人力で伸長できない電線は測定不可とする。尚、電気抵抗変化率は次式によって求めた。
電気抵抗変化率(%)=|(R−R)|/R×100
(3)断線評価、電装布帛の破壊状態観察
図4に示すように、短冊状基布に伸縮電線を約20mmピッチで縫製取り付けした電装布帛を準備し、弛緩状態における伸縮電線両端間の電気抵抗値をミリオームテスター(HIOKI8630)で確認する。次にテンシロン万能試験機((株)エーアンドディ社製)を用い、つかみ幅40mm、つかみ間隔100mm、引張速度100mm/minの条件で、基布の伸縮率まで1回だけ伸長し、保持させた状態で電気抵抗値を測定する。電気抵抗値が表示されない又は変化率が10%以上ならば断線したと判定する。引き続き、試料を元の取り付け位置まで戻し、電装布帛の破壊状態を観察する。尚、破壊状態の判定は下記の通りである。
○:基布や伸縮電線が形態変化していない。
△:断線していないが、形態変化している。
×:断線あり。基布破れや縫製糸切れ及び伸縮電線の弛みなど形態変化している。
(4)コネクター端子の接続性評価
図5に示すように、伸縮電線をクリップ端子とピン型コネクターで接続させたものを短冊状基布に約20mmピッチ(ただし、接続部は約40mm〜50mmピッチとする)で取り付けた電装布帛を準備し、伸縮繰返し回数10回以外は前記(3)の断線測定と同様の条件で行なった。
接続性の判定は、コネクター外れ又は電気抵抗値に変化なければ○、コネクター外れやズレ及び電気抵抗に変化があれば×とする。
(5)耐久性(繰返し伸縮回数、外観変化)評価
デマッチャー試験機(大栄科学精器製作所社製)を用い、前記(3)と同様の電装布帛試料を準備し、繰返し伸縮試験を行なう。この時の試験条件は、つかみ間隔100mm、繰返し回転数60rpm、伸長長さは基布の伸縮率にて10万回の繰返し伸縮とする。但し、1万回までは1000回毎に電気抵抗値を測定し、1万回以降は1万回毎に10万回まで測定を行ない、前記(2)の測定に準拠し比較する。尚、繰返し伸縮耐久性の判定は、各々繰返し回数後の電気抵抗変化率が5%以上になった場合、測定時の繰返し回数以下と表記し、10万回時で5%未満であれば10万回以上とした。
また、形態変化の有無は次の通りである。
○:繰返し回数10万回以上を達成し、ほとんど形態変化なし。
△:繰返し回数10万回以上を達成したが、若干の形態変化あり。
×:繰返し回数10万回以下、形態変化も著しい。
不可:基布の伸縮率まで引き伸ばした測定が出来なかった。
[実施例1]
(基布の選定)
市販される生地の伸縮率を測定し、その中から一方向の伸縮率が10%であった綿、ポリエステル、ポリウレタン混の平織物を基布に選定した。
(伸縮伝送線の作製)
ダブルカバーリング機(カタオカテクノ社製、SP−400型)を用い、940dtex/72fのポリウレタン弾性長繊維(旭化成せんい株式会社製、商品名:ロイカ)を芯にして、伸長倍率4倍で伸長しながら、155dtexのナイロン仮撚加工糸を500T/mの下撚り(S撚り)及び332T/mの上撚り(Z撚り)で捲回させたダブルカバーリング糸を得た。得られたダブルカバーリング糸を用い、8本打ち製紐機(株式会社コクブン社製)を用いて編組加工を行い、ポリウレタン弾性長繊維からなる直径1.8mmの略丸断面の伸縮性がある芯部材(組紐)を得た。
次に16本打ち製紐機(有限会社桜井鉄工製)を用いて、前記の芯部材を芯糸として伸長倍率2倍で伸長しながら、Z撚り方向に導線体として銅線細線の集合線(有限会社竜野電線社製2USTC、直径0.03mm×100本)4本とナイロン仮撚加工糸(230dtex)4本を交互に配置し、S撚り方向にポリエステル仮撚加工糸(56dtex)8本を配置させて編組加工を行い、導体線の中間体を得た。
さらに、得られた前記の導体線の中間体を芯部材として、再度16本打ち製紐機に仕掛け、伸長倍率1.8倍に伸長させながら、ポリエステル仮撚加工糸(300dtex×2本引き揃え)16本で編組加工(外部被覆)を行い、4本の導線体を有する伸縮電線を得た。この伸縮電線の伸縮率Bは65%であった。
前記基布の伸縮率Aが10%となる方向に、伝送線として上記伸縮電線を、約20mmピッチで縫製取り付けした電装布帛を得た。得られた電装布帛の諸物性を表1に示す。
この電装布帛は、繰返し伸縮させても配線の断線や基布の形態変化もほとんど無い。また、接続されるコネクター外れがなく、繰返し伸縮回数が格段に増え耐久性が向上するものであった。
[実施例2]
伸縮率Aが30%であるナイロン、ポリウレタン混の経編物を基布に用いた以外は実施例1と同様にして電装布帛を得た。得られた電装布帛の諸物性を表1に示す。
この電装布帛は、繰返し伸縮させても配線の断線や基布の形態変化もほとんど無い。また、接続されるコネクター外れがなく、繰返し伸縮回数が格段に増え耐久性が向上するものであった。
[実施例3]
伸縮率Aが60%であるナイロン、ポリウレタン混の経編物を基布に用いた以外は実施例1と同様にした電装布帛を得た。得られた電装布帛の諸物性を表1に示す。
この電装布帛は、繰返し伸縮させても配線の断線がなく、基布の形態変化は僅かであった。また、接続されるコネクター外れがなく、繰返し伸縮回数が格段に増え耐久性が向上するものであった。
[比較例1]
市販される通信用電線の中から選定した、伸縮率Bが5%の電線を用いた以外は実施例2と同様にした電装布帛を得た。この通信用電線は、外部被覆する絶縁体(ポリエチレン)が有する伸縮性によって僅かに伸縮可能であるが、いわゆる伸縮電線としての機能は全くない。得られた電装布帛の諸物性を表1に示す。
この電装布帛に用いた通信用電線は、基布の伸縮率Aに到達する前に断線するため、伸縮率Aまで伸縮を繰り返す電装布帛として利用できない。
[比較例2]
伸縮率Bが20%になるように作製した伸縮電線を用いる以外は実施例2と同様にして電装布帛を得た。得られた電装布帛の諸物性を表1に示す。
この電装布帛は直ぐに断線しないが、繰返し伸縮による基布の形態変化が著しく、繰返し伸縮回数が少ないため、耐久性に劣るものであった。
[比較例3]
伸縮率Aが95%であるナイロン、ポリウレタン混の経編物を基布とし、伸宿率Bが30%になるように作成した伸縮電線を用いて、その他は実施例1と同様にして電装布帛を得た。得られた電装布帛の諸物性を表1に示す。
この電装布帛は基布の伸縮率が大きく、伸縮電線の伸縮率を超えるため、基布の伸縮率Aまで伸縮を繰り返す用途では直ぐに断線し電装布帛として利用できない。
本発明の伸縮伝送線が配された布帛は、特に基布が繰返し伸縮を受ける配線付き布製商品に利用できる。例えば、各種衣料、サポーター、ベルト、テープ、包帯、椅子、カーシート、ベッド、カーテン、カーペット、壁紙など基布に伸縮伝送線が装着できるものであれば利用可能である。
1 基布
2 伸縮伝送線
3 縫い糸
4 伸縮伝送線が配された布帛(試料)
5 ハンダ付け部
6 つかみ部
7 ピン型コネクター
8 クリップ端子
11 筒状部材

Claims (4)

  1. 基布の少なくとも一部に伸縮伝送線が配された布帛であって、伸縮伝送線が縫い糸で直接縫製により基布に装着された、基布の伸縮範囲に合わせ伸縮伝送線が追従する布帛であり、基布の伸縮伝送線が配される方向の伸縮率Aが20%〜100%であり、伸縮伝送線の長さ方向の伸縮率Bが40%〜200%であり、両者の伸縮率差C=((B)−(A))が5〜100の範囲であることを特徴とする伸縮伝送線が配された布帛。
  2. 伸縮伝送線の導体線が単線直径0.01mm〜1.00mmの1本以上の集合体で、且つ、該導体線が1本以上の集合線であって、該導体線1本の電気抵抗が弛緩状態で100Ω/m以下、伸縮率Bまで伸長した時の電気抵抗変化が10%未満の伸縮電線であることを特徴とする請求項に記載の伸縮伝送線が配された布帛。
  3. 配線がシールドされていること特徴とする請求項1または2に記載の伸縮伝送線が配された布帛。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の伸縮伝送線が配された布帛が少なくとも一部に用いられていることを特徴とする衣服。
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