JP6949320B2 - 導電性ストレッチ連続状体 - Google Patents
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Description
[1]導電性ストレッチ連続状体の基本構成について
本発明の実施形態を図1から図5に基づいて説明する。図1は本発明の実施形態1である導電性ストレッチ連続状体1を示し、符号3は非導電糸と弾性糸からなる長さ方向に伸縮性を有した編織物構造体、符号2は導電裸線であって、4本の導電裸線2が並列して編織物構造体3に部分的に組織されて編織物構造体3表面に屈曲状態で露出しており、複数本の導電裸線2を並行させて編織物構造3の表面に露出させることにより、電源や作動部に接続において、接続面を大きく増やせることができメリットがある。
編織物構造体3に並列させる導電裸線2の本数は流す電流量などにより適宜選択されるものであり、また、編織物構造体3の幅としては、並行させる導電裸線2の本数や衣服等に縫着させる場合の縫い代の要否によって異なるが、大体5〜50mm幅の範囲であることが好ましい。
導電裸線2は編織物構造体3の幅方向の任意の位置で、長さ方向に編織物構造体3に対して周期的に浮き沈みを繰り返しながら配向され、編織物構造体3の長さに対して、1.2〜4.0倍の長さを有して編織物構造体3の表面、または裏面に屈曲状態で露出している。このように導電裸線2が編織物構造体3の長さに対して1.2倍以上の長さで存在することにより、編織物構造体3が引っ張られて伸びても導電裸線2の長さに余裕があるので導電裸線2に引っ張り応力が及ばず、切断に至るようなことがない。より好ましい導電裸線2の長さは編織物構造体3の長さに対して1.5倍以上である。
導電性ストレッチ連続状体1は伸長状態で製編織され、編織機から卸した際に弾性糸の復元力で縮まるが、曲げ剛性の高い導電裸線2を用いると細かく屈曲しきれずに、表面にループ状に大きく突出し易いので、導電裸線2の材料としては、例えば柔軟性のある合成繊維に捲縮加工を施した加工糸の表面にスパッタリング、蒸着、メッキ 等により、銀、銅、ニッケル、硫化銅等の金属皮膜を形成したものが好ましく、あるいは弾性繊維を芯にして銅、ステンレス、ニッケル、アルミニウム等金属線や金属コーティングされた糸状を巻き付けたものを用いることも出来る。
編織物構造体3の片面、または両面に導電裸線2の露出部が長さ方向に点在させることで都合の良い箇所を接点とすることが出来るメリットがあり、露出部間のピッチは少なくとも0.5mm以上であれば接点を自由に選択出来、また露出部分の長さとしては1mm以上であれば自由に選択出来、接点の面積を得るためには2〜50mmの長さであることが好ましい。
編織物構造体3を構成する非導電糸としては、合成繊維、天然繊維などの通常一般に衣料用として経編や織物に使用されている繊度が30〜500Dtex程度の繊維糸を採用することができ、なかでも合成繊維に捲縮加工が施された糸であれば柔軟性と伸縮性が付与されることから好適である。
一方、導電性ストレッチ連続状体1については、所定長さで切断した際に弾性糸が内部に入り込むスリップイン現象を起こし易い問題があるので、熱融着性の弾性糸を用いて他の糸と熱接着させてスリップイン現象を抑制することが好ましい。
また本実施形態のように導電性ストレッチ連続状体1の表面に、導電裸線2の露出部を点在させる場合には、利用方法によって短絡を起こす懸念もあるため、必要に応じて導電裸線2の露出部を絶縁性のフィルム、または樹脂で選択的に被覆することもできる(図示せず)。その場合には、柔軟性を有しているポリウレタン樹脂やシリコーン樹脂で被覆すれば伸縮性が維持されるので好ましい。
[9]袋組織を有する編織物構造体について
図2は経編、または織物により裏組織4と表組織5からなる二重組織の両端部を結合した袋組織を形成し、その袋組織内に導電裸線2を挿入、もしくは編織させた本発明の実施形態2を示したもので、袋組織は実施形態1と同様に非導電糸と弾性糸とで構成で長さ方向に伸縮性を有し、導電裸線2は袋組織内に屈曲状態で存在している。
[10]袋組織に対する導電裸線の横振り挿入について
図3は本発明の実施形態3を示し、経編により若干幅を有した袋組織を設け、その袋組織の裏側部4と表側部5の間で導電裸線2をジグザグに横振り挿入させたテープ状の導電性ストレッチ連続状体1であり、導電裸線をジグザグ配向させることによって剛性の高い金属線や金属繊維などであっても導電性ストレッチ連続状体1の伸縮性を阻害することがなく、また、導電裸線2自体の耐久性も得られる。
[11]袋組織に対する導電裸線の露出部の形成について
図4は袋組織を有する導電性ストレッチ連続状体1(実施形態2や実施形態3)を長さ方向に切断して内側から見た切断面を示し、導電裸線2は袋組織の表側部5と裏側部4により所定の長さに亘って被覆されている通電部に対して、導電裸線2を導電性ストレッチ連続状体1の表面に導電裸線2を露出させた導電裸線2の露出部6を必要箇所に設けることが出来、その導電裸線露出部6を電子機器や電源などの接続端子部とすることができる。またこれにより接続端子部形成の為に袋組織を解いて導電裸線2を取り出すような面倒な作業を省くことが出来る。
また、図5は編織物構造体3に長さ方向に並行する二つの袋組織を設け、更にそれぞれの袋組織内に導電裸線2を挿入、もしくは編織して構成した導電性ストレッチ連続状体1を示している。また本実施形態では、複数の袋組織を連結一体化すると共に、これら袋組織の連結部位にスリット部を部分的に設けて、当該スリット部両側の袋組織を分離独立した状態としている。これにより所定の間隔で二つの袋組織が分れた分離部7を設けることができるため、各袋組織を切断すれば2本の導電裸線2が別々に分かれた接続端子を容易に得ることが出来る。この場合、二つに袋組織を異なった色糸を用いて識別しておけば、配線を間違えることがなく結線できるので好ましい態様である
導電性ストレッチ連続状体1の編織構造部に意匠性を得る目的で色柄を設ける等の手法は本発明の範疇である。
2 導電裸線
3 編織物構造体
4 袋組織の裏側部
5 袋組織の表側部
6 導電裸線露出部
7 分離部
Claims (7)
- 非導電糸と弾性糸からなる長さ方向に伸縮性を有した編織物構造体に対し、前記編織物構造体の長さの1.2〜4.0倍の長さの捲縮加工を施した導電裸線が屈曲状態で挿入、または部分的に編織構造を成して長さ方向に配置され、
編織物構造体の片面または両面には、編織構造体の長さ方向に沿って浮き方向或いは沈み方向に屈曲して露出した導電裸線の導電性の露出部を有し、
任意の箇所に設けた前記導電性の露出部が、接続対象物の接続端子と厚み方向に接触する電気接続端子部であること特徴とする導電性ストレッチ連続状体。 - 前記編織物構造体がテープ状を成し、該テープ状の編織物構造体の片面、または両面に導電裸線の導電性の露出部が長さ方向に点在していることを特徴とする請求項1記載の導電性ストレッチ連続状体。
- 前記導電裸線の導電性の露出部が絶縁性のフィルム、または樹脂で被覆されていることを特徴とする請求項2記載の導電性ストレッチ連続状体。
- 非導電糸と弾性糸からなる長さ方向に伸縮性を有した編織物構造体に対し、前記編織物構造体の長さの1.2〜4.0倍の長さの導電裸線が屈曲状態で挿入、または部分的に編織構造を成して長さ方向に配置され、
編織物構造体の片面または両面には、編織構造体の長さ方向に沿って浮き方向或いは沈み方向に屈曲して露出した導電裸線の導電性の露出部を有し、
任意の箇所に設けた前記導電性の露出部が、接続対象物の接続端子と厚み方向に接触する電気接続端子部である導電性ストレッチ連続状体において、
前記編織物構造体が袋組織を成し、該袋組織内に導電裸線が挿入、もしくは編織されていることを特徴とする導電性ストレッチ連続状体。 - 導電裸線が挿入された前記袋組織が2本並行した状態で、それぞれの袋組織が連結一体化されると共に、これら袋組織の連結部位にスリット部が部分的に設けられて、当該スリット部両側の袋組織が分離独立した状態となっていることを特徴とする請求項4記載の導電性ストレッチ連続状体。
- 導電裸線が挿入された前記袋組織の長さ方向において、所定の間隔で導電裸線の導電性の露出部が設けられていることを特徴とする請求項4または5に記載の導電性ストレッチ連続状体。
- 前記導電裸線が通電によって発熱することを特徴とする請求項1〜6記載の何れか一つに記載の導電性ストレッチ連続状体。
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