JP7323613B2 - フレキシブル電線 - Google Patents

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Description

本発明は、フレキシブル電線に関する。
フレキシブル電線は、ロボット分野をはじめ、身体装着機器、衣服装着機器等、曲げ伸ばしなどの屈曲部を有する装置の配線に好適に使用されている。
フレキシブル電線としては、例えば、ロボット分野等に使用可能であって、芯部、導体部、被覆部等で構成されるフレキシブル電線がある(特許文献1)。
また、多彩な動きに追随して変形し、断線しにくい電線として、1本以上の伸縮性導体が、柔軟性を有する樹脂成型体と一体化し、かつ所定の要件を満足させたフレキシブル電線も知られている(特許文献2)。
さらには、伸縮させても断線し難い帯状伝送路として、弾性糸を有する伸縮性布帛に絶縁体で被覆された導体線をジグザグ状に配する手段も知られている(特許文献3)。
このような屈曲部を有する装置に用いられるフレキシブル電線にあっては、特に優れた耐断線性が求められている。
特許文献1は、小荷重に対しても伸縮性を発揮するために、導体線は少なくとも2本以上の細線の集合体であることが必要である。つまり、複線化により耐断線性を高めている。
特許文献2は、複数本の導体と、樹脂成形体の伸長力と、導体の伸長時長さとの関係を調整することで耐断線性を確保している。
特許文献3では、ジグザグ状に配した導体線と伸縮性布帛との関係において耐断線性を担保している。
国際公開第2008/078780号 特開2009-266401号公報 特開2014-229568号公報
すなわち、中実な導体細線を導体として使用する限り、複数の導体細線を用いたり、樹脂成形体の伸長力と、導体の伸長時長さとの関係を調整したりすることで、耐断線性を得ているのが現状である。
また、このような構成において、耐断線性を確保しつつ、導体の単芯化及び、小型化(目立たないようにすること)は実質的に不可能であった。
特に、中実な導体細線を導体として使用すると、中実な導体細線は曲げ応力が1点に集中しやすいため、導体の単芯化及び、小型化には限界があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、十分な屈曲性を有するとともに、断線し難く、小型化(目立たないようにすること)が可能なフレキシブル電線を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、以下のフレキシブル電線を提供する。
(1)少なくとも一部が互いに結着された複数の金属繊維を含む導電構造体と、
前記導電構造体を覆う外層被覆部とを備え、
前記外層被覆部は、導電構造体をなす複数の金属繊維の間に充填された樹脂材料で形成されるフレキシブル電線。
(2)前記導電構造体の断面は波形である(1)に記載のフレキシブル電線。
(3)2以上の前記導電構造体を備えた(2)に記載のフレキシブル電線。
(4)前記導電構造体が切り込みを有する(1)~(3)いずれかに記載のフレキシブル電線。
(5)前記導電構造体がネット形状を有する(1)~(3)いずれかに記載のフレキシブル電線。
本発明によれば、優れた屈曲性を有し、断線し難く、小型化(目立たないようにすること)が可能なフレキシブル電線を提供することができる。
第一実施形態のフレキシブル電線を示す斜視図である。 第二実施形態のフレキシブル電線が具備する導電構造体を説明するための図であり、平面視した場合の導電構造体の形状を示す図である。 第三実施形態のフレキシブル電線が具備する導電構造体を説明するための図であり、平面視した場合の導電構造体の形状を示す図である。 第四実施形態のフレキシブル電線が具備する導電構造体を説明するための図であり、平面視した場合の導電構造体の形状を示す図である。 第五実施形態のフレキシブル電線が具備する導電構造体を説明するための図であり、平面視した場合の導電構造体の形状を示す図である。 第六実施形態のフレキシブル電線が具備する導電構造体を説明するための図であり、平面視した場合の導電構造体の形状を示す図である。 第七実施形態のフレキシブル電線が具備する導電構造体を説明するための図であり、その長さ方向に沿って断面視した場合の導電構造体の形状を示す図である。 第八実施形態のフレキシブル電線が具備する導電構造体を説明するための図であり、その長さ方向に沿って断面視した場合の導電構造体の形状を示す図である。 フレキシブル電線をその長さ方向に沿って断面視した場合の導電構造体の他の形状を示す図である。 フレキシブル電線をその長さ方向に沿って断面視した場合の導電構造体の他の形状を示す図である。 フレキシブル電線をその長さ方向に沿って断面視した場合の導電構造体の他の形状を示す図である。 第九実施形態のフレキシブル電線が具備する導電構造体を説明するための図であり、平面視した場合の導電構造体の形状を示す図である。 フレキシブル電線の屈曲性の評価方法を説明するための図である。 フレキシブル電線の耐破断性の評価方法を説明するための図である。 フレキシブル電線のシート抵抗値の測定方法を説明するための図である。
「平均繊維径」とは、顕微鏡で撮像された導電構造体の任意の複数の箇所における垂直断面に基づいて、金属繊維の長手方向に垂直な断面積を公知の計算手法で算出し、当該断面積と同一面積を有する真円の直径を算出することにより導かれた面積径の相加平均値である。上記複数の箇所は、例えば、20箇所とすることができる。
「平均繊維長」とは、顕微鏡でランダムに選択した複数本の金属繊維の長手方向の長さを測定した値の相加平均値である。繊維が直線状でない場合には、繊維に沿った曲線の長さとする。上記複数本は、例えば、20本とすることができる。
「占積率」とは、導電構造体の体積に対して繊維が存在する部分の割合で、導電構造体の坪量、厚み、及び繊維の真密度から以下の式により算出される。導電構造体が複数の種類の繊維を含む場合には、各繊維の組成比率を反映した真密度値を採用することで占積率を算出することができる。
(占積率(%))=(導電構造体の坪量)/((導電構造体の厚み)×(真密度))×100
「導電構造体の厚み」とは、空気による端子落下方式の膜厚計(例えば、ミツトヨ社製「デジマチックインジケータID-C112X」等)で、例えば、導電構造体の任意の20測定点を測定した場合の相加平均値であってもよいし、電子顕微鏡等で断面観察を行った際の導電構造体の垂直断面を、例えば20測定点測定した場合の相加平均値であってもよい。
「均質性」とは、金属繊維で構成される導電構造体の電気特性、物理特性などの特性の導電構造体におけるバラツキが少ないことを意味する。均質性の指標として、例えば、1cm当たりのJIS Z8101に規定する坪量の変動係数(CV値)を採用することができる。
「空隙率」とは、導電構造体の体積に対して空隙が存在する部分の割合で、導電構造体の坪量、厚み、及び金属繊維の真密度から以下の式により算出される。導電構造体が複数の種類の繊維を含む場合には、各繊維の組成比率を反映した真密度値を採用することで占積率を算出することができる。
(空隙率(%))= (1-(導電構造体の坪量)/((導電構造体の厚み)×(真密度)))×100
以下、図面を用いて本発明のフレキシブル電線を詳細に説明する。
(第一実施形態)
図1に示されるように、本実施形態のフレキシブル電線1は、少なくとも一部が互いに結着された複数の金属繊維を含む導電構造体20と、前記導電構造体20を覆う外層被覆部3とから概略構成されている。
また、前記外層被覆部3は、導電構造体20をなす複数の金属繊維の間に樹脂材料を充填することで導電構造体20の少なくとも表面に形成されている。
以下フレキシブル電線をなす導電構造体20および外層被覆部3について詳細に説明する。
(導電構造体)
導電構造体20は、単独組成の金属繊維で構成されていてもよく、2種類以上の金属繊維を併用して構成されていてもよい。または、有機物繊維の周りを金属で被覆された金属被覆繊維あるいは金属被覆繊維を含有する構造体で構成されていてもよい。
金属被覆繊維は、金属被覆された有機物繊維を抄紙してから繊維間を融着しても良く、有機物繊維を抄紙してから金属被覆しても良い。
本発明において 「金属繊維」とは、金属を主成分とする繊維を意味する。例えば「銅繊維」とは、銅を主成分とする繊維を意味する。銅を主成分とするとは、不可避的不純物を含め、本発明の効果を妨げない限り、その他の成分を一定量含んでいてもよい状態を意味する。
金属繊維を構成する金属成分としては、銅、ステンレス、鉄、アルミニウム、ニッケル、及びクロム等が挙げられるが特に制限されない。前記金属成分は、金、白金、銀、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、及びオスミウム等の貴金属であってもよい。これらの中でも金属繊維を構成する金属成分としては、銅、ステンレス、及びアルミニウムが好ましい。特に、銅繊維は、剛直性と塑性変形性とのバランスに優れるため好ましい。
金属以外の成分としては、ポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレン、及びポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル樹脂、アラミド樹脂、ナイロン、及びアクリル樹脂、並びにこれらの繊維状物等の結着性、及び担持性を有する有機物等が挙げられる。これらの有機物は、例えば導電構造体20を作製する時の形態維持性、及び機能性を補助・向上させるため等に用いることができる。
導電構造体20をなす金属繊維は部分的に結着されている。金属繊維が結着されているとは、金属繊維同士が物理的に固定され、結着部を形成していることを意味する。導電構造体20は、金属繊維同士が結着部で直接的に固定されていてもよいし、金属繊維の一部同士が、上記金属成分以外の成分を介して間接的に固定されていてもよい。
例えば、金属繊維が焼結されて結着していると、導電構造体20の熱伝導性、及び均質性が安定し、ひいては優れた屈曲性および耐断線性を得やすい。
複数の金属繊維が結着されていると、金属繊維間に空隙が形成され得る。導電構造体20が結着による複数の固定部と、当該空隙を備えることにより、導電構造体20をなす金属繊維が変形し、これによりフレキシブル電線1自体が変形、収縮、または伸長でき、優れた屈曲性を得ることができる。
導電構造体20の空隙率は、30%以上であることが好ましい。
導電構造体20の空隙率が30%以上であれば、導電構造体20自体の形状を容易に維持でき、その内部に樹脂材料の充填に必要な適度な空隙を有する。
導電構造体20のシート抵抗率はフレキシブル電線の通電条件によって設計されるものであり、限定されないが、100mΩ/□以下であることが好ましく、より好ましくは50mΩ/□以下、さらに好ましくは30mΩ/□以下、そして最も好ましくは10mΩ/□以下である。導電構造体のシート抵抗率が100mΩ/□以下であれば、フレキシブル電線1に通電した際の発熱を抑え易い。
導電構造体20の構造は、帯状であることが好ましい。例えば、帯状の導電構造体20は、金属繊維がランダムに結着している不織布であってもよく、規則性を有する織布、又はメッシュ材であってもよい。
また、導電構造体20の表面は、平らであってもよく、コルゲート加工等が施され、凹凸を有していてもよく、特に制限されない。
また、導電構造体20の鉛直方向の厚みは、0.005mm~10mmの範囲であることが好ましく、より好ましくは5mm以下、さらに好ましくは1mm以下、そして最も好ましくは0.5mm以下である。導電構造体20の厚みが0.005mm以上であれば、フレキシブル電線1が変形した場合であっても断線し難い。導電構造体20の厚みが10mm以下であれば、優れた屈曲性を得やすい。
導電構造体20の厚みは、後述するプレス工程で適宜調整することができる。
導電構造体20の坪量は、10g/m~1,000g/mの範囲であることが好ましい。導電構造体20の坪量が10g/m以上であれば、所定の厚さを得ることができ、断線し難い。導電構造体20の坪量が1,000g/m以下であれば、導電構造体20を軽量化しやすくなり、ひいてはフレキシブル電線1を軽量化しやすい。
金属繊維の平均繊維径は、本発明の効果を損なわない範囲で任意に設定することができる。金属繊維の平均繊維径は、0.1μm~100μmであることが好ましく、0.5μm~50μmであることがより好ましく、1~30μmであることがさらに好ましい。金属繊維の平均繊維径が0.1μm以上であれば、適度な導電金属繊維の剛直性が得られるため、導電構造体20を製造する際に所謂ダマが生じ難い。ダマが生じないと、導電構造体20の均質性が安定し易い。これにより優れた屈曲性および耐断線性を得やすい。金属繊維の平均繊維径が30μm以下であれば、適度な金属繊維の剛直性が得られるため、繊維の絡まりが発生し難い。
金属繊維の長手方向に垂直な断面の形状は、任意の形状とすることができる。かかる断面の形状は、例えば、円形、楕円形、略四角形、及び不定形等のいずれの形状であってもよい。
金属繊維の平均繊維長は、本発明の効果を損なわない範囲で任意に設定することができる。金属繊維の平均繊維長は、0.1mm~10mmの範囲であることが好ましく、0.3mm~5mmの範囲であることがより好ましく、0.5~3mmであることがさらに好ましい。金属繊維の平均繊維長が0.1mm~10mmの範囲であれば、導電構造体20を抄造により得る場合であっても、均質性が安定しやすい。
金属繊維のアスペクト比は、10~10,000であることが好ましい。アスペクト比が10以上であれば、金属繊維同士を部分的に結着し易く、フレキシブル電線1の適度な強度を保つことができる。一方、アスペクト比が10,000以下であれば、導電構造体20の優れた均質性を得やすく、ひいては優れた屈曲性を得易い。
導電構造体20の占積率は、70%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましく、30%以下であることがさらに好ましい。占積率が70%以下であれば、導電構造体20の柔軟性を維持でき、また樹脂材料を均一に充填できる。
導電構造体20の1cm当たりのJIS Z8101に規定する坪量の変動係数(CV値)は、10%以下であることが好ましい。坪量は、単位体積当たりの重量を示す指標であるから、坪量の変動係数が一定の値以下であることは、導電構造体20の占積率についても安定した値であるといえる。すなわち、導電構造体20の坪量の変動係数が10%以下であれば、導電構造体20に極端なサイズのダマ、及び空隙が存在しにくく、導電構造体20の均質性が優れ、フレキシブル電線1の優れた屈曲性および耐断線性を得やすい。
(外層被覆部)
外層被覆部3は、上記導電構造体20をなす複数の金属繊維の間に樹脂材料を、導電構造体20を覆うように、少なくとも部分的に充填することで得られる。外層被覆部3をなす樹脂材料は導電構造体20の外周面のみに充填されてもよいが、導電構造体20全体に充填されてもよい。
外層被覆部3が導電構造体20の外周面のみに充填されている場合、フレキシブル電線の内部に熱伝導性の悪い空気が残存し、外周面が樹脂材料で断熱されているため、一定温度に電線を保温したい場合等に有利である。また、外層被覆部3が導電構造体20全体に充填されている場合、フレキシブル電線が伸ばされた後に、縮む力を得やすい。
なお、外層被覆部3の厚さは、好ましくは導電構造体20の厚みの0.3~1万倍、より好ましくは1~1、000倍、さらに好ましくは2~100倍である。
外層被覆部3をなす樹脂材料としては、絶縁性および柔軟性を有する公知の樹脂材料を使用することができる。
例えば、ポリメタクリル酸、及びポリシアノアクリル酸(ポリシアノアクリレート)等のポリアクリル酸樹脂;ポリビニルピロリドン樹脂;ポリエチレンテレフタラート等のポリエステル樹脂;ポリプロピレン樹脂;ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂;ポリイミド樹脂;アラミドを含むポリアミド樹脂;ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム等を挙げることができる。これら樹脂は1種類で用いることもできるし、2種以上を混合して用いることもできる。
これらの中でも、導電構造体20が変形した際の追随性を考慮すると、シリコーンまたはフッ素系樹脂またはアクリルゴムなどが好ましい。
次に、本実施形態のフレキシブル電線の製造方法を説明する。
まず、導電構造体20を製造する。
導電構造体20を製造する方法としては、圧縮成形等による乾式法、及び湿式抄造法で抄紙する方法等が挙げられる。
乾式法により、導電構造体20を得る場合には、カード法、及びエアレイド法等により得られた金属繊維を主体とするウェブを圧縮成形する。圧縮成形する際、バインダーを金属繊維に含浸させることで金属繊維同士を部分的に結着させることができる。かかるバインダーとしては、アクリル系接着剤等の公知の有機バインダー、及びコロイダルシリカ等の公知の無機質バインダーを用いることができる。上記工程の後、得られた導電構造体20を焼結等して、金属繊維同士を結着させてもよい。
湿式抄造法により導電構造体20を製造する場合には、金属繊維等が水性媒体に分散しているスラリーを用いて、抄紙機にて湿式抄造を行うことができる。
水性媒体としては、通常は水であるが、アルコール等水溶性の溶剤等を添加することもできる。また、上記のスラリーには、填料、分散剤、増粘剤、消泡剤、紙力増強剤、サイズ剤、凝集剤、着色剤、及び定着剤等の公知の添加剤を適宜添加することができる。
湿式抄造法では、金属繊維等を互いに部分的に結着させる結着点形成工程を実施してもよい。結着点形成工程としては、湿体テープ面に高圧ジェット水流を噴射する方法を採用することができる。この工程を経た後に、湿体シート(導電構造体)は、ドライヤー工程を経て巻取り等される。
湿式抄造法では、結着点形成工程とドライヤー工程との前に、プレス工程を実施することができる。プレス工程を実施することで、金属繊維間に形成されている極端に大きな空隙を減らし、均質性を高めることができる。また、プレス工程の際に、プレス時の圧力を適宜調整することにより、導電構造体20の厚みを調整することができる。例えば、厚み170μm程度の導電構造体20を製造する場合、線圧300kg/cm未満で加圧することにより、導電構造体20の均質性ひいては屈曲性および耐断線性を向上させることができる。
金属繊維等を結着させる方法としては、上記バインダーを使用する方法、および高圧ジェット水流を噴射する方法の他に、導電構造体20を焼結する方法がある。
導電構造体20を焼結して金属繊維を部分的に結着することで、金属繊維等を確実に結着し、金属繊維間を固定することができるため、導電構造体20の坪量の変動係数(CV値)が安定しやすくなる。また、確実に結着部を設けることができるため、導電構造体20の安定した均質性、熱伝導性を確保しやすい。また、結着部が多数形成されるため、フレキシブル電線が曲げ応力を受けた時、応力の分散が成され、屈曲性を高め易い。
焼結工程を経た導電構造体20は、さらにプレス工程を経ることが好ましい。焼結工程の後、さらにプレス工程を経ることで、導電構造体20の均質性がより向上しやすくなるとともに、導電構造体20を薄型化することができる。焼結後のプレス工程によって、厚み方向だけでなく、面方向にも金属繊維等のシフトが生じる。これにより焼結時には空隙であった箇所にも金属繊維等が配置され、均質性が向上し、かかる状態が金属繊維の有する塑性変形特性によって維持される。なお、焼結工程の後に実施されるプレス工程の圧力は、導電構造体20の厚みを考慮して適宜設定することができる。
導電構造体20が織布、メッシュ等からなる場合には、公知の製造方法を用いることができる。
導電構造体20の断面を波形とする場合、得られた導電構造体20の断面が所望の形状となるように、エンボスマシン等を使用してプレス加工すればよい。例えば、一般的なエンボスマシンにオスメスで噛み合う1対の歯車状のエンボスロールを取り付け、オスメスのエンボスロールの間に導電構造体20を通過させることで、所望の断面形状を付与できる。
次に、得られた導電構造体20を覆うように外層被覆部3を形成する。
まず、フレキシブル電線1に求められる屈曲性を考慮して樹脂材料を選択する。
ついで、得られた樹脂材料に導電構造体20を含浸させる。この時、使用する樹脂材料の粘度、含浸させる時間、硬化時間などを調整することで、導電構造体20の外周面のみを覆う外層被覆部3を形成できるし、導電構造体20の内部を含めた全体を外層被覆部3で覆うこともできる。さらには、外周面のみを覆う外層被覆部3を形成する場合の外層被覆部3の厚さも調整できる。
また、導電構造体20の外周面のみを覆う外層被覆部3を形成する場合には、樹脂材料を導電構造体20の外周面に塗布してもよい。
さらにまた、樹脂材料を用いてチューブ状の外層被覆層3を形成し、そのチューブ状の外層被覆層3を導電構造体20に被せ、次いで外層被覆層3に熱をかけ、外層被覆層3の内周側を一部溶融させ、導電構造体20をなす金属繊維の間に樹脂材料を充填させてもよい。例えば、導電構造体20を加熱することにより、外層被覆層3の内周側のみを溶融させ、導電構造体20をなす金属繊維の間に樹脂材料を充填させることもできる。
なお、フレキシブル電線に電極を設ける場合、電極は導電構造体20の端部に予め形成してもよいし、外部被覆部3を設けた後に貫通孔を設けそこに電極を形成してもよい。
本実施形態のフレキシブル電線1においては、導電構造体20の金属繊維が部分的に結着した三次元構造している。このように、導電構造体20の内部に導電構造体20を構成する材料が存在しない部分が形成されているため、導電構造体20が容易に変形、収縮、または伸長できる。さらに、外層被覆部3は、導電構造体20の変形、収縮、または伸長に追随することができる。
また、フレキシブル電線1に加えられた曲げ応力は、上記金属繊維の結着点や個々の金属繊維に分散して吸収することができる。
したがって、本実施形態のフレキシブル電線1は、優れた屈曲性を持つにもかかわらず、曲げ応力に対して高い耐断線性を有する。このため、高い断線性を保持したまま、凹凸が設けられた装置表面などにもその凹凸に沿うように配線することができる。
(第二実施形態)
図2に示されるように、本実施形態のフレキシブル電線1は、それが含有する導電構造体21の断面が波形である点で上記第一実施形態のフレキシブル電線と相違する。
本実施形態のフレキシブル電線1の製造方法を説明する。
まず、抄造法により銅繊維シートを得た後、焼結により銅繊維同士を部分的に結着させることで厚さ1.0mmの銅繊維ペーパーを得る。なお、銅繊維ペーパーは、例えばWO2018/131658号公報に記載の製造方法にて得ることができる。次いで得られた銅繊維ペーパーを50×200mmサイズにカットし、一般的なエンボスマシンにオスメスで噛み合う1対の歯車状のエンボスロールを取り付け、オスメスのエンボスロールの間に銅繊維ペーパーを通過させることで、断面が波形になるように波型加工する。例えば、山谷の高さが1mm、山と山の距離、ピッチが0.5mmになるように銅繊維ペーパーを波型加工できる。波型加工後の銅繊維ペーパーに刃物を使って切り込みを入れることで導電構造体21を得る。
次いで導電構造体21の空隙にシリコーンゴムを含侵させ、さらに総厚が1.2mmになるように導電構造体21の表面上にもシリコーンゴムを付着させる。その後、真空脱泡により空気を極力除き、熱硬化する。
これにより、本実施形態のフレキシブル電線1を得ることができる。
本実施形態のフレキシブル電線1は、長さ方向だけでなく、幅方向にも延伸できる。
(第三実施形態)
図3に示されるように、本実施形態のフレキシブル電線1は、導電構造体22に長手方向に沿って直線状の切込みが設けられている点で上記第二実施形態のフレキシブル電線と相違する。
導電構造体22が複数に分割されないように、長さ方向の上端部および下端部には切込みは設けられていない。本実施形態では導電構造体22に3本の切込み設けられているが、これには限定されない。フレキシブル電線1に求められる屈曲性、伸縮性を考慮して切込みの本数は決めることができる。
なお、切込みは導電構造体22を貫通して設けられていることが好ましいが、必ずしも貫通している必要はない。フレキシブル電線1に求められる屈曲性、伸縮性を考慮して、切込みの深さは適宜調整できる。
次に、本実施形態のフレキシブル電線1の製造方法を説明する。
本実施形態のフレキシブル電線1は、上記第二実施形態と同様に、銅繊維ペーパーを得た後、得られた銅繊維ペーパーを50×200mmにカットし、刃物を使って複数本の切り込みを入れ、次いで上記第二実施形態と同様に波型加工し、シリコーンゴムを含浸および表面上に付着させることで本実施形態のフレキシブル電線1が得られる。
本実施形態のフレキシブル電線1は、長さ方向だけでなく、幅方向にも延伸できる。
(第四実施形態)
図4に示されるように、本実施形態のフレキシブル電線1は、導電構造体23に長手方向に沿って破線状の切込みが設けられている点で上記第二実施形態のフレキシブル電線と相違する。
導電構造体23が複数に分割されないように、破線状の切込みが設けられている。本実施形態では導電構造体23に3本の破線状の切込みが設けられているが、これには限定されない。フレキシブル電線1に求められる屈曲性を考慮して破断状の切込みの本数は決めることができる。また、フレキシブル電線1に求められる屈曲性を考慮して、切込みの長さおよび深さは適宜調整できる。
次に、本実施形態のフレキシブル電線1の製造方法を説明する。
本実施形態のフレキシブル電線1は、上記第二実施形態と同様に、銅繊維ペーパーを得た後、得られた銅繊維ペーパーを50×200mmにカットし、刃物を使って破断状の切り込みを入れる。次いで上記第二実施形態と同様に波型加工し、シリコーンゴムを含浸および表面上に付着させることで本実施形態のフレキシブル電線1が得られる。
本実施形態のフレキシブル電線1は、長さ方向だけでなく、幅方向にも延伸できる。
(第五実施形態)
図5に示されるように、本実施形態のフレキシブル電線1は、導電構造体24に外周に沿って四角らせん状に一本の切込みが設けられている点で上記第二実施形態のフレキシブル電線と相違する。
導電構造体24に外周に沿って四角らせん状に一本の切込みが設けられているため、導電構造体24は複数に分割されていない。フレキシブル電線1に求められる屈曲性を考慮して、切込みと切込みとの間隔および切込みの深さは、適宜調整できる。
次に、本実施形態のフレキシブル電線1の製造方法を説明する。
本実施形態のフレキシブル電線1は、上記第二実施形態と同様に、銅繊維ペーパーを得た後、得られた銅繊維ペーパーを50×200mmにカットし、刃物を使って銅繊維ペーパーの外周に沿って四角らせん状に切り込みを入れる。次いで上記第二実施形態と同様に波型加工する。その後、波型加工後の銅繊維ペーパーにシリコーンゴムを含浸および表面上に付着させることで本実施形態のフレキシブル電線1が得られる。
本実施形態のフレキシブル電線1は、長さ方向だけでなく、幅方向および厚み方向にも延伸できる。
(第六実施形態)
図6に示されるように、本実施形態のフレキシブル電線1は、導電構造体25がネット形状を有する点で上記第二実施形態のフレキシブル電線と相違する。
本実施形態のフレキシブル電線1の製造方法を説明する。
本実施形態のフレキシブル電線1を得るには、まず上記第二実施形態と同様に、導電構造体を得て、次いでファイバーレーザーによるパターンカットをする。次いで上記第二実施形態と同様に波形加工する。その後、波形加工後の銅繊維ペーパーにシリコーンゴムを含浸および表面上に付着させることで本実施形態のフレキシブル電線1が得られる。
本実施形態のフレキシブル電線1は、長さ方向だけでなく、幅方向にも延伸できる。
(第七実施形態)
図7に示されるように、本実施形態のフレキシブル電線1は、厚さ方向に複数の導電構造体20Aおよび20Bが配置された点で上記第二実施形態のフレキシブル電線と相違する。
本実施形態のフレキシブル電線1では、断面がジグザグ形状の導電構造体20Aおよび20Bがその波形が一致するように2枚重ねて配置されている。2枚の導電構造体20Aおよび20Bは、すべての部分で重なるように配置される必要はない。
次に、本実施形態のフレキシブル電線1の製造方法を説明する。
上記第二実施形態で得られた波形加工した銅繊維ペーパーを山谷の位相を変えずに2枚以上積層し、次いで上記第二実施形態と同様にシリコーンゴムを含侵及び表面に付着させることで本実施形態のフレキシブル電線1が得られる。
本実施形態のフレキシブル電線1は、長さ方向に十分に延伸でき、高い耐断線性を有する。
(第八実施形態)
図8に示されるように、本実施形態のフレキシブル電線1は、厚さ方向に複数の導電構造体2が配置された点で上記第二実施形態のフレキシブル電線と相違する。
本実施形態のフレキシブル電線1では、断面がジグザグ形状の導電構造体2がその波形の位相が逆になるように2枚重ねて配置されている。2枚の導電構造体2は、接点同士が接している必要はなく、接してなくともよい。
次に、本実施形態のフレキシブル電線1の製造方法を説明する。
上記第二実施形態で得られた波形加工した銅繊維ペーパーを山谷の位相が逆向きになるように2枚以上積層し、次いで上記第二実施形態と同様にシリコーンゴムを含侵及び表面に付着させることで本実施形態のフレキシブル電線1が得られる。
本実施形態のフレキシブル電線1は、長さ方向に十分に延伸できる。
(第九実施形態)
図12に示されるように、本実施形態のフレキシブル電線1は、シート状の導電構造体2を型抜きした点で上記第二実施形態のフレキシブル電線と相違する。
本実施形態では、シート状の導電構造体2を蛇腹状に型抜きしたが、これには限定されない。フレキシブル電線1に求められる屈曲性、伸縮性を考慮して所望の形状に型抜きすればよい。
次に、本実施形態のフレキシブル電線1の製造方法を説明する。
上記第二実施形態で得られた波形加工した銅繊維ペーパーをファイバーレーザーで平面蛇腹状に切り出した。その後、上記第二実施形態と同様に、平面蛇腹状に切り出した銅繊維ペーパーにシリコーンゴムを含浸および表面上に付着させることで本実施形態のフレキシブル電線1が得られる。
本実施形態のフレキシブル電線1は、長さ方向に十分に延伸できる。
なお、図2~図8および図12で示される第二実施形態から第九実施形態では、導電構造体21、22、23、24、25、20Aおよび20B、および20Cおよび20Dはその断面がジグザグ形状であるが、それに限定されない。例えば、図9~11に示されるように、導電構造体は、その断面がサインカーブ形状(図9)、断面が四角形凸部と四角形凹部とからなる形状(図10)、または断面が複数の直角三角形からなる形状(図11)であってもよい。
実施例1~10
下記表1に記載の繊維径および繊維長を有する銅繊維を、水中に分散し、適宜、増粘剤や分散剤等を添加して抄造スラリーとした。得られた抄造スラリー、坪量300g/mを抄造網上に投入し、減圧脱水し、100℃60分の乾燥を経て銅繊維ペーパーを得た。 その後、得られた銅繊維ペーパーを、常温で線圧80kg/cmでプレスした後、水素ガス75%、窒素ガス25%の雰囲気中で1020℃、40分間加熱して銅繊維間を部分的に焼結させた。
次いで得られた銅繊維ペーパーを50×200mmサイズにカットし、エンボスマシンにオスメスで噛み合う1対の歯車状のエンボスロールを取り付け、オスメスのエンボスロールの間に銅繊維ペーパーを通過させることで、断面が波形になるように波型加工した。波形加工後の銅繊維ペーパーの波長、振幅、幅、および厚さを表1に示す。
次いで波形加工後の銅繊維ペーパーを、シリコーン樹脂に含浸させた後、乾燥させて外層被覆部を設けた。得られたフレキシブル電線の厚さは、1.2mmであった。
比較例1~4
表2に示すように、導電構造体の材料として、比較例1および4では銅箔を使用し、比較例2では孔あき銅箔を使用し、比較例3では銅線(単線)を使用した以外は、実施例1~10と同様にしてフレキシブル電線を得た。
実施例1~10および比較例1~4で得られたフレキシブル電線につき、以下の通り評価を行った。その結果を合わせて表1または表2に示す。
(小型化の評価)
小型化の評価は、波型加工する前のシート状の導電構造体の厚みを指標とした。
導電構造体の厚みが、0.5mm以下を優とし、0.5mmを超え、かつ1.0mm以下を良とした。
(屈曲性の評価)
図13に示すように、得られたフレキシブル電線を上下方向から挟むように支持し、その状態から上側支持部材の側面に接触するように、+90°屈曲させ、次いで下側支持部材の側面に接触するように-90°屈曲させた。
抵抗変化が5%以下であり、かつ支持部材に挟まれた部分のフレキシブル電線、または導電構造体を目視した場合、外観に著しい変化(ひび割れ、破断なき事)がない屈曲回数を調べた。
500回の屈曲試験に耐えられないものを不可とし、1,000回以上、かつ2,000回未満の屈曲試験に耐えうるものを良とし、そして2,000回以上の屈曲試験に耐えうるものを優とする。
(耐破断性の評価)
図14に示すように、得られたフレキシブル電線を上下方向から挟むように支持し、その状態から時計回りに90°(+90°)捩り、元の位置(0°)に戻し、次いで反時計回りに90°(-90°)捩った。
抵抗変化が5%以下であり、かつ支持部材に挟まれた部分のフレキシブル電線、または導電構造体を目視した場合、外観に著しい変化(ひび割れ、破断なき事)がない捩り回数を調べた。
耐破断性は、500回試験に耐えられないものを不可とし、1,000回試験に耐えうるものを良とし、2,000回以上の試験に耐えうるものを優とする。
(シート抵抗値)
図15に示す個片抵抗測定要領にて、各個片の電圧と電流を測定し、下記数1からvan der Pauw法により、シート抵抗値を算出した。なお、図15中、参照番号1は、フレキシブル電線を示す。なお、図15の黒丸は、抵抗測定用の配線と、フレキシブル電線を構成する導電構造体の接点を示す。前記接点は、任意の方法で外層被覆部を取り除く等して形成すればよい。
電源:PA250-0.25A(KENWOOD社製)
電圧計:KEITHLEY DMM7510 7 1/2 DIGIT MULTIMETER(Tektronix社製)
(1)図15に示すように、2種類のI-V特性を測定し、それから抵抗を求める。
Figure 0007323613000001
図15の左図に示すように、IABは、電極Aと、電極Bとに直流電源をつないだ時に、フレキシブル電線を通って、電極Aから電極Bに流れる電流の大きさを意味する。VDCは、電極Aと、電極Bとに直流電源をつないだ時の、電源Dと電源Cとの間の電圧を意味する。RAB、CDは、電極Aと、電極Bとに直流電源をつないだ時のフレキシブル電線の抵抗を意味する。
図15の渦に示すように、IBCは、電極Bと、電極Cとに直流電源をつないだ時に、フレキシブル電線を通って、電極Bから電極Cに流れる電流の大きさを意味する。VADは、電極Bと、電極Cとに直流電源をつないだ時の、電源Aと電源Dとの間の電圧を意味する。RBC、DAは、電極Bと、電極Cとに直流電源をつないだ時のフレキシブル電線の抵抗を意味する。
(2)以下の式でRs(シート抵抗)を計算する。
Figure 0007323613000002
なお、上記式中、fは 抵抗値の違いによる電流の回り込みの補正に関するファクターを意味する。
Figure 0007323613000003


Figure 0007323613000004
上記表1および表2から、外層被覆部であるシリコーン樹脂が導電構造体をなす複数の金属繊維の間に充填された実施例1~10のフレキシブル電線は、比較例1~4のフレキシブル電線と比較して、実用上問題のないシート抵抗値を具備するにもかかわらず、屈曲性と、耐断線性とのバランスに優れていることがわかる。
以上、本発明のフレキシブル電線のいくつかの実施形態を説明したが、これは例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述の実施形態のフレキシブル電線は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の置換、及び変更等を行うことができる。
本発明のフレキシブル電線は、ロボット分野をはじめ、身体装着機器、衣服装着機器等、曲げ伸ばしなどの屈曲部を有する装置の配線に好適に使用される。
特にヒューマノイド型ロボット(内部配線、外被配線)、パワーアシスト装置、ウエアラブル電子機器等。その他リハビリ用補助具、バイタルデータ測定機器、モーションキャプチャ、ゲーム用コントローラ、マイクロホン、ヘッドホン等に好適に使用され、中でも特に配線の存在を意識させたくない用途に好適に使用される。
1 フレキシブル電線
20~25、20A~20G、26 導電構造体
3 外層被覆部

Claims (8)

  1. 少なくとも一部が互いに結着された複数の金属繊維を含む導電構造体と、
    前記導電構造体を覆う外層被覆部とを備え、
    前記外層被覆部は、導電構造体をなす複数の金属繊維の間に充填された樹脂材料で形成されるフレキシブル電線。
  2. 前記外層被覆部をなす樹脂材料は前記導電構造体全体に充填される請求項1に記載のフレキシブル電線。
  3. 前記外層被覆部をなす樹脂材料は前記導電構造体の外周面のみに充填される請求項1に記載のフレキシブル電線。
  4. 前記導電構造体の占積率が10~70%である、請求項1~3のいずれか一項に記載のフレキシブル電線。
  5. 前記導電構造体は、前記導電構造体の長手方向に沿って設けられた複数の直線状の切れ込み、または前記導電構造体の外周に沿って設けられた四角らせん状の一本の切れ込みを有する、請求項4に記載のフレキシブル電線。
  6. 前記導電構造体の断面は波形である請求項に記載のフレキシブル電線。
  7. 2以上の前記導電構造体を備えた請求項に記載のフレキシブル電線。
  8. 前記導電構造体がネット形状を有する請求項に記載のフレキシブル電線。
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