JP2007117827A - パターン状の微粒子膜およびその製造方法。 - Google Patents
パターン状の微粒子膜およびその製造方法。 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】アルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に接触させてアルコキシシラン化合物と基材表面を反応させて基材表面に第1の有機膜を形成する工程。第1の有機膜を所定のパターンに加工する工程と、第2のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に分散させてアルコキシシラン化合物と微粒子表面を反応させて表面に第2の有機膜を形成する工程と、第1の基材表面に第2の有機膜で被覆された微粒子を接触させて選択的に反応させる工程と、第2の有機膜で被覆された余分な微粒子を洗浄除去する工程とを含む。以上の工程により、第1の有機膜と第2の有機膜を介して互いに共有結合しているパターン状の単層微粒子膜を得る。
【選択図】図3
Description
更に、以上の発明に関して説明を加えれば、
また、第1の反応性の単分子膜にエポキシ基を含め第2の反応性の単分子膜にイミノ基を含めておくと基材表面に共有結合したパターン状の単層微粒子膜を作製する上で都合がよい。
また、シラノール縮合触媒に助触媒としてケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物から選ばれる少なくとも1つを混合して用いるとさらに製膜時間を短縮できて都合がよい。
さらに、共有結合としてエポキシ基とイミノ基の反応で形成された−N−C−の結合を用いると、基材に対して密着強度が優れたパターン状の単層微粒子膜を提供する上で都合がよい。
また、微粒子表面に形成された第1の有機被膜と基材表面に形成された第2の有機膜が単分子膜で構成されていると膜厚均一性を改善する上で都合がよい。
また、第2のパターン状の単層微粒子膜を形成する工程の後、同様に第1のパターン状の単層微粒子膜を形成する工程と第2のパターン状の単層微粒子膜を形成する工程を繰り返し行えば、多層構造のパターン状の累積微粒子膜を容易に製造できる。
また、シラノール縮合触媒に助触媒としてケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物から選ばれる少なくとも1つを混合して用いるとさらに製膜時間を短縮できて都合がよい。
またここで、微粒子表面に形成された有機被膜を2種類用い、第1の有機膜が形成された微粒子と第2の有機膜が形成された微粒子とを交互に積層すると多層のパターン状の累積微粒子膜を単層純なプロセスで製造する上で都合がよい。
一方、洗浄せずに空気中に取り出すと、透明性と反応性はほぼ変わらないが、溶媒が蒸発しガラス基材表面に残った化学吸着剤が表面で空気中の水分と反応して、表面に前記化学吸着剤よりなる極薄の反応性のポリマー膜が形成されたガラス基材が得られた。
その後、トリクレン等の塩素系溶媒を添加して撹拌洗浄すると、表面に反応性の官能基、例えばエポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたニッケル微粒子15、あるいはアミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたニッケル微粒子16をそれぞれ作製できた。
一方、洗浄せずに空気中に取り出すと、反応性はほぼ変わらないが、溶媒が蒸発し粒子表面に残った化学吸着剤が表面で空気中の水分と反応して、単分子膜に比べるとやや厚みがあるが、表面に前記化学吸着剤よりなる極薄の反応性ポリマー膜が形成されたニッケル微粒子が得られた。
また、微粒子の素材がAuの場合には、末端のSi(OCH3)3を−SH、あるいはトリアジンチオール基で置換した薬剤を用いれば、Sを介してアミノ基を含んだ単分子膜が形成された金微粒子を製造できた。一方、−SHとメトキシシリル基を両末端にもつ薬剤、例えばHS(CH2)3Si(OCH3)3をもちいれば、Sを介して表面にメトキシシリル基を含む単分子膜が形成された金微粒子を製造できた。
以下同様に、アミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたニッケル微粒子とエポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたニッケル微粒子を交互に積層すると、ライン部分が完全な遮光を有する多層構造のニッケル微粒子の累積被膜よりなる回折格子を製造できた。
(2) (CH2OCH)CH2O(CH2)11Si(OCH3)3
(3) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)2Si(OCH3)3
(4) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)4Si(OCH3)3
(5) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)6Si(OCH3)3
(6) (CH2OCH)CH2O(CH2)7Si(OC2H5)3
(7) (CH2OCH)CH2O(CH2)11Si(OC2H5)3
(8) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)2Si(OC2H5)3
(9) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)4Si(OC2H5)3
(10) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)6Si(OC2H5)3
(11) H2N (CH2)5Si(OCH3)3
(12) H2N (CH2)7Si(OCH3)3
(13) H2N (CH2)9Si(OCH3)3
(14) H2N (CH2)5Si(OC2H5)3
(15) H2N (CH2)7Si(OC2H5)3
(16) H2N (CH2)9Si(OC2H5)3
2 水酸基
3 エポキシ基を含む単分子膜
4 エポキシ基を含む単分子膜で被われたガラス基材
5、5’ エポキシ基を持ったパターン状の被膜
6、6’ パターン状の被膜で選択的に被われた基材
11 ニッケル微粒子
12 水酸基
13 エポキシ基を含む単分子膜
14 アミノ基を含む単分子膜
15 エポキシ基を含む単分子膜で被われたニッケル微粒子
16 アミノ基を含む単分子膜で被われたニッケル微粒子
21 エポキシ基を有する化学吸着単分子膜
22 エポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたガラス基材
23 アミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたニッケル微粒子
24 パターン状の単層ニッケル微粒子膜
25 エポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたニッケル微粒子膜
26 2層構造のパターン状の単層ニッケル微粒子膜
Claims (19)
- 基材表面に選択的に1層形成された微粒子の膜が前記基材表面に選択的に形成された第1の有機膜と前記微粒子表面に形成された第2の有機膜を介して互いに共有結合していることを特徴とするパターン状の単層微粒子膜。
- 基材表面に形成された第1の有機被膜と微粒子表面に形成された第2の有機膜が互いに異なることを特徴とする請求項1記載のパターン状の単層微粒子膜。
- 共有結合が、エポキシ基とイミノ基の反応で形成された−N−C−の結合であることを特徴とする請求項1記載のパターン状の単層微粒子膜。
- 基材表面に形成された第1の有機被膜と微粒子表面に形成された第2の有機膜がそれぞれ単分子膜で構成されていることを特徴とする請求項1および2記載のパターン状の単層微粒子膜。
- 基材表面を少なくとも第1のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に接触させてアルコキシシラン化合物と前記基材表面を反応させて前記基材表面に第1の反応性の有機膜を形成する工程と、前記第1の反応性の有機膜を所定のパターンに加工する工程と、微粒子を少なくとも第2のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に分散させてアルコキシシラン化合物と前記微粒子表面を反応させて前記微粒子表面に第2の反応性の有機膜を形成する工程と、第1の反応性の有機膜の形成された前記基材表面に第2の反応性の有機膜で被覆された前記微粒子を接触させて選択的に反応させる工程と、余分な第2の反応性の有機膜で被覆された前記微粒子を洗浄除去することを特徴とするパターン状の単層微粒子膜の製造方法。
- 基材表面を少なくとも第1のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に接触させてアルコキシシラン化合物と基材表面を反応させて前記基材表面に第1の反応性の有機膜を形成する工程、および微粒子を少なくとも第2のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に分散させてアルコキシシラン化合物と前記微粒子表面を反応させて前記微粒子表面に第2の反応性の有機膜を形成する工程の後に、それぞれ前記基材および前記微粒子表面を有機溶剤で洗浄して前記基材及び前記微粒子表面に共有結合した第1及び第2の反応性の単分子膜を形成することを特徴とする請求項5記載のパターン状の単層微粒子膜の製造方法。
- 第1の反応性の有機膜がエポキシ基を含み第2の反応性の有機膜がイミノ基を含むことを特徴とする請求項5記載のパターン状の単層微粒子膜の製造方法。
- 第1の反応性の単分子膜がエポキシ基を含み第2の反応性の単分子膜がイミノ基を含むことを特徴とする請求項6記載のパターン状の単層微粒子膜の製造方法。
- 基材表面に選択的に層状に累積され微粒子が前記微粒子表面に形成された有機被膜を介して層間で互いに共有結合していることを特徴とするパターン状の積層微粒子膜。
- 微粒子表面に形成された有機被膜が2種類有り、第1の有機膜が形成された微粒子と第2の有機膜が形成された微粒子とが交互に積層されていることを特徴とする請求項9記載のパターン状の積層微粒子膜。
- 第1の有機膜と第2の有機膜が反応して共有結合を形成していることを特徴とする請求項10記載のパターン状の積層微粒子膜。
- 共有結合が、エポキシ基とイミノ基の反応で形成された−N−C−の結合であることを特徴とする請求項9記載のパターン状の積層微粒子膜。
- 少なくとも基材表面を第1のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に接触させてアルコキシシラン化合物と基材表面を反応させて前記基材表面に第1の反応性の有機膜を形成する工程と、前記第1の反応性の有機膜を所定のパターンに加工する工程と、第1の微粒子を少なくとも第2のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に分散させてアルコキシシラン化合物と微粒子表面を反応させて前記第1の微粒子表面に第2の反応性の有機膜を形成する工程と、第1の反応性の有機膜の形成された前記基材表面に第2の反応性の有機膜で被覆された前記第1の微粒子を接触させて反応させる工程と、余分な第2の反応性の有機膜で被覆された前記第1の微粒子を洗浄除去して第1のパターン状の単層微粒子膜を選択的に形成する工程と、第2の微粒子を少なくとも第3のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に分散させてアルコキシシラン化合物と微粒子表面を反応させて前記第2の微粒子表面に第3の反応性の有機膜を形成する工程と、第2の反応性の有機膜で被覆された前記第1のパターン状の単層微粒子膜が形成された前記基材表面に第3の反応性の有機膜で被覆された前記第2の微粒子を接触させて反応させる工程と、余分な第3の反応性の有機膜で被覆された前記第2の微粒子を洗浄除去して第2のパターン状の単層微粒子膜を選択的に形成する工程とを含むことを特徴とするパターン状の積層微粒子膜の製造方法。
- 第1の反応性の有機膜と第3の反応性の有機膜が同じものであることを特徴とする請求項13記載のパターン状の積層微粒子膜の製造方法。
- 第2のパターン状の単層微粒子膜を形成する工程の後、同様に第1のパターン状の単層微粒子膜を形成する工程と第2のパターン状の単層微粒子膜を形成する工程を繰り返し行うことを特徴とする請求項13記載の多層構造のパターン状の積層微粒子膜の製造方法。
- 第1乃至第3の反応性の有機膜を形成する工程の後に、それぞれ基材あるいは微粒子表面を有機溶剤で洗浄して基材や微粒子表面に共有結合した第1乃至第3の反応性の単分子膜を形成することを特徴とする請求項13記載のパターン状の積層微粒子膜の製造方法。
- 第1および第3の反応性の有機膜がエポキシ基を含み第2の反応性の有機膜がイミノ基を含むことを特徴とする請求項13記載のパターン状の積層微粒子膜の製造方法。
- シラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を用いることを特徴とする請求項5および13に記載のパターン状の単層微粒子膜およびパターン状の積層微粒子膜の製造方法。
- シラノール縮合触媒に助触媒としてケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物から選ばれる少なくとも1つを混合して用いることを特徴とする請求項5および13に記載のパターン状の単層微粒子膜およびパターン状の積層微粒子膜の製造方法。
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