JP2007128605A - 磁気記録媒体とその製造方法及びそれを用いた磁気記録読取装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基体を第1のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系有機溶媒を混合した化学吸着液中に接触させて表面に第1の反応性の有機膜を形成し、磁性微粒子を第2のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合した化学吸着液中に分散させて表面に第2の反応性の有機膜を形成し、第1の反応性の有機膜の形成された基体表面に第2の反応性の有機膜で被覆された磁性微粒子を接触させて反応させ、余分な該磁性微粒子を洗浄除去し、磁性粒子が第1の有機膜と第2の有機膜を介して互いに共有結合している磁気記録媒体及びそれを用いた磁気記録読取装置。
【選択図】図3
Description
また、塗布法を用いて、極薄で、且つ磁性微粒子のサイズレベルでの均一厚みで、蒸着型に比肩できる磁気記録層を形成する方法は提案されていなかった。また、使用する粒子サイズあるいは微粒子膜の累積数で磁気記録層の厚みを制御するという方法は提案されてなかった。
第九の発明は、磁気記録層として媒体基体表面に層状に累積され磁性微粒子が磁性微粒子表面に形成された有機被膜を介して層間で互いに共有結合していることを特徴とする磁気記録媒体である。
これらの発明については以下に説明する。
また、第1の反応性の単分子膜にエポキシ基を含め第2の反応性の単分子膜がイミノ基を含めておくか、第1の反応性の単分子膜がイミノ基を含め第2の反応性の単分子膜がエポキシ基を含めておくと媒体基体表面に共有結合した高密度記録が可能な磁気記録媒体を作製する上で都合がよい。
また、シラノール縮合触媒に助触媒としてケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物から選ばれる少なくとも1つを混合して用いるとさらに製膜時間を短縮できて都合がよい。
さらに、共有結合としてエポキシ基とイミノ基の反応で形成された−N−C−の結合を用いると、媒体基体に対して密着強度が優れた磁気記録媒体を提供する上で都合がよい。
また、磁性微粒子表面に形成された第1の有機被膜と媒体基体表面に形成された第2の有機膜が単分子膜で構成されていると膜厚均一性を改善する上で都合がよい。
また、第2の磁気記録層を形成する工程の後、同様に第1の磁気記録層を形成する工程と第2の磁気記録層を形成する工程を繰り返し行えば、バインダー樹脂無しで多層構造の磁気記録媒体を容易に製造できる。
また、シラノール縮合触媒に助触媒としてケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物から選ばれる少なくとも1つを混合して用いるとさらに製膜時間を短縮できて都合がよい。
またここで、磁性微粒子表面に形成された有機被膜を2種類用い、第1の有機膜が形成された磁性微粒子と第2の有機膜が形成された磁性微粒子とを交互に積層すると多層の磁気記録媒体を単純なプロセスで製造できて都合がよい。
さらにまた、磁性微粒子を接触させて反応させる工程を磁場中で行うと、磁気モーメントの向きが揃った磁気記録層を得る上で都合がよい。
なお、ここで、アミノ基を含む吸着剤を使用する場合には、スズ系の触媒では沈殿が生成するので、酢酸等の有機酸を用いた方がよかった。また、アミノ基はイミノ基を含んでいるが、アミノ基以外にイミノ基を含む物質には、ピロール誘導体や、イミダゾール誘導体等がある。さらに、ケチミン誘導体を用いれば、被膜形成後、加水分解により容易にアミノ基を導入できた。
一方、洗浄せずに空気中に取り出すと、反応性はほぼ変わらないが、溶媒が蒸発し粒子表面に残った化学吸着剤が表面で空気中の水分と反応して、表面に前記化学吸着剤よりなる極薄のポリマー膜が形成された磁性微粒子が得られた。
なおここで、マグネタイト微粒子が針状あるいは棒状であり溶液を塗布する際、磁場中で塗布して乾燥させると、磁気記録層を構成するマグネタイト微粒子の磁気モーメントの方向が揃った磁気記録媒体を製造できた。
またここで、磁気記録層の厚みの制御は、粒径で制御できることは言うまでもない。
以下同様に、必要に応じてアミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたマグネタイト微粒子とエポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたマグネタイト微粒子を交互に積層すると、多層構造の磁性微粒子の磁気記録層を累積製造できた。
なお、微粒子膜の累積数で磁気記録層の厚みを制御できることはいうまでもない。
さらに、この記録媒体を用いて磁気記録読取装置を製作すると、蒸着型磁気記録媒体と同程度あるいはそれ以上の記録密度を達成できた。
(1) (CH2OCH)CH2O(CH2)7Si(OCH3)3
(2) (CH2OCH)CH2O(CH2)11Si(OCH3)3
(3) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)2Si(OCH3)3
(4) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)4Si(OCH3)3
(5) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)6Si(OCH3)3
(6) (CH2OCH)CH2O(CH2)7Si(OC2H5)3
(7) (CH2OCH)CH2O(CH2)11Si(OC2H5)3
(8) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)2Si(OC2H5)3
(9) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)4Si(OC2H5)3
(10) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)6Si(OC2H5)3
(11) H2N (CH2)5Si(OCH3)3
(12) H2N (CH2)7Si(OCH3)3
(13) H2N (CH2)9Si(OCH3)3
(14) H2N (CH2)5Si(OC2H5)3
(15) H2N (CH2)7Si(OC2H5)3
(16) H2N (CH2)9Si(OC2H5)3
2 水酸基
3 エポキシ基を含む単分子膜
4 アミノ基を含む単分子膜
5 エポキシ基を含む単分子膜で被われたマグネタイト微粒子
6 アミノ基を含む単分子膜で被われたマグネタイト微粒子
11 アルミニウム媒体基体
12 水酸基
13 エポキシ基を含む単分子膜
14 アミノ基を含む単分子膜
15 エポキシ基を含む単分子膜で被われたアルミニウム媒体基体
16 アミノ基を含む単分子膜で被われたアルミニウム媒体基体
17 磁気記録媒体
18 2層構造の磁気記録媒体
Claims (22)
- 磁気記録層として媒体基体表面に1層形成された磁性微粒子の膜が媒体基体表面に形成された第1の有機膜と磁性微粒子表面に形成された第2の有機膜を介して互いに共有結合していることを特徴とする磁気記録媒体。
- 媒体基体表面に形成された第1の有機被膜と磁性微粒子表面に形成された第2の有機膜が互いに異なることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
- 共有結合が、エポキシ基とイミノ基の反応で形成された−N−C−の結合であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
- 媒体基体表面に形成された第1の有機被膜と磁性微粒子表面に形成された第2の有機膜が単分子膜で構成されていることを特徴とする請求項1および2記載の磁気記録媒体。
- 媒体基体表面を少なくとも第1のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に接触させてアルコキシシラン化合物と媒体基体表面を反応させて媒体基体表面に第1の反応性の有機膜を形成する工程と、磁性微粒子を少なくとも第2のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に分散させてアルコキシシラン化合物と磁性微粒子表面を反応させて磁性微粒子表面に第2の反応性の有機膜を形成する工程と、第1の反応性の有機膜の形成された媒体基体表面に第2の反応性の有機膜で被覆された磁性微粒子を接触させて反応させる工程と、余分な第2の反応性の有機膜で被覆された磁性微粒子を洗浄除去することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
- 媒体基体表面を少なくとも第1のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に接触させてアルコキシシラン化合物と媒体基体表面を反応させて媒体基体表面に第1の反応性の有機膜を形成する工程、および磁性微粒子を少なくとも第2のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に分散させてアルコキシシラン化合物と磁性微粒子表面を反応させて磁性微粒子表面に第2の反応性の有機膜を形成する工程の後に、それぞれ媒体基体および磁性微粒子表面を有機溶剤で洗浄して媒体基体及び磁性微粒子表面に共有結合した第1及び第2の反応性の単分子膜を形成することを特徴とする請求項5記載の磁気記録媒体の製造方法。
- 第1の反応性の有機膜がエポキシ基を含み第2の反応性の有機膜がイミノ基を含むか、第1の反応性の有機膜がイミノ基を含み第2の反応性の有機膜がエポキシ基を含むことを特徴とする請求項5記載の磁気記録媒体の製造方法。
- 第1の反応性の単分子膜がエポキシ基を含み第2の反応性の単分子膜がイミノ基を含むか、第1の反応性の単分子膜がイミノ基を含み第2の反応性の単分子膜がエポキシ基を含むことを特徴とする請求項6記載の磁気記録媒体の製造方法。
- 磁気記録層として媒体基体表面に層状に累積され磁性微粒子が磁性微粒子表面に形成された有機被膜を介して層間で互いに共有結合していることを特徴とする磁気記録媒体。
- 磁性微粒子表面に形成された有機被膜が2種類有り、第1の有機膜が形成された磁性微粒子と第2の有機膜が形成された磁性微粒子とが交互に積層されていることを特徴とする請求項9記載の磁気記録媒体。
- 第1の有機膜と第2の有機膜が反応して共有結合を形成していることを特徴とする請求項10記載の磁気記録媒体。
- 共有結合が、エポキシ基とイミノ基の反応で形成された−N−C−の結合であることを特徴とする請求項9記載の磁気記録媒体。
- 少なくとも媒体基体表面を第1のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に接触させてアルコキシシラン化合物と媒体基体表面を反応させて媒体基体表面に第1の反応性の有機膜を形成する工程と、第1の磁性微粒子を少なくとも第2のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に分散させてアルコキシシラン化合物と磁性微粒子表面を反応させて第1の磁性微粒子表面に第2の反応性の有機膜を形成する工程と、第1の反応性の有機膜の形成された媒体基体表面に第2の反応性の有機膜で被覆された第1の磁性微粒子を接触させて反応させる工程と、余分な第2の反応性の有機膜で被覆された第1の磁性微粒子を洗浄除去して第1の磁気記録層を形成する工程と、第2の磁性微粒子を少なくとも第3のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に分散させてアルコキシシラン化合物と磁性微粒子表面を反応させて第2の磁性微粒子表面に第3の反応性の有機膜を形成する工程と、第2の反応性の有機膜で被覆された第1の磁気記録媒体が形成された媒体基体表面に第3の反応性の有機膜で被覆された第2の磁性微粒子を接触させて反応させる工程と、余分な第3の反応性の有機膜で被覆された第2の磁性微粒子を洗浄除去して第2の磁気記録層を形成する工程とを含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
- 第1の反応性の有機膜と第3の反応性の有機膜が同じものであることを特徴とする請求項13記載の磁気記録媒体の製造方法。
- 第2の磁気記録層を形成する工程の後、同様に第1の磁気記録層を形成する工程と第2の磁気記録媒体を形成する工程を繰り返し行うことを特徴とする請求項13記載の多層構造の磁気記録媒体の製造方法。
- 第1〜3の反応性の有機膜を形成する工程の後に、それぞれ媒体基体あるいは磁性微粒子表面を有機溶剤で洗浄して媒体基体や磁性微粒子表面に共有結合した第1〜3の反応性の単分子膜を形成することを特徴とする請求項13記載の磁気記録媒体の製造方法。
- 第1および第3の反応性の有機膜がエポキシ基を含み第2の反応性の有機膜がイミノ基を含むか、第1および3の反応性の有機膜がイミノ基を含み第2の反応性の有機膜がエポキシ基を含むことを特徴とする請求項13記載の磁気記録媒体の製造方法。
- シラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を用いることを特徴とする請求項5および13に記載の磁気記録媒体の製造方法。
- シラノール縮合触媒に助触媒としてケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物から選ばれる少なくとも1つを混合して用いることを特徴とする請求項5および13に記載の磁気記録媒体の製造方法。
- 磁性微粒子を接触させて反応させる工程を磁場中で行うことを特徴とする請求項5および13に記載の磁気記録媒体の製造方法。
- 磁気記録層として媒体基体表面に1層形成された磁性微粒子の膜が媒体基体表面に形成された第1の有機膜と磁性微粒子表面に形成された第2の有機膜を介して互いに共有結合していることを特徴とする磁気記録媒体を用いた磁気記録読取装置。
- 磁気記録層として媒体基体表面に層状に累積され磁性微粒子が磁性微粒子表面に形成された有機被膜を介して層間で互いに共有結合していることを特徴とする磁気記録媒体を用いた磁気記録読取装置。
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