JP2008221369A - 微粒子膜およびその製造方法。 - Google Patents

微粒子膜およびその製造方法。 Download PDF

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    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites

Abstract

【課題】基材の大きさに制限がなく、製造に真空チャンバー等の高価な機器を必要としない絶縁体微粒子膜やその製造方法、ならびに微粒子膜を用いたコンデンサーを提供する。
【解決手段】微粒子膜1は、第1の官能基を有する第1の膜化合物の形成する被膜で被覆された基材14の表面に、第1の官能基とカップリング反応により結合を形成する第1のカップリング反応基を有する第1のカップリング剤の形成する被膜で被覆された反応性微粒子42が配列した微粒子層が、第1の官能基と第1のカップリング反応基とのカップリング反応により形成される結合を介して1層結合固定されている。あるいは、さらにその上に第1のカップリング反応基と反応する膜化合物の被膜で被覆された微粒子24および反応性微粒子42が交互に結合固定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、微粒子の積層膜に関するものである。さらに詳しくは、表面に熱反応性、光反応性、ラジカル反応性、またはイオン反応性を付与した金属や金属酸化物よりなる無機微粒子、高分子や高分子ミセルよりなる有機微粒子、あるいは有機−無機ハイブリッド微粒子のカップリング剤を介した積層膜に関するものである。
従来から、両親媒性の有機分子を用い、水面上で分子を並べて基材表面に単分子膜を累積するラングミュアー・ブロジェット(LB)法が知られている。また、界面活性剤を溶かした溶液中で化学吸着法を用いて単分子膜を累積する化学吸着(CA)法が知られている。
しかしながら、任意の基材表面に微粒子を1層のみ並べた粒子サイズレベルで均一厚みの被膜(以下、単層微粒子膜という。)や微粒子を1層のみ並べた膜を複数層累積した被膜(以下、累積微粒子膜という。)およびそれらの製造方法は未だ開発、提供されていなかった。
従来から、電気機能、磁気機能、光機能等、各種機能を持ったミクロンサイズあるいはナノサイズの微粒子は数々開発製造されている。それら微粒子が持つ本来の機能を有効に利用するには、微粒子を均一な膜厚の被膜にする必要があるが、それら微粒子を用いて粒子サイズレベルで均一厚みの被膜を製造するという思想はなかった。
本発明は、微粒子を用い、各種微粒子本来の機能を損なうことなく、任意の基材表面に微粒子を1層のみ並べた粒子サイズレベルで均一厚みの被膜(単層微粒子膜)や微粒子を1層のみ並べた膜を複数層累積した被膜(累積微粒子膜)およびそれらの製造方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係る微粒子膜は、第1の官能基を有する第1の膜化合物の形成する被膜で被覆された基材の表面に、第2の官能基を有する第2の膜化合物の形成する被膜で被覆された微粒子が配列した微粒子層が1層結合固定された微粒子膜であって、前記被覆された微粒子は、前記第1の官能基とカップリング反応して結合を形成する少なくとも1の第1のカップリング反応基と、前記第2の官能基とカップリング反応して結合を形成する少なくとも1の第2のカップリング反応基とを有する第1のカップリング剤と、前記第1および前記第2の官能基とのカップリング反応により形成された結合を介して前記被覆された基材上に固定されている。
なお、「カップリング反応」とは、官能基間の付加反応、または縮合反応により生成する任意の反応をいい、熱反応、および光反応のいずれであってもよい。
第1の発明に係る微粒子膜において、前記基材の表面に前記第1の膜化合物の形成する被膜の表面は、前記第1の官能基と前記第1のカップリング反応基とのカップリング反応により結合した前記第1のカップリング剤の形成する被膜でさらに被覆されていてもよい。
第1の発明に係る微粒子膜において、前記微粒子の表面に前記第2の膜化合物の形成する被膜の表面は、前記第2の官能基と前記第2のカップリング反応基とのカップリング反応により結合した前記第1のカップリング剤の形成する被膜でさらに被覆されていてもよい。
第1の発明に係る微粒子膜において、前記第1の膜化合物と前記第2の膜化合物とが同一の化合物であることが好ましい。
第1の発明に係る微粒子膜において、前記第1および第2の膜化合物の形成する被膜の一方または双方が単分子膜であることが好ましい。
第1の発明に係る微粒子膜において、前記被覆された基材上には、前記微粒子層が前記被覆された基材側から空気との界面側に向かって第1層から第n層(nは2以上の整数)まで順次積層しており、奇数番目の前記微粒子層を形成している前記被覆された微粒子の表面は、前記第2の膜化合物の形成する被膜で被覆されており、偶数番目の前記微粒子層を形成している前記被覆された微粒子の表面は、第3の官能基を有する第3の膜化合物の形成する被膜で被覆され、少なくとも1の前記第2のカップリング反応基と、前記第3の官能基とカップリング反応して結合を形成する少なくとも1の第3のカップリング反応基とを有する第2のカップリング剤の形成する被膜によりさらにその表面が被覆されており、前記各微粒子層は、前記第2の官能基と前記第2のカップリング反応基とのカップリング反応により形成された結合、および前記第3の官能基と前記第3のカップリング反応基とのカップリング反応により形成された結合を介して互いに固定されていてもよい。
この場合において、第1の発明に係る微粒子膜において、前記第1〜第3の膜化合物、ならびに前記第1および第2のカップリング剤がぞれぞれ同一の化合物であることが好ましい。また、前記第1〜第3の膜化合物が形成する被膜が全て単分子膜であることが好ましい。
第1の発明に係る微粒子膜において、前記被覆された基材上には、前記微粒子層が前記被覆された基材側から空気との界面側に向かって第1層から第n層(nは2以上の整数)まで順次積層しており、奇数番目の前記微粒子層を形成している前記被覆された微粒子の表面は、前記第2の膜化合物の形成する被膜で被覆され、前記第1のカップリング剤の形成する被膜によりさらにその表面が被覆されており、偶数番目の前記微粒子層を形成している前記被覆された微粒子の表面は、前記第1のカップリング剤の形成する被膜によりさらにその表面が被覆されており、前記各微粒子層は、前記第2の官能基と前記第2のカップリング反応基とのカップリング反応により形成された結合、および前記第3の官能基と前記第1のカップリング反応基とのカップリング反応により形成された結合を介して互いに固定されていてもよい。
この場合において、第1および第2の膜化合物が同一の膜化合物であることが好ましい。また、前記第1および第2の膜化合物が形成する被膜がいずれも単分子膜であることが好ましい。
第1の発明に係る微粒子膜において、前記カップリング反応により形成された結合が、アミノ基またはイミノ基とエポキシ基との反応により形成されたN−CHCH(OH)結合であってもよい。
第1の発明に係る微粒子膜において、前記カップリング反応により形成された結合が、アミノ基またはイミノ基とイソシアネート基との反応により形成されたNH−CONH結合であってもよい。
第2の発明に係る微粒子膜の製造方法は、分子の両端にそれぞれ第1の官能基および第1の結合基を有する第1の膜化合物の形成する被膜で被覆された基材の表面に、分子の両端にそれぞれ第2の官能基および第2の結合基を有する第2の膜化合物の形成する被膜で被覆された微粒子が配列した微粒子層が1層結合固定された微粒子膜の製造方法であって、前記第1の膜化合物を含む溶液を基材の表面に接触させ、前記第1の結合基と前記基材の表面との間で結合を形成させ、前記第1の膜化合物の形成する被膜で前記基材の表面が被覆された被覆基材を調製する工程Aと、前記第2の膜化合物を含む溶液を微粒子の表面に接触させ、前記第2の結合基と前記第1の微粒子の表面との間で結合を形成させ、前記第2の膜化合物の形成する被膜で前記微粒子の表面が被覆された第1の被覆微粒子を調製する工程Bと、前記第1の官能基とカップリング反応して結合を形成する1または2以上の第1のカップリング反応基と、前記第2の官能基とカップリング反応して結合を形成する1または2以上の第2のカップリング反応基とを有する第1のカップリング剤を、前記被覆された基材および前記第1の被覆微粒子の表面にそれぞれ接触させ、前記第1の官能基と前記第1のカップリング反応基とのカップリング反応、および前記第2の官能基と前記第2のカップリング反応基とのカップリング反応により結合を形成させ、前記第1の被覆微粒子からなる1層の微粒子層を、前記被覆基材の表面に結合固定し、次いで、前記被覆基材の表面に固定されなかった前記第1の被覆微粒子を除去する工程Cとを有する。
第2の発明に係る微粒子膜の製造方法において、前記工程Cでは、前記第1のカップリング剤を、まず、前記被覆基材の表面に接触させ、該第1のカップリング剤の被膜を有する反応性基材を調製し、次いで、該反応性基材の表面に前記第1の被覆微粒子を接触させ、該反応性基材の表面に前記第1の被覆微粒子を固定してもよい。
第2の発明に係る微粒子膜の製造方法において、前記工程Cでは、まず、前記第1の被覆微粒子の表面に前記第1のカップリング剤を接触させ、前記第1のカップリング剤の被膜を有する第1の反応性微粒子を調製し、次いで、該第1の反応性微粒子の表面を前記被覆基材と接触させ、該被覆基材の表面に前記第1の反応性微粒子を固定してもよい。
第2の発明に係る微粒子膜の製造方法において、前記第1の膜化合物と前記第2の膜化合物とが同一の化合物であることが好ましい。
第2の発明に係る微粒子膜の製造方法において、前記工程Aおよび前記工程Bにおいて、未反応の前記第1および第2の膜化合物は洗浄除去され、前記被覆基材および前記第1の被覆微粒子の表面で前記第1および第2の膜化合物がそれぞれ形成する被膜は、単分子膜であることが好ましい。
第2の発明に係る微粒子膜の製造方法において、前記基材上には、前記微粒子層が前記基材側から空気との界面側に向かって第1層から第n層(nは2以上の整数)まで順次積層した微粒子膜の製造方法であって、分子の両端にそれぞれ第3の官能基および第3の結合基を有する第3の膜化合物を含む溶液を前記微粒子の表面に接触させ、前記第3の結合基と前記微粒子の表面との間で結合を形成させ、前記第3の膜化合物の形成する被膜で表面が被覆された第2の被覆微粒子を被覆し、次いで、前記第2の被覆微粒子の表面に、前記第2のカップリング反応基と、前記第3の官能基とカップリング反応して結合を形成する1または2以上の第3のカップリング反応基とを有する第2のカップリング剤を接触させ、前記第3の官能基と前記第3のカップリング反応基とのカップリング反応により形成させた結合を介して固定された前記第2のカップリング剤の形成する被膜を表面に有する第2の反応性微粒子を調製する工程Dと、前記微粒子膜の表層に位置する前記第1の被覆微粒子の微粒子層の表面に前記第2の反応性微粒子を接触させ、前記第2の官能基と前記第2のカップリング反応基とのカップリング反応により結合を形成させ、前記第2の反応性微粒子を前記第1の被覆微粒子の微粒子層の上に結合固定し、次いで、結合固定されなかった前記第2の反応性微粒子を除去する工程Eと、前記微粒子膜の表層に位置する前記第2の反応微粒子の微粒子層の表面に前記第1の被覆微粒子を接触させ、前記第2の官能基と前記第2のカップリング反応基とのカップリング反応により結合を形成させ、前記第1の被覆微粒子を前記第2の反応性微粒子の微粒子層の上に結合固定し、次いで、結合固定されなかった前記第1の被覆微粒子を除去する工程Fと、前記工程EおよびFをこの順序で繰返し行い、n層の前記微粒子層からなる微粒子膜を形成する工程Gとをさらに有していてもよい。なお、工程Gは、nの値に応じて、工程Eおよび工程Fのいずれで終えてもよい。
第2の発明に係る微粒子膜の製造方法において、前記基材上には、前記微粒子層が前記基材側から空気との界面側に向かって第1層から第n層(nは2以上の整数)まで順次積層した微粒子膜の製造方法であって、前記第3の膜化合物を含む溶液を前記微粒子の表面に接触させ、前記第3の結合基と前記微粒子の表面との間で結合を形成させ、前記第3の膜化合物の形成する被膜で前記微粒子の表面が被覆された第2の被膜微粒子を調製する工程Dと、前記第1の反応性微粒子の微粒子層の表面に前記第2の被覆微粒子を接触させ、前記第3の官能基と前記第1のカップリング反応基とのカップリング反応により結合を形成させ、前記第2の被覆微粒子を前記第1の反応性微粒子の微粒子層の上に結合固定し、次いで、結合固定されなかった前記第2の被覆微粒子を除去する工程Eと、前記第2の被覆微粒子の微粒子層の表面に前記第1の反応性微粒子を接触させ、前記第1の官能基と前記第1のカップリング反応基とのカップリング反応により結合を形成させ、前記第1の反応性微粒子を前記第2の被覆微粒子の微粒子層の上に結合固定し、次いで、結合固定されなかった前記第1の反応性微粒子を除去する工程Fと、前記工程EおよびFをこの順序で繰返し行い、n層の前記微粒子層からなる微粒子膜を形成する工程Gとをさらに有していてもよい。なお、工程Gは、nの値に応じて、工程Eおよび工程Fのいずれで終えてもよい。
第2の発明に係る絶縁性微粒子膜の製造方法において、前記第1および第2の膜化合物が同一の化合物であることが好ましい。
また、前記工程Dにおいて、未反応の前記第1の膜化合物は洗浄除去され、前記第2の微粒子の表面上で前記第1の膜化合物が形成する被膜は、単分子膜であることが好ましい。
第2の発明に係る微粒子膜の製造方法において、前記第1および第2の膜化合物、あるいは前記第1〜第3の膜化合物は全てアルコキシシラン化合物であり、前記膜化合物を含む溶液は、さらに縮合触媒として、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル、およびチタン酸エステルキレートからなる群から選択される1または2以上の化合物を含んでいてもよい。
第2の発明に係る微粒子膜の製造方法において、前記第1および第2の膜化合物、あるいは前記第1〜第3の膜化合物は全てアルコキシシラン化合物であり、前記膜化合物を含む溶液は、さらに縮合触媒として、ケチミン化合物、有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、およびアミノアルキルアルコキシシラン化合物からなる群より選択される1または2以上の化合物をさらに含んでいてもよい。
第2の発明に係る微粒子膜の製造方法において、さらに助触媒として、ケチミン化合物、有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、およびアミノアルキルアルコキシシラン化合物からなる群より選択される1または2以上の化合物をさらに含んでいてもよい。
第2の発明に係る微粒子膜の製造方法において、前記カップリング反応により形成された結合が、アミノ基またはイミノ基とエポキシ基との反応により形成されたN−CHCH(OH)結合であってもよい。
第2の発明に係る微粒子膜の製造方法において、前記カップリング反応により形成された結合が、アミノ基またはイミノ基とイソシアネート基との反応により形成されたNH−CONH結合であってもよい。
請求項1〜13に記載の微粒子膜および請求項14〜29に記載の微粒子膜の製造方法においては、パシベーション膜やコンデンサーの誘電性薄膜として応用可能な微粒子膜、および製造に特殊な真空チャンバーや高温を必要とせず、品質にばらつきの少ない大面積の絶縁体微粒子膜を低コストで製造できる方法を提供できる。
また、導電性基材の表面に絶縁性の微粒子が配列した微粒子層が1層結合固定されているので、微粒子膜の剥離強度を高めることができる。
さらに、カップリング反応により形成された結合を介して微粒子膜を1層ずつ積層固定するので、微粒子膜の膜厚を容易に制御できる。
特に、請求項2に記載の微粒子膜においては、第1の膜化合物の形成する被膜の表面は、第1のカップリング剤の形成する被膜でさらに被覆されているので、第2の膜化合物の形成する被膜で覆われた微粒子に対して前処理を行うことなく、第2の官能基と第2のカップリング反応基とのカップリング反応により、第2の膜化合物の形成する被膜で覆われた微粒子を表面に結合固定することができる。
請求項3に記載の微粒子膜においては、第2の膜化合物の形成する被膜の表面は、第2のカップリング剤の形成する被膜でさらに被覆されているので、第1の膜化合物の形成する被膜で覆われた基材に対して前処理を行うことなく、第1の官能基と第1のカップリング反応基とのカップリング反応により、第1の膜化合物の形成する被膜で覆われた基材の表面に第2の膜化合物の形成する被膜で覆われた微粒子を表面に結合固定することができる。
請求項4に記載の微粒子膜においては、第1の膜化合物と第2の膜化合物とが同一の化合物であるので、製造コストを低減できる。
請求項5に記載の微粒子膜においては、第1および第2の膜化合物の形成する被膜の一方または双方が単分子膜であるので、基材および微粒子のいずれか一方または双方の本来の物性や機能を保持することができる。
請求項6に記載の微粒子膜においては、3種類の膜化合物、および2種類のカップリング剤を用いて任意の膜厚の微粒子膜を製造できる。
請求項7記載の微粒子膜においては、第1〜第3の膜化合物ならびに第1および第2のカップリング剤がそれぞれ同一の化合物であるので、製造コストをさらに低減できる。
請求項8記載の微粒子膜においては、第1〜第3の膜化合物の形成する被膜が全て単分子膜であるので、基材および微粒子の本来の物性や機能を損なうことがない。
請求項9に記載の微粒子膜においては、3種類の膜化合物、および1種類のカップリング剤を用いて任意の膜厚の微粒子膜を製造できるので、製造コストを低減できる。
請求項10記載の微粒子膜においては、第1〜第3の膜化合物が同一の化合物であるので、製造コストをさらに低減できる。
請求項11記載の微粒子膜においては、第1〜第3の膜化合物の形成する被膜が全て単分子膜であるので、基材および微粒子の本来の物性や機能を損なうことがない。
請求項12記載の微粒子膜においては、カップリング反応により形成された結合が、アミノ基またはイミノ基とエポキシ基との反応により形成されたN−CHCH(OH)結合であるので、加熱により強固な結合を形成できる。
請求項13記載の微粒子膜においては、カップリング反応により形成された結合が、アミノ基またはイミノ基とイソシアネート基との反応により形成されたNH−CONH結合であるので、加熱により強固な結合を形成できる。
請求項15に記載の微粒子膜の製造方法においては、工程Cにおいて、まず、被覆基材の表面に、第1のカップリング剤を接触させ、第1のカップリング剤の被膜を有する反応性基材を調製するので、第2の膜化合物の形成する被膜で覆われた微粒子に対して前処理を行うことなく、第2の官能基と第2のカップリング反応基とのカップリング反応により、第2の膜化合物の形成する被膜で覆われた微粒子を表面に結合固定することができる。
請求項16に記載の微粒子膜においては、工程Cにおいて、まず、第1の被覆微粒子の表面に第1のカップリング剤を接触させ、第1のカップリング剤の被膜を有する第1の反応性微粒子を調製するので、第1の膜化合物の形成する被膜で覆われた基材に対して前処理を行うことなく、第1の官能基と第1のカップリング反応基とのカップリング反応により、第1の膜化合物の形成する被膜で覆われた基材の表面に第2の膜化合物の形成する被膜で覆われた微粒子を表面に結合固定することができる。
請求項17に記載の微粒子膜の製造方法においては、第1〜第3の膜化合物とが同一の化合物であるので、製造コストを低減できる。
請求項18記載の微粒子膜においては、第1および第2の膜化合物がそれぞれ形成する被膜が単分子膜であるので、基材および微粒子の本来の物性や機能を保持することができる。
請求項19に記載の微粒子膜の製造方法においては、3種類の膜化合物、および2種類のカップリング剤を用いて任意の膜厚の微粒子膜を製造できる。
請求項20に記載の微粒子膜の製造方法においては、3種類の膜化合物、および1種類のカップリング剤を用いて任意の膜厚の微粒子膜を製造できるので、製造コストを低減できる。
請求項21に記載の微粒子膜の製造方法においては、第1〜第3の膜化合物ならびに第1および第2のカップリング剤にそれぞれ同一の化合物を使用するので、製造コストを大幅に低減できる。
請求項22に記載の微粒子膜の製造方法においては、第1〜第3の膜化合物の形成する被膜が全て単分子膜であるので、基材および微粒子の本来の物性や機能を損なうことがない。
請求項23および25記載の微粒子膜の製造方法においては、膜化合物を含む溶液が、さらに縮合触媒として、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル、およびチタン酸エステルキレートからなる群から選択される1または2以上の化合物を含むので、反応性微粒子の調製時間を短縮し、微粒子膜の製造をより高効率に行うことができる。
請求項24、26および27記載の微粒子膜の製造方法においては、膜化合物を含む溶液が、ケチミン化合物、有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物からからなる群より選択される1または2以上の化合物をさらに含むので、反応性微粒子の調製時間を短縮し、微粒子膜の製造をより高効率に行うことができる。特に、これらの化合物と上述の縮合触媒の両者をともに含む場合には、調製時間をさらに短縮できる。
請求項28記載の微粒子膜の製造方法においては、カップリング反応により形成された結合が、アミノ基またはイミノ基とエポキシ基との反応により形成されたN−CHCH(OH)結合であるので、加熱により強固な結合を形成できる。
請求項29記載の微粒子膜の製造方法においては、カップリング反応により形成された結合が、アミノ基またはイミノ基とイソシアネート基との反応により形成されたNH−CONH結合であるので、加熱により強固な結合を形成できる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1(a)は本発明の第1の実施の形態に係る微粒子膜の断面構造を模式的に表した説明図、図1(b)は同第2の実施の形態に係る微粒子膜の断面構造を模式的に表した説明図、図2は、同微粒子膜の製造方法において、エポキシ化ガラス板を製造する工程を説明するために分子レベルまで拡大した概念図であり、図2(a)は反応前のガラス板の断面構造、図2(b)はエポキシ基を有する膜化合物の単分子膜が形成されたガラス板の断面構造をそれぞれ表し、図3は、同微粒子膜の製造方法において、エポキシ化シリカ微粒子を製造する工程を説明するために分子レベルまで拡大した概念図であり、図3(a)は反応前のシリカ微粒子の断面構造、図3(b)はエポキシ基を有する膜化合物の単分子膜が形成されたシリカ微粒子の断面構造をそれぞれ表し、図4は、エポキシ化ガラス板の表面に、エポキシ基と2−メチルイミダゾールのアミノ基とのカップリング反応により形成された結合を介して固定された2−メチルイミダゾールの被膜を有する反応性ガラス板の断面構造を模式的に表した説明図、図5は、エポキシ化シリカ微粒子の表面に、エポキシ基と2−メチルイミダゾールのアミノ基とのカップリング反応により形成された結合を介して固定された2−メチルイミダゾールの被膜を有する反応性シリカ微粒子の断面構造を模式的に表した説明図である。
次に、本発明の第1の実施の形態に係る微粒子膜1について説明する。
図1(a)に示すように、微粒子膜1は、反応性ガラス板(反応性基材の一例)32の表面に、エポキシ化シリカ微粒子(第1の被覆微粒子の一例)24が配列した微粒子層が1層結合固定されている。微粒子層は、エポキシ化ガラス板14側から空気との界面側に向かって第1層から第n層(nは2以上の整数で、本実施の形態においてはn=2)まで順次積層している。
反応性ガラス板32の表面は、エポキシ基を有する膜化合物(第1の膜化合物の一例)の単分子膜13で被覆され、さらにその表面は、2−メチルイミダゾール(第1のカップリング剤の一例)のアミノ基(第1のカップリング反応基の一例)とエポキシ基とのカップリング反応により形成された結合を介して固定された2-メチルイミダゾールの被膜で被覆されている。
2層目の微粒子層を形成しているエポキシ化シリカ微粒子24の表面は、2−メチルイミダゾール(第3のカップリング剤の一例)のアミノ基(第3のカップリング反応基の一例)とエポキシ基とのカップリング反応により形成された結合を介して固定された2-メチルイミダゾールの被膜でさらに被覆されている。
反応性ガラス板32と第1層目の微粒子層を形成するエポキシ化シリカ微粒子24、および奇数層目の微粒子層を形成するエポキシ化シリカ微粒子24と第2層目の微粒子層を形成する反応性シリカ微粒子42との間は、エポキシ基と2−メチルイミダゾールのアミノ基またはイミノ基とのカップリング反応により形成された結合を介して互いに結合固定されている。
微粒子膜1の製造方法は、図2(a)、(b)、図3(a)、(b)、図4、および図5に示すように、エポキシ基を有するアルコキシシラン化合物(第1の膜化合物の一例)を含む溶液をガラス板(基材の一例)11の表面に接触させ、アルコキシシリル基(第1の結合基の一例)とガラス板11の表面との間で結合を形成させ、エポキシ化ガラス板14(被覆基材の一例)を調製する工程A(図2参照)と、エポキシ基を有するアルコキシシラン化合物(第2の膜化合物の一例)をシリカ微粒子(微粒子の一例)21の表面に接触させ、アルコキシシリル基(第2の結合基の一例)とシリカ微粒子21の表面との間で結合を形成させ、エポキシ化シリカ微粒子24を調製する工程B(図3参照)と、まず、エポキシ化ガラス板14の表面に、2−メチルイミダゾールを接触させ、エポキシ基とアミノ基とをカップリング反応させて反応性ガラス板32を調製し、次いで、反応性ガラス板32の表面にエポキシ化シリカ微粒子24を接触させ、エポキシ基とイミノ基(第2のカップリング反応基の一例)とのカップリング反応により結合を形成させ、エポキシ化ガラス板14の表面にエポキシ化シリカ微粒子24を固定し、次いで、固定されなかったエポキシ化シリカ微粒子24を除去する工程C(図4参照)と、エポキシ化アルコキシシラン化合物(第3の膜化合物の一例)を含む溶液をシリカ微粒子21の表面に接触させ、アルコキシシリル基(第3の結合基の一例)とシリカ微粒子21の表面との間で結合を形成させ、エポキシ化シリカ微粒子(第2の被覆微粒子の一例)24を調製し、次いで、エポキシ化シリカ微粒子24の表面に、2−メチルイミダゾール(第2のカップリング剤の一例)を接触させ、エポキシ基(第3の官能基の一例)とアミノ基とのカップリング反応により形成させた結合を介して固定された2−メチルイミダゾールの形成する被膜を表面に有する反応性シリカ微粒子(第2の反応性微粒子の一例)42を調製する工程D(図5参照)と、エポキシ化シリカ微粒子24の微粒子層を有する微粒子膜1の表面に反応性シリカ微粒子42を接触させ、エポキシ基とイミノ基とのカップリング反応により結合を形成させ、反応性シリカ微粒子42をエポキシ化シリカ微粒子24の微粒子層の上に結合固定し、次いで、結合固定されなかった反応性シリカ微粒子42を除去する工程Eと、反応性シリカ微粒子42の微粒子層を有する微粒子膜1の表面にエポキシ化シリカ微粒子24を接触させ、エポキシ基とイミノ基とのカップリング反応により結合を形成させ、エポキシ化シリカ微粒子24を反応性シリカ微粒子42の微粒子層の上に結合固定し、次いで、結合固定されなかったエポキシ化シリカ微粒子24を除去する工程Fとを有する。
以下、工程A〜Fについてより詳細に説明する。
工程Aでは、エポキシ基を有する膜化合物をガラス板11に接触させ、エポキシ基を有する膜化合物の単分子膜13で表面が覆われたエポキシ化ガラス板14を製造する(図2)。
なお、ガラス板11の大きさには特に制限はない。
エポキシ基を有する膜化合物としては、ガラス板11の表面に吸着または結合し、自己組織化により単分子膜を形成することのできる任意の化合物を用いることができるが、直鎖状アルキレン基の一方の末端にエポキシ基(オキシラン環)を含む官能基を、他方の末端にアルコキシシリル基(第1の結合基の一例)をそれぞれ有し、下記の一般式(化1)で表されるアルコキシシラン化合物が好ましい。
Figure 2008221369
上式において、官能基Eはエポキシ基を有する官能基を、mは3〜20の整数を、Rは炭素数1〜4のアルキル基をそれぞれ表す。
用いることのできるエポキシ基を有する膜化合物の具体例としては、下記(1)〜(12)に示したアルコキシシラン化合物が挙げられる。
(1) (CHOCH)CH2O(CH2)Si(OCH)3
(2) (CHOCH)CH2O(CH2)Si(OCH)3
(3) (CHOCH)CH2O(CH2)11Si(OCH)3
(4) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OCH)3
(5) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OCH)3
(6) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OCH)3
(7) (CHOCH)CH2O(CH2)Si(OC)3
(8) (CHOCH)CH2O(CH2)Si(OC)3
(9) (CHOCH)CH2O(CH2)11Si(OC)3
(10) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OC)3
(11) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OC)3
(12) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OC)3
ここで、(CHOCH)CHO−基は、化2で表される官能基(グリシジル基)を表し、(CHCHOCH(CH)CH−基は、化3で表される官能基(3,4−エポキシシクロヘキシル基)を表す。
Figure 2008221369
Figure 2008221369
エポキシ化ガラス板14の製造は、エポキシ基およびアルコキシシリル基(第2の結合基の一例)を含むアルコキシシラン化合物と、アルコキシシリル基とガラス板11の表面のヒドロキシル基12との縮合反応を促進するための縮合触媒と、非水系の有機溶媒とを混合した反応液をガラス板11の表面に塗布し、室温の空気中で反応させることにより行われる。塗布は、ドクターブレード法、ディップコート法、スピンコート法、スプレー法、スクリーン印刷法等の任意の方法により行うことができる。
縮合触媒としては、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステルおよびチタン酸エステルキレート等の金属塩が利用可能である。
縮合触媒の添加量は、好ましくはアルコキシシラン化合物の0.2〜5質量%であり、より好ましくは0.5〜1質量%である。
カルボン酸金属塩の具体例としては、酢酸第1スズ、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオクテート、ジブチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジオクテート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクタン酸第1スズ、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、2−エチルヘキセン酸鉄が挙げられる。
カルボン酸エステル金属塩の具体例としては、ジオクチルスズビスオクチリチオグリコール酸エステル塩、ジオクチルスズマレイン酸エステル塩が挙げられる。
カルボン酸金属塩ポリマーの具体例としては、ジブチルスズマレイン酸塩ポリマー、ジメチルスズメルカプトプロピオン酸塩ポリマーが挙げられる。
カルボン酸金属塩キレートの具体例としては、ジブチルスズビスアセチルアセテート、ジオクチルスズビスアセチルラウレートが挙げられる。
チタン酸エステルの具体例としては、テトラブチルチタネート、テトラノニルチタネートが挙げられる。
チタン酸エステルキレート類の具体例としては、ビス(アセチルアセトニル)ジ−プロピルチタネートが挙げられる。
アルコキシシリル基とガラス板11の表面のヒドロキシル基12とが縮合反応を起こし、下記の化4で示されるような構造を有するエポキシ基を有する膜化合物の単分子膜13を生成する。なお、酸素原子から延びた3本の単結合はガラス板11の表面または隣接するシラン化合物のケイ素(Si)原子と結合しており、そのうち少なくとも1本はガラス板11の表面のケイ素原子と結合している。
Figure 2008221369
アルコキシシリル基は、水分の存在下で分解するので、反応は相対湿度45%以下の空気中で行うことが好ましい。なお、縮合反応は、ガラス板11の表面に付着した油脂分や水分により阻害されるので、ガラス板11をよく洗浄して乾燥することにより、これらの不純物を予め除去しておくことが好ましい。
縮合触媒として上述の金属塩のいずれかを用いた場合、縮合反応の完了までに要する時間は2時間程度である。
上述の金属塩の代わりに、ケチミン化合物、有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物からなる群より選択される1または2以上の化合物を縮合触媒として用いた場合、反応時間を1/2〜2/3程度まで短縮できる。
あるいは、これらの化合物を助触媒として、上述の金属塩と混合(質量比1:9〜9:1の範囲で使用可能だが、1:1前後が好ましい)して用いると、反応時間をさらに短縮できる。
例えば、縮合触媒として、ジブチルスズオキサイドの代わりにケチミン化合物であるジャパンエポキシレジン社のH3を用い、その他の条件は同一にしてエポキシ化シリカ微粒子21の製造を行うと、エポキシ化シリカ微粒子21の品質を損なうことなく反応時間を1時間程度にまで短縮できる。
さらに、縮合触媒として、ジャパンエポキシレジン社のH3とジブチルスズビスアセチルアセトネートとの混合物(混合比は1:1)を用い、その他の条件は同一にしてエポキシ化シリカ微粒子21の製造を行うと、反応時間を20分程度に短縮できる。
なお、ここで用いることができるケチミン化合物は特に限定されるものではないが、例えば、2,5,8−トリアザ−1,8−ノナジエン、3,11−ジメチル−4,7,10−トリアザ−3,10−トリデカジエン、2,10−ジメチル−3,6,9−トリアザ−2,9−ウンデカジエン、2,4,12,14−テトラメチル−5,8,11−トリアザ−4,11−ペンタデカジエン、2,4,15,17−テトラメチル−5,8,11,14−テトラアザ−4,14−オクタデカジエン、2,4,20,22−テトラメチル−5,12,19−トリアザ−4,19−トリエイコサジエン等が挙げられる。
また、用いることができる有機酸としても特に限定されるものではないが、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、マロン酸等が挙げられる。
反応液の製造には、有機塩素系溶媒、炭化水素系溶媒、フッ化炭素系溶媒、シリコーン系溶媒、およびこれらの混合溶媒を用いることができる。アルコキシシラン化合物の加水分解を防止するために、乾燥剤または蒸留により使用する溶媒から水分を除去しておくことが好ましい。また、溶媒の沸点は50〜250℃であることが好ましい。
具体的に使用可能な溶媒としては、非水系の石油ナフサ、ソルベントナフサ、石油エーテル、石油ベンジン、イソパラフィン、ノルマルパラフィン、デカリン、工業ガソリン、ノナン、デカン、灯油、ジメチルシリコーン、フェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエーテルシリコーン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。
さらに、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、あるいはそれらの混合物を用いることもできる。
また、用いることができるフッ化炭素系溶媒としては、フロン系溶媒、フロリナート(米国3M社製)、アフルード(旭硝子株式会社製)等がある。なお、これらは1種単独で用いても良いし、良く混ざるものなら2種以上を組み合わせてもよい。さらに、ジクロロメタン、クロロホルム等の有機塩素系溶媒を添加してもよい。
反応液におけるアルコキシシラン化合物の好ましい濃度は、0.5〜3質量%である。
反応後、溶媒で洗浄し、未反応物として表面に残った余分なアルコキシシラン化合物および縮合触媒を除去すると、エポキシ基を有する膜化合物の単分子膜13で表面が覆われたエポキシ化ガラス板14が得られる。このようにして製造されるエポキシ化ガラス板14の断面構造の模式図を図2(b)に示す。
洗浄溶媒としては、アルコキシシラン化合物を溶解できる任意の溶媒を用いることができるが、安価であり、溶解性が高く、風乾により容易に除去することのできるジクロロメタン、クロロホルム、N−メチルピロリドン等が好ましい。
反応後、生成したエポキシ化ガラス板14を溶媒で洗浄せずに空気中に放置すると、表面に残ったアルコキシシラン化合物の一部が空気中の水分により加水分解を受け、生成したシラノール基がアルコキシシリル基と縮合反応を起こす。その結果、エポキシ化ガラス板14の表面にポリシロキサンよりなる極薄のポリマー膜が形成される。このポリマー膜は、エポキシ化ガラス板14の表面に必ずしも共有結合により固定されていないが、エポキシ基を含んでいるため、エポキシ化ガラス板14に対してエポキシ基を有する膜化合物の単分子膜13と同様の反応性を有している。そのため、洗浄を行わなくても、工程C以降の製造工程に特に支障をきたすことはない。
なお、本実施の形態においては、エポキシ基を有するアルコキシシラン化合物を用いたが、直鎖状アルキレン基の一方の末端にアミノ基を、他方の末端にアルコキシシリル基をそれぞれ有し、下記の一般式(化5)で表されるアルコキシシラン化合物を用いてもよい。なお、アミノ基と反応するカップリング剤としては、両端にグリシジル基を有する化合物が使用できる。
Figure 2008221369
上式において、mは3〜20の整数を、Rは炭素数1〜4のアルキル基をそれぞれ表す。
用いることのできるアミノ基を有する膜化合物の具体例としては、下記(21)〜(28)に示したアルコキシシラン化合物が挙げられる。
(21) H2N(CH2)Si(OCH)3
(22) H2N(CH2)Si(OCH)3
(23) H2N(CH2)Si(OCH)3
(24) H2N(CH2)Si(OCH)3
(25) H2N(CH2)Si(OC)3
(26) H2N(CH2)Si(OC)3
(27) H2N(CH2)Si(OC)3
(28) H2N(CH2)Si(OC)3
ただひ、この場合に反応液において用いることのできる縮合触媒のうち、スズ(Sn)塩を含む化合物は、アミノ基と反応して沈殿を生成するため、アミノ基を有するアルコキシシラン化合物に対しては縮合触媒として用いることができない。
したがって、アミノ基を有するアルコキシシラン化合物を用いる場合には、カルボン酸スズ塩、カルボン酸エステルスズ塩、カルボン酸スズ塩ポリマー、カルボン酸スズ塩キレートを除き、エポキシ基を有するアルコキシシラン化合物の場合と同様の化合物を単独でまたは2種類以上を混合して縮合触媒として用いることができる。
用いることのできる助触媒の種類およびそれらの組み合わせ、溶媒の種類、アルコキシシラン化合物、縮合触媒、および助触媒の濃度、反応条件ならびに反応時間についてはエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物の場合と同様であるので、説明を省略する。
本実施の形態においては、ガラス板を基材として用いたが、その表面にヒドロキシル基、アミノ基等の活性水素基を有する場合には、膜化合物としてアルコキシシラン化合物を用いることができる。この様な基材の具体例としては、銅板、アルミニウム板、シリコンウェーハ等の金属箔または金属板等が挙げられる。
本実施の形態においては、膜化合物として基材の表面の活性水素基と縮合反応するシラン化合物を用いたが、工程Aと同様、例えば、金メッキ層を有する基材の場合には、膜化合物として金原子と強い結合を形成するチオール誘導体またはトリアジンチオール誘導体を用いることができる。
本実施の形態においては、膜化合物として微粒子の表面の活性水素基と縮合反応するシラン化合物を用いたが、例えば、金微粒子や金メッキ層を有する基材の場合には、膜化合物として金原子と強い結合を形成するチオール誘導体またはトリアジンチオール誘導体を用いることができる。
(以上工程A)
工程Bでは、工程Aにおいて用いたものと同様のエポキシ基を有する膜化合物をシリカ微粒子21と接触させ、エポキシ基を有する膜化合物の単分子膜23で表面が覆われたエポキシ化シリカ微粒子24を製造する(図3)。
用いることのできるシリカ微粒子21の粒径に特に制限はないが、10nm〜0.1mmの範囲内であることが好ましい。シリカ微粒子21の粒径が10nm未満である場合には、膜化合物の分子サイズの影響が無視できなくなり、粒径が0.1mmを上回る場合には、シリカ微粒子21の表面積に対する質量の割合が大きくなるため、架橋反応によりその質量を支持できなくなる。
エポキシ化シリカ微粒子24の製造は、エポキシ基を含むアルコキシシラン化合物と、アルコキシシリル基とシリカ微粒子21の表面のヒドロキシル基22との縮合反応を促進するための縮合触媒と、非水系の有機溶媒とを混合した反応液中にシリカ微粒子21を分散させ、室温の空気中で反応させることにより行われる。
工程Bにおいて用いることのできるエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物の種類、縮合触媒、助触媒の種類およびそれらの組み合わせ、溶媒の種類、アルコキシシラン化合物、縮合触媒、および助触媒の濃度、反応条件ならびに反応時間については工程Aと同様であるので、説明を省略する。
反応後、溶媒で洗浄し、未反応物として表面に残った余分なアルコキシシラン化合物および縮合触媒を除去すると、エポキシ基を有する膜化合物の単分子膜23で表面が覆われたエポキシ化シリカ微粒子24が得られる。このようにして製造されるエポキシ化シリカ微粒子24の断面構造の模式図を図3(b)に示す。
洗浄溶媒としては、工程Aと同様の洗浄溶媒を用いることができる。
反応後、生成したエポキシ化シリカ微粒子24を溶媒で洗浄せずに空気中に放置すると、表面に残ったアルコキシシラン化合物の一部が空気中の水分により加水分解を受け、生成したシラノール基がアルコキシシリル基と縮合反応を起こす。その結果、エポキシ化シリカ微粒子24の表面にポリシロキサンよりなる極薄のポリマー膜が形成される。このポリマー膜は、エポキシ化シリカ微粒子24の表面に共有結合により固定されていないが、エポキシ基を含んでいるため、エポキシ化シリカ微粒子24に対してエポキシ基を有する膜化合物の単分子膜23と同様の反応性を有している。そのため、洗浄を行わなくても、工程C以降の製造工程に特に支障をきたすことはない。
なお、本実施の形態においてはエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物を用いたが、工程Aと同様、直鎖状アルキレン基の一方の末端にアミノ基を、他方の末端にアルコキシシリル基をそれぞれ有するアルコキシシラン化合物を用いてもよい。
また、本実施の形態においては工程Aと同一のアルコキシシラン化合物を用いているが、異なるアルコキシシラン化合物を用いてもよい。ただし、工程Cにおいて用いるカップリング剤のカップリング反応基と反応して結合を形成する官能基を有するものでなければならない。
また、本実施の形態においては、微粒子としてシリカ微粒子を用いたが、他に、無機微粒子、有機微粒子、有機−無機ハイブリッド微粒子、さらに有機、および無機微粒子を交互に用いることができる。
「無機微粒子」には、導体微粒子、半導体微粒子、絶縁体微粒子、磁気微粒子、蛍光体微粒子、光吸収微粒子、光透過微粒子、顔料微粒子が含まれている。「有機微粒子」には、有機蛍光体微粒子、有機光吸収微粒子、有機光透過微粒子、有機顔料微粒子、薬物微粒子が含まれている。
「有機−無機ハイブリッド微粒子」には、DDS(Drug Delivery System)用薬物微粒子、化粧用微粒子、有機−無機ハイブリッド顔料微粒子が含まれている。
シリカ微粒子以外の微粒子であっても、その表面に水酸基、アミノ基等の活性水素基を有する場合には、膜化合物としてアルコキシシラン化合物を用いることができる。この様な微粒子の具体例としては、アルミナ、酸化鉛等の金属酸化物の微粒子、金属微粒子等が挙げられる。
本実施の形態においては、第1および第2の膜化合物として、ともにエポキシ基を有する膜化合物を用いているが、両者は同一の化合物であってもよく、また異なる化合物であってもよい。さらに、第1および第2の膜化合物が異なる官能基(例えば、一方がエポキシ基で他方がイソシアネート基)を有していてもよい。
(以上工程B)
工程Cでは、まず、エポキシ化ガラス板14の表面に、2−メチルイミダゾールを接触させ、エポキシ基とアミノ基とをカップリング反応させて反応性ガラス板32を調製し、次いで、反応性ガラス板32の表面にエポキシ化シリカ微粒子24を接触させ、エポキシ基とイミノ基とのカップリング反応により結合を形成させ、エポキシ化ガラス板14の表面にエポキシ化シリカ微粒子24を固定し、次いで、固定されなかったエポキシ化シリカ微粒子24を除去する
2−メチルイミダゾールはエポキシ基と反応するアミノ基およびイミノ基をそれぞれ1−位および3−位に有しており、下記の化6に示すような架橋反応により結合を形成する。
Figure 2008221369
反応性ガラス板32の製造は、2−メチルイミダゾールと溶媒とを混合した反応液をエポキシ化ガラス板14の表面に塗布し、加熱して反応させることにより行われる。塗布は、ドクターブレード法、ディップコート法、スピンコート法、スプレー法、スクリーン印刷法等の任意の方法により行うことができる。
膜前駆体の製造には、2−メチルイミダゾールが可溶な任意の溶媒を用いることができるが、価格、室温での揮発性、および毒性等を考慮すると、イソプロピルアルコール、エタノール等の低級アルコール系溶媒が好ましい。
2−メチルイミダゾールの添加量、塗布する溶液の濃度、反応温度および反応時間は、用いる基材および微粒子の種類、形成する微粒子膜の膜厚等に応じて適宜調節される。
反応後、溶媒で洗浄し、未反応物として表面に残った余分な2−メチルイミダゾールを除去すると、反応性単分子膜31で表面が覆われた反応性ガラス板32が得られる(図4)。
このようにして得られた反応性ガラス板32の表面にエポキシ化シリカ微粒子24の分散液を塗布後加熱し、エポキシ化シリカ微粒子21上のエポキシ基と、反応性単分子膜31上の2−メチルイミダゾールに由来するイミノ基とのカップリング反応によりエポキシ化シリカ微粒子24を反応性ガラス板32の表面に結合固定し、単層の微粒子層を有する微粒子膜1を製造する。
加熱温度は、100〜200℃が好ましい。加熱温度が100℃未満だと、カップリング反応の進行に長時間を要し、200℃を上回ると、エポキシ基を有する単分子膜23や反応性単分子膜31の分解反応が起こり、均一な微粒子膜1が得られない。
反応後、水やアルコール等の溶媒で洗浄することにより、過剰のエポキシ化シリカ微粒子24を除去する。
本実施の形態においては、カップリング剤として2−メチルイミダゾールを用いたが、下記化7で表される任意のイミダゾール誘導体を用いることができる。
Figure 2008221369
化7で表されるイミダゾール誘導体の具体例としては、下記(31)〜(38)に示すものが挙げられる。
(31) 2−メチルイミダゾール(R=Me、R=R=H)
(32) 2−ウンデシルイミダゾール(R=C1123、R=R=H)
(33) 2−ペンタデシルイミダゾール(R=C1531、R=R=H)
(34) 2−メチル−4−エチルイミダゾール(R=Me、R=Et、R=H)
(35) 2−フェニルイミダゾール(R=Ph、R=R=H)
(36) 2−フェニル−4−エチルイミダゾール(R=Ph、R=Et、R=H)
(37) 2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(R=Ph、R=Me、R=CHOH)
(38) 2−フェニル−4,5−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾール(R=Ph、R=R=CHOH)
なお、Me、Et、およびPhは、それぞれメチル基、エチル基、およびフェニル基を表す。
また、エポキシ樹脂の硬化剤として用いられる無水フタル酸、無水マレイン酸等の酸無水物、ジシアンジアミド、ノボラック等のフェノール誘導体等の化合物をカップリング剤として用いてもよい。この場合、カップリング反応を促進するためにイミダゾール誘導体を触媒として用いてもよい。
なお、本実施の形態においては官能基としてエポキシ基を有する膜化合物を用いた場合について説明しているが、官能基としてアミノ基またはイミノ基を有する膜化合物を用いる場合には、カップリング反応基として2もしくは3以上のエポキシ基または2もしくは3以上のイソシアネート基を有するカップリング剤を用いる。イソシアネート基を有する化合物の具体例としては、p−フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジイソシアネート、トルエン−2,4−ジイソシアネート等が挙げられる。
これらのジイソシアネート化合物の添加量は、2−メチルイミダゾールの場合と同様、エポキシ化シリカ微粒子の5〜15重量%が好ましい。この場合、膜前駆体の製造に用いることのできる溶媒としては、キシレン等の芳香族有機溶媒が挙げられる。
また、アミノ基を有する膜化合物を用いる場合には、架橋剤としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル等の2または3以上のエポキシ基を有する化合物を用いることもできる。
(以上工程C)
工程Dでは、エポキシ化アルコキシシラン化合物を含む溶液をシリカ微粒子21の表面に接触させ、アルコキシシリル基とシリカ微粒子21の表面との間で結合を形成させ、エポキシ化シリカ微粒子24を調製し、次いで、エポキシ化シリカ微粒子24の表面に、2−メチルイミダゾールを接触させ、エポキシ基と2−メチルイミダゾールに由来するアミノ基とのカップリング反応により形成させた結合を介して固定された2−メチルイミダゾールの形成する被膜を表面に有する反応性シリカ微粒子42を調製する(図5)。
用いられる2−メチルイミダゾール溶液の濃度、反応条件等は、溶液を塗布するのではなく、エポキシ化シリカ微粒子24を溶液中に分散させて加熱することを除くと、工程Cにおける反応性ガラス板32の調製の場合と同様であるので、詳しい説明を省略する。他に用いることのできるカップリング剤についても、工程Cにおける反応性ガラス板42の調製の場合と同様である。
本実施の形態においては、第3の膜化合物として、ともにエポキシ基を有する膜化合物を用いているが、第1および第2の膜化合物の一方または双方と同一の化合物であってもよく、また異なる化合物であってもよい。さらに、第1および第2の膜化合物と異なる官能基(例えば、アミノ基)を有していてもよい。
(以上工程D)
工程Eでは、エポキシ化シリカ微粒子24の微粒子層を有する微粒子膜1の表面に反応性シリカ微粒子42を接触させ、エポキシ基とイミノ基とのカップリング反応により結合を形成させ、反応性シリカ微粒子42をエポキシ化シリカ微粒子24の微粒子層の上に結合固定し、次いで、結合固定されなかった反応性シリカ微粒子42を除去する。
また、工程Fでは、反応性シリカ微粒子42の微粒子層を有する微粒子膜1の表面にエポキシ化シリカ微粒子24を接触させ、エポキシ基とイミノ基とのカップリング反応により結合を形成させ、エポキシ化シリカ微粒子24を反応性シリカ微粒子42の微粒子層の上に結合固定し、次いで、結合固定されなかったエポキシ化シリカ微粒子24を除去する。
工程E、Fにおける反応条件については、工程Dと同様であるので、詳しい説明を省略する。
(以上工程EおよびF)
本実施の形態においては、微粒子層を2層有する微粒子膜の調製について説明したが、工程EおよびFをこの順序で繰り返し行って、n(nは2以上の整数)層の微粒子層からなる微粒子膜を形成する工程Gをさらに行ってもよい。なお、工程Gは、nの値に応じて、工程Eおよび工程Fのいずれで終えてもよい。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る微粒子膜2について説明する。
図1(b)に示すように、微粒子膜2は、エポキシ化ガラス板14の表面に、反応性シリカ微粒子42が配列した微粒子層が1層結合固定されている。微粒子層は、エポキシ化ガラス板14側から空気との界面側に向かって第1層から第n層(nは2以上の整数で、本実施の形態においてはn=2)まで順次積層している。
エポキシ化ガラス板14の表面は、エポキシ基を有する膜化合物の単分子膜13で被覆されている。
1層目の微粒子層を形成している反応性シリカ微粒子42の表面は、2−メチルイミダゾールのアミノ基とエポキシ基とのカップリング反応により形成された結合を介して固定された2-メチルイミダゾールの被膜でさらに被覆されている。
エポキシ化ガラス板14と第1層目の微粒子層を形成する反応性シリカ微粒子42、および奇数層目の微粒子層を形成する反応性シリカ微粒子42と偶数層目の微粒子層を形成するエポキシ化シリカ微粒子24との間は、エポキシ基と2−メチルイミダゾールのアミノ基またはイミノ基とのカップリング反応により形成された結合を介して互いに結合固定されている。
微粒子膜2の製造方法は、図2(a)、(b)、図3(a)、(b)、および図5に示すように、エポキシ基を有するアルコキシシラン化合物を含む溶液をガラス板11の表面に接触させ、アルコキシシリル基とガラス板11の表面との間で結合を形成させ、エポキシ化ガラス板14を調製する工程Aと、エポキシ基を有するアルコキシシラン化合物をシリカ微粒子21の表面に接触させ、アルコキシシリル基とシリカ微粒子21の表面との間で結合を形成させ、エポキシ化シリカ微粒子24を調製する工程Bと、まず、エポキシ化シリカ微粒子24の表面に、2−メチルイミダゾールを接触させ、エポキシ基とアミノ基とをカップリング反応させて反応性ガラス板32を調製し、次いで、反応性ガラス板32の表面に反応性シリカ微粒子42を接触させ、エポキシ基とイミノ基(第2のカップリング反応基の一例)とのカップリング反応により結合を形成させ、エポキシ化ガラス板14の表面に反応性シリカ微粒子42を固定し、次いで、固定されなかった反応性シリカ微粒子42を除去する工程Cと、エポキシ化アルコキシシラン化合物を含む溶液をシリカ微粒子21の表面に接触させ、アルコキシシリル基とシリカ微粒子21の表面との間で結合を形成させ、エポキシ化シリカ微粒子24を調製する工程Dと、反応性シリカ微粒子42の微粒子層を有する微粒子膜1の表面にエポキシ化シリカ微粒子24を接触させ、エポキシ基とイミノ基とのカップリング反応により結合を形成させ、反応性エポキシ化シリカ微粒子24を反応性シリカ微粒子42の微粒子層の上に結合固定し、次いで、結合固定されなかったエポキシ化シリカ微粒子24を除去する工程Eと、エポキシ化シリカ微粒子24の微粒子層を有する微粒子膜1の表面に反応性シリカ微粒子42を接触させ、エポキシ基とイミノ基とのカップリング反応により結合を形成させ、反応性シリカ微粒子42をエポキシ化シリカ微粒子24の微粒子層の上に結合固定し、次いで、結合固定されなかった反応性シリカ微粒子42を除去する工程Fとを有する。
工程A〜Fにおける、エポキシ化ガラス板14、エポキシ化シリカ微粒子24、反応性ガラス板32、および反応性シリカ微粒子42の調製、ならびにこれらの反応については、第1の実施の形態にかかる微粒子膜1の場合と同様であるので、詳しい説明は省略する。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
実施例1:エポキシ化ガラス板の調製
ガラス板を用意し、洗浄後よく乾燥した。
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(化8、信越化学工業株式会社製)0.99重量部、およびジブチルスズビスアセチルアセトナート(縮合触媒)0.01重量部を秤量し、これを100重量部のヘキサメチルジシロキサン溶媒に溶解し、反応液を調製した。
Figure 2008221369
このようにして得られた反応液をガラス板に塗布し、空気中(相対湿度45%)で2時間程度反応させた。
その後、クロロホルムで洗浄し、余分なアルコキシシラン化合物およびジブチルスズビスアセチルアセトナートを除去した。
実施例2;エポキシ化シリカ微粒子の調製
粒径が100nm程度の無水のシリカ微粒子を用意し、よく乾燥した。
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(化8)0.99重量部、およびジブチルスズビスアセチルアセトナート(縮合触媒)0.01重量部を秤量し、これを100重量部のヘキサメチルジシロキサン溶媒に溶解し、反応液を調製した。
このようにして得られた反応液中にシリカ微粒子を混合し、撹拌しながら空気中(相対湿度45%)で2時間程度反応させた。
その後、トリクレンで洗浄し、余分なアルコキシシラン化合物およびジブチルスズビスアセチルアセトナートを除去した。
実施例3:反応性ガラス板の調製
実施例1で調製したエポキシ化ガラス板の表面に、2−メチルイミダゾールのエタノール溶液を塗布し、100℃で加熱すると、エポキシ基と2−メチルイミダゾールのアミノ基とが反応して反応性ガラス板が得られた。エタノールで洗浄することにより余分な2−メチルイミダゾールを除去した。
実施例4:反応性シリカ微粒子の調製
実施例2で調製したエポキシ化シリカ微粒子を、2−メチルイミダゾールのエタノール溶液中に分散して、100℃で加熱すると、エポキシ基と2−メチルイミダゾールのアミノ基とが反応して反応性ガラス板が得られた。エタノールで洗浄することにより余分な2−メチルイミダゾールを除去した。
実施例5:微粒子膜の調製(1)
実施例3で調製した反応性ガラス板の表面に、実施例2で調製したエポキシ化シリカ微粒子のエタノール分散液を塗布し、100℃で加熱した。反応後、水で洗浄し、余分なエポキシ化シリカ微粒子を除去した。
このようにして得られた、微粒子層が1層積層した単層微粒子膜の表面に、実施例4で調製した反応性シリカ微粒子のエタノール分散液をさらに塗布し、100℃で加熱した。反応後、水で洗浄し、余分な反応性シリカ微粒子を除去すると、2層の微粒子層が積層した累積微粒子膜が得られた。
単層微粒子膜において、微粒子層の厚さは約100nmで、かつ均一性が高かったため、干渉色は観測されなかった。
実施例6:微粒子膜の調製(2)
実施例1で調製したエポキシ化ガラス板の表面に、実施例4で調製した反応性シリカ微粒子のエタノール分散液を塗布し、100℃で加熱した。反応後、水で洗浄し、余分な反応性シリカ微粒子を除去した。
このようにして得られた、微粒子層が1層積層した単層微粒子膜の表面に、実施例2で調製したエポキシ化シリカ微粒子のエタノール分散液をさらに塗布し、100℃で加熱した。反応後、水で洗浄し、余分なエポキシ化シリカ微粒子を除去すると、2層の微粒子層が積層した累積微粒子膜が得られた。
累積微粒子膜において、微粒子層の厚さは約200nmで、かつ均一性が高かったため、干渉色は観測されなかった。
実施例7:微粒子膜の調製(3)
3−アミノプロピルトリメトキシシラン(化9、信越化学工業株式会社製)0.99重量部、および酢酸(縮合触媒)0.01重量部を秤量し、これを100重量部のヘキサメチルジシロキサン−ジメチルホルムアミド混合溶媒(1:1v/v)に溶解した反応液を用いて、実施例1および実施例2と同様の処理を行い、アミノ化ガラス板および粒径が約100nmのアミノ化シリカ微粒子を調製した。
また、カップリング剤として、p−フェニレンジイソシアネートを用いて、実施例3および実施例4と同様の処理を行い、カップリング反応基としてイソシアネート基を有する反応性ガラス板および反応性シリカ微粒子を調製した。
これらの原料を用いて、実施例5および実施例6と同様の処理を行うと、1層または2層の微粒子層が積層した累積微粒子膜が得られた。
2層微粒子膜において、微粒子層の厚さは約200nmで、かつ均一性が高かったため、干渉色は観測されなかった。
Figure 2008221369
(a)は本発明の第1の実施の形態に係る微粒子膜の断面構造を模式的に表した説明図、(b)は同第2の実施の形態に係る微粒子膜の断面構造を模式的に表した説明図である。 同微粒子膜の製造方法において、エポキシ化ガラス板を製造する工程を説明するために分子レベルまで拡大した概念図であり、(a)は反応前のガラス板の断面構造、(b)はエポキシ基を有する膜化合物の単分子膜が形成されたガラス板の断面構造をそれぞれ表す。 同微粒子膜の製造方法において、エポキシ化シリカ微粒子を製造する工程を説明するために分子レベルまで拡大した概念図であり、(a)は反応前のシリカ微粒子の断面構造、(b)はエポキシ基を有する膜化合物の単分子膜が形成されたシリカ微粒子の断面構造をそれぞれ表す。 エポキシ化ガラス板の表面に、エポキシ基と2−メチルイミダゾールのアミノ基とのカップリング反応により形成された結合を介して固定された2−メチルイミダゾールの被膜を有する反応性ガラス板の断面構造を模式的に表した説明図である。 エポキシ化シリカ微粒子の表面に、エポキシ基と2−メチルイミダゾールのアミノ基とのカップリング反応により形成された結合を介して固定された2−メチルイミダゾールの被膜を有する反応性シリカ微粒子の断面構造を模式的に表した説明図である。
符号の説明
1、2:微粒子膜、11:ガラス板、12、22:ヒドロキシル基、13、23:エポキシ基を有する膜化合物の単分子膜、14:エポキシ化ガラス板、21:シリカ微粒子、24:エポキシ化シリカ微粒子、31、41:反応性単分子膜、32:反応性ガラス板、42:反応性シリカ微粒子

Claims (29)

  1. 第1の官能基を有する第1の膜化合物の形成する被膜で被覆された基材の表面に、第2の官能基を有する第2の膜化合物の形成する被膜で被覆された微粒子が配列した微粒子層が1層結合固定された微粒子膜であって、
    前記被覆された微粒子は、前記第1の官能基とカップリング反応して結合を形成する少なくとも1の第1のカップリング反応基と、前記第2の官能基とカップリング反応して結合を形成する少なくとも1の第2のカップリング反応基とを有する第1のカップリング剤と、前記第1および前記第2の官能基とのカップリング反応により形成された結合を介して前記被覆された基材上に固定されていることを特徴とする微粒子膜。
  2. 請求項1記載の微粒子膜において、前記基材の表面に前記第1の膜化合物の形成する被膜の表面の少なくとも前記パターン部分は、前記第1の官能基と前記第1のカップリング反応基とのカップリング反応により結合した前記第1のカップリング剤の形成する被膜でさらに被覆されていることを特徴とする微粒子膜。
  3. 請求項1記載の微粒子膜において、前記第1の膜化合物の形成する被膜は前記基材の表面の前記パターン部分のみを被覆しており、前記微粒子の表面に前記第2の膜化合物の形成する被膜の表面は、前記第2の官能基と前記第2のカップリング反応基とのカップリング反応により結合した前記第1のカップリング剤の形成する被膜でさらに被覆されていることを特徴とする微粒子膜。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の微粒子膜において、前記第1の膜化合物と前記第2の膜化合物とが同一の化合物であることを特徴とする微粒子膜。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の微粒子膜において、前記第1および第2の膜化合物の形成する被膜の一方または双方が単分子膜であることを特徴とする微粒子膜。
  6. 請求項2記載の微粒子膜において、前記被覆された基材上には、前記微粒子層が前記基材側から空気との界面側に向かって第1層から第n層(nは2以上の整数)まで順次積層しており、
    奇数番目の前記微粒子層を形成している前記被覆された微粒子の表面は、前記第2の膜化合物の形成する被膜で被覆されており、
    偶数番目の前記微粒子層を形成している前記被覆された微粒子の表面は、第3の官能基を有する第3の膜化合物の形成する被膜で被覆され、少なくとも1の前記第2のカップリング反応基と、前記第3の官能基とカップリング反応して結合を形成する少なくとも1の第3のカップリング反応基とを有する第2のカップリング剤の形成する被膜によりさらにその表面が被覆されており、
    前記各微粒子層は、前記第2の官能基と前記第2のカップリング反応基とのカップリング反応により形成された結合、および前記第3の官能基と前記第3のカップリング反応基とのカップリング反応により形成された結合を介して互いに固定されていることを特徴とする微粒子膜。
  7. 請求項6記載の微粒子膜において、前記第1〜第3の膜化合物、ならびに前記第1および第2のカップリング剤がそれぞれ同一の化合物であることを特徴とする微粒子膜。
  8. 請求項6および7のいずれか1項に記載の微粒子膜において、前記第1〜第3の膜化合物が形成する被膜が全て単分子膜であることを特徴とする微粒子膜。
  9. 請求項3記載の微粒子膜において、前記被覆された基材上には、前記微粒子層が前記基材側から空気との界面側に向かって第1層から第n層(nは2以上の整数)まで順次積層しており、
    奇数番目の前記微粒子層を形成している前記被覆された微粒子の表面は、前記第2の膜化合物の形成する被膜で被覆され、前記第1のカップリング剤の形成する被膜によりさらにその表面が被覆されており、
    偶数番目の前記微粒子層を形成している前記被覆された微粒子の表面は、前記第1のカップリング反応基と反応する第3の官能基を有する第3の膜化合物の形成する被膜によりその表面が被覆されており、
    各微粒子層は、前記第2の官能基と前記第2のカップリング反応基とのカップリング反応により形成された結合、および前記第3の官能基と前記第1のカップリング反応基とのカップリング反応により形成された結合を介して互いに固定されていることを特徴とする微粒子膜。
  10. 請求項9記載の微粒子膜において、前記第1〜第3の膜化合物が同一の膜化合物であることを特徴とする微粒子膜。
  11. 請求項9および10のいずれか1項に記載の微粒子膜において、前記第1〜第3の膜化合物が形成する被膜がいずれも単分子膜であることを特徴とする微粒子膜。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の微粒子膜において、前記カップリング反応により形成された結合が、アミノ基またはイミノ基とエポキシ基との反応により形成されたN−CHCH(OH)結合であることを特徴とする微粒子膜。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の微粒子膜において、前記カップリング反応により形成された結合が、アミノ基またはイミノ基とイソシアネート基との反応により形成されたNH−CONH結合であることを特徴とする微粒子膜。
  14. 分子の両端にそれぞれ第1の官能基および第1の結合基を有する第1の膜化合物の形成する被膜で被覆された基材の表面に、分子の両端にそれぞれ第2の官能基および第2の結合基を有する第2の膜化合物の形成する被膜で被覆された微粒子が配列した微粒子層が1層結合固定された微粒子膜の製造方法であって、
    前記第1の膜化合物を含む溶液を基材の表面に接触させ、前記第1の結合基と前記基材の表面との間で結合を形成させ、前記第1の膜化合物の形成する被膜で前記基材の表面が被覆された被覆基材を調製する工程Aと、
    前記第2の膜化合物を含む溶液を微粒子の表面に接触させ、前記第2の結合基と前記第1の微粒子の表面との間で結合を形成させ、前記第2の膜化合物の形成する被膜で前記微粒子の表面が被覆された第1の被覆微粒子を調製する工程Bと、
    前記第1の官能基とカップリング反応して結合を形成する1または2以上の第1のカップリング反応基と、前記第2の官能基とカップリング反応して結合を形成する1または2以上の第2のカップリング反応基とを有する第1のカップリング剤を、前記被覆された基材および前記第1の被覆微粒子の表面にそれぞれ接触させ、前記第1の官能基と前記第1のカップリング反応基とのカップリング反応、および前記第2の官能基と前記第2のカップリング反応基とのカップリング反応により結合を形成させ、前記第1の被覆微粒子からなる1層の微粒子層を、前記被覆基材の表面に結合固定し、次いで、前記被覆基材の表面に固定されなかった前記第1の被覆微粒子を除去する工程Cとを有することを特徴とする微粒子膜の製造方法。
  15. 請求項14記載の微粒子膜の製造方法において、前記工程Cでは、前記第1のカップリング剤を、まず、前記被覆基材の表面に接触させ、該第1のカップリング剤の被膜を有する反応性基材を調製し、次いで、該反応性基材の表面に前記第1の被覆微粒子を接触させ、該反応性基材の表面に前記第1の被覆微粒子を固定することを特徴とする微粒子膜の製造方法。
  16. 請求項14記載の微粒子膜の製造方法において、前記工程Cでは、まず、前記第1の被覆微粒子の表面に前記第1のカップリング剤を接触させ、前記第1のカップリング剤の被膜を有する第1の反応性微粒子を調製し、次いで、該第1の反応性微粒子の表面を前記被覆基材と接触させ、該被覆基材の表面に前記第1の反応性微粒子を固定することを特徴とする微粒子膜の製造方法。
  17. 請求項14〜16のいずれか1項に記載の微粒子膜の製造方法において、前記第1の膜化合物と前記第2の膜化合物とが同一の化合物であることを特徴とする微粒子膜の製造方法。
  18. 請求項14〜17のいずれか1項に記載の微粒子膜の製造方法において、前記工程Aおよび前記工程Bにおいて、未反応の前記第1および第2の膜化合物は洗浄除去され、前記被覆基材および前記第1の被覆微粒子の表面で前記第1および第2の膜化合物がそれぞれ形成する被膜は、単分子膜であることを特徴とする微粒子膜の製造方法。
  19. 請求項15記載の微粒子膜の製造方法において、前記基材上には、前記微粒子層が前記基材側から空気との界面側に向かって第1層から第n層(nは2以上の整数)まで順次積層した微粒子膜の製造方法であって、
    分子の両端にそれぞれ第3の官能基および第3の結合基を有する第3の膜化合物を含む溶液を前記微粒子の表面に接触させ、前記第3の結合基と前記微粒子の表面との間で結合を形成させ、前記第3の膜化合物の形成する被膜で表面が被覆された第2の被覆微粒子を被覆し、次いで、前記第2の被覆微粒子の表面に、前記第2のカップリング反応基と、前記第3の官能基とカップリング反応して結合を形成する1または2以上の第3のカップリング反応基とを有する第2のカップリング剤を接触させ、前記第3の官能基と前記第3のカップリング反応基とのカップリング反応により形成させた結合を介して固定された前記第2のカップリング剤の形成する被膜を表面に有する第2の反応性微粒子を調製する工程Dと、
    前記第1の被覆微粒子の微粒子層の表面に前記第2の反応性微粒子を接触させ、前記第2の官能基と前記第2のカップリング反応基とのカップリング反応により結合を形成させ、前記第2の反応性微粒子を前記第1の被覆微粒子の微粒子層の上に結合固定し、次いで、結合固定されなかった前記第2の反応性微粒子を除去する工程Eと、
    前記第2の反応微粒子の微粒子層の表面に前記第1の被覆微粒子を接触させ、前記第2の官能基と前記第2のカップリング反応基とのカップリング反応により結合を形成させ、前記第1の被覆微粒子を前記第2の反応性微粒子の微粒子層の上に結合固定し、次いで、結合固定されなかった前記第1の被覆微粒子を除去する工程Fと、
    前記工程EおよびFをこの順序で繰返し行い、n層の前記微粒子層からなる微粒子膜を形成する工程Gとをさらに有することを特徴とする微粒子膜の製造方法。
  20. 請求項16記載の微粒子膜の製造方法において、前記基材上には、前記微粒子層が前記基材側から空気との界面側に向かって第1層から第n層(nは2以上の整数)まで順次積層した微粒子膜の製造方法であって、
    前記第3の膜化合物を含む溶液を前記微粒子の表面に接触させ、前記第3の結合基と前記微粒子の表面との間で結合を形成させ、前記第3の膜化合物の形成する被膜で前記微粒子の表面が被覆された第2の被膜微粒子を調製する工程Dと、
    前記第1の反応性微粒子の微粒子層の表面に前記第2の被覆微粒子を接触させ、前記第3の官能基と前記第1のカップリング反応基とのカップリング反応により結合を形成させ、前記第2の被覆微粒子を前記第1の反応性微粒子の微粒子層の上に結合固定し、次いで、結合固定されなかった前記第2の被覆微粒子を除去する工程Eと、
    前記第2の被覆微粒子の微粒子層の表面に前記第1の反応性微粒子を接触させ、前記第3の官能基と前記第1のカップリング反応基とのカップリング反応により結合を形成させ、前記第1の反応性微粒子を前記第2の被覆微粒子の微粒子層の上に結合固定し、次いで、結合固定されなかった前記第1の反応性微粒子を除去する工程Fと、
    前記工程EおよびFをこの順序で繰返し行い、n層の前記微粒子層からなる微粒子膜を形成する工程Gとをさらに有することを特徴とする微粒子膜の製造方法。
  21. 請求項19および20のいずれか1項に記載の微粒子膜の製造方法において、前記第1〜第3の膜化合物が同一の化合物であることを特徴とする微粒子膜の製造方法。
  22. 請求項19〜21のいずれか1項に記載の微粒子膜の製造方法において、前記工程Dにおいて、未反応の前記第3の膜化合物は洗浄除去され、前記第2の被覆微粒子の表面上で前記第3の膜化合物が形成する被膜は、単分子膜であることを特徴とする微粒子膜の製造方法。
  23. 請求項14〜18のいずれか1項に記載の微粒子膜の製造方法において、前記第1および第2の膜化合物は全てアルコキシシラン化合物であり、前記第1および第2の膜化合物を含む溶液は、さらに縮合触媒として、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル、およびチタン酸エステルキレートからなる群から選択される1または2以上の化合物を含むことを特徴とする微粒子膜の製造方法。
  24. 請求項14〜18のいずれか1項に記載の微粒子膜の製造方法において、前記第1および第2の膜化合物は全てアルコキシシラン化合物であり、前記第1および第2の膜化合物を含む溶液は、さらに縮合触媒として、ケチミン化合物、有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、およびアミノアルキルアルコキシシラン化合物からなる群より選択される1または2以上の化合物をさらに含むことを特徴とする微粒子膜の製造方法。
  25. 請求項19〜22のいずれか1項に記載の微粒子膜の製造方法において、前記第1〜第3の膜化合物は全てアルコキシシラン化合物であり、前記第1〜第3の膜化合物を含む溶液は、さらに縮合触媒として、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル、およびチタン酸エステルキレートからなる群から選択される1または2以上の化合物を含むことを特徴とする微粒子膜の製造方法。
  26. 請求項19〜22のいずれか1項に記載の微粒子膜の製造方法において、前記第1〜第3の膜化合物は全てアルコキシシラン化合物であり、前記第1〜第3の膜化合物を含む溶液は、さらに縮合触媒として、ケチミン化合物、有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、およびアミノアルキルアルコキシシラン化合物からなる群より選択される1または2以上の化合物をさらに含むことを特徴とする微粒子膜の製造方法。
  27. 請求項23および25のいずれか1項に記載の微粒子膜の製造方法において、さらに助触媒として、ケチミン化合物、有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、およびアミノアルキルアルコキシシラン化合物からなる群より選択される1または2以上の化合物をさらに含むことを特徴とする微粒子膜の製造方法。
  28. 請求項14〜27のいずれか1項に記載の微粒子膜の製造方法において、前記カップリング反応により形成された結合が、アミノ基またはイミノ基とエポキシ基との反応により形成されたN−CHCH(OH)結合であることを特徴とする微粒子膜の製造方法。
  29. 請求項14〜27のいずれか1項に記載の微粒子膜の製造方法において、前記カップリング反応により形成された結合が、アミノ基またはイミノ基とイソシアネート基との反応により形成されたNH−CONH結合であることを特徴とする微粒子膜の製造方法。
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