JP2008221369A - 微粒子膜およびその製造方法。 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】微粒子膜1は、第1の官能基を有する第1の膜化合物の形成する被膜で被覆された基材14の表面に、第1の官能基とカップリング反応により結合を形成する第1のカップリング反応基を有する第1のカップリング剤の形成する被膜で被覆された反応性微粒子42が配列した微粒子層が、第1の官能基と第1のカップリング反応基とのカップリング反応により形成される結合を介して1層結合固定されている。あるいは、さらにその上に第1のカップリング反応基と反応する膜化合物の被膜で被覆された微粒子24および反応性微粒子42が交互に結合固定されている。
【選択図】図1
Description
なお、「カップリング反応」とは、官能基間の付加反応、または縮合反応により生成する任意の反応をいい、熱反応、および光反応のいずれであってもよい。
この場合において、第1の発明に係る微粒子膜において、前記第1〜第3の膜化合物、ならびに前記第1および第2のカップリング剤がぞれぞれ同一の化合物であることが好ましい。また、前記第1〜第3の膜化合物が形成する被膜が全て単分子膜であることが好ましい。
この場合において、第1および第2の膜化合物が同一の膜化合物であることが好ましい。また、前記第1および第2の膜化合物が形成する被膜がいずれも単分子膜であることが好ましい。
また、前記工程Dにおいて、未反応の前記第1の膜化合物は洗浄除去され、前記第2の微粒子の表面上で前記第1の膜化合物が形成する被膜は、単分子膜であることが好ましい。
また、導電性基材の表面に絶縁性の微粒子が配列した微粒子層が1層結合固定されているので、微粒子膜の剥離強度を高めることができる。
さらに、カップリング反応により形成された結合を介して微粒子膜を1層ずつ積層固定するので、微粒子膜の膜厚を容易に制御できる。
請求項7記載の微粒子膜においては、第1〜第3の膜化合物ならびに第1および第2のカップリング剤がそれぞれ同一の化合物であるので、製造コストをさらに低減できる。
請求項8記載の微粒子膜においては、第1〜第3の膜化合物の形成する被膜が全て単分子膜であるので、基材および微粒子の本来の物性や機能を損なうことがない。
請求項10記載の微粒子膜においては、第1〜第3の膜化合物が同一の化合物であるので、製造コストをさらに低減できる。
請求項11記載の微粒子膜においては、第1〜第3の膜化合物の形成する被膜が全て単分子膜であるので、基材および微粒子の本来の物性や機能を損なうことがない。
請求項22に記載の微粒子膜の製造方法においては、第1〜第3の膜化合物の形成する被膜が全て単分子膜であるので、基材および微粒子の本来の物性や機能を損なうことがない。
ここで、図1(a)は本発明の第1の実施の形態に係る微粒子膜の断面構造を模式的に表した説明図、図1(b)は同第2の実施の形態に係る微粒子膜の断面構造を模式的に表した説明図、図2は、同微粒子膜の製造方法において、エポキシ化ガラス板を製造する工程を説明するために分子レベルまで拡大した概念図であり、図2(a)は反応前のガラス板の断面構造、図2(b)はエポキシ基を有する膜化合物の単分子膜が形成されたガラス板の断面構造をそれぞれ表し、図3は、同微粒子膜の製造方法において、エポキシ化シリカ微粒子を製造する工程を説明するために分子レベルまで拡大した概念図であり、図3(a)は反応前のシリカ微粒子の断面構造、図3(b)はエポキシ基を有する膜化合物の単分子膜が形成されたシリカ微粒子の断面構造をそれぞれ表し、図4は、エポキシ化ガラス板の表面に、エポキシ基と2−メチルイミダゾールのアミノ基とのカップリング反応により形成された結合を介して固定された2−メチルイミダゾールの被膜を有する反応性ガラス板の断面構造を模式的に表した説明図、図5は、エポキシ化シリカ微粒子の表面に、エポキシ基と2−メチルイミダゾールのアミノ基とのカップリング反応により形成された結合を介して固定された2−メチルイミダゾールの被膜を有する反応性シリカ微粒子の断面構造を模式的に表した説明図である。
図1(a)に示すように、微粒子膜1は、反応性ガラス板(反応性基材の一例)32の表面に、エポキシ化シリカ微粒子(第1の被覆微粒子の一例)24が配列した微粒子層が1層結合固定されている。微粒子層は、エポキシ化ガラス板14側から空気との界面側に向かって第1層から第n層(nは2以上の整数で、本実施の形態においてはn=2)まで順次積層している。
2層目の微粒子層を形成しているエポキシ化シリカ微粒子24の表面は、2−メチルイミダゾール(第3のカップリング剤の一例)のアミノ基(第3のカップリング反応基の一例)とエポキシ基とのカップリング反応により形成された結合を介して固定された2-メチルイミダゾールの被膜でさらに被覆されている。
反応性ガラス板32と第1層目の微粒子層を形成するエポキシ化シリカ微粒子24、および奇数層目の微粒子層を形成するエポキシ化シリカ微粒子24と第2層目の微粒子層を形成する反応性シリカ微粒子42との間は、エポキシ基と2−メチルイミダゾールのアミノ基またはイミノ基とのカップリング反応により形成された結合を介して互いに結合固定されている。
工程Aでは、エポキシ基を有する膜化合物をガラス板11に接触させ、エポキシ基を有する膜化合物の単分子膜13で表面が覆われたエポキシ化ガラス板14を製造する(図2)。
なお、ガラス板11の大きさには特に制限はない。
用いることのできるエポキシ基を有する膜化合物の具体例としては、下記(1)〜(12)に示したアルコキシシラン化合物が挙げられる。
(2) (CH2OCH)CH2O(CH2)7Si(OCH3)3
(3) (CH2OCH)CH2O(CH2)11Si(OCH3)3
(4) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)2Si(OCH3)3
(5) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)4Si(OCH3)3
(6) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)6Si(OCH3)3
(7) (CH2OCH)CH2O(CH2)3Si(OC2H5)3
(8) (CH2OCH)CH2O(CH2)7Si(OC2H5)3
(9) (CH2OCH)CH2O(CH2)11Si(OC2H5)3
(10) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)2Si(OC2H5)3
(11) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)4Si(OC2H5)3
(12) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)6Si(OC2H5)3
縮合触媒の添加量は、好ましくはアルコキシシラン化合物の0.2〜5質量%であり、より好ましくは0.5〜1質量%である。
カルボン酸金属塩ポリマーの具体例としては、ジブチルスズマレイン酸塩ポリマー、ジメチルスズメルカプトプロピオン酸塩ポリマーが挙げられる。
カルボン酸金属塩キレートの具体例としては、ジブチルスズビスアセチルアセテート、ジオクチルスズビスアセチルラウレートが挙げられる。
チタン酸エステルキレート類の具体例としては、ビス(アセチルアセトニル)ジ−プロピルチタネートが挙げられる。
縮合触媒として上述の金属塩のいずれかを用いた場合、縮合反応の完了までに要する時間は2時間程度である。
さらに、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、あるいはそれらの混合物を用いることもできる。
用いることのできるアミノ基を有する膜化合物の具体例としては、下記(21)〜(28)に示したアルコキシシラン化合物が挙げられる。
(22) H2N(CH2)5Si(OCH3)3
(23) H2N(CH2)7Si(OCH3)3
(24) H2N(CH2)9Si(OCH3)3
(25) H2N(CH2)5Si(OC2H5)3
(26) H2N(CH2)5Si(OC2H5)3
(27) H2N(CH2)7Si(OC2H5)3
(28) H2N(CH2)9Si(OC2H5)3
したがって、アミノ基を有するアルコキシシラン化合物を用いる場合には、カルボン酸スズ塩、カルボン酸エステルスズ塩、カルボン酸スズ塩ポリマー、カルボン酸スズ塩キレートを除き、エポキシ基を有するアルコキシシラン化合物の場合と同様の化合物を単独でまたは2種類以上を混合して縮合触媒として用いることができる。
用いることのできる助触媒の種類およびそれらの組み合わせ、溶媒の種類、アルコキシシラン化合物、縮合触媒、および助触媒の濃度、反応条件ならびに反応時間についてはエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物の場合と同様であるので、説明を省略する。
(以上工程A)
反応後、生成したエポキシ化シリカ微粒子24を溶媒で洗浄せずに空気中に放置すると、表面に残ったアルコキシシラン化合物の一部が空気中の水分により加水分解を受け、生成したシラノール基がアルコキシシリル基と縮合反応を起こす。その結果、エポキシ化シリカ微粒子24の表面にポリシロキサンよりなる極薄のポリマー膜が形成される。このポリマー膜は、エポキシ化シリカ微粒子24の表面に共有結合により固定されていないが、エポキシ基を含んでいるため、エポキシ化シリカ微粒子24に対してエポキシ基を有する膜化合物の単分子膜23と同様の反応性を有している。そのため、洗浄を行わなくても、工程C以降の製造工程に特に支障をきたすことはない。
また、本実施の形態においては工程Aと同一のアルコキシシラン化合物を用いているが、異なるアルコキシシラン化合物を用いてもよい。ただし、工程Cにおいて用いるカップリング剤のカップリング反応基と反応して結合を形成する官能基を有するものでなければならない。
「無機微粒子」には、導体微粒子、半導体微粒子、絶縁体微粒子、磁気微粒子、蛍光体微粒子、光吸収微粒子、光透過微粒子、顔料微粒子が含まれている。「有機微粒子」には、有機蛍光体微粒子、有機光吸収微粒子、有機光透過微粒子、有機顔料微粒子、薬物微粒子が含まれている。
「有機−無機ハイブリッド微粒子」には、DDS(Drug Delivery System)用薬物微粒子、化粧用微粒子、有機−無機ハイブリッド顔料微粒子が含まれている。
(以上工程B)
膜前駆体の製造には、2−メチルイミダゾールが可溶な任意の溶媒を用いることができるが、価格、室温での揮発性、および毒性等を考慮すると、イソプロピルアルコール、エタノール等の低級アルコール系溶媒が好ましい。
2−メチルイミダゾールの添加量、塗布する溶液の濃度、反応温度および反応時間は、用いる基材および微粒子の種類、形成する微粒子膜の膜厚等に応じて適宜調節される。
加熱温度は、100〜200℃が好ましい。加熱温度が100℃未満だと、カップリング反応の進行に長時間を要し、200℃を上回ると、エポキシ基を有する単分子膜23や反応性単分子膜31の分解反応が起こり、均一な微粒子膜1が得られない。
(31) 2−メチルイミダゾール(R2=Me、R4=R5=H)
(32) 2−ウンデシルイミダゾール(R2=C11H23、R4=R5=H)
(33) 2−ペンタデシルイミダゾール(R2=C15H31、R4=R5=H)
(34) 2−メチル−4−エチルイミダゾール(R2=Me、R4=Et、R5=H)
(35) 2−フェニルイミダゾール(R2=Ph、R4=R5=H)
(36) 2−フェニル−4−エチルイミダゾール(R2=Ph、R4=Et、R5=H)
(37) 2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(R2=Ph、R4=Me、R5=CH2OH)
(38) 2−フェニル−4,5−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾール(R2=Ph、R4=R5=CH2OH)
なお、Me、Et、およびPhは、それぞれメチル基、エチル基、およびフェニル基を表す。
これらのジイソシアネート化合物の添加量は、2−メチルイミダゾールの場合と同様、エポキシ化シリカ微粒子の5〜15重量%が好ましい。この場合、膜前駆体の製造に用いることのできる溶媒としては、キシレン等の芳香族有機溶媒が挙げられる。
また、アミノ基を有する膜化合物を用いる場合には、架橋剤としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル等の2または3以上のエポキシ基を有する化合物を用いることもできる。
(以上工程C)
用いられる2−メチルイミダゾール溶液の濃度、反応条件等は、溶液を塗布するのではなく、エポキシ化シリカ微粒子24を溶液中に分散させて加熱することを除くと、工程Cにおける反応性ガラス板32の調製の場合と同様であるので、詳しい説明を省略する。他に用いることのできるカップリング剤についても、工程Cにおける反応性ガラス板42の調製の場合と同様である。
(以上工程D)
また、工程Fでは、反応性シリカ微粒子42の微粒子層を有する微粒子膜1の表面にエポキシ化シリカ微粒子24を接触させ、エポキシ基とイミノ基とのカップリング反応により結合を形成させ、エポキシ化シリカ微粒子24を反応性シリカ微粒子42の微粒子層の上に結合固定し、次いで、結合固定されなかったエポキシ化シリカ微粒子24を除去する。
工程E、Fにおける反応条件については、工程Dと同様であるので、詳しい説明を省略する。
(以上工程EおよびF)
図1(b)に示すように、微粒子膜2は、エポキシ化ガラス板14の表面に、反応性シリカ微粒子42が配列した微粒子層が1層結合固定されている。微粒子層は、エポキシ化ガラス板14側から空気との界面側に向かって第1層から第n層(nは2以上の整数で、本実施の形態においてはn=2)まで順次積層している。
1層目の微粒子層を形成している反応性シリカ微粒子42の表面は、2−メチルイミダゾールのアミノ基とエポキシ基とのカップリング反応により形成された結合を介して固定された2-メチルイミダゾールの被膜でさらに被覆されている。
エポキシ化ガラス板14と第1層目の微粒子層を形成する反応性シリカ微粒子42、および奇数層目の微粒子層を形成する反応性シリカ微粒子42と偶数層目の微粒子層を形成するエポキシ化シリカ微粒子24との間は、エポキシ基と2−メチルイミダゾールのアミノ基またはイミノ基とのカップリング反応により形成された結合を介して互いに結合固定されている。
ガラス板を用意し、洗浄後よく乾燥した。
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(化8、信越化学工業株式会社製)0.99重量部、およびジブチルスズビスアセチルアセトナート(縮合触媒)0.01重量部を秤量し、これを100重量部のヘキサメチルジシロキサン溶媒に溶解し、反応液を調製した。
その後、クロロホルムで洗浄し、余分なアルコキシシラン化合物およびジブチルスズビスアセチルアセトナートを除去した。
粒径が100nm程度の無水のシリカ微粒子を用意し、よく乾燥した。
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(化8)0.99重量部、およびジブチルスズビスアセチルアセトナート(縮合触媒)0.01重量部を秤量し、これを100重量部のヘキサメチルジシロキサン溶媒に溶解し、反応液を調製した。
その後、トリクレンで洗浄し、余分なアルコキシシラン化合物およびジブチルスズビスアセチルアセトナートを除去した。
実施例1で調製したエポキシ化ガラス板の表面に、2−メチルイミダゾールのエタノール溶液を塗布し、100℃で加熱すると、エポキシ基と2−メチルイミダゾールのアミノ基とが反応して反応性ガラス板が得られた。エタノールで洗浄することにより余分な2−メチルイミダゾールを除去した。
実施例2で調製したエポキシ化シリカ微粒子を、2−メチルイミダゾールのエタノール溶液中に分散して、100℃で加熱すると、エポキシ基と2−メチルイミダゾールのアミノ基とが反応して反応性ガラス板が得られた。エタノールで洗浄することにより余分な2−メチルイミダゾールを除去した。
実施例3で調製した反応性ガラス板の表面に、実施例2で調製したエポキシ化シリカ微粒子のエタノール分散液を塗布し、100℃で加熱した。反応後、水で洗浄し、余分なエポキシ化シリカ微粒子を除去した。
このようにして得られた、微粒子層が1層積層した単層微粒子膜の表面に、実施例4で調製した反応性シリカ微粒子のエタノール分散液をさらに塗布し、100℃で加熱した。反応後、水で洗浄し、余分な反応性シリカ微粒子を除去すると、2層の微粒子層が積層した累積微粒子膜が得られた。
単層微粒子膜において、微粒子層の厚さは約100nmで、かつ均一性が高かったため、干渉色は観測されなかった。
実施例1で調製したエポキシ化ガラス板の表面に、実施例4で調製した反応性シリカ微粒子のエタノール分散液を塗布し、100℃で加熱した。反応後、水で洗浄し、余分な反応性シリカ微粒子を除去した。
このようにして得られた、微粒子層が1層積層した単層微粒子膜の表面に、実施例2で調製したエポキシ化シリカ微粒子のエタノール分散液をさらに塗布し、100℃で加熱した。反応後、水で洗浄し、余分なエポキシ化シリカ微粒子を除去すると、2層の微粒子層が積層した累積微粒子膜が得られた。
累積微粒子膜において、微粒子層の厚さは約200nmで、かつ均一性が高かったため、干渉色は観測されなかった。
3−アミノプロピルトリメトキシシラン(化9、信越化学工業株式会社製)0.99重量部、および酢酸(縮合触媒)0.01重量部を秤量し、これを100重量部のヘキサメチルジシロキサン−ジメチルホルムアミド混合溶媒(1:1v/v)に溶解した反応液を用いて、実施例1および実施例2と同様の処理を行い、アミノ化ガラス板および粒径が約100nmのアミノ化シリカ微粒子を調製した。
また、カップリング剤として、p−フェニレンジイソシアネートを用いて、実施例3および実施例4と同様の処理を行い、カップリング反応基としてイソシアネート基を有する反応性ガラス板および反応性シリカ微粒子を調製した。
これらの原料を用いて、実施例5および実施例6と同様の処理を行うと、1層または2層の微粒子層が積層した累積微粒子膜が得られた。
2層微粒子膜において、微粒子層の厚さは約200nmで、かつ均一性が高かったため、干渉色は観測されなかった。
Claims (29)
- 第1の官能基を有する第1の膜化合物の形成する被膜で被覆された基材の表面に、第2の官能基を有する第2の膜化合物の形成する被膜で被覆された微粒子が配列した微粒子層が1層結合固定された微粒子膜であって、
前記被覆された微粒子は、前記第1の官能基とカップリング反応して結合を形成する少なくとも1の第1のカップリング反応基と、前記第2の官能基とカップリング反応して結合を形成する少なくとも1の第2のカップリング反応基とを有する第1のカップリング剤と、前記第1および前記第2の官能基とのカップリング反応により形成された結合を介して前記被覆された基材上に固定されていることを特徴とする微粒子膜。 - 請求項1記載の微粒子膜において、前記基材の表面に前記第1の膜化合物の形成する被膜の表面の少なくとも前記パターン部分は、前記第1の官能基と前記第1のカップリング反応基とのカップリング反応により結合した前記第1のカップリング剤の形成する被膜でさらに被覆されていることを特徴とする微粒子膜。
- 請求項1記載の微粒子膜において、前記第1の膜化合物の形成する被膜は前記基材の表面の前記パターン部分のみを被覆しており、前記微粒子の表面に前記第2の膜化合物の形成する被膜の表面は、前記第2の官能基と前記第2のカップリング反応基とのカップリング反応により結合した前記第1のカップリング剤の形成する被膜でさらに被覆されていることを特徴とする微粒子膜。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の微粒子膜において、前記第1の膜化合物と前記第2の膜化合物とが同一の化合物であることを特徴とする微粒子膜。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の微粒子膜において、前記第1および第2の膜化合物の形成する被膜の一方または双方が単分子膜であることを特徴とする微粒子膜。
- 請求項2記載の微粒子膜において、前記被覆された基材上には、前記微粒子層が前記基材側から空気との界面側に向かって第1層から第n層(nは2以上の整数)まで順次積層しており、
奇数番目の前記微粒子層を形成している前記被覆された微粒子の表面は、前記第2の膜化合物の形成する被膜で被覆されており、
偶数番目の前記微粒子層を形成している前記被覆された微粒子の表面は、第3の官能基を有する第3の膜化合物の形成する被膜で被覆され、少なくとも1の前記第2のカップリング反応基と、前記第3の官能基とカップリング反応して結合を形成する少なくとも1の第3のカップリング反応基とを有する第2のカップリング剤の形成する被膜によりさらにその表面が被覆されており、
前記各微粒子層は、前記第2の官能基と前記第2のカップリング反応基とのカップリング反応により形成された結合、および前記第3の官能基と前記第3のカップリング反応基とのカップリング反応により形成された結合を介して互いに固定されていることを特徴とする微粒子膜。 - 請求項6記載の微粒子膜において、前記第1〜第3の膜化合物、ならびに前記第1および第2のカップリング剤がそれぞれ同一の化合物であることを特徴とする微粒子膜。
- 請求項6および7のいずれか1項に記載の微粒子膜において、前記第1〜第3の膜化合物が形成する被膜が全て単分子膜であることを特徴とする微粒子膜。
- 請求項3記載の微粒子膜において、前記被覆された基材上には、前記微粒子層が前記基材側から空気との界面側に向かって第1層から第n層(nは2以上の整数)まで順次積層しており、
奇数番目の前記微粒子層を形成している前記被覆された微粒子の表面は、前記第2の膜化合物の形成する被膜で被覆され、前記第1のカップリング剤の形成する被膜によりさらにその表面が被覆されており、
偶数番目の前記微粒子層を形成している前記被覆された微粒子の表面は、前記第1のカップリング反応基と反応する第3の官能基を有する第3の膜化合物の形成する被膜によりその表面が被覆されており、
各微粒子層は、前記第2の官能基と前記第2のカップリング反応基とのカップリング反応により形成された結合、および前記第3の官能基と前記第1のカップリング反応基とのカップリング反応により形成された結合を介して互いに固定されていることを特徴とする微粒子膜。 - 請求項9記載の微粒子膜において、前記第1〜第3の膜化合物が同一の膜化合物であることを特徴とする微粒子膜。
- 請求項9および10のいずれか1項に記載の微粒子膜において、前記第1〜第3の膜化合物が形成する被膜がいずれも単分子膜であることを特徴とする微粒子膜。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の微粒子膜において、前記カップリング反応により形成された結合が、アミノ基またはイミノ基とエポキシ基との反応により形成されたN−CH2CH(OH)結合であることを特徴とする微粒子膜。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の微粒子膜において、前記カップリング反応により形成された結合が、アミノ基またはイミノ基とイソシアネート基との反応により形成されたNH−CONH結合であることを特徴とする微粒子膜。
- 分子の両端にそれぞれ第1の官能基および第1の結合基を有する第1の膜化合物の形成する被膜で被覆された基材の表面に、分子の両端にそれぞれ第2の官能基および第2の結合基を有する第2の膜化合物の形成する被膜で被覆された微粒子が配列した微粒子層が1層結合固定された微粒子膜の製造方法であって、
前記第1の膜化合物を含む溶液を基材の表面に接触させ、前記第1の結合基と前記基材の表面との間で結合を形成させ、前記第1の膜化合物の形成する被膜で前記基材の表面が被覆された被覆基材を調製する工程Aと、
前記第2の膜化合物を含む溶液を微粒子の表面に接触させ、前記第2の結合基と前記第1の微粒子の表面との間で結合を形成させ、前記第2の膜化合物の形成する被膜で前記微粒子の表面が被覆された第1の被覆微粒子を調製する工程Bと、
前記第1の官能基とカップリング反応して結合を形成する1または2以上の第1のカップリング反応基と、前記第2の官能基とカップリング反応して結合を形成する1または2以上の第2のカップリング反応基とを有する第1のカップリング剤を、前記被覆された基材および前記第1の被覆微粒子の表面にそれぞれ接触させ、前記第1の官能基と前記第1のカップリング反応基とのカップリング反応、および前記第2の官能基と前記第2のカップリング反応基とのカップリング反応により結合を形成させ、前記第1の被覆微粒子からなる1層の微粒子層を、前記被覆基材の表面に結合固定し、次いで、前記被覆基材の表面に固定されなかった前記第1の被覆微粒子を除去する工程Cとを有することを特徴とする微粒子膜の製造方法。 - 請求項14記載の微粒子膜の製造方法において、前記工程Cでは、前記第1のカップリング剤を、まず、前記被覆基材の表面に接触させ、該第1のカップリング剤の被膜を有する反応性基材を調製し、次いで、該反応性基材の表面に前記第1の被覆微粒子を接触させ、該反応性基材の表面に前記第1の被覆微粒子を固定することを特徴とする微粒子膜の製造方法。
- 請求項14記載の微粒子膜の製造方法において、前記工程Cでは、まず、前記第1の被覆微粒子の表面に前記第1のカップリング剤を接触させ、前記第1のカップリング剤の被膜を有する第1の反応性微粒子を調製し、次いで、該第1の反応性微粒子の表面を前記被覆基材と接触させ、該被覆基材の表面に前記第1の反応性微粒子を固定することを特徴とする微粒子膜の製造方法。
- 請求項14〜16のいずれか1項に記載の微粒子膜の製造方法において、前記第1の膜化合物と前記第2の膜化合物とが同一の化合物であることを特徴とする微粒子膜の製造方法。
- 請求項14〜17のいずれか1項に記載の微粒子膜の製造方法において、前記工程Aおよび前記工程Bにおいて、未反応の前記第1および第2の膜化合物は洗浄除去され、前記被覆基材および前記第1の被覆微粒子の表面で前記第1および第2の膜化合物がそれぞれ形成する被膜は、単分子膜であることを特徴とする微粒子膜の製造方法。
- 請求項15記載の微粒子膜の製造方法において、前記基材上には、前記微粒子層が前記基材側から空気との界面側に向かって第1層から第n層(nは2以上の整数)まで順次積層した微粒子膜の製造方法であって、
分子の両端にそれぞれ第3の官能基および第3の結合基を有する第3の膜化合物を含む溶液を前記微粒子の表面に接触させ、前記第3の結合基と前記微粒子の表面との間で結合を形成させ、前記第3の膜化合物の形成する被膜で表面が被覆された第2の被覆微粒子を被覆し、次いで、前記第2の被覆微粒子の表面に、前記第2のカップリング反応基と、前記第3の官能基とカップリング反応して結合を形成する1または2以上の第3のカップリング反応基とを有する第2のカップリング剤を接触させ、前記第3の官能基と前記第3のカップリング反応基とのカップリング反応により形成させた結合を介して固定された前記第2のカップリング剤の形成する被膜を表面に有する第2の反応性微粒子を調製する工程Dと、
前記第1の被覆微粒子の微粒子層の表面に前記第2の反応性微粒子を接触させ、前記第2の官能基と前記第2のカップリング反応基とのカップリング反応により結合を形成させ、前記第2の反応性微粒子を前記第1の被覆微粒子の微粒子層の上に結合固定し、次いで、結合固定されなかった前記第2の反応性微粒子を除去する工程Eと、
前記第2の反応微粒子の微粒子層の表面に前記第1の被覆微粒子を接触させ、前記第2の官能基と前記第2のカップリング反応基とのカップリング反応により結合を形成させ、前記第1の被覆微粒子を前記第2の反応性微粒子の微粒子層の上に結合固定し、次いで、結合固定されなかった前記第1の被覆微粒子を除去する工程Fと、
前記工程EおよびFをこの順序で繰返し行い、n層の前記微粒子層からなる微粒子膜を形成する工程Gとをさらに有することを特徴とする微粒子膜の製造方法。 - 請求項16記載の微粒子膜の製造方法において、前記基材上には、前記微粒子層が前記基材側から空気との界面側に向かって第1層から第n層(nは2以上の整数)まで順次積層した微粒子膜の製造方法であって、
前記第3の膜化合物を含む溶液を前記微粒子の表面に接触させ、前記第3の結合基と前記微粒子の表面との間で結合を形成させ、前記第3の膜化合物の形成する被膜で前記微粒子の表面が被覆された第2の被膜微粒子を調製する工程Dと、
前記第1の反応性微粒子の微粒子層の表面に前記第2の被覆微粒子を接触させ、前記第3の官能基と前記第1のカップリング反応基とのカップリング反応により結合を形成させ、前記第2の被覆微粒子を前記第1の反応性微粒子の微粒子層の上に結合固定し、次いで、結合固定されなかった前記第2の被覆微粒子を除去する工程Eと、
前記第2の被覆微粒子の微粒子層の表面に前記第1の反応性微粒子を接触させ、前記第3の官能基と前記第1のカップリング反応基とのカップリング反応により結合を形成させ、前記第1の反応性微粒子を前記第2の被覆微粒子の微粒子層の上に結合固定し、次いで、結合固定されなかった前記第1の反応性微粒子を除去する工程Fと、
前記工程EおよびFをこの順序で繰返し行い、n層の前記微粒子層からなる微粒子膜を形成する工程Gとをさらに有することを特徴とする微粒子膜の製造方法。 - 請求項19および20のいずれか1項に記載の微粒子膜の製造方法において、前記第1〜第3の膜化合物が同一の化合物であることを特徴とする微粒子膜の製造方法。
- 請求項19〜21のいずれか1項に記載の微粒子膜の製造方法において、前記工程Dにおいて、未反応の前記第3の膜化合物は洗浄除去され、前記第2の被覆微粒子の表面上で前記第3の膜化合物が形成する被膜は、単分子膜であることを特徴とする微粒子膜の製造方法。
- 請求項14〜18のいずれか1項に記載の微粒子膜の製造方法において、前記第1および第2の膜化合物は全てアルコキシシラン化合物であり、前記第1および第2の膜化合物を含む溶液は、さらに縮合触媒として、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル、およびチタン酸エステルキレートからなる群から選択される1または2以上の化合物を含むことを特徴とする微粒子膜の製造方法。
- 請求項14〜18のいずれか1項に記載の微粒子膜の製造方法において、前記第1および第2の膜化合物は全てアルコキシシラン化合物であり、前記第1および第2の膜化合物を含む溶液は、さらに縮合触媒として、ケチミン化合物、有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、およびアミノアルキルアルコキシシラン化合物からなる群より選択される1または2以上の化合物をさらに含むことを特徴とする微粒子膜の製造方法。
- 請求項19〜22のいずれか1項に記載の微粒子膜の製造方法において、前記第1〜第3の膜化合物は全てアルコキシシラン化合物であり、前記第1〜第3の膜化合物を含む溶液は、さらに縮合触媒として、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル、およびチタン酸エステルキレートからなる群から選択される1または2以上の化合物を含むことを特徴とする微粒子膜の製造方法。
- 請求項19〜22のいずれか1項に記載の微粒子膜の製造方法において、前記第1〜第3の膜化合物は全てアルコキシシラン化合物であり、前記第1〜第3の膜化合物を含む溶液は、さらに縮合触媒として、ケチミン化合物、有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、およびアミノアルキルアルコキシシラン化合物からなる群より選択される1または2以上の化合物をさらに含むことを特徴とする微粒子膜の製造方法。
- 請求項23および25のいずれか1項に記載の微粒子膜の製造方法において、さらに助触媒として、ケチミン化合物、有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、およびアミノアルキルアルコキシシラン化合物からなる群より選択される1または2以上の化合物をさらに含むことを特徴とする微粒子膜の製造方法。
- 請求項14〜27のいずれか1項に記載の微粒子膜の製造方法において、前記カップリング反応により形成された結合が、アミノ基またはイミノ基とエポキシ基との反応により形成されたN−CH2CH(OH)結合であることを特徴とする微粒子膜の製造方法。
- 請求項14〜27のいずれか1項に記載の微粒子膜の製造方法において、前記カップリング反応により形成された結合が、アミノ基またはイミノ基とイソシアネート基との反応により形成されたNH−CONH結合であることを特徴とする微粒子膜の製造方法。
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