JP2007290406A - 単層微粒子膜と累積微粒子膜およびそれらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】粒子サイズレベルで均一な厚みを有する単層微粒子膜の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】基材表面を第1のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に接触させてアルコキシシラン化合物と基材表面を反応させて基材表面に第1の反応性の有機膜を形成する工程と、微粒子を第2のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に分散させてアルコキシシラン化合物と微粒子表面を反応させて微粒子表面に第2の反応性の有機膜を形成する工程と、第1の反応性の有機膜の形成された基材表面に第2の反応性の有機膜で被覆された微粒子を接触させて反応させる工程を有する。基材表面に1層形成された微粒子の膜が微粒子表面に形成された第1の有機膜と基材表面に形成された第2の有機膜を介して互いに共有結合している単層微粒子膜を得る。
【選択図】図1
Description
また、第1の反応性の単分子膜にエポキシ基を含め第2の反応性の単分子膜がイミノ基を含めておくか、第1の反応性の単分子膜がイミノ基を含め第2の反応性の単分子膜がエポキシ基を含めておくと基材表面に共有結合した単層微粒子膜を作製する上で都合がよい。
また、シラノール縮合触媒に助触媒としてケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物から選ばれる少なくとも1つを混合して用いるとさらに製膜時間を短縮できて都合がよい。
また、微粒子表面に形成された第1の有機被膜と基材表面に形成された第2の有機膜が単分子膜で構成されていると膜厚均一性を改善する上で都合がよい。
また、第2の単層微粒子膜を形成する工程の後、同様に第1の単層微粒子膜を形成する工程と第2の単層微粒子膜を形成する工程を繰り返し行えば、多層構造の累積微粒子膜を容易に製造できる。
また、シラノール縮合触媒に助触媒としてケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物から選ばれる少なくとも1つを混合して用いるとさらに製膜時間を短縮できて都合がよい。
またここで、微粒子表面に形成された有機被膜を2種類用い、第1の有機膜が形成された微粒子と第2の有機膜が形成された微粒子とを交互に積層すると多層の累積微粒子膜を単層純なプロセスで製造する上で都合がよい。
なお、微粒子の素材がAuの場合には、末端のSi(OCH3)3を−SH、あるいはトリアジンチオール基で置換した薬剤、例えば、H2N(CH2)11−SH、あるいはH2N(CH2)2−SH等を用いれば、Sを介してアミノ基を含む単分子膜が形成された金微粒子を製造できた。一方、−SHとメトキシシリル基を両末端にもつ薬剤、例えばHS(CH2)3Si(OCH3)3をもちいれば、Sを介して表面にメトキシシリル基を含む単分子膜が形成された金微粒子を製造できた。さらに、この金微粒子は、メトキシシリルキを表面に持つため、本実施例の単分子膜形成と同じように基材表面に直接単層金微粒子膜を形成できた。
なお、この被膜はナノメートルレベルの膜厚で極めて薄いため、ガラス基材の透明性を損なうことはなかった。
一方、アミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたガラス基材表面に、エポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたシリカ微粒子の被膜を形成した場合には、ガラス基材表面に共有結合したエポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたシリカ微粒子が1層のみ並べた状態で、且つ粒子サイズレベルで均一厚みの単層微粒子膜が形成できた。
ここで、シリカ微粒子の単層微粒子膜が形成されたガラス基材の光透過率を測定すると、シリカ微粒子の単層微粒子膜が形成されていないガラス基材より2%程度光透過率が良くなっていた。つまりこの被膜は、反射防止膜の機能があった。
以下同様に、アミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたシリカ微粒子とエポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたシリカ微粒子を交互に積層すると、多層構造の微粒子の被膜も累積製造できた。
(1) (CH2OCH)CH2O(CH2)7Si(OCH3)3
(2) (CH2OCH)CH2O(CH2)11Si(OCH3)3
(3) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)2Si(OCH3)3
(4) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)4Si(OCH3)3
(5) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)6Si(OCH3)3
(6) (CH2OCH)CH2O(CH2)7Si(OC2H5)3
(7) (CH2OCH)CH2O(CH2)11Si(OC2H5)3
(8) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)2Si(OC2H5)3
(9) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)4Si(OC2H5)3
(10) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)6Si(OC2H5)3
(11) H2N (CH2)5Si(OCH3)3
(12) H2N (CH2)7Si(OCH3)3
(13) H2N (CH2)9Si(OCH3)3
(14) H2N (CH2)5Si(OC2H5)3
(15) H2N (CH2)7Si(OC2H5)3
(16) H2N (CH2)9Si(OC2H5)3
ここで、(CH2OCH)−基は、下記式(化6)で表される官能基を表し、(CH2CHOCH(CH2)2)CH−基は、下記式(化7)で表される官能基を表す。
2 水酸基
3 エポキシ基を含む単分子膜
4 アミノ基を含む単分子膜
5 エポキシ基を含む単分子膜で被われたシリカ微粒子
6 アミノ基を含む単分子膜で被われたシリカ微粒子
11 ガラス基材
12 水酸基
13 エポキシ基を含む単分子膜
14 アミノ基を含む単分子膜
15 エポキシ基を含む単分子膜で被われたガラス基材
16 アミノ基を含む単分子膜で被われたガラス基材
17 単層微粒子膜
18 2層構造の単層微粒子膜
Claims (15)
- 基材表面に1層形成された微粒子膜が基材表面に形成された第1の有機膜と微粒子表面に形成された第2の有機膜を介して互いに共有結合しており、前記共有結合が、3,4−エポキシヘキシル基(化7)とイミノ基の反応で形成された−N−C−の結合であることを特徴とする単層微粒子膜。
- 基材表面に形成された第1の有機被膜と微粒子表面に形成された第2の有機膜が単分子膜で構成されていることを特徴とする請求項1記載の単層微粒子膜。
- 基材表面を少なくとも第1の3,4−エポキシヘキシル基(化7)を含むアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液に接触させてアルコキシシラン化合物と基材表面を反応させて基材表面に第1の反応性の有機膜を形成する工程と、微粒子を少なくとも第2のイミノ基を含むアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒としての有機酸と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に分散させてアルコキシシラン化合物と微粒子表面を反応させて微粒子表面に第2の反応性の有機膜を形成する工程と、第1の反応性の有機膜の形成された基材表面に第2の反応性の有機膜で被覆された微粒子を接触させて反応させる工程と、余分な第2の反応性の有機膜で被覆された微粒子を洗浄除去することを特徴とする単層微粒子膜の製造方法。
- 基材表面を少なくとも第1の3,4−エポキシヘキシル基(化7)を含むアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液に接触させてアルコキシシラン化合物と基材表面を反応させて基材表面に第1の反応性の有機膜を形成する工程、および微粒子を少なくとも第2のイミノ基を含むアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒としての有機酸と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に分散させてアルコキシシラン化合物と微粒子表面を反応させて微粒子表面に第2の反応性の有機膜を形成する工程の後に、それぞれ基材および微粒子表面を有機溶剤で洗浄して基材及び微粒子表面に共有結合した第1及び第2の反応性の単分子膜を形成することを特徴とする請求項3記載の単層微粒子膜の製造方法。
- 第1の3,4−エポキシヘキシル基(化7)を含むアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液の代わりに、イミノ基を含むアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒としての有機酸と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液を、第2のイミノ基を含むアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒としての有機酸と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液の代わりに、3,4−エポキシヘキシル基(化7)を含むアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液を用いることを特徴とする請求項3および4のいずれか1項に記載の単層微粒子膜の製造方法。
- 基材表面に層状に累積され微粒子膜が微粒子表面に形成された有機被膜を介して層間で互いに共有結合しており、前記共有結合が、3,4−エポキシヘキシル基(化7)とイミノ基の反応で形成された−N−C−の結合であるいることを特徴とする累積微粒子膜。
- 微粒子表面に形成された有機被膜が2種類有り、第1の有機膜が形成された微粒子と第2の有機膜が形成された微粒子とが交互に積層されていることを特徴とする請求項6記載の累積微粒子膜。
- 第1の有機膜と第2の有機膜が反応して共有結合を形成していることを特徴とする請求項7記載の累積微粒子膜。
- 少なくとも基材表面を第1の3,4−エポキシヘキシル基(化7)を含むアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液に接触させてアルコキシシラン化合物と基材表面を反応させて基材表面に第1の反応性の有機膜を形成する工程と、第1の微粒子を少なくとも第2のイミノ基を含むアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒としての有機酸と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に分散させてアルコキシシラン化合物と微粒子表面を反応させて第1の微粒子表面に第2の反応性の有機膜を形成する工程と、第1の反応性の有機膜の形成された基材表面に第2の反応性の有機膜で被覆された第1の微粒子を接触させて反応させる工程と、余分な第2の反応性の有機膜で被覆された第1の微粒子を洗浄除去して第1の単層微粒子膜を形成する工程と、第2の微粒子を少なくとも第3の3,4−エポキシヘキシル基(化7)を含むアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に分散させてアルコキシシラン化合物と微粒子表面を反応させて第2の微粒子表面に第3の反応性の有機膜を形成する工程と、第2の反応性の有機膜で被覆された第1の単層微粒子膜が形成された基材表面に第3の反応性の有機膜で被覆された第2の微粒子を接触させて反応させる工程と、余分な第3の反応性の有機膜で被覆された第2の微粒子を洗浄除去して第2の単層微粒子膜を形成する工程とを含むことを特徴とする累積微粒子膜の製造方法。
- 第1の反応性の有機膜と第3の反応性の有機膜が同じものであることを特徴とする請求項9記載の累積微粒子膜の製造方法。
- 第2の単層微粒子膜を形成する工程の後、同様に第1の単層微粒子膜を形成する工程と第2の単層微粒子膜を形成する工程を繰り返し行うことを特徴とする請求項9記載の多層構造の累積微粒子膜の製造方法。
- 第1〜3の反応性の有機膜を形成する工程の後に、それぞれ基材あるいは微粒子表面を有機溶剤で洗浄して基材や微粒子表面に共有結合した第1〜3の反応性の単分子膜を形成することを特徴とする請求項9記載の累積微粒子膜の製造方法。
- 第1の3,4−エポキシヘキシル基(化7)を含むアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液の代わりに、イミノ基を含むアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒としての有機酸と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液を、
第2のイミノ基を含むアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒としての有機酸と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液の代わりに、3,4−エポキシヘキシル基(化7)を含むアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液を、
第3の3,4−エポキシヘキシル基(化7)を含むアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液の代わりに、イミノ基を含むアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒としての有機酸と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液をそれぞれ用いることを特徴とする請求項9に記載の累積微粒子膜の製造方法。 - 3,4−エポキシヘキシル基(化7)を含むアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液のシラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を用いることを特徴とする請求項3および9のいずれか1項に記載の単層微粒子膜または累積微粒子膜の製造方法。
- シラノール縮合触媒に助触媒としてケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物から選ばれる少なくとも1つを混合して用いることを特徴とする請求項3および9のいずれか1項に記載の単層微粒子膜または累積微粒子膜の製造方法。
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