JP4868496B2 - 太陽電池とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池とその製造方法に関するものである。さらに詳しくは、半導体性シリコン微粒子の表面に熱反応性または光反応性、あるいはラジカル反応性またはイオン反応性を付与した微粒子を用いた大面積で且つシリコン微粒子膜厚が均一な太陽電池その製造方法に関するものである。
本発明において、「シリコン微粒子」には、半導体性n型シリコン微粒子と半導体性n型シリコン微粒子が含まれる。
従来、シリコン太陽電池では、ガラス基板表面にプラズマCVD を用いて製膜したシリコンアモルファス型太陽電池や、シリコン結晶やポリシリコン結晶を切断して板状に加工した後不純物拡散したシリコン結晶型太陽電池が知られている。
例えば以下に示すような特許文献がある。
特開平10-247629号公報
しかしながら、従来のシリコンアモルファス型太陽電池では、高価な真空装置を用いるため、製造コストが高くなるという欠点があった。また、シリコン結晶型太陽電池では、高純度なシリコン結晶やポリシリコン結晶を多量に用いるため、製造コストが高くなるという欠点があった。
本発明は、シリコンを用いながら、従来のアモルファス型太陽電池やシリコン結晶型太陽電池に比べ、大幅にコストダウンできる大面積太陽電池とその製造方法の提供を目的とする。
前記課題を解決するための手段として提供される第一の発明は、 透明基板表面に第1の有機被膜で被われた透明電極と第2の有機被膜で被われたn型シリコン微粒子膜と第3の有機被膜で被われたp型シリコン微粒子膜が順番に積層形成されており、前記第1、第2および第3の有機薄膜は、Si−O−結合を介して、それぞれ、前記透明電極、前記n型シリコン微粒子および前記p型微粒子の表面に共有結合しており、第1の有機被膜と第2の有機被膜および第2の有機被膜と第3の有機被膜が互いに共有結合していることを特徴とする太陽電池である。
第二の発明は、第一の発明において、透明基板表面に形成された第1の有機被膜とn型シリコン微粒子表面に形成された第2の有機被膜、およびn型シリコン微粒子表面に形成された第2の有機被膜とp型シリコン微粒子膜表面に形成された第3の有機被膜が互いに異なることを特徴とする太陽電池である。
第三の発明は、第一の発明において、共有結合が、エポキシ基とイミノ基の反応で形成された−N−C−の結合であることを特徴とする太陽電池である。
第四の発明は、第一または第二の発明において、第1,第2及び第3の有機被膜が単分子膜で構成されていることを特徴とする太陽電池である。
第五の発明は、透明電極表面を少なくとも第1のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に接触させてアルコキシシラン化合物と透明電極表面を反応させて、Si−O−結合を介して前記透明電極表面に共有結合した第1の反応性の有機被膜を形成する工程と、n型シリコン微粒子を少なくとも第2のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に分散させてアルコキシシラン化合物とn型シリコン微粒子表面を反応させて、Si−O−結合を介して前記n型シリコン微粒子表面に共有結合した第2の反応性の有機被膜を形成する工程と、p型シリコン微粒子を少なくとも第3のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に分散させてアルコキシシラン化合物とp型シリコン微粒子表面を反応させて、Si−O−結合を介して前記p型シリコン微粒子表面に共有結合した第3の反応性の有機被膜を形成する工程と、第1の反応性の有機被膜の形成された透明基板表面の透明電極に第2の反応性の有機被膜で被覆されたn型シリコン微粒子を接触させて反応させる工程と、余分な第2の反応性の有機被膜で被覆されたn型シリコン微粒子を洗浄除去して単層のn型シリコン微粒子膜を形成する工程と、第2の反応性の有機被膜の形成されたn型シリコン微粒子膜表面に第3の反応性の有機被膜で被覆されたp型シリコン微粒子を接触させて反応させる工程と、余分な第3の反応性の有機被膜で被覆されたp型シリコン微粒子を洗浄除去して単層のp型シリコン微粒子膜を形成する工程と、裏面電極を形成する工程を含むことを特徴とする太陽電池の製造方法である
第六の発明は、第五の発明において、第1の反応性の有機被膜を形成する工程、第2の反応性の有機被膜を形成する工程、および第3の反応性の有機被膜を形成する工程において、それぞれアルコキシシラン化合物の反応後、有機溶剤で洗浄して透明基板、n型シリコン微粒子、及びp型シリコン微粒子の表面に共有結合した第1〜第3の反応性の単分子膜を形成することを特徴とする太陽電池の製造方法である。
第七の発明は、第五の発明において、第1、第3の反応性の有機被膜がエポキシ基を含み第2の反応性の有機被膜がイミノ基を含むか、第1、第3の反応性の有機被膜がイミノ基を含み第2の反応性の有機被膜がエポキシ基を含むことを特徴とする太陽電池の製造方法である。
第八の発明は、第六の発明において、第1、第3の反応性の単分子膜がエポキシ基を含み第2の反応性の単分子膜がイミノ基を含むか、第1、第3の反応性の単分子膜がイミノ基を含み第2の反応性の単分子膜がエポキシ基を含むことを特徴とする太陽電池の製造方法である。
第九の発明は、第一の発明において、n型シリコン微粒子膜とp型シリコン微粒子膜がそれぞれ複数層有機被膜を介して製膜されていることを特徴とする太陽電池である。
第十の発明は、第九の発明において、n型およびp型シリコン微粒子表面に形成された有機被膜がそれぞれ2種類有り、第2の有機被膜が形成されたシリコン微粒子と第3の有機被膜が形成されたシリコン微粒子とが交互に積層されていることを特徴とする太陽電池である。
第十一の発明は、第十の発明において、第2の有機被膜と第3の有機被膜が反応して共有結合を形成していることを特徴とする太陽電池である。
第十二の発明は、第十一の発明において、共有結合が、エポキシ基とイミノ基の反応で形成された−N−C−の結合であることを特徴とする太陽電池である。
第十三の発明は、第5の発明において単層のn型シリコン微粒子膜を形成する工程の後、第2の反応性の有機被膜の形成されたn型シリコン微粒子膜表面に、Si−O−結合を介して表面に共有結合した第4の反応性の有機被膜で被覆されたn型シリコン微粒子を接触させて反応させる工程と、余分な第4の反応性の有機被膜で被覆されたn型シリコン微粒子を洗浄除去して2層目のn型シリコン微粒子膜を形成する工程、及び単層のp型シリコン微粒子膜を形成する工程の後、第3の反応性の有機被膜の形成されたp型シリコン微粒子膜表面に、Si−O−結合を介して表面に共有結合した第5の反応性の有機被膜で被覆されたp型シリコン微粒子を接触させて反応させる工程と、余分な第5の反応性の有機被膜で被覆されたp型シリコン微粒子を洗浄除去して2層目のp型シリコン微粒子膜を形成する工程を含むことを特徴とする太陽電池の製造方法である。
第十四の発明は、第十三の発明において、それぞれの層間で接触する有機被膜に、それぞれ互いに反応する官能基を組み合わせることを特徴とする太陽電池の製造方法である。
第十五の発明は、第十三の発明において、n型及びp型シリコン微粒子膜として、任意の層数だけ累積したシリコン微粒子膜を形成することを特徴とする太陽電池の製造方法である。
第十六の発明は、第十三の発明において、第1〜5の反応性の有機被膜を形成する工程の後に、それぞれ透明電極あるいはシリコン微粒子表面を有機溶剤で洗浄して透明電極やシリコン微粒子表面に共有結合した第1〜5の反応性の単分子膜を形成することを特徴とする太陽電池の製造方法である。
第十七の発明は、第十四の発明において、それぞれ互いに反応する官能基の組み合わせがエポキシ基とイミノ基であることを特徴とする太陽電池の製造方法である。
第十八の発明は、第五の発明において、シラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を用いることを特徴とする単層シリコン微粒子膜太陽電池の製造方法である。
第十九の発明は、第五の発明において、シラノール縮合触媒に助触媒としてケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物から選ばれる少なくとも1つを混合して用いることを特徴とする単層シリコン微粒子膜太陽電池の製造方法である。
以上の発明について、さらに要旨を説明する。
本発明は、透明電極表面を少なくとも第1のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に接触させてアルコキシシラン化合物と透明電極表面を反応させて、Si−O−結合を介して透明電極表面に共有結合した第1の反応性の有機被膜を形成する工程と、n型シリコン微粒子を少なくとも第2のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に分散させてアルコキシシラン化合物とn型シリコン微粒子表面を反応させて、Si−O−結合を介してn型シリコン微粒子表面に共有結合した第2の反応性の有機被膜を形成する工程と、p型シリコン微粒子を少なくとも第3のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に分散させてアルコキシシラン化合物とp型シリコン微粒子表面を反応させて、Si−O−結合を介してp型シリコン微粒子表面に共有結合した第3の反応性の有機被膜を形成する工程と、第1の反応性の有機被膜の形成された透明基板表面の透明電極に第2の反応性の有機被膜で被覆されたn型シリコン微粒子を接触させて反応させる工程と、余分な第2の反応性の有機被膜で被覆されたn型シリコン微粒子を洗浄除去して単層のn型シリコン微粒子膜を形成する工程と、第2の反応性の有機被膜の形成されたn型シリコン微粒子膜表面に第3の反応性の有機被膜で被覆されたp型シリコン微粒子を接触させて反応させる工程と、余分な第3の反応性の有機被膜で被覆されたp型シリコン微粒子を洗浄除去して単層のp型シリコン微粒子膜を形成する工程と、裏面電極を形成する工程とにより、透明基板表面に第1の有機被膜で被われた透明電極と第2の有機被膜で被われたn型シリコン微粒子膜と第3の有機被膜で被われたp型シリコン微粒子膜が順番に積層形成されており、第1の有機被膜と第2の有機被膜および第2の有機被膜と第3の有機被膜が互いに共有結合している太陽電池を提供することを要旨とする。
ここで、透明基板表面に形成された第1の有機被膜とn型シリコン微粒子表面に形成された第2の有機被膜、およびn型シリコン微粒子表面に形成された第2の有機被膜とp型シリコン微粒子膜表面に形成された第3の有機被膜が互いに異なれば、シリコン微粒子膜の積層に都合がよい。
また、共有結合が、エポキシ基とイミノ基の反応で形成された−N−C−の結合であれば、耐剥離強度を高める上で都合がよい。
さらに、第1,第2,及び第3の有機被膜が単分子膜で構成されていると、電池の内部抵抗を少なくする上で都合がよい。
また、このとき、第1の反応性の有機被膜を形成する工程、第2の反応性の有機被膜を形成する工程、および第3の反応性の有機被膜を形成する工程において、それぞれアルコキシシラン化合物の反応後、有機溶剤で洗浄して透明基板、n型シリコン微粒子、及びp型シリコン微粒子の表面に共有結合した第1〜第3の反応性の単分子膜を形成すると、電池の内部抵抗を少なくする上で都合がよい。
また、第1、第3の反応性の単分子膜(有機膜でも良い。)がエポキシ基を含み第2の反応性の有機被膜がイミノ基を含むか、第1、第3の反応性の有機被膜がイミノ基を含み第2の反応性の単分子膜(有機膜でも良い。)がエポキシ基を含むと、製造工程を単純化する上で都合がよい。
さらにまた、本発明は、半導体層のnおよびp型シリコン微粒子膜をそれぞれ複数層の微粒子膜で構成した太陽電池を製造提供することを要旨とする。
ここで、n型およびp型シリコン微粒子表面に形成された有機被膜をそれぞれ2種類用意し、第2の有機被膜が形成されたシリコン微粒子と第3の有機被膜が形成されたシリコン微粒子とを交互に積層すると、複数層のシリコン微粒子膜を累積するのには都合がよい。
さらに、第1の有機被膜と第2の有機被膜が反応して共有結合を形成していると、耐剥離強度を向上できて都合がよい。
また、共有結合を、エポキシ基とイミノ基の反応で形成された−N−C−の結合で構成しておくと、累積工程を安定化する上で都合がよい。
単層のn型シリコン微粒子膜を形成する工程の後、第2の反応性の有機被膜の形成されたn型シリコン微粒子膜表面に、Si−O−結合を介して表面に共有結合した第4の反応性の有機被膜で被覆されたn型シリコン微粒子を接触させて反応させる工程と、余分な第4の反応性の有機被膜で被覆されたn型シリコン微粒子を洗浄除去して2層目のn型シリコン微粒子膜を形成する工程、及び単層のn型シリコン微粒子膜を形成する工程の後、第3の反応性の有機被膜の形成されたp型シリコン微粒子膜表面に、Si−O−結合を介して表面に共有結合した第5の反応性の有機被膜で被覆されたp型シリコン微粒子を接触させて反応させる工程と、余分な第5の反応性の有機被膜で被覆されたp型シリコン微粒子を洗浄除去して2層目のp型シリコン微粒子膜を形成する工程を行うと、累積工程を安定化する上で都合がよい。
このとき、それぞれの層間で接触する有機被膜に、それぞれ互いに反応する官能基を組み合わせて用いれば、累積工程を安定化する上で都合がよい。さらに、n型及びp型シリコン微粒子膜として、任意の層数だけ累積したシリコン微粒子膜を形成すると光吸収効率を向上する上で都合がよい。
また、第1〜5の反応性の有機被膜を形成する工程の後に、それぞれ透明電極あるいはシリコン微粒子表面を有機溶剤で洗浄して透明電極やシリコン微粒子表面に共有結合した第1〜5の反応性の単分子膜を形成すれば、電池の内部抵抗を少なくする上で都合がよい。
さらにまた、それぞれ互いに反応する官能基の組み合わせがエポキシ基とイミノ基であると累積工程を単純化する上で都合がよい。
また、シラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を用いるたり、シラノール縮合触媒に助触媒としてケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物から選ばれる少なくとも1つを混合して用いると、製造時間を短縮できて都合がよい。
以上説明したとおり、本発明によれば、半導体性シリコン微粒子を用い、シリコン微粒子本来の機能を損なうことなく、任意の透明基板表面にnおよびp型シリコン微粒子を1層ずつ製膜した粒子サイズレベルで均一厚みのシリコン微粒子膜太陽電池や、nおよびp型シリコン微粒子を1層のみ並べた膜を複数層累積したシリコン微粒子膜積層型太陽電池及びそれらの製造方法を低コストで提供できる格別の効果がある。
本発明は、透明電極表面を少なくとも第1のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に接触させてアルコキシシラン化合物と透明電極表面を反応させて、Si−O−結合を介して透明電極表面に共有結合した第1の反応性の有機被膜を形成する工程と、n型シリコン微粒子を少なくとも第2のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に分散させてアルコキシシラン化合物とn型シリコン微粒子表面を反応させて、Si−O−結合を介してn型シリコン微粒子表面に共有結合した第2の反応性の有機被膜を形成する工程と、p型シリコン微粒子を少なくとも第3のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に分散させてアルコキシシラン化合物とp型シリコン微粒子表面を反応させて、Si−O−結合を介してp型シリコン微粒子表面に共有結合した第3の反応性の有機被膜を形成する工程と、第1の反応性の有機被膜の形成された透明基板表面の透明電極に第2の反応性の有機被膜で被覆されたn型シリコン微粒子を接触させて反応させる工程と、余分な第2の反応性の有機被膜で被覆されたn型シリコン微粒子を洗浄除去して単層のn型シリコン微粒子膜を形成する工程と、第2の反応性の有機被膜の形成されたn型シリコン微粒子膜表面に第3の反応性の有機被膜で被覆されたp型シリコン微粒子を接触させて反応させる工程と、余分な第3の反応性の有機被膜で被覆されたp型シリコン微粒子を洗浄除去して単層のp型シリコン微粒子膜を形成する工程と、裏面電極を形成する工程とにより、透明基板表面に第1の有機被膜で被われた透明電極と第2の有機被膜で被われたn型シリコン微粒子膜と第3の有機被膜で被われたp型シリコン微粒子膜が順番に積層形成されており、第1の有機被膜と第2の有機被膜および第2の有機被膜と第3の有機被膜が互いに共有結合している太陽電池を提供する。
したがって、本発明では、半導体性シリコン微粒子を用い、シリコン微粒子本来の機能を損なうことなく、任意の透明基板表面にnおよびp型シリコン微粒子を1層つ製膜した粒子サイズレベルで均一厚みのシリコン微粒子膜太陽電池や、nおよびp型シリコン微粒子を1層のみの並べた膜を複数層累積した大面積シリコン微粒子膜積層型太陽電池及びそれらの製造方法を提供できる作用がある。
以下、本願発明の詳細を、代表例としてシリコン微粒子を用いた場合を取り上げて説明するが、本願発明は、これら実施例によって何ら限定されるものではない。
まず、大きさが100〜5nm程度の無水のn型シリコン微粒子1を用意し、よく乾燥した。次に、化学吸着剤として機能部位に反応性の官能基、例えば、エポキシ基あるいはイミノ基と他端にアルコキシシリル基を含む薬剤、例えば、下記式(化1)あるいは(化2)に示す薬剤を99重量%、シラノール縮合触媒として、例えば、ジブチルスズジアセチルアセトナート、あるいは有機酸である酢酸を1重量%となるようそれぞれ秤量し、シリコーン溶媒、例えば、ヘキサメチルジシロキサンとジメチルホルムアミド(50:50)混合溶媒に1重量%程度の濃度(好まし化学吸着剤の濃度は、0.5〜3%程度)になるように溶かして化学吸着液を調製した。
Figure 0004868496
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この吸着液に前記無水のn型シリコン微粒子1を混入撹拌して普通の空気中で(相対湿度55%)で2時間程度反応させた。このとき、無水のn型シリコン微粒子表面のダングリングボンドには水酸基2が多数含まれているの(図1(a))で、前記化学吸着剤の−Si(OCH)基と前記水酸基がシラノール縮合触媒あるいは有機酸である酢酸の存在下で脱アルコール(この場合は、脱CHOH)反応し、下記式(化3)あるいは(化4)に示したような結合を形成し、シリコン微粒子表面全面に亘り表面と化学結合したエポキシ基を含む化学吸着単分子膜3あるいはアミノ基を含む化学吸着膜4が約1ナノメートル程度の膜厚で形成された(図1(b)、1(c))。なお、ここで、アミノ基を含む吸着剤を使用する場合には、スズ系の触媒では沈殿が生成するので、酢酸等の有機酸を用いた方がよかった。また、アミノ基はイミノ基を含んでいるが、アミノ基以外にイミノ基を含む物質には、ピロール誘導体や、イミダゾール誘導体等がある。さらに、ケチミン誘導体を用いれば、被膜形成後、加水分解により容易にアミノ基を導入できた。
その後、トリクレン等の塩素系溶媒を添加して撹拌洗浄すると、表面に反応性の官能基、例えばエポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたn型シリコン微粒子、あるいはアミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたn型シリコン微粒子をそれぞれ作製できた。
Figure 0004868496
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なお、この被膜はナノメートルレベルの膜厚で極めて薄いため、粒子径を損なうことはなかった。また、処理部は、被膜がナノメートルレベルの膜厚で極めて薄いため、粒子径を損なうことはなかった。さらに、この被膜は耐電圧が0.1V以下のため電気絶縁機能はほとんどなく、シリコンの酸化の進行を防止できる機能があった。
一方、洗浄せずに空気中に取り出すと、反応性はほぼ変わらないが、溶媒が蒸発し粒子表面に残った化学吸着剤が表面で空気中の水分と反応して、単分子膜に比べるとやや厚いが、表面に前記化学吸着剤よりなる極薄のポリマー膜が形成されたn型シリコン微粒子が得られた。
実施例1と同様に、まず、ITO透明電極11の形成されたガラス基板12を用意し、よく乾燥した。次に、化学吸着剤として機能部位に反応性の官能基、例えば、エポキシ基あるいはイミノ基と他端にアルコキシシリル基を含む薬剤、例えば、前記式(化1)(あるいは(化2))に示した薬剤を99重量%、シラノール縮合触媒として、例えば、ジブチルスズジアセチルアセトナートを1重量%となるようそれぞれ秤量し、シリコーン溶媒、例えば、ヘキサメチルジシロキサン溶媒に1重量%程度の濃度(好まし化学吸着剤の濃度は、0.5〜3%程度)になるように溶かして化学吸着液を調製した。
次に、この吸着液に、ガラス基板12を漬浸して普通の空気中(相対湿度45%)で2時間程度反応させた。このとき、ITO透明電極11表面には水酸基13が多数含まれている(図2(a))ので、前記化学吸着剤の−Si(OCH)基と前記水酸基がシラノール縮合触媒の存在下で脱アルコール(この場合は、脱CHOH)反応し、前記式(化3)(あるいは(化4))に示したような結合を形成し、ITO透明電極11表面全面に亘り表面と化学結合したエポキシ基を含む化学吸着単分子膜14(図2(b))(あるいはアミノ基を含む化学吸着膜15(図2(c)))が約1ナノメートル程度の膜厚で形成される。
その後、トリクレン等の塩素系溶媒を用いて洗浄すると、表面に反応性の官能基、例えば、ITO透明電極11がエポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたガラス基板16、あるいは、アミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたガラス基板17がそれぞれ作製できた。(図2(b)、2(c))
なお、この被膜はナノメートルレベルの膜厚で極めて薄いため、ITO透明電極11の導電性やガラス基板12の透明性を損なうことはなかった。
一方、洗浄せずに空気中に取り出すと、絶縁性や、透明性、反応性はほぼ変わらないが、溶媒が蒸発しITO透明電極表面に残った化学吸着剤が表面で空気中の水分と反応して、表面に前記化学吸着剤よりなる極薄のポリマー膜が形成されたガラス基板が得られた。
次に、前記エポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたITO透明電極表面11表面に、アミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたn型シリコン微粒子(前記アミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたITO透明電極表面と、エポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたn型シリコン微粒子の組み合わせでもよい。)をアルコールに分散させて塗布し、100℃程度に加熱すると、ITO透明電極表面のエポキシ基と接触しているn型シリコン微粒子表面のアミノ基が下記式(化5)に示したような反応で付加してシリコン微粒子とITO透明電極表面は二つの単分子膜を介して結合固化した。なお、このとき、超音波を当てながらアルコールを蒸発させると、被膜の膜厚均一性を向上できた。
Figure 0004868496
そこで、再びアルコールで透明基板表面を洗浄し、余分な未反応のアミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたn型シリコン微粒子を洗浄除去すると、ガラス基板16表面のITO透明電極11のエポキシ基を介して共有結合したアミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたn型シリコン微粒子を1層のみ並べた状態で、且つ粒子サイズレベルで均一厚みの単層n型シリコン微粒子膜18が形成できた。(図3(a))
なお、n型シリコン微粒子の単層シリコン微粒子膜の厚みが100nm以下であり、極めて均一性が良かったので、干渉色も全く見えなかった
一方、アミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたITO透明電極表面に、エポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたn型シリコン微粒子の被膜を形成した場合には、ITO透明電極表面に共有結合したエポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたn型シリコン微粒子を1層のみ並べた状態で、且つ粒子サイズレベルで均一厚みの単層シリコン微粒子膜が形成できた。
次に、前記アミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたn型シリコン微粒子膜の表面に、実施例1と同様の方法で作成したエポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたp型シリコン微粒子19をアルコールに分散させて塗布し、100℃程度に加熱すると、アミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われた単層n型シリコン微粒子膜18と接触しているp型シリコン微粒子表面のエポキシ基が前記と同様の反応で付加してn型およびp型シリコン微粒子は二つの単分子膜を介して結合固化した。そこで、再びアルコールで透明基板表面を洗浄し、余分な未反応のエポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたp型シリコン微粒子を洗浄除去すると、ガラス基板16表面のITO透明電極11のエポキシ基を介して共有結合したアミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたn型シリコン微粒子膜18の表面に、エポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたp型シリコン微粒子を1層のみ並べた状態で、且つ粒子サイズレベルで均一厚みの単層p型シリコン微粒子膜20が形成できた。(図3(b))。
最後に、裏面電極として、Al膜21を蒸着形成すると、ガラス基板側から入射する光22を受光する太陽電池を作成できた。
さらに、半導体層の膜厚を厚くしたい場合、実施例3に引き続き、単層のn型シリコン微粒子膜、あるいは単層のp型シリコン微粒子膜形成後、それぞれ、エポキシ基あるいはアミノ基が交互に組み合わされるように、単層のn型シリコン微粒子膜、あるいは単層のp型シリコン微粒子膜を複数層形成すれば、容易に膜厚は制御できた。
例えば、共有結合したアミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたn型シリコン微粒子が1層のみ並べた状態で、且つ粒子サイズレベルで均一厚みの単層シリコン微粒子膜17が形成されたITO透明電極11表面に、エポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたn型シリコン微粒子をアルコールに分散させて塗布し、100℃程度に加熱すると、アミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたn型シリコン微粒子の単層シリコン微粒子膜が形成されたガラス基板表面のアミノ基と接触しているn型シリコン微粒子表面のエポキシ基が前記式(化5)に示したような反応で付加して、ITO透明電極11表面にアミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたシリコン微粒子とエポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたn型シリコン微粒子は、二つの単分子膜を介して結合固化した。
そこで、再びアルコールで透明基板表面を洗浄し、余分で未反応のエポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたn型シリコン微粒子を洗浄除去すると、ITO透明電極11表面に共有結合した2層目のn型シリコン微粒子が1層のみ並んだ状態で、且つ粒子サイズレベルで均一厚みの2層構造の単層n型シリコン微粒子膜が形成できた。
以下同様に、アミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたp型シリコン微粒子とエポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたp型シリコン微粒子を交互に積層すると、半導体部が累積構造のシリコン微粒子膜で構成された任意の厚みの太陽電池を製造できた。
なお、ここで、p型およびn型シリコン微粒子の表面の反応性の単分子膜は、シリコン微粒子を累積製膜する働き、およびp型およびn型シリコン微粒子の空気中での酸化を防ぐ働きをする。また、この反応性の単分子膜は、厚みが1nm程度であるため、シリコンの導電を妨げることはほとんどなかった。
さらに、ここでシリコン微粒子の粒径を100 nmから1nmの間で制御することで、吸収波長域を赤外光から可視光域まで制御できた。
なお、上記実施例1および2では、反応性基を含む化学吸着剤として式(化1)あるいは(化2)に示した物質を用いたが、上記のもの以外にも、下記(1)〜(16)に示した物質が利用できた。
(1) (CHOCH)CH2O(CH2)Si(OCH)3
(2) (CHOCH)CH2O(CH2)11Si(OCH)3
(3) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OCH)3
(4) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OCH)3
(5) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OCH)3
(6) (CH OCH)CH2O(CH2)Si(OC)3
(7) (CHOCH)CH2O(CH2)11Si(OC)3
(8) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OC)3
(9) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OC)3
(10) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OC)3
(11) H2N (CH2)Si(OCH)3
(12) H2N (CH2)Si(OCH)3
(13) H2N (CH2)Si(OCH)3
(14) H2N (CH2)Si(OC)3
(15) H2N (CH2)Si(OC)3
(16) H2N (CH2)Si(OC)3
ここで、(CHOCH)−基は、下記式(化6)で表される官能基を表し、(CHCHOCH(CH)CH−基は、下記式(化7)で表される官能基を表す。
Figure 0004868496
Figure 0004868496
なお、実施例1および2にいて、シラノール縮合触媒には、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル及びチタン酸エステルキレート類が利用可能である。さらに具体的には、酢酸第1スズ、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオクテート、ジブチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジオクテート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクタン酸第1スズ、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、2−エチルヘキセン酸鉄、ジオクチルスズビスオクチリチオグリコール酸エステル塩、ジオクチルスズマレイン酸エステル塩、ジブチルスズマレイン酸塩ポリマー、ジメチルスズメルカプトプロピオン酸塩ポリマー、ジブチルスズビスアセチルアセテート、ジオクチルスズビスアセチルラウレート、テトラブチルチタネート、テトラノニルチタネート及びビス(アセチルアセトニル)ジープロピルチタネートを用いることが可能であった。
また、膜形成溶液の溶媒としては、水を含まない有機塩素系溶媒、炭化水素系溶媒、あるいはフッ化炭素系溶媒やシリコーン系溶媒、あるいはそれら混合物を用いることが可能であった。なお、洗浄を行わず、溶媒を蒸発させて粒子濃度を上げようとする場合には、溶媒の沸点は50〜250℃程度がよい。さらに、吸着剤がアルコキシシラン系の場合で且つ溶媒を蒸発させて有機被膜を形成する場合には、前記溶媒に加え、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、あるいはそれら混合物が使用できた。
具体的に使用可能なものは、クロロシラン系非水系の石油ナフサ、ソルベントナフサ、石油エーテル、石油ベンジン、イソパラフィン、ノルマルパラフィン、デカリン、工業ガソリン、ノナン、デカン、灯油、ジメチルシリコーン、フェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエーテルシリコーン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。
また、フッ化炭素系溶媒には、フロン系溶媒や、フロリナート(3M社製品)、アフルード(旭ガラス社製品)等がある。なお、これらは1種単独で用いても良いし、良く混ざるものなら2種以上を組み合わせてもよい。さらに、クロロホルム等有機塩素系の溶媒を添加しても良い。
一方、上述のシラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を用いた場合、同じ濃度でも処理時間を半分〜2/3程度まで短縮できた。
さらに、シラノール縮合触媒とケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を混合(1:9〜9:1範囲で使用可能だが、通常1:1前後が好ましい。)して用いると、処理時間をさらに数倍早く(30分程度まで)でき、製膜時間を数分の一まで短縮できる。
例えば、シラノール触媒であるジブチルスズオキサイドをケチミン化合物であるジャパンエポキシレジン社のH3に置き換え、その他の条件は同一にしてみたが、反応時間を1時間程度にまで短縮できた他は、ほぼ同様の結果が得られた。
さらに、シラノール触媒を、ケチミン化合物であるジャパンエポキシレジン社のH3と、シラノール触媒であるジブチルスズビスアセチルアセトネートの混合物(混合比は1:1)に置き換え、その他の条件は同一にしてみたが、反応時間を30分程度に短縮できた他は、ほぼ同様の結果が得られた。
したがって、以上の結果から、ケチミン化合物や有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物がシラノール縮合触媒より活性が高いことが明らかとなった。
さらにまた、ケチミン化合物や有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物の内の1つとシラノール縮合触媒を混合して用いると、さらに活性が高くなることが確認された。
なお、ここで、利用できるケチミン化合物は特に限定されるものではないが、例えば、2,5,8−トリアザ−1,8−ノナジエン、3,11−ジメチル−4,7,10−トリアザ−3,10−トリデカジエン、2,10−ジメチル−3,6,9−トリアザ−2,9−ウンデカジエン、2,4,12,14−テトラメチル−5,8,11−トリアザ−4,11−ペンタデカジエン、2,4,15,17−テトラメチル−5,8,11,14−テトラアザ−4,14−オクタデカジエン、2,4,20,22−テトラメチル−5,12,19−トリアザ−4,19−トリエイコサジエン等がある。
また、利用できる有機酸としても特に限定されるものではないが、例えば、ギ酸、あるいは酢酸、プロピオン酸、酸、マロン酸等があり、ほぼ同様の効果があった。
上記実施例1〜4では、シリコン微粒子を用いた太陽電池を例として説明したが、本発明はシリコン半導体に限定されるものではない。同じ化学反応が適用できる半導体ならどのような半導体微粒子にでも適用可能である。
さらに、本発明の方法の用途は、太陽電池に限定されるものでもない。光センサーの製作にも適用できることはいうまでもない。
本発明の第1の実施例におけるシリコン微粒子表面の反応を分子レベルまで拡大した概念図であり、(a)は反応前のn型シリコン微粒子表面の図、(b)は、エポキシ基を含む単分子膜が形成された後の図、(c)は、アミノ基を含む単分子膜が形成された後の図を示す。 本発明の第2の実施例におけるガラス基板表面での反応を分子レベルまで拡大した概念図であり、(a)は反応前のITO電極表面の図、(b)は、エポキシ基を含む単分子膜が形成された後の図、(c)は、アミノ基を含む単分子膜が形成された後の図を示す。 本発明の第3の実施例におけるガラス基板表面の反応を分子レベルまで拡大した概念図であり、(a)は単層n型シリコン微粒子膜がITO電極表面に形成された透明基板表面の図、(b)は、単層n型シリコン微粒子膜表面に、さらに単層p型シリコン微粒子膜が1層形成された太陽電池の断面概念図を示す。
1 n型シリコン微粒子
2 水酸基
3 エポキシ基を含む単分子膜
4 アミノ基を含む単分子膜
エポキシ基を含む単分子膜で被われたn型シリコン微粒子
アミノ基を含む単分子膜で被われたn型シリコン微粒子
11 ITO電極
12 ガラス基板
13 水酸基
14 エポキシ基を含む単分子膜
15 アミノ基を含む単分子膜
16 エポキシ基を含む単分子膜で被われたガラス基板
17 アミノ基を含む単分子膜で被われたガラス基板
18 単層n型シリコン微粒子膜
19 エポキシ基を含む単分子膜で被われたp型シリコン微粒子
20 単層p型シリコン微粒子膜
21 Al膜
22 入射する光

Claims (19)

  1. 透明基板表面に第1の有機被膜で被われた透明電極と第2の有機被膜で被われたn型シリコン微粒子膜と第3の有機被膜で被われたp型シリコン微粒子膜が順番に積層形成されており、
    前記第1、第2および第3の有機薄膜は、Si−O−結合を介して、それぞれ、前記透明電極、前記n型シリコン微粒子および前記p型微粒子の表面に共有結合しており、
    第1の有機被膜と第2の有機被膜および第2の有機被膜と第3の有機被膜が互いに共有結合していることを特徴とする太陽電池。
  2. 透明基板表面に形成された第1の有機被膜とn型シリコン微粒子表面に形成された第2の有機被膜、およびn型シリコン微粒子表面に形成された第2の有機被膜とp型シリコン微粒子膜表面に形成された第3の有機被膜が互いに異なることを特徴とする請求項1記載の太陽電池。
  3. 共有結合が、エポキシ基とイミノ基の反応で形成された−N−C−の結合であることを特徴とする請求項1記載の太陽電池。
  4. 第1,第2,及び第3の有機被膜が単分子膜で構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の太陽電池。
  5. 透明電極表面を少なくとも第1のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に接触させてアルコキシシラン化合物と透明電極表面を反応させて、Si−O−結合を介して前記透明電極表面に共有結合した第1の反応性の有機被膜を形成する工程と、n型シリコン微粒子を少なくとも第2のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に分散させてアルコキシシラン化合物とn型シリコン微粒子表面を反応させて、Si−O−結合を介して前記n型シリコン微粒子表面に共有結合した第2の反応性の有機被膜を形成する工程と、p型シリコン微粒子を少なくとも第3のアルコキシシラン化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した化学吸着液中に分散させてアルコキシシラン化合物とp型シリコン微粒子表面を反応させて、Si−O−結合を介して前記p型シリコン微粒子表面に共有結合した第3の反応性の有機被膜を形成する工程と、第1の反応性の有機被膜の形成された透明基板表面の透明電極に第2の反応性の有機被膜で被覆されたn型シリコン微粒子を接触させて反応させる工程と、余分な第2の反応性の有機被膜で被覆されたn型シリコン微粒子を洗浄除去して単層のn型シリコン微粒子膜を形成する工程と、第2の反応性の有機被膜の形成されたn型シリコン微粒子膜表面に第3の反応性の有機被膜で被覆されたp型シリコン微粒子を接触させて反応させる工程と、余分な第3の反応性の有機被膜で被覆されたp型シリコン微粒子を洗浄除去して単層のp型シリコン微粒子膜を形成する工程と、裏面電極を形成する工程を含むことを特徴とする太陽電池の製造方法。
  6. 第1の反応性の有機被膜を形成する工程、第2の反応性の有機被膜を形成する工程、および第3の反応性の有機被膜を形成する工程において、それぞれアルコキシシラン化合物の反応後、有機溶剤で洗浄して透明基板、n型シリコン微粒子、及び型シリコン微粒子の表面に共有結合した第1〜第3の反応性の単分子膜を形成することを特徴とする請求項5記載の太陽電池の製造方法。
  7. 第1、第3の反応性の有機被膜がエポキシ基を含み第2の反応性の有機被膜がイミノ基を含むか、第1、第3の反応性の有機被膜がイミノ基を含み第2の反応性の有機被膜がエポキシ基を含むことを特徴とする請求項5記載の太陽電池の製造方法。
  8. 第1、第3の反応性の単分子膜がエポキシ基を含み第2の反応性の単分子膜がイミノ基を含むか、第1、第3の反応性の単分子膜がイミノ基を含み第2の反応性の単分子膜がエポキシ基を含むことを特徴とする請求項6記載の太陽電池の製造方法。
  9. n型シリコン微粒子膜とp型シリコン微粒子膜がそれぞれ複数層有機被膜を介して製膜されていることを特徴とする請求項1記載の太陽電池。
  10. n型およびp型シリコン微粒子表面に形成された有機被膜がそれぞれ2種類有り、第2の有機被膜が形成されたシリコン微粒子と第3の有機被膜が形成されたシリコン微粒子とが交互に積層されていることを特徴とする請求項9記載の太陽電池。
  11. 第2の有機被膜と第3の有機被膜が反応して共有結合を形成していることを特徴とする請求項10記載の太陽電池。
  12. 共有結合が、エポキシ基とイミノ基の反応で形成された−N−C−の結合であることを特徴とする請求項11記載の太陽電池。
  13. 単層のn型シリコン微粒子膜を形成する工程の後、第2の反応性の有機被膜の形成されたn型シリコン微粒子膜表面に、Si−O−結合を介して表面に共有結合した第4の反応性の有機被膜で被覆されたn型シリコン微粒子を接触させて反応させる工程と、余分な第4の反応性の有機被膜で被覆されたn型シリコン微粒子を洗浄除去して2層目のn型シリコン微粒子膜を形成する工程、及び単層のp型シリコン微粒子膜を形成する工程の後、第3の反応性の有機被膜の形成されたp型シリコン微粒子膜表面に、Si−O−結合を介して表面に共有結合した第5の反応性の有機被膜で被覆されたp型シリコン微粒子を接触させて反応させる工程と、余分な第5の反応性の有機被膜で被覆されたp型シリコン微粒子を洗浄除去して2層目のp型シリコン微粒子膜を形成する工程を含むことを特徴とする請求項5記載の太陽電池の製造方法。
  14. それぞれの層間で接触する有機被膜に、それぞれ互いに反応する官能基を組み合わせることを特徴とする請求項13記載の太陽電池の製造方法。
  15. n型及び型シリコン微粒子膜として、任意の層数だけ累積したシリコン微粒子膜を形成することを特徴とする請求項13記載の太陽電池の製造方法。
  16. 第1〜5の反応性の有機被膜を形成する工程の後に、それぞれ透明電極あるいはシリコン微粒子表面を有機溶剤で洗浄して透明電極やシリコン微粒子表面に共有結合した第1〜5の反応性の単分子膜を形成することを特徴とする請求項13記載の太陽電池の製造方法。
  17. それぞれ互いに反応する官能基の組み合わせがエポキシ基とイミノ基であることを特徴とする請求項14記載の太陽電池の製造方法。
  18. シラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を用いることを特徴とする請求項5に記載の単層シリコン微粒子膜太陽電池の製造方法。
  19. シラノール縮合触媒に助触媒としてケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物から選ばれる少なくとも1つを混合して用いることを特徴とする請求項5に記載の単層シリコン微粒子膜太陽電池の製造方法。
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