JPH11274602A - 光半導体素子 - Google Patents

光半導体素子

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JPH11274602A
JPH11274602A JP10070044A JP7004498A JPH11274602A JP H11274602 A JPH11274602 A JP H11274602A JP 10070044 A JP10070044 A JP 10070044A JP 7004498 A JP7004498 A JP 7004498A JP H11274602 A JPH11274602 A JP H11274602A
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self
film
group
optical semiconductor
semiconductor device
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JP10070044A
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Yoshitomo Yonehara
祥友 米原
Shiyoushin Boku
鐘震 朴
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Kawamura Institute of Chemical Research
Original Assignee
Kawamura Institute of Chemical Research
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Publication date
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    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y10/00Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光センサーあるいはイメージセンサー等構成
の基本素子として有用な光感度が向上した光半導体素子
を得ること。 【解決手段】 2つの電極層(A、B)間に感光層を有
する光半導体素子であって、少なくとも一方の電極層の
感光層側に自己組織化膜を有する光半導体素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光半導体素子に関
し、更に詳しくは自己組織化膜が形成された電極層を有
し、改善された感度を示す光半導体素子、例えば光セン
サー等に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光センサー等の光導電性物質とし
ては、種々の無機系及び有機系の光導電物質が用いられ
てきた(「モレキュラーセミコンダクター、(Molecula
r Semiconductors)」(シュプリンガー−ヴァーラグ(S
pringer-Verlag)社、1985年出版)参照)。これらの
光導電物質を用いた光半導体素子は、一般に光導電物質
を2つの電極の間に挟持して素子を形成したもの、ある
いは光導電物質上に櫛の歯電極を形成したものである。
【0003】これらの光半導体素子において、下記式
(1)で表わされるように、光電流量子効率(φ)は吸
収されたフォトン数(Np)に対して生成したキャリア
ー(一般に電子)数(ep)の比で表わされ、φは通常
1を超えることはない。
【0004】
【数1】φ=ep/Np (1)
【0005】しかしながら、「オプトエレクトロニック
セミコンダクター デバイシーズ(Optoelectronic S
emiconductor Devices)」(プレンティスホール(Pren
ticeHall)社、 1994年出版)には、Si等の光半導
体素子の中でも、アバランシェ(Avalanche) 素子に逆
方向バイアスに数十V〜百数十Vの電圧を印加した時
に、電子の雪崩現象が生じ、この現象により、光電流の
増幅がなされ、見かけの量子効率が1を超えること、が
報告されている。また、「ジャーナル オブノンクリス
タライン ソリッド(J.Non-Cryst.Solids)」(第13
7&138巻、第1283頁、1991年)には、IT
O(酸化インジウム)/pa−SiC:H/a−SiN
/ia−Si/nμcSi:H/Alの構成のショット
キーバリアー素子に高電圧印加した時に、量子効率の増
幅が起こり、10V以上の印加時で光電流量子効率が1
を超え、50V印加時に光電流量子効率が約10を示す
こと、が報告されている。
【0006】一方、分子性半導体を用いた素子において
も、類似の増幅現象が報告されている。「アプライドフ
ィジックスレター(Appl.Phys.Lett.)」(第64巻1
87頁、1994年)及び「表面科学」(第15巻57
9頁、1994年)には、Au/ペリレン顔料蒸着膜/
Auの構成で、Auとペリレン顔料蒸着膜の界面の不均
一性に起因して15Vの印加時に光電流量子効率が10
000に達すること、が報告されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、無機材
料を用いたアバランシェフォトダイオードでは、光電流
の増幅が生じるには、数十V〜百数十Vの電圧の印加を
必要とするとされているが、有機半導体を用いた素子に
おいて、このような効果が生じたとする報告例がない。
また、ITO/pa−SiC:H/a−SiN/ia−
Si/nμcSi:H/Alの構成のショットキーバリ
アー素子では、アバランシェフォトダイオードと比較し
て比較的低い電圧の印加で量子効率の増幅が起こる。し
かしながら、ショットキーバリアー素子における量子効
率の光電流の増幅現象は、2段階のプロセス、即ち、第
1段階はマイクロ(μ)秒、第2段階はミリ秒〜数十秒
という遅い応答を経て増加する。
【0008】一方、分子性半導体素子では、10000
倍の増幅が報告されているが、光応答速度は遅く、数十
秒〜数分を要する。また、この分子性半導体素子では、
電極とペリレン顔料蒸着膜の界面に起因して増幅効果が
起こるとされているが、界面状態が明らかにされておら
ず、工業的に再現性良く製造するには難がある。また、
例えば、「ケミカル レヴュー(Chem.Rev.)」(第9
7巻第1793〜1896頁、1997年)、「モレキ
ュラーセミコンダクター(Molecular Semiconductor
s)」(シュプリンガー−ヴァーラグ(Springer-Verlag)
社、1985年出版)などには、Au/ペリレン顔料蒸
着膜/Auの構成の素子が多数報告されているが、光量
子効率が1を超えるという報告は見られない。
【0009】このように、分子性光導電材料を用いた素
子において、光量子効率が1を超える増幅を示すものが
あっても、その由来は明らかでなく、従って、分子性半
導体を用いた素子において、再現性良く光増幅素子を構
築するには、未だ、不満足なものであった。
【0010】本発明が解決しようとする課題は、分子性
半導体を用いて光電流量子効率が1を超える増幅を示す
までに感度が向上した再現性を伴った光半導体素子を提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、電極層の分子
性化合物からなる感光層側に自己組織化膜、好ましく
は、有機アルコキシシラン類、有機ハロシラン類、有機
ジシラザン類、カルボン酸類、ヒドロキサム酸類、ホス
ホン酸類、チオール類、スルフィド類の如き自己組織化
膜形成用化合物からなり、電極層と直接化学結合した自
己組織化膜が形成されている光半導体素子は、光電流が
増幅され、応答速度が速く、かつ感度が向上することを
見い出し、本発明を完成するに至った。
【0012】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、(1) 2つの電極層(A、B)間に感光層を有す
る光半導体素子であって、少なくとも一方の電極層の感
光層側に自己組織化膜を有する光半導体素子、
【0013】(2) 自己組織化膜が、それを構成する
分子が電極層(A)及び/又は電極層(B)と直接化学
結合している上記(1)記載の光半導体素子、
【0014】(3) 自己組織化膜がアルコキシシリル
基、ハロシリル基、カルボキシル基及びヒドロキサム酸
基から成る群から選ばれる電極層と反応する反応性官能
基を有する有機化合物からなる膜である上記(1)又は
(2)記載の光半導体素子、
【0015】(4) 自己組織化膜がメルカプト基を電
極層と反応する反応性官能基として有する有機化合物か
らなる膜である上記(1)又は(2)記載の光半導体素
子、
【0016】(5) 自己組織化膜を構成する有機化合
物の電極層と反応する反応性基の他方の末端基が、アル
コキシシリル基、ハロシリル基、カルボキシル基、ヒド
ロキサム酸基又はメルカプト基と反応する反応性基及び
/又は保護された反応基である上記(3)又は(4)記
載の光半導体素子、
【0017】(6) 自己組織化膜を構成する有機化合
物がポリマーである上記(3)、(4)又は(5)記載
の光半導体素子、
【0018】(7) 電極層(A)及び/又は電極層
(B)が、その表面に酸化物層を有するスズ、インジウ
ム、アルミニウム、銅、クロム、チタニウム、鉄又はニ
ッケルから成る電極層、あるいは酸化スズ又はインジウ
ムスズオキシド電極層であり、かつ、電極層の表面に存
在する酸化物層を構成する分子と自己組織化膜を構成す
る分子とが直接化学結合している上記(3)、(5)又
は(6)記載の光半導体素子、
【0019】(8) 電極層(A)及び/又は電極層
(B)がその表面に酸化物層を有しない銅、銀、金又は
白金からなる電極層であり、かつ、電極層を構成する分
子と自己組織化膜を構成する分子とが直接化学結合して
いる上記(4)、(5)又は(6)記載の光半導体素
子、
【0020】(9) 自己組織化膜が、多層自己組織化
膜である上記(5)又は(6)記載の光半導体素子、
【0021】(10) 多層自己組織化膜が、末端に反
応性官能基を有する自己組織化膜を電極層上に形成した
後、該反応性官能基を有機アルコキシシラン類、有機ハ
ロシラン類、カルボン酸類、ヒドロキサム酸類及びチオ
ール類からなる群から選ばれる1種以上の自己組織化膜
形成用化合物と反応させることにより形成した膜である
上記(9)記載の光半導体素子、
【0022】(11) 感光層が分子性光導電材料から
なる光導電層を有する上記(1)〜(10)のいずれか
に記載の光半導体素子、
【0023】(12) 光導電層が、分子性光導電材料
の蒸着膜である上記(11)記載の光半導体素子、
【0024】(13) 分子性光導電材料の蒸着膜が基
板温度100度以上に維持された基板上に蒸着された分
子性光導電材料の蒸着膜である上記(12)記載の光半
導体素子、
【0025】(14) 分子性光導電材料がフタロシア
ニン類である上記(12)又は(13)記載の光半導体
素子、
【0026】(15) 分子性光導電材料がフラーレン
類である上記(12)又は(13)記載の光半導体素
子、
【0027】(16) フタロシアニン類がオキソチタ
ニウムフタロシアニンであり、かつ蒸着膜が温度100
度以上に保持された基板上に毎秒0.05nm以下の速
度で蒸着されたオキソチタニウムフタロシアニンの蒸着
膜である上記(14)記載の光半導体素子、を提供す
る。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の分子性光導電材料からな
る感光層を有する光半導体素子一個の構成は、図1の平
面図及び図2の断面図に示したように、分子性光導電材
料からなる光導電物質を2つの電極で挟持して一素子を
構成するか、あるいは図3の平面図及び図4の断面図に
示したように、分子性光導電材料からなる光導電物質上
に櫛の歯電極を形成して構成される。なお、図2及び図
4は、それぞれ図1及び図3の(A)−(A)線におけ
る断面図である。図中、(a)及び(d)は電極、
(b)は分子性光導電材料からなる感光層、(c)は電
極上に形成された自己組織化膜、(e)は基板をそれぞ
れ表わし、少なくとも1つの電極(d)上に自己組織化
膜が形成されている。これらの図における電極の構成は
一例であって、本発明はこれらに制限されるものではな
く、図1の構成において、電極(d)は電極(a)に直
交する短冊状であっても良く、また、図3において、短
冊状のギャップ電極であっても良い。更に、素子全体を
絶縁性の材料、例えば、絶縁性ポリマーのキャスト膜や
絶縁性無機材料の蒸着膜で被覆することもできる。
【0029】本発明の光半導体素子の電極層は、電気の
良導体であれば良く、そのような電極層としては、例え
ば、アルミニウム、銅、亜鉛、ステンレス、クロム、
ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、
銀、白金などの金属、又はこれら金属の1種以上を含む
合金で形成された金属板;ポリマーフィルム、ガラス
などの透明基板上に形成された金属の蒸着膜、スパッタ
リング膜、金属コロイドの塗布・加熱処理などの手法に
より形成された上記金属の1種以上を含む金属からなる
電極層;ポリマーフィルム、ガラスなどの透明基板上
に、塗布、蒸着、スパッタリングなどの手法により形成
された酸化スズ(NESA)、酸化インジウム(IT
O)、酸化亜鉛、酸化チタン等を含んでなる電極層、な
どが挙げられる。これら電極層の中でも、アルミニウム
薄膜、銅薄膜;ポリマーフィルム、ガラスなどの透明基
板の表面上に、蒸着、イオンプレーティング、スパッタ
リングなどの手法により形成されたアルミニウム、金、
銅、白金、酸化スズ(NESA)又は酸化インジウム
(ITO)からなる電極層が好ましい。
【0030】分子性光導電材料を電極で挟持したサンド
イッチ素子の形状の場合、光が照射される面は、半透明
又は透明の電極(金属半透明膜、NESA膜、ITO膜
等)であることが好ましい。しかしながら、櫛の歯電極
を用いる場合には、上記した金属あるいは金属酸化膜の
いずれをも用いることができ、また、電極は、半透明で
なくても良い。
【0031】また、電極層として、酸化スズ(NES
A)あるいは酸化インジウム(ITO)からなる電極層
を用いる場合、自己組織化膜を確実に形成するために、
蒸着、イオンプレーティング、スパッタリングなどの手
法により形成した電極層を、さらに、アルカリ溶液処
理、オゾン処理、酸素存在下での紫外光又は真空紫外光
の照射、プラズマによる親水化などの親水化処理を施こ
すことが好ましい。
【0032】アルカリ溶液処理は、水酸化ナトリウム、
水酸化リチウム、水酸化カリウムなどの水溶液、アルコ
ール溶液、水/アルコール混合溶液、などに浸漬すれば
良い。この時、アルカリの濃度は、0.001ミリモル
/リットル〜5モル/リットルの範囲が好ましく、0.
01ミリモル/リットル〜1モル/リットルの範囲が特
に好ましい。アルカリ溶液処理の時間には、特に制限は
無いが、室温下で処理する場合、0.5〜5時間の範囲
が好ましい。
【0033】酸素存在下での紫外光や真空紫外光の照射
は、酸素含有気体中で、波長150〜380nmの範囲
の光を短時間、例えば、1分〜1時間程度照射すれば良
い。
【0034】プラズマによる親水化処理は、専用のプラ
ズマ装置やスパッタリング用装置を用いて酸素存在下で
処理すれば良い。
【0035】電極層が形成される基板は、絶縁性であれ
ばいずれの材料でも使用できる。基板として用いられる
素材としては、例えば、ガラス、石英、プラスチックフ
ィルム、プラスチック絶縁層を形成した金属板、SiO
2 が形成されたシリコン、などが挙げられる。基板側か
ら光を照射する場合には、透明性の基板を用いることが
好ましい。
【0036】本発明の光半導体素子の感光層は、分子性
光導電材料からなる光導電層が用いられるが、分子性光
導電材料からなる光導電層の上に電荷輸送層を設けた構
成であっても良い。
【0037】分子性光導電材料としては、例えば、アゾ
系顔料、キノン系顔料、ペリレン系顔料、インジゴ系顔
料、チオインジゴ系顔料、ビスベンゾイミダゾール系顔
料、フタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、
キナクリドン系顔料、キノリン系顔料、アントラキノン
系顔料、オキサジン系顔料、トリフェニルメタン系顔
料、アズレニウム系染料、スクアリリウム系染料、ピリ
リウム系染料、シアニン系染料、ピロロピロール系顔
料、C60、C70などのフラーレン系化合物、などが
挙げられるが、これらに限定されるものではない。これ
らの分子性光導電材料は、単独で用いることもでき、2
種類以上の材料を混合して用いることもできる。また、
これらの中でも、フタロシアニン系顔料及びフラーレン
系化合物が好ましく、オキソチタニウムフタロシアニン
及びC60が特に好ましい。
【0038】分子性光導電材料からなる光導電層は、分
子性光導電材料を結着樹脂中に分散したもの、あるい
は、真空蒸着、スパタリング、CVDなどの手法で分子
性光導電材料を製膜したものであっても良いが、真空蒸
着法によって形成された分子性光導電材料の膜であるこ
とが特に好ましい。
【0039】光導電層上に電荷輸送層を形成する場合、
電荷輸送層に用いる電荷輸送物質は、一般に電子を輸送
する物質と、正孔を輸送する物質に分類されるが、本発
明の光半導体素子には何れに分類される物質でも使用で
きる。そのような電荷輸送物質としては、例えば、クロ
ラニル系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、
トリニトロフルオレノン系化合物、ジフェノキノン系化
合物、縮合多環芳香族系化合物、ヒドラゾン系化合物、
トリフェニルアミン系化合物、ポリビニルカルバゾール
系化合物、ポリシラン系化合物、などが挙げられるが、
これらに限定されるものではない。電荷輸送物質は、単
独で用いることも、2種以上の材料を併用して用いるこ
ともできる。
【0040】電荷輸送層は、電荷輸送物質を結着樹脂中
に分散したもの、あるいは電荷輸送物質を真空蒸着など
の手法で製膜したものであっても良いが、電荷輸送物質
からなる真空蒸着膜が特に好ましい。
【0041】分子性光導電材料あるいは電荷輸送物質を
結着樹脂中に分散して用いる場合の結着樹脂には、製膜
性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、ポリ
ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル
系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリメタクリル系樹脂、
スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アク
リロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水
マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、フェノール樹脂、
アルキッド樹脂、ポリビニルブチラール、ポリスルフォ
ン、ポリウレタン、などが挙げられるが、これらに限定
されるものではない。結着樹脂は、単独で用いること
も、2種以上の材料を併用して用いることもできる。
【0042】また、これらの結着樹脂とともに、添加
剤、例えば可塑剤、増感剤、表面改質剤などを添加する
こともできる。
【0043】分子性光導電材料からなる感光層を塗布に
より構成する場合、上記分子性光導電材料を結着樹脂の
溶媒溶液に分散又は溶解した塗料を用いる。この場合、
溶媒に特に制限はなく、結着樹脂を溶解できるものであ
れば良い。また、必要に応じて、上記分子性光導電材料
を溶解する溶剤を選択すれば良い。
【0044】塗布により電荷輸送層を形成する場合も同
様に、電荷輸送材料を結着樹脂の溶媒溶液に分散又は溶
解した塗料を用いる。この場合も同様に、溶媒に特に制
限はなく、電荷輸送材料用の結着樹脂を溶解できるもの
であれば良い。一般には、分子性光導電材料からなる光
導電層の上に電荷輸送層を形成するので、電荷輸送用塗
料溶液を作製する際は、分子性光導電材料あるいは光導
電層を溶解しない溶媒を用いることが好ましい。
【0045】結着樹脂の溶媒溶液に用いる溶媒として
は、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、
ペンタノールの如きアルコール類;アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ンの如きケトン類;ジクロロメタン、クロロホルム、四
塩化炭素、1,1,2−トリクロロエタンの如き脂肪族
ハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロ
フラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタ
ン、ジグライムの如きエーテル類;酢酸エチル、酢酸プ
ロピルの如きエステル類;ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼンの如き
芳香族炭化水素;N,N−ジメチルホルムアミド、N,
N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N
−メチルピロリドンの如き非プロトン性極性溶媒などが
挙げられるが、実際の使用に際しては、これらの溶媒の
中から、上述した条件に合致する溶媒を適宜選択のう
え、使用すれば良い。また、これらの溶媒は単独で用い
ることも、2種以上の溶媒を混合して用いることもでき
る。
【0046】分子性光導電材料を結着樹脂中に分散させ
る方法としては、例えば、ボールミル、ペイントコンデ
ィショナー、サンドミル、ニーダー、アトライター、三
本ロール、ジェットミル、などを用いる手法が挙げられ
る。
【0047】分子性光導電材料からなる感光層の塗工方
法としては、例えば、ディップコート、スプレーコー
ト、リングコート、ブレードコート法、などによる塗工
方法が挙げられる。
【0048】本発明の光半導体素子は、その感光層が真
空蒸着法によって形成された分子性光導電材料の蒸着膜
であるものが、本発明の特徴を発揮するうえで、特に好
ましい。
【0049】真空蒸着法には、一般に使用される真空蒸
着装置、超高真空蒸着装置又は分子線蒸着装置などを用
いることができる。蒸着時の真空度は、10-2〜10
-10Paの範囲が好ましく、経済性の面から10-2〜1
-6Paの範囲が特に好ましい。
【0050】分子性光導電材料からなる感光層を蒸着法
により形成する場合、蒸着時の基板の温度には特に制限
はない。膜質や経済性の面から基板温度は0〜300℃
の範囲が好ましく、室温〜200℃の範囲が特に好まし
い。分子性光導電材料としてフタロシアニンを用いる場
合、基板を加熱して結晶化膜を形成することが好まし
く、この場合、基板温度は、100℃以上が好ましく、
100〜200℃の範囲が特に好ましい。分子性光導電
材料として、フラーレン類を用いる場合においても、フ
タロシアニンを用いる場合と同様の条件が好ましい。
【0051】蒸着速度には、特に制限はないが、フタロ
シアニン系化合物、特にオキソチタニウムフタロシアニ
ンを用いる場合、蒸着速度が蒸着膜の結晶化度及び分子
配向に影響を与えるので、これらの観点から毎秒0.0
5nm以下の速度で蒸着することが特に推奨される。
【0052】本発明の光半導体素子の特徴は、電極層の
分子性光導電材料からなる感光層側に自己組織化膜が形
成されていることにある。特定の化合物の溶液に基板を
浸漬すると、特定の化合物が、まず基板電極表面に吸着
し、次いで化学結合あるいは化学結合に匹敵するエネル
ギーで表面に特殊な吸着(化学吸着)を起こし、自ら組
織化しながら基板電極表面に単分子膜を形成し、最終的
には基板電極表面に緻密な単分子膜層を形成する[「シ
ン ソリッド フィルムズ(Thin Solid Films)」第9
9巻第235頁(1983年)、「ラングミュアー(La
ngmuir)」第11巻第813頁(1995年)等参
照]。本発明の「自己組織化膜」とは、基板として電極
層を用い、上記のようにして電極層の表面に形成された
緻密な単分子膜のことを言う。
【0053】自己組織化膜を形成するために用いる特定
の化合物(以下、自己組織化膜形成用化合物と言う)と
しては、例えば、有機アルコキシシラン類、有機ハロシ
ラン類、有機ジシラザン類、カルボン酸類、ヒドロキサ
ム酸類、ホスホン酸類、チオール類、スルフィド類、な
どが挙げられる。
【0054】基板として表面に酸化物を有する電極層を
用いた場合には、有機アルコキシシラン類、有機ハロシ
ラン類、有機ジシラザン類、カルボン酸類、ヒドロキサ
ム酸類、ホスホン酸類などの自己組織化膜形成用化合物
が表面の酸化物と反応して、また、基板として酸化物を
有していない電極層を用いた場合には、チオール類、ス
ルフィド類などの自己組織化膜形成用化合物が表面と化
学結合に匹敵する吸着(化学吸着)をして、図5及び図
6に模式的に例示したように、自ら結合を形成し、それ
ぞれの電極層の表面に組織化された緻密な超薄膜、即
ち、自己組織化膜を形成する(「ジャーナル オブ ケ
ミカル フィジックス(J.Chem.Phys.)」第95巻第2
854頁(1991年)、「東芝シリコーン プロダク
ツ インフォメーション(Products Information)」
(S−0002)等参照)。
【0055】本発明の光半導体素子では、図7に表面に
金属酸化物を有する電極を例として模式的に示したよう
に、必要に応じて、末端に反応性官能基を有する自己組
織化膜を電極層上に形成し、その上に、有機シラン系、
カルボン酸系、ヒドロキサム酸系、チオール系などの自
己組織化膜を積層した多層膜を形成したものであっても
良い。
【0056】また、本発明の光半導体素子では、図8に
表面に金属酸化物を有する電極を例として模式的に示し
たように、アルコキシシリル基、ハロシリル基、ジシラ
ザン基、カルボキシル基、ヒドロキサム酸基、ホスホン
酸基、チオール基、スルフィド基などを側鎖として有す
るポリマーを用いて自己組織化膜を形成したものであっ
ても良い。さらに、本発明の光半導体素子では、図9に
示したように、他のポリマーの側鎖と反応性を有する側
鎖を有するポリマーを用いて、自己組織化ポリマー膜上
に他のポリマー膜を形成したものであっても良い。
【0057】自己組織化膜形成用化合物として用いる有
機アルコキシシラン類、有機ハロシラン類、有機ジシラ
ザン類、カルボン酸類、ヒドロキサム酸類、ホスホン酸
類、チオール類、スルフィド類としては、特に制限はな
いが、例えば、下記一般式(1)〜(8)で示される化
合物などが挙げられる。
【0058】 R123SiX ・・・(1) R123SiNHSiR123 ・・・(2) R1COOH ・・・(3) R1(C=O)NHOH ・・・(4) R1(P=O)(OH)2 ・・・(5) R1SH ・・・(6) R1SR4 ・・・(7) R1SSR4 ・・・(8)
【0059】(式中、R1及びR4は、それぞれ独立的
に、ニトリル基、メルカプト基、アミノ基、アクリレー
ト基、グリシドキシ基、ハロゲン原子及び置換基を有し
ていても良いアリール基からなる群から選ばれる置換基
を有していても良い炭素原子数2〜30のアルキル基を
表わし、R2及びR3は、それぞれ独立的に、低級アルキ
ル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表わし、Xはア
ルコキシ基又はハロゲン原子、などを表わす。)
【0060】これらの中でも、有機トリアルコキシシラ
ン類、有機トリハロシラン類、カルボン酸類、ヒドロキ
サム酸類及びチオール類が好ましく、特に上記一般式中
のR 1 がニトリル基、メルカプト基、アミノ基、アクリ
レート基、グリシドキシ基、ハロゲン原子及び置換基を
有していても良いアリール基からなる群から選ばれる置
換基を有していても良い炭素原子数2〜30のアルキル
基である化合物が好ましい。
【0061】また、電極層として表面に酸化物を有する
電極層を用いる場合は、有機トリアルコキシシラン類、
有機トリハロシラン類、カルボン酸類及びヒドロキサム
酸類を用いることが好ましく、表面に酸化物を有さない
電極層を用いる場合は、チオール類を用いることが好ま
しい。
【0062】表面に酸化物を有する電極層としては、酸
化スズ(NESA)、酸化インジウム(ITO)の如き
酸化物導電体からなる電極層のほか、アルミニウム、
銅、クロム、チタニウム、鉄、ニッケルの如き金属の表
面に発生した自然酸化膜を有する導電体からなる電極
層、などが挙げられる。「アイイーイーイー トランス
エレクトロン デバイシーズ」(IEEE Trans. Electron
Devices)第40巻第75頁(1993年)、「シン
ソリッド フィルムズ(Thin Solid Films)」第99巻
第235頁(1983年)及び「ラングミュアー(Lang
muir)」第11巻第813頁(1995年)などには、
アルミニウム、銅、クロム、チタニウム、鉄及びニッケ
ルは、その表面に、これらの金属の自然酸化膜が形成さ
れることが記載されている。更に、これら自然酸化膜を
電気化学的に陽極酸化などを行なって、その酸化物層を
厚くして用いることもできる。
【0063】一方、表面に酸化物を有さない電極層とし
ては、例えば、金、白金、銀、銅の如き導電体からなる
電極層が挙げられる。
【0064】自己組織化膜形成用化合物として用いる有
機アルコキシシラン、有機ハロシラン及び有機ジシラザ
ンとしては、特に制限はないが、通常シランカップリン
グ剤として市販されている有機アルコキシシランや有機
ハロシラン(例えば信越化学工業株式会社の珪素化合物
試薬カタログ記載の化合物や東芝シリコーン株式会社の
有機ケイ素化合物カタログ記載の化合物など)が挙げら
れ、さらに、これらのシランカップリング剤に新たな官
能基を付与して用いることもできる。これらの中でも、
有機トリアルコキシシラン及び有機トリハロシランが好
ましい。
【0065】有機トリアルコキシシラン及び有機トリハ
ロシランとしては、例えば、メチルトリクロロシラン、
エチルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、ブ
チルトリメトキシシラン、ペンチルトリクロロシラン、
オクチルトリエトキシシラン、オクチルメチルジクロロ
シラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリクロロ
シラン、ドデシルトリエトキシシラン、テトラデシルト
リクロロシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、オ
クタデシルトリクロロシラン、エイコシルトリクロロシ
ラン、ドコシルトリクロロシラン、トリアコンタシルト
リクロロシラン、エチルオクタデシルジメトシキシラ
ン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリクロロシラ
ン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオ
ロヘキシルトリクロロシラン、3,3,4,4,5,
5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリエトキシシ
ラン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,
8,8−トリデカフルオロオクチルトリクロロシラン、
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8
−トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、
【0066】クロロメチルトリメトキシシラン、クロロ
メチルトリエトキシシラン、2−シアノエチルトリクロ
ロシラン、3−クロロプロピルトリクロロシラン、3−
シアノプロピルトリクロロシラン、5−シアノペンチル
トリメトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシ
ラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2
−シアノエチルトリメトキシシラン、5−シアノペンチ
ルトリメトキシシラン、10−シアノデシルトリメトキ
シシラン、11−シアノウンデシルトリエトキシシラ
ン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−ブロ
モプロピルトリメトキシシラン、10−ブロモデシルト
リメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン、5−メルカプトペンチルトリエトキシシラ
ン、10−メルカプトデシルトリメトキシシラン、3−
アミノプロピルトリメトキシシラン、10−アミノデシ
ルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、3−アニリノプロピルトリメ
トキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、4−クロ
ロフェニルトリメトキシシラン、5−〔5′−(2′−
メチル−2′−ボラ−1′,3′−ジオキサ)シクロヘ
キシル〕ペンチルトリクロロシラン、3−モルフォリノ
プロピルトリメトキシシラン、3−ピペラジノプロピル
トリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,N′−
ビス(トリメチルシリル)ウレア、N−トリエチルシリ
ルアセトアミド、ジエチルトリメチルシリルアミン、ト
リメチルシリルイミダゾール、などが挙げられるが、こ
れらの化合物に限定されるものではない。
【0067】自己組織化膜形成用化合物として用いるカ
ルボン酸類としては、例えば、プロピオン酸、酪酸、ヘ
キサン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、ヘキサ
デカン酸、エイコサン酸、ドコサン酸、トリアコンタン
酸、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオ
ロヘキサン酸、12,12,13,13,14,14,
15,15,16,16,17,17,18,18,1
9,19,19−ヘプタデカフルオロノナデカン酸、9
−(1′−ピレニル)ノナン酸、トリメチルシリル酢
酸、3−メルカプトプロピオン酸、10−メルカプトデ
カン酸、3−シアノプロピオン酸、16−シアノヘキサ
デカン酸、4−シアノ安息香酸、2−カルボキシチオフ
ェン、などが挙げられるが、これらの化合物に限定され
るものではない。
【0068】自己組織化膜形成用化合物として用いるヒ
ドロキサム酸類としては、例えば、N−ヒドロキシペン
タンアミド、N−ヒドロキシヘキサンアミド、N−ヒド
ロキシデカンアミド、10,N−ジヒドロキシデカンア
ミド、N−ヒドロキシテトラデカンアミド、N−ヒドロ
キシオクタデカンアミド、N−ジヒドロキシヘキサデカ
ンアミド、N−ヒドロシキエイコサンアミド、N−ヒド
ロキシ−3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフ
ルオロヘキサンアミド、N−ヒドロキシ−12,12,
13,13,14,14,15,15,16,16,1
7,17,18,18,19,19,19−ヘプタデカ
フルオロノナデカンアミド、N−ヒドロキシ−10−メ
ルカプトデカンアミド、N−ヒドロキシ−10−シアノ
デカンアミド、N−ヒドロキシ−10−アミノデカンア
ミド、N−ヒドロキシ−10−クロロデカンアミド、N
−ヒドロキシ−10−フェニルデカンアミド、などが挙
げられるが、これらの化合物に限定されるものではな
い。
【0069】自己組織化膜形成用化合物として用いるホ
スホン酸類としては、例えば、プロパンホスホン酸、オ
クタンホスホン酸、デカンホスホン酸、ヘキサデカンホ
スホン酸、ドコサンホスホン酸、3,3,4,4,5,
5,6,6,6−ノナフルオロヘキサンホスホン酸、1
2,12,13,13,14,14,15,15,1
6,16,17,17,18,18,19,19,19
−ヘプタデカフルオロノナデカンホスホン酸、3−メル
カプトプロピオンホスホン酸、10−メルカプトデカン
ホスホン酸、3−シアノプロピオンホスホン酸、などが
挙げられるが、これらの化合物に限定されるものではな
い。
【0070】自己組織化膜形成用化合物として用いるチ
オール類としては、例えば、ブタンチオール、ヘキサン
チオール、ノナンチール、ヘキサデカンチオール、3,
3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキサ
ンチオール、12,12,13,13,14,14,1
5,15,16,16,17,17,18,18,1
9,19,19−ヘプタデカフルオロノナデカンチオー
ル、1−シアノ−6−メルカプトヘキサン、3−メルカ
プトプロピルトリメトキシシラン、5−メルカプトペン
チルトリエトキシシラン、10−メルカプトデシルトリ
メトキシシラン、3′−メルカプトプロピルベンゼン、
3−メルカプトプロピオン酸、N−ヒドロキシ−10−
メルカプトデカンアミド、などが挙げられるが、これら
の化合物に限定されるものではない。また、チオール類
としては、ハロゲン化アルキルと硫化水素ナトリウム又
はチオ尿素の反応により得た脂肪族チオールや、アリー
ルグリニアール試薬を硫黄の反応により得た芳香族チオ
ールを用いることもできる。
【0071】自己組織化膜形成用化合物として用いるス
ルフィド類としては、例えば、ジエチルスルフィド、ジ
ペンチルスルフィド、ジデシルスルフィド、ジオクタデ
シルスルフィド、ジエチルジスルフィド、ジプロピルジ
スルフィド、ジデシルジスルフィド、ジオクタデシルジ
スルフィド、などが挙げられるが、これらの化合物に限
定されるものではない。
【0072】金属酸化物を表面に有する電極を例にして
図7に模式的に示したように、本発明では、必要に応じ
て、末端に反応性官能基を有する自己組織化膜を電極層
上に形成し、その上に、有機シラン系、カルボン酸系、
ヒドロキサム酸系、チオール系、などの自己組織化膜を
積層した多層膜を形成することもできる。この方法は、
自己組織化膜の膜厚を容易に制御でき、かつ末端の官能
基の種類を制御しやすい方法として、本発明の特徴を最
も発揮し得る方法である。
【0073】この場合、第1層目の自己組織化膜形成用
化合物は、その末端に第2層目の自己組織化膜形成用化
合物と反応する反応性官能基を有するものであれば特に
制限はなく、そのような化合物としては、例えば、反応
性官能基として、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、
カルボニル基、アルデヒド基、メルカプト基、リン酸
基、ハロゲン原子などを有する自己組織化膜形成用化合
物が挙げられる。これらの中でも、水酸基、アミノ基、
カルボキシル基、カルボニル基、アルデヒド基、メルカ
プト基を有する自己組織化膜形成用化合物が好ましく、
特に水酸基を有する自己組織化膜形成用化合物が推奨さ
れる。
【0074】反応性官能基と有機シラン系、カルボン酸
系、ヒドロキサム酸系、チオール系などの自己組織化膜
形成部位とが反応する場合には、層数の制御が困難とな
るので、これらの反応性官能基を予め保護した自己組織
化膜形成用化合物を用いて第1層目を形成した後、保護
基を脱離して、末端に水酸基、アミノ基、カルボキシル
基、カルボニル基、アルデヒド基、メルカプト基、など
を生成させた後、第2層目を形成する方法が好ましい。
なお、第2層目を形成した後、上記と同様にして、第3
層目以降を形成することも可能である。
【0075】また、反応性官能基の保護及び脱離には、
有機反応で既知な保護及び脱離の方法、例えば、「プロ
テクティブ グループス イン オーガニック ケミス
トリー(Protective Groups in Organic Chemistry)」
(プレナムプレス(Plenum Press)社(1973年出版)
に記載の方法を用いることができる。具体的には、水酸
基に対しては、エーテル化、エステル化、アセタール
化、ケタール化、などの保護及びその脱離手法を、アミ
ノ基に対しては、キレート化、アミド化、アゾメチン
化、などの保護及びその脱離手法を、カルボキシル基に
対しては、エステル化、塩形成、などの保護及びその脱
離手法を、カルボニル及びアルデヒド基に対しては、ケ
タール化、アセタール化、アゾメチン化、などの保護及
びその脱離手法を、メルカプト基に対しては、チオエー
テル化、チオアセタール化、チオエステル化、などの保
護及びその脱離手法を、それぞれ用いることができる。
【0076】更に、第2層目以降の膜の形成には、上記
反応性官能基の保護手法を利用して反応性官能基を有す
る自己組織化膜上に膜を形成することもできる。
【0077】第1層目に用いられる自己組織化膜形成用
化合物は、末端に、アミノ基、ハロゲン原子、エステル
基、カルボキシル基、メルカプト基、エーテル基、シア
ノ基を有する材料が好ましい。そのような自己組織化膜
形成用化合物としては、例えば、クロロメチルトリメト
キシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、2−シ
アノエチルトリクロロシラン、3−クロロプロピルトリ
クロロシラン、3−シアノプロピルトリクロロシラン、
5−シアノペンチルトリメトキシシラン、メルカプトメ
チルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリ
メトキシシラン、2−シアノエチルトリメトキシシラ
ン、5−シアノペンチルトリメトキシシラン、10−シ
アノデシルトリメトキシシラン、11−シアノウンデシ
ルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキ
シシラン、3−ブロモプロピルトリメトキシシラン、1
0−ブロモデシルトリメトキシシラン、3−メルカプト
プロピルトリメトキシシラン、5−メルカプトペンチル
トリエトキシシラン、10−メルカプトデシルトリメト
キシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、
10−アミノデシルトリメトキシシラン、3−(2−ア
ミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
【0078】5−〔5′−(2′−メチル−2′−ボラ
−1′,3′−ジオキサ)シクロヘキシル〕ペンチルト
リクロロシラン、3−モルフォリノプロピルトリメトキ
シシラン、3−ピペラジノプロピルトリメトキシシラ
ン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
3−メルカプトプロピオン酸、10−メルカプトデカン
酸、3−シアノプロピオン酸、16−シアノヘキサデカ
ン酸、4−シアノ安息香酸、2−カルボキシチオフェ
ン、N−ヒドロキシ−10−メルカプトデカンアミド、
N−ヒドロキシ−10−シアノデカンアミド、N−ヒド
ロキシ−10−アミノデカンアミド、N−ヒドロキシ−
10−クロロデカンアミド、3−メルカプトプロピオン
ホスホン酸、10−メルカプトデカンホスホン酸、3−
シアノプロピオンホスホン酸、1−シアノ−6−メルカ
プトヘキサン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン、5−メルカプトペンチルトリエトキシシラン、1
0−メルカプトデシルトリメトキシシラン、3−メルカ
プトプロピオン酸、N−ヒドロキシ−10−メルカプト
デカンアミド、などが挙げられるが、これらの化合物に
限定されるものではない。これらの中でも、5−〔5′
−(2′−メチル−2′−ボラ−1′,3′−ジオキ
サ)シクロヘキシル〕ペンチルトリクロロシラン、3−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、などの保護され
た水酸基を有する化合物が好ましい。
【0079】保護された水酸基は、加水分解や還元して
水酸基とした後、また、同様に保護された反応性官能基
は脱保護されて、第2層目用、次いでそれ以降の層用の
自己組織化膜形成用化合物として用いることもできる。
【0080】第2層目以後の膜形成には、上記の第1層
目に用いた自己組織化膜形成用化合物を同様に用いるこ
とができる。最外層の膜形成に用いる化合物には特に制
限はなく、上記第1層目の反応性官能基と反応する任意
の化合物を使用することができ、上記の自己組織化膜形
成用化合物のみに限られるものではない。
【0081】自己組織化膜がポリマーで構成される場合
に用いられるポリマーは、アルコキシシリル基、ハロシ
リル基、ジシラザン基、カルボキシル基、ヒドロキサム
酸基、ホスホン酸基、チオール基、スルフィド基などを
側鎖として有するポリマーである。自己組織化膜に用い
られるポリマーとしては、例えば、アルコキシシリル基
の如き珪素含有基を側鎖に有するポリ(メタ)アクリレ
ート、ポリスチレン、又はポリビニル系ポリマー;(メ
タ)アクリレートとアクリル酸との共重合体、マレイン
酸モノアルキルエステル/アルキルビニルエーテル交互
コポリマーの如き側鎖にカルボキシル基を有するポリマ
ー;ヒドロキサム酸基、ホスホン酸基、チオール基、ス
ルフィド基などを側鎖に有するポリ(メタ)アクリレー
ト、ポリスチレン又はポリビニル系ポリマー、などが挙
げられる。これらの中でも、エステルのアルコール部分
としてアルコキシシリルアルキレンオキシ基を有するポ
リ(メタ)アクリル酸エステルが特に好ましい。そのよ
うなアルコキシシリルアルキレンオキシ基を有するポリ
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メ
タ)アクリル酸−11−トリメトキシシリルプロピル、
(メタ)アクリル酸−11−トリエトキシシリルウンデ
シルの如きアルコキシシリルアルキレンオキシ基を有す
る(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体;これらの
アルコキシシリルアルキレンオキシ基を有する(メタ)
アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸エステルとの
共重合体、などが挙げられる。
【0082】また、上記低分子自己組織化膜を形成した
上に、自己組織化ポリマー膜を形成することもできる。
そのような積層型の場合、低分子自己組織化膜の金属電
極と反応する反応性基の他端の自己組織化ポリマー膜の
反応性基と反応する反応性基としては、水酸基やアミノ
基が好ましい。これらの水酸基やアミノ基は必要に応
じ、上記の手法で保護された上で金属電極上に形成し、
次いで、必要に応じ脱保護を行ない、反応性基を有する
ポリマーと反応させることで形成できる。
【0083】末端にアミノ基を有する低分子自己組織化
膜形成用化合物としては、例えば、3−アミノプロピル
トリクロロシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、6−ア
ミノヘキシルトリクロロシラン、6−アミノヘキシルト
リメトキシシラン、6−アミノヘキシルトリエトキシシ
ラン、11−アミノウンデシルトリクロロシラン、11
−アミノウンデシルトリメトキシシラン、11−アミノ
ウンデシルトリエトキシシラン、などが挙げられる。ま
た、これらの末端にアミノ基を有する自己組織化膜形成
用化合物と反応するポリマーとしては、例えば、マレイ
ン酸モノアルキルエステル/アルキルビニルエーテル交
互コポリマー、などが挙げられる。この場合、アンモニ
ウム塩を形成したポリマー膜が形成されるが、これを熱
処理することにより、アンモニウム塩をイミド結合に変
換することができる。
【0084】末端に水酸基又は保護された水酸基を有す
る低分子自己組織化膜形成用化合物としては、例えば、
3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシランの如きアル
コール類、3−トリメチルシロキシプロピルトリメトキ
シシランの如きシリル化化合物、5−〔5′−(2′−
メチル−2′−ボラ−1′,3′−ジオキサ)シクロヘ
キシル〕ペンチルトリクロロシランの如きボロン酸エス
テル類、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ンの如きエステル類、3−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシランの如きエーテル類等が挙げられるが、シリ
ル化、ボロン酸エステル、エステル、エーテル化等の手
法で保護された化合物が好ましい。これら保護された低
分子自己組織化膜形成用化合物の形で自己組織化膜とし
た後、脱保護され、水酸基とされる。これらの末端に水
酸基を有する低分子自己組織化膜形成用化合物と反応す
るポリマーとしては、例えば、側鎖にカルボキシル基を
有するポリ(メタ)アクリル酸誘導体、エステルのアル
コール部分としてアルコキシシリルアルキレンオキシ基
を有するポリ(メタ)アクリル酸エステルポリマー、な
どが挙げられる。
【0085】電極層上に自己組織化膜を形成する方法と
しては、例えば、自己組織化膜形成用化合物を溶媒に溶
解させ、その溶液に電極層を接触させて自己組織化膜形
成用化合物を電極層と反応させた後、この電極層を該溶
液から分離し、次いで自己組織化膜形成用化合物が溶解
する溶液で洗浄して、未反応の自己組織化膜形成用化合
物を除去する方法が挙げられる。なお、この反応は、自
己組織化膜形成用化合物と電極層表面との間で起こる化
学結合、あるいは化学結合に匹敵するエネルギーで表面
に吸着(化学吸着)することを指す。
【0086】自己組織化膜形成用化合物のうち、有機ハ
ロシラン類や有機ジシラザン類を溶解させる溶媒として
は、例えば、ヘキサン、デカン、ヘキサデカンの如き脂
肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンの如き芳
香族炭化水素;四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレ
ン、1,1,2−トリクロロエタンの如きハロゲン化炭
化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、1,2−ジメトキシエタンの如きエーテル系化
合物、などが挙げられるが、これらの化合物に限定され
るものではなく、有機ハロシラン類や有機ジシラザン類
が有する反応性基と反応する水酸基やカルボニル基を有
しない溶媒であればよい。これらの溶媒は、単独で用い
ることも、2種類以上を併用して用いることもできる。
【0087】自己組織化膜形成用化合物のうち、有機ア
ルコキシシラン類を溶解させる溶媒としては、例えば、
水;メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロ
パノールの如きアルコール;アセトン、2−ブタノンの
如きケトン;上記した有機ハロシラン類や有機ジシラザ
ン類に用いることができる溶媒、などが挙げられる。こ
れらの溶媒は、単独で用いることも、2種類以上を併用
して用いることもできる。
【0088】自己組織化膜形成用化合物のうち、カルボ
ン酸類、ヒドロキサム酸類、チオール類、ホスホン酸又
はスルフィド類を溶解させる溶媒は、これらの自己組織
化膜形成用化合物を溶解し、これらと反応しない溶媒で
あれば、特に制限なく使用することができる。そのよう
な溶媒としては、例えば、上記した有機アルコキシシラ
ン類や有機ハロシラン類や有機ジシラザン類を溶解する
溶媒として例示した溶媒などが挙げられる。
【0089】自己組織化膜形成用化合物及び溶媒からな
る溶液の濃度には、特に限定はないが、薄すぎると反応
の進行に時間を要し、また濃すぎると単分子膜の如き超
薄膜を形成しづらく成る傾向にあるので、溶液の濃度
は、0.001ミリモル/リットル〜5モル/リットル
(ポリマーの場合はポリマーを形成する1ユニットあた
りの濃度)の範囲が好ましい。
【0090】なお、自己組織化膜形成用化合物として有
機ハロシラン類を用いる場合、副生する塩化水素を捕捉
する目的で、有機ハロシラン類及び溶媒からなる溶液
に、ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリンの
如きアミン類を共存させても良い。また、自己組織化膜
形成用化合物として有機アルコキシシラン類を用いる場
合、有機アルコキシシラン類及び溶媒からなる溶液に、
ギ酸、酢酸の如きカルボン酸を触媒として添加すること
もできる。
【0091】自己組織化膜形成用化合物及び溶媒からな
る溶液と電極層とを接触させ、自己組織化膜を形成する
際の処理温度には特に限定はないが、単分子膜の如き超
薄膜を形成するためには、−10〜150℃の範囲が好
ましく、0〜100℃の範囲が特に好ましい。また、自
己組織化膜形成用化合物及び溶媒からなる溶液と電極層
とを接触させ、自己組織化膜を形成する際の処理時間に
特には制限はないが、温度が低いと長時間を要し、温度
が高いと短時間で処理が終了する傾向にあるので、処理
時間は、一般に1分〜2日の範囲が好ましく、30分〜
1日の範囲が特に好ましい。
【0092】また、自己組織化膜形成用化合物として、
有機アルコキシシラン類、有機ハロシラン類や有機ジシ
ラザン類を用いる場合、1時間程度の短時間の処理を2
回以上、好ましくは2〜3回繰り返す方法は、緻密な超
薄膜の単分子膜を形成することができるので、特に好ま
しい。この場合、処理後の電極層を更に熱処理すること
によって、自己組織化膜の形成を完全ならしめることが
できるので、より好ましい。この熱処理温度には、特に
制限はないが、50〜200℃の範囲が好ましく、50
〜150℃の範囲が特に好ましい。
【0093】末端にアミノ基を有する自己組織化膜を形
成し、この上にアンモニウム塩形成した場合には、これ
を熱処理することによって、イミド結合に変換すること
ができる。この場合の熱処理の温度は、100〜200
℃の範囲が好ましく、熱処理の時間は、2〜24時間の
範囲が好ましい。この加熱処理は、減圧化において行な
うこともできる。
【0094】自己組織化膜形成にとって重要なことは、
電極層を含む基板を所定濃度の自己組織化膜形成用化合
物及び溶媒からなる溶液と所定時間接触させた後、基板
を溶液から分離し、溶媒で洗浄することによって、未反
応の自己組織化膜形成用化合物を除去することにあり、
必要により、更に熱処理を施すことにある。
【0095】洗浄に用いる溶媒としては、前記した自己
組織化膜形成用化合物の溶解に用いる溶媒を挙げること
ができる。この洗浄には、超音波洗浄器などを用いるこ
とも有効である。
【0096】このようにして形成された自己組織化膜の
膜厚は、自己組織化膜形成用化合物のアルキル鎖長によ
るが、通常、0.1〜20nmの膜厚を示す。光半導体
素子の感度を向上させる目的には、自己組織化膜の膜厚
は、0.3〜10nmの範囲が特に好ましい。
【0097】
【実施例】以下に、実施例を用いて本発明を更に具体的
に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例の
範囲に限定されるものではない。なお、以下の例中で用
いた「%」及び「部」は、特に断りがない限り、それぞ
れ「重量%」及び「重量部」を表わす。
【0098】(実施例1)縦及び横の長さが20mm、
厚さが1mmのパイレックスガラス上に3×10 -3Pa
の真空下でチタニウムを膜厚15nmとなるように蒸着
し、引き続き、金を膜厚20nmとなるように蒸着して
半透明電極を得た。電極層を形成した基板を、濃度が1
mM(ミリモル)のオクタデシルメルカプタンのエタノ
ール溶液に室温で1時間浸漬し、引き上げた後、エタノ
ールで十分洗浄した。次いで窒素ガス気流を噴射するこ
とによって乾燥させて処理電極基板を得た。エリプソメ
ーターによる測定から、2.1nmの薄膜が金蒸着膜上
に形成されていることを確認することができた。また、
エスカ(ESCA)による表面分析結果も合わせ、金蒸
着膜上にオクタデシルメルカプタンの単分子膜すなわち
自己組織化膜が形成されていることが判った。
【0099】油回転ポンプ及び油拡散ポンプで構築した
真空系を有する蒸着装置を用い、昇華精製したオキソチ
タニウムフタロシアニン(OTiPc)をアルミナルツ
ボに仕込み、ルツボ上20cmの距離に、自己組織化膜
を形成した電極基板を3枚設置し、3×10-4Paの真
空下で蒸着を行なった。蒸着中、電極基板は150℃の
温度に維持し、蒸着速度は、水晶振動子を用いた膜厚モ
ニターで観察しながら、アルミナルツボを400〜45
0℃に加熱することにより、0.05nm/秒に制御し
た。このようにして、膜厚200nmの蒸着膜を3枚の
基板に形成した。基板温度を室温とした後、同様の条件
で、4,4’−(フェニル、2−メチルフェニルアミ
ノ)ビフェニルを50nmの厚さに蒸着した。
【0100】一旦、常圧に戻した後、3×10-3Paの
真空下で活性領域が2×2mmである金電極を20nm
の厚さに4素子づつ蒸着し、パイレックスガラス/Ti
(15nm)/Au(20nm)/オクタデシルメルカ
プタン−自己組織化膜/TiOPc(200nm)/
4,4’−(フェニル、2−メチルフェニルアミノ)ビ
フェニル(50nm)/Au(20nm)の構成からな
る光半導体素子を作製した。
【0101】このようにして得た光半導体素子のX線回
折図では、ブラッグ角(2θ)が7.6度(1.16n
m)にのみ回折ピークが観測された。これはα型OTi
Pcの(010)面に対応する。従って、α型結晶のb
軸が基板にほぼ垂直方向に配向され、即ち、OTiPc
のフタロシアニン環が基板にほぼ垂直に立って配向さ
れ、蒸着膜を形成する微結晶の方位が揃っていることを
示している。偏光可視吸収スペクトルの吸収極大は83
0nmであり、α型OTiPcに一致する。
【0102】光半導体素子の暗電流及び光電流の測定
は、図10に示した測定系で行なった。暗箱中に光半導
体素子を置き、リード線(BNCケーブル)でソースメ
ジャーユニットに接続した。照射光はキセノンランプを
光源とし、モノクロメーターを介して取り出した単色光
を素子の活性領域に照射した。モノクロメーター及びソ
ースメジャーユニットをパーソナルコンピュータで制御
しながら、光源をオン−オフし、光電流及び暗電流を測
定し、パーソナルコンピュータに取り込んだ。
【0103】電極(d)に−5Vを印加し、光をオン−
オフさせながら、0.5Vづつ送引して5V印加までの
範囲で暗電流、光電流−電圧特性を測定した。この時、
電極透過光強度1.62μW/cm2 の波長720nm
の単色光を用いた。
【0104】この時の代表的な電流−電圧特性を図11
に示した。3枚×4素子(合計12素子)間の再現性は
良好であった。暗電流は(−)V印加時と(+)V印加
時でほぼ同じ値を示し、疑似オーム性であった。光電流
は(+)V印加時が大きく、+1V印加付近から光電流
量子効率は1を超え始め、+5V印加時において71を
与えた。この結果は明らかに光電流の増幅が起こってい
ることを示していた。
【0105】また、立ち上がり速度が100μ秒の赤色
LED(発振波長690nm)を用いて素子に5V印加
した時の光電流の立ち上がり応答速度を測定したとこ
ろ、400m秒後に一定値に達した。
【0106】(比較例1)実施例1において金蒸着膜上
にオクタデシルメルカプタンからなる自己組織化膜を形
成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、パイ
レックスガラス/Ti(15nm)/Au(20nm)
/TiOPc(200nm)/4,4’−(フェニル、
2−メチルフェニルアミノ)ビフェニル(50nm)/
Au(20nm)で構成される光半導体素子を得た。
【0107】実施例1と同一条件で、比較例1の光半導
体素子の暗電流、光電流−電圧特性の測定を行なった。
この時の代表的な電流−電圧特性を図12に示した。暗
電流は(−)V印加時と(+)V印加時でほぼ同じ値を
示し、疑似オーム性であった。光電流は(+)V印加時
が大きいが、+5V印加時においても、光電流量子効率
は0.6と1を超えなかった。
【0108】実施例1の光半導体素子は、明らかに光電
流の増幅が起こっている結果を示しているのに対し、自
己組織化膜を形成しない比較例1の光半導体素子は、明
らかに光電流の増幅が起こっていないので、これらの結
果から、自己組織化膜の効果は明らかである。
【0109】(実施例2)縦及び横の長さが20mm、
厚さが1mmのパイレックスガラス上にPtをスパッタ
リングにより膜厚20nmの白金電極層を形成した。白
金電極層を形成した基板を、濃度が1mM(ミリモル)
のオクタデシルメルカプタンのエタノール溶液に室温で
3時間浸漬し、引き上げた後、エタノールで十分洗浄し
た。次いで、窒素ガス気流を噴射することによって乾燥
させて処理電極基板を得た。エリプソメーターによる測
定から、1.4nmの薄膜が白金電極層上に形成されて
いた。また、ESCAによる表面分析結果も合わせ、白
金電極層上にオクタデシルメルカプタンの単分子膜すな
わち自己組織化膜が形成されていることが判った。
【0110】油回転ポンプ及びターボモレキュラーポン
プで構築した真空系を有する蒸着装置を用い、昇華精製
したオキソチタニウムフタロシアニン(OTiPc)を
石英製クヌーセンセルに仕込み、クヌーセンセル上20
cmの距離に、自己組織化膜を形成した電極基板を1枚
設置し、2×10-5Paの真空下で蒸着を行なった。電
極基板は蒸着中、150℃の温度に保持し、蒸着速度
は、水晶振動子を用いた膜厚モニターで観察しながら、
アルミナルツボを230〜270℃に加熱することによ
り、0.05nm/秒に制御した。このようにして、膜
厚400nmの蒸着膜を形成した。次いで、基板温度を
室温とした後、活性領域が2×2mmである金電極を2
0nmの厚さに蒸着し、パイレックスガラス/Pt(2
0nm)/オクタデシルメルカプタン−自己組織化膜/
TiOPc(400nm)/Au(20nm)の構成か
らなる光半導体素子を作製した。
【0111】このようにして得た光半導体素子のX線回
折図では、ブラッグ角(2θ)が7.6度(1.16n
m)にのみ回折ピークが観測された。これはα型OTi
Pcの(010)面に対応する。従って、α型結晶のb
軸が基板にほぼ垂直方向に配向され、即ち、OTiPc
のフタロシアニン環が基板にほぼ垂直に立って配向さ
れ、蒸着膜を形成する微結晶の方位が揃っていることを
示している。偏光可視吸収スペクトルの吸収極大は83
0nmであり、α型OTiPcに一致する。
【0112】光半導体素子の暗電流及び光電流の測定
は、実施例1と同様にして、電極(d)に−5Vを印加
し、光をオン−オフさせながら、0.5Vづつ送引して
5V印加までの範囲で暗電流、光電流−電圧特性を測定
した。この時、電極透過光強度1.62μW/cm2
波長720nmの単色光を用いた。+5V印加時に光電
流量子効率が65となり、明らかに光電流の増幅が起こ
っていることを示していた。
【0113】(比較例2)実施例2において、白金電極
層上に自己組織化膜を形成しなかったこと以外は、実施
例2と同様にして、パイレックスガラス/Pt(20n
m)/TiOPc(400nm)/Au(20nm)の
構成からなる光半導体素子を作製した。実施例2と同一
条件で、比較例2の光半導体素子の暗電流、光電流−電
圧特性の測定を行なった。その結果、+5V印加時の光
電流量子効率は0.4であり、光電流の増幅現象は観測
されなかった。
【0114】実施例2の光半導体素子は、明らかに光電
流の増幅が起こっている結果を示しているのに対し、自
己組織化膜を形成しない比較例2の光半導体素子は、明
らかに光電流の増幅が起こっていないので、これらの結
果から、自己組織化膜の効果は明らかである。
【0115】(実施例3)縦及び横の長さが20mm、
厚さが1mmのパイレックスガラス上に3×10 -3Pa
の真空下でCuを蒸着して膜厚20nmの電極層を形成
した。Cu電極層を形成した基板を、濃度が1mM(ミ
リモル)のオクタデシルメルカプタンのエタノール溶液
に室温で1時間浸漬し、引き上げた後、エタノールで十
分洗浄した。次いで窒素ガス気流を噴射することによっ
て乾燥させて処理電極基板を得た。エリプソメーターに
よる測定から、4.41nmの薄膜がCu電極層上に形
成されていた。また、ESCAによる表面分析結果も合
わせ、Cu電極層上にオクタデシルメルカプタンの自己
組織化膜が形成されていることが判った。
【0116】油回転ポンプ及びターボモレキュラーポン
プで構築した真空系を有する蒸着装置を用い、昇華精製
したオキソチタニウムフタロシアニン(OTiPc)を
石英製クヌーセンセルに仕込み、クヌーセンセル上20
cmの距離に、自己組織化膜を形成した電極基板を1枚
設置し、2×10-5Paの真空下で蒸着を行なった。蒸
着中、電極基板温度を150℃に保持し、蒸着速度は、
水晶振動子を用いた膜厚モニターで観察しながら、アル
ミナルツボを230〜270℃に加熱することにより、
0.05nm/秒に制御した。このようにして、膜厚3
50nmの蒸着膜を形成した。基板温度を室温とした
後、活性領域が2×2mmである金電極を20nmの厚
さに蒸着し、パイレックスガラス/Cu(20nm)/
オクタデシルメルカプタン−自己組織化膜/TiOPc
(350nm)/Au(20nm)の構成からなる光半
導体素子を作製した。
【0117】このようにして得た光半導体素子のX線回
折図では、ブラッグ角(2θ)が7.6度(1.16n
m)にのみ回折ピークが観測された。これはα型OTi
Pcの(010)面に対応する。従って、α型結晶のb
軸が基板にほぼ垂直方向に配向され、即ち、OTiPc
のフタロシアニン環が基板にほぼ垂直に立って配向さ
れ、蒸着膜を形成する微結晶の方位が揃っていることを
示している。偏光可視吸収スペクトルの吸収極大は83
0nmであり、α型OTiPcに一致する。
【0118】実施例1と同様にして、光半導体素子の暗
電流及び光電流の測定を行なった。この時、電極透過光
強度1.62μW/cm2 の波長720nmの単色光を
用いた。+5V印加において光電流量子効率が78とな
り、明らかに光電流の増幅が起こっていることを示して
いた。
【0119】(比較例3)実施例3において、Cu電極
層上に自己組織化膜を形成しなかったこと以外は、実施
例3と同様にして、パイレックスガラス/Cu(20n
m)/TiOPc(350nm)/Au(20nm)の
構成からなる光半導体素子を作製した。
【0120】実施例3と同一条件で、比較例3の光半導
体素子の暗電流、光電流−電圧特性の測定を行なった。
その結果、+5V印加時の光電流量子効率は0.9であ
り、光電流の増幅現象は観測されなかった。
【0121】実施例3の光半導体素子は、明らかに光電
流の増幅が起こっている結果を示しているのに対し、自
己組織化膜を形成しない比較例3の光半導体素子は、明
らかに光電流の増幅が起こっていないので、これらの結
果から、自己組織化膜の効果は明らかである。
【0122】(実施例4)実施例1と同様にしてパイレ
ックスガラス/Ti(15nm)/Au(20nm)上
にオクタデシルメルカプタンからなる自己組織化膜を形
成した。
【0123】実施例1と同じ蒸着装置を用い、同一条件
で、C60蒸着膜を膜厚400nmの厚さに形成した。
一旦、常圧に戻した後、3×10-3Paの真空下で活性
領域が2×2mmである金電極を20nmの厚さに4素
子づつ蒸着し、パイレックスガラス/Ti(15nm)
/Au(20nm)/オクタデシルメルカプタン−自己
組織化膜/C60(400nm)/Au(20nm)の
構成からなる光半導体素子を作製した。
【0124】このようにして得た素子のX線回折図で
は、ブラッグ角(2θ)10.71°、17.62°及
び20.72°に回折パターンを示し、fcc構造の結
晶が形成されていた。
【0125】実施例1と同じ蒸着装置を用い、−8V〜
8Vの印加範囲で、暗電流、光電流−電圧応答を測定し
た。この時、電極透過光強度1.27μW/cm2 の波
長400nmの単色光を用いた。光電流は(+)V印加
時が大きく、+8V印加時において36.4を与えた。
この結果は明らかに光電流の増幅が起こっていることを
示していた。
【0126】(比較例4)実施例4において、電極層上
に自己組織化膜を形成しなかったこと以外は、実施例4
と同様にして、パイレックスガラス/Ti(15nm)
/Au(20nm)/C60(400nm)/Au(2
0nm)の構成の素子を作製した。
【0127】実施例4と同一条件で、比較例4の光半導
体素子の暗電流、光電流−電圧特性の測定を行なった。
その結果、光電流量子効率は+8Vの印加においても
0.017と小さい値であった。
【0128】実施例4の光半導体素子は、明らかに光電
流の増幅が起こっている結果を示しているのに対し、自
己組織化膜を形成しない比較例4の光半導体素子は、明
らかに光電流の増幅が起こっていないので、これらの結
果から、自己組織化膜の効果は明らかである。
【0129】(実施例5)スパッタリングで形成された
厚さ40nmのインジウムチンオキシド電極層を有する
厚さ1mmのパイレックスガラス基板(以下、ITO基
板と略す)を、5ミリモル/リットル濃度のデシルトリ
メトキシシランのメタノール溶液に室温で1時間浸漬し
た後、溶液から引き上げ、メタノールで十分洗浄した。
次いで、100℃のオーブン中で1時間加熱し、室温に
冷却した後、再度同一の処理を行なって、自己組織化膜
がITO電極層上に形成されたITO基板を得た。この
ITOからなる電極層上には、厚さ1.5nmのデシル
シロキシ基の単分子膜からなる自己組織化膜が形成され
ていることを、エリプソメーターを用いた測定とESC
A分析により確認した。
【0130】このようにして得たITO基板の電極層上
に、実施例1と同様にして、OTiPc蒸着膜を200
nmの厚さに形成し、さらに、実施例1と同様にして、
Auバック電極を形成して、パイレックスガラス/IT
O(40nm)/デシルシロキシ基からなる自己組織化
膜/OTiPc(200nm)/Au素子を作製した。
【0131】実施例1と同様にして、光半導体素子の暗
電流及び光電流の測定を行なった。ITO電極に−3V
を印加し、波長720nm、電極透過光強度20μW/
cm 2 の単色光を照射した時の光電流量子効率は12で
あった。この結果は、明らかに光電流の増幅が起こって
いることを示していた。
【0132】(実施例6)実施例5において、デシルト
リメトキシシランに代えて、オクタデシルトリメトキシ
シランを用いた以外は、実施例5と同様にして、パイレ
ックスガラス/ITO(40nm)/オクタデシロキシ
基からなる自己組織化膜/OTiPc(200nm)/
Au素子を作製した。
【0133】実施例1と同様にして、光半導体素子の暗
電流及び光電流の測定を行なった。ITO電極に−3V
を印加し、波長720nm、電極透過光強度20μW/
cm 2 の単色光を照射した時の光電流量子効率は32で
あった。この結果は、明らかに光電流の増幅が起こって
いることを示していた。
【0134】(実施例7)実施例5で用意したITO基
板を、3当量のトリエチルアミンを含有する3ミリモル
/リットル濃度の5−〔5′−(2′−メチル−2′−
ボラ−1′,3′−ジオキサ)シクロヘキシル〕ペンチ
ルトリクロロシラン/トルエン溶液に室温で1時間浸漬
した後、溶液から引き上げ、トルエンで十分洗浄した。
次いで、120℃のオーブン中で1時間加熱して、5−
〔5′−(2′−メチル−2′−ボラ−1′,3′−ジ
オキサ)シクロヘキシル〕ペンチルシロキシ基の単分子
膜からなる自己組織化膜が表面上に形成されたITO基
板を得た。
【0135】このITOからなる電極層上には、厚さ
1.5nmの5−〔5′−(2′−メチル−2′−ボラ
−1′,3′−ジオキサ)シクロヘキシル〕ペンチルシ
ロキシ基の単分子膜からなる自己組織化膜が形成されて
いることを、エリプソメーターを用いた測定とESCA
分析により確認した。
【0136】次いで、このように処理した基板を水/エ
タノールの容量比が3/7の混合液に室温で1時間浸漬
して、自己組織化膜のメタンホウ酸エステル部分を加水
分解した後、混合液から引きあげ、エタノールで十分洗
浄した後、減圧下、60℃で乾燥させた。ESCA分析
より、ITO基板上の5−〔5′−(2′−メチル−
2′−ボラ−1′,3′−ジオキサ)シクロヘキシル〕
ペンチルシロキシ基の単分子膜上のメタンホウ酸エステ
ル部分は加水分解され、6−ヒドロキシメチル−7−ヒ
ドロキシヘプチルシロキシ基の単分子膜に変化している
ことを確認した。
【0137】上記で得た6−ヒドロキシメチル−7−ヒ
ドロキシヘプチルシロキシ基の単分子膜からなる自己組
織化膜が表面に形成されたITO基板を用いて、再度、
上記と同様に処理して、2層の自己組織化膜を形成した
ITO基板を得た。このITOからなる電極層上には、
6−ヒドロキシメチル−7−ヒドロキシヘプチルシロキ
シ基の単分子膜からなる自己組織化膜上に2層目の5−
〔5′−(2′−メチル−2′−ボラ−1′,3′−ジ
オキサ)シクロヘキシル〕ペンチルシロキシ基からなる
自己組織化膜が形成されていることを確認した。また、
エリプソメーターの測定から、2層の自己組織化膜より
形成された膜の膜厚は合計で2.9nmであった。
【0138】実施例1において、このようにして得た2
層の自己組織化膜を有するITO基板を用いた以外は、
実施例1と同様にして、OTiPc蒸着膜及び金電極を
形成して、光半導体素子を作製した。
【0139】実施例5と同様に測定して、光半導体素子
の暗電流及び光電流の測定を行なった。ITO電極に−
3Vの印加し、波長720nm、電極透過光強度1.0
μW/cm2 の単色光を照射した時の光電流量子効率は
200であった。この結果は、明らかに光電流の増幅が
起こっていることを示していた。
【0140】(比較例5)実施例6において、自己組織
化膜を形成しなかった以外は、実施例6と同様にして、
パイレックスガラス/ITO(40nm)/OTiPc
(200nm)/Au素子を作製した。
【0141】実施例5と同様に測定して、光半導体素子
の暗電流及び光電流の測定を行なった。ITO電極に−
3Vを印加し、波長720nm、電極透過光強度20μ
W/cm2 の単色光を照射した時の光電流量子効率は
0.52であった。
【0142】実施例6の光半導体素子は、明らかに光電
流の増幅が起こっている結果を示しているのに対し、自
己組織化多層膜を形成しない比較例5の光半導体素子
は、明らかに光電流の増幅が起こっていないので、これ
らの結果から、自己組織化多層膜の効果は明らかであ
る。
【0143】(実施例8)メタクリル酸−3−トリメト
キシシリルプロピル20ミリモル、メタクリル酸メチル
(MMA)1.0ミリモル及びアゾビスイソブチロニト
リル(AIBN)0.21ミリモルを脱水したトルエン
15mlに溶解させ、パイレックス重合管中、脱気し封
管した。これを、油浴にて70℃に加熱し、10時間放
置した。開封後、脱水したエタノールを加えて再沈殿さ
せ、沈殿を濾取した後、減圧下60℃にて乾燥させてア
ルコキシ基と結合したシリル基を側鎖の末端に有するコ
ポリマーAを得た(重量平均分子量;Mw、5600
0)。
【0144】アルコキシ基と結合したシリル基単位で
0.5ミリモルに相当する量のコポリマーAを溶解した
トルエン溶液1リットルを調製し、この溶液にITO基
板を室温で浸漬した。12時間後にITO基板を取り出
し、トルエンで十分に洗浄した後、120℃の恒温層で
1時間加熱した。エリプソメーターによる測定から、I
TOからなる電極層上に2.2nmの自己組織化ポリマ
ー膜が形成されていることが確認できた。
【0145】次いで、実施例1と同様にして、自己組織
化ポリマー膜が形成されたITO基板上に、厚さ300
nmのOTiPcからなる蒸着膜を形成した後、バック
電極として、厚さ20nmの金蒸着膜を形成して、パイ
レックスガラス/ITO/MMA系自己組織化ポリマー
膜/OTiPc(300nm)/Auからなる光半導体
素子を作製した。
【0146】実施例1と同様に測定して、光半導体素子
の暗電流及び光電流の測定を行なった。ITO電極に−
5Vを印加し、波長720nm、電極透過光強度20μ
W/cm2 の単色光を照射した時の光電流量子効率は8
5であり、明らかに光電流の増幅が起こっていることが
観測された。
【0147】(実施例9)5ミリモル/リットルの3−
アミノプロピルトリエトキシシランのエタノール溶液に
ITO基板を室温にて浸漬した。1時間後にITO基板
を取り出し、エタノールで十分に洗浄した後、120℃
の恒温槽で1時間加熱した。室温に冷却した後、再度、
同一条件で、5ミリモル/リットルの3−アミノプロピ
ルトリエトキシシランのエタノール溶液に浸漬し、同様
に、洗浄、加熱を繰り返した。ESCA分析及びエリプ
ソメーター分析により、ITOからなる電極層上にアミ
ノ基がアルキルシロキサン結合を介して結合した膜厚
1.0nmの自己組織化膜が形成されていることが確認
できた。
【0148】交互コポリマーの繰り返し単位基準で25
ミリモル/リットルに相当するマレイン酸モノエチルエ
ステル/メチルビニルエーテル交互コポリマー(分子量
21万)の2−ブタノン溶液に自己組織化膜を有するI
TO基板を室温で浸漬した。20時間後にITO基板を
取り出し、2−ブタノンで十分に洗浄した後、25〜3
0℃において2時間減圧下に乾燥させた。
【0149】ESCA分析及びエリプソメーターによる
分析から、ITOからなる電極層上にアミノ基がアルキ
ルシロキサン結合を介して結合した自己組織化膜と塩形
成してマレイン酸モノエチルエステル/メチルビニルエ
ーテル交互コポリマー(分子量21万)の4.4nm厚
の薄膜が積層された自己組織化ポリマー薄膜が形成され
ていることが確認できた。
【0150】次いで、実施例1と同様にして、自己組織
化ポリマー膜が形成されたITO基板上に、厚さ300
nmのOTiPcからなる蒸着膜を形成した後、バック
電極として、厚さ29nmの金蒸着膜を形成して、パイ
レックスガラス/ITO/マレイン酸モノエチルエステ
ル−メチルビニルエーテル交互コポリマー自己組織化ポ
リマー膜/OTiPc(300nm)/Auからなる光
半導体素子を作製した。
【0151】実施例1と同様に測定して、光半導体素子
の暗電流及び光電流の測定を行なった。ITO電極に−
5Vを印加し、波長720nm、電極透過光強度2μW
/cm2 の単色光を照射した時の光電流量子効率は80
であり、明らかに光電流の増幅が起こっていることが観
測された。
【0152】(実施例10)実施例9で得た自己組織化
ポリマー膜が形成されたITO基板を、更に、減圧下、
150℃で6時間加熱して、アンモニウム塩をイミド結
合に変換した。
【0153】ESCA分析及びエリプソメーターによる
分析から、ITOからなる電極層上に厚さ3.2nmの
イミド結合が形成された自己組織化ポリマー膜が形成さ
れていることがを確認できた。
【0154】このように処理したITO基板を用いた以
外は、実施例9と同様にして、光半導体素子を作製し
た。
【0155】実施例1と同様に測定して、光半導体素子
の暗電流及び光電流の測定を行なった。ITO電極に−
5Vを印加し、波長720nm、電極透過光強度2μW
/cm2 の単色光を照射した時の光電流量子効率は90
であり、明らかに光電流の増幅が起こっていることが観
測された。
【0156】
【発明の効果】本発明の光半導体素子は、光電流の増幅
効果を示し、感度が向上した光半導体素子である。従っ
て、本発明の光半導体素子は、光センサーやイメージセ
ンサーなどに有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光半導体素子の一形式を示した平面図
である。
【符号の説明】
(a) 電極 (b) 分子性光導電材料からなる膜
【図2】図1に示した光半導体素子の平面図における
(A)−(A)線に沿う断面図である。
【符号の説明】
(a) 電極 (b) 分子性光導電材料からなる膜 (c) 自己組織化膜 (d) 電極 (e) 基板
【図3】本発明の光半導体素子の一形式を示した平面図
である。
【符号の説明】 (a) 電極 (b) 分子性光導電材料からなる膜 (d) 電極 (e) 基板
【図4】図3に示した光半導体素子の平面図における
(A)−(A)線に沿う断面図である。
【符号の説明】
(a) 電極 (b) 分子性光導電材料からなる膜 (c) 自己組織化膜 (d) 電極 (e) 基板
【図5】表面に酸化物を有する電極層を有する基板を用
いた場合に、自己組織化膜が形成される様子を示した模
式図である。
【符号の説明】
M 電極表面の金属原子 O 電極表面の酸素原子 ○−△ 基板電極との反応性基
【図6】表面に酸化物を有しない電極層を有する基板を
用いた場合に、自己組織化膜が形成される様子を示した
模式図である。
【符号の説明】
M 電極表面の金属原子 ○−△ 基板電極との反応性を有するSH基
【図7】表面に酸化物を有する電極層を有する基板を用
いた場合に、自己組織化多層膜が形成される様子を示し
た模式図である。
【符号の説明】
M 電極表面の金属原子 O 電極表面の酸素原子 ○−△ 基板電極との反応性基 □ 反応性基又は保護された反応性基 ● 脱保護された反応性基 ◎ 反応性基の残基
【図8】表面に酸化物を有する電極層を有する基板を用
いた場合に、自己組織化ポリマー膜が形成される様子を
示した模式図である。
【符号の説明】
M 電極表面の金属原子 O 電極表面の酸素原子 ○−△ 基板電極との反応性基
【図9】表面に酸化物を有する電極層を有する基板を用
いた場合に、自己組織化ポリマー多層膜が形成される様
子を示した模式図である。
【符号の説明】
M 電極表面の金属原子 O 電極表面の酸素原子 ○−△ 基板電極との反応性基 □ 反応性基又は保護された反応性基 ◎ 反応性基の残基
【図10】光半導体素子の暗電流及び光電流を測定する
測定系の略図である。
【符号の説明】
(a) 電極 (b) 感光層 (c) 自己組織化膜 (d) 電極 (e) ガラス基板 (f) ソースメジャーユニット (g) モノクロメーター (h) Xeランプ (i) パーソナルコンピュータ (j) 素子に照射される単色光 (k) リード線 (l) GPIBケーブル
【図11】実施例1で得た光半導体素子の印加電圧と、
暗電流、光電流−電圧応答及び光電流量子効率との関係
を示す図表である。
【符号の説明】
○ 光電流 ● 暗電流 △ 光電流量子効率
【図12】比較例1で得た光半導体素子の印加電圧と、
暗電流、光電流−電圧応答及び光電流量子効率との関係
を示す図表である。
【符号の説明】
○ 光電流 ● 暗電流 △ 光電流量子効率

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つの電極層(A、B)間に感光層を有
    する光半導体素子であって、少なくとも一方の電極層の
    感光層側に自己組織化膜を有することを特徴とする光半
    導体素子。
  2. 【請求項2】 自己組織化膜が、それを構成する分子が
    電極層(A)及び/又は電極層(B)と直接化学結合し
    ている請求項1記載の光半導体素子。
  3. 【請求項3】 自己組織化膜がアルコキシシリル基、ハ
    ロシリル基、カルボキシル基及びヒドロキサム酸基から
    成る群から選ばれる電極層と反応する反応性官能基を有
    する有機化合物からなる膜である請求項1又は2記載の
    光半導体素子。
  4. 【請求項4】 自己組織化膜がメルカプト基を電極層と
    反応する反応性官能基として有する有機化合物からなる
    膜である請求項1又は2記載の光半導体素子。
  5. 【請求項5】 自己組織化膜を構成する有機化合物の電
    極層と反応する反応性基の他方の末端基が、アルコキシ
    シリル基、ハロシリル基、カルボキシル基、ヒドロキサ
    ム酸基又はメルカプト基と反応する反応性基及び/又は
    保護された反応基である請求項3又は4記載の光半導体
    素子。
  6. 【請求項6】 自己組織化膜を構成する有機化合物がポ
    リマーである請求項3、4又は5記載の光半導体素子。
  7. 【請求項7】 電極層(A)及び/又は電極層(B)
    が、その表面に酸化物層を有するスズ、インジウム、ア
    ルミニウム、銅、クロム、チタニウム、鉄又はニッケル
    から成る電極層、あるいは酸化スズ又はインジウムスズ
    オキシド電極層であり、かつ、電極層の表面に存在する
    酸化物層を構成する分子と自己組織化膜を構成する分子
    とが直接化学結合している請求項3、5又は6記載の光
    半導体素子。
  8. 【請求項8】 電極層(A)及び/又は電極層(B)が
    その表面に酸化物層を有しない銅、銀、金又は白金から
    なる電極層であり、かつ、電極層を構成する分子と自己
    組織化膜を構成する分子とが直接化学結合している請求
    項4、5又は6記載の光半導体素子。
  9. 【請求項9】 自己組織化膜が、多層自己組織化膜であ
    る請求項5又は6記載の光半導体素子。
  10. 【請求項10】 多層自己組織化膜が、末端に反応性官
    能基を有する自己組織化膜を電極層上に形成した後、該
    反応性官能基を有機アルコキシシラン類、有機ハロシラ
    ン類、カルボン酸類、ヒドロキサム酸類及びチオール類
    からなる群から選ばれる1種以上の自己組織化膜形成用
    化合物と反応させることにより形成した膜である請求項
    9記載の光半導体素子。
  11. 【請求項11】 感光層が分子性光導電材料からなる光
    導電層を有する請求項1〜10のいずれか1項に記載の
    光半導体素子。
  12. 【請求項12】 光導電層が、分子性光導電材料の蒸着
    膜である請求項11項に記載の光半導体素子。
  13. 【請求項13】 分子性光導電材料の蒸着膜が基板温度
    100度以上に維持された基板上に蒸着された分子性光
    導電材料の蒸着膜である請求項12記載の光半導体素
    子。
  14. 【請求項14】 分子性光導電材料がフタロシアニン類
    である請求項12又は13記載の光半導体素子。
  15. 【請求項15】 分子性光導電材料がフラーレン類であ
    る請求項12又は13記載の光半導体素子。
  16. 【請求項16】 フタロシアニン類がオキソチタニウム
    フタロシアニンであり、かつ蒸着膜が温度100度以上
    に保持された基板上に毎秒0.05nm以下の速度で蒸
    着されたオキソチタニウムフタロシアニンの蒸着膜であ
    る請求項14記載の光半導体素子。
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