JP2005280020A - 金型とその製造方法及びそれを用いて作成した成型品 - Google Patents

金型とその製造方法及びそれを用いて作成した成型品 Download PDF

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Abstract

【課題】高精細金型の加工形状を損なわず、離型機能を備え、かつ成形耐久性が高い離型剤不要金型を提供する。
【解決手段】金型は、ナノレベルで膜厚が均一で、且つ表面エネルギーを制御した撥水撥油性のフッ化炭素系化学吸着単分子膜10を、離型膜として金型8表面に形成する。このことにより、ナノメートルレベルの超微細形状を有していても、成型物の流動性と入り込み性に優れ、高精度の成形を行えるようにする。さらに、離型膜10を形成しておくことにより、離型剤塗布が不要となり、離型剤が成型品に付着するのを防止できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、表面に離型性被膜が形成された金型に関するものである。
なお、ここでいう金型とは、精度の上で離型剤が使用できない光学部品成型用等の高精細金型や成型品に離型剤が付着すると都合が悪い離型剤を適用できない金型に関するものである。
一般にフッ化炭素基含有クロロシラン系の吸着剤と非水系の有機溶媒よりなる化学吸着液を用い、液相で化学吸着して単分子膜状の撥水性化学吸着膜を形成できることはすでによく知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このような溶液中での化学吸着単分子膜の製造原理は、基材表面の水酸基などの活性水素とクロロシラン系の吸着剤のクロロシリル基との脱塩酸反応を用いて単分子膜を形成することにある。
特開平05−193056号 公報
従来から、金型成形における離型性の改良は、金型そのものの形状や離型剤の改良に重点が置かれていた。しかしながら、光学部品など、ナノレベルでの精度を必要とする金型成形において、従来のような形状の改良や離型剤をスプレー塗布するような方法では、図3(a)に示したように、金型8表面に塗布された離型剤9の膜厚に数十〜数百ナノメートル程度のばらつきが生じるため、金型の誤差は成形毎に常時生じてしまい、現実的でない。さらに、成型品に離型剤が付着すると不都合な場合もかなりある。しかしながら、離型剤を使用しない金型は、未だ実用化されていない。
一方、従来の化学吸着膜は吸着剤と基材表面との化学結合のみを用いているため、そのまま金型に用いると、耐摩耗性に乏しい。また、フッ化炭素系のみで出来た単分子膜を用いると表面エネルギーが小さすぎて成形材料の入り込み流動性及び入り込み性が悪くなるという課題があった。
本発明は、高精細金型の加工形状を損なわず、離型機能を備え、且つ成形耐久性が高い離型剤不要金型を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明の金型は、図3(b)に示したように、ナノレベルで膜厚が均一で、且つ表面エネルギーを制御した撥水撥油性のフッ化炭素系化学吸着単分子膜を、離型膜10として金型表面に形成することを要旨とする。このことにより、ナノメートルレベルの超微細形状を有した金型でも、成型物の流動性及び入り込み性が優れ、高精度の成形を行えるようにする。さらに、離型膜を形成しておくことにより、離型剤塗布が不要となり、離型剤が成型品に付着するのを防止できる。
具体的には、第1番目の発明の金型は、表面に離型性被膜が形成された金型であって、前記被膜を少なくともフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1を含む被膜で構成しておくことを特徴とする。
前記第1番目の発明の金型によれば、従来の化学吸着膜の摩耗に弱いという欠点を改良でき、成形耐久性に優れ、且つ成型物の流動性及び入り込み性に優れた金型を提供できる。
なお、このとき、前記被膜を、少なくともフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1とシロキサン基を主成分とする物質2を含む複合膜で構成しておくと、成形耐久性を向上させる上で都合がよい。
また、フッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1を、シロキサン基を主成分とする物質2よりなるシリカ膜中で前記シリカ膜および/または金型表面に結合固定しておくと、成形耐久性を大幅に向上させる上で都合がよい。
さらに、フッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1とシロキサン基を主成分とする物質2を、それぞれシリル基およびシロキサン基を介して互いにまたは個々に金型表面に結合固定しておくと、成形耐久性を大幅に向上させる上で都合がよい。
また、複合膜に含まれるフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1とシロキサン基を主成分とする物質2の分子組成比を、1:10〜1:0(シロキサン基を主成分とする物質2が、0でも離型膜の形成は可能であるが、必要とされる被膜強度に応じて、添加量は適宜決定できる。好ましくは1:10〜10:1、より好ましくは1:1〜6:1である。)にしておくと、成形耐久性を大幅に向上させる上で都合がよい。
さらにまた、少なくともフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1を含む前記被膜の臨界表面エネルギーを8〜20mN/mに制御しておくと、成型用プラスチックの流動性及び入り込み性を向上でき、且つ表面が離型性に優れた表面エネルギーである金型を提供する上で都合がよい。
第2番目の発明の離型性金型の製造方法は、乾燥雰囲気中でフッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質とクロロシリル基を主成分とする物質とを非水系有機溶媒で混合希釈した複合膜形成溶液を金型表面に接触させて反応させ被膜を形成する工程と、被膜の形成された金型を実質的に酸素を含まない雰囲気中で焼成する工程とを少なくとも含むことを特徴とする。
前記第2番目の発明の離型性金型の製造方法によれば、従来の化学吸着膜の摩耗に弱いという欠点を改良して、耐摩耗性に優れた離型性被膜を形成した離型性金型の製造方法を提供できる。
なお、このとき、実質的に酸素を含まない雰囲気として窒素ガス、あるいは爆発限界以下の水素ガスを添加した混合ガスを用い、300乃至450℃で焼成すると被膜の酸化を防止し、耐摩耗性を向上させる上で都合がよい。
また、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質とクロロシリル基を主成分とする物質の分子混合比を、1:10〜1:0(クロロシリル基を主成分とする物質が、0でも離型膜の形成は可能であるが、必要とされる被膜強度に応じて、添加量は適宜決定できる。好ましくは1:10〜10:1、より好ましくは1:1〜6:1である。)にしておくと、各種金型表面の臨界表面エネルギーを制御できて、成形耐久性に優れ、且つ離型性に優れた金型を製造する上で都合がよい。
さらに、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質としてCF3−(CF2−(CH−SiCl3(nは整数)を用い、クロロシリルキ基を主成分とする物質としてClSi(OSiClCl(mは0または整数)を用い、混合時の分子組成比を1:10〜10:1(クロロシリル基を主成分とする物質が、0でも離型膜の形成は可能であるが、必要とされる被膜強度応じて、添加量は適宜決定できる。より好ましくは1:1〜6:1である。)にすると、臨界表面エネルギーを制御でき、成形耐久性に優れ、且つ離型性に優れた金型を製造できて都合がよい。
さらにまた、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質としてCF3−(CF2−(CH−SiCl3を用い、クロロシリルキ基を主成分とする物質としてSiClを用い、混合時の分子組成比を1:1〜6:1にすると、臨界表面エネルギーを10〜20mN/m以下に制御でき、成型物質の流動性及び入り込み性を改善でき、成形耐久性を備え且つ離型性を確保する上で都合がよい。
第3番目の発明の金型の製造方法は、乾燥雰囲気中でフッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質とクロロシリル基を主成分とする物質とを非水系有機溶媒で混合希釈した複合膜形成溶液を金型表面に接触させて反応させ被膜を形成する工程と、前記金型表面の余分な複合膜形成溶液を溶媒を用いて洗浄除去またはふき取り除去する工程と、実質的に酸素を含まない雰囲気中で焼成する工程とを少なくとも含むことを特徴とする。
前記第3番目の発明の離型性金型の製造方法によれば、従来の化学吸着膜の摩耗に弱いという欠点を改良して、耐摩耗性に優れ離型性被膜を形成した離型性金型の製造方法を提供できる。
さらに、この方法は、第2番目の発明に比べより膜厚均一性に優れた被膜が得られるため、光学部品用等の高精細金型により適している。
なお、このとき、実質的に酸素を含まない雰囲気として窒素ガスまたは水素を含む窒素ガスを用い、300乃至450℃で焼成すると被膜の酸化を防ぎ耐摩耗性を向上させる上で都合がよい。
また、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質とクロロシリル基を主成分とする物質の分子混合比を、1:10〜10:1(クロロシリル基を主成分とする物質が、0でも離型膜の形成は可能であるが、表面エネルギーを制御して成型物の流動性及び入り込み性及び入り込み性を改善する上で、添加量は適宜決定できる。好ましくは1:10〜10:1、より好ましくは1:1〜6:1である。)にしておくと、臨界表面エネルギーを制御でき、成形耐久性に優れ、且つ離型性に優れた金型を製造する上で都合がよい。
さらに、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質としてCF3−(CF2−(CH−SiCl3(nは整数)を用い、クロロシリルキ基を主成分とする物質としてClSi(OSiClCl(mは0または整数)を用い、混合時の分子組成比を1:10〜1:0(クロロシリル基を主成分とする物質が、0でも離型膜の形成は可能であるが、必要とされる被膜強度および成型物流動性及び入り込み性及び入り込み性に応じて、添加量は適宜決定できる。より好ましくは1:1〜6:1である。)にすると、表面エネルギーを制御でき、成形耐久性に優れ、且つ離型性に優れた金型を製造できて都合がよい。
さらにまた、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質としてCF3−(CF2−(CH−SiCl3を用い、クロロシリルキ基を主成分とする物質としてSiCl、またはSi(OA)(Aはアルキル基)用い、混合時の分子組成比を1:1〜6:1にすると、臨界表面エネルギーを10〜20mN/mに制御でき、高耐久、高離型性を確保する上で都合がよい。
第4番目の発明の金型の製造方法は、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質とアルコキシシリル基を主成分とする物質とシラノール縮合触媒を非水系有機溶媒で混合希釈した複合膜形成溶液を金型表面に接触させて反応させ被膜を形成する工程と、被膜の形成された金型を実質的に酸素を含まない雰囲気中で焼成する工程とを少なくとも含むことを特徴とする。
前記第4番目の発明の離型性金型の製造方法によれば、従来の化学吸着膜の摩耗に弱いという欠点を改良して、成形耐久性、および離型性に優れた被膜を形成した離型性金型の製造方法を提供できる。
なお、ここで、シラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を用いると、被膜形成時の反応速度を向上でき、シラノール縮合触媒を用いた場合に比べより短時間で離型性金型を製造できて都合がよい。
また、シラノール縮合触媒とケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を混合(通常1:9〜9:1で使用可能であるが、1:1程度でよい。)して用いると、シラノール縮合触媒のみ、あるいはケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を単独で用いた場合に比べさらに製膜時間を短縮できて都合がよい。
さらにまた、通常の空気中で製造が可能なため、前記第2の発明に比べ設備投資を少なくできる。すなわち、より低コストな離型性金型の製造方法を提供できて都合がよい。
なお、このとき、実質的に酸素を含まない雰囲気として窒素ガス、または微量の水素を含む窒素ガスを用い、300乃至450℃で焼成を行うと、被膜の耐摩耗性を向上させる上で都合がよい。
また、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質と、アルコキシシリル基を主成分とする物質の分子混合比を、1:10〜1:0(アルコキシシリル基を主成分とする物質が、0でも離型膜の形成は可能であるが、必要とされる被膜強度や表面エネルギーに応じて、添加量は適宜決定できる。好ましくは1:10〜10:1、より好ましくは1:1〜6:1である。)にしておくと、表面エネルギーを制御でき、成形耐久性に優れ、且つ離水性に優れた金型を製造できて都合がよい。
さらに、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質としてCF3−(CF2−(CH−Si(OA)3(nは整数、AはCHやC等のアルキル基)を用い、アルコキシシリルキ基を主成分とする物質として(AO)Si(OSi(OA)OA(mは0または整数、Aはアルキル基)を用い、混合時の分子組成比を1:10〜10:1(アルコキシシリル基を主成分とする物質が、0でも離型膜の形成は可能であるが、必要とされる被膜強度および表面エネルギーに応じて、添加量は適宜決定できる。より好ましくは1:1〜6:1である。)にしておくと、表面エネルギーを制御でき、成形耐久性に優れ、且つ離型性に優れた金型を製造できて都合がよい。
また、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質としてCF3−(CF2−(CH−Si(OA)3を用い、アルコキシシリルキ基を主成分とする物質としてSi(OA)(Aはアルキル基)を用い、混合時の分子組成比を1:1〜6:1にしておくと、臨界表面エネルギーを10〜20mN/mに制御でき、成形耐久性に優れ、且つ離型性に優れた金型を製造できて都合がよい。
第5番目の発明の金型の製造方法は、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質とアルコキシシリル基を主成分とする物質とシラノール縮合触媒を非水系有機溶媒で混合希釈した複合膜形成溶液を金型表面に接触させて反応させ被膜を形成する工程と、前記金型表面の余分な溶液を溶媒を用いて洗浄除去、またはふき取り除去する工程と、実質的に酸素を含まない雰囲気中で焼成する工程とを少なくとも含むことを特徴とする。
前記第5番目の発明の離型性金型の製造方法によれば、従来の化学吸着膜の摩耗に弱いという欠点を改良して、成形耐久性や離型性に優れた金型の製造方法を提供できる。
なお、ここで、シラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を用いると、さらに被膜形成反応速度を向上でき、シラノール縮合触媒を用いた場合に比べより短時間で離型性金型を製造できて都合がよい。
また、シラノール縮合触媒とケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を混合(通常1:9〜9:1で使用可能であるが、1:1程度でよい。)して用いると、シラノール縮合触媒のみ、あるいはケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を単独で用いた場合に比べさらに製膜時間を短縮できて都合がよい。
さらにまた、通常の空気中で製造が可能なため、設備投資を少なくできる。すなわち、第3番目の発明に比べ、より低コストな離型性金型の製造できて都合がよい。
また、この方法は、第4番目の発明に比べ、金型表面の加工形状を損なわないので、より高精細な金型の製造に都合がよい。
なお、このとき、実質的に酸素を含まない雰囲気として窒素ガス、または微量の水素を含有した窒素ガスを用い、300乃至450℃で焼成を行うと、被膜の耐摩耗性を向上させる上で都合がよい。
また、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質と、アルコキシシリル基を主成分とする物質の分子混合比を、1:10〜1:0(アルコキシシリル基を主成分とする物質が、0でも離型膜の形成は可能であるが、必要とされる被膜強度や表面エネルギーに応じて、添加量は適宜決定できる。好ましくは1:10〜10:1、より好ましくは1:1〜6:1である。)にしておくと、成形耐久性に優れた且つ離型性に優れた金型を製造できて都合がよい。
さらに、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質としてCF3−(CF2−(CH−Si(OA)3(nは整数、Aはアルキル基)を用い、アルコキシシリルキ基を主成分とする物質として(AO)Si(OSi(OA)OA(mは0または整数、Aはアルキル基)を用い、混合時の分子組成比を1:10〜10:1(アルコキシシリル基を主成分とする物質が、0でも離型膜の形成は可能であるが、必要とされる被膜強度応じて、添加量は適宜決定できる。より好ましくは1:1〜6:1である。)にしておくと、成形耐久性に優れた且つ離型性に優れた金型を製造できて都合がよい。
また、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質としてCF3−(CF2−(CH−Si(OA)3を用い、アルコキシシリルキ基を主成分とする物質としてSi(OA)(Aはアルキル基)を用い、混合時の分子組成比を1:1〜6:1にしておくと、臨界表面エネルギーを10〜20mN/m程度にに制御でき、成形耐久性および離型性に優れた金型を製造できて都合がよい。
以上説明したように、本発明の離型性金型およびその製造方法では、金型表面に、少なくともフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質を含む離型性被膜を形成することにより、高い成形耐久性と、高い成型物流動性及び入り込み性と離型性を同時に満足させた金型を提供できる効果がある。
本発明は、高成形耐久性で且つ高い成型物流動性及び入り込み性があり、離型剤を用いなくとも離型性に優れた金型を提供するものである。
第1番目の発明の離型性金型は、少なくとも表面にフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1を含む表面に離型性被膜を形成した金型である。
前記第1番目の発明の金型では、従来の化学吸着膜の摩耗に弱いという欠点を改良して、耐摩耗性すなわち成形耐久性に優れ、且つ高い成型物流動性と入り込み性および離型性を有する金型を提供できる作用がある。
なお、このとき、前記被膜を、少なくともフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1とシロキサン基を主成分とする物質2を含む複合膜で構成しておくと、成形耐久性および高い成型物流動性と入り込み性を確保できる作用がある。
また、フッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1を、シロキサン基を主成分とする物質2よりなるシリカ膜中で前記シリル基を介して前記シリカ膜および/または金型表面に結合固定しておくと、成形耐久性と成型物流動性及び入り込み性及び入り込み性を大幅に向上できる作用がある。
さらにまた、フッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1とシロキサン基を主成分とする物質2を、それぞれシリル基およびシロキサン基を介して互いにまたは個々に金型表面に結合固定しておくと、成形耐久性および成型物流動性と入り込み性を大幅に向上できる作用がある。
また、複合膜に含まれるフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1とシロキサン基を主成分とする物質2の分子組成比を、1:10〜1:0(シロキサン基を主成分とする物質が、0でも離型膜の形成は可能であるが、必要とされる被膜強度応じて、添加量は適宜決定できる。好ましくは1:10〜10:1、より好ましくは1:1〜6:1である。)にしておくと、成形耐久性と共に高い成型物流動性と入り込み性および離型性を同時に確保できる作用がある。
さらにまた、少なくともフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1を含む前記被膜の臨界表面エネルギーを8〜20mN/mに制御しておくと、通常の成型物の型内での流動性と入り込み性及び離型性を同時に確保した離型性金型を提供できる作用がある。
第2番目の発明の離型性金型の製造方法は、乾燥雰囲気中でフッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質とクロロシリル基を主成分とする物質とを非水系有機溶媒で混合希釈した複合膜形成溶液を金型表面に接触させて反応させ被膜を形成する工程と、被膜の形成された金型を実質的に酸素を含まないガス雰囲気中で焼成する工程とを少なくとも含む。
前記第2番目の発明の離型性金型の製造方法では、従来の化学吸着膜の摩耗に弱いという欠点を改良して、耐摩耗性すなわち成形耐久性に優れ、且つ離型性に優れた被膜を形成した離型性金型を製造できる作用がある。
なお、このとき、実質的に酸素を含まない雰囲気として窒素ガス、または爆発限界以下の水素を含む窒素ガスを用い、300乃至450℃で焼成すると、被膜の耐摩耗性を大幅に向上できる作用がある。
また、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質とクロロシリル基を主成分とする物質の分子混合比を、1:10〜1:0(クロロシリル基を主成分とする物質が、0でも離型膜の形成は可能であるが、必要とされる被膜強度応じて、添加量は適宜決定できる。好ましくは1:10〜10:1、より好ましくは1:1〜6:1である。)にしておくと、表面エネルギーを制御でき、成形耐久性に優れ、且つ金型内での成型物流動性と入り込み性、および離型性に優れた金型を製造できる作用がある。
さらに、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質としてCF3−(CF2−(CH−SiCl3(nは整数)を用い、クロロシリルキ基を主成分とする物質としてClSi(OSiClCl(mは0または整数)を用い、混合時の分子組成比を1:10〜1:0(クロロシリル基を主成分とする物質が、0でも離型膜の形成は可能であるが、必要とされる被膜強度応じて、添加量は適宜決定できる。好ましくは1:10〜10:1、より好ましくは1:1〜6:1である。)にすると、表面エネルギーを制御でき、成形耐久性に優れ、且つ金型内での成型物流動性と入り込み性、および離型性に優れた金型を製造できる作用がある。
さらにまた、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質としてCF3−(CF2−(CH−SiCl3を用い、クロロシリルキ基を主成分とする物質としてSiCl、もしくはSi(OA)(Aはアルキル基)を用い、混合時の分子組成比を1:1〜6:1にすると、臨界表面エネルギーを10乃至20mN/mに制御でき、成形耐久性に優れ、且つ金型内での成型物流動性と入り込み性、および離型性を同時に確保できる作用がある。
第3番目の発明の金型の製造方法は、乾燥雰囲気中でフッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質とクロロシリル基を主成分とする物質とを非水系有機溶媒で混合希釈した複合膜形成溶液を金型表面に接触させて反応させ被膜を形成する工程と、前記金型表面の余分な複合膜形成溶液を溶媒を用いて洗浄除去またはふき取り除去する工程と、実質的に酸素を含まない雰囲気中で焼成する工程とを含む。
前記第3番目の発明の離型性金型の製造方法では、従来の化学吸着膜の摩耗に弱いという欠点を改良して、成形耐久性に優れ、且つ金型内での成型物流動性と入り込み性、および離型性に優れた被膜を形成した金型の製造方法を提供できる作用がある。
さらに、この方法は、第2番目の発明に比べより膜厚均一性に優れた被膜が得られるため、ナノメートルレベルの精細度が必要な光学部品等の金型製造に適用できる作用がある。
なお、このとき、実質的に酸素を含まない雰囲気として窒素ガスまたは、微量の水素を含む窒素ガスを用い、300乃至450℃で焼成すると被膜の耐久性を大幅に向上できる作用がある。
また、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質とクロロシリル基を主成分とする物質の分子混合比を、1:10〜1:0(クロロシリル基を主成分とする物質が、0でも離型膜の形成は可能であるが、必要とされる被膜強度応じて、添加量は適宜決定できる。好ましくは1:10〜10:1、より好ましくは1:1〜6:1である。)にしておくと、表面エネルギーを制御でき、成形耐久性に優れ、且つ金型内での成型物流動性と入り込み性、および離型性に優れた金型を製造できる作用がある。
さらに、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質としてCF3−(CF2−(CH−SiCl3(nは整数)を用い、クロロシリルキ基を主成分とする物質としてClSi(OSiClCl(mは0または整数)を用い、混合時の分子組成比を1:10〜1:0(クロロシリル基を主成分とする物質が、0でも離型膜の形成は可能であるが、必要とされる被膜強度応じて、添加量は適宜決定できる。好ましくは1:10〜10:1、より好ましくは1:1〜6:1である。)にすると、表面エネルギーを制御でき、成形耐久性に優れ、且つ金型内での成型物流動性と入り込み性、および離型性に優れた金型を製造できる作用がある。
さらにまた、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質としてCF3−(CF2−(CH−SiCl3を用い、クロロシリルキ基を主成分とする物質としてSiCl、あるいはSi(OA)(Aはアルキル基)を用い、混合時の分子組成比を1:1〜6:1にすると、臨界表面エネルギーを10〜20mN/mに制御でき、高耐久、高離型性を同時に確保できる作用がある。
第4番目の発明の金型の製造方法は、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質とアルコキシシリル基を主成分とする物質とシラノール縮合触媒を非水系有機溶媒で混合希釈した複合膜形成溶液を金型表面に接触反応させ被膜を形成する工程と、被膜の形成された金型を実質的に酸素を含まない雰囲気中で焼成する工程とを含む。
前記第4番目の発明の離型性金型の製造方法によれば、従来の化学吸着膜の摩耗に弱いという欠点を改良して、成形耐久性に優れ、且つ金型内での成型物流動性と入り込み性、および離型性に優れた金型の製造方法を提供できる作用がある。
なお、この方法では、水分を含む空気中でも製造が可能なため設備投資を少なくでき、すなわち、第2番目や第3番目の発明に比べ、より低コストで離型性金型を製造できる作用がある。
なお、このとき、実質的に酸素を含まない雰囲気として窒素ガスまたは、微量の水素を含む窒素ガスを用い、300乃至450℃で焼成を行うと、成形耐久性に優れ、且つ金型内での成型物流動性と入り込み性、および離型性に優れた金型を製造できる作用がある。
また、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質と、アルコキシシリル基を主成分とする物質の分子混合比を、1:10〜1:0(アルコキシシリル基を主成分とする物質が、0でも離型膜の形成は可能であるが、必要とされる被膜強度応じて、添加量は適宜決定できる。好ましくは1:10〜10:1、より好ましくは1:1〜6:1である。)にしておくと、表面エネルギーを制御でき、成形耐久性に優れ、且つ金型内での成型物流動性と入り込み性、および離型性に優れた金型を製造できる作用がある。
さらに、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質としてCF3−(CF2−(CH−Si(OA)3(nは整数、Aはアルキル基)を用い、アルコキシシリルキ基を主成分とする物質として(AO)Si(OSi(OA)OA(mは0または整数、Aはアルキル基)を用い、混合時の分子組成比を1:10〜10:1(アルコキシシリル基を主成分とする物質が、0でも離型膜の形成は可能であるが、必要とされる被膜強度及び表面エネルギーに応じて、添加量は適宜決定できる。より好ましくは1:1〜6:1である。)にしておくと、表面エネルギーを制御でき、成形耐久性に優れ、且つ金型内での成型物流動性と入り込み性、および離型性に優れた金型を製造できる作用がある。
また、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質としてCF3−(CF2−(CH−Si(OA)3を用い、アルコキシシリルキ基を主成分とする物質としてSi(OA)(Aはアルキル基)を用い、混合時の分子組成比を1:1〜6:1にしておくと、臨界表面エネルギーを10〜20mN/mに制御でき、成形耐久性に優れ、且つ金型内での成型物流動性と入り込み性、および離型性に優れた金型を製造できる作用がある。
第5番目の発明の金型の製造方法は、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質とアルコキシシリル基を主成分とする物質とシラノール縮合触媒を非水系有機溶媒で混合希釈した複合膜形成溶液を金型表面に接触させて反応させ被膜を形成する工程と、前記金型表面の余分な溶液を溶媒を用いて洗浄除去またはふき取り除去する工程と、実質的に酸素を含まない雰囲気中で焼成する工程とを含む。
前記第5番目の発明の離型性金型の製造方法によれば、従来の化学吸着膜の摩耗に弱いという欠点を改良して、成形耐久性に優れ、且つ金型内での成型物流動性と入り込み性、および離型性に優れ、さらに前記第2および4番目の発明に比べ膜厚均一性に優れた離型膜を形成した金型を製造提供できる作用がある。
なお、この方法では、空気中でも製造が可能なため設備投資を少なくできる。すなわち、第3番目の発明に比べ、より低コストで離型性金型を製造できる作用がある。
また、この方法は、第4番目の発明に比べ、より膜厚均一性に優れたナノメートルレベル被膜が得られるため、光学部品成型用など高精細加工された金型に適用できる作用がある。
なお、このとき、実質的に酸素を含まない雰囲気として窒素ガス又は爆発限界以下の水素を含む窒素ガスを用い、300乃至450℃で焼成を行うと、大幅に成形耐久性に優れた金型を製造できる。
また、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質と、アルコキシシリル基を主成分とする物質の分子混合比を、1:10〜1:0(アルコキシシリル基を主成分とする物質が、0でも離型膜の形成は可能であるが、必要とされる被膜強度応じて、添加量は適宜決定できる。好ましくは1:10〜10:1、より好ましくは1:1〜6:1である。)にしておくと、成形耐久性に優れ、且つ金型内での成型物流動性と入り込み性、および離型性に優れた金型を製造できる作用がある。
さらに、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質としてCF3−(CF2−(CH−Si(OA)3(nは整数、Aはアルキル基)を用い、アルコキシシリルキ基を主成分とする物質として(AO)Si(OSi(OA)OA(mは0または整数、Aはアルキル基)を用い、混合時の分子組成比を1:10〜1:0(アルコキシシリル基を主成分とする物質が、0でも離型膜の形成は可能であるが、必要とされる被膜強度応じて、添加量は適宜決定できる。より好ましくは1:1〜6:1である。)にしておくと、より成形耐久性に優れ、且つ金型内での成型物流動性と入り込み性、および離型性に優れた金型を製造できる作用がある。
また、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質としてCF3−(CF2−(CH−Si(OA)3を用い、アルコキシシリルキ基を主成分とする物質としてSi(OA)(Aは、アルキル基)を用い、混合時の分子組成比を1:1〜6:1にしておくと、臨界表面エネルギーを10〜20mN/mに制御でき、成形耐久性に優れ、且つ金型内での成型物流動性と入り込み性、および離型性に優れた金型を製造できる作用がある。
以下、本発明の離型剤が不要で且つ離型性に優れた金型(離型性金型)の実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
まず、第1番目の発明の離型性金型について第1及び第2の製造方法(第2番目及び第3番目の発明)と共に説明する。
例えば、乾燥雰囲気中(湿度35%以下が良い。)でフッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質として、CF3−(CF2−(CH−SiCl3(nは正数)と、クロロシリル基を主成分とする物質として、ClSi(OSiClCl(mは0または整数)を、非水系の水をほとんど含まない有機溶媒(例えば、ヘキサデカン)にそれぞれ0.01M/Lの濃度になるように溶解して(この場合、前者と後者の分子組成比1:1になる)複合膜形成溶液を作成する。
次に、あらかじめ加工が終了した金型、例えばステンレス製のプラスチックレンズ成型用金型(材質は、炭素鋼、銅、真ちゅう等、表面に活性水素を含むものなら何でも良い。)をよく洗浄し、乾燥後、表面に前記複合膜形成溶液を塗布し1、2時間反応させる。
このとき、ステンレス金型の表面は自然酸化膜で被われており(水酸基すなわち活性水素を多数含む。)且つ吸着水で被われているので、前記金型表面で二つの物質のSiCl3基と前記水酸基や吸着水とが脱塩酸反応して、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質とクロロシリル基を主成分とする物質が混合反応した状態で−SiO−結合を介して前記ステンレス金型表面に結合する。
すなわち、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質は、フッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1に変化して前記−SiO−結合を介して、ステンレス製の金型3表面やシロキサン基を主成分とする物質2と結合し、一方、クロロシリル基を主成分とする物質は、シロキサン基を主成分とする物質2に変化して前前記−SiO−結合介して、ステンレス製の金型3表面やフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1と結合する。
その後、表面の余分な複合膜形成溶液を洗浄除去する(第3番目の発明)と、数ナノメートルで均一な厚みのフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1とシロキサン基を主成分とする物質2を含み、且つ水酸基4を多数含む複合膜5(膜厚はおよそ1nm)を前記ステンレス製の金型3表面に形成できる。(図1(a))
なお、前記洗浄工程を省き、前記非水系有機溶媒を蒸発させるか、あるいは布等でふき取る(第2番目の発明)と、数十ナノメートル厚みのフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1とシロキサン基を主成分とする物質2を含み、且つ水酸基を多数含む複合膜が前記ステンレス製の金型表面に形成できた。この場合、洗浄した場合に比べ厚さが厚くなり、膜厚均一性は洗浄除去した場合に比べ少し劣るが、利点は、より成形耐久性を向上できることにある。
その後、前記複合膜(洗浄したもの、あるいは溶媒を蒸発させた、又はふき取ったものでも良い。)が形成されたそれぞれのステンレス製の金型を300〜450℃、30〜120分程度の条件で加熱処理を行うと、膜中に残っていた水酸基4が脱水反応して、ポリシロキサン結合を形成し網目状のシリカ膜6に変化する。その結果、フッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1とシロキサン基を主成分とする物質2よりなる成形耐久性に優れ、且つ金型内での成型物流動性と入り込み性、および離型性に優れた複合膜7となり、離型性ステンレス金型を製造できる(図1(b))。
このときの離型性のステンレス金型の表面エネルギーは、物質1と物質2の組成に依存するので、1:10乃至1:0の範囲で組成を変えれば、表面エネルギーを10〜20mN/m程度に制御でき、成型物の流動性と入り込み性を改善できる。
なお、複合膜形成溶液の溶媒を蒸発させて被膜を形成する場合には、複合膜形成溶液に用いる非水系の溶媒の沸点は、低いほど早く蒸発除去できるので都合がよいが、取扱いの上では50〜150℃程度がよい。
一方、非水系の有機溶媒で洗浄する場合には、複合膜形成溶液に用いる非水系の溶媒の沸点は、高いほど安定しているが、取扱いの上では150〜350℃程度がよい。
また、複合膜形成溶液のフッ化炭素基と炭化水素基とロシリル基を主成分とする物質とクロロシリル基を主成分とする物質の分子組成比を変えて、複合膜に含まれるフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1とシロキサン基を主成分とする物質2の分子組成比を、好ましくは1:10〜10:1(より好ましくは1:1〜6:1)にしておくと、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質100%で作成した被膜の場合に比べて大幅に成形耐久性に優れ、且つ金型内での成型物流動性と入り込み性、および離型性を向上できる。
参考として、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基のみを主成分とする物質がCF3−(CF2−(CH−SiClであり、クロロシリル基を主成分とする物質がSiClであり、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基のみを主成分とする物質が100%の被膜(実施例2)と、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基のみを主成分とする物質とクロロシリル基を主成分とする物質の組成が2:1の場合の被膜(実施例1)の耐摩耗試験における接触角変化の結果を図2に比較して示す。
一方、複合膜形成溶液のフッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質1とクロロシリル基を主成分とする物質2の分子組成比を1:10〜10:1(より好ましくは1:1〜6:1)にしておくと、臨界表面エネルギーは9乃至40mN/mに制御でき、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質100%で作成した被膜(接触角は約110度)の場合に比べて金型内での成型物流動性と入り込み性を改善でき、且つ離型性を確保できる。
なお、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基のみを主成分とする物質として、一般には、以下のような物質が挙げられる。
CF3−(CF2n−(R)m−SiXpCl3-p
(但しnは0または整数、好ましくは1〜22の整数、Rはアルキル基、フェニル基、ビニル基、エチニル基、シリコン若しくは酸素原子を含む置換基、mは0又は1、XはH,アルキル基,アルコキシル基,含フッ素アルキル基又は含フッ素アルコキシ基の置換基、pは0、1または2)
さらに、具体的には、以下に示す(1)-(7)が挙げられる。
(1) CF3CH2O(CH215SiCl3
(2) CF3(CH22Si(CH32(CH215SiCl3
(3) CF3(CH26Si(CH32(CH29 SiCl3
(4) CF3COO(CH215SiCl3
(5) CF3(CF27−(CH22−SiCl3
(6) CF3(CF25−(CH22−SiCl3
(7) CF3(CF27−C64−SiCl3
また、クロロシリル基を主成分とする物質として、SiCl4、SiHCl3、SiH2Cl2、またはCl3Si(−OSiCl2−Cl(但し、mは整数)で表される化合物を用いることが可能である。
さらに、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基のみを主成分とする物質が、活性水素と反応したら塩酸が発生し、この塩酸が脱シラノール触媒となるので、クロロシリル基を主成分とする物質の代わりに、Si(OCH4、SiH(OCH3、SiH2(OCH2、または(CHO)3Si(−OSi(OCH2−OCH(但し、mは整数)や、Si(OC4、SiH(OC3、SiH2(OC2、または(CO)3Si(−OSi(OC2−OC(但し、mは整数)も使用できる。
また、上記クロロシラン系の化学吸着剤の代わりに、全てのクロロシリル基をイソシアネート基に置き換えたイソシアネート系の化学吸着剤、例えば下記に示す(1)-(5)が挙げられる。
(1) CF3−(CH2rSiXp(NCO)3-p
(2) CF3−(CH2rSiXp(NCO)3-p
(3) CF3(CH2sO(CH2tSiXp(NCO)3-p
(4) CF3(CH2u−Si(CH32(CH2v−SiXp(NCO)3-p
(5) CF3 COO(CH2wSiXp(NCO)3-p
(但し、好ましい範囲としてrは1〜25、sは0〜12、tは1〜20、uは0〜12、vは1〜20、wは1〜25を示す。)
さらに、前記の吸着剤に加えて、下記に示す(1)-(7)の具体的吸着化合物が挙げられる。なお、これらは、実施の形態2でも同様に使用できる。
(1) CF3CH2O(CH215Si(NCO)3
(2) CF3(CH22Si(CH32(CH215Si(NCO)3
(3) CF3(CH26Si(CH32(CH29Si(NCO)3
(4) CF3COO(CH215Si(NCO)3
(5) CF3(CF27−(CH22−Si(NCO)3
(6) CF3(CF25−(CH22−Si(NCO)3
(7) CF3(CF27−C64−Si(NCO)3
なお、この場合は、塩酸が発生しないメリットがある。
さらに、非水系溶媒としては、水を含まない炭化水素系溶媒、あるいはフッ化炭素系溶媒やシリコーン系溶媒を用いることが可能であるが、特に沸点が50〜300℃のものが使用に適している。
具体的に使用可能なものは、石油ナフサ、ソルベントナフサ、石油エーテル、石油ベンジン、イソパラフィン、ノルマルパラフィン、デカリン、工業ガソリン、灯油、ジメチルシリコーン、フェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエーテルシリコーン等を挙げることができる。
また、フッ化炭素系溶媒には、フロン系溶媒や、フロリナート(3M社製品)、アフルード(旭ガラス社製品)等がある。なお、これらは1種単独で用いても良いし、良く混ざるものなら2種以上を組み合わせてもよい。さらに、クロロホルム等有機塩素系の溶媒を添加しても良い。
(実施の形態2)
次に、第1番目の発明の離型性金型の第3および第4の製造方法(第4番目及び第5番目の発明)を説明する。
例えば、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質として、CF3−(CF2−(CH−Si(OA)3(nは正数、Aはアルキル基)と、アルコキシシリル基を主成分とする物質として、(AO)Si(OSi(OA)OA(mは0または整数、Aはアルキル基)を非水系の水をほとんど含まない有機溶媒(例えば、ヘキサデカン)にそれぞれ0.01M/Lの濃度になるように溶解し(この場合、前者と後者の分子組成比1:1になる)、さらに、有機物のシラノール縮合触媒から1種類を選び0.01乃至0.03M/Lの濃度になるように添加して複合膜形成溶液を作成する。
次に、ステンレス製の金型をよく洗浄し、乾燥後、空気中で表面に前記複合膜形成溶液を塗布し1、2時間反応させる。
このとき、金型の表面は水酸基すなわち活性水素を多数含み、且つ吸着水で被われているので、前記金型表面で二つの物質の−Si(OA)3基と前記水酸基や吸着水とがシラノール触媒を介して脱アルコール反応して、実施の形態1と同様に、フッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1と、シロキサン基を主成分とする物質2が混合した状態で−SiO−結合を介して前記ステンレス製の金型の表面に結合する。
すなわち、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質は、シラノール縮合触媒の存在下で、脱アルコール反応によりフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1に変化して、前記−SiO−結合を介してステンレス製の金型3表面やシロキサン基を主成分とする物質2と結合し、一方、アルコキシシリル基を主成分とする物質は、触媒の存在下で、脱アルコール反応によりシロキサン基を主成分とする物質2に変化して前記−SiO−結合介して、金型3表面やフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1と結合する。(図1(a)と同様)
その後、表面の余分な複合膜形成溶液を洗浄除去する(第5番目の発明、第4番目の発明のように有機溶媒を用いてふき取り除去しても良い。)と、数ナノメートルの均一な厚みのフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1とシロキサン基を主成分とする物質2を含み、且つ水酸基4を多数含む複合膜5を前記金型3表面に形成できる。(図1(a)と同様)
なお、前記洗浄工程を省き、前記非水系有機溶媒を蒸発させるか、あるいは布等でふき取る(第4番目の発明)と、数十ナノメートル厚みのフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1とシロキサン基を主成分とする物質2を含み、且つ水酸基を多数含む複合膜を前記ステンレス製の金型表面に形成できる。この場合、洗浄した場合に比べ厚さが厚くなり、膜厚均一性は劣るが、利点は、より成形耐久性を向上できることにある。
その後、前記複合膜(洗浄したもの、あるいは溶媒を蒸発させた、又はふき取ったものでも良い。)が形成されたそれぞれのステンレス製の金型を実質的に酸素を含まない雰囲気下で300〜450℃、30〜120分程度の条件で加熱処理を行うと、膜中に残っていた水酸基4が脱水反応して、ポリシロキサン結合を形成し網目状のシリカ膜6に変化する。その結果、フッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1とシロキサン基を主成分とする物質2よりなる耐摩耗性で且つ離型性が高い複合膜7となり、実施例1と同様に成形耐久性に優れ、且つ金型内での成型物流動性と入り込み性、および離型性に優れた金型を製造できる(図1(b)と同様)。
このとき、被膜の表面エネルギーは、物質1と物質2の組成に依存するので、組成を1:10〜1:0の範囲で変えれば、被膜の表面エネルギーを調節でき、成形耐久性および離型性を保ったままで成型物流動性t入り込み性を制御可能である。具体的には、臨界表面エネルギーを、9〜40の範囲で制御できる。
なお、複合膜形成溶液の溶媒を蒸発させて被膜を形成する場合には、複合膜形成溶液に用いる非水系の溶媒の沸点は、低いほど早く蒸発除去できるので都合がよいが、取扱いの上では50〜150℃程度がよい。
一方、非水系の有機溶媒で洗浄する場合には、複合膜形成溶液に用いる非水系の溶媒の沸点は、高いほど安定しているが、取扱いの上では150〜350℃程度がよい。
もちろん、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質100%で被膜を形成しても離型機能は付与できるが、複合膜形成溶液のフッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質とアルコキシシリル基を主成分とする物質の分子組成比を変えて、複合膜に含まれるフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1とシロキサン基を主成分とする物質2の分子組成比を、好ましくは1:10〜10:1(より好ましくは1:1〜6:1)にしておくと、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質100%で作成した被膜の場合に比べて、成形耐久性に優れ、且つ金型内での成型物流動性と入り込み性、および離型性を大幅に向上できる。
なお、焼成時、窒素ガスの代わりに、爆発限界以下の水素を混ぜた窒素ガスを用いると、微量の不純物酸素を水素で除去し、被膜の酸化を完全に防止できる。
また、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基のみを主成分とする物質として、一般には、以下のような物質が挙げられる。
CF3−(CF2n−(R)m−SiXp(OA)3-p
(但し、nは0または整数、好ましくは1〜22の整数、Rはアルキル基、フェニル基、ビニル基、エチニル基、シリコン若しくは酸素原子を含む置換基、mは0又は1、XはH,アルキル基,アルコキシ基,含フッ素アルキル基又は含フッ素アルコキシ基の置換基、pは0、1または2、Aは、CH、C、C等のアルキル基)
さらに、具体的には、以下に示す物質(1)-(14)が挙げられる。
(1) CF3CH2O(CH215Si(OCH3
(2) CF3(CH22Si(CH32(CH215Si(OCH3
(3) CF3(CH26Si(CH32(CH29 Si(OCH3
(4) CF3COO(CH215Si(OCH3
(5) CF3(CF27(CH22Si(OCH3
(6) CF3(CF25(CH22Si(OCH3
(7) CF3(CF2764Si(OCH3
(8) CF3CH2O(CH215Si(OC3
(9) CF3(CH22Si(CH32(CH215Si(OC3
(10) CF3(CH26Si(CH32(CH29 Si(OC3
(11) CF3COO(CH215Si(OC3
(12) CF3(CF27(CH22Si(OC3
(13) CF3(CF25(CH22Si(OC3
(14) CF3(CF2764Si(OC3
ここで、mは整数を表す。
また、アルコキシシリル基を主成分とする物質として、Si(OA)、SiH(OA)3、SiH2(OA)2、または(AO)3Si(OSi(OA)2OA(但し、mは整数、Aは、CH、C、C等のアルキル基)で表される化合物を用いることが可能である。
さらに、具体的には、以下に示す物質(1)-(8)が挙げられる。
(1)Si(OCH
(2)SiH(OCH3
(3)SiH2(OCH2
(4)(CHO)3Si(OSi(OCH2OCH
(5)Si(OC3
(6)SiH(OC3
(7)SiH2(OC2
(8)(HO)3Si(OSi(OC2OC
さらにまた、シラノール縮合触媒として、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル及びチタン酸エステルキレート類が利用可能である。さらに具体的には、酢酸第1錫、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクタン酸第1錫、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、2−エチルヘキセン酸鉄、ジオクチル錫ビスオクチリチオグリコール酸エステル塩、ジオクチル錫マレイン酸エステル塩、ジブチル錫マレイン酸塩ポリマー、ジメチル錫メルカプトプロピオン酸塩ポリマー、ジブチル錫ビスアセチルアセテート、ジオクチル錫ビスアセチルラウレート、テトラブチルチタネート、テトラノニルチタネート及びビス(アセチルアセトニル)ジープロピルチタネートを用いることが可能である。
なお、上述のシラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を用いると、反応時間を2倍程度早くでき、製膜時間を半分程度に短縮できる。
また、シラノール縮合触媒とケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を混合(1:9〜9:1)して用いると、さらに反応時間を数倍程度早くでき、製膜時間を数分の一に短縮できる。
一方、非水系溶媒としては、水を含まない炭化水素系溶媒、あるいはフッ化炭素系溶媒やシリコーン系溶媒を用いることが可能であるが、特に沸点が50〜300℃のものが使用に適している。
具体的に使用可能なものは、石油ナフサ、ソルベントナフサ、石油エーテル、石油ベンジン、イソパラフィン、ノルマルパラフィン、デカリン、工業ガソリン、灯油、ジメチルシリコーン、フェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエーテルシリコーン等を挙げることができる。
また、フッ化炭素系溶媒には、フロン系溶媒や、フロリナート(3M社製品)、アフルード(旭ガラス社製品)等がある。なお、これらは1種単独で用いても良いし、良く混ざるものなら2種以上を組み合わせてもよい。さらに、クロロホルム等有機塩素系の溶媒を添加しても良い。
以下、本発明の具体的な実施例を説明する。なお以下の実施例においては、とくに記載していない限り分子組成比はモル比を意味する。また、%は重量%を意味する。なお、本願発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
乾燥雰囲気中(湿度35%以下が良い。これ以上になると、被膜形成物質が加水分解して被膜が白濁した。)でフッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質としてCF3−(CF2−(CH−SiCl3と、クロロシリル基を主成分とする物質としてSiClとを、非水系有機溶媒である水をほとんど含まない5%クロロホルム含有ジメチルシリコーン溶液に、それぞれ0.02M/Lと0.01M/Lの濃度(2:1)になるように溶解して、複合膜形成溶液を作成した。
次に、ステンレス製の金型をよく洗浄し、乾燥後、乾燥雰囲気中(湿度35%以下が良い。これ以上になると、被膜形成物質が加水分解して被膜が白濁した。)で表面に前記複合膜形成溶液を塗布し、室温で1時間放置反応させた。
このとき、前記金型表面は自然酸化膜で被われており、水酸基すなわち活性水素を多数含み、且つ吸着水で被われているので、前記金型表面で二つの物質の≡SiCl基と前記水酸基や吸着水とが脱塩酸反応して、フッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質とシロキサン基を主成分とする物質が混合した状態で前記ステンレス製の金型表面に結合した。
フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質は、前記シリル基を介して、ステンレス製の金型表面やシロキサン基を主成分とする物質と結合し、シロキサン基を主成分とする物質は、シロキサン基を介して、ステンレス製の金型表面やフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質と結合した。
その後、表面の余分な複合膜形成溶液をエタノールで洗浄除去すると、略3nm程度の厚みのフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質とシロキサン基を主成分とする物質を含む複合膜が前記ステンレス製の金型表面に形成できた。
なお、洗浄せずに前記非水系有機溶媒を蒸発させる(この場合、60乃至100℃でステンレス製の金型を加熱すると、溶媒の蒸発を早めることが可能であり、蒸発時間を短縮できた。)と、略30nm厚みのフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質とシロキサン基を主成分とする物質を含む複合膜を、前記ステンレス製の金型表面に形成できた。また、ふき取った場合には、略10nm厚みとなった。
その後、複合膜が形成されたそれぞれのステンレス製の金型を、さらに実質的に酸素を含まない雰囲気として、不活性ガスである窒素ガス中で400℃30分程度の加熱処理を行うと、被膜内の−SiCl3基が吸着水と反応して生成された≡SiOH基の大部分が脱水反応して、ポリシロキサン結合を形成し網目状のシリカ膜に変化して、耐摩耗性で且つ離型性の高いフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1とシロキサン基を主成分とする物質2よりなる複合膜となり、成形耐久性に優れ、且つ金型内での成型物流動性と入り込み性、および離型性を備えたステンレス製の金型を製造できた。
なお、このとき、複合膜の膜厚は、数ナノメートル程度であったので、金型の加工精度を損なうことは全くなかった。また、ステンレス製の金型表面の水滴接触角は、洗浄工程の有無に関わらず、略104度(臨界表面エネルギーは12mN/m程度) であり、テフロン(登録商標)コート並み以上の離型性が付与できた。
また、摩耗試験では、加重500g/4cmの条件下で、水に対する接触角は、往復6000回のこすりに対して95度以上を維持できた。この条件は、布巾で表面を数十万回拭う条件に相当する。
なお、400℃30分の焼成時、雰囲気ガスとして3%の水素(爆発限界は4%。)を含む窒素ガスを用いると、炉内へ多少の酸素混入があっても被膜が酸化することなく焼成できた。
実施例1において、クロロシリル基を主成分とする物質SiClを除き同様の条件で撥水撥油離型ステンレス製の金型を試作した。基本性能である水に対する接触角を測定すると、112度であった。この値は、臨界表面エネルギー7mN/mに相当し、成型用の樹脂としてポリメタアクリル酸メチル樹脂を用いた場合、離型特性は非常に良かったが、金型微細加工部への樹脂の流れ込みが悪くなった。
また、摩耗試験を行ったが、実施例1に比べ耐摩耗性が悪くなった。加重500g/4cmの条件下での耐摩耗性評価結果を、実施例1と共に図2に示す。
以上の実験より、フッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質100%で作製した場合、極めて良好な離型機能を金型に付与でき、ある程度の成形耐久性もあった。
しかしながら、フッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質とシロキサン基を主成分とする物質を含む複合膜を形成した場合に比べて、金型内での成型物流動性と入り込み性が悪くなることが判明した。
まず、ステンレス製の金型を用意し、よく洗浄して乾燥した。次に、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質として、例えば、CF3(CF27(CH22Si(Si(OC253)を59.7重量%、アルコキシシリル基を主成分とする物質としてSi(OC25を40重量%、シラノール縮合触媒として、例えば、ジブチル錫オキサイド)を0.3重量%となるようそれぞれ秤量調整し、あらかじめ混合物したものを水をほとんど含まないシリコーン溶媒、例えば、ヘキサメチルジシロキサン溶媒に0.2重量%程度の濃度(好ましくい濃度は、0.05〜1%程度)に溶かして複合膜形成溶液とした。
この複合膜形成溶液に、普通の空気中で(相対湿度57%、別の実験では70%でも問題なかった。)で前記ステンレス製の金型を漬浸して1時間反応させ、溶液から取り出して溶媒を蒸発させた。このとき、ステンレス製の金型表面はナチュラルオキサイドに水酸基が多数含まれているので、前記フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質とアルコキシシリル基を主成分とする物質の≡Si(OC25)基と前記ステンレス製の金型表面の水酸基や吸着水がシラノール縮合触媒の存在下で脱アルコール(この場合は、脱C25OH)反応し、さらに、金型表面の未反応のフッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質とアルコキシシリル基を主成分とする物質も空気中の水分と脱アルコール反応して、金型表面全面に亘り表面と化学結合した略40nm厚みのフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1とシロキサン基を主成分とする物質2を含む複合膜を前記ステンレス製の金型表面に形成できた。
一方、ここで、溶液から取り出した後、表面の余分な複合膜形成溶液をエタノールで洗浄除去(第5番目の発明)すると、略5nm程度の厚みのフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1とシロキサン基を主成分とする物質2を含む複合膜が前記ステンレス製の金型表面に形成できた。また、ウエスでふき取った場合には、略15nm厚みとなった。
その後、複合膜が形成されたそれぞれのステンレス製の金型を不活性ガスである窒素ガス中(爆発限界以下の水素を含む窒素ガスが、被膜の酸化を防止できて失敗を少なくできた。)で400℃30分程度の加熱処理を行うと、−Si(OC25)基が吸着水と反応して生成された≡SiOH基の大部分が脱水反応して、ポリシロキサン結合を形成し網目状のシリカ膜に変化して、耐摩耗性、すなわち成形耐久性に優れ、且つ金型内での成型物流動性と入り込み性、および離型性に優れたフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1とシロキサン基を主成分とする物質2よりなる複合膜となり、実施例1とほぼ同様の物性を有するステンレス製の金型を製造できた。
実施例3において、アルコキシシリル基を主成分とする物質Si(OC25を除き同様の条件で撥水撥油離型ステンレス製の金型を試作した。基本性能である水に対する接触角を測定すると、111度であり、離型性は優れていたが、フッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質とシロキサン基を主成分とする物質を含む複合膜を形成した場合に比べて、金型内での成型物流動性と入り込み性が悪くなることが判明した。
さらに、実施例3及び4において、上述のシラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物が利用できた。
例えば、実施例3及び4に置いて上述のシラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物(ジャパンエポキシレジン社のH3、およびチッソ社のサイラエースS340を用いてみたが、性能はほぼ同じであった。)を同じ濃度で用いた場合、反応時間を30分まで短縮できた。
さらに、実施例3及び4において、上述のシラノール縮合触媒とケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を1:9〜9:1で混合して用いると、さらにさらに反応時間を短縮できた。
例えば、実施例3及び4に置いて上述のシラノール縮合触媒濃度を半分にして、上述のケチミン化合物(例えば、S340)を等モル混合した場合(1:1)、反応時間を10分まで短縮できた。
なお、利用できるケチミン化合物は特に限定されるものではないが、例えば、2,5,8−トリアザ−1,8−ノナジエン、3,11−ジメチル−4,7,10−トリアザ−3,10−トリデカジエン、2,10−ジメチル−3,6,9−トリアザ−2,9−ウンデカジエン、2,4,12,14−テトラメチル−5,8,11−トリアザ−4,11−ペンタデカジエン、2,4,15,17−テトラメチル−5,8,11,14−テトラアザ−4,14−オクタデカジエン、2,4,20,22−テトラメチル−5,12,19−トリアザ−4,19−トリエイコサジエン等がある。
また、利用できる有機酸としても特に限定されるものではないが、例えば、ギ酸、あるいは酢酸、プロピオン酸、ラク酸、マロン酸等があり、ほぼ同様の効果があった。
本発明の撥水撥油離型性ステンレス製の金型の製造工程を示したものであり、(a)は実施例1における複合被膜形成後のステンレス製の金型断面、(b)は実施例1における焼成後の複合膜が形成された離型性の金型断面をそれぞれ分子レベルまで拡大した概念図。 本発明の実施例1と実施例2で製作した離型性金型の耐摩耗性試験結果を比較して示した図。 従来の金型断面(a)と本発明の金型断面(b)の概念図。(a)は、金型表面に離型剤を塗布した状態、(b)は、金型表面に離型性単分子膜を形成した状態を示す。
符号の説明
1 フッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質
2 シロキサン基を主成分とする物質2
3 ステンレス製の金型
4 水酸基
5 水酸基4を多数含む複合膜
6 網目状のシリカ膜
7 離型性の複合膜
8 金型
9 塗布された離型剤
10 単分子膜状離型膜

Claims (19)

  1. 表面に離型性被膜が形成された金型であって、前記被膜が、少なくともフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1を含む被膜であることを特徴とする離型性金型。
  2. 表面に離型性被膜が形成された金型であって、前記被膜が、少なくともフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1とシロキサン基を主成分とする物質2を含む複合膜であることを特徴とする請求項1に記載の離型性金型。
  3. フッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1が、シロキサン基を主成分とする物質2よりなるシリカ膜中で前記シリル基を介して前記シリカ膜および/または金型表面に結合固定されていることを特徴とする請求項2に記載の離型性金型。
  4. フッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1とシロキサン基を主成分とする物質2が、それぞれシリル基およびシロキサン基を介して互いにまたは個々に金型表面に結合固定されていることを特徴とする請求項2に記載の離型性金型。
  5. 複合膜に含まれるフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1とシロキサン基を主成分とする物質2の分子組成比が、1:10〜1:0であることを特徴とする請求項1または2に記載の離型性金型。
  6. 表面に離型性被膜が形成された金型であって、前記被膜が、少なくともフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする物質1を含み前記被膜の臨界表面エネルギーが8〜20mN/mに制御されていることを特徴とする請求項1乃至5に記載の離型性金型。
  7. 乾燥雰囲気中で、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質とクロロシリル基を主成分とする物質とを非水系有機溶媒で混合希釈しt複合膜形成溶液を金型表面に接触させて反応させ被膜を形成する工程と、被膜の形成された金型を実質的に酸素を含まない雰囲気中で焼成する工程とを含むことを特徴とする離型性金型の製造方法。
  8. 乾燥雰囲気中で、フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質とクロロシリル基を主成分とする物質とを非水系有機溶媒で混合希釈した複合膜形成溶液を金型表面に接触させて反応させ被膜を形成する工程と、前記金型表面の余分な溶液を溶媒を用いて洗浄除去またはふき取り除去する工程と、実質的に酸素を含まない雰囲気中で焼成する工程とを含むことを特徴とする離型性金型の製造方法。
  9. 実質的に酸素を含まない雰囲気として窒素ガスまたは爆発限界以下の水素を混ぜた窒素ガスを用い、300乃至450℃で焼成することを特徴とする請求項7および8に記載の離型性金型の製造方法。
  10. フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質とクロロシリル基を主成分とする物質の分子混合比を、1:10〜1:0にしておくことを特徴とする請求項7乃至9に記載の離型性金型の製造方法。
  11. フッ化炭素基と炭化水素基とクロロシリル基を主成分とする物質としてCF3−(CF2−(CH−SiCl3(nは整数)を用い、クロロシリルキ基を主成分とする物質としてClSi(OSiClCl(mは0または整数)を用い、混合時の分子組成比を1:10〜10:1にすることを特徴とする請求項7乃至10に記載の離型性金型の製造方法。
  12. フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質とアルコキシシリル基を主成分とする物質とシラノール縮合触媒を非水系有機溶媒で混合希釈した複合膜形成溶液を金型表面に接触させて反応させ被膜を形成する工程と、被膜の形成された金型を実質的に酸素を含まない雰囲気中で焼成する工程とを含むことを特徴とする離型性金型の製造方法。
  13. フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質とアルコキシシリル基を主成分とする物質とシラノール縮合触媒を非水系有機溶媒で混合希釈した複合膜形成溶液を金型表面に接触させて反応させ被膜を形成する工程と、前記金型表面の余分な溶液を溶媒を用いて洗浄除去またはふき取り除去する工程と、実質的に酸素を含まない雰囲気中で焼成する工程とを含むことを特徴とする離型性金型の製造方法。
  14. 実質的に酸素を含まない雰囲気として窒素ガスまたは爆発限界以下の水素を混ぜた窒素ガスを用い、300乃至450℃で焼成することを特徴とする請求項12および13に記載の離型性金型の製造方法。
  15. フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質と、アルコキシシリル基を主成分とする物質の分子混合比を、1:10〜1:0にしておくことを特徴とする請求項12乃至14に記載の離型性金型の製造方法。
  16. フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする物質としてCF3−(CF2−(CH−Si(OA)3(nは整数、Aはアルキル基)を用い、アルコキシシリルキ基を主成分とする物質として(AO)Si(OSi(OA)OA(mは0または整数、Aはアルキル基)を用い、混合時の分子組成比を1:10〜10:1にすることを特徴とする請求項12乃至15に記載の離型性金型の製造方法。
  17. シラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を用いることを特徴とする請求項12乃至16に記載の離型性金型の製造方法。
  18. シラノール縮合触媒とケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を混合して用いることを特徴とする請求項12乃至16に記載の離型性金型の製造方法。
  19. 請求項1乃至18の金型を用いて作成した離型剤が付着してない成型品。
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