JP2008279398A - 撥水撥油防汚性表面を有する部材とその撥水撥油防汚性表面の製造方法。 - Google Patents

撥水撥油防汚性表面を有する部材とその撥水撥油防汚性表面の製造方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】重力作用のない宇宙ステーション内で、マランゴニ対流実験を行うために開発された治具に関する物であり、シリコーンオイルでの液滴接触角が110度程度以上の極撥水撥油防汚性表面を実現する。
【解決手段】少なくとも表面をブラスト加工あるいはディンプル加工する工程と、化学エッチングあるいは電解エッチングする工程と、撥水撥油防汚性薄膜を形成する工程により、表面が大きな凸凹と小さな凸凹に複合加工されており、それぞれの表面が撥水撥油防汚性薄膜で被われている超撥水撥油表面を有する部材とその製造方法。
【選択図】図4

Description

本発明は、表面が、シリコーンオイルをはじくほどの極低表面エネルギーな部材に関するものである。また、超撥水撥油防汚性表面の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、宇宙ステーション内で行われるマランゴニ対流実験に用いる治具に関するものである。
一般に、表面に10ミクロン程度の凸凹があり、さらにその凸凹表面が脂肪酸の被膜で被われた表面は、蓮の葉で見られるように水滴撥水角度が140度程度の超撥水であることが知られている。
一方、現在、重力作用のない宇宙ステーション内で、基礎理学実験として、マランゴニ対流実験が企画されている。しかしながら、ステーション内では、湿度がきわめて低いため、水滴は短時間で蒸発してしまうので、マランゴニ対流実験用の流体として水を用いることができない。そこで、代わりに、表面エネルギーが20mN/m以下と小さいが、蒸気圧がきわめて低いシリコーンオイルが実験用の流体として使用予定されている。
ところが、シリコーンオイルの表面エネルギーは、水の表面エネルギーの1/4程度であるため、通常、水滴接触角が150度程度(シリコーンオイルの液滴では、接触角が90度程度)の超撥水表面では流れてしまい、マランゴニ対流実験を行えないのが現状である。
そこで、多少の振動があってもシリコーンオイルの液滴が流れ出さない条件、すなわちシリコーンオイルでの液滴接触角が100度以上、好ましくは120度程度の表面を実現することが必要であるが、今のところ、そのような表面は実現されていないという課題があった。
本発明は、重力作用のない宇宙ステーション内で、マランゴニ対流実験を行うために開発された治具に関する物であり、シリコーンオイルでの液滴接触角が110度以上の極撥水撥油防汚性表面を実現することを目的とする。
なお、このような物性値を実現できれば、防汚や着氷防止等、用途は無限にある。
前記課題を解決するための手段として提供される第1の発明は、表面が大きな凸凹と小さな凸凹に複合加工されており、それぞれの凸凹の表面が撥水撥油防汚性薄膜で被われていることを特徴とする部材である。
第2の発明は、第1の発明において、大きな凸凹が500〜10ミクロンの大きさであり、小さな凸凹が10ミクロン未満から10ナノメート以上の大きさであることを特徴とする部材である。
第3の発明は、第1の発明において、大きな凸凹の凸部面積が凹部面積より小さく、且つ小さな凸凹の凸部間隔が凹部深さより小さなことを特徴とする部材である。
第4の発明は、第1〜3の発明において、撥水撥油防汚性薄膜が両凸凹表面に共有結合していることを特徴とする部材である。
第5の発明は、第4の発明において、撥水撥油防汚性薄膜が−CF基を含むことを特徴とする部材である。
第6の発明は、第1〜5の発明において、撥水撥油防汚性薄膜が単分子膜であることを特徴とする部材である。
第7の発明は、第1〜6の発明において、表面の臨界表面エネルギーが2mN/m以下であるあることを特徴とする部材である。
第8の発明は、少なくとも表面をブラスト加工あるいはディンプル加工する工程と、化学エッチングあるいは電解エッチングする工程と、撥水撥油防汚性薄膜を形成する工程を含むことを特徴とする撥水撥油防汚性表面の製造方法である。
第9の発明は、第8の発明の撥水撥油防汚性薄膜を形成する工程において、フッ化炭素基とアルコキシシリルキを含むアルコキシシラン系化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した反応液、あるいはフッ化炭素基とトリクロロシリル基を含むクロロシラン系化合物と非水系の有機溶媒を混合して作成した反応液か、フッ化炭素基とイソシアネート基を含むイソシアネート系化合物と非水系の有機溶媒を混合して作成した反応液を用いて撥水撥油防汚性被膜を形成する工程を含むことを特徴とする撥水撥油防汚性表面の製造方法である。
第10の発明は、第8および9の発明の撥水撥油防汚性薄膜を形成する工程において、接触後、余分な反応液を洗浄除去する工程を含むことを特徴とする撥水撥油防汚性表面の製造方法である。
第11の発明は、第9〜10の発明において、シラノール縮合触媒に助触媒としてケチミン化合部材、又は有機酸、金属酸化部材、アルジミン化合部材、エナミン化合部材、オキサゾリジン化合部材、アミノアルキルアルコキシシラン化合部材から選ばれる少なくとも1つを混合して用いることを特徴とする撥水撥油防汚性表面の製造方法である。
さらに詳しくは、本発明は、少なくとも表面をブラスト加工あるいはディンプル加工する工程と、化学エッチングあるいは電解エッチングする工程と、撥水撥油防汚性薄膜を形成する工程により、 表面が大きな凸凹と小さな凸凹に複合加工されており、それぞれの表面が撥水撥油防汚性薄膜で被われていることを特徴とする部材を提供するものである。
ここで、好ましくは、大きな凸凹が500〜10ミクロンの大きさであり、小さな凸凹が10ミクロン未満から10ナノメート以上の大きさであると、臨界表面エネルギーを2mN/m以下にできて都合がよい。
また、大きな凸凹の凸部面積が凹部面積より小さく、且つ小さな凸凹の凸部間隔が凹部深さより小さいと、臨界表面エネルギーを2mN/m以下にできて都合がよい。
また、撥水撥油防汚性薄膜が両凸凹表面に共有結合していると、撥水撥油防汚性能の耐久性を向上する上で都合がよい。
さらに、撥水撥油防汚性薄膜が−CF基を含むと臨界表面エネルギーを2mN/m以下にできて都合がよい。
また、撥水撥油防汚性薄膜が単分子膜であると、臨界表面エネルギーを2mN/m以下にできて都合がよい。
また、このとき、撥水撥油防汚性薄膜を形成する工程において、フッ化炭素基とアルコキシシリルキを含むアルコキシシラン系化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した反応液、あるいはフッ化炭素基とトリクロロシリル基を含むクロロシラン系化合物と非水系の有機溶媒を混合して作成した反応液か、フッ化炭素基とイソシアネート基を含むイソシアネート系化合物と非水系の有機溶媒を混合して作成した反応液を用いて撥水撥油防汚性被膜を形成する工程を含むと、撥水撥油防汚性表面の製造時間を短縮できて都合がよい。
また、撥水撥油防汚性薄膜を形成する工程において、接触後、余分な反応液を洗浄除去する工程を含むと、下地凸凹を全く損なうことがないので好都合である。
さらに、シラノール縮合触媒に助触媒としてケチミン化合部材、又は有機酸、金属酸化部材、アルジミン化合部材、エナミン化合部材、オキサゾリジン化合部材、アミノアルキルアルコキシシラン化合部材から選ばれる少なくとも1つを混合して用いると、撥水撥油防汚性表面の製造時間を短縮できて都合がよい。
以上説明したとおり、本発明によれば、表面エネルギーが極めて小さなシリコーンオイルのような液体でも、はじくことができるような表面を有する部材を提供できる効果がある。
本発明は、少なくとも表面をブラスト加工あるいはディンプル加工する工程と、化学エッチングあるいは電解エッチングする工程と、撥水撥油防汚性薄膜を形成する工程により、表面が大きな凸凹と小さな凸凹に複合加工されており、それぞれの表面が撥水撥油防汚性薄膜で被われていることを特徴とする部材を提供するものである。
したがって、本発明には、表面エネルギーが20mN/m程度のシリコーンオイルの液滴でも、多少の振動で流れ出さない条件、すなわちシリコーンオイルでの液滴接触角が120度程度の表面を実現できる作用がある。
以下、本願発明の詳細を実施例を用いて説明するが、本願発明は、これら実施例によって何ら制限されるものではない。用途は、防汚や着氷着雪防止など、用途は、無限にある。
なお、本発明に関する部材には、電解エッチング可能な金属基板ならどのようなものでも利用可能であるが、代表例として、以下、実際にマランゴニ対流実験に使用が予定されているアルミニウム板を取り上げて説明する。
あらかじめ、一端にフッ化炭素基(−CF)を含み他端にアルコキシシリル基を含む薬剤、例えば、CF(CF27(CH22Si(OCH)3で示す薬剤を99重量%、シラノール縮合触媒として、例えば、ジブチル錫ジアセチルアセトナートを1重量%となるようそれぞれ秤量し、シリコーン溶媒、例えば、ヘキサメチルジシロキサン溶媒に1重量%程度の濃度(好ましい化学吸着剤の濃度は、0.5〜3%程度)に溶かして反応液を作成した。
一方、厚みが2mm程度のアルミニウム板1を準備して、良く洗浄した後、30#の金剛砂を用いブラスト加工を行い、100〜200ミクロン粗さの大きな凸凹2を形成した。(図1)
さらに、リン酸エッチング液で表面をエッチングして2〜0.5ミクロン粗さの小さな凸凹3を形成した。(図2)
その後、前記加工を施した、表面が大きな凸凹と小さな凸凹に複合加工されたアルミニウム板1’を前記反応液に浸漬し、空気中(相対湿度45%)で撹拌しながら1時間程度反応させた。このとき、前記アルミニウム板1’の表面には水酸基4が多数含まれているの(図3(a))で、前記化学吸着剤の−Si(OCH)基と前記水酸基2がシラノール縮合触媒の存在下で脱アルコール(この場合は、脱CHOH)反応し、アルミニウム板1’の表面全面に亘り下記式(化1)で示されるフッ化炭素基を含む化学吸着単分子膜が表面と化学結合した状態で約1ナノメートル程度の膜厚で形成される。(図3(b))
そこで、クロロホルム等の塩素系溶媒で余分な未反応の吸着液を洗浄除去すると、表面が大きな凸凹と小さな凸凹に複合加工されており、それぞれの表面が撥水撥油防汚性単分子膜5で被われている撥水撥油性に優れたアルミニウム板1”を製造できた(図4)。
なお、ここで、性能はやや劣り、単分子膜は得られなかったが、余分な未反応の吸着液を洗浄除去する工程を省き、そのまま液中から取り出したままで蒸発させても、実用レベルでは問題がない撥水撥油性に優れたアルミニウム板を製造できた。
なお、ここで、粗面化条件を変えてみて、同様の実験を繰り返すことにより、大きな凸凹が500〜10ミクロンの大きさであり、小さな凸凹が10ミクロン未満から10ナノメート以上の大きさであると、臨界表面エネルギーを2mN/m以下にできることが判明した。
また、このときの表面粗さを調べてみると、大きな凸凹の凸部面積が凹部面積より小さく、且つ小さな凸凹の凸部間隔が凹部深さより小さなことが判明した。
さらにまた、化学エッチングの代わりに電解エッチングを行うと、さらに性能を向上でき、1mN/m以下を容易に実現できた。
特に、表面粗さが表1の場合、見かけ上の臨界表面エネルギーは、1以下となり、表面エネルギーが19.7mN/mのシリコーンオイルでも、液滴接触角を117.6度に制御できた。この条件での、基板表面のSEM観察写真を図5に示す。また、シリコーンオイル(表面エネルギーは19.7mN/m)液滴の撥油状態の断面写真を図6に示す。
なお、上記実施例1では、撥油性の単分子膜形成用の薬剤として、フッ化炭素系化学吸着剤であるCF3(CF(CHSi(OCHを用いたが、上記のもの以外にも、下記(1)〜(12)に示した部材質が利用できた。
(1) CF3CH2O(CH2)15Si(OCH)3
(2) CF3(CH2)Si(CH3)2(CH2)15Si(OCH)3
(3) CF3(CF2)(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9Si(OCH)3
(4) CF3(CF2)(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9Si(OCH)3
(5) CF3COO(CH2)1 5Si(OCH)3
(6) CF3(CF2)5(CH2)2Si(OCH)3
(7) CF3CH2O(CH2)15Si(OC)3
(8) CF3(CH2)Si(CH3)2(CH2)15Si(OC)3
(9) CF3(CF2)(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9Si(OC)3
(10) CF3(CF2)(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9Si(OC)3
(11) CF3COO(CH2)15Si(OC)3
(12) CF3(CF2)5(CH2)2Si(OC)3
なお、ここで、基材が銅、ニッケル、鉛、ステンレスの場合には、トリアジンチオール系の薬剤が、金の場合には、チオール系の薬剤、例えばCF(CF27(CH22SHを使用できた。この場合は、SH基が金と結合して同様の撥水撥油膜を製造できた。
また、実施例1および2に置いて、シラノール縮合触媒には、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル及びチタン酸エステルキレート類が利用可能である。さらに具体的には、酢酸第1錫、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクタン酸第1錫、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、2−エチルヘキセン酸鉄、ジオクチル錫ビスオクチリチオグリコール酸エステル塩、ジオクチル錫マレイン酸エステル塩、ジブチル錫マレイン酸塩ポリマー、ジメチル錫メルカプトプロピオン酸塩ポリマー、ジブチル錫ビスアセチルアセテート、ジオクチル錫ビスアセチルラウレート、テトラブチルチタネート、テトラノニルチタネート及びビス(アセチルアセトニル)ジープロピルチタネートを用いることが可能であった。
なお、実施例1に於いて、シラノール縮合触媒を用いない場合には、下記(41)〜(52)に示した部材質が利用できた。
(41) CF3CH2O(CH2)15SiCl3
(42) CF3(CH2)Si(CH3)2(CH2)15SiCl3
(43) CF3(CF2)(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9SiCl3
(44) CF3(CF2)(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9SiCl3
(45) CF3COO(CH2)15SiCl3
(46) CF3(CF2)5(CH2)2Si(NCO)3
(47) CF3CH2O(CH2)15Si(NCO)3
(48) CF3(CH2)Si(CH3)2(CH2)15Si(NCO)3
(49) CF3(CF2)(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9Si(NCO)3
(50) CF3(CF2)(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9Si(NCO)3
(51) CF3COO(CH2)15Si(NCO)3
(52) CF3(CF2)5(CH2)2Si(NCO)3
また、膜形成用反応液の溶媒としては、化学吸着剤がアルコキシシラン系、クロロシラン系何れの場合も、水を含まない有機塩素系溶媒、炭化水素系溶媒、あるいはフッ化炭素系溶媒やシリコーン系溶媒、あるいはそれら混合部材を用いることが可能であった。なお、洗浄を行わず、溶媒を蒸発させて粒子濃度を上げようとする場合には、溶媒の沸点は50〜250℃程度がよかった。
具体的に使用可能な溶媒は、クロロシラン系の場合は、非水系の石油ナフサ、ソルベントナフサ、石油エーテル、石油ベンジン、イソパラフィン、ノルマルパラフィン、デカリン、工業ガソリン、ノナン、デカン、灯油、ジメチルシリコーン、フェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエーテルシリコーン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。
さらに、吸着剤がアルコキシシラン系の場合で且つ溶媒を蒸発させて有機被膜を形成する場合には、前記溶媒に加え、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、あるいはそれら混合部材が使用できた。
また、フッ化炭素系溶媒には、フロン系溶媒や、フロリナート(3M社製品)、アフルード(旭ガラス社製品)等がある。なお、これらは1種単独で用いても良いし、良く混ざるものなら2種以上を組み合わせてもよい。さらに、クロロホルム等有機塩素系の溶媒を添加しても良い。
一方、上述のシラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合部材又は有機酸、TiO等の金属酸化部材、アルジミン化合部材、エナミン化合部材、オキサゾリジン化合部材、アミノアルキルアルコキシシラン化合部材を用いた場合、同じ濃度でも処理時間を半分〜2/3程度まで短縮できた。
さらに、シラノール縮合触媒とケチミン化合部材、又は有機酸、TiO等の金属酸化部材、アルジミン化合部材、エナミン化合部材、オキサゾリジン化合部材、アミノアルキルアルコキシシラン化合部材を混合(1:9〜9:1範囲で使用可能だが、通常1:1前後が好ましい。)して用いると、処理時間をさらに数倍早くでき、製膜時間を数分の一まで短縮できた。
例えば、シラノール触媒であるジブチル錫オキサイドをケチミン化合部材であるジャパンエポキシレジン社のH3に置き換え、その他の条件は同一にしてみたが、反応時間を1時間程度にまで短縮できた他は、ほぼ同様の結果が得られた。
さらに、シラノール触媒を、ケチミン化合部材であるジャパンエポキシレジン社のH3と、シラノール触媒であるジブチル錫ビスアセチルアセトネートの混合部材(混合比は1:1)に置き換え、その他の条件は同一にしてみたが、反応時間を20分程度に短縮できた他は、ほぼ同様の結果が得られた。
したがって、以上の結果から、ケチミン化合部材や有機酸、アルジミン化合部材、エナミン化合部材、オキサゾリジン化合部材、アミノアルキルアルコキシシラン化合部材がシラノール縮合触媒より活性が高いことが明らかとなった。
さらにまた、ケチミン化合部材や有機酸、アルジミン化合部材、エナミン化合部材、オキサゾリジン化合部材、アミノアルキルアルコキシシラン化合部材の内の1つとシラノール縮合触媒を混合して用いると、さらに活性が高くなることが確認された。
なお、ここで、利用できるケチミン化合部材は特に限定されるものではないが、例えば、2,5,8−トリアザ−1,8−ノナジエン、3,11−ジメチル−4,7,10−トリアザ−3,10−トリデカジエン、2,10−ジメチル−3,6,9−トリアザ−2,9−ウンデカジエン、2,4,12,14−テトラメチル−5,8,11−トリアザ−4,11−ペンタデカジエン、2,4,15,17−テトラメチル−5,8,11,14−テトラアザ−4,14−オクタデカジエン、2,4,20,22−テトラメチル−5,12,19−トリアザ−4,19−トリエイコサジエン等がある。
また、利用できる有機酸としても特に限定されるものではないが、例えば、ギ酸、あるいは酢酸、プロピオン酸、ラク酸、マロン酸等があり、ほぼ同様の効果があった。
本発明の実施例1において、アルミニウム基材表面に100〜200ミクロン粗さの大きな凸凹2を形成した状態を示す基材断面概念図。 本発明の実施例1において、アルミニウム基材表面に100〜200ミクロン粗さの大きな凸凹2を形成した後、さらにリン酸エッチング液で表面をエッチングして2〜0.5ミクロン粗さの小さな凸凹2を複合して形成した状態を示す基材断面概念図。 図2の○A部を分子レベルまで拡大した断面概念図であり、(a)は、単分子膜形成前、(b)は、単分子膜形成後の基材表面近傍の断面概念図。 祖面化処理後、表面に撥水撥油防汚性単分子膜を形成した後の断面概念図。 実際に試作した表面が大きな凸凹と小さな凸凹に複合加工されており、且つ表面が撥水撥油防汚性薄膜で被われている部材のSEM写真。 図5で示された部材表面にシリコーンオイルを滴下した場合の液滴断面写真。
符号の説明
1 アルミニウム板
1’ 表面が大きな凸凹と小さな凸凹に複合加工されアルミニウム板
1” 表面が大きな凸凹と小さな凸凹に複合加工され、さらに撥水撥油防汚性単分子膜が形成されたアルミニウム板
2 大きな凸凹
3 小さな凸凹
4 水酸基
撥水撥油防汚性単分子膜

Claims (11)

  1. 表面が大きな凸凹と小さな凸凹に複合加工されており、それぞれの凸凹の表面が撥水撥油防汚性薄膜で被われていることを特徴とする部材。
  2. 大きな凸凹が500〜10ミクロンの大きさであり、小さな凸凹が10ミクロン未満から10ナノメート以上の大きさであることを特徴とする請求項1記載の部材。
  3. 大きな凸凹の凸部面積が凹部面積より小さく、且つ小さな凸凹の凸部間隔が凹部深さより小さなことを特徴とする請求項1記載の部材。
  4. 撥水撥油防汚性薄膜が両凸凹表面に共有結合していることを特徴とする請求項1〜3記載の部材。
  5. 撥水撥油防汚性薄膜が−CF基を含むことを特徴とする請求項4記載の部材。
  6. 撥水撥油防汚性薄膜が単分子膜であることを特徴とする請求項1〜5記載の部材。
  7. 表面の臨界表面エネルギーが2mN/m以下であるあることを特徴とする請求項1〜6記載の部材。
  8. 少なくとも表面をブラスト加工あるいはディンプル加工する工程と、化学エッチングあるいは電解エッチングする工程と、撥水撥油防汚性薄膜を形成する工程を含むことを特徴とする撥水撥油防汚性表面の製造方法。
  9. 撥水撥油防汚性薄膜を形成する工程において、フッ化炭素基とアルコキシシリルキを含むアルコキシシラン系化合物とシラノール縮合触媒と非水系の有機溶媒を混合して作成した反応液、あるいはフッ化炭素基とトリクロロシリル基を含むクロロシラン系化合物と非水系の有機溶媒を混合して作成した反応液か、フッ化炭素基とイソシアネート基を含むイソシアネート系化合物と非水系の有機溶媒を混合して作成した反応液を用いて撥水撥油防汚性被膜を形成する工程を含むことを特徴とする請求項8記載の撥水撥油防汚性表面の製造方法。
  10. 撥水撥油防汚性薄膜を形成する工程において、接触後、余分な反応液を洗浄除去する工程を含むことを特徴とする請求項8および9記載の撥水撥油防汚性表面の製造方法。
  11. シラノール縮合触媒に助触媒としてケチミン化合部材、又は有機酸、金属酸化部材、アルジミン化合部材、エナミン化合部材、オキサゾリジン化合部材、アミノアルキルアルコキシシラン化合部材から選ばれる少なくとも1つを混合して用いることを特徴とする請求項9〜10に記載の撥水撥油防汚性表面の製造方法。
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