JP5589215B2 - 太陽エネルギー利用装置とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高耐久性の撥水撥油防汚性被膜が表面に形成された太陽エネルギー利用装置に関するものである。具体的には、撥水撥油防汚機能が要求される太陽電池パネルや太陽熱温水器、温室に関するものである。
一般にフッ化炭素基含有クロロシラン系の吸着剤と非水系の有機溶媒よりなる化学吸着液を用い、液相で化学吸着して単分子膜状の撥水撥油防汚性化学吸着膜を形成できることはすでによく知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このような溶液中での化学吸着単分子膜の製造原理は、基材表面の水酸基などの活性水素とクロロシラン系の吸着剤のクロロシリル基との脱塩酸反応を用いて単分子膜を形成することにある。
特開平02−258032号 公報
しかしながら、従来の化学吸着膜は吸着剤と基材表面との化学結合のみを用いているため、太陽エネルギー利用装置の防汚離水膜として用いた場合には、耐摩耗性等の耐久性が乏しいという課題があった。また、クロロシラン系界面活性剤を用いた方法では、製膜時に塩酸が発生するため、製造は、特別な脱塩酸設備を備えた隔離された場所で行わなければならないという課題があった。
本発明は、撥水撥油防汚機能が要求される太陽エネルギー利用装置において、受光面側最表面の耐摩耗性および耐候性等の耐久性、雨滴離水性(滑水性ともいう)、防汚性の向上を目的とする。また、最表面に撥水撥油防汚膜を形成する際、塩酸を発生させずに(あるいはほんの少量の塩酸の発生で)、耐摩耗性および耐候性等の耐久性、および雨滴離水性(滑水性ともいう)、防汚性に優れた被膜を形成することを目的とする。
前記課題を解決するための手段として提供される第1の発明は、受光面側最表面に、高耐久性の撥水撥油防汚性被膜が形成された太陽エネルギー利用装置であって、前記被膜が、フッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を含む第1の物質(以下フッ化炭素基と炭化水素基を主成分とする長鎖物質という。)フッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を含み且つ前記第1の物質とは異なる第2の物質(以下、フッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする短鎖物質という。)シロキサン基のみを含む第3の物質(以下、シロキサン基を主成分とする物質という。)を含む複合膜が形成されており、前記第2の物質の分子長が第1の物質の分子長より短いことを特徴とする太陽エネルギー利用装置である。
第2の発明は、第1の発明に於いて、フッ化炭素基と炭化水素基を主成分とする長鎖物質の分子長がフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする短鎖物質の分子長の2倍以上であることを特徴とする太陽エネルギー利用装置である。
第3の発明は、第1および2の発明に於いて、フッ化炭素基と炭化水素基を主成分とする長鎖物質がフッ化炭素基と炭化水素基を含む側鎖を持っていることを特徴とする太陽エネルギー利用装置である。
第4の発明は、第1乃至3の発明に於いて、フッ化炭素基と炭化水素基を主成分とする長鎖物質とフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする短鎖物質が、シロキサン基を主成分とする物質よりなるシリカ膜中で前記シリル基を介して前記シリカ膜および/または受光面側最表面に結合固定されていることを特徴とする太陽エネルギー利用装置である。
第5の発明は、第1乃至4の発明に於いて、フッ化炭素基と炭化水素基を主成分とする長鎖物質とフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする短鎖物質とシロキサン基を主成分とする物質が、それぞれシリル基およびシロキサン基を介して互いにまたは個々に受光面側最表面に結合固定されていることを特徴とする太陽エネルギー利用装置である。
第6の発明は、第1乃至5の発明に於いて、撥水撥油防汚性被膜に含まれるフッ化炭素基と炭化水素基を主成分とする長鎖物質とフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする短鎖物質とシロキサン基を主成分とする物質の分子組成比が、1:10:10乃至1:0.1:0.1であることを特徴とするに記載の太陽エネルギー利用装置である。
第7の発明は、第1乃至6の発明に於いて、表面に撥水撥油防汚性被膜が形成された太陽エネルギー利用装置であって、前記被膜が、少なくともフッ化炭素基と炭化水素基を主成分とする長鎖物質を含み前記被膜の臨界表面エネルギーが5〜20mN/mに制御されていることを特徴とする太陽エネルギー利用装置である。
第8の発明は、第1乃至7の発明に於いて、フッ化炭素基と炭化水素基を主成分とする長鎖物質が有機含フッ素エーテル基または有機含フッ素ポリエーテル基を主成分とする長鎖物質であることを特徴とする太陽エネルギー利用装置である。
第9の発明は、第1乃至8の発明に於いて、有機含フッ素エーテル基または有機含フッ素ポリエーテル基が下記式(化1または化2)に示した官能基であることを特徴とする太陽エネルギー利用装置である。
Figure 0005589215
Figure 0005589215
第10の発明は、第1乃至9の発明に於いて、撥水撥油防汚性被膜がアルカリバリア膜を介して形成されていることを特徴とする太陽エネルギー利用装置である。
第11の発明は、第1乃至10の発明に於いて、複合膜がさらにメチルシリル基を含んでいることを特徴とする太陽エネルギー利用装置である。
第12の発明は、少なくとも受光面側最表面に、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を含む第4の物質(以下、フッ化炭素基と炭化水素基を主成分とし且つアルコキシシリル基を含む長鎖物質という。)(1)とフッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を含み且つ第4の物質とは異なる第5の物質(以下、フッ化炭素基および炭化水素基およびアルコキシシリル基を主成分とする短鎖物質という。)(2)と(AO) Si(OSi(OA) OA(pは0または整数、Aはアルキル基、OAはClまたはNCOでも良い。)で表される第6の物質(以下、アルコキシシリル基を主成分とする物質という。)(3)とシラノール縮合触媒とを有機溶媒で希釈した複合膜形成溶液を接触、反応させ撥水撥油防汚性の複合膜を形成する工程を含み、前記第5の物質の分子長が第4の物質の分子長より短いことを特徴とする太陽エネルギー利用装置の製造方法である。
第13の発明は、少なくとも受光面側最表面に、フッ化炭素基と炭化水素基を主成分とし且つアルコキシシリル基を含む長鎖物質(1)とフッ化炭素基および炭化水素基およびアルコキシシリル基を主成分とする短鎖物質(2)とアルコキシシリル基を主成分とする物質(3)とシラノール縮合触媒とを有機溶媒で希釈した複合膜形成溶液を接触、反応させ撥水撥油防汚性の複合膜を形成する工程と、前記受光面側最表面の余分な溶液を有機溶媒を用いて洗浄除去またはふき取り除去する工程とを含み、前記第5の物質の分子長が第4の物質の分子長より短いことを特徴とする太陽エネルギー利用装置の製造方法である。
第14の発明は、第12および13の発明に於いて、フッ化炭素基と炭化水素基を主成分とし且つアルコキシシリル基を含む長鎖物質(1)とフッ化炭素基および炭化水素基およびアルコキシシリル基を主成分とする短鎖物質(2)とアルコキシシリル基を主成分とする物質(3)の分子混合比を、1:10:10乃至1:0.1:0.1にしておくことを特徴とする太陽エネルギー利用装置の製造方法である。
第15の発明は、第12乃至14の発明に於いて、少なくともフッ化炭素基と炭化水素基を主成分とし且つアルコキシシリル基を含む長鎖物質(1)として有機含フッ素エーテル基または有機含フッ素ポリエーテル基およびアルコキシシリル基を含む長鎖物質を用いることを特徴とする太陽エネルギー利用装置の製造方法である。
第16の発明は、第15の発明に於いて、有機含フッ素エーテル基または有機含フッ素ポリエーテル基およびアルコキシシリル基を含む長鎖物質として下記式(化3または化4)に示した物質を用い、
Figure 0005589215
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フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする短鎖物質(2)としてCF3−(CF2−(CH−Si(OA)3、またはCF3−(CF2−(CH−SiCH3(OA)(添え字のoは整数、Aはアルキル基、OAはClまたはNCOでも良い。ただし、Clをもちいれば、製膜工程で塩酸が発生する。)を用い、アルコキシシリルキ基を主成分とする物質(3)として(AO)Si(OSi(OA)OA(pは0または整数、Aはアルキル基、OAはClまたはNCOでも良い。ただし、Clをもちいれば、製膜工程で塩酸が発生する。)を用いることを特徴とする太陽エネルギー利用装置の製造方法である。
第17の発明は、第15の発明に於いて、有機含フッ素エーテル基または有機含フッ素ポリエーテル基およびアルコキシシリル基を含む長鎖物質として、下記式(化5)に示した物質を用い、
Figure 0005589215
フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする短鎖物質(2)としてCF3−(CF2−(CH−Si(OA)3(添え字のoは整数、Aはアルキル基。)を用い、アルコキシシリルキ基を主成分とする物質(3)として(AO)Si(OSi(OA)OA(Pは0または整数、Aはアルキル基。)を用いることを特徴とする太陽エネルギー利用装置の製造方法である。
第18の発明は、第12乃至17の発明に於いて、シラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物、あるいはTiO等の金属酸化物を用いることを特徴とする太陽エネルギー利用装置の製造方法である。
第19の発明は、第12乃至17の発明に於いて、シラノール縮合触媒にケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物および/あるいはTiO等の金属酸化物を混合して用いることを特徴とする太陽エネルギー利用装置の製造方法である。
第20の発明は、第12乃至19の発明に於いて、有機溶媒としてフッ化炭素系有機溶媒を用いることを特徴とする太陽エネルギー利用装置の製造方法である。
第21の発明は、第12乃至20の発明に於いて、複合膜形成前にあらかじめ受光面側最表面にアルカリバリア膜としてシリカ膜を形成しておくことを特徴とする太陽エネルギー利用装置の製造方法である。
第22の発明は、第12乃至21の発明に於いて、複合膜形成後、250〜450℃で加熱することを特徴とする太陽エネルギー利用装置の製造方法である。
第23の発明は、第12乃至21の発明に於いて、複合膜形成後、さらにメチルシリル基を含んだ物質を溶かした溶液で処理することを特徴とする太陽エネルギー利用装置の製造方法である。
さらに具体的に説明すると、本発明は、少なくとも受光面側最表面に、フッ化炭素基と炭化水素基を主成分とし且つアルコキシシリル基を含む長鎖物質(1)とフッ化炭素基および炭化水素基およびアルコキシシリル基を主成分とする短鎖物質(2)とアルコキシシリル基を主成分とする物質(3)とシラノール縮合触媒とを有機溶媒で希釈した複合膜形成溶液を接触、反応させ撥水撥油防汚性の複合膜を形成する工程とにより、あるいは、少なくとも受光面側最表面に、フッ化炭素基と炭化水素基を主成分とし且つアルコキシシリル基を含む長鎖物質(1)とフッ化炭素基および炭化水素基およびアルコキシシリル基を主成分とする短鎖物質(2)とアルコキシシリル基を主成分とする物質(3)とシラノール縮合触媒とを有機溶媒で希釈した複合膜形成溶液を接触、反応させ撥水撥油防汚性の複合膜を形成する工程と、前記受光面側最表面の余分な溶液を有機溶媒を用いて洗浄除去またはふき取り除去する工程とにより、受光面側最表面に、高耐久性の撥水撥油防汚性被膜が形成された太陽エネルギー利用装置であって、前記被膜がフッ化炭素基と炭化水素基を主成分とする長鎖物質とフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする短鎖物質とシロキサン基を主成分とする物質を含む複合膜であることを特徴とする太陽エネルギー利用装置を製造して提供するものである。
ここで、フッ化炭素基と炭化水素基を主成分とする長鎖物質の分子長がフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする短鎖物質の分子長の2倍以上であると、複合膜の耐久性と雨滴離水性(滑水性とも言う。)を同時に向上できて好都合である。
また、フッ化炭素基と炭化水素基を主成分とする長鎖物質がフッ化炭素基と炭化水素基を含む側鎖を持っていると、より一層複合膜の耐久性と雨滴離水性を同時に向上できて好都合である。
さらに、フッ化炭素基と炭化水素基を主成分とする長鎖物質とフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする短鎖物質が、シロキサン基を主成分とする物質よりなるシリカ膜中で前記シリル基を介して前記シリカ膜および/またはガラス板表面に結合固定されていると、耐候性を向上する上で都合がよい。
さらにまた、フッ化炭素基と炭化水素基を主成分とする長鎖物質とフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする短鎖物質とシロキサン基を主成分とする物質が、それぞれシリル基およびシロキサン基を介して互いにまたは個々に受光面側最表面に結合固定されていると、耐候性を向上する上で都合がよい。
また、撥水撥油防汚性被膜に含まれるフッ化炭素基と炭化水素基を主成分とする長鎖物質とフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする短鎖物質とシロキサン基を主成分とする物質の分子組成比が、1:10:10〜1:0:0であると、太陽エネルギー利用装置に付着した雨滴の滑落性を制御する上で好都合である。
また、表面に撥水撥油防汚性被膜が形成された太陽エネルギー利用装置であって、前記被膜が、少なくともフッ化炭素基と炭化水素基を主成分とする長鎖物質を含み前記被膜の臨界表面エネルギーが5〜20mN/mに制御されていると、受光面側最表面に付着した雨滴の滑落性を制御する上で好都合である。
また、フッ化炭素基と炭化水素基を主成分とする長鎖物質が側鎖にフッ化炭素基と炭化水素基を持つ有機含フッ素エーテル基または有機含フッ素ポリエーテル基を主成分とする長鎖物質であると、被膜の耐久性を向上する上で都合がよい。
さらに、有機含フッ素エーテル基または有機含フッ素ポリエーテル基が下記式(化1または化2)に示した官能基であると、耐久性を向上できて都合がよい。
Figure 0005589215
Figure 0005589215
また、撥水撥油防汚性被膜がアルカリバリア膜を介して形成されていると、さらに耐候性を向上できて都合がよい。
また、複合膜がさらにメチルシリル基を含んでいると、受光面側最表面に付着した雨滴の滑落性を小さくできて好都合である。
またこのとき、フッ化炭素基と炭化水素基を主成分とし且つアルコキシシリル基を含む長鎖物質(1)とフッ化炭素基および炭化水素基およびアルコキシシリル基を主成分とする短鎖物質(2)とアルコキシシリル基を主成分とする物質(3)の分子混合比を、1:10:10〜1:0:0にしておくと、太陽エネルギー利用装置に付着した雨滴の滑落性を制御する上で好都合である。
さらに、少なくともフッ化炭素基と炭化水素基を主成分とし且つアルコキシシリル基を含む長鎖物質(1)として有機含フッ素エーテル基または有機含フッ素ポリエーテル基およびアルコキシシリル基を含む長鎖物質を用いると、被膜の耐摩耗性を向上できて好都合である。
また、有機含フッ素エーテル基または有機含フッ素ポリエーテル基およびアルコキシシリル基を含む長鎖物質として下記式(化3または化4)に示した物質を用い、
Figure 0005589215
Figure 0005589215
フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする短鎖物質(2)としてCF3−(CF2−(CH−Si(OA)3(添え字のoは整数、Aはアルキル基、OAはClまたはNCOでも良い。ただし、Clをもちいれば、製膜工程で塩酸が発生する。)を用い、アルコキシシリルキ基を主成分とする物質(3)として(AO)Si(OSi(OA)OA(pは0または整数、Aはアルキル基、OAはClまたはNCOでも良い。ただし、Clをもちいれば、製膜工程で塩酸が発生する。)を用いると、雨滴転落角と耐摩耗性を同時に制御できて好都合である。
また、有機含フッ素エーテル基または有機含フッ素ポリエーテル基およびアルコキシシリル基を含む長鎖物質として、下記式(化5)に示した物質を用い、
Figure 0005589215
フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする短鎖物質(2)としてCF3−(CF2−(CH−Si(OA)3(添え字のoは整数、Aはアルキル基。)を用い、アルコキシシリルキ基を主成分とする物質(3)として(AO)Si(OSi(OA)OA(Pは0または整数、Aはアルキル基。)を用いても、雨滴転落角と耐摩耗性を同時に制御できて好都合である。
さらにまた、シラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物、あるいはTiO等の金属酸化物を用いると、処理時間を短縮できて都合がよい。
また、シラノール縮合触媒にケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物および/あるいはTiO等の金属酸化物を混合して用いると、さらに処理時間を短縮できて都合がよい。
さらに、有機溶媒としてフッ化炭素系有機溶媒や含塩素フッ化炭素系有機溶媒を用いると、前記式(化2および3)に示した物質を均一に溶解する上で都合がよい。
また、複合膜形成前にあらかじめ受光面側最表面にアルカリバリア膜としてシリカ膜を形成しておくと、被膜密度と耐水性を同時に向上できて都合がよい。 また、複合膜形成後、250〜450℃で加熱すると、被膜の耐候性を向上できて好都合である。
また、複合膜形成後、さらにメチルシリル基を含んだ物質を溶かした溶液で処理すると雨滴転落角を小さくできて都合がよい。
以上説明したように、本発明の太陽エネルギー利用装置およびその製造方法では、受光面側最表面に、少なくとも有機含フッ素エーテル基または有機含フッ素ポリエーテル基を主成分とする長鎖物質を含む撥水撥油防汚性被膜を形成することにより、高い耐摩耗性と雨滴滑落性と耐候性とを同時に満足させた長期亘り光利用効率が劣化しない太陽エネルギー利用装置を提供できる効果がある。
本発明は、少なくとも受光面側最表面に、フッ化炭素基と炭化水素基を主成分とし且つアルコキシシリル基を含む長鎖物質(1)とフッ化炭素基および炭化水素基およびアルコキシシリル基を主成分とする短鎖物質(2)とアルコキシシリル基を主成分とする物質(3)とシラノール縮合触媒とを有機溶媒で希釈した複合膜形成溶液を接触、反応させ撥水撥油防汚性の複合膜を形成する工程とにより、あるいは、少なくとも受光面側最表面に、フッ化炭素基と炭化水素基を主成分とし且つアルコキシシリル基を含む長鎖物質(1)とフッ化炭素基および炭化水素基およびアルコキシシリル基を主成分とする短鎖物質(2)とアルコキシシリル基を主成分とする物質(3)とシラノール縮合触媒とを有機溶媒で希釈した複合膜形成溶液を接触、反応させ撥水撥油防汚性の複合膜を形成する工程と、前記受光面側最表面の余分な溶液を有機溶媒を用いて洗浄除去またはふき取り除去する工程とにより、受光面側最表面に、高耐久性の撥水撥油防汚性被膜が形成された太陽エネルギー利用装置であって、前記被膜が、フッ化炭素基と炭化水素基を主成分とする長鎖物質とフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする短鎖物質とシロキサン基を主成分とする物質を含む複合膜であることを特徴とする太陽エネルギー利用装置を製造して提供するものである。
なお、前記補正おける下線部は、補正した箇所を示している。
以下、本発明の撥水撥油防汚性に優れた太陽エネルギー利用装置の一例としてとして、太陽電池パネルを取り上げ、詳細に説明する。
なお、以下の実施例においては、とくに記載していない限り分子組成比はモル比を意味する。また、特に記載のない%は重量%を意味する。なお、本願発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
まず、あらかじめ図1に示したような太陽電池の光入射側透明基材となるガラス板1を用意し、裏面に印刷法を用いてITO透明電極2、銀ペースト櫛形電極3、n型アモルファスSi層4とp型アモルファスSi層5を順に形成し、さらにその上に反射膜を兼ねたアルミニウムのバック電極6を蒸着形成して太陽電池セルを形成した。
一方、少なくともフッ化炭素基と炭化水素基を主成分とし且つアルコキシシリル基を含む長鎖物質(1)として、下記式(化6)に示した側鎖にフッ化炭素基と炭化水素基を持つ有機含フッ素エーテル基または有機含フッ素ポリエーテル基およびアルコキシシリル基を含む長鎖物質を用い、
Figure 0005589215
フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする短鎖物質(2)としてCF3−(CF2−(CH−Si(OCH33を用い、アルコキシシリルキ基を主成分とする物質(3)としてSi(OCH3を用い、シラノール縮合触媒としてジブチル錫オキサイドを用い、それぞれ0.01、0.01、0.003、0.00005M/Lとなるようにジクロロペンタフルオロプロパン30%含有ペンタフルオロブタン溶媒(含塩素フッ化炭素系有機溶媒)に溶解して複合膜形成溶液を作成した。
次に、この複合膜形成溶液を、普通の空気中で(相対湿度53%、別の実験では65%でも問題なかった。)で良く洗浄した前記ガラス板1の電池セル反対面(光7入射面側)に塗布して1時間反応させた。その後、すぐに表面の余分な複合膜形成溶液をクロロホルムで洗浄除去すると、図1に示したような有機含フッ素エーテル基または有機含フッ素ポリエーテル基を主成分とする長鎖物質8とフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする短鎖物質9とシロキサン基を主成分とする物質10の組成比が略1:1:0.3であり、フッ化炭素基間にシロキサン記が網目状に入った膜厚が略3nm程度の複合膜11を前記ガラス板1の電池セル12の反対面に形成でき、防汚離水性に優れた太陽電池パネル13を製造できた。
なお、ここで、ガラス板1の表面には、吸着水や水酸基が多数含まれているので、前記有機含フッ素エーテル基または有機含フッ素ポリエーテル基およびアルコキシシリル基を含む長鎖物質とフッ化炭素基および炭化水素基およびアルコキシシリル基を主成分とする短鎖物質(2)とアルコキシシリル基を主成分とする物質(3)の≡Si(OCH)基は、前記ガラス板表面の水酸基や吸着水がシラノール縮合触媒の存在下で脱アルコール(この場合は、脱CHOH)反応して、ガラス板表面全面に亘り互いにあるいは表面と化学結合した有機含フッ素エーテル基または有機含フッ素ポリエーテル基を主成分とする長鎖物質とフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする短鎖物質とシロキサン基を主成分とする物質を含む複合膜が前記ガラス板表面に形成された。
このときの複合膜の膜厚は、ナノメートル程度であったので、ガラス板の透明性を損なうことは全くなかった。また、ガラス板表面の水滴接触角は、洗浄工程の有無に関わらず、略113度(臨界表面エネルギーは7mN/m程度)であり、テフロン(登録商標)コート以上の撥水撥油防汚性を付与できた。また、50μLの水滴を滴下した場合の転落角度は12度であった。
この複合膜は、ガラス板表面とシロキサン結合を介して共有結合しているため、図2に示したように、摩耗試験では、加重600g/cmの条件下で往復6000回のこすり後でも、水滴接触角は、110度以上を維持できた。この条件は、布地で表面を数十万回拭う条件に相当する。
この複合膜に於いて、耐摩耗性が大幅に向上した理由は、有機含フッ素エーテル基または有機含フッ素ポリエーテル基を主成分とする長鎖物質が複合膜に表面に突出しするためと考えられた。したがって、この条件を満たすためには、フッ化炭素基と炭化水素基を主成分とする長鎖物質の分子長がフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする短鎖物質の分子長の2倍以上が望ましいと結論された。
なお、本プロセスでは、被膜形成材料としてアルコキシシラン系の薬剤のみを用いているため塩酸が発生することはなかった。
(比較例1)
参考として、実施例1に於いて、フッ化炭素基と炭化水素基を主成分とし且つアルコキシシリル基を含む長鎖物質(1)である有機含フッ素エーテル基または有機含フッ素ポリエーテル基およびアルコキシシリル基を含む長鎖物質を含めず、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする短鎖物質(2)がCF3−(CF2−(CH−Si(OCHであり、アルコキシシリルキ基を主成分とする物質(3)がSi(OCHであり、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする短鎖物質(2)とアルコキシシリルキ基を主成分とする物質(3)の濃度をそれぞれ0.01と0.003M/Lとし、他の条件は実施例1と全て同条件で試作した場合、初期水滴接触角は109度となった。また、耐摩耗試験における水滴接触角変化の結果を比較例1として図2に示す。
(比較例2)
さらに、実施例1に於いて、フッ化炭素基と炭化水素基を主成分とし且つアルコキシシリル基を含む長鎖物質(1)である有機含フッ素エーテル基または有機含フッ素ポリエーテル基およびアルコキシシリル基を含む長鎖物質とアルコキシシリルキ基を主成分とする物質(3)を含めず、フッ化炭素基と炭化水素基とアルコキシシリル基を主成分とする短鎖物質(2)がCF3−(CF2−(CH−Si(OCHであり、他の条件は実施例1と全て同条件で試作した場合、初期水滴接触角は112度となった。また、被膜の耐摩耗試験における水滴接触角変化の結果を比較例2として図2に示す。
図2より明らかなように、フッ化炭素基と炭化水素基を主成分とし且つアルコキシシリル基を含む長鎖物質(1)である有機含フッ素エーテル基または有機含フッ素ポリエーテル基およびアルコキシシリル基を含む長鎖物質を除けば、初期値の水滴接触角は実用レベルであるが、耐摩耗性がかなり劣化することが判る。
また、フッ化炭素基と炭化水素基を主成分とし且つアルコキシシリル基を含む長鎖物質(1)である有機含フッ素エーテル基または有機含フッ素ポリエーテル基およびアルコキシシリル基を含む長鎖物質とアルコキシシリルキ基を主成分とする物質(3)の両方を除いても、初期値の水滴接触角は実用レベルであるが、耐摩耗性が大幅に劣化することが判る。
一方、反応後、表面の余分な複合膜形成溶液をエタノールを含むウエスでふき取った場合には、膜厚が略15nmとなり、初期水滴接触角が略110度(臨界表面エネルギーは8mN/m程度)の複合膜を形成できた。また、このときの、耐摩耗性は、洗浄した場合と大きな違いはなかった。
なお、本実施例では、複合膜形成溶液を塗布する方法を用いたが、塗布方法には、刷毛塗り、ロールコート、スプレイ塗布、何れの方法でも問題はなく、複合膜形成溶液に浸漬しても、実質的にガラスと複合膜形成溶液が一定時間接触していれば同様の性能の被膜が得られた。
また、メトキシ基の代わりにエトキシ基、あるいは反応は異なるがClやNCO基でもほぼ同様に製膜できた。ただし、Clをもちいれば、製膜工程で塩酸が発生する。
それぞれの濃度を0.01、0.01、0.01、0.00005M/Lとし、その他の条件を同じとして作成した場合には、組成比が略1:1:1であり、膜厚が略5nm程度で、初期水滴接触角が略102度(臨界表面エネルギーは20mN/m程度)の耐摩耗性に優れた複合膜を形成できた。
ここで、撥水撥油防汚性複合膜を形成したガラス板の表面エネルギーは、フッ化炭素基と炭化水素基を主成分とし且つアルコキシシリル基を含む長鎖物質(1)である有機含フッ素エーテル基または有機含フッ素ポリエーテル基およびアルコキシシリル基を含む長鎖物質とフッ化炭素基および炭化水素基およびアルコキシシリル基を主成分とする短鎖物質(2)とアルコキシシリル基を主成分とする物質(3)の組成にほぼ依存するので、1:10:10乃至1:0:0の範囲で仕込み組成を変えれば、表面エネルギーを20〜5mN/m程度に制御でき、水滴接触角を調節できた。さらに、1:10:10乃至1:0.1:0.1の範囲で仕込み組成を変えれば、水滴接触角を制御しながら耐摩耗性を同時に確保できた。
さらに、あらかじめガラス基板から溶出してくるアルカリを防止する目的で0:0:1の組成で形成したアルカリバリア膜(以後、シリカ膜14という。)を介して複合形を形成した(図3)場合、シリカ膜がない場合に比べて複合膜のフッ化炭素基の密度を向上でき、耐水性が向上してさらに2〜3倍耐久性が向上した。
またここで、複合膜形成後、250〜450℃で30分程度加熱するとさらに耐候性を向上できた。なお、加熱温度が250〜300℃であれば、通常の空気中で加熱しても問題なかったが、320〜450℃であれば、被膜の酸化を防ぐため実質的に酸素を含まない雰囲気中で行う必要があった。
また、複合膜形成後、前記加熱前にさらにメチルシリル基を含んだ物質として、例えばトリメチルメトキシシラン((HC)SiOCH)を用い、シラノール縮合触媒としてジブチル錫オキサイドを用い、それぞれ0.003、0.00005M/Lとなるようにノナンに溶解した溶液で同様の処理を行うと、複合膜中には一部水酸基15が含まれているので、この水酸基とトリメチルメトキシシランが脱アルコール反応して、図4に示した様に、メチルシリル基16を含んだ撥水撥油防汚性被膜11を形成できた。なお、この様に作成された被膜では、メチルシリル基を含んだ処理液で処理する前の複合膜に比べて50μLの水滴で転落角度を8〜3度低減できた。
実施例1に於いて、反応後洗浄せずに前記非水系有機溶媒を蒸発させる(この場合、60乃至100℃で太陽電池セルが形成されたガラス板を加熱すると、溶媒の蒸発を早めることが可能であり、蒸発時間を短縮できた。)と、有機含フッ素エーテル基または有機含フッ素ポリエーテル基を主成分とする長鎖物質とフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする短鎖物質とシロキサン基を主成分とする物質の組成比が略1:1:0.3であり、膜厚が略30nmのポリマー状の複合膜が前記ガラス板表面に形成できた。
なお、ここで、ガラス板表面には吸着水やナチュラルオキサイドの水酸基が多数含まれているので、塗布された複合膜形成用溶液は、前記フッ化炭素基と炭化水素基を主成分とし且つアルコキシシリル基を含む長鎖物質(1)である有機含フッ素エーテル基または有機含フッ素ポリエーテル基およびアルコキシシリル基を含む長鎖物質とフッ化炭素基および炭化水素基およびアルコキシシリル基を主成分とする短鎖物質(2)とアルコキシシリル基を主成分とする物質(3)の≡Si(OCH)基は、前記ガラス板表面の水酸基や吸着水がシラノール縮合触媒の存在下で脱アルコール(この場合は、脱CHOH)反応して、ガラス板表面全面に亘り互いにあるいは表面と化学結合した有機含フッ素エーテル基または有機含フッ素ポリエーテル基を主成分とする長鎖物質とフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする短鎖物質とシロキサン基を主成分とする物質を含む複合膜が前記ガラス板表面に形成した。
さらに、空気中で溶媒を蒸発させると、ガラス板表面に残った有機含フッ素エーテル基または有機含フッ素ポリエーテル基およびアルコキシシリル基を含む長鎖物質(1)とフッ化炭素基および炭化水素基およびアルコキシシリル基を主成分とする短鎖物質(2)とアルコキシシリル基を主成分とする物質(3)は、空気中の水分と互いに加水分解して、前記ガラス板表面に形成された有機含フッ素エーテル基または有機含フッ素ポリエーテル基を主成分とする長鎖物質とフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする短鎖物質とシロキサン基を主成分とする物質を含む複合膜と一体化して、有機含フッ素エーテル基または有機含フッ素ポリエーテル基を主成分とする長鎖物質とフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする短鎖物質とシロキサン基を主成分とする物質を含むポリマー状の複合膜が前記ガラス板表面に形成した。
このとき得られる複合膜の膜厚は、数十ナノメートルレベルとなるが、ガラス板の透明性を損なうレベルではなかった。また、ガラス板表面の水滴接触角は、洗浄工程の有無に関わらず、略108度(臨界表面エネルギーは15mN/m程度)であり、テフロン(登録商標)コート以上の撥水撥油防汚性を付与できた。
また、摩耗試験結果は、実施例1に比べてさらに10倍程度改善されていた。
実施例1において、フッ化炭素基および炭化水素基およびアルコキシシリル基を主成分とする短鎖物質(2)を除いて同様の方法で被膜を製造した。
この場合、当然有機含フッ素エーテル基または有機含フッ素ポリエーテル基を主成分とする長鎖物質とシロキサン基を主成分とする物質を含む膜厚が略5nmの複合膜が前記ガラス板表面に形成できた。
このとき、複合膜の膜厚は、やはりナノメートル程度であったので、ガラス板の透明性を損なうことは全くなかった。また、ガラス板表面の水滴接触角は、洗浄工程の有無に関わらず、略110度(臨界表面エネルギーは10mN/m程度)であり、テフロン(登録商標)コート以上の撥水撥油防汚性を付与できた。
また、摩耗試験では、実施例1とほぼ同様の結果を得た。
実施例1において、アルコキシシリル基を主成分とする物質(3)を除いて同様の方法で被膜を製造した。
この場合、当然有機含フッ素エーテル基または有機含フッ素ポリエーテル基を主成分とする長鎖物質とフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする短鎖物質を含む膜厚が略4nmの複合膜が前記ガラス板表面に形成できた。
このとき、複合膜の膜厚は、やはりナノメートル程度であったので、ガラス板の透明性を損なうことは全くなかった。また、ガラス板表面の水滴接触角は、洗浄工程の有無に関わらず、略114度(臨界表面エネルギーは6mN/m程度)であり、テフロン(登録商標)コーに比べると格段に優れた撥水撥油防汚性を付与できた。
また、摩耗試験では、実施例1と比べると多少劣化が早かったが、ほぼ同様の結果を得た。
実施例1において、フッ化炭素基および炭化水素基およびアルコキシシリル基を主成分とする短鎖物質(2)とアルコキシシリル基を主成分とする物質(3)を除いて同様の方法で被膜を製造した。
この場合、当然有機含フッ素エーテル基または有機含フッ素ポリエーテル基を主成分とする長鎖長鎖物質(1)で膜厚が略3nmの被膜が前記ガラス板表面に形成できた。
このとき、複合膜の膜厚は、やはりナノメートル程度であったので、ガラス板の透明性を損なうことは全くなかった。また、ガラス板表面の水滴接触角は、洗浄工程の有無に関わらず、略116度(臨界表面エネルギーは5mN/m程度)であり、テフロン(登録商標)コーに比べると格段に優れた撥水撥油防汚性を付与できた。
摩耗試験では、実施例1と比べて多少劣化が早かったが、実用レベルで使用できる被膜であった。
さらに、実施例1において、上述のシラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物、又は、TiO等の金属酸化物、有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物が利用できた。
例えば、実施例1に置いて前述のシラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物(ジャパンエポキシレジン社のH3、およびチッソ社のサイラエースS340を用いてみたが、性能はほぼ同じであった。)を同じ濃度で用いた場合、反応時間を30分まで短縮できた。
さらに、実施例1において、前述のシラノール縮合触媒とケチミン化合物、又は、TiO等の金属酸化物、有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を1:9〜9:1で混合して用いると、さらにさらに反応時間を短縮できた。
具体的には、実施例1に置いて上述のシラノール縮合触媒濃度を半分にして、上述のケチミン化合物(例えば、S340)を等モル混合した場合(1:1)、反応時間を20分まで短縮できた。
以上に述べた全ての実施例に於いて、シラノール縮合触媒として、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル及びチタン酸エステルキレート類が利用可能である。さらに具体的には、酢酸第1錫、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクタン酸第1錫、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、2−エチルヘキセン酸鉄、ジオクチル錫ビスオクチリチオグリコール酸エステル塩、ジオクチル錫マレイン酸エステル塩、ジブチル錫マレイン酸塩ポリマー、ジメチル錫メルカプトプロピオン酸塩ポリマー、ジブチル錫ビスアセチルアセテート、ジオクチル錫ビスアセチルラウレート、テトラブチルチタネート、テトラノニルチタネート、及びビス(アセチルアセトニル)ジープロピルチタネートを用いることが可能である。
また、利用できるケチミン化合物は特に限定されるものではないが、例えば、2,5,8−トリアザ−1,8−ノナジエン、3,11−ジメチル−4,7,10−トリアザ−3,10−トリデカジエン、2,10−ジメチル−3,6,9−トリアザ−2,9−ウンデカジエン、2,4,12,14−テトラメチル−5,8,11−トリアザ−4,11−ペンタデカジエン、2,4,15,17−テトラメチル−5,8,11,14−テトラアザ−4,14−オクタデカジエン、2,4,20,22−テトラメチル−5,12,19−トリアザ−4,19−トリエイコサジエン等がある。
また、利用できる有機酸としても特に限定されるものではないが、例えば、ギ酸、あるいは酢酸、プロピオン酸、ラク酸、マロン酸等があり、ほぼ同様の効果があった。
なお、複合膜形成溶液の溶媒を蒸発させて被膜を形成する場合には、複合膜形成溶液に用いる非水系の溶媒の沸点は、低いほど早く蒸発除去できるので都合がよいが、取扱いの上では50〜150℃程度がよかった。
一方、後洗浄を行う場合には、複合膜形成溶液に用いるフッ化炭素系有機溶媒の沸点は、高いほど安定しているが、取扱いの上では150〜350℃程度がよかった。
なお、前記フッ化炭素系有機溶媒には、フロン系溶媒や、フロリナート(3M社製品)、アフルード(旭ガラス社製品)等があるが、これらは1種単独で用いても良いし、良く混ざるものなら2種以上を組み合わせてもよい。さらに、含塩素フッ化炭素系有機溶媒そのまま、あるいはクロロホルム等有機塩素系の溶媒を添加しても良かった。さらにまた、吸着溶媒として、水とアルコール(水とアルコールの組成比は、体積比で2:1〜10:1で、アルコールの種類は、エタノールが良かったが、プロパノールやブタノール、エチレングリコールでも使用可能であった。)の混合溶媒を用いる場合には、シラノール縮合触媒や助触媒であるケチミン等は使用できないが、触媒無しでも超音波分散しておけば1時間程度で良好な化学吸着単分子膜を形成できた。
さらに、洗浄用の有機溶媒としては、水を含まない炭化水素系溶媒、あるいはフッ化炭素系溶媒やシリコーン系溶媒を用いることが可能であるが、特に沸点が50〜300℃のものが使用に適していた。
具体的に使用可能なものは、石油ナフサ、ソルベントナフサ、石油エーテル、石油ベンジン、イソパラフィン、ノルマルパラフィン、デカリン、工業ガソリン、灯油、ジメチルシリコーン、フェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエーテルシリコーン等を挙げることができる。
さらにまた、フッ化炭素基と炭化水素基を主成分とし且つアルコキシシリル基を含む長鎖物質(1)である有機含フッ素エーテル基または有機含フッ素ポリエーテル基およびアルコキシシリル基を含む長鎖物質には、下記式(化3または化4)が利用できた。また、耐光性は多少悪くなるが、下記式(化5)で示される物質が利用できたが、何れも平均分子量は1000〜5000程度のものが利用しやすかった。
Figure 0005589215
Figure 0005589215
Figure 0005589215
さらに具体的には、下記式(化7)や式(化8)で示される物質が利用できた。
Figure 0005589215
Figure 0005589215
さらにまた、アルコキシシリル基を主成分とする物質(3)として(AO)Si(OSi(OA)OA(Pは0〜10、Aは、メチル基やチル基のアルキル基、OAはClまたはNCOでも良い。ただし、Clをもちいれば、製膜工程で塩酸が発生する。)が挙げられるが、以下に示す物質(1)-(14)が使用しやすかった。
(1)Si(OCH
(2)SiH(OCH3
(3)SiH2(OCH2
(4)(CHO)3Si(OSi(OCH2OCH
(5)Si(OC3
(6)SiH(OC3
(7)SiH2(OC2
(8)(HO)3Si(OSi(OC2OC
ここで、mは、1〜6整数を表す。
なお、本願発明は、太陽エネルギー利用装置であればどのような物にでも適用可能である。具体的には、太陽電池パネルの他、太陽熱温水器や温室等がある。
実施例1において撥水撥油防汚性の複合膜が形成された太陽電池セル断面を分子レベルまで拡大した概念図である。 本発明の実施例1で得られた最表面の被膜と比較例1および2で得られた被膜の耐摩耗性試験結果を水滴接触角の変化で比較して示した図。 実施例2において、シリカ膜を介して撥水撥油防汚性の複合膜が形成された太陽電池セル断面を分子レベルまで拡大した概念図。 実施例2において、複合膜形成後に、さらにメチルシリル基を含んだ物質で処理した後の太陽電池セル断面を分子レベルまで拡大した概念図。
符号の説明
1 ガラス板
2 ITO透明電極
3 銀ペースト櫛形電極
4 n型アモルファスSi半導体層
5 p型アモルファスSi半導体層
6 Al蒸着バック電極
7 光
8 有機含フッ素エーテル基または有機含フッ素ポリエーテル基を主成分とする長鎖物質
9 フッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を主成分とする短鎖物質
10 シロキサン基を主成分とする物質
11 撥水撥油防汚性の複合膜
12 太陽電池セル
13 光入射面側に撥水撥油防汚性被膜が形成された太陽電池パネル
14 シリカ膜
15 水酸基
16 メチルシリル基

Claims (10)

  1. 受光面側最表面に撥水撥油防汚性被膜が形成された太陽エネルギー利用装置であって、前記被膜が、フッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を含む長鎖物質と、フッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を含む短鎖物質と、シロキサン基のみを含む物質が混合してなる複合膜であり、前記長鎖物質がCF3基とCF基と炭化水素基を含む側鎖を持っており、前記短鎖物質がCF 3 −(CF 2 −(CH −Si(OA) 3 (添え字のoは整数、Aはアルキル基、OAはClまたはNCOでも良い。)で表され且つ分子長が前記長鎖物質の分子長より短いことを特徴とする太陽エネルギー利用装置。
  2. フッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を含む長鎖物質の分子長がフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を含む短鎖物質の分子長の2倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の太陽エネルギー利用装置。
  3. フッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を含む長鎖物質とフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を含む短鎖物質が、シロキサン基のみを含む物質よりなるシリカ膜中で前記シリル基を介して前記シリカ膜および/または受光面側最表面に結合固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽エネルギー利用装置。
  4. フッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を含む長鎖物質とフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を含む短鎖物質とシロキサン基のみを含む物質が、それぞれシリル基およびシロキサン基を介して互いにまたは個々に受光面側最表面に結合固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽エネルギー利用装置。
  5. フッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を含む長鎖物質とフッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を含む短鎖物質とシロキサン基のみを含む物質の分子組成比が、1:10:10乃至1:0.1:0.1であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の太陽エネルギー利用装置。
  6. 表面に複合膜が形成された太陽エネルギー利用装置であって、前記複合膜の臨界表面エネルギーが5〜20mN/mに制御されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の太陽エネルギー利用装置。
  7. フッ化炭素基と炭化水素基とシリル基を含む長鎖物質が有機含フッ素エーテル基または有機含フッ素ポリエーテル基を含む長鎖物質であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の太陽エネルギー利用装置。
  8. 有機含フッ素エーテル基または有機含フッ素ポリエーテル基が下記化学式(化1または化2)で表される官能基であることを特徴とする請求項7に記載の太陽エネルギー利用装置。
    Figure 0005589215
    Figure 0005589215
  9. 複合膜がアルカリバリア膜を介して形成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の太陽エネルギー利用装置。
  10. 複合膜がさらにメチルシリル基を含んでいることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の太陽エネルギー利用装置。
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