JP3567483B2 - 防汚性低反射率ガラスの製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は,パーソナルコンピューター(PC)のCRT,太陽電池および太陽温水器等の前面ガラスに用いる防汚性低反射率ガラスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年,OA化の急速な進展にともなって,長時間にわたるCRTディスプレー作業による目の疲労が問題になっている。この問題を軽減するために,CRTディスプレー前面に反射防止ガラスが使用されている。また,エネルギー−環境問題がクローズアップされている現在,太陽光の様なクリーンエネルギーの効率的な利用が重要度を増している。これに関連して,太陽電池や太陽温水器等の前面ガラスとして低反射率ガラスを使用することにより,それらの光電,光熱エネルギー変換効率を高めることができる。
【0003】
ガラスの反射率を小さくする方法には,大別して(i)低屈折率膜と(ii)多層干渉膜の利用がある。
低屈折率膜による反射率の低減は,光の干渉効果に基づいている。理論的には,被膜の光学的膜厚がλ/4(λは波長)で,かつ,波長λにおける被膜の屈折率(nf)とガラスの屈折率(ng)がnf=ng 1/2 の関係にある時に,波長λにおける光の反射率は0になる。ngは約1.5であるから,nf=1.22を有する材料が最適である。実際には,これに近い屈折率を有するMgF2(nf=1.38)あるいは氷晶石(AlF3・3NaF, nf=1.33)が用いられている。
【0004】
多層干渉膜は光の多層干渉理論に基づいて,高屈折率膜および低屈折率膜を交互に積層したもので,単層膜に比べて反射率を広い波長域で低減することが可能である。材料的には,通常,低屈折率膜として MgF2,SiO2(nf=1.46)が、高屈折率膜としてTiO2(nf=2.3)が用いられる。
【0005】
低屈折率膜による反射率の低減の内の一つの方法として多孔質層の利用があり、これは,ガラス表面を無機酸で処理した時に得られる低屈折率のスケルトン層を利用するものである。通常の反射防止ガラスには,光の散乱を防ぐために,光の波長に比べて十分小さい孔径(3nm未満)を有する,約1000nm以下の膜厚の多孔質層が用いられる。この多孔質層は,1リットル当り1〜4モルの濃度の珪弗化水素酸のシリカ過飽和水溶液に珪酸塩ガラス基材を25〜50℃で1〜4時間浸漬することにより,基材の表面層中の酸化珪素以外の成分,例えばナトリウム、カリウムなどの成分を水溶液中に溶出させて表面層から除去することにより形成する。
【0006】
このようにして得られたスケルトン層の個々のスケルトンの直径は数nm〜数十nmである。またスケルトン層の厚みは、基材と珪弗化水素酸のシリカ過飽和水溶液との接触時間を大きくすれば大となるが、10nm〜300nmが適当である。300nmを越えるとガラス物品の透明性が低下して好ましくない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記の反射防止性能を比較すると,一般に,多層干渉膜および多孔質層が特に優れている。
しかしながら,多層干渉膜は膜厚制御が困難であるばかりでなく,コストが高い。これは,多層膜であるが故に避け難い問題である。
【0008】
一方,多孔質層は1層の処理で済むことから,コスト的には有利であるが,表面凹凸形状のために汚れが付き易く,落ちにくいという欠点がある。しかも,無理に汚れを落とそうとすれば,表面が傷つき易いということが問題になる。
CRTの前面ガラスにおける汚れは画面を見難くする,また,太陽電池および太陽温水器の前面ガラスに汚れが付着すると、エネルギー変換効率の低下を招くことになる。
【0009】
本発明は上記の欠点を克服して、反射防止機能を有すると同時に汚れが付着しにくい優れた防汚機能を有する防汚性低反射率ガラスの製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、ガラス基材の表面を無機酸で酸化珪素以外の成分を溶出させて、孔径が2nm以下のポアーを含む多孔質からなる反射防止膜を形成し、前記反射防止膜の表面に、分子鎖長が1.5nm以上のフルオロアルキルシランを接触させ固着させた後に、分子鎖長が1nm未満のフルオロアルキルシランを接触させ固着させて、該反射防止膜の表面に防汚層を形成することを特徴とする防汚性低反射率ガラスの製造方法である。
【0011】
本発明において、防汚層を形成する材料としては,屈折率および表面自由エネルギーの低いもので,かつ,多孔質層表面との化学結合性を有するものとして、フルオロアルキルシランが好ましく、特に分子鎖長が異なる少なくとも2種のフルオロアルキルシランで構成させる。
【0012】
分子鎖長が異なる少なくとも2種のフルオロアルキルシランとしては、分子鎖長が1.5nm以上の長鎖フルオロアルキルシランと分子鎖長が1nm以下の短鎖フルオロアルキルシランとをあげることができる。これらフルオロアルキルシランは,ガラス表面に固着させるために,片末端にアルコキシ基,アルコキシル基,塩素などの加水分解性基がなければならない。中でも,反応性の点から加水分解性基としては塩素が望ましく,また,結合力の点から分子当り3個の塩素などの官能基を有することが望ましい。
【0013】
分子鎖長が1.5nm以上の長鎖フルオロアルキルシランの一例は構造式、CF3(CF2)nCH2CH2SiCl3,n>5で表わされる。しかし,nが大きすぎると,室温で固化し取り扱いにくいことから,n=7(ヘプタデカフルオロデシルトリクロロシラン、以下HFTSと略称する。分子鎖長=1.80nm)程度が適当である。なお、n=6(ヘキサデカフルオロノニルトリクロロシラン、分子鎖長=1.70nm)およびn=8(オクタデカフルオロドデシルトリクロロシラン、分子鎖長=1.96nm)も用いることができる。
分子鎖長が1nm以下の短鎖のフルオロアルキルシランの一例は,構造式、CF3(CF2)nCH2CH2SiCl3,n<3で表わされる。さらに前述の理由から,分子サイズが小さいほど効果的であることから,n=0(トリフルオロプロピルトリクロロシラン、以下TFTSと略称する。分子鎖長=0.89nm)が最適であるが、n=1(ペンタフルオロブチルトリクロロシラン、分子鎖長=1.02nm)および、n=2(ヘプタフルオロペンチルトリクロロシラン、分子鎖長=1.16nm)も用いることができる。
【0014】
本発明において、防汚層を形成する材料として,分子鎖長が異なる少なくとも2種のフルオロアルキルシランで構成させる理由は次の通りである。
本発明者らは先に,屈折率および表面自由エネルギーのより小さいフロロシラン系の材料を用いて処理することが特に有効であることを見い出している(特願平5−65510;出願日,平成5年3月24日)。さらに,同系列のフルオロアルキルシランでもその単分子層膜の表面自由エネルギーは分子鎖長の増加と共に減少するので、一般には,防汚処理の目的には,長鎖フルアロアルキルシランを用いることが望ましいことになる。
しかしながら,本発明におけるように表面が多孔性のガラス基板の場合には,表面に孔径が2nm以下のポアーが多数存在している。理論的には分子鎖長が1nm以上の分子を用いると,ポアーの内部表面の被覆が不完全になることになる。
逆に,分子鎖長が1nm以下のフルオロアルキルシランで処理した場合には,分子間相互作用が小さすぎて分子配向性が悪くなり,多孔質反射防止膜表面でのフルオロアルキルシランの配列が不十分となって、十分な防汚効果は得られない。
【0015】
本発明において、第1段階で分子鎖長が1.5nm以上の長鎖フルオロアルキルシランで処理し,第2段階で分子鎖長が1nm以下の短鎖フルオロアルキルシランで処理することにより,多孔質反射防止膜のポアー内部には1nm以下の短鎖フルオロアルキルシランが配列され、多孔質反射防止膜の外側表面に多孔質反射防止膜の外側表面には1.5nm以上の長鎖フルオロアルキルシランが配列される。
その結果、それぞれ単独のフルオロアルキルシランで処理したものよりも耐久性が優れ,かつ,防汚性能に優れた低反射ガラスが得られる。
なお、もし、第1段階で分子鎖長が1nm以下の短鎖フルオロアルキルシランで処理し,第2段階で分子鎖長が1.5nm以上の長鎖フルオロアルキルシランで処理した場合には、多孔質反射防止膜のポア内面だけでなく、外側表面にも短鎖フルオロアルキルシランが配列され、その後に長鎖フルオロアルキルシランで処理しても短鎖フルオロアルキルシランはそのままで配列し続けるので効果が得られない。
【0016】
本発明において、多孔質反射防止膜に付着させるフルオロアルキルシランの合計量はガラス基材の表面積1平方cmあたり、0.1〜0.5マイクログラムであり、長鎖フルオロアルキルシランと短鎖フルオロアルキルシランとの割合は、重量比で5:1〜1:5の範囲内にある。しかしこれらの重量およびその割合は多孔質反射防止膜のポアのサイズと分布によって決められ、実際には自由に制御することは困難である。
【0017】
フルオロアルキルシランの処理方法としては,液相法 (例えば,R.Maoz andJ.Sagiv, J.Colloid Interface Sci., 1984, 100, 465.)を用いることもできる。しかしながら,凹凸基板におけるポアー中への分子拡散の容易さという点から,化学気相表面修飾(CVSM)法が特に優れている。CVSM処理時の真空度は,撥水剤の十分な蒸気圧が得られるように設定すれば良い。用いる撥水剤の種類および処理温度によって異なるが,通常は10Torr程度で十分である。
【0018】
基板表面との反応を促進するためには,基板を加熱することが有効である。加熱温度は,基板表面物質および処理剤の種類によって異なるが, SiO2またはガラス表面を塩素基を官能基とする処理剤で処理する場合には80℃程度で十分である。
【0019】
【実施例】
以下,図1に示した本発明の実施例に係わる撥水ガラスについて詳細に説明する。図1は表面に多孔性反射防止膜を形成したソーダライムガラスに防汚処理を施した基板の断面を示している。1はガラス基板,2は多孔質低反射率膜,3および4は,それぞれ防汚層(5)を構成する長鎖および短鎖フルオロアルキルシラン分子である。
【0020】
ソーダライムガラスの板を1.0%の弗酸水溶液に30分間浸漬して表面の汚れを落とした後、水洗した。次に35℃で、1リットル当り2.0モルの濃度の珪弗化水素酸にシリカゲル粉末を飽和に達するまで、すなわち1リットル当り20グラム溶解させ、さらにほう酸を1リットル当り0.005モル添加してシリカ過飽和水溶液を調製した。この水溶液に上記ガラス基材を100分浸漬して、酸化珪素以外の成分を溶出させて、ガラス板表面に厚みが約90nmのスケルトンの多孔質からなる反射防止膜を形成させた。その後それを洗浄,乾燥させた。
【0021】
次にこの反射防止ガラス基板を真空チャンバー内にセットし,真空ポンプで約10Torrにまで減圧した。ヒーターでチャンバー内の温度を80℃に加熱した。50μLのヘキサデカフルオロデシルトリクロロシラン(HFTS)を注射器で注入した。真空ポンプで2分間真空引きした後に,系を閉じて1時間反応させた。系を開き真空引きしながら100℃まで昇温し,さらに1時間加熱することにより,余分のHFTSをコールドトラップで除去した。引き続いて,全く同一条件でTFTS処理を行った。
【0022】
ガラス表面自由エネルギーが小さいほど汚れも付着しにくいと考えられることから,相対的汚れ難さの指標として水に対する接触角を採用した。また,膜の強固さ(耐久性)の尺度の1つとして沸騰水中に所定時間浸漬した後の水に対する接触角の経時変化を調べた。図2に結果を示す。これより,HFTS処理サンプル(図のaで示す)の方がTFTS処理サンプル(図のbで示す)よりも初期接触角が大きいこと,また,HFTS/TFTS−2段処理サンプル(図のcで示す)の初期接触角はHFTS処理サンプルの値よりもさらに大きくなっていることがわかる。さらに,ボイルテストにより全てのサンプルについて接触角の経時的な減少が認められる。その程度に着目すると,TFTS>HFTS>HFTS・TFTS2段処理の順になっており、本発明の2段処理が最も耐久性が優れていることがわかる。
【0023】
また,HFTS処理サンプルについて,TFTSを添加せずに80℃で1時間さらに100℃で1時間加熱して同じ評価を行ったが,初期接触角およびボイルによる接触角の変化速度はHFTS処理サンプルとほぼ同じであることが判明した。
【0024】
以上の結果から,HFTS/TFTS−2段処理により,ガラス表面の防汚性を高めると同時に,膜の耐久性を高めることがわかる。これは,第1段階の処理過程において,ポアーサイズが小さすぎてHFTS分子で完全に被覆されなかったポアー内部表面が第2段階の処理過程でTFTSにより被覆されたことによるものと考えられる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明の防汚性低反射率ガラスは,反射防止機能を有すると同時に,汚れが付着しにくく,優れた防汚機能を有することが明らかである。従って,本発明による防汚性低反射率ガラスは,パーソナルコンピューター(PC)のCRT,太陽電池および太陽温水器等の前面ガラスに用いる防汚性低反射率ガラスに好適に使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防汚性低反射率ガラスの構成を模式的に説明する断面図である。
【図2】本発明の防汚性低反射率ガラスの水に対する接触角のボイル時間依存性を表すグラフである。
【符号の説明】
1 ガラス基板
2 反射防止(多孔質)膜
3 長鎖フルオロアルキルシラン
4 短鎖フルオロアルキルシラン
5 防汚層
【産業上の利用分野】
本発明は,パーソナルコンピューター(PC)のCRT,太陽電池および太陽温水器等の前面ガラスに用いる防汚性低反射率ガラスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年,OA化の急速な進展にともなって,長時間にわたるCRTディスプレー作業による目の疲労が問題になっている。この問題を軽減するために,CRTディスプレー前面に反射防止ガラスが使用されている。また,エネルギー−環境問題がクローズアップされている現在,太陽光の様なクリーンエネルギーの効率的な利用が重要度を増している。これに関連して,太陽電池や太陽温水器等の前面ガラスとして低反射率ガラスを使用することにより,それらの光電,光熱エネルギー変換効率を高めることができる。
【0003】
ガラスの反射率を小さくする方法には,大別して(i)低屈折率膜と(ii)多層干渉膜の利用がある。
低屈折率膜による反射率の低減は,光の干渉効果に基づいている。理論的には,被膜の光学的膜厚がλ/4(λは波長)で,かつ,波長λにおける被膜の屈折率(nf)とガラスの屈折率(ng)がnf=ng 1/2 の関係にある時に,波長λにおける光の反射率は0になる。ngは約1.5であるから,nf=1.22を有する材料が最適である。実際には,これに近い屈折率を有するMgF2(nf=1.38)あるいは氷晶石(AlF3・3NaF, nf=1.33)が用いられている。
【0004】
多層干渉膜は光の多層干渉理論に基づいて,高屈折率膜および低屈折率膜を交互に積層したもので,単層膜に比べて反射率を広い波長域で低減することが可能である。材料的には,通常,低屈折率膜として MgF2,SiO2(nf=1.46)が、高屈折率膜としてTiO2(nf=2.3)が用いられる。
【0005】
低屈折率膜による反射率の低減の内の一つの方法として多孔質層の利用があり、これは,ガラス表面を無機酸で処理した時に得られる低屈折率のスケルトン層を利用するものである。通常の反射防止ガラスには,光の散乱を防ぐために,光の波長に比べて十分小さい孔径(3nm未満)を有する,約1000nm以下の膜厚の多孔質層が用いられる。この多孔質層は,1リットル当り1〜4モルの濃度の珪弗化水素酸のシリカ過飽和水溶液に珪酸塩ガラス基材を25〜50℃で1〜4時間浸漬することにより,基材の表面層中の酸化珪素以外の成分,例えばナトリウム、カリウムなどの成分を水溶液中に溶出させて表面層から除去することにより形成する。
【0006】
このようにして得られたスケルトン層の個々のスケルトンの直径は数nm〜数十nmである。またスケルトン層の厚みは、基材と珪弗化水素酸のシリカ過飽和水溶液との接触時間を大きくすれば大となるが、10nm〜300nmが適当である。300nmを越えるとガラス物品の透明性が低下して好ましくない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記の反射防止性能を比較すると,一般に,多層干渉膜および多孔質層が特に優れている。
しかしながら,多層干渉膜は膜厚制御が困難であるばかりでなく,コストが高い。これは,多層膜であるが故に避け難い問題である。
【0008】
一方,多孔質層は1層の処理で済むことから,コスト的には有利であるが,表面凹凸形状のために汚れが付き易く,落ちにくいという欠点がある。しかも,無理に汚れを落とそうとすれば,表面が傷つき易いということが問題になる。
CRTの前面ガラスにおける汚れは画面を見難くする,また,太陽電池および太陽温水器の前面ガラスに汚れが付着すると、エネルギー変換効率の低下を招くことになる。
【0009】
本発明は上記の欠点を克服して、反射防止機能を有すると同時に汚れが付着しにくい優れた防汚機能を有する防汚性低反射率ガラスの製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、ガラス基材の表面を無機酸で酸化珪素以外の成分を溶出させて、孔径が2nm以下のポアーを含む多孔質からなる反射防止膜を形成し、前記反射防止膜の表面に、分子鎖長が1.5nm以上のフルオロアルキルシランを接触させ固着させた後に、分子鎖長が1nm未満のフルオロアルキルシランを接触させ固着させて、該反射防止膜の表面に防汚層を形成することを特徴とする防汚性低反射率ガラスの製造方法である。
【0011】
本発明において、防汚層を形成する材料としては,屈折率および表面自由エネルギーの低いもので,かつ,多孔質層表面との化学結合性を有するものとして、フルオロアルキルシランが好ましく、特に分子鎖長が異なる少なくとも2種のフルオロアルキルシランで構成させる。
【0012】
分子鎖長が異なる少なくとも2種のフルオロアルキルシランとしては、分子鎖長が1.5nm以上の長鎖フルオロアルキルシランと分子鎖長が1nm以下の短鎖フルオロアルキルシランとをあげることができる。これらフルオロアルキルシランは,ガラス表面に固着させるために,片末端にアルコキシ基,アルコキシル基,塩素などの加水分解性基がなければならない。中でも,反応性の点から加水分解性基としては塩素が望ましく,また,結合力の点から分子当り3個の塩素などの官能基を有することが望ましい。
【0013】
分子鎖長が1.5nm以上の長鎖フルオロアルキルシランの一例は構造式、CF3(CF2)nCH2CH2SiCl3,n>5で表わされる。しかし,nが大きすぎると,室温で固化し取り扱いにくいことから,n=7(ヘプタデカフルオロデシルトリクロロシラン、以下HFTSと略称する。分子鎖長=1.80nm)程度が適当である。なお、n=6(ヘキサデカフルオロノニルトリクロロシラン、分子鎖長=1.70nm)およびn=8(オクタデカフルオロドデシルトリクロロシラン、分子鎖長=1.96nm)も用いることができる。
分子鎖長が1nm以下の短鎖のフルオロアルキルシランの一例は,構造式、CF3(CF2)nCH2CH2SiCl3,n<3で表わされる。さらに前述の理由から,分子サイズが小さいほど効果的であることから,n=0(トリフルオロプロピルトリクロロシラン、以下TFTSと略称する。分子鎖長=0.89nm)が最適であるが、n=1(ペンタフルオロブチルトリクロロシラン、分子鎖長=1.02nm)および、n=2(ヘプタフルオロペンチルトリクロロシラン、分子鎖長=1.16nm)も用いることができる。
【0014】
本発明において、防汚層を形成する材料として,分子鎖長が異なる少なくとも2種のフルオロアルキルシランで構成させる理由は次の通りである。
本発明者らは先に,屈折率および表面自由エネルギーのより小さいフロロシラン系の材料を用いて処理することが特に有効であることを見い出している(特願平5−65510;出願日,平成5年3月24日)。さらに,同系列のフルオロアルキルシランでもその単分子層膜の表面自由エネルギーは分子鎖長の増加と共に減少するので、一般には,防汚処理の目的には,長鎖フルアロアルキルシランを用いることが望ましいことになる。
しかしながら,本発明におけるように表面が多孔性のガラス基板の場合には,表面に孔径が2nm以下のポアーが多数存在している。理論的には分子鎖長が1nm以上の分子を用いると,ポアーの内部表面の被覆が不完全になることになる。
逆に,分子鎖長が1nm以下のフルオロアルキルシランで処理した場合には,分子間相互作用が小さすぎて分子配向性が悪くなり,多孔質反射防止膜表面でのフルオロアルキルシランの配列が不十分となって、十分な防汚効果は得られない。
【0015】
本発明において、第1段階で分子鎖長が1.5nm以上の長鎖フルオロアルキルシランで処理し,第2段階で分子鎖長が1nm以下の短鎖フルオロアルキルシランで処理することにより,多孔質反射防止膜のポアー内部には1nm以下の短鎖フルオロアルキルシランが配列され、多孔質反射防止膜の外側表面に多孔質反射防止膜の外側表面には1.5nm以上の長鎖フルオロアルキルシランが配列される。
その結果、それぞれ単独のフルオロアルキルシランで処理したものよりも耐久性が優れ,かつ,防汚性能に優れた低反射ガラスが得られる。
なお、もし、第1段階で分子鎖長が1nm以下の短鎖フルオロアルキルシランで処理し,第2段階で分子鎖長が1.5nm以上の長鎖フルオロアルキルシランで処理した場合には、多孔質反射防止膜のポア内面だけでなく、外側表面にも短鎖フルオロアルキルシランが配列され、その後に長鎖フルオロアルキルシランで処理しても短鎖フルオロアルキルシランはそのままで配列し続けるので効果が得られない。
【0016】
本発明において、多孔質反射防止膜に付着させるフルオロアルキルシランの合計量はガラス基材の表面積1平方cmあたり、0.1〜0.5マイクログラムであり、長鎖フルオロアルキルシランと短鎖フルオロアルキルシランとの割合は、重量比で5:1〜1:5の範囲内にある。しかしこれらの重量およびその割合は多孔質反射防止膜のポアのサイズと分布によって決められ、実際には自由に制御することは困難である。
【0017】
フルオロアルキルシランの処理方法としては,液相法 (例えば,R.Maoz andJ.Sagiv, J.Colloid Interface Sci., 1984, 100, 465.)を用いることもできる。しかしながら,凹凸基板におけるポアー中への分子拡散の容易さという点から,化学気相表面修飾(CVSM)法が特に優れている。CVSM処理時の真空度は,撥水剤の十分な蒸気圧が得られるように設定すれば良い。用いる撥水剤の種類および処理温度によって異なるが,通常は10Torr程度で十分である。
【0018】
基板表面との反応を促進するためには,基板を加熱することが有効である。加熱温度は,基板表面物質および処理剤の種類によって異なるが, SiO2またはガラス表面を塩素基を官能基とする処理剤で処理する場合には80℃程度で十分である。
【0019】
【実施例】
以下,図1に示した本発明の実施例に係わる撥水ガラスについて詳細に説明する。図1は表面に多孔性反射防止膜を形成したソーダライムガラスに防汚処理を施した基板の断面を示している。1はガラス基板,2は多孔質低反射率膜,3および4は,それぞれ防汚層(5)を構成する長鎖および短鎖フルオロアルキルシラン分子である。
【0020】
ソーダライムガラスの板を1.0%の弗酸水溶液に30分間浸漬して表面の汚れを落とした後、水洗した。次に35℃で、1リットル当り2.0モルの濃度の珪弗化水素酸にシリカゲル粉末を飽和に達するまで、すなわち1リットル当り20グラム溶解させ、さらにほう酸を1リットル当り0.005モル添加してシリカ過飽和水溶液を調製した。この水溶液に上記ガラス基材を100分浸漬して、酸化珪素以外の成分を溶出させて、ガラス板表面に厚みが約90nmのスケルトンの多孔質からなる反射防止膜を形成させた。その後それを洗浄,乾燥させた。
【0021】
次にこの反射防止ガラス基板を真空チャンバー内にセットし,真空ポンプで約10Torrにまで減圧した。ヒーターでチャンバー内の温度を80℃に加熱した。50μLのヘキサデカフルオロデシルトリクロロシラン(HFTS)を注射器で注入した。真空ポンプで2分間真空引きした後に,系を閉じて1時間反応させた。系を開き真空引きしながら100℃まで昇温し,さらに1時間加熱することにより,余分のHFTSをコールドトラップで除去した。引き続いて,全く同一条件でTFTS処理を行った。
【0022】
ガラス表面自由エネルギーが小さいほど汚れも付着しにくいと考えられることから,相対的汚れ難さの指標として水に対する接触角を採用した。また,膜の強固さ(耐久性)の尺度の1つとして沸騰水中に所定時間浸漬した後の水に対する接触角の経時変化を調べた。図2に結果を示す。これより,HFTS処理サンプル(図のaで示す)の方がTFTS処理サンプル(図のbで示す)よりも初期接触角が大きいこと,また,HFTS/TFTS−2段処理サンプル(図のcで示す)の初期接触角はHFTS処理サンプルの値よりもさらに大きくなっていることがわかる。さらに,ボイルテストにより全てのサンプルについて接触角の経時的な減少が認められる。その程度に着目すると,TFTS>HFTS>HFTS・TFTS2段処理の順になっており、本発明の2段処理が最も耐久性が優れていることがわかる。
【0023】
また,HFTS処理サンプルについて,TFTSを添加せずに80℃で1時間さらに100℃で1時間加熱して同じ評価を行ったが,初期接触角およびボイルによる接触角の変化速度はHFTS処理サンプルとほぼ同じであることが判明した。
【0024】
以上の結果から,HFTS/TFTS−2段処理により,ガラス表面の防汚性を高めると同時に,膜の耐久性を高めることがわかる。これは,第1段階の処理過程において,ポアーサイズが小さすぎてHFTS分子で完全に被覆されなかったポアー内部表面が第2段階の処理過程でTFTSにより被覆されたことによるものと考えられる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明の防汚性低反射率ガラスは,反射防止機能を有すると同時に,汚れが付着しにくく,優れた防汚機能を有することが明らかである。従って,本発明による防汚性低反射率ガラスは,パーソナルコンピューター(PC)のCRT,太陽電池および太陽温水器等の前面ガラスに用いる防汚性低反射率ガラスに好適に使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防汚性低反射率ガラスの構成を模式的に説明する断面図である。
【図2】本発明の防汚性低反射率ガラスの水に対する接触角のボイル時間依存性を表すグラフである。
【符号の説明】
1 ガラス基板
2 反射防止(多孔質)膜
3 長鎖フルオロアルキルシラン
4 短鎖フルオロアルキルシラン
5 防汚層
Claims (2)
- ガラス基材の表面を無機酸で酸化珪素以外の成分を溶出させて、孔径が2nm以下のポアーを含む多孔質からなる反射防止膜を形成し、前記反射防止膜の表面に、分子鎖長が1.5nm以上のフルオロアルキルシランを接触させ固着させた後に、分子鎖長が1nm未満のフルオロアルキルシランを接触させ固着させて、該反射防止膜の表面に防汚層を形成することを特徴とする防汚性低反射率ガラスの製造方法。
- 前記防汚層が気相法により形成されるものである請求項1記載の防汚性低反射率ガラスの製造方法。
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