JP4797904B2 - 防汚性物品の製造方法、および防汚性物品 - Google Patents

防汚性物品の製造方法、および防汚性物品 Download PDF

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本発明は、基材上に防汚層形成する防汚性物品の製造方法、および防汚性物品に関する。
従来、表面上に反射防止層を形成された光学物品が知られている(例えば特許文献1参照)。
この特許文献1のものは、プラスチックレンズなどの透明基材上に、内部空洞を有するシリカ系微粒子と有機ケイ素化合物とからなる有機反射防止層を形成した光学部材である。
特開2005−43572号公報
ところで、上記特許文献1に記載のような光学部材に防汚層を形成する場合、有機反射防止層の表面状態が粗く、表面の活性水素基の密度が低いため、有機反射防止層の成分と防汚層の成分との間で活性水素基による結合間隔が広くなってしまう。このため、有機反射防止層と防汚層との結合の形成が困難となり、防汚層の強度が低下して乾燥拭き耐性や耐アルカリ性などの耐久性が低下してしまうという問題がある。特にフッ素を含有する組成物にて形成される有機反射防止層は、同じくフッ素を含有する防汚層との密着性が悪く、防汚層の耐久性の問題がより顕著となる。
本発明は、上記のような問題に鑑みて、良好な耐久性の防汚層形成する防汚性物品の製造方法、およびその製造方法で製造された防汚性物品を提供することを1つの目的とする。
本発明の防汚性物品の製造方法は、含シラン化合物の組成物から形成された有機層を有する基材の前記有機層上に、2層からなる防汚層が形成される防汚性物品の製造方法であって、前記防汚層は、前記有機層の表面に分子量が100〜700のフッ素含有シラン化合物にて形成される第一防汚層と、この第一防汚層の表面に分子量が1000〜10000のフッ素含有シラン化合物にて形成される第二防汚層と、を備え、前記防汚層を構成する前記第一防汚層および前記第二防汚層は、真空蒸着により形成され、前記第一防汚層を形成する分子量が100〜700のフッ素含有シラン化合物を単独で蒸着源として用いて前記有機層上に第一防汚層を形成した後、前記第二防汚層を形成する分子量が1000〜10000のフッ素含有シラン化合物を単独で蒸着源として用いて前記第一防汚層の表面に前記第二防汚層を形成することを特徴とする。
この発明によれば、防汚性物品のシラン化合物を含む組成物にて形成される有機層上に、分子量が100〜700である低分子量のフッ素含有シラン化合物を用いて第一防汚層が形成され、さらにこの第一防汚層上に、分子量が1000〜10000である高分子量のフッ素含有シラン化合物を用いて第二防汚層が形成されている。
これにより、有機層の凹部に低分子量の第一防汚層が入り込み、表面に活性水素基を高密度で形成することができ、有機層と第一防汚層との密着度の向上により耐久性が良好となる。また、この第一防汚層の上から高分子量の第二防汚層が設けられているので、当該活性水素基と第二防汚層の防汚成分とを強固に反応させることができ、第二防汚層の剥離をも良好に防止することが可能となり、さらに、高防汚性の第二防汚層により良好に防汚性を高めることができる。したがって、有機層と防汚層との密着度が良好となり、防汚性物品の防汚性を低下させることなく、防汚層の耐久性を良好にすることができる。
本発明の防汚性物品の製造方法では、前記有機層は、有機反射防止層、またはハードコート層であることが好ましい。
この発明によれば、有機層は有機反射防止層、またはハードコート層であるため、有機反射防止層やハードコート層が形成された基材、例えばレンズなどの光学部材を防汚層により良好に防汚することが可能となる。この際、上記したように防汚層が有機反射防止層やハードコート層に良好に密着するため、良好な耐久性の防汚層を形成することができる。
また、本発明の防汚性物品の製造方法では、上述したように、含シラン化合物の組成物から形成された有機層を有する基材の前記有機層上に、2層からなる防汚層が形成される防汚性物品の製造方法であって、前記有機層の表面に分子量が100〜700のフッ素含有シラン化合物にて形成される第一防汚層を形成し、その後、この第一防汚層の表面に分子量が1000〜10000のフッ素含有シラン化合物にて形成される第二防汚層を形成することを特徴とする。
この発明によれば、防汚性物品の含シラン化合物を有する組成物にて形成される有機層上に、分子量が100〜700の低分子量のフッ素含有シラン化合物を用いて第一防汚層を形成し、さらにこの第一防汚層上に、分子量が1000〜10000の高分子量のフッ素含有シラン化合物を用いて第二防汚層を形成することにより防汚層を形成している。
これにより、上記発明と同様に、有機層の凹部に低分子量の第一防汚層を進入させて活性水素基を高密度で形成することができ、有機層と第一防汚層との密着度の向上により耐久性を良好にすることができる。また、この第一防汚層の上から高分子量の第二防汚層が設けられているので、当該活性水素基と第二防汚層の防汚成分とを強固に反応させることができ、第二防汚層の剥離をも良好に防止することが可能となり、さらに、高防汚性の第二防汚層により良好に防汚性を高めることができる。したがって、上記発明と同様に、有機層と防汚層との密着度が良好となり、防汚性物品の防汚性を低下させることなく、防汚層の耐久性を良好にすることができる。
また、本発明の防汚性物品の製造方法では、上述したように、前記防汚層を構成する前記第一防汚層および第二防汚層は、真空蒸着により形成され、前記第一防汚層を形成する分子量が100〜700のフッ素含有シラン化合物を単独で蒸着源として用いて前記有機層上に第一防汚層を形成した後、前記第二防汚層を形成する分子量が1000〜10000のフッ素含有シラン化合物を単独で蒸着源として用いて前記第一防汚層の表面に前記第二防汚層を形成することを特徴とする。
この発明によれば、有機層上に第一防汚層を真空蒸着により形成した後、第一防汚層上に第二防汚層を真空蒸着により形成している。これにより、有機層上に確実に第一防汚層を形成することができ、有機層と第一防汚層との密着度を確実に向上させることができる。また、第一防汚層上に確実に第二防汚層が形成されるため、この高分子量の第二防汚層により良好な防汚特性を確実に得ることができる。
以下に、本実施形態に係る防汚性物品としてのプラスチックレンズについて詳細に説明する。なお、本実施の形態では、防汚性物品として眼鏡用のプラスチックレンズを例示するが、これに限定されず、例えばカメラ用レンズなどのその他のレンズ、模型用部品などの各種部品など、有機系の表面層を有する基材上に防汚層が形成されるいかなるものにも適用することが可能である。
本実施の形態のプラスチックレンズは、プラスチックレンズ基材と、プライマー層と、ハードコート層と、防汚層とを層状に重ねることにより構成されている。
〔1.プラスチックレンズ基材〕
プラスチックレンズ基材(以下、「レンズ基材」ともいう)は、特に限定されないが、(メタ)アクリル樹脂をはじめとして、スチレン樹脂、カーボネート樹脂、アリル樹脂、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂(CR−39)などのアリルカーボネート樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、イソシアネート化合物とジエチレングリコールなどのヒドロキシ化合物との反応で得られたウレタン樹脂、イソシアネート化合物とポリチオール化合物とを反応させたチオウレタン樹脂、分子内に1つ以上のジスルフィド結合を有する(チオ)エポキシ化合物を含有する重合性組成物を硬化して得られる透明樹脂等を例示することができる。これらのプラスチックレンズ基材のうち、イソシアネート化合物とポリチオール化合物とを反応させたチオウレタン樹脂、分子内に1つ以上のジスルフィド結合を有する(チオ)エポキシ化合物を含有する重合性組成物を硬化して得られる透明樹脂が高屈折率のプラスチックレンズ基材として好ましい。イソシアネート化合物とポリチオール化合物とを反応させたチオウレタン樹脂の具体例として、例えばセイコースーパーソブリン(セイコーエプソン株式会社製、商品名、屈折率1.67)に用いられているプラスチックレンズ基材、セイコースーパールーシャス(セイコーエプソン株式会社製、商品名、屈折率1.60)に用いられているプラスチックレンズ基材を例示することができる。また分子内に1つ以上のジスルフィド結合を有する(チオ)エポキシ化合物を含有する重合性組成物を硬化して得られる透明樹脂の具体例として、例えばセイコープレステージ(セイコーエプソン株式会社製、商品名、屈折率1.74)用のプラスチックレンズ基材を例示することができる。
〔2.プライマー層〕
プライマー層は、レンズ基材の最表面に形成され、レンズ基材と後述するハードコート層双方の界面に存在して、レンズ基材とハードコート層双方への密着性を発揮する性質を有し、表面処理膜全体の耐久性を向上させる役割を担う。さらに外部からの衝撃吸収層としての性質も併せ持ち、耐衝撃性を向上させる性質も有する。
このようなプライマー層としては、極性を有する有機樹脂ポリマーと、酸化チタンを含有する金属酸化物微粒子とを含むコーティング組成物を用いて形成されることが好ましい。
有機樹脂ポリマーは、レンズ基材とハードコート層の双方に密着性を発現する。金属酸化物微粒子は、フィラーとしてプライマー層の架橋密度向上に作用して、耐水性、耐候性や耐光性の向上を図ることができる。上記有機樹脂ポリマーとしては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂等の各種樹脂を使用することが可能である。この内、硫黄原子を含むレンズ基材に対する密着性とフィラーとなる金属酸化物微粒子の分散性の点から、ポリエステル樹脂を好ましく用いることができる。
一方、酸化チタンを含有する金属酸化物微粒子としては、耐光性の観点から、ルチル型の結晶構造を有する酸化チタンを含有する複合型を用いることが好ましい。この金属酸化物微粒子の平均粒径は、1〜200nmが好ましく、より好ましくは5〜30nmを用いる。
コーティング用組成物(コーティング液)の塗布にあたっては、レンズ基材とプライマー被膜の密着性の向上を目的として、レンズ基材の表面を予めアルカリ処理、酸処理、界面活性剤処理、無機あるいは有機の微粒子による剥離/研磨処理、プラズマ処理を行うことが効果的である。また、コーティング用組成物の塗布/硬化方法としては、ディッピング法、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法、あるいは、フローコート法等によりコーティング用組成物を塗布した後、40〜200℃の温度で数時間加熱/乾燥することにより、プライマー層を形成できる。
また、プライマー層の膜厚は、0.01〜50μm、特に0.1〜30μmの範囲が好ましい。プライマー層が薄すぎると耐水性や耐衝撃性などの基本性能が実現できず、逆に厚すぎると、表面の平滑性が損なわれたり、光学的歪や白濁、曇りなどの外観欠点を発生したりする場合がある。なお、プライマー層の屈折率は、干渉縞の発生を避けるため、レンズ基材の屈折率に合わせることが好ましい。
〔3.ハードコート層〕
ハードコート層は、レンズ基材表面に形成されたプライマー層上に形成される。ハードコート層は、酸化チタンを含有する金属酸化物微粒子と、下記式(1)で示される有機ケイ素化合物とを含むコーティング組成物を用いて形成されることが好ましい。
SiX 3−n …(1)
(式中、Rは、重合可能な反応基を有する有機基であり、Rは炭素数1〜6の炭化水
素基であり、Xは加水分解基であり、nは0または1である。)
酸化チタンとしては、耐候性や耐光性の観点よりルチル型の結晶構造を有することが好ましい。
式(1)で示される有機ケイ素化合物は、いわゆるシランカップリング剤であり、ハードコート層のバインダー樹脂としての役割を果たす。式(1)中、Rは、重合可能な反
応基を有する有機基であり、炭素数は2以上である。Rはビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基、1−メチルビニル基、エポキシ基、メルカプト基、シアノ基、イソシアノ基、アミノ基等の重合可能な反応基を有する。また、Xは、加水分解可能な官能基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基等のアルコキシ基、クロロ基、ブロモ基等のハロゲン基、アシルオキシ基等があげられる。Rは、炭素数1〜6の一価炭化水素基を表すが、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等のアルキル基、フェニル基等を例示することができる。良好な耐擦傷性を得るには、メチル基が好ましい。
有機ケイ素化合物としては、例えば、ビニルトリアルコキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン、アリルトリアルコキシシラン、アクリルオキシプロピルトリアルコキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリアルコキシシラン、メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、γ−アミノプロピルトリアルコキシシラン等があげられる。この「B成分」の有機ケイ素化合物は、2種類以上を混合して用いてもよい。
そして、ハードコート層を形成するためのハードコート液を製造する際には、金属酸化物微粒子が分散したゾルと、有機ケイ素化合物とを混合することが好ましい。金属酸化物微粒子の配合量は、ハードコート層の硬度や、屈折率等により決定されるものであるが、ハードコート液中の固形分の5〜80質量%、特に10〜60質量%であることが好ましい。配合量が少なすぎると、ハードコート層の耐磨耗性が不十分となり、配合量が多すぎると、ハードコート層にクラックが生じることがある。また、ハードコート層を染色する場合には、染色性が低下する場合もある。
なお、ハードコート層には、他に多官能性エポキシ化合物を含有することが非常に有用である。多官能性エポキシ化合物は、プライマー層に対するハードコート層の密着性を向上させるとともに、ハードコート層の耐水性およびプラスチックレンズとしての耐衝撃性を向上させることができる。多官能性エポキシ化合物としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ化合物、イソホロンジオールジグリシジルエーテル、ビス−2,2−ヒドロキシシクロヘキシルプロパンジグリシジルエーテル等の脂環族エポキシ化合物、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、クレゾールノボラックポリグリシジルエーテル等の芳香族エポキシ化合物等が挙げられる。
さらに、ハードコート層に硬化触媒を添加してもよい。硬化触媒としては、例えば、過塩素酸、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸マグネシウム等の過塩素酸類、Cu(II)、Zn(II)、Co(II)、Ni(II)、Be(II)、Ce(III)、Ta(III)、Ti(III)、Mn(III)、La(III)、Cr(III)、V(III)、Co(III)、Fe(III)、Al(III)、Ce(IV)、Zr(IV)、V(IV)等を中心金属原子とするアセチルアセトナート、アミン、グリシン等のアミノ酸、ルイス酸、有機酸金属塩等が挙げられる。
このようにして得られるハードコート層形成用のコーティング組成物(コーティング液)は、必要に応じ、溶剤に希釈して用いることができる。溶剤としては、アルコール類、 エステル類、ケトン類、エーテル類、芳香族類等の溶剤が用いられる。また、必要に応じて、少量の金属キレート化合物、界面活性剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、分散染料、油溶染料、顔料、フォトクロミック化合物、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール系等の耐光耐熱安定剤等を添加し、コーティング液の塗布性、硬化速度および硬化後の被膜性能を改良することもできる。
また、コーティング液の塗布・硬化方法としては、ディッピング法、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法、あるいは、フローコート法によりコーティング用組成物を塗布した後、40〜200℃の温度で数時間加熱乾燥することにより、ハードコート被膜を形成する。なお、ハードコート層の膜厚は、0.05〜30μmであることが好ましい。膜厚が0.05μm未満では、基本性能が実現できない。また、膜厚が30μmを越えると表面の平滑性が損なわれたり、光学歪みが発生してしまったりする場合がある。なお、ハードコート層の屈折率は、干渉縞の発生を避けるため、レンズ基材、プライマー層の屈折率に合わせることが好ましい。
〔4.有機反射防止層〕
有機反射防止層は、単層の有機膜で構成されており、ハードコート層よりも0.10以上屈折率が低く、膜厚は50〜150nmである。
有機反射防止層の屈折率は、ハードコート層よりも、0.10以上低ければよいが、0.15以上低いことが好ましく、さらには、0.20以上低いことが特に、好ましい。
有機反射防止層は、以下の(D)成分、(E)成分を含有する。
(D)成分:RnSiX 3−n …(2)
((2)式中、Rは、重合可能な反応基を有する有機基であり、Rは炭素数1〜6の炭化水素基であり、Xは加水分解基であり、nは0又は1である)で示されるシラン化合物としての有機ケイ素化合物)
(E)成分:内部空洞を有するシリカ系粒子
(D)成分のRの重合可能な反応基を有する有機基は、例えば、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基、エポキシ基、メルカプト基、シアノ基、イソシアノ基、アミノ基等の重合可能な反応基を有する。
(D)成分のRの炭素数1〜6の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、ビニル基、フェニル基等が例示できる。
さらに(D)成分のXとしては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基等のアルコキシ基、クロロ基、ブロモ基等のハロゲン基、アシルオキシ基等があげられる。
(D)成分の有機ケイ素化合物としては、例えば、ビニルトリアルコキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン、アリルトリアルコキシシラン、アクリルオキシプロピルトリアルコキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリアルコキシシラン、メタクリルオキシプロピルジアルコキシメチルシラン、γ−グリシドオキシプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリアルコキシシラン、メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、γ−アミノプロピルトリアルコキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジアルコキシシラン等があげられる。これら2種類以上を混合して用いてもよい。
(E)成分の内部空洞を有するシリカ系粒子の平均粒径は、以下のようであることが好ましい。
(平均粒径)=(設計波長(nm)/反射防止膜屈折率)×1/4
有機反射防止層には、上記(D)成分、(E)成分の他に、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂等の樹脂や、これらの樹脂の原料となるメタアクリレート類、アクリレート類、エポキシ類、ビニル類等の各種モノマーを添加することが可能である。
さらに、これらの成分以外に、必要に応じて、硬化触媒、界面活性剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、ヒンダートアミン、ヒンダートフェノール等の光安定剤、分散染料、油溶染料、蛍光染料、顔料等を添加し、耐光性、塗布性の向上を図ってもよい。
なお、単層の有機反射防止層が形成される例を示したが、例えばレンズ基材の屈折率が例えば1.60以下である場合など、低屈折率のレンズ基材を用いる場合、良好な反射防止特性を得るために2層の有機薄膜から有機反射防止層を形成する構成としてもよい。
この場合、有機反射防止層は、レンズ基材側に位置する高屈折率層と、大気側に位置する低屈折率層とから形成される。すなわち、レンズ基材側に位置する層の屈折率が、大気側に位置する層の屈折率よりも高く構成される。
高屈折率層は、酸化チタンを含有する金属酸化物微粒子と有機ケイ素化合物とを含んだコーティング組成物から好ましく形成される。
ここで、酸化チタンとしては、例えば、酸化チタンおよび酸化スズ、または酸化チタン、酸化スズおよび酸化ケイ素からなるルチル型の結晶構造を有する複合酸化物を含む平均粒径1〜200nmの金属酸化物微粒子(複合微粒子)を挙げることができる。
有機ケイ素化合物については、前記したハードコート層、単層における有機反射防止層で用いられる有機ケイ素化合物が好適に用いられる。
低屈折率層は、内部空洞を有するシリカ系微粒子(以下、「中空シリカ系微粒子」ともいう)と、有機ケイ素化合物とを含んだコーティング剤から好適に形成される。
ここで、中空シリカ系微粒子を用いるのは、内部空洞内にシリカよりも屈折率が低い気体または溶媒が包含されることによって、空洞のないシリカ系微粒子に比べてより屈折率が低減し、低屈折率層の低屈折率化が達成されるからである。内部空洞を有するシリカ系微粒子は、特開2001−233611号公報に記載されている方法等で製造することができるが、本発明では、平均粒径が1〜150nmの範囲にあり、かつ屈折率が1.16〜1.39の範囲にあるものを使用することが望ましい。粒子の平均粒径が1nm未満になると、粒子内部の空隙率が小さくなって、所望の低屈折率が得られなくなる。また、平均粒径が150nmを超えると、低屈折率層のヘイズが増加するので好ましくない。なお、好ましい平均粒径は、以下の式で計算することができる。
また、有機ケイ素化合物は、前記したハードコート層、単層における有機反射防止層、および高屈折率層を構成するために用いられる有機ケイ素化合物と同じものを使用してもよい。さらに、有機ケイ素化合物としては、含フッ素化合物を用いてもよい。
〔5.防汚層〕
以上のように、レンズ基材上にプライマー層、ハードコート層および有機反射防止層が形成されたプラスチックレンズには、さらにプラスチックレンズ表面の撥水撥油性能を向上させる目的で、反射防止層上にフッ素含有シラン化合物からなる防汚層を形成する。この防汚層は、低分子量のフッ素含有シラン化合物を含む組成物にて形成される第一防汚層と、高分子量のフッ素含有シラン化合物を含む組成物にて形成される第二防汚層との2層から形成されている。
第一防汚層は、分子量が100〜700のフッ素含有シラン化合物Aを含む組成物により、有機反射防止層の大気側の表面に形成される。ここでフッ素含有シラン化合物Aの分子量が700よりも大きい場合、有機反射防止層の表面の凹部にフッ素含有シラン化合物Aが進入できない。このため、有機反射防止層の成分と第一防汚層の成分との間で活性水素基による結合間隔が広くなり、その結果、結合が作り難く、第一防汚層の水平方向(有機反射防止層の表面に対して略直交する方向)の強度が低下し、耐久性も低下してしまう。これに対して、上記のようにフッ素含有シラン化合物の分子量が100〜700である場合、第一防汚層の成分が有機系反射防止層の表面の凹部に良好に浸入し、活性水素基の結合間隔が狭くなる。これにより、第一防汚層と有機反射防止層とがより強固に密着して結合強度が強くなり、耐久性も向上する。
ここで、第一防汚層を組成する低分子量のフッ素含有シラン化合物Aとしては、例えば、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタフルオロデシルトリメトキシシラン、n−トリフルオロ(1,1,2,2−テトラヒドロ)プロピルシラザン、n−ヘプタフルオロ(1,1,2,2−テトラヒドロ)ペンチルシラザン、n−ノナフルオロ(1,1,2,2−テトラヒドロ)ヘキシルシラザン、n−トリデカフルオロ(1,1,2,2−テトラヒドロ)オクチルシラザン、n−ヘプタデカフルオロ(1,1,2,2−テトラヒドロ)デシルシラザン、オクタデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ヘプチルメチルジクロロシラン、イソブチルトリクロロシラン、オクタデシルメチルジメトシキシラン、ヘキサメチルジシラザンなどを挙げることができる。さらには、KP−801(信越化学工業(株)製)、LS−1090(信越化学工業(株)製)、LS−4875(信越化学工業(株)製)、LS−4480(信越化学工業(株)製)、LS−2750(信越化学工業(株)製)、LS−1640(信越化学工業(株)製)、LS−410(信越化学工業(株)製)、LS−7150(信越化学工業(株)製)、TSL−8257(GE東芝シリコーン(株)製)、TSL−8233(GE東芝シリコーン(株)製)、TSL−8185(GE東芝シリコーン(株)製)、TSL−8186(GE東芝シリコーン(株)製)、TSL−8183(GE東芝シリコーン(株)製)、XC95−A9715(GE東芝シリコーン(株)製)などの市販されているものを挙げることができる。
第二防汚層は、分子量が1000〜10000のフッ素含有シラン化合物Bを含む組成物により、第一防汚層の大気側の表面に形成される。ここで、フッ素含有シラン化合物Bの分子量が10000よりも大きい場合、粘度が増大し、溶解度が著しく低下するため、工業的に使用が困難であり、第二防汚層の形成が困難となる。一方、フッ素含有シラン化合物Bの分子量が1000よりも小さい場合、防汚層の表面の強度が低下し、良好な耐久性を得ることができず、良好な防汚特性をも得ることができない。これに対して、分子量1000〜10000のフッ素含有シラン化合物を含む組成物により第二防汚層を形成することにより、防汚層の表面の強度が高くなり、防汚層の防汚特性も良好となる。
ここで、第二防汚層を組成する高分子量のフッ素含有シラン化合物Bとしては、下記式(3)により表されるフッ素含有シラン化合物Bである。このような組成のフッ素含有シラン化合物Bとしては、例えばダイキン工業(株)製の商品名「オプツールDSX」が挙げられる。
Figure 0004797904
上記(3)式において、Rfは、パーフルオロアルキル基を表す。Zは、フッ素またはトリフルオロメチル基を表す。a,b,c,d,eは、それぞれ独立して、0または1以上の整数を表す。ここで、a+b+c+d+eは、少なくとも1以上であり、a,b,c,d,eで括られた各繰り返し単位の存在順序は、式中において限定されない。また、Yは、水素または炭素数1〜4のアルキル基を表す。Xは、水素、臭素またはヨウ素を表す。Rは、水酸基または加水分解可能な置換基を表す。Rは、水素または1価の炭化水素基を表す。lは、0,1または2を表す。mは、1,2または3を表す。nは1以上の整数を表す。
上記(3)式で表されるRfとしては、有機含フッ素ポリマーを構成するパーフルオロアルキル基であれば特に限定されず、例えば炭素数1〜16の直鎖状または分岐状のものを挙げることができる。好ましくは、CF−、C−、C−である。
(3)式において、a,b,c,d,eは、フッ素含有シラン化合物の主骨格を構成するパーフルオロポリエーテル鎖の繰り返し単位を表し、上記したように、0または1以上の整数であり、a+b+c+d+eが1以上であれば特に限定されないが、特にそれぞれ独立して0〜200であることが好ましい。さらに、フッ素含有シラン化合物の分子量を考慮すれば、より好ましくは、それぞれ独立して0〜50である。a+b+c+d+eは好ましくは1〜100である。
また、a,b,c,d,eで括られた各繰り返し単位の存在順序は、上記(3)式の順序に限られず、パーフルオロポリエーテル鎖の構成によってこれらの各繰り返し端子の存在順序が異なっていてもよい。
さらに、上記(3)式において、Yは、炭素数1〜4のアルキル基であれば特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などを挙げることができ、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。
さらには、上記(3)式において、Xは、上述したように、水素、臭素、またはヨウ素を示すが、Xが臭素またはヨウ素である場合、フッ素含有シラン化合物のラジカル反応性が高くなるため、化学結合により他の化合物を結合させるのにさらに好都合となる。
また、上記(3)式のlは、パーフルオロポリエーテル鎖を構成する炭素とこれに結合するケイ素との間に存在するアルキレン基の炭素数であり、好ましくは0である。さらに、mはケイ素に結合する置換基Rの結合数を表す。
上記(3)式中のRは、上記したように水酸基または加水分解可能な置換基であり、好ましくは、例えば、ハロゲン、−OR11、−OCOR11、−OC(R11)=C(R12、−ON=C(R11、−ON=CR13などを挙げることができる。ただし、R11は、脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を表し、R12は、水素または炭素数が1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、R13は、炭素数3〜6の2価の脂肪族炭化水素基を表す。より好ましくは、塩素、−OCH、−OCである。
上記(3)式中のRは、上記したように、水素または1価の炭化水素基であり、好ましいものとして、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチルなどを挙げることができ、直鎖状であっても分岐状であってもよい。
そして、上記(3)式のnは、特に上限はないが、1〜10の整数であることが好ましい。
また、高分子量のフッ素含有シラン化合物Bとしては、下記(4)式にて示されるようなフッ素含有シラン化合物(パーフルオロポリアルキレンエーテル変性シラン)を用いてもよい。このような組成のフッ素含有シラン化合物Bとしては、例えば信越化学工業(株)製の商品名「KY−130」が挙げられる。
Figure 0004797904
ただし、上記(4)式において、Rfは、式:−(C2k)O−(式中、kは1〜6の整数である)表される単位を含み、分岐を有さない直鎖状のパーフルオロポリアルキレンエーテル構造を有する2価の基である。Rは、炭素原子数1〜8を有する一価炭素水素基である。Xは、加水分解性基またはハロゲン原子である。sは0〜2の整数であり、tは、1〜5の整数であり、hおよびiは2または3の整数である。
ここで、Rf基としては、例えば、下記一般式で示されるものが例示できるが、これらの例示に限定されるものではない。すなわち、Rf基としては、−CF2CF2O(CF2CF2CF2O)jCF2CF2−(ただし、jは1以上の整数であり、好ましくは1〜50、より好ましくは10〜40である)、−CF2(OC2F4)p−(OCF2)q−(ただし、pおよびqは、それぞれ1以上、好ましくは1〜50、より好ましくは10〜40であり、p+qが10〜100、好ましくは20〜90、より好ましくは40〜80となる整数であり、さらに繰り返し単位の(OC2F4)および(OCF2)の配列はランダムである)が例示できる。
また、Xが加水分解性基である場合、例えば以下のようなものが例示できる。すなわち、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、メトキシジメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基などのアルコキシアルコキシ基またはアリロキシ基、イソプロペノキシ基などのアルケニルオキシ基、またはアセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などのアシロキシ基、またはジメチルケトオキシ基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルケトオキシム基、シクロペンノキシム基、シクロヘキサノキシム基などのケトオキシム基、またはN−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−ブチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N−シクロヘキシルアミノ基などのアミノ基、またはN−メチルアセトアミド基、N−エチルアセトアミド基、N−メチルベンゾアミド基などのアミド基、またはN,N−ジメチルアミノオキシ基、N,N−ジエチルアミノオキシ基などのアミノオキシ基などが挙げられる。さらに、Xがハロゲン原子である場合、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。これらの中でも、Xとしてメトキシ基、エトキシ基、イソプロペノキシ基、および塩素原子が好適である。
としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などのアルキル基、またはシクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、またはフェニル基、トリル基、キシリル基などのアリール基、またはベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基、またはビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基などのアルケニル基が挙げられる。これらの中でも、メチル基が好適である。
上記のような防汚層は、真空蒸着法により形成される。すなわち、第一防汚層を形成するフッ素含有シラン化合物Aを含む組成物を例えばペレットに含浸させて蒸着源とし、真空蒸着機にセットする。そして、真空蒸着機にプライマー層、ハードコート層、有機反射防止層が形成されたプラスチックレンズを導入し、有機反射防止層上に第一防汚層を真空蒸着により成膜させる。この後、第二防汚層を形成するフッ素含有シラン化合物Bを含む組成物を例えばペレットに含浸させて乾燥させ、蒸着源とし、これを真空蒸着機にセットする。そして、真空蒸着機に前記第一防汚層が成膜されたプラスチックレンズを導入し、真空蒸着により第二防汚層を成膜させる。
なお、フッ素含有シラン化合物Aおよびフッ素含有シラン化合物Bが混合された混合溶液を蒸着源として使用する方法を用いてもよい。この場合でも、真空蒸着機に上記混合溶液を含浸させたペレットを乾燥させた蒸着源をセットし、この真空蒸着機にプライマー層、ハードコート層、有機反射防止層が形成されたプラスチックレンズを導入し、真空蒸着する。この場合、低分子量のフッ素含有シラン化合物Aが先に蒸発してプラスチックレンズの有機反射防止層に第一防汚層が形成される。この後、徐々にフッ素含有シラン化合物Bが蒸発して第二防汚層が形成される。このような方法では、有機反射防止層の表面に第一防汚層が形成され、有機反射防止層から離隔するにしたがって、第一防汚層および第二防汚層の混合層が形成され、さらに有機反射防止層から離隔するにしたがって第二防汚層が形成される層状に防汚層が形成される。このような場合でも、有機反射防止層に隣接して第一防汚層が形成され、大気側に第二防汚層が形成されるため、有機反射防止層と防汚層との密着度が良好で耐久性に優れるとともに、良好な防汚特性を有する防汚層を形成することが可能となる。
以上のような本実施の形態のプラスチックレンズでは、上述したように、シラン化合物を含む組成物から形成された有機反射防止層の表面に、分子量が100〜700の低分子量のフッ素含有シラン化合物Aを含む組成物にて形成される第一防汚層が形成され、この第一防汚層の表面に分子量が1000〜10000の高分子量のフッ素含有シラン化合物Bを含む組成物にて形成される第二防汚層が形成されている。このため、有機反射防止層の表面の凹部にも低分子量のフッ素含有シラン化合物Aが進入し、有機反射防止層の成分との間で活性水素基を高密度で形成することができる。したがって、有機層と第一防汚層との密着度が向上し、強固にこれら2層が結合されるため、耐久性を向上させることができる。また、この第一防汚層の上から高分子量のフッ素含有シラン化合物Bを有する組成物にて形成される第二防汚層が形成されているので、これらの第二防汚層は前記高密度の活性水素基と強固に反応させることができ、良好な防汚特性を有する第二防汚層を強固に第一防汚層上に形成することができる。したがって、有機反射防止層上に良好な耐久性および良好な防汚特性を有する防汚層を形成することができる。
また、防汚層は、有機反射防止層の表面にフッ素含有シラン化合物Aを有する組成物を蒸着源として真空蒸着により第一防汚層を成膜させ、この後、フッ素含有シラン化合物Bを有する組成物を蒸着源として真空蒸着により第一防汚層上に第二防汚層を成膜させている。このため、有機反射防止層の表面上に確実に第一防汚層を形成することができ、防汚層と有機反射層との密着度を向上させることができ、耐久性も向上させることができる。また、第一防汚層の表面上で大気と接する面に確実に第二防汚層を形成できるため、良好な防汚特性を得ることができる。なお、防汚層は、有機反射防止層の表面にフッ素含有シラン化合物Aとフッ素含有シラン化合物Bとの混合物を有する組成物を蒸着源として真空蒸着により形成されていてもよい。この場合でも、低分子量のフッ素含有シラン化合物Aが先に蒸発し、高分子量のフッ素含有シラン化合物Bが後に蒸着するため、有機反射防止層の表面から離隔するにしたがって、第一防汚層、第二防汚層の順で防汚層を形成することができる。したがって、上記と同様に、防汚層と有機反射層との密着度を向上させることができ、耐久性も向上させることができ、さらに、良好な防汚特性をも得ることができる。また、真空蒸着を2度する必要がないため、防汚層をより簡単に形成することができる。
[実施の形態の変形]
以上、本発明について好適な実施の形態を挙げて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、含シラン化合物の組成物にて形成される有機反射防止層上に防汚層が形成されたプラスチックレンズを例示するが、これに限定されない。例えば、上記例では、有機反射防止層を有するプラスチックレンズについて説明したが、例えば有機反射防止層が形成されないプラスチックレンズであってもよく、この場合、フッ素含有シラン化合物を有する組成物にて形成されるハードコート層上に上記のような防汚層を形成することも可能である。さらに、有機反射防止層、ハードコート層、プライマー層が形成されないプラスチックレンズでは、フッ素含有シラン化合物を有する組成物にて形成されるプラスチックレンズ基材上に上記のような防汚層を形成する構成であってもよい。
また、上記実施の形態では、防汚性物品としてプラスチックレンズを例示したが、シラン化合物を含む組成物によって形成される表面層を有する物品であればいかなるものにも適用可能である。
次に、本発明の実施形態に基づく実施例および比較例を説明する。具体的には、以下に示す方法でプラスチック眼鏡レンズを製造して、反射率や耐熱性など各種の評価を行った。
(実施例1)
(1)レンズ基材
レンズ基材として、屈折率1.67のプラスチックレンズ基材(セイコーエプソン(株)製、商品名「セイコースーパーソブリン(SSV)」)を使用した。
(2)プライマー層
市販の水性ポリエステル「A−160P」(高松油脂(株)製、固形分濃度25%)77g、メタノール220g、プロピレングリコールノモメチルエーテル(PGME)31.5g、水91.8g、メタノール分散二酸化チタン−二酸化ジルコニウム−二酸化ケイ素複合微粒子ゾル(触媒化成工業(株)製、固形分濃度20重量%)78.8g、シリコーン系界面活性剤(日本ユニカー(株)製、商品名「L−7604」)0.1gを加え、2時間攪拌してプライマー組成液を得た。プライマー組成液の塗布には、浸漬法(引き上げ速度20cm/分)を用い、塗布したレンズ基材は、80℃で20分間加熱硬化処理した。形成されたプライマー層は、膜厚0.5μm、屈折率1.67であった。
(3)ハードコート層
ブチルセトソルブ62.5gおよびγ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン67.1gを混合した。この混合液に0.1規定塩酸水溶液30.7gを攪拌しながら滴下し、さらに4時間攪拌後一昼夜熟成させた。この液にメタノール分散二酸化チタン−二酸化ジルコニウム−二酸化ケイ素複合微粒子ゾル(触媒化成工業(株)製、固形分濃度20重量%)325g、グリセロールジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス(株)製、商品名「デナコールEx−313」)12.5gを添加した後、Fe(III)アセチルアセトネート1.36g、シリコーン系界面活性剤(日本ユニカー(株)製、商品名「L−7001」)0.15gを添加し、4時間攪拌後一昼夜熟成させてハードコート組成液を得た。ハードコート組成液の塗布は、浸漬法(引き上げ速度35cm/分)を用い、その後、80℃で30分間加熱硬化処理し、さらに、125度で180分間の加熱硬化処理を実施した。形成されたハードコート層は、膜厚2.0μm、屈折率1.67であった。
(4)有機反射防止膜
下記(5)式に示すシラン化合物47.8重量部(0.08モル)にメタノール312.4重量部を加え、さらにγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン4.7重量部(0.02モル)、0.1モル/リットル塩酸水溶液36重量部を加えて、これを攪拌混合して混合液を得た。この混同液を25℃の恒温槽で2時間攪拌して固形分濃度10重量%のシリコーンレジンを得た。
(CH3O)3Si−C2H4−C6F12−C2H4−Si(OCH3)3 …(5)
このシリコーンレジンと、中空シリカ−イソプロパノール分散ゾル(触媒化成工業(株)製、固形分濃度20重量%、平均一次粒子系35nm、外殻厚み8nm)をシリコーンレジン/中空シリカが固形分比80/20となるように配合し、プロピレングリコールモノメチルエーテル935重量部を加えて希釈し、固形分濃度が3重量%である有機反射防止組成液を得た。有機反射防止組成液の塗布は、浸漬法(引き上げ速度10cm/分)にて行った。この際、液温は25℃とした。有機反射防止組成液の塗布後、125℃で90分間アニール処理を実施した。形成された有機反射防止層は、膜厚100nm、屈折率1.37であった。
(5)防汚層
分子量497.5のフッ素含有シラン化合物(A)(信越化学工業(株)、商品名「KP−801」)、および分子量2500のフッ素含有シラン化合物(B)(信越化学工業(株)製、商品名「KY−130」)をフッ素系溶剤(住友スリーエム(株)製、商品名「ノベックHFE−7200」)に溶解し、希釈して固形分濃度を3%溶液となるように防汚組成液を調整した。この防汚組成液は、(フッ素含有シラン化合物(A)の重量Wa)/(フッ素含有シラン化合物(B)の重量Wb)の比が、80/20となるように調整した。この防汚組成液を多孔質セラミック製のペレットに1g含浸させ乾燥させたものを蒸着源として真空蒸着機内のチェンバーにセットした。そして、真空蒸着機のチェンバーの到達圧力が1.0〜0.4×10−2Paの範囲になるまで排気を行い、このチェンバー内にプライマー層、ハードコート層、および有機反射防止層が形成された上記プラスチックレンズを導入し、ペレットを400℃から500℃に過熱してフッ素含有シラン化合物を蒸発させ、有機反射防止層の表面に防汚層を成膜した。蒸着終了後、真空蒸着機のチェンバー内を徐々に大気圧に戻し、プラスチックレンズを取り出した。その後、温度90℃、相対湿度90%に保たれた恒温恒湿槽にプラスチックレンズを投入し、2時間保持した後、100℃に保たれたオーブン内で2時間加熱してプライマー層、ハードコート層、有機反射防止層、および防汚層が形成されたプラスチックレンズを得た。
(実施例2)
実施例1の(1)〜(4)の処理により、プライマー層、ハードコート層、および有機反射防止層が形成されたプラスチックレンズを得た。
この後分子量497.5のフッ素含有シラン化合物(A)(信越化学工業(株)、商品名「KP−801」)をフッ素系溶剤(住友スリーエム(株)製、商品名「ノベックHFE−7200」)に溶解し、希釈して固形分濃度を3%溶液となるように第一防汚組成液を調整した。
次に、分子量2500のフッ素含有シラン化合物(B)(信越化学工業(株)製、商品名「KY−130」)をフッ素系溶剤(住友スリーエム(株)製、商品名「ノベックHFE−7200」)に溶解し、希釈して固形分濃度を3%溶液となるように防汚組成液を調整した。
この後、第一防汚組成液を多孔質セラミック製のペレットに1g含浸させ乾燥させたものを蒸着源として真空蒸着機内のチェンバーにセットした。そして、真空蒸着機のチェンバーの到達圧力が1.0〜0.4×10−2Paの範囲になるまで排気を行い、このチェンバー内にプライマー層、ハードコート層、および有機反射防止層が形成された上記プラスチックレンズを導入し、ペレットを400℃から500℃に過熱してフッ素含有シラン化合物(A)を蒸発させ、有機反射防止層の表面に第一防汚層を成膜した。
この後、第二防汚組成液を多孔質セラミック製のペレットに1g含浸させ乾燥させたものを蒸着源として真空蒸着機内のチェンバーにセットした。そして、真空蒸着機のチェンバーの到達圧力が1.0〜0.4×10−2Paの範囲になるまで排気を行い、このチェンバー内に上記第一防汚層が形成されたプラスチックレンズを導入し、ペレットを400℃から500℃に過熱してフッ素含有シラン化合物(B)を蒸発させ、第一防汚層の表面に第二防汚層を成膜し、防汚層を形成した。
そして、蒸着終了後、プラスチックレンズを取り出し、温度90℃、相対湿度90%に保たれた恒温恒湿槽にプラスチックレンズを投入し、2時間保持した後、100℃に保たれたオーブン内で2時間加熱してプライマー層、ハードコート層、有機反射防止層、および防汚層が形成されたプラスチックレンズを得た。
(比較例1)
実施例1の(1)〜(4)の処理により、プライマー層、ハードコート層、および有機反射防止層が形成されたプラスチックレンズを得た。
この後、フッ素含有シラン化合物(信越化学工業(株)製、商品名「KY−130」)およびフッ素含有シラン化合物(信越化学工業(株)製、商品名「KP−801」)を固形分比80/20となるように配合し、パーフルオロヘキサンに希釈して固形分濃度0.3重量%の防汚層コーティング組成液を調整した。続いて、プライマー層、ハードコート層、および有機反射防止層が形成されたプラスチックレンズをこの防汚層コーティング組成液に浸漬し、引き上げ速度150mm/分でディップコートした。この後、90℃で10分間焼成し、その後温度90℃、相対湿度90%に保たれた恒温恒湿槽にプラスチックレンズを投入し、2時間保持した後、100℃に保たれたオーブン内で2時間加熱してプライマー層、ハードコート層、有機反射防止層、および防汚層が形成されたプラスチックレンズを得た。
(評価方法)
以上の実施例1、2および比較例1により得られたプラスチックレンズの物性を以下に示す方法で評価した。評価項目は、耐アルカリ性、乾燥拭き性の2項目である。
(1)耐アルカリ性
20℃の0.1規定の水酸化ナトリウム水溶液中に、レンズを1時間浸漬し、レンズを取り出して水洗浄した後、次に示す密着性試験を行った。レンズ表面を約1mm間隔で基盤目状に100目クロスカットし、このクロスカットした部分に、粘着テープ(ニチバン(株)製、商品名セロテープ(登録商標))を強く貼り付けた後、急速に粘着テープを剥がし、粘着テープを剥がした後の基盤目の膜剥がれ状態を下記のa〜eの5水準で評価した。
a:全く膜剥がれがない(膜剥がれ目数=0/100)
b:ほとんど膜剥がれがない(膜剥がれ目数=1〜5/100)
c:やや膜剥がれが発生(膜剥がれ目数=6〜20/100)
d:膜剥がれ発生(膜剥がれ目数=21〜50/100)
e:密着不良(膜剥がれ目数=50〜100/100)
(2)乾燥拭き性(傷)
木綿布を用い、レンズ凸面を100gの加重をかけながら3000回往復させた後、目視でレンズ表面に入った傷の状態を下記A〜Eの5水準で評価した。
A:全く傷がない
B:1〜5本の傷が確認される
C:6〜20本の傷が確認される
D:21本以上の傷があるが曇りには見えない状態
E:多数の傷があり曇りに近い状態
(3)乾燥拭き性(拭き取り性)
木綿布を用い、レンズ凸面を100gの加重をかけながら3000回往復させた後、黒色油性マーカー(「ハイマッキーケア」、ゼブラ株式会社製)により約4cmの直線を描いた後、5分間放置した。そして、放置後のレンズのマーク部を、ワイプ紙(「ケイドライ」、株式会社クレシア製)によって拭き取りを行い、その拭き取り易さを初期と試験後に次の評価方法によって判定した。
○:10回以下の拭き取りで完全に除去される
△:11回〜20回の拭き取りで完全に除去される
×:20回拭き取り後も除去されない部分が残る
(結果)
Figure 0004797904
表1の結果から、実施例1、2の眼鏡レンズは、いずれも耐アルカリ性、乾燥拭き性に優れていることが分かる。一方、比較例1は、有機系反射防止層と防汚層との密着性が悪く、乾燥拭き性の試験において、防汚層の剥離が見られた。
本発明は、メガネなどに利用されるプラスチックレンズなどの光学部品の他、シラン化合物を含有する組成物にて形成される表面層を有し、この表面層に防汚層が形成されるあらゆる物品に適用することができる。

Claims (3)

  1. 含シラン化合物の組成物から形成された有機層を有する基材の前記有機層上に、2層からなる防汚層が形成される防汚性物品の製造方法であって、
    前記防汚層は、前記有機層の表面に分子量が100〜700のフッ素含有シラン化合物にて形成される第一防汚層と、この第一防汚層の表面に分子量が1000〜10000のフッ素含有シラン化合物にて形成される第二防汚層と、を備え、
    前記防汚層を構成する前記第一防汚層および前記第二防汚層は、真空蒸着により形成され、
    前記第一防汚層を形成する分子量が100〜700のフッ素含有シラン化合物を単独で蒸着源として用いて前記有機層上に第一防汚層を形成した後、
    前記第二防汚層を形成する分子量が1000〜10000のフッ素含有シラン化合物を単独で蒸着源として用いて前記第一防汚層の表面に前記第二防汚層を形成する
    ことを特徴とする防汚性物品の製造方法
  2. 請求項1に記載の防汚性物品の製造方法であって、
    前記有機層は、有機反射防止層、またはハードコート層である
    ことを特徴とした防汚性物品の製造方法
  3. 請求項1または請求項2に記載の防汚性物品の製造方法により製造された
    ことを特徴とする防汚性物品。
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