JP4073624B2 - 反射防止処理方法及び反射防止性を有する材料 - Google Patents

反射防止処理方法及び反射防止性を有する材料 Download PDF

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Description

【0001】
(技術分野)
本発明は、有機基板又は無機基板の反射防止処理方法、及び本発明の方法により得ることができる反射防止性を有する材料に関する。
【0002】
以下の説明において、用語「有機基板」とは、より明確には、プラスチック基板(例えば、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリアリルカーボネート及びポリアミドから選択されたもの)を指す。しかしながら、これらのものには限定されず、より一般的な高分子材料を包含するものである。
【0003】
用語「無機基板」とは、より明確には、ガラス質基板、例えば、非晶質材料又はさらには結晶質材料、そして、特にシリカ系ガラス(例えば、ケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、ナトリウム/カルシウムガラス)、リン酸塩系ガラス(例えば、フルオロリン酸塩基板及びリン酸塩基板、例えば、重水素化されていてもいなくてもよいリン酸二水素カリウム(KH2PO4又はKDP)結晶)を包含するものである。
【0004】
本発明の方法は、リン酸塩基板等の温度の上昇に感受性を有する基板の処理に特に有利である。
【0005】
リン酸塩基板、例えば、リン酸二水素カリウム結晶は、例えば、レーザ増幅、レーザ周波数変換の分野や、ポッケルスセル(Pockels Cells)の製造分野における用途がある。
【0006】
リン酸塩基板は、熱衝撃に対して極めて感受性がある。例えば、重水素化KDP結晶は、より強力に重水素化されるほど、より低温で不可逆性結晶相転移を生じる。したがって、これらの基板の反射防止処理は、温和な温度、より具体的には、周囲温度で実施しなければならない。
【0007】
さらに、リン酸塩基板は、脆く、大気湿度により損傷を受ける。実際に、湿気が存在すると、表面が加水分解されて不透明となり、それによりそれらの光学特性が失われる。したがって、これらの基板を、湿気から保護しなければならない。
【0008】
また、本発明の方法は、例えば、シリカ系ガラス、及び上記した有機基板又は無機基板、すなわち、特にプラスチック基板やガラス質基板に適用できる。
【0009】
また、これらの基板は、以下で、「反射防止性を有する材料」とも称される。これらには、極めて数多くの用途がある。これらの用途は、例えば、高パワーレーザ、太陽、熱及び光電池用途、集中光学系の分野や、建築用途、例えば、外側に艶だしをおこなったパネルである。太陽電池用途の分野では、熱損失を最小限とするため、光エネルギーを集めるため、光エネルギーを集中させるため、及び最終的に一定の吸収部品を保護する目的で、ガラス質基板又はプラスチック基板が、既に光学系で使用されている。
【0010】
簡単に説明すると、光透過率を増加できる反射防止処理は、一定の場合において、基板を湿気から保護する効果により基板の寿命を増加できる。さらに、反射防止処理は、レーザ用途に使用しようとするときには、レーザ束耐性がなければならず、且つ基板の熱脆性と適合する温度でなされなければならない。
【0011】
また、本発明は、本発明の方法により得ることができる反射防止性を有する材料、例えば、複屈折結晶に関する。
【0012】
(背景技術)
フランス国特許出願FR−A−2680583は、有機基板又は無機基板用反射防止処理を記載している。この処理は、基板用保護体としてアルキルシリコーン樹脂の緻密層、反射防止層として多孔性ゾルゲル被膜を使用し、150℃又は180℃での熱処理を含むゾルゲル法である。
【0013】
この方法では、温度上昇に感受性のある基板を処理することができない。また、重水素化KDP結晶の場合においてシリコーン層なしでは、湿気に対する保護機能、例えば、反射防止ゾルゲル付着物の損傷が常に矢無をえないものと考えなければならない。
【0014】
(発明の開示)
本発明の具体的な目的は、有機基板又は無機基板用の反射防止処理法であって、前記基板を通る光透過率を増加することができ、且つ前記基板を湿気から保護するこにより基板の寿命を増加することができる、反射防止処理方法を提供することである。
【0015】
有機基板又は無機基板は、例えば、上記したものが挙げられる。
【0016】
本発明の方法は、低屈折率を有するフッ素化ポリマーからなる層を前記基板上に付着させる工程を含んでなる。
【0017】
(発明を実施するための最良の形態)
本発明によれば、フッ素化ポリマーからなる層の付着は、フッ素化ポリマーと過フッ素化溶媒とを含んでなる付着溶液を用いて、浸漬−取り出し法と、遠心塗布法と、積層塗布法とから選択される方法により実施できる。
【0018】
浸漬−取り出し法は、付着溶液に基板を浸漬し、この溶液から基板を取り出して乾燥させることからなる。遠心塗布法は、回転している基板上に付着溶液を付着させることからなる。積層塗布法は、付着液の入ったチューブを用いて毛管現象により基板を水平に塗布することからなる。この方法は、フランス国特許出願FR−A−2693558(譲受人:CEA)の主題である。
【0019】
本発明の方法は、周囲温度で実施でき、大気圧下で実施できる。
【0020】
フッ素化ポリマーからなる層は、好ましくは基板上に均一に分布させた薄膜状として基板上に付着させる。
【0021】
本発明の方法による好ましいフッ素化ポリマーは、低屈折率(約1.2〜約1.4の範囲内、好ましくは約1.3)を有し、好ましくは周囲温度でほとんどの過フッ素化溶媒に可溶な有機フッ素化ポリマーである。
【0022】
有機フッ素化ポリマーは、例えば、前記付着溶液中の濃度が0.1〜10重量%であることができるポリテトラフルオロエチレンの誘導体でよい。このポリマーは、例えば、ペルフルオロアルケンとペルフルオロジオキソールとの共重合から得られる非晶質コポリマーでよい。このようなポリマーの一例として、テトラフルオロエチレン(TFE)と2,2−ビストリフルオロメチル−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソール(PDD)との混合物の共重合から得られるコポリマー(TEFLON AF(登録商標))がある。PDDは、形成されたポリマーの結晶化を立体的に防止する。上記混合物中のPDD含量によって、得られるコポリマーの物性が異なる。つまり、PDD濃度が増加すると、コポリマーの溶解度が減少し、屈折率が減少し、そのガラス転移温度が増加する。
【0023】
CYTOP(商標)は、本発明の方法に使用できるフッ素化ポリマーの別の例である。これは、旭硝子社から販売されており、その特有な特徴は、塗布が非常に容易であること、可視及び紫外での透明性が良好であること、低屈折率であること(約1.34に等しい)、耐薬品性及び耐熱性が良好であることである。その化学的組成は、開示されていなかった。
【0024】
過フッ素化溶媒は、ペルフルオロ−アルキルアミン、例えば、FluorinertシリーズFC(登録商標、3M社)、ペルフルオロ−ポリエーテル、例えば、 GaldenシリーズHT又はDO(登録商標、Ausimont−Montedison社)、フルオロ−アルカン、例えば、Freon及びFlutec(登録商標、Rhone−Poulenc社)を含む群から選択できる。
【0025】
付着溶液は、適当量のフッ素化ポリマーを過フッ素化溶媒と混合して、基板表面上に均一且つ均質に付着できる粘度を有する付着溶液を得ることにより調製する。
【0026】
この粘度は、付着溶液中のフッ素化ポリマーの濃度と相関がある。また、本発明の方法によれば、フッ素化ポリマーが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の誘導体であり、過フッ素化溶媒がペルフルオロ−アルキルアミンであるときには、その濃度は、好ましくは付着溶液中フッ素化ポリマー0.5〜10重量%であり、より好ましくは0.5〜6重量%であり、さらに好ましくは2〜6重量%である。
【0027】
好ましくは、付着溶液を、基板上に付着する前に、溶媒の性質及びフッ素化ポリマーの性質と適合するフィルター、例えば、Whatman(登録商標)型ポリプロピレンフィルターを用いて濾過し、この溶液に懸濁している可能性のある不純物を除去し、反射防止処理の性能を向上させるようにしてもよい。
【0028】
本発明の方法によれば、基板上に付着させるフッ素化ポリマーからなる層は、一回塗布又は数回塗布、すなわち、一回以上順次適用することにより付着させることができる。
【0029】
フッ素化ポリマーからなる層又は被膜は、使用される分光分野と相関する厚さ、好ましくは四分の一波長光学層の厚さに相当する厚さの層として付着させることができる。
【0030】
本発明によれば、フッ素化ポリマーが屈折率nを有し、波長λで目的光透過率となるとき、フッ素化ポリマーの層を、厚さe=λ/4nに付着させる。
【0031】
付着フッ素化ポリマーからなる層の厚みは、紫外−近赤外、すなわち、260nm≦λ≦1560で、特にフッ素化ポリマーがポリテトラフルオロエチレンの誘導体であるときには、好ましくは50〜300nmの範囲内である。
【0032】
この例のポリテトラフルオロエチレンの誘導体では、この厚さは、使用される溶液の濃度を考慮することで一回の適用で容易に付着できる。
【0033】
本発明の方法は、温度上昇に感受性のある基板の反射防止処理、例えば、リン酸塩ガラス、又はKDP結晶(重水素化されていてもいなくてもよい)の反射防止処理に特に有利である。
【0034】
しかしながら、この方法は、例えば、ケイ酸塩ガラス、ナトリウム/カルシウムガラス又はホウケイ酸塩ガラスの反射防止処理にも有用である。
【0035】
反射防止層の基板への付着性が向上するように、本発明の方法は、低屈折率のフッ素化ポリマー層を基板上に付着させる工程の前に、基板の表面を予備処理することをさらに含んでなる。
【0036】
この予備処理は、基板を洗浄することからなる。この洗浄は、光学的作業のために基板を洗浄及びすすぐために従来から使用されている溶媒及び製品を用いて実施する。これらの溶媒及び製品は、損傷しないように基板の種類に応じたものが好ましい。
【0037】
例えば、基板が吸湿性リン酸塩基板であるときには、石油の蒸留から得られる炭化水素を、基本的洗浄及び/又は脱脂用溶媒として使用できる。このような溶媒としては、例えば、トルエン又はケロシンがある。次に、基板を、アルコール系又は芳香族炭化水素ですすいで表面を繊細に洗浄した後、塩素系有機溶媒、例えば、テトラクロロエチレンによりすすぐことができる。
【0038】
例えば、基板がシリカ系ガラスであるときには、水、アセトン、エタノール、酸、例えば、0.5質量%に希釈したフッ化水素酸、及び光学石鹸を使用して基板を洗浄できる。
【0039】
ケイ酸塩基板の洗浄では、例えば、水ですすぐ工程、アセトン洗浄工程、エタノール洗浄工程、0.5質量%に希釈したフッ化水素酸洗浄工程、水ですすぐ工程、光学石鹸洗浄工程、水ですすぐ工程、エタノールでのすすぎ工程を、順次実施することができる。
【0040】
外気で基板を乾燥するか、基板を光学品質の布及び適合するクリーンルーム並びに/又は軟質吸収性光学紙を用いて拭き取ることにより、基板の予備処理を終了することができる。光学品質の布は、例えば、連続スレッドナイロン66(商標)であり、軟質光学紙は、例えば、不織セルロース繊維製の紙である。
【0041】
洗浄、すすぎ及び乾燥の後、基板を、本発明によるフッ素化ポリマーからなる層の付着方法に附することができる。 光学用途を意図する基板の場合には、フッ素化ポリマーからなる層の付着を、好ましくはクリーンルーム、すなわち、特定容積に懸濁する粉塵の量を制御した環境において実施する。クラス1000クリーンルーム、すなわち、空気1立方メートル当たり平均径0.5μmの粒子を35300個未満懸濁している部屋(空気1立方フィート当たり平均径0.5μmの粒子を1000個未満懸濁している部屋)が、このような付着には適当である。
【0042】
基板上に付着させたら、フッ素化ポリマーからなる層又は被膜を、周囲温度又はそれよりもわずかに高い温度で乾燥でき、追加の化学的処理又は物理的処理は必要としない。
【0043】
本発明の方法の変更態様によれば、基板が熱処理に対して感受性のない基板、例えば、シリカ系ガラスであるときには、本発明の方法は、低屈折率のフッ素化ポリマー層を前記基板上に付着させる工程の前に、前記基板の表面にカップリング剤層を塗布することからなる工程をさらに含んでなることができる。
【0044】
基板にカップリング剤層を塗布することからなるこの工程後に、基板を上記した予備処理に附することができる。
【0045】
この変更態様によれば、カップリング剤は、パーフルオロ−アルキルアルコキシ−シラン、パーフルオロ−アルキルクロロ−シラン、これらの化合物の誘導体又はこれらの誘導体の誘導体であることができる。このカップリング剤を、基剤に塗布するためのアルコール系媒体、例えばブタノールに添加して、好ましくはカップリング剤濃度2重量%以下の溶液とすることができる。
【0046】
好ましくは、アルコール/カップリング剤混合物に、酸、例えば鉱酸を添加して、低pH、すなわち、pH6〜3とすることにより、触媒を利用する。このような酸の一例として、塩酸が挙げられる。
【0047】
基板に、このカップリング剤溶液を、周囲温度で通常の溶液塗布法を用いて、例えば、浸漬−取り出し法、遠心塗布法又は積層塗布法により塗布できる。
【0048】
カップリング剤塗膜は、厚すぎてはならず、得られる光学応答を妨害しないように0.03μm未満であることが好ましい。得られた被膜の光学特性(透過率、反射率)は、カップリング剤の有無に関わらず同一又は実質的に同一である。
【0049】
この塗膜を乾燥後、このようにしてカップリング剤を塗布した基板を、約100〜200℃の温度、好ましくは約120℃の温度で熱処理に附して、基板上のこの塗膜上に付着させるフッ素化ポリマーの付着性を増加できる。
【0050】
続いて、上記したフッ素化ポリマー溶液を、カップリング剤を塗布した基板上に、本発明の方法に準じて付着できる。
【0051】
カップリング剤は、フッ素化ポリマーからなる層のシリカ系基板への付着性を高める。
【0052】
フッ素化ポリマーを付着後、前記塗布基板を、続いて100〜300℃の温度で熱処理して接着性を高めることができる。
【0053】
本発明の方法により得られるフッ素化ポリマーからなる層又は被膜は、基板がなんであれ緻密であり、疎水性であり、湿気に対する基板の良好な保護バリヤー及び可能性のある溶媒のスプラッシュに対する基板の良好な保護バリヤーを構成する。
【0054】
この層は、損傷なく拭くことができ、且つ化学的洗浄、例えば、過フッ素化溶媒及び/又はフッ化水素酸水溶液を用いることにより、表面を研磨する必要なく基板の表面から容易に除去できるという利点がある。
【0055】
本発明の方法の別の利点は、軟質及び熱脆性基板の反射防止処理もできることである。
【0056】
本発明の方法の別の利点は、続いての熱処理をすることなく、且つ周囲温度及び大気圧で、単一の単分子層の付着により基板の反射防止処理ができることである。
【0057】
また、本発明の方法は、例えば、レーザチェインにおける周波数変換に使用されるKDP結晶にも適用できる。
【0058】
また、本発明は、有機物又は無機物からなる基板と、前記基板の表面上に付着させた低屈折率のフッ素化ポリマーからなる層とを含んでなる、反射防止性を有する材料に関する。
【0059】
この基板及びフッ素化ポリマーは、上記したものである。
【0060】
本発明による材料は、基板表面とフッ素化ポリマー層との間にカップリング剤からなる層をさらに有していてもよい。このカップリング剤からなる層は、上記したものでもよい。
【0061】
前記フッ素化ポリマーが屈折率nを有し且つ波長λで目的光透過率を有するとき、前記フッ素化ポリマーからなる層を、下式
e=λ/4n
で表される厚さで付着させる。
【0062】
フッ素化ポリマーの屈折率は、好ましくは約1.2〜約1.4の範囲であり、好ましくはこの屈折率は、約1.3である。
【0063】
フッ素化ポリマーからなる層の厚さは、紫外、近赤外範囲、特にフッ素化ポリマーがポリテトラフルオロエチレンの誘導体(260≦λ≦1560nm)であるとき、好ましくは50〜300nmの範囲内にある。
【0064】
さらに、基板が重水素化されていてもいなくてもよいリン酸二水素カリウム結晶であるときには、本発明の材料は、ポッケルスセルの製造に使用できる複屈折結晶からなる。この塗膜を使用することにより、このようなセルに従来から使用されていたインデクシング液とケーシングが単純なフッ素化ポリマー層に置き換わるので、このようにして製造されたポッケルスセルの操作及び保守がかなり簡略化できる。
【0065】
実際に、本発明によるフッ素化ポリマーからなる層は、基板を湿気から極めて良好に保護する。この層は、例えば、ポッケルスセルにおいて、従来のポッケルスセルと比較して、重水素化されていてもいなくてもよいKDP結晶の使用期間を数ヶ月延長できる。
【0066】
さらに、フッ素化ポリマーからなる層は、ポッケルスセルに、98%を超える透過率を付与する。これは、未処理KDP結晶と比較して6〜7%の向上であり、したがって、増幅器での挿入損失が低下する。
【0067】
同様及び実際にこれを超える透過率が、ケイ酸塩基板について観察された。
【0068】
また、フッ素化ポリマーからなる層は、基板、例えば、KDP結晶又はケイ酸塩ガラスに、優れた耐レーザ束性を付与し、ナノ秒下、1053nmで25J/cm2超、351nmで15J/cm2超の線束によっても損傷されない。
【0069】
その結果、本発明による材料は、パワーレーザに使用するのに適当である。
【0070】
以下の非限定的な、単一の添付図面を参照した実施例による好ましい実施態様の説明から、本発明はよりよく理解できるであろう。
【0071】
本発明の実施例
[本発明の方法によるリン酸塩基板の反射防止処理の例]
本実施例では、本発明の方法によりKDP結晶を処理する。
【0072】
反射防止被膜を付着させる前に、KDPを、ケロシン浴、次にトルエンに浸漬することにより洗浄する。次に、テトラクロロエチレンですすいだ後、軟質光学紙で拭く。
【0073】
本発明による反射防止処理のために使用されたフッ素化ポリマーは、2,2−ビストリフルオロメチル−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソールとテトラフルオロエチレンとの重合により得られるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からのコポリマーである。これは、デュポン社から販売されている商品(登録商標:TEFLON AF1600)から得られる。
【0074】
このフッ素化ポリマーは、過フッ素化溶媒(商標:FLUORINETシリーズFC、3M社)を4重量%の濃度で溶解して付着溶液を調製する。
【0075】
この付着溶液を、使用前に、Whatman(登録商標)社製ポリプロピレンフィルターを用いて濾過する。
【0076】
付着溶液のKDP結晶への付着は、クラス1000クリーンルームにおいて、浸漬−取り出し法により実施する。付着後、フッ素化ポリマー層を、周囲温度で乾燥することにより、本発明によるKDP結晶とフッ素化ポリマー層とからなる反射防止性を有する材料が得られる。
【0077】
得られたポリマー層は、緻密且つ疎水性であり、損傷なしに拭くことができる。また、このポリマー層は、耐剥離性を有するという利点がある(標準接着テープ試験US−MIL−A−AA−113B)。
【0078】
光透過率測定を、波長(単位:nm)との関係において、本発明によりフッ素化ポリマー層を表面上に付着させたKDP結晶(KDP+フッ素化ポリマー)についてと、比較例として、従来技術によりゾルゲル層を表面上に付着させたKDP結晶(KDP+ゾルゲル)についてとむきだしのKDP結晶について実施する。
【0079】
これらの測定結果を、単一の添付図面に示す。曲線1は、本発明によるKDP結晶+フッ素化ポリマーについての光透過率測定値であり、曲線3は、従来技術のKDP結晶+ゾルゲルについての光透過率測定値であり、曲線5は、むきだしのKDP結晶についての光透過率測定値である。
【0080】
ガラス質基板上の反射防止塗膜として使用すると、上記処理により、防汚効果及び防雨効果により洗浄をかなり簡略化できると同時に、99%以上の最大光透過率(未処理基板と比較して6〜7%の向上)を得ることができる。
【0081】
さらに、本発明の処理により、接触角が90度を超える非常に優れた疎水性及び疎油性を有する反射防止層が形成できる。
【図面の簡単な説明】
唯一の図は、むきだしのKDP結晶、多孔性ゾルゲル層を有するKDP結晶及びフッ素化ポリマー層を有するKDP結晶の光透過率を入射波長(単位;nm)との相関で測定した結果を比較したグラフである。

Claims (13)

  1. 約1.2〜約1.4の範囲の低屈折率を有するフッ素化ポリマーからなる反射防止層を、前記フッ素化ポリマーを含む付着溶液から、前記フッ素化ポリマーの屈折率がnであって波長λで最適光透過率を有するとき、下式
    e=λ/4n
    で表される厚さで、リン酸塩基板上に付着させる工程を有することを特徴とするリン酸塩基板の反射防止処理方法。
  2. 前記フッ素化ポリマーが、前記付着溶液中の濃度が0.1〜10重量%であるポリテトラフルオロエチレンの誘導体である請求項1に記載の方法。
  3. 前記フッ素化ポリマーが、前記付着溶液中の濃度が2〜5重量%であるポリテトラフルオロエチレンの誘導体である請求項1に記載の方法。
  4. 前記付着溶液が、ペルフルオロ−アルキルアミン、ペルフルオロ−ポリエーテル及びペルフルオロ−アルカンを含む群から選択される過フッ素化溶媒を含んでなり、前記ポリテトラフルオロエチレンの誘導体が、テトラフルオロエチレンと2,2−ビストリフルオロメチル−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソールとの混合物の共重合から得られるフッ素化ポリマーを含む群から選択されたものである請求項2又は3に記載の方法。
  5. 前記リン酸塩基板が、リン酸塩ガラス及び重水素化されていてもされていなくてもよいリン酸二水素カリウム結晶から選択されたものである請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. リン酸塩基板、及び、約1.2〜約1.4の範囲の低屈折率を有するフッ素化ポリマーからなる反射防止層を有し、
    前記フッ素化ポリマーの屈折率がnであって波長λで最適光透過率を有するとき、前記フッ素化ポリマーからなる層が下式
    e=λ/4n
    で表される厚さを有し、
    前記フッ素化ポリマーからなる層が前記基板の表面上に付着されている反射防止性を有する材料。
  7. 前記フッ素化ポリマーからなる層が、紫外−近赤外範囲における四分の一波長の光学層の厚さに相当する厚さ、50〜300nmを有する請求項6に記載の材料。
  8. 前記フッ素化ポリマーの屈折率が、約1.3である請求項7に記載の材料。
  9. 前記フッ素化ポリマーが、ポリテトラフルオロエチレンの誘導体である請求項6〜のいずれかに記載の材料。
  10. 前記フッ素化ポリマーが、テトラフルオロエチレンと2,2−ビストリフルオロメチル−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソールとの混合物の共重合から得られるフッ素化ポリマーである請求項6〜のいずれかに記載の材料。
  11. 前記リン酸塩基板が、リン酸塩ガラス及び重水素化されていてもされていなくてもよいリン酸二水素カリウム結晶から選択されたものである請求項6〜1のいずれかに記載の材料。
  12. 請求項1に記載の材料を含んでなる複屈折結晶。
  13. 請求項1に記載の材料を含んでなるポッケルスセル。
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