JP2007111097A - 洗濯機 - Google Patents
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Abstract
【課題】洗濯途中で運転モードの設定変更があったとしても、それに影響されることなく糸屑フィルタの糸屑詰まり判定が実行され、表示される洗濯機を提供する。
【解決手段】洗濯機1は、運転を司る制御装置80と、表示部101と、洗濯水を排水する排水管64に設けられた糸屑フィルタ62と、洗濯水の水位を検知する水位検知手段(水位センサ69及び水位検知回路91)を備える。制御装置80は、排水時の水位変化量に基づき糸屑フィルタ62の糸屑詰まりを判定し、糸屑詰まり時には表示部101にその旨の表示を行わせる。糸屑詰まり判定は排水期間中所定時間毎に繰り返され、最後の判定に基づき糸屑詰まりの表示がなされる。
【選択図】図2
【解決手段】洗濯機1は、運転を司る制御装置80と、表示部101と、洗濯水を排水する排水管64に設けられた糸屑フィルタ62と、洗濯水の水位を検知する水位検知手段(水位センサ69及び水位検知回路91)を備える。制御装置80は、排水時の水位変化量に基づき糸屑フィルタ62の糸屑詰まりを判定し、糸屑詰まり時には表示部101にその旨の表示を行わせる。糸屑詰まり判定は排水期間中所定時間毎に繰り返され、最後の判定に基づき糸屑詰まりの表示がなされる。
【選択図】図2
Description
本発明は糸屑フィルタを備えた洗濯機に関する。
洗濯機で洗濯を行うと、洗濯物より洗濯水(洗い工程で使用する水と、すすぎ工程で使用する水を総称して、本明細書では「洗濯水」と呼ぶ)の中に糸屑が流れ出す。その糸屑が洗濯物に再付着したり、排水と共に流れ出して下水管路を詰まらせたりするのを防ぐため、殆どの洗濯機には糸屑フィルタが設けられている。
洗濯機を長く使用していると糸屑フィルタへの糸屑付着量が増え、やがては糸屑フィルタが糸屑で詰まるに至る。糸屑フィルタが詰まったのに気付かないで洗濯機の使用を続けると、排水できないため運転停止したり、十分に脱水できなかったりする。排水ポンプを備えた機種の場合は排水ポンプモータの過熱といった問題まで起こりかねない。
そこで、糸屑フィルタが詰まったときにそれを報知する手段を備えた洗濯機が提案されている。例えば特許文献1に記載された洗濯機は、洗濯工程終了時、排水手段を駆動しながら水位検知手段により検知した所定時間あたりの水位の変化量が所定値以下のとき、糸屑フィルタの糸屑詰まりによる排水能力の低下と判定し、報知する。特許文献2に記載された洗濯機は、排水ポンプが運転を開始してから所定時間が経過した時点における水槽の水位が第1設定値を越えている場合は糸屑フィルタの糸屑詰まりの発生の報知を行い、その時点から更に一定の時間が経過しても水槽の水位が第2設定値を越えている場合はエラー報知を行う。特許文献3に記載された洗濯機は、使用初期に排水能力を検知し、この排水能力を加味して、その後の糸屑フィルタの糸屑詰まりを判定する。
特開平11−262595号公報(段落[0048]−[0056]、図8)
特許第3188059号公報(段落[0024]、図3−6)
特開2004−344594号公報(段落[0033]−[0038]、図8)
特許文献1に記載された洗濯機は、所定時間毎に水位の変化量を調べ、変化量が所定値を下回るという結果が所定回数連続した場合に糸屑詰まりと判定している。この方式だと、所定回数を数える前に運転モードが切り替わった場合、それまでの検知結果がクリアされる。その時点で現実に糸屑フィルタが糸屑で詰まっていたとしても、それは報知されない。
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、洗濯途中で運転モードの設定変更があったとしても、それに影響されることなく糸屑フィルタの糸屑詰まり判定が実行され、表示される洗濯機を提供することにある。
(1)上記目的を達成するために本発明の洗濯機は、洗濯機の運転を司る制御装置と、表示部と、洗濯水を排水する排水管に設けられた糸屑フィルタと、洗濯水の水位を検知する水位検知手段とを備え、前記制御装置は、排水時の水位変化量に基づき前記糸屑フィルタの糸屑詰まりを判定し、糸屑詰まり時には前記表示部にその旨の表示を行わせる洗濯機において、前記糸屑詰まり判定は排水期間中所定時間毎に繰り返され、最後の判定に基づき前記表示がなされることを特徴としている。
この構成によると、排水がどのようなタイミングで終了しようとも「最後の判定」は必ず存在するから、糸屑フィルタが詰まっていたにもかかわらず表示がなされなかったという不都合を生じることがない。
(2)また本発明は、上記構成の洗濯機において、水位変化量が所定値未満の場合、前記制御装置は前記表示部に排水エラー表示を行わせることを特徴としている。
この構成によると、排水不具合の原因が単なる糸屑フィルタの糸屑詰まりなのか、それとも他に原因があるのかを知ることができる。
(3)また本発明は、上記構成の洗濯機において、糸屑詰まり判定基準が調整可能であることを特徴としている。
この構成によると、排水の流出のしやすさなどの洗濯機設置条件を勘案して、真に糸屑詰まりが生じているときだけ表示を行わせるようにすることができる。
本発明によると、洗濯途中で運転モードの設定変更があったとしても、現実に糸屑フィルタが糸屑詰まりしていれば必ずそのことは判定され、表示されるものである。
以下、本発明の実施形態を図1−9に基づき説明する。
図1は洗濯機の外観斜視図、図2はその垂直断面図である。洗濯機1は乾燥機能付きのものであり、箱形の本体10を有する。本体10の内部には、水槽20と、洗濯対象であり乾燥対象でもある洗濯物を収容するドラム30とが配置されている。水槽20もドラム30も円筒形で、それぞれ一方の端面に洗濯物投入口21、31を有する。
ドラム30の底部中心からは外向きに軸32が突出する。この軸32が水槽20の底部中心に設けられた軸受22に支えられることにより、ドラム30と水槽20とはドラム30を内、水槽20を外とする同心配置となる。
水槽20及びドラム30は、図示しないサスペンション機構により軸線が水平かやや斜めになるように本体10内で支持される。この実施形態では水槽20とドラム30の軸線は水平面に対し角度θ(例えば15゜)の傾斜をなし、洗濯物投入口21、31の方がやや持ち上がった形になっている。これはドラム30の内部を見やすくするのと、洗濯物の出し入れを容易にするためである。
上記のように水槽20及びドラム30は回転軸が水平線と交差するものであり、その交差角θは0゜〜30゜の範囲が想定されているが、角度範囲に特に限定はない。
本体10の正面側外壁には、洗濯物投入口21、31と向かい合うように開口11が設けられている。開口11の前面には横開きの扉12が設けられる。本体10に設けた扉ロック装置(機構は図示しない)により、扉12を閉じた状態でロックすることができる。
軟質合成樹脂又はゴムよりなるドアパッキン13が開口11と洗濯物投入口21とを連結する。ドアパッキン13はドラム30の中で生じる水の飛沫や濡れた洗濯物を出し入れする際の水のしたたり、あるいは洗濯物投入口21からの溢水などが本体10の内部を濡らすのを防ぐ。
ドアパッキン13の内周面には環状のリップ14が一体形設されていて、これが扉12の内面に設けられた突部15の外周に密着し、ドアパッキン13と扉12の隙間から水が漏れるのを防ぐ。突部15はドラム30の中の洗濯物が洗濯物投入口21からはみ出さないようにする役割を担う。突部15を透明材料で形成し、ドラム30の内部を見通せるようにしておいてもよい。
ドラム30の周壁には多数の脱水孔33が形設されている。この脱水孔33を通じドラム30と水槽20との間を洗濯水が行き来する。ドラム30の内周面には複数のバッフル34が所定間隔で設けられている。バッフル34はドラム30の回転に伴い洗濯物を引っかけては持ち上げ、上の方から落下させる。
ドラム30の外面及び洗濯物投入口31にはバランスウェイト35が取り付けられる。図2には洗濯物投入口31に取り付けられた環状のバランスウェイト35のみ示し、ドラム30の外面に取り付けられたバランスウェイトは図示していない。バランスウェイト35はドラム30が高速回転したときに発生する振動を抑制するものである。
水槽20の底部外面にはドラム駆動モータ40が取り付けられている。ドラム駆動モータ40はダイレクトドライブ形式のものであり、そのロータにドラム30の軸32が連結固定される。なお前記軸受22はドラム駆動モータ40のハウジングに取り付けられ、ドラム駆動モータ40の構成要素の一部となっている。
水槽20の上方の空間には電磁的に開閉する給水弁50が配置されている。給水弁50には水道水などの上水を供給する給水ホース51が接続されている。給水弁50は3連式のものであり、1個の入力ポートと3個の出力ポートを備え、出力ポート毎に独立して給水と止水が可能である。
給水弁50の3個の出力ポートのうち、第1のものと第2のものは、洗濯物投入口31に面する箇所に設けられた給水ノズル52を通じてドラム30に給水するのに用いられる。第1の出力ポートは図示しない洗剤投入ボックスを経由して給水ノズル52に接続されている。第2の出力ポートは図示しない仕上剤投入ボックスを経由して給水ノズル52に接続されている。第3の出力ポートは乾燥運転の際に除湿用の水を供給するのに用いられるものであり、除湿用噴霧ノズル53に接続されている。除湿用噴霧ノズル53については後で説明する。
水槽20の最も低くなった箇所には排水口23が設けられ、ここに排水管60の一端が接続される。排水管60の他端はフィルタケーシング61に接続される。フィルタケーシング61の中には糸屑フィルタ62が挿入されている。糸屑フィルタ62は合成樹脂の網や布により形成され、水中の糸屑を捕集する。フィルタケーシング61の一端は着脱自在なキャップ63で閉ざされており、キャップ63を取り外して糸屑フィルタ62を掃除したり、交換したりすることができる。
フィルタケーシング61には排水管64を接続し、糸屑フィルタ62を通過した排水を本体10の外に排出する。排水管64には排水ポンプ65が設けられている。
排水管64には、糸屑フィルタ62と排水ポンプ65の間の箇所に循環ポンプ66が設けられている。循環ポンプ66は糸屑フィルタ62を通過した水を戻り管67を通じて給水ノズル52に戻す働きをする。
排水ポンプ65は弁兼用であって、運転停止時には水を通さない。これに対し循環ポンプ66には弁の機能はなく、運転していないかぎり水は自由に下流側へ流れる。
フィルタケーシング61にはエアトラップ61aが設けられる。エアトラップ61aから導出された導圧パイプ68の上端には水位検知手段の構成要素である水位センサ69が設けられている。水位センサ69はエアトラップ61a内の圧力変化に応じて磁性体をコイル内で移動させ、その結果生じるコイルのインダクタンス変化を発振周波数の変化として検出し、この発振周波数の変化から水位を読みとるものである。読みとるのは水槽20の中の洗濯水の水位である。
洗濯・すすぎ・脱水を経た洗濯物はドラム30の中で乾燥される。ドラム30及びこれを囲む水槽20の内部は密閉乾燥室70となる。すなわち洗濯物は、洗濯機1の外から取り入れた空気によってではなく、洗濯機1の内部を循環する空気によって乾燥される。
上記のような循環乾燥を可能にするため、水槽20の外側に循環ダクト71が形成されている。循環ダクト71の一端は水槽20の排水口23の近傍に接続され、他端はドアパッキン13の上部に接続される。循環ダクト71の途中には送風機72と、乾燥用空気の加熱手段であるヒータ73が設けられる。送風機72は密閉乾燥室70の空気を水槽20の底部から吸い込み、吸い込んだ空気をドアパッキン13の上部から密閉乾燥室70に戻す。ヒータ73は送風機72の下流にあって、密閉乾燥室70に吹き込まれる空気を加熱する。
循環ダクト71を流れる空気は除湿手段によって除湿される。本実施形態では除湿用噴霧ノズル53が除湿手段を構成する。循環ダクト71は、水槽20の底部から立ち上がってドアパッキン13の方へと向きを変える屈曲点のあたりで流路断面積が広がっており、この箇所が冷却室74となっている。この冷却室74に除湿用噴霧ノズル53が設置される。
除湿用噴霧ノズル53は水を細かい水滴にして冷却室74に噴霧する。水滴の大きさは、送風機72に吸い込まれることなく重力で落下して水槽20に流入する程度に設定される。
本体10の前部上面には操作パネル100が設けられる。操作パネル100には表示部とキー入力部が配置されるが、その詳細は後で説明する。
操作パネル100に近接して、本体10の内部には制御装置80が配置される。図3に制御装置80の構成を示す。制御装置80の主たる構成要素はマイクロコンピュータ81である。マイクロコンピュータ81は制御部と演算部を有する中央演算ユニット82の他、RAM83、ROM84、及び入出力部85を備えている。中央演算ユニット82にはカウント部86及びタイマー87が付属する。また、電源回路88とリセット回路89がマイクロコンピュータ81に接続されている。電源回路88は商用電源の電圧を各回路に適した電圧に変換し供給するものである。
マイクロコンピュータ81はROM84に記憶されているプログラムに従って各種の制御を行う。カウント部86は運転時間等をカウントし、カウントした時間等はRAM83に一時的に保持される。リセット回路89はマイクロコンピュータ81の初期化を行う。
入出力部85には次の要素が接続される。すなわち記憶手段を構成する不揮発性メモリ90、水位センサ69と共に水位検知手段を構成する水位検知回路91、キー入力部92、状態検知回路93、負荷駆動回路94、表示部101、及びブザー102である。
不揮発性メモリ90は運転条件、時刻、電力料金割引時間帯等のデータを記憶する。水位検知回路91は水位センサ69からの信号に基づき水位を数値として出力する。状態検知回路93はドラム駆動モータ40の回転位置検出センサや機内温度センサ(いずれも図示せず)など各種センサからの信号をデジタル信号に変換する。
負荷駆動回路94には次の負荷が接続される。すなわちドラム駆動モータ40、給水弁50、排水ポンプ65、循環ポンプ66、送風機72、及びヒータ73である。
制御装置80は、異常が生じたことを報知手段により使用者に報知する。報知手段を構成するのは表示部101及びブザー102である。ブザー102はキー操作が行われたときや洗濯終了時にも鳴動する。
水位検知回路91、キー入力部92、状態検知回路93などから出力される信号は、ROM84に記憶されているプログラムに従ってマイクロコンピュータ81で演算処理される。その処理結果に基づきマイクロコンピュータ81は負荷駆動回路94、表示部101、及びブザー102に信号を出力し、洗濯機1における一連の工程を実行する。
図4に操作パネル100のレイアウトを示す。操作パネル100の中で、上部のやや左に寄った部分が表示部101となり、それ以外の部分がキー入力部92となる。
表示部101には次の機能別表示部が配設される。すなわち進行表示部111、コース表示部112、及び糸屑フィルタ糸屑詰まり表示部113である。
進行表示部111は洗濯機1が洗濯の各工程(「洗い」「すすぎ」「脱水」「乾燥」)のどの工程にあるか、また運転予約がなされているかどうかを表示する。コース表示部112は3種類の運転コース(「標準」「毛布」「ドライ」)のいずれが選択されたかを表示する。糸屑フィルタ糸屑詰まり表示部113は糸屑フィルタ62が糸屑詰まり状態になったかどうかを表示する。各表示部の表示素子にはLEDや液晶パネルを使用する。
キー入力部92にはメンブレンスイッチタイプの入力キーが次のように配置されている。まず操作パネル100の右端に、電源キー120とスタートキー121が上下に並ぶ形で配置されている。電源キー120の左側には各種設定キー、すなわちロック解除キー122、予約キー123、洗いマニュアルキー124、すすぎマニュアルキー125、脱水マニュアルキー126、乾燥マニュアルキー127、及びコースキー128が横一列に配置されている。
電源キー120は電源を入れたり切ったりするのに用いる。スタートキー121は洗濯機1の動作をスタートさせたり一時停止させたりするのに用いる。ロック解除キー122は扉12のロックを解除するのに用いる。予約キー123はタイマによる予約運転を設定するのに用いる。洗いマニュアルキー124は洗い工程の運転内容を設定するのに用いる。すすぎマニュアルキー125はすすぎ工程の運転内容を設定するのに用いる。脱水マニュアルキー126は脱水工程の運転内容を選択するのに用いる。乾燥マニュアルキー127は乾燥工程の運転内容を選択するのに用いる。コースキー128は洗濯物の種類や汚れ具合に応じて運転コースを選択するのに用いる。
続いて洗濯機1の動作を説明する。まず扉12を開け、ドラム30の中に洗濯物を入れる。洗剤投入ボックス(図示せず)の中には洗剤を入れる。必要なら仕上剤投入ボックス(図示せず)の中に仕上剤を入れる。
洗剤の投入準備を整えた後、扉12を閉じ、操作パネル100の操作に移る。電源キー120を「入」にし、スタートキー121を押せば、洗濯機1の動作がスタートする。洗濯機1の運転は前もって設定されていた標準運転モード(毛布やウール製品などの特殊な洗濯物以外の洗濯物に関し、量、布質、水位などを自動的に判断し、洗濯から脱水までの自動運転を行うモード)で行われるが、スタートキー121を押す前に各種入力キーを操作することにより、標準運転モード以外の任意のモードに設定し直すことも可能である。
スタートキー121からの信号を受け、マイクロコンピュータ81は負荷駆動回路94に信号を送って負荷の駆動を開始する。まず、水槽20の中の水が所定水位に達したことを水位センサ69により水位検知回路91が検知するまで給水が行われる。給水は給水弁50の第1の出力ポートを使って行われ、水は洗剤投入ボックスの中の洗剤を溶かし込みつつ給水ノズル52よりドラム30に注がれる。この時排水ポンプ65は運転停止状態にあり、排水管64を閉ざしている。水位検知回路91が設定水位を検知したら給水弁50は閉じる。そして洗い工程が開始される。
最初は「なじませタンブリング」の段階であり、ドラム30が低速で回転する。洗濯物はゆっくりしたペースで水から持ち上げられては再び水の中に落下する。「なじませタンブリング」の目的は、洗濯物に水を十分に吸収させることと、洗濯物の各所にとらわれていた空気を逃がすことである。
「なじませタンブリング」の段階が終了したら、ドラム30は「洗いタンブリング」の段階に移る。ドラム30は「なじませタンブリング」の時よりも速い速度で回転し、洗濯物を高く持ち上げては落下させる。この落下時の衝撃により洗濯物の繊維の間に洗剤を溶かした水の噴流が発生し、洗濯物が洗われる。
「洗いタンブリング」の間中、循環ポンプ66を運転する。これにより水槽20の中の水は、排水管60→糸屑フィルタ62→循環ポンプ66→戻り管67→給水ノズル52という経路で循環し、水中の糸屑は糸屑フィルタ62により捕捉される。すすぎ工程でも同様に循環ポンプ66の運転を行う。
「洗いタンブリング」の段階が終了した後、「バランス工程」に移る。「バランス工程」ではドラム30がゆるやかに回転する。ドラム30がゆるやかに回転した場合、洗濯物は高い位置に持ち上げられる前に、低い位置でドラム30から離れて落下する。このため洗濯物は、高い位置から落下したときのようにドラム30の内壁にたたきつけられてぺたりとへばりつくようなことがなく、むしろドラム30の内壁を転がるような感じになり、洗濯物同士比較的ふんわりと重なる。この状態だとドラム30が高速の脱水回転を始めたときに洗濯物が四方に分散しやすい。すなわちバランスをとりやすい。このような理由で、ドラム30をゆるやかに回転させて洗濯物をほぐし、脱水回転に備えるのである。
洗い工程終了後、脱水工程を経てすすぎ工程に移行する。脱水工程では循環ポンプ66が運転を停止し、排水ポンプ65が運転を開始する。排水ポンプ65が運転を開始すると水槽20の中の水は排水管64を通じて機外に排水される。
所定時間が経過し、洗濯物から大部分の水が抜けたところで、ドラム30が比較的低速の回転を開始する。洗濯物に含まれる水は遠心力で振り切られ、排水口23を通じて水槽20の外へ排水される。低速脱水の後、高速脱水に移り、水を十分に振り切る。それからドラム30は停止する。排水ポンプ65も停止し、水槽20にすすぎ水を溜める態勢を整える。
脱水後の洗濯物に対し、すすぎ水を給水する。通常の場合、給水弁50は第1の出力ポートを通じて給水を行う。水槽20の中の水位が設定水位に達すると給水は停止され、すすぎ工程が開始される。
最初、洗い工程と同様に「なじませタンブリング」の段階があり、その後「すすぎタンブリング」の段階に移る。ドラム30は洗濯物を水にくぐらせては持ち上げ、落下させる。これにより洗濯物のすすぎが行われる。
「すすぎタンブリング」の段階が終了した後、洗い工程と同様に「バランス工程」を経て脱水工程に移る。すすぎ工程は設定回数だけ繰り返される。
洗濯物を仕上剤で仕上げるときは、給水弁50の第2の出力ポートを適宜のタイミングで開き、仕上剤投入ボックスの中の仕上剤をすすぎ水に投入する。
上記説明では水槽20の中にすすぎ水をためておいてすすぎを行う「ためすすぎ」を実行するものとしたが、常に新しい水を補給する注水すすぎ、あるいは洗濯物に水のシャワーを注ぎかけるシャワーすすぎを行うこととしてもよい。
最終のすすぎ工程と、それに引き続く脱水工程が終了した後、乾燥工程に移行する。乾燥工程では、ドラム30を低速で回転させつつ送風機72とヒータ73に通電する。送風機72は密閉乾燥室70と循環ダクト71を循環する循環気流を形成し、ヒータ73はその循環気流を加熱する。タンブリングされる洗濯物は加熱されて温風となった循環気流に曝され、水分を奪われる。
制御装置80は図示しない温度センサと湿度センサにより密閉乾燥室70内の温度と湿度をモニターし、適宜のタイミングで給水弁50の第3の出力ポートを開いて除湿用噴霧ノズル53に給水する。給水された除湿用噴霧ノズル53は除湿水の噴霧を発生する。除湿水の噴霧は前述のように比較的大きな水滴により構成されるものであり、水滴は循環気流によって送風機72の方に吹きやられることなく落下する。落下する水に循環気流が接触すると循環気流の温度が低下し、循環気流中の水分が凝縮する。凝縮した水分は除湿水と一体化して循環ダクト71を流下し、水槽20に入る。そして排水口23から排水される。
乾燥工程は、所定時間が経過するまで、あるいは循環気流の湿度が所定値まで下がったことを湿度センサが検知するまで、続けられる。乾燥工程が終わりを迎えたら全工程の終了であり、洗濯機1は停止する。
上記動作は図5のフローチャートに基づき進行する。
図5において、フローの最初の段階は「電源キー入力待ち状態」である。「電源キー入力待ち状態」とは、制御装置80に電力が供給されているが、電源キー120は「切」となっている状態のことである。ステップ#201で電源キー120をONにすると、「電源キー入力待ち状態」から「運転設定可能状態」になり、電源キー120以外のキーの入力を受け付ける態勢が整う。次のステップ#202では表示部101の表示もONになる。ステップ#203では洗いマニュアルキー124、すすぎマニュアルキー125、脱水マニュアルキー126、乾燥マニュアルキー127、コースキー128などを操作して運転条件を設定することができる。
ステップ#204でスタートキー121をONにするとステップ#205に進み、洗濯物の容量センシングが行われる。これはドラム駆動モータ40を一定トルクで回転させて規定回転速度に達するまでの時間と、その後ドラム駆動モータ40への通電を停止してドラム駆動モータ40が自然停止するまでの時間とにより慣性モーメントを算出し、洗濯物の量を決定する工程である。容量センシングの後、ステップ#206で給水工程が実行され、ステップ#207で洗い工程が実行され、ステップ#208で排水工程が実行される。
ステップ#208の後、すすぎに備えてステップ#209で中間脱水工程が実行される。その後、ステップ#210で給水工程が実行され、ステップ#211ですすぎ工程が実行され、ステップ#212で排水工程が実行される。ステップ#213ではステップ#209の中間脱水工程からステップ#212の排水工程に至る一連のすすぎ作業が何回繰り返されたかをチェックする。繰り返し回数が設定された回数に満たなければステップ#209に戻り、再度すすぎ作業を行う。
すすぎ作業が設定回数だけ繰り返されたらすすぎ終了となり、ステップ#214に進む。ステップ#214では脱水工程が実行される。その後ステップ#215で乾燥工程が実行される。乾燥工程終了後、ステップ#216で表示部101の表示がOFFになる。同時にブザー102が終了音を鳴らし、使用者に運転終了を報知する。続いてステップ#217で電源もOFFになり、「電源キー入力待ち状態」に戻る。
ステップ#208やステップ#212の排水工程の間、制御装置80は水位検知回路91からの信号に基づき糸屑フィルタ62に糸屑詰まりが生じたかどうかを判定する。その基本的な動作を図6のフローチャートに基づき説明する。
図6において、ステップ#251で排水ポンプ65が起動すると、ステップ#252で洗濯水の水位データが取得される。この時の水位データを水位データ1とする。ステップ#253では排水完了の状態に至ったかどうかを判定する。この判定も水位データに基づいて行われる。排水完了の状態に至ればステップ#261に進んで排水ポンプ65が停止し、排水工程は終了する。
ステップ#253で排水が完了していないと判定されればステップ#254に進む。ステップ#254では水位変化の検知を終了する段階に至ったかどうかを判定する。まだその段階でないと判定されればステップ#255に進む。ステップ#255ではステップ#252で水位データ1を取得して以来所定時間が経過したかどうかを判定する。所定時間が経過したらステップ#256に進み、現時点での洗濯水の水位データを取得する。この時の水位データを水位データ2とする。
ステップ#257では水位変化量(水位データ1−水位データ2)が所定値以上であるか所定値未満であるかを判定する。所定値以上であれば排水が順調に進んでいるということであり、ステップ#258に進んで「糸屑詰まり無し」の判定を得る。所定値未満であれば排水が順調でないということであり、ステップ#259に進んで「糸屑詰まり有り」の判定を得る。ステップ#258、ステップ#259からステップ#260に進み、今回の水位変化検知を終了する。以後排水完了に至るまでステップ#253からステップ#260のステップを繰り返す。なおステップ#257で水位変化量を求めるときの水位データ1としてはステップ#252で取得したデータが引き続き使用される。
図7には図6のフローチャートの変形実施態様が示されている。すなわち図7のフローにはステップ#254がなく、ステップ#253から直接ステップ#255に進む。またステップ#260がなく、その代わりにステップ#262が置かれている。ステップ#262ではその時点での水位データを水位データ1として取得し、ステップ#257での次回の水位変化量判定に用いる。すなわちステップ#257で水位変化量を求めるときの水位データ1の値は毎回更新されることになる。
図8のフローチャートは、図5の動作フローに糸屑フィルタ62の糸屑詰まり表示を組み入れたものである。乾燥工程終了後、ステップ#216で表示部101の表示がOFFになるのに引き続き、ステップ#218で、排水工程時における糸屑フィルタ62の糸屑詰まり判定をチェックする。ここでチェックするのは図6又は図7の動作フローを通じて得た「糸屑詰まり無し」あるいは「糸屑詰まり有り」の判定であり、しかも何度か繰り返された判定のうち最後の判定である。
ステップ#218でのチェックの結果、「糸屑詰まり無し」であればステップ#217に進み、電源OFFとなる。「糸屑詰まり有り」であればステップ#219に進み、糸屑フィルタ糸屑詰まり表示部113が点灯する。点灯時間をステップ#220でチェックし、所定時間が経過したらステップ#217に進み、電源OFFとなる。
「糸屑詰まり有り」「糸屑詰まり無し」の判定が何度なされようと、採用されるのは最後の判定である。排水がどのようなタイミングで終了しようとも「最後の判定」は必ず存在するから、糸屑フィルタ62が詰まっていたにもかかわらず表示がなされなかったという不都合を生じることがない。
糸屑詰まり判定の基準である水位変化量の所定値は調整可能である。そのため排水の流出のしやすさなどの洗濯機設置条件を勘案して水位変化量の所定値を調整し、真に糸屑詰まりが生じているときだけ表示を行わせるようにすることができる。
図9は排水工程における糸屑フィルタ62の糸屑詰まり判定の他の実施態様を示すフローチャートである。
図9において、ステップ#251で排水ポンプ65が起動すると、ステップ#252で洗濯水の水位データが取得される。この時の水位データを水位データ1とする。ステップ#253では排水完了の状態に至ったかどうかを判定する。この判定も水位データに基づいて行われる。排水完了の状態に至ればステップ#261に進んで排水ポンプ65が停止し、排水工程は終了する。
ステップ#253で排水が完了していないと判定されればステップ#263に進む。ステップ#263では排水ポンプ65の起動以来の累計時間が所定時間に達したかどうかを判定する。所定時間に達していなければステップ#255に進む。ステップ#255ではステップ#252で水位データ1を取得して以来所定時間が経過したかどうかを判定する。所定時間が経過したらステップ#256に進み、現時点での洗濯水の水位データを取得する。この時の水位データを水位データ2とする。
ステップ#256の後、ステップ#266に進む。ステップ#266では水位変化量(水位データ1−水位データ2)が第1の所定値(これを所定値1とする)以上であるかそれ未満であるかを判定する。所定値1以上であれば排水が順調に進んでいるということであり、ステップ#258に進んで「糸屑詰まり無し」の判定を得る。所定値1未満であれば排水が順調でないということであり、この場合はステップ#267に進む。
ステップ#267では水位変化量(水位データ1−水位データ2)が第2の所定値(これを所定値2とする)以上であるかそれ未満であるかを判定する。所定値2は所定値1よりずっと小さい。所定値2以上であれば、排水系統に根本的な問題が生じている「排水エラー」と言う程ではないということであり、ステップ#259に進んで「糸屑詰まり有り」の判定を得る。
ステップ#258で「糸屑詰まり無し」の判定を得るか、ステップ#259で「糸屑詰まり有り」の判定を得るかしたときはステップ#262に進む。ステップ#262ではその時点での水位データを水位データ1として取得し、今回の水位変化検知を終了する。以後排水完了に至るまでステップ#253からステップ#262のステップを繰り返す。
ステップ#262で取得した水位データ1はステップ#266、ステップ#267での次回の水位変化量判定に用いる。すなわちステップ#266、ステップ#267で水位変化量を求めるときの水位データ1の値は毎回更新されることになる。
ステップ#267において、水位変化量が所定値2未満であったときは排水系統に根本的な問題が生じている「排水エラー」であると判定し、ステップ#268で制御装置80は表示部101に「排水エラー」の表示を行わせる。またステップ#269では糸屑詰まりに関する判定をクリアする。そして排水工程を中断し、使用者による処置を待つ。
ステップ#253からステップ#262のステップが繰り返されるものの、ステップ#263で排水ポンプ65の起動以来の累計時間が所定時間に達したと判定されたときにはステップ#264に進む。ステップ#264では制御装置80が表示部101に「排水エラー」の表示を行わせる。これは、ステップ#267で「排水エラー」と判定されることはなかったものの、総体的に見て排水に時間がかかり過ぎ、「糸屑詰まり有り」で済まされるレベルではない、との判断に基づく。ステップ#264の後、ステップ#265で糸屑詰まりに関する判定をクリアし、排水工程を中断して使用者による処置を待つ。
このように、水位変化量が所定値未満の場合、制御装置80は表示部101に排水エラー表示を行わせるので、排水不具合の原因が単なる糸屑フィルタ62の糸屑詰まりなのか、それとも他に原因があるのかを知ることができる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
本発明は、糸屑フィルタを備えた洗濯機に広く利用可能である。
1 洗濯機
10 本体
20 水槽
30 ドラム
40 モータ
50 給水弁
52 給水ノズル
60 排水管
62 糸屑フィルタ
64 排水管
65 排水ポンプ
66 循環ポンプ
67 戻り管
69 水位センサ
71 循環ダクト
72 送風機
73 ヒータ
80 制御装置
91 水位検知回路
100 操作パネル
101 表示部
10 本体
20 水槽
30 ドラム
40 モータ
50 給水弁
52 給水ノズル
60 排水管
62 糸屑フィルタ
64 排水管
65 排水ポンプ
66 循環ポンプ
67 戻り管
69 水位センサ
71 循環ダクト
72 送風機
73 ヒータ
80 制御装置
91 水位検知回路
100 操作パネル
101 表示部
Claims (3)
- 洗濯機の運転を司る制御装置と、表示部と、洗濯水を排水する排水管に設けられた糸屑フィルタと、洗濯水の水位を検知する水位検知手段とを備え、前記制御装置は、排水時の水位変化量に基づき前記糸屑フィルタの糸屑詰まりを判定し、糸屑詰まり時には前記表示部にその旨の表示を行わせる洗濯機において、
前記糸屑詰まり判定は排水期間中所定時間毎に繰り返され、最後の判定に基づき前記表示がなされることを特徴とする洗濯機。 - 水位変化量が所定値未満の場合、前記制御装置は前記表示部に排水エラー表示を行わせることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
- 糸屑詰まり判定基準が調整可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の洗濯機。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2005302760A JP2007111097A (ja) | 2005-10-18 | 2005-10-18 | 洗濯機 |
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-
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- 2005-10-18 JP JP2005302760A patent/JP2007111097A/ja active Pending
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