以下、本発明の実施形態を図1−図13に基づき説明する。
図1は洗濯機の外観斜視図、図2はその垂直断面図である。洗濯機1は乾燥機能付きのものであり、箱形の本体10を有する。本体10の内部には、水槽20と、洗濯対象であり乾燥対象でもある洗濯物を収容するドラム30とが配置されている。水槽20もドラム30も円筒形で、それぞれ一方の端面に洗濯物投入口21、31を有する。
ドラム30の底部中心からは外向きに軸32が突出する。この軸32が水槽20の底部中心に設けられた軸受22に支えられることにより、ドラム30と水槽20とはドラム30を内、水槽20を外とする同心配置となる。
水槽20及びドラム30は、図示しないサスペンション機構により軸線が略水平になるように本体10内で支持される。この実施形態では水槽20とドラム30の軸線は水平面に対し角度θ(例えば15゜)の傾斜をなし、洗濯物投入口21、31の方がやや持ち上がった形になっている。これはドラム30の内部を見やすくするのと、洗濯物の出し入れを容易にするためである。
上記のように水槽20及びドラム30は回転軸が水平線と交差するものであり、その交差角θは0゜〜30゜の範囲が想定されているが、その角度範囲に特に限定はない。
本体10の正面側外壁には、洗濯物投入口21、31と向かい合うように開口11が設けられている。開口11の前面には横開きのドア12が設けられる。本体10に設けた図示しないロック機構により、ドア12を閉じた状態でロックすることができる。
軟質合成樹脂又はゴムよりなるドアパッキン13が開口11と洗濯物投入口21とを連結する。ドアパッキン13はドラム30の中で生じる水の飛沫や濡れた洗濯物を出し入れする際の水のしたたり、あるいは洗濯物投入口21からの溢水などが本体10の内部を濡らすのを防ぐ。
ドアパッキン13の内周面には環状のリップ14が一体形設されていて、これがドア12の内面に設けられた突部15の外周に密着し、ドアパッキン13とドア12の隙間から水が漏れるのを防ぐ。突部15はドラム30の中の洗濯物が洗濯物投入口21からはみ出さないようにする役割を担う。突部15を透明材料で形成し、ドラム30の内部を見通せるようにしておいてもよい。
ドラム30の周壁には多数の脱水孔33が形設されている。この脱水孔33を通じドラム30と水槽20との間を水が行き来する。ドラム30の内周面には複数のバッフル34が所定間隔で設けられている。バッフル34はドラム30の回転に伴い洗濯物を引っかけては持ち上げ、上の方から落下させる。
ドラム30の外面及び洗濯物投入口31にはバランスウェイト(バランサ)35が取り付けられる。図2には洗濯物投入口31に取り付けられた環状のバランスウェイト35のみ示し、ドラム30の外面に取り付けられたバランスウェイトは図示していない。バランスウェイト35はドラム30が高速回転したときに発生する振動を抑制するものである。
水槽20の底部外面にはモータ40が取り付けられている。モータ40はダイレクトドライブ形式のものであり、そのロータにドラム30の軸32が連結固定される。なお前記軸受22はモータ40のハウジングに取り付けられ、モータ40の構成要素の一部となっている。
水槽20の上方の空間には電磁的に開閉する給水弁50が配置されている。給水弁50には水道水などの上水を供給する給水ホース51が接続されている。給水弁50は3連式のものであり、1個の入力ポートと3個の出力ポートを備え、出力ポート毎に独立して給水と止水が可能である。
給水弁50の3個の出力ポートのうち、第1のものと第2のものは、洗濯物投入口31に面する箇所に設けられた給水ノズル52を通じてドラム30に給水するのに用いられる。第1の出力ポートは図示しない洗剤投入ボックスを経由して給水ノズル52に接続されている。第2の出力ポートは図示しない仕上剤投入ボックスを経由して給水ノズル52に接続されている。第3の出力ポートは乾燥運転の際に除湿用の水を供給するのに用いられるものであり、除湿用噴霧ノズル53に接続されている。除湿用噴霧ノズル53については後で説明する。
水槽20の最も低くなった箇所には排水口23が設けられ、ここに排水管60の一端が接続される。排水管60の他端はフィルタケーシング61に接続される。フィルタケーシング61の中には糸屑フィルタ62が挿入されている。糸屑フィルタ62は合成樹脂の網や布により形成され、水中の糸屑を捕集する。フィルタケーシング61の一端は着脱自在なキャップ63で閉ざされており、キャップ63を取り外して糸屑フィルタ62を掃除したり、交換したりすることができる。
フィルタケーシング61には排水管64を接続し、糸屑フィルタ62を通過した排水を本体10の外に排出する。排水管64には排水ポンプ65が設けられている。
排水管64には、糸屑フィルタ62と排水ポンプ65の間の箇所に循環ポンプ66が設けられている。循環ポンプ66は糸屑フィルタ62を通過した水を戻り管67を通じて給水ノズル53に戻す働きをする。
排水ポンプ65は弁兼用であって、運転停止時には水を通さない。これに対し循環ポンプ66には弁の機能はなく、運転していないかぎり水は自由に下流側へ流れる。
フィルタケーシング61にはエアトラップ61aが設けられる。エアトラップ61aから導出された導圧パイプ68の上端には水位センサ69が設けられている。水位センサ69はエアトラップ61a内の圧力変化に応じて磁性体をコイル内で移動させ、その結果生じるコイルのインダクタンス変化を発振周波数の変化として検出し、この発振周波数の変化から水位を読みとるものである。ここで読みとるのは水槽20の中の水位である。
洗濯・すすぎ・脱水を経た洗濯物はドラム30の中で乾燥される。ドラム30及びこれを囲む水槽20の内部は密閉乾燥室70となる。すなわち洗濯物は、洗濯機1の外から取り入れた空気によってではなく、洗濯機1の内部を循環する空気によって乾燥される。
上記のような循環乾燥を可能にするため、水槽20の外側に循環ダクト71が形成されている。循環ダクト71の一端は水槽20の排水口23の近傍に接続され、他端はドアパッキン13の上部に接続される。循環ダクト71の途中には送風機72と、乾燥用空気の加熱手段であるヒータ73が設けられる。送風機72は密閉乾燥室70の空気を水槽20の底部から吸い込み、吸い込んだ空気をドアパッキン13の上部から密閉乾燥室70に戻す働きをする。ヒータ73は送風機72の下流にあって、密閉乾燥室70に吹き込む空気を加熱する働きをする。
循環ダクト71を流れる空気は除湿手段によって除湿される。本実施形態では除湿用噴霧ノズル54が除湿手段を構成する。循環ダクト71は、水槽20の底部から立ち上がってドアパッキン13の方へと向きを変える屈曲点のあたりで流路断面積が広がっており、この箇所が冷却室74となっている。この冷却室74に除湿用噴霧ノズル53が設置される。
除湿用噴霧ノズル53は水を細かい水滴にして冷却室74に噴霧する。水滴の大きさは、送風機72に吸い込まれることなく重力で落下して水槽20に流入する程度に設定される。
本体10の前部上面には操作パネル100が設けられる。操作パネル100には表示装置や各種操作キーが配置されるが、その詳細は後で説明する。
操作パネル16に近接して、本体10の内部には制御装置80が配置される。図3に制御装置80の構成を示す。制御装置80の主たる構成要素はマイクロコンピュータ81である。マイクロコンピュータ81は制御部と演算部を有する中央演算ユニット82の他、RAM83、ROM84、及び入出力部85を備えている。中央演算ユニット82にはカウント部86及びタイマー87が付属する。また、電源回路88とリセット回路89がマイクロコンピュータ81に接続されている。
マイクロコンピュータ81はROM84に記憶されているプログラムに従って各種の制御を行う。カウント部86は運転時間等をカウントし、カウントした時間等はRAM83に一時的に保持される。リセット回路89はマイクロコンピュータ101の初期化を行う。
入出力部85には次の要素が接続される。すなわち時刻計時回路90、記憶手段を構成する不揮発性メモリ91、入力キー回路92、状態検知回路93、負荷駆動回路94、表示装置101、及びブザー103である。
時刻計時回路90は時計として時刻を計時する。時刻計時回路90には電池が搭載されており、電灯回線より電力供給が行われない場合でも計時を行うことができる。不揮発性メモリ91は運転条件、時刻、電力料金割引時間帯等のデータを記憶する。状態検知回路93は水位センサ69等のセンサ類及び、これらのセンサからの信号をデジタル信号に変換する回路を含んでいる。
負荷駆動回路94には次の負荷が接続される。すなわちモータ40、給水弁50、排水ポンプ65、循環ポンプ66、送風機72、及びヒータ73である。
制御装置80は、設定に基づき、電力料金割引時間帯から電力料金非割引時間帯に切り替わったことを、報知手段により使用者に報知する。報知手段を構成するのは制御装置80の中に配置されたブザー103である。
図4に操作パネル100のレイアウトを示す。操作パネル100の上部には液晶パネル等からなる表示装置101が配置される。表示装置101の左端には時刻表示部102があり、その右のスペースに必要に応じ各種表示が現れるようになっている。
表示装置101の外側にはメンブレンスイッチタイプの操作キーが次のように配置されている。まず操作パネル100の右端に、電源キー110とスタートキー111が上下に並ぶ形で配置されている。電源キー110の左側には各種設定キー、すなわち予約キー112、洗いマニュアルキー113、すすぎマニュアルキー114、脱水マニュアルキー115、乾燥マニュアルキー116、及びコースキー117が横一列に配置されている。予約キー112の左側には時刻設定キー118が配置される。時刻設定キー118は「すすむ」キー119aと「もどる」キー119bを備える。
電源キー110は電源を入れたり切ったりするのに用いる。スタートキー111は洗濯機1の動作をスタートさせたり一時停止させたりするのに用いる。予約キー112は洗濯時間を予約設定するのに用いる。洗いマニュアルキー113は洗濯工程の運転内容を設定するのに用いる。すすぎマニュアルキー114はすすぎ工程の運転内容を設定するのに用いる。脱水マニュアルキー115は脱水工程の運転内容を選択するのに用いる。乾燥マニュアルキー116は乾燥行程の運転内容を選択するのに用いる。コースキー117はコースを選択するのに用いる。時刻設定キー118は設定時刻を進めたり遅らせたりするのに用いる。
続いて洗濯機1の動作を説明する。ドア12を開け、ドラム30の中に洗濯物を入れる。洗剤投入ボックス(図示せず)の中には洗剤を入れる。必要なら仕上剤投入ボックス(図示せず)の中に仕上剤を入れる。
洗剤の投入準備を整えた後、ドア12を閉じ、操作パネル100の操作に移る。電源キー110を「入」にし、スタートキー111を押せば、洗濯機1の動作がスタートする。洗濯機1の運転は前もって設定されていた運転モードに従って進行するが、スタートキー111を押す前に各種操作キーを操作して、運転モードの設定を修正することも可能である。設定の仕方については後で説明する。
まず、水槽20の中の水が所定水位に達したことを水位センサ69が検知するまで給水が行われる。この時は給水弁50の第1の出力ポートを使って給水され、水は洗剤投入ボックスの中の洗剤を溶かし込みつつ給水ノズル52よりドラム30に注がれる。この時排水ポンプ65は運転停止状態にあり、排水管64を閉ざしている。水位センサ69が設定水位を検知したら給水弁50は閉じる。そして洗い工程が開始される。
最初は「なじませタンブリング」の段階であり、ドラム30が低速で回転する。洗濯物はゆっくりしたペースで水から持ち上げられては再び水の中に落下する。「なじませタンブリング」の目的は、洗濯物に水を十分に吸収させることと、洗濯物の各所にとらわれていた空気を逃がすことである。
「なじませタンブリング」の段階が終了したら、ドラム30は「洗いタンブリング」の段階に移る。ドラム30は「なじませタンブリング」の時よりも速い速度で回転し、洗濯物を高く持ち上げては落下させる。この落下時の衝撃により洗濯物の繊維の間に洗剤を溶かした水の噴流が発生し、洗濯物が洗われる。
「洗いタンブリング」の間中、循環ポンプ66を運転する。これにより水槽20の中の水は、排水管60→糸屑フィルタ62→循環ポンプ66→戻り管67→給水ノズル52という経路で循環し、水中の糸屑は糸屑フィルタ62により捕捉される。すすぎ工程でも同様に循環ポンプ66の運転を行う。
「洗いタンブリング」の段階が終了した後、「バランス工程」に移る。「バランス工程」ではドラム30がゆるやかに回転する。ドラム30がゆるやかに回転した場合、洗濯物は高い位置に持ち上げられる前に、低い位置でドラム30から離れて落下する。このため洗濯物は、高い位置から落下したときのようにドラム30の内壁にたたきつけられてぺたりとへばりつくようなことがなく、むしろドラム30の内壁を転がるような感じになり、洗濯物同士比較的ふんわりと重なる。この状態だとドラム30が高速の脱水回転を始めたときに洗濯物が四方に分散しやすい。すなわちバランスをとりやすい。このような理由で、ドラム30をゆるやかに回転させて洗濯物をほぐし、脱水回転に備えるのである。
洗い工程終了後、脱水工程を経てすすぎ工程に移行する。脱水工程では循環ポンプ66が運転を停止し、排水ポンプ65が運転を開始する。排水ポンプ65が運転を開始すると水槽20の中の水は排水管64を通じて機外に排水される。
所定時間が経過し、洗濯物から大部分の水が抜けたところで、ドラム30が比較的低速の回転を開始する。洗濯物に含まれる水は遠心力で振り切られ、排水口23を通じて水槽20の外へ排水される。低速脱水の後、高速脱水に移り、水を十分に振り切る。それからドラム30は停止する。排水ポンプ65も停止し、水槽20にすすぎ水を溜める態勢を整える。
脱水後の洗濯物に対し、すすぎ水を給水する。通常の場合、給水弁50は第1の出力ポートを通じて給水を行う。水槽20の中の水位が設定水位に達すると給水は停止され、すすぎ工程が開始される。
最初、洗い行程と同様に「なじませタンブリング」の段階があり、その後「すすぎタンブリング」の段階に移る。ドラム30は洗濯物を水にくぐらせては持ち上げ、落下させる。これにより洗濯物のすすぎが行われる。
「すすぎタンブリング」の段階が終了した後、洗い行程と同様に「バランス工程」を経て脱水工程に移る。すすぎ行程は設定された回数だけ繰り返される。
洗濯物を仕上剤で仕上げるときは、給水弁50の第2の出力ポートを適宜のタイミングで開き、仕上剤投入ボックスの中の仕上剤をすすぎ水に投入する。
上記説明では水槽20の中にすすぎ水をためておいてすすぎを行う「ためすすぎ」を実行するものとしたが、常に新しい水を補給する注水すすぎ、あるいは洗濯物に水のシャワーを注ぎかけるシャワーすすぎを行うこととしてもよい。
最終のすすぎ行程と、それに引き続く脱水工程が終了した後、乾燥工程に移行する。乾燥行程では、ドラム30を低速で回転させつつ送風機72とヒータ73に通電する。送風機72は密閉乾燥室70と循環ダクト71を循環する循環気流を形成し、ヒータ73はその循環気流を加熱する。タンブリングされる洗濯物は加熱されて温風となった循環気流に曝され、水分を奪われる。
制御装置80は図示しない温度センサと湿度センサにより密閉乾燥室70内の温度と湿度をモニターし、適宜のタイミングで給水弁50の第3の出力ポートより除湿用噴霧ノズル53に給水する。給水された除湿用噴霧ノズル53は除湿水の噴霧を発生する。除湿水の噴霧は前述のように比較的大きな水滴により構成されるものであり、水滴は循環気流によって送風機72の方に吹きやられることなく落下する。落下する水に循環気流が接触すると循環気流の温度が低下し、循環気流中の水分が凝縮する。凝縮した水分は除湿水と一体化して循環ダクト71を流下し、水槽20に入る。そして排水口23から排水される。
乾燥行程は、所定時間が経過するまで、あるいは循環気流の湿度が所定値まで下がったことを湿度センサが検知するまで、続けられる。乾燥行程が終わりを迎えたら全行程の終了であり、洗濯機1は停止する。
続いて操作パネル100で時刻設定を行う方法を、図4に加え、図5、6を参照しつつ説明する。図5、6は時刻表示部102の表示態様変遷状況説明図である。
制御部80に電力が供給されているが、電源キー110は「切」となっている状態が「電源キー入力待ち状態」である。ここで電源キー110を押すと、電源キー入力待ち状態から「運転設定可能状態」になり、電源キー110以外のキーの入力を受け付ける態勢が整う。
時刻設定を行う場合は電源キー入力待ち状態で電源キー110と予約キー112の同時
押しを行う。すると時刻設定状態となる。初期表示では図5のように時刻表示部102の「時」側が点滅する。なお図では点の集合からなる数字により点滅状態であることを表現し、黒く塗りつぶした数字により連続表示状態であることを表現している。
時刻設定キー118の「すすむ」キー119aか「もどる」キー119bを押すと、点滅する数字が1ずつカウントアップ、あるいはカウントダウンされる。図5はカウントアップされる状況を示している。所望の数字が出たところで時刻設定キー118から指を離し、スタートキー111を押すと、「時」が確定する。
「時」が確定すると、今度は図6のように「分」側が点滅する。「時」のときと同様、時刻設定キー118を使って所望の数字を選択した後、スタートキー111で「分」を確定する。
時刻を「時」「分」とも確定した後、時刻計時回路90により、確定された時刻から時刻の計時が開始される。その後電源キー110を押せば、運転設定可能状態から電源キー入力待ち状態に戻る。「時刻合わせ」も「タイマ予約」も上記の要領で行う。
洗濯機1は様々な態様で運転される。以下、図7−図13のフローチャートに基づき洗濯機1の運転態様の実施形態を説明する。
第1実施形態が図7に示される。図7のフローでは、運転設定可能状態でスタートキー111を押すことにより、運転がスタートする(ステップ#201)。運転スタート後、不揮発性メモリ91に記憶された電力料金割引時間帯に関するデータと、時刻計時回路90が計時する現在時刻より、現在が電力料金割引時間帯(以下「割引時間帯」と略称する)であるか、電力料金非割引時間帯(以下「非割引時間帯」と略称する)であるかを判定する(ステップ#202)。非割引時間帯であれば「通常運転」が行われる(ステップ#203)。割引時間帯であれば、割引時間帯から非割引時間帯に切り替わったときに報知音を鳴らす「報知運転」が行われる(ステップ#204)。
通常運転(ステップ#203)の運転継続途中で割引時間帯に入ったときは、報知運転(ステップ#204)に切り替えて運転が続けられる。
報知運転を行いつつ、現在が割引時間帯であるかどうかのチェックが行われる(ステップ#205)。割引時間帯から非割引時間帯に入るとブザー103が報知音を鳴らし(ステップ#206)、通常運転に移行する(ステップ#207)。それから運転終了条件が満たされたかどうかの判定が行われ(ステップ#208)、条件が満たされれば運転を終了する(ステップ#209)。条件が満たされなければ通常運転を継続する(ステップ#207)。
またステップ#205において、現在が割引時間帯であったときは、時間経過等により運転終了条件が満たされたかどうかの判定を行い(ステップ#210)、条件が満たされれば運転を終了し(ステップ#209)、条件が満たされなければ報知運転を継続する(ステップ#204)。
図7のフローによると、報知運転の運転継続中に割引時間帯から非割引時間帯に切り替わったとき、ブザー103が報知音を鳴らす(ステップ#206)。これにより使用者は、洗濯機1の運転が割引時間帯から非割引時間帯に入ったことを認識し、その上で、現状のままで運転を継続するか、あるいは運転を停止するかなど、節電を意識した適切な選択を行うことができる。また次回以降の運転(通常の運転あるいはタイマ予約運転)で同じことが繰り返されないよう、運転開始時刻や運転モードの設定を変えるなどの処置をとることができる。
割引時間帯から非割引時間帯に入ったことの報知は、ブザー103による報知音に代え、あるいは報知音に加えて、合成音声で行うこともできる。音声だけでなく、表示装置101に視覚的な表示を出すようにしてもよい。
第2実施形態が図8に示される。図8のフローでは、運転設定可能状態でスタートキー111を押すことにより、運転がスタートする(ステップ#221)。運転スタート後、現在が割引時間帯であるか、非割引時間帯であるかを判定する(ステップ#222)。非割引時間帯であれば通常運転が行われる(ステップ#223)。割引時間帯であれば報知運転が行われる(ステップ#224)。通常運転(ステップ#223)の運転継続途中で割引時間帯に入ったときは、報知運転(ステップ#224)に切り替えて運転が続けられる。
報知運転を行いつつ、現在が割引時間帯であるかどうかのチェックが行われる(ステップ#225)。割引時間帯から非割引時間帯に入るとブザー103が報知音を鳴らし(ステップ#226)、運転は一時停止する(ステップ#227)。
ステップ#225において、現在が割引時間帯であったときは、時間経過等により運転終了条件が満たされたかどうかの判定を行い(ステップ#228)、条件が満たされれば運転を終了し(ステップ#229)、条件が満たされなければ報知運転を継続する(ステップ#224)。
図8のフローによると、報知運転の運転継続中に割引時間帯から非割引時間帯に切り替わったとき、ブザー103が報知音を鳴らす(ステップ#226)。これにより使用者は、洗濯機1の運転が割引時間帯から非割引時間帯に入ったことを認識することができる。その後洗濯機1は、運転を続行することなく、電力使用量の少ない一時停止状態に入る。このため、使用者の意思が確認されないまま運転が続行し、電力が消費されるということがない。また運転は使用者が所望するタイミングで再開することができ、使用者の生活スタイルに合わせて洗濯作業を進めることができる。
第3実施形態が図9に示される。図9のフローでは、運転設定可能状態でスタートキー111を押すことにより、運転がスタートする(ステップ#231)。運転スタート後、現在が割引時間帯であるか、非割引時間帯であるかを判定する(ステップ#232)。非割引時間帯であれば通常運転が行われる(ステップ#233)。割引時間帯であれば報知運転が行われる(ステップ#234)。通常運転(ステップ#233)の運転継続途中で割引時間帯に入ったときは、報知運転(ステップ#234)に切り替えて運転が続けられる。
報知運転を行いつつ、現在が割引時間帯であるかどうかのチェックが行われる(ステップ#235)。割引時間帯から非割引時間帯に入るとブザー103が報知音を鳴らす(ステップ#236)。それから、ヒータ73がONであるかどうか、つまり現在乾燥行程の途中であるかどうかを判定する(ステップ#237)。ヒータ73がONであればヒータ73の出力を下げる(ステップ#238)。ヒータ73がOFFであれば通常運転に切り替えて運転を継続する(ステップ#239)。
ステップ#235において、現在が割引時間帯であったときは、時間経過等により運転終了条件が満たされたかどうかの判定を行い(ステップ#240)、条件が満たされれば運転を終了し(ステップ#241)、条件が満たされなければ報知運転を継続する(ステップ#234)。
ヒータ73の出力を下げた場合も、時間経過等により運転終了条件が満たされたかどうかの判定を行い(ステップ#242)、条件が満たされれば運転を終了し(ステップ#243)、条件が満たされなければヒータ出力を下げた運転を継続する。
図9のフローによると、洗濯物の乾燥が電力料金非割引時間帯に行われるときはヒータ73の出力が下げられる反面、電力料金割引時間帯に行われるときはヒータ73の出力が制限されないので、割引料金の電力を利用して洗濯物の乾燥度を高めることができる。
第4実施形態が図10に示される。図10のフローでは、運転設定可能状態でスタートキー111を押すことにより、運転がスタートする(ステップ#251)。運転スタート後、現在が割引時間帯であるか、非割引時間帯であるかを判定する(ステップ#252)。非割引時間帯であれば通常運転が行われる(ステップ#253)。割引時間帯であれば報知運転が行われる(ステップ#254)。通常運転(ステップ#253)の運転継続途中で割引時間帯に入ったときは、報知運転(ステップ#254)に切り替えて運転が続けられる。
報知運転を行いつつ、現在が割引時間帯であるかどうかのチェックが行われる(ステップ#255)。割引時間帯から非割引時間帯に入るとブザー103が報知音を鳴らす(ステップ#256)。それから、ヒータ73がONであるかどうか、つまり現在乾燥行程の途中であるかどうかを判定する(ステップ#257)。ヒータ73がONであればヒータ73の出力を下げ(ステップ#258)、乾燥行程時間を所定時間だけ延長する(ステップ#259)。ヒータ73がOFFであれば通常運転に切り替えて運転を継続する(ステップ#260)。
乾燥行程時間の延長時間は次のように定める。すなわち非割引時間帯に入った後、ヒータ73の出力を下げないまま運転を継続し、時間延長なしで乾燥行程を終了した場合の使用電力量よりも、ヒータ73の出力を下げ、乾燥行程終了までの時間を延長した場合の使用電力量の方が十分に小となるように設定する。
ステップ#255において、現在が割引時間帯であったときは、時間経過等により運転終了条件が満たされたかどうかの判定を行い(ステップ#261)、条件が満たされれば運転を終了し(ステップ#262)、条件が満たされなければ報知運転を継続する(ステップ#254)。
乾燥行程時間を延長した場合、時間経過等により運転終了条件が満たされたかどうかの判定を行い(ステップ#263)、条件が満たされれば運転を終了し(ステップ#264)、条件が満たされなければヒータ出力を下げた運転を継続する。
図10のフローによると、洗濯物の乾燥が電力料金非割引時間帯に行われるときはヒータ73の出力が下げられる反面、電力料金割引時間帯に行われるときはヒータ73の出力が制限されないので、割引料金の電力を利用して洗濯物の乾燥度を高めることができる。
そしてヒータ73の出力が下げられたときは乾燥工程時間が延長されるので、洗濯物を十分に乾燥させることができる。
第5実施形態が図11に示される。洗濯機1は、割引時間帯から非割引時間帯に切り替わるとき、予め使用者が選択しておいた運転モードに入るものであり、その選択作業のフローが図11に示されている。
図11のフローは、電源キー入力待ち状態から始まる(ステップ#271)。電源キー入力待ち状態で、どのキーが押されるかにより運転モードが選択される。まず、洗いキー113と電源キー110が同時に押されたかどうかを判定する(ステップ#272)。押されていれば運転設定可能状態に移行し、図8のフローを実施するモードになる(ステップ#273)。
洗いキー113と電源キー110の同時押しがなければ、すすぎキー114と電源キー110が同時に押されたかどうかを判定する(ステップ#274)。押されていれば運転設定可能状態に移行し、図9のフローを実施するモードになる(ステップ#275)。
すすぎキー114と電源キー110の同時押しがなければ、乾燥キー116と電源キー110が同時に押されたかどうかを判定する(ステップ#276)。押されていれば運転設定可能状態に移行し、図10のフローを実施するモードになる(ステップ#277)。
洗いキー113と電源キー110の同時押しもなく、すすぎキー114と電源キー110の同時押しもなく、乾燥キー116と電源キー110の同時押しもなければ、電源キー110が単独で押されたかどうかを判定する(ステップ#278)。押されていれば報知運転等を行わない通常運転モードになる(ステップ#279)。
この構成によると、洗濯機1の運転中に電力料金割引時間帯から電力料金非割引時間帯に切り替わったとき、どの運転モードに入るかを使用者の選択で決めておくことができる。このため、生活スタイルに合った態様で洗濯機1を運転することができる。
第6実施形態が図12に示される。図12のフローでは、運転設定可能状態でスタートキー111を押すことにより、運転がスタートする(ステップ#281)。運転スタート後、現在が割引時間帯であるか、非割引時間帯であるかを判定する(ステップ#282)。非割引時間帯であれば通常運転が行われる(ステップ#283)。割引時間帯であれば報知運転が行われる(ステップ#284)。通常運転(ステップ#283)の運転継続途中で割引時間帯に入ったときは、報知運転(ステップ#284)に切り替えて運転が続けられる。
報知運転を行いつつ、現在が割引時間帯であるかどうかのチェックが行われる(ステップ#285)。割引時間帯から非割引時間帯に入るとブザー103が報知音を鳴らし(ステップ#286)、運転は一時停止する(ステップ#287)。一時停止期間に入った後、使用者によって何の操作も行われることなく所定時間が経過したかどうかを判定する(ステップ#288)。所定時間が経過したときは再度報知音を鳴らす(ステップ#286)。
ステップ#285において、現在が割引時間帯であったときは、時間経過等により運転終了条件が満たされたかどうかの判定を行い(ステップ#289)、条件が満たされれば運転を終了し(ステップ#290)、条件が満たされなければ報知運転を継続する(ステップ#284)。
図12のフローによると、洗濯機1の運転中に電力料金割引時間帯から電力料金非割引時間帯に切り替わったことが使用者に所定時間毎に繰り返し報知されるので、使用者は報知を確実に認識し、然るべき処置をとることができる。
第7実施形態が図13に示される。洗濯機1はブザー103を稼働状態にするか休止状態にするかを選択できるものであり、その選択作業のフローが図13に示されている。
図13のフローは、運転設定可能状態から始まる(ステップ#291)。運転設定可能状態で、どのキーが押されるかにより、ブザー103を稼働状態にする、すなわち「報知音あり」にするか、ブザー103を休止状態にする、すなわち「報知音なし」にするかが選択される。まず、スタートキー111が押されたかどうかを判定する(ステップ#292)。押されていれば運転がスタートする(ステップ#293)。
スタートキー111が押されていなければ、予約キー112とコースキー117が同時に押されたかどうかを判定する(ステップ#294)。押されていれば報知運転時でも報知音を鳴らさないモードになる(ステップ#295)。
予約キー112とコースキー117の同時押しがなければ、洗いキー113とコースキー117が同時に押されたかどうかを判定する(ステップ#296)。押されていれば報知運転時に報知音を鳴らすモードになる(ステップ#297)。
スタートキー111が押されていず、予約キー112とコースキー117の同時押しもなく、洗いキー113とコースキー117の同時押しもなければ、再度ステップ#292に戻り、ステップ#292からステップ#297までを繰り返す。
この構成によると、使用者は、洗濯機1の運転中に電力料金割引時間帯から電力料金非割引時間帯に切り替わったことを特に知る必要がないとき、あるいは報知に煩わされないで休みたいときにはブザー103の報知音を止めることができ、使い勝手が良い。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。