JP2007109977A - セラミック基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】積層体を形成する際の圧着時の応力の偏りを低減することが可能で、形状精度の高いキャビティを備えたセラミック基板を効率よく製造することが可能なセラミック基板の製造方法を提供する。
【解決手段】第1セラミック基材層11aと、未焼成の第2セラミック基材層11bとを連結する第1柱状連結体4aを有する第1収縮抑制層12aを介して、第1セラミック基材層と、未焼成の第2セラミック基材層を積層して複合積層体Aを形成した後、第2セラミック基材層11bを、第1柱状連結体4aに接続された第1領域R1と第1柱状連結体4aに接続されていない第2領域R2とに分割できるように、第2セラミック基材層に、第2セラミック基材層11b側から第1収縮抑制層12aに達する第1切り込み溝6aを形成し、焼成した後、第2セラミック基材層11bの不要部分と第1収縮抑制層12aとを取り除き、キャビティを備えたセラミック基板を得る。
【選択図】図3

Description

本願発明は、セラミック基板の製造方法に関し、詳しくは、キャビティを備えたセラミック基板を効率よく製造するためのセラミック基板の製造方法に関する。
セラミック基板には、その表面に、搭載される表面実装部品を収容したりするためのキャビティを有する構造のものがある。
そして、その製造方法としては、キャビティを形成すべき部分に、セラミック基板を構成するセラミックの焼結温度では焼結しない材料からなる、非焼結層であるキャビティ形成層を配設して焼成を行い、焼成後に焼結されていないキャビティ形成層を除去してキャビティを備えたセラミック基板を得る方法が知られている(特許文献1参照)。
また、セラミック構造体にも、例えば、図34に示すように、接続部材51を介して接続された、キャビティ52を有するセラミック焼結体53と、キャビティを備えていないセラミック焼結体54を備え、セラミック焼結体53,54の表面導体55どうしが、接続部材51を介して電気的に接続されているとともに、キャビティ52内に電子部品56が搭載された構造を有するものが知られている(特許文献2参照)。
そして、このセラミック構造体は、以下に説明する方法により製造されている。
(1)まず、表面に導体が形成され、かつ、キャビティとなる貫通孔を備えた未焼成のセラミック成形体と、貫通孔を備えていない、表面に導体が形成された未焼成のセラミック成形体とを用意する。
(2)また、セラミック成形体の焼結温度では焼結せず、厚み方向にビア導体が形成された接続部材形成用セラミックグリーンシートを用意する。
(3)そして、セラミック成形体と接続部材形成用セラミックグリーンシートとを、セラミック成形体により接続部材形成用セラミックグリーンシートを挟むようにして積層、圧着することにより、複合積層体を作製する。
(4)それから、複合積層体を、セラミック成形体が焼結し、接続部材形成用セラミックグリーンシートが焼結しない温度で、かつビア導体を構成する金属の融点以下の温度で焼成した後、焼成後の複合積層体から、接続部材形成用セラミックグリーンシートを除去して、キャビティを備えたセラミック構造体を得る。
(5)その後、キャビティ内に電子部品を実装する。これにより、図34に示すようなセラミック構造体が得られる。
しかしながら、上記特許文献1のセラミック基板の製造方法のように、キャビティを形成すべき部分に、非焼結層であるキャビティ形成層を配設して焼成を行い、焼成後に非焼結層であるキャビティ形成層を除去してキャビティを備えたセラミック基板を得る方法の場合、キャビティが形成される部分の、基板厚みが異なり、かつ、非焼結層であるキャビティ形成層と接する面と、キャビティ形成層と接していない部分において収縮差が発生し、界面で亀裂が発生しやすいという問題点がある。
また、上記特許文献2の方法の場合、未焼成のセラミック成形体を接続部材形成用セラミックグリーンシートを介して積み重ね、圧着する工程で、圧着時の応力に偏りが生じ、キャビティとなる貫通孔が変形しやすく、形状精度の高いキャビティを備えたセラミック構造体を得ることが困難であるという問題点がある。
特許第3511982号公報 特開2004−207495号公報
本願発明は、上記課題を解決するものであり、積層体を形成する際の圧着時の応力の偏りを低減することが可能で、形状精度の高いキャビティを備えたセラミック基板を効率よく製造することが可能なセラミック基板の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願発明は、以下の構成を採用している。
すなわち、請求項1のセラミック基板の製造方法は、
未焼結または焼結済みの第1セラミック基材層と、未焼結の第2セラミック基材層と、前記第1セラミック基材層と前記第2セラミック基材層とを連結するための第1柱状連結体を有し、前記各セラミック基材層の焼結する温度では実質的に焼結しない第1収縮抑制層とを介して積層してなる、複合積層体を形成する複合積層体形成工程と、
前記第2セラミック基材層を、前記第1柱状連結体に接続された第1領域および前記第1柱状連結体に接続されていない第2領域に分割するように、前記複合積層体の前記第2セラミック基材層側から前記第1収縮抑制層に達する第1切り込み溝を形成する切り込み溝形成工程と、
前記複合積層体を、前記第1セラミック基材層が未焼結の場合には、前記第1および第2セラミック基材層が焼結し、かつ、前記第1収縮抑制層が実質的に焼結しない温度で焼成し、前記第1セラミック基材層が焼結済みの場合には、第2セラミック基材層が焼結し、かつ、前記第1収縮抑制層が実質的に焼結しない温度で焼成する焼成工程と、
前記第2セラミック基材層の前記第2領域と前記第1収縮抑制層とを取り除き、前記第2セラミック基材層の前記第1領域と前記第1セラミック基材層とが前記第1柱状連結体を介して連結されたセラミック基板を取り出す収縮抑制層除去工程と
を具備することを特徴としている。
また、請求項2のセラミック基板の製造方法は、請求項1の発明の構成において、前記第2領域が前記第1領域に取り囲まれるように形成されており、前記第2領域を取り除くことによって、前記第2セラミック基材層の前記第1領域および前記第1柱状連結体を土手部としたキャビティが形成されるように構成されていることを特徴としている。
また、請求項3のセラミック基板の製造方法は、請求項1または2の発明の構成において、前記第1切り込み溝を格子状の切り込み溝とすることを特徴としている。
また、請求項4のセラミック基板の製造方法は、請求項1〜3のいずれかの発明の構成において、前記第1セラミック基材層が、その表面および/または内部に第1導体パターンを有し、前記第2セラミック基材層が、その表面および/または内部に第2導体パターンを有しており、前記第1柱状連結体が、前記第1導体パターンと前記第2導体パターンとを電気的に接続する、導電性材料からなる柱状連結体を含むことを特徴としている。
また、請求項5のセラミック基板の製造方法は、請求項1〜4のいずれかの発明の構成において、前記第1柱状連結体が、前記第1導体パターンと前記第2導体パターンとを電気的には接続していない補強用柱状連結体を含むことを特徴としている。
また、請求項6のセラミック基板の製造方法は、請求項1〜5のいずれかの発明の構成において、前記第2セラミック基材層の前記第2領域に、特性評価用導体パターンを形成することを特徴としている。
また、請求項7のセラミック基板の製造方法は、請求項2〜6のいずれかの発明の構成において、前記第1セラミック基材層と、前記第2セラミック基材層と、前記第1柱状連結体とにより規定される空間を埋めるように樹脂層を設ける工程を備えることを特徴としている。
また、請求項8のセラミック基板の製造方法は、請求項7の発明の構成において、前記キャビティ内に表面実装部品を搭載する工程を備え、前記表面実装部品の少なくとも一部を覆うように前記樹脂層を設けることを特徴としている。
また、請求項9のセラミック基板の製造方法は、請求項1〜8のいずれかの発明の構成において、前記複合積層体形成工程において、前記第1セラミック基材層の、前記第2セラミック基材層側とは反対側に、前記各セラミック基材層の焼結する温度では実質的に焼結しない第2収縮抑制層を介して積層された未焼結の第3セラミック基材層を有しており、かつ、前記第2収縮抑制層には、前記第1セラミック基材層と前記第3セラミック基材層とを連結するための第2柱状連結体が形成された複合積層体を形成し、
前記切り込み溝形成工程において、前記第3セラミック基材層を前記第2柱状連結体に接続された第1領域、前記第2柱状連結体に接続されていない第2領域に分割するように、前記第3セラミック基材層側から前記第2収縮抑制層に達する第2切り込み溝を形成し、
前記焼成工程において、前記第1セラミック基材層が未焼結の場合には、前記第1、第2および第3セラミック基材層が焼結し、かつ、前記第1および第2収縮抑制層が実質的に焼結しない温度で焼成し、前記第1セラミック基材層が焼結済みの場合には、前記第2および第3セラミック基材層が焼結し、かつ、前記第1および第2収縮抑制層が実質的に焼結しない温度で焼成した後、
前記収縮抑制層除去工程において、前記第3セラミック基材層の前記第2領域ならびに前記第2収縮抑制層を取り除くことによって、前記第1セラミック基材層の、前記第2セラミック基材層側である第1主面側に、前記第2セラミック基材層の前記第1領域および前記第1柱状連結体を土手部とした第1キャビテイを、前記第1セラミック基材層の、前記第3セラミック基材層側である第2主面側に、前記第3セラミック基材層の前記第1領域および前記第2柱状連結体を土手部とした第2キャビティを形成することを特徴としている。
また、請求項10のセラミック基板の製造方法は、請求項1〜8のいずれかの発明の構成において、前記複合積層体形成工程において、前記第2セラミック基材層の、前記第1セラミック基材層とは反対側に、前記各セラミック基材層の焼結する温度では実質的に焼結しない第2収縮抑制層を介して積層された未焼結の第3セラミック基材層を有しており、かつ、前記第2収縮抑制層には、前記第2セラミック基材層と前記第3セラミック基材層とを連結するための第2柱状連結体が形成された複合積層体を形成し、
前記切り込み溝形成工程において、前記第3セラミック基材層を前記第2柱状連結体に接続された第1領域、前記第2柱状連結体に接続されていない第2領域に分割するように、前記第3セラミック基材層側から前記第1収縮抑制層に達する第3切り込み溝を形成し、
前記焼成工程において、前記第1セラミック基材層が未焼結の場合には、前記第1、第2および第3セラミック基材層が焼結し、かつ、前記第1および第2収縮抑制層が実質的に焼結しない温度で焼成し、前記第1セラミック基材層が焼結済みの場合には、前記第2および第3セラミック基材層が焼結し、かつ、前記第1および第2収縮抑制層が実質的に焼結しない温度で焼成した後、
前記収縮抑制層除去工程において、前記第3セラミック基材層の前記第2領域ならびに前記第2収縮抑制層を取り除くことによって、側壁に段差部を有する段差付きキャビティを形成すること
を特徴としている。
また、請求項11のセラミック基板の製造方法は、請求項1〜8のいずれかの発明の構成において、前記切り込み溝形成工程において、前記第1セラミック基材層を、前記第1柱状連結体に接続された第1領域、前記第1柱状連結体に接続されていない第2領域に分割するように、前記第1セラミック基材層側から前記第1収縮抑制層に達する第4切り込み溝を形成し、
前記焼成工程において、前記第1セラミック基材層が未焼結の場合には、前記第1および第2セラミック基材層が焼結し、かつ、前記第1収縮抑制層が実質的に焼結しない温度で焼成し、前記第1セラミック基材層が焼結済みの場合には、第2セラミック基材層が焼結し、かつ、前記第1収縮抑制層が実質的に焼結しない温度で焼成した後、
前記収縮抑制層除去工程において、前記第1セラミック基材層の前記第2領域を取り除くことにより、両面にキャビティを形成することを特徴としている。
また、請求項12のセラミック基板の製造方法は、請求項1〜11のいずれかの発明の構成において、前記各セラミック基材層のうち、切り込み溝が形成されることになる最も外側のセラミック基材層の外側に、収縮抑制層を配設し、前記収縮抑制層を介して、前記切り込み溝が形成されるべきセラミック基材層に切り込み溝を形成することを特徴としている。
また、請求項13のセラミック基板の製造方法は、請求項1〜12のいずれかの発明の構成において、前記セラミック基材層のうち、最も外側のセラミック基材層の外側に、収縮抑制層を配設し、両主面に前記収縮抑制層が配設された状態で前記複合積層体を焼成することを特徴としている。
また、請求項14のセラミック基板の製造方法は、請求項13の発明の構成において、両主面に切り込み溝のない収縮抑制層が配設された状態で前記複合積層体を焼成することができるように、最も外側の収縮抑制層に切り込み溝が形成されている場合に、さらにその外側に切り込み溝の形成されていない収縮抑制層を配設することを特徴としている。
また、請求項15のセラミック基板の製造方法は、請求項13の発明の構成において、前記最外層の収縮抑制層の少なくとも一方に、金属を導電成分として含有する導電材料からなる突起部形成用柱状体を設けておき、前記複合積層体の焼成後、前記最外層の収縮抑制層を取り除くことにより、突起電極を備えたセラミック基板を得ることを特徴としている。
また、請求項16のセラミック基板の製造方法は、請求項1〜15のいずれかの発明の構成において、前記各工程を、複数のセラミック基板を集合してなる集合基板の状態で実施し、焼成後、前記集合基板を子基板に分割する工程を有することを特徴としている。
また、請求項17のセラミック基板の製造方法は、請求項16の発明の構成において、前記集合基板を前記子基板に分割するための分割溝を、各切込み溝を形成する面側から前記第1セラミック基材層に達するように形成することを特徴としている。
本願請求項1のセラミック基板の製造方法は、未焼結または焼結済みの第1セラミック基材層と、未焼結の第2セラミック基材層と、第1セラミック基材層と第2セラミック基材層とを連結するための第1柱状連結体を有し、各セラミック基材層の焼結する温度では実質的に焼結しない第1収縮抑制層とを介して積層してなる、複合積層体を形成するようにしているので、従来のように、キャビティとなる貫通孔のない状態で、複合積層体を形成することが可能になるため、複合積層体の全面に均一な圧力をかけることが容易になり、複合積層体を形成する際の圧着工程でキャビティとなる貫通孔に変形を生じたりすることがない。
また、複合積層体を形成した後、第2セラミック基材層を、第1柱状連結体に接続された第1領域および第1柱状連結体に接続されていない第2領域に分割するように、複合積層体の第2セラミック基材層側から第1収縮抑制層に達する第1切り込み溝を形成し、その後、未焼結のセラミック基材層が焼結し、収縮抑制層が実質的に焼結しない温度で焼成した後、第2セラミック基材層の第2領域と収縮抑制層とを取り除くようにしており、焼成後にセラミック基材層の不要部分を容易に除去することが可能で、かつ、収縮抑制層が配設された状態で焼成が行われるため、焼成工程において、焼成後にキャビティとなる部分やその周辺部分の変形を防止することが可能になるとともに、セラミック基材層の不要部分すなわち、キャビティとなる部分と、収縮抑制層とを容易に取り除くことが可能になり、キャビテイ部分の形状精度やその周辺部分をはじめ、全体としての形状精度の高いセラミック基板を効率よく製造することが可能になる。
すなわち、複合積層体の段階では、貫通孔が形成されていない平坦な構造を有しているため、圧着時などに生じる応力のばらつきを軽減することが可能になるとともに、切り込み溝の形成された複合積層体の焼成工程では、収縮抑制層を備えた状態で焼成が行われるため、焼成工程での無用の変形を防止することが可能になり、形状精度の高いセラミック基板を効率よく製造することが可能になる。
また、基材層を貫通する切り込み溝は基材層間の収縮抑制層に達する深さにまで形成することが可能で、かつ、収縮抑制層は厚く形成することができるため、切り込み溝の深さに、ある程度のばらつきが許容されるため、安定して形状精度の高いキャビティを備えたセラミック基板を形成することが可能になる。
また、セラミック基材層と、柱状連結体を備えた収縮抑制層を積層して、複合積層体を形成するが、同一セラミック基材層内に厚みが異なる部分が存在しないため、焼成時にセラミック基材層の厚み方向に応力がばらつくことを抑制、防止しつつ、収縮させることが可能になる。すなわち、キャビティ部分の周辺部の土手部を構成するセラミック基材層と、キャビティの底部を構成するセラミック基材層が収縮抑制層によって分断されているため、各セラミック基材層の収縮は互いに影響せず、それぞれ平坦なセラミック基材層を形成することが可能になり、土手部を構成するセラミック基材層とキャビティ底部を構成するセラミック基材層が、柱状連結体を介して連結された、形状精度の高いセラミック基板を得ることが可能になる。
また、請求項2のセラミック基板の製造方法は、請求項1の発明の構成において、第2領域が第1領域に取り囲まれるように形成されており、第2領域を取り除くことによって、第2セラミック基材層の第1領域および第1柱状連結体を土手部としたキャビティが形成されるように構成されているので、凹部の周囲が土手により囲まれた構造を有するキャビティを備えたセラミック基板を効率よく製造することが可能になる。
また、請求項3のセラミック基板の製造方法のように、請求項1または2の発明の構成において、第1切り込み溝を格子状の切り込み溝とすることにより、格子状に仕切られた領域の内の所定の領域を除去して、所望の平面形状を有するキャビティを備えたセラミック基板を効率よく製造することが可能になる。
また、請求項4のセラミック基板の製造方法は、請求項1〜3のいずれかの発明の構成において、第1セラミック基材層が、その表面および/または内部に第1導体パターンを有し、第2セラミック基材層が、その表面および/または内部に第2導体パターンを有しており、第1柱状連結体が、第1導体パターンと第2導体パターンとを電気的に接続する、導電性材料からなる柱状連結体を含んでいるので、特に電気的接続用部材を設けることなく、第1導体パターンと第2導体パターンとが電気的に接続された構造を有するセラミック基板を効率よく製造することが可能になる。
また、請求項5のセラミック基板の製造方法のように、請求項1〜4のいずれかの発明の構成において、第1柱状連結体が、第1導体パターンと第2導体パターンとを電気的には接続していない補強用柱状連結体を含んだ構成とすることにより、土手部のキャビティ底部への連結強度の大きいセラミック基板を効率よく製造することが可能になる。
また、請求項6のセラミック基板の製造方法のように、請求項1〜5のいずれかの発明の構成において、第2セラミック基材層の第2領域に、特性評価用導体パターンを形成するようにした場合、例えば、インダクタンスL、容量C、抵抗Rなどを備えた特性評価用導体パターンを配設することにより、複合積層体の特性を把握できるプロセスコントロールモニター基板を得ることができる。このプロセスコントロールモニター基板に積層ずれなどに関する位置情報を持たせておくことにより、導体パターンの面内ばらつきなどを把握することが可能になり、製品をキープして、破壊検査などを行うことなく、ロットや面内ばらつきを把握して、安定した生産性を確保することが可能になる。
また、請求項7のセラミック基板の製造方法のように、請求項2〜6のいずれかの発明の構成において、第1セラミック基材層と、第2セラミック基材層と、第1柱状連結体とにより規定される空間を埋めるように樹脂層を設ける工程を備えるようにした場合、上記空間が樹脂層で封止された、さらに信頼性の高い電子部品を効率よく製造することが可能になる。
また、請求項8のセラミック基板の製造方法のように、請求項7の発明の構成において、キャビティ内に表面実装部品を搭載する工程を備え、表面実装部品の少なくとも一部を覆うように樹脂層を設けるようにした場合、キャビティ部およびキャビティに搭載された表面実装部品が樹脂層で封止された、さらに信頼性の高い電子部品を効率よく製造することが可能になる。
また、請求項9のセラミック基板の製造方法は、請求項1〜8のいずれかの発明にかかるものであって、複合積層体形成工程において、第1セラミック基材層の、第2セラミック基材層側とは反対側に、各セラミック基材層の焼結する温度では実質的に焼結しない第2収縮抑制層を介して積層された未焼結の第3セラミック基材層を有し、かつ、第2収縮抑制層には、第1セラミック基材層と第3セラミック基材層とを連結するための第2柱状連結体が形成された複合積層体を形成し、切り込み溝形成工程において、第3セラミック基材層を第2柱状連結体に接続された第1領域、第2柱状連結体に接続されていない第2領域に分割するように、第3セラミック基材層側から第2収縮抑制層に達する第2切り込み溝を形成し、焼成工程において、未焼結のセラミック基材層が焼結し、収縮抑制層が実質的に焼結しない温度で焼成した後、収縮抑制層除去工程において、第3セラミック基材層の第2領域ならびに第2収縮抑制層を取り除くようにしているので、第1セラミック基材層の、第2セラミック基材層側である第1主面側に、第2セラミック基材層の第1領域および第1柱状連結体を土手部とした第1キャビテイを、第1セラミック基材層の、第3セラミック基材層側である第2主面側に、第3セラミック基材層の第1領域および第2柱状連結体を土手部とした第2キャビティを備えた構造を有するセラミック基板を効率よくしかも確実に製造することが可能になる。
また、請求項10のセラミック基板の製造方法は、請求項1〜8のいずれかの発明にかかるものであって、複合積層体形成工程において、第2セラミック基材層に関して第1セラミック基材層とは反対側に、各セラミック基材層の焼結する温度では実質的に焼結しない第2収縮抑制層を介して積層された未焼結の第3セラミック基材層を有しており、かつ、第2収縮抑制層には、第2セラミック基材層と第3セラミック基材層とを連結するための第2柱状連結体が形成された複合積層体を形成し、切り込み溝形成工程において、第3セラミック基材層を第2柱状連結体に接続された第1領域、第2柱状連結体に接続されていない第2領域に分割するように、第3セラミック基材層側から第1収縮抑制層に達する第3切り込み溝を形成し、焼成工程において、未焼結のセラミック基材層が焼結し、収縮抑制層が実質的に焼結しない温度で焼成した後、収縮抑制層除去工程において、第3セラミック基材層の第2領域ならびに第2収縮抑制層を取り除くようにしているので、側壁部に段差部を有する段差付きキャビティを備えたセラミック基板を効率よくしかも確実に製造することが可能になる。
また、キャビティの内壁の形状が、キャビティ形成用の貫通孔を備えた複合積層体を直接圧着する工法に比べて、シャープで形状精度の高い段差付きキャビティを備えたセラミック基板を得ることが可能になる。
また、請求項11のセラミック基板の製造方法は、請求項1〜8のいずれかの発明にかかるものであって、切り込み溝形成工程において、第1セラミック基材層を、第1柱状連結体に接続された第1領域、第1柱状連結体に接続されていない第2領域に分割するように、第1セラミック基材層側から第1収縮抑制層に達する第4切り込み溝を形成し、焼成工程において、未焼結のセラミック基材層が焼結し、収縮抑制層が実質的に焼結しない温度で焼成した後、収縮抑制層除去工程において、第1セラミック基材層の第2領域を取り除くようにしているので、両面にキャビティを形成することができる。したがって、表裏両面にキャビティを備えた構造を有するセラミック基板を効率よくしかも確実に製造することが可能になる。
すなわち、厚みのある表面実装部品、特にワイヤボンディングが必要なICを両面に配置しなくてはならないような場合に、厚みのある部品をキャビティ内部に配置することによって全体的な低背化を実現することが可能なセラミック基板を提供することが可能になる。
また、請求項12のセラミック基板の製造方法は、請求項1〜11のいずれかの発明の構成において、各セラミック基材層のうち、切り込み溝が形成されることになる最も外側のセラミック基材層の外側に、収縮抑制層を配設し、収縮抑制層を介して、切り込み溝が形成されるべきセラミック基材層に切り込み溝を形成するようにしているので、切り込み溝の形成工程で複合積層体が変形して、形状精度の低下を招くことを阻止することが可能になるとともに、焼成工程で、最も外側のセラミック基材層の外側に収縮抑制層を備えた状態で焼成することにより、焼成工程における変形を抑制、防止することが可能になる。
また、請求項13のセラミック基板の製造方法は、請求項1〜12のいずれかの発明の構成において、セラミック基材層のうち、最も外側のセラミック基材層の外側に、収縮抑制層を配設し、両主面に収縮抑制層が配設された状態で複合積層体を焼成するようにしているので、焼成工程で複合積層体が主面に平行な方向に収縮することを抑制、防止して、形状精度の高いセラミック基板を確実に製造することが可能になる。
また、請求項14のセラミック基板の製造方法のように、請求項13の発明の構成において、両主面に切り込み溝のない収縮抑制層が配設された状態で複合積層体を焼成することができるように、最も外側の収縮抑制層に切り込み溝が形成されている場合に、さらにその外側に切り込み溝の形成されていない収縮抑制層を配設するようにした場合、焼成工程での変形をより確実に防止して、さらに形状精度、寸法精度の高いセラミック基板を確実に製造することが可能になる。
また、請求項15のセラミック基板の製造方法のように、請求項13の発明の構成において、最外層の収縮抑制層の少なくとも一方に、金属を導電成分として含有する導電材料からなる突起部形成用柱状体を設けておき、複合積層体の焼成後、最外層の収縮抑制層を取り除くことにより、表面に突起電極を備えたセラミック基板を効率よく製造することが可能になる。
また、請求項16のセラミック基板の製造方法は、請求項1〜15のいずれかの発明の構成において、各工程を、複数のセラミック基板を集合してなる集合基板の状態で実施し、焼成後、集合基板を子基板に分割する工程を有しているので、集合基板を分割して多数の子基板を効率よく得ることが可能になり、コストの低減を図ることが可能になる。
また、請求項17のセラミック基板の製造方法は、請求項16の発明の構成において、集合基板を子基板に分割するための分割溝を、各切り込み溝を形成する面側から第1セラミック基材層に達するように形成するようにしているので、キャビティ形成のためのセラミック基材層の不要部分を除去した状態においても、集合基板を確実に一体に保持することが可能になり、その後に分割溝に沿って集合基板を分割することにより、集合基板を分割して多数の子基板を効率よく得ることが可能になり、さらに確実にコストの低減を図ることが可能になる。
以下に本願発明の実施例を示して、本願発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
図1〜8は本願発明の実施例1にかかるセラミック基板の製造方法を示す図である。
また、図9〜19は、本願発明の実施例1にかかるセラミック基板の製造方法および該製造方法により製造されるセラミック基板の変形例などを示す図である。
以下、図1〜19を参照しつつ、本願発明の実施例1にかかるセラミック基板の製造方法について説明する。
(1)まず、セラミック材料を含む複数のセラミック基板用のセラミックグリーンシート(以下「基板用グリーンシート」という)を作製する。手順は以下の通りである。
CaO:10〜55重量%、SiO2:45〜70重量%、Al23:0〜30重量%、不純物0〜10重量%、およびB23:外掛けで5〜20重量%を含む混合物を1450℃で溶融してガラス化した後、水中で急冷し、これを粉砕して平均粒径が3.0〜3.5μmのCaO−SiO2−Al23−B23系ガラス粉末を作製する。
なお、この実施例1では、CaO−SiO2−Al23−B23系ガラスを用いたが、800〜1000℃で焼結する他のガラスを用いてもよい。
それから、このガラス粉末:50〜65重量%(好ましくは60重量%)と不純物が0〜10重量%のアルミナ粉末:50〜35重量%(好ましくは40重量%)とを混合してセラミック粉末を作製する。そして、このセラミック粉末に、例えばトルエン、キシレン、水系などの溶剤、例えばアクリル、ブチラール系の樹脂などのバインダ、および例えばジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)などの可塑剤を加え、十分に混練・分散させて粘度2000〜40000cpsのスラリーを作製し、通常のキャスティング法(例えばドクターブレード法)を用いて、例えば厚み0.01〜0.4mmのグリーンシート、すなわち製品であるセラミック基板の主要部を構成する基板用グリーンシートを作製する。
なお、この基板用グリーンシートを製造する際に、組成比や添加剤を調整し、下記の収縮抑制層用グリーンシート2よりも、適度に柔らかい性状としておくことにより、後工程の成形加工時に、型への追随性を向上させ、加工精度を高めることが可能になるとともに、基板用グリーンシートに亀裂、欠けなどが発生することを抑制、防止することが可能になる。
(2)それから、上記(1)の工程で作製した基板用グリーンシート1(図1)を打ち抜き型やパンチングマシンなどを用いて所定の寸法にカットし、層間接続用のビアホール33(図1)を形成する。
(3)上記(2)の工程で加工した複数枚の基板用グリーンシートのビアホール33に導体ペーストを充填することによりビアホール導体34を形成する。さらに、基板用グリーンシート1に導体ペーストを印刷することにより表面導体31,内層導体32などとなる所定の配線パターンを形成する。
このときに用いる導体ペーストとしては、Ag、Ag−Pd、Ag−Pt、Cu粉末などを導電成分とする導体ペーストを使用する。必要に応じて、導体ペーストとともに、あるいは、導体ペーストの代わりに、抵抗ペーストやガラスペーストを印刷することも可能である。
この基板用グリーンシート1を複数積層することにより、セラミック基材層11(図1,図2)が形成される。
(4)また、基板用グリーンシート1の焼成温度では焼結しないセラミックを含む、複数の収縮抑制層用グリーンシート2(図1)を作製する。
収縮抑制層用グリーンシート2は、たとえば、有機ビヒクル中にアルミナ粉末を分散させてスラリーを調製し、これをキャスティング法によってシート状に成形することにより得ることができる。このようにして得られた収縮抑制層用グリーンシート2の焼結温度は、1500〜1600℃であるため、基板用グリーンシート1が焼結する温度(例えば、800〜1000℃)では焼結せず、この収縮抑制層用グリーンシート2を接合させた状態で基板用グリーンシート1を焼成することにより、基板用グリーンシート1の平面方向に関する収縮を抑制しつつ焼結させることが可能になる。
なお、この収縮抑制層用グリーンシート2は、プレス時に未焼成セラミック体を傷めることなく加工することができるように、基板用グリーンシート1よりも、硬くなるように物性を調整したものを用いる。
そして、この収縮抑制層用グリーンシート2を複数積層することにより、第1収縮抑制層12a(図1,図2)が形成される。
(5)収縮抑制層用グリーンシート2のうち、複数の基板用グリーンシート1を積層した積層体である第1および第2セラミック基材層11a、11bの間に挟み込まれるように配設される第1収縮抑制層12aを形成するための収縮抑制層用グリーンシートについては、打ち抜き型やパンチングマシンなどを用いて接続用ビアホール3を形成する。
そして、この接続用ビアホール3に第1柱状連結体4aとなるペーストを充填した収縮抑制層グリーンシート2を積層することにより、第1および第2セラミック基材層11a、11b間を接続・固定する第1柱状連結体4aを備えた第1収縮抑制層12aが形成される。
なお、第1柱状連結体4a用の材料としては、基板用グリーンシート1の層間接続用のビアホール33に充填されるビアホール導体34と同じ材料、基板用グリーンシート1の層間接続用のビアホール33にガラスペーストを充填する場合にあっては、それと同種材料のガラスペースト、さらには異種材料のペーストなどの種々の材料を用いることが可能である。
(6)次に、基板用グリーンシート1ならびに収縮抑制層用グリーンシート2を積層して、図1および2に示すような、キャビティ形成用の貫通孔などがなく、表裏面が平坦な直方体形状の複合積層体Aを形成する。
この複合積層体Aは、キャビティの底板となる、基板用グリーンシート1を複数枚積層した第1セラミック基材層11aと、キャビティの土手部となる、基板用グリーンシート1を複数枚積層した第2セラミック基材層11bを備えているとともに、両者の間には、第1柱状連結体4aを備えた第1収縮抑制層12aが挟み込まれるように配設されており、さらに、第1および第2セラミック基材層11a、11bの表裏両主面側には収縮抑制層用グリーンシート2を複数枚積層した外側収縮抑制層12cが配設されている。
また、この実施例1では、第2セラミック基材層11bの内部に、インダクタンスL、容量C、抵抗Rなどを備えた特性評価用導体パターン25が配設されており、特性評価用導体パターン25に位置情報などを記載させておくことにより、複合積層体の特性を把握できるプロセスコントロールモニター基板を得ることができる。
そして、このプロセスコントロールモニター基板に積層ずれなどに関する位置情報を持たせておくことにより、導体パターンの面内ばらつきなどを把握することが可能になり、製品をキープして、破壊検査などを行うことなく、ロットごとの特性のばらつきや集合基板ごとの特性のばらつきなどを把握して、安定した生産性を確保することができるように構成されている。
(7)さらにキャビティを形成するために、第2セラミック基材層11bを、第1柱状連結体4aに接続された第1領域R1および第1柱状連結体4aに接続されていない第2領域R2に分割するように、複合積層体Aの第2セラミック基材層11b側から、第2セラミック基材層11bを貫通し、2つのセラミック基材層間の第1収縮抑制層12aに達する第1切り込み溝6aを、複合積層体A(子基板)に対し縦横各々2本ずつ格子状に形成する(図3、4参照)。これにより、複合積層体Aは、平面的に見た場合、中央部20とその周辺部20aの合計9つの領域に区分されることになる。
また、複合積層体A(子基板)への切り込み溝6aの形成態様は、上述のように9つの領域に分割される態様に限定されるものではない。また、カットラインを直線でなく、曲線とすることも可能である。
(8)それから、第1切り込み溝6aが形成された状態においても、貫通孔や凹凸などのない、直方体形状を維持した複合積層体Aを静水圧プレス、あるいは金型を用いた一軸プレスを用いて圧着し、圧着された複合積層体Aを得る(図5)。
なお、プレスは、100〜2000kg/cm2、好ましくは1000〜2000kg/cm2のプレス圧力で、30〜100℃、好ましくは50〜80℃の温度で実施する。
また、この実施例1では第1切り込み溝6aを形成した後で、圧着を行っているが、圧着した後、第1切り込み溝6aを形成するようにしてもよい。
(9)それから、圧着された複合積層体Aを、第1および第2セラミック基材層11a、11bが焼結する温度、例えば1000℃以下、好ましくは800〜1000℃の温度で焼成することにより、複合積層体Aの内部に、焼結した第1セラミック基材層11aと第2セラミック基材層11bとが、焼結した第1柱状連結体4aにより連結された焼結基板14(図6参照)を形成する。
なお、第1柱状連結体4aの形成材料として、Cu粉末などの卑金属粉末を導電成分とする導体ペーストを用いた場合には、酸化防止のため還元雰囲気で焼成することが必要になるが、Ag、Ag−Pd、Ag−Ptなどの貴金属粉末を導電成分とする導電ペーストを用いた場合には大気中で焼成することも可能である。
(10)次に、切り込み溝6aにより第2セラミック基材層11bの第1領域R1とは切り離されている第2セラミック基材層11bの第2領域R2、すなわち、図4の中央部20に対応する部分、焼結されていない第1収縮抑制層12a、および表裏両主面側の外側収縮抑制層12cを取り除き、図6、図7、および図8に示すように、キャビティCを備えた焼結基板(セラミック基板)14を得る。この焼結基板(セラミック基板)14は、第2セラミック基材層11bの第1領域R1と第1セラミック基材層11aとが第1柱状連結体4aを介して連結され、第1のセラミック基材層11aの周囲に、第1柱状連結体4aと、第1柱状連結体4aにより保持された第2セラミック基材層11bの第1領域R1からなる、四角形環状の土手部Bを備え、土手部Bに囲まれた部分にキャビティCを備えた構造を有している。
なお、第1収縮抑制層12a、外側収縮抑制層12cを除去する方法としては、超音波洗浄やアルミナ砥粒を吹き付ける方法などの物理的処理方法や、エッチングなどの化学的処理方法のどちらの方法を用いてもよく、また、物理的処理方法と化学的処理方法を組み合わせて用いることも可能である。
(11)それから、焼結基板(セラミック基板)14に各種電子部品を、高い信頼性を備えた態様で実装するために、表面に露出した表面導体31やビアホール導体34には、めっき膜を形成する。
このとき、めっき膜の材質としては、例えば、Ni−Au、Ni−Pd−Au、Ni−Snなどを使用することが望ましい。なお、めっき膜の形成方法としては、電解めっき、無電解めっきのいずれを使用することも可能である。
(12)図9に示すように、セラミック基板14の、キャビティCに、例えば、半導体素子17などの表面実装部品を実装し、図10に示すように、樹脂8で封止することにより、片面にキャビティCを具備し、内部に半導体素子17などの表面実装部品が搭載された高度なモジュール基板114が得られる。
また、図11に示すように、セラミック基板14に半導体素子17などの表面実装部品を搭載した後、樹脂8で封止し、樹脂8で封止された半導体素子17が下面側になるようにして、マザーボード9などに搭載することにより、上面側にも電子部品16などの表面実装部品を搭載することが可能になり、両主面に電子部品16や半導体素子17の表面実装部品が効率よく配設された高度なモジュール基板114aを効率よく製造することが可能になる。
なお、上記実施例1では、一つのセラミック基板14を製造する場合について説明しているが、複数のセラミック基板を集合してなる集合基板35の状態で本願発明を実施し、焼成後、集合基板35を個々のセラミック基板14に分割することにより、個々のセラミック基板14を得ることも可能である。
その場合、例えば、図12に示すように、キャビティCの土手部Bとなる第2セラミック基材層11b側の面から、複合積層体Aである個々のセラミック基板14に分割するための分割溝5を、ダイシングブレードなどを用いて第1セラミック基材層11aの厚みの20%程度の深さまで形成しておき、焼成後に、集合基板35を分割するように構成することができる。
なお、複数のセラミック基板14を集合してなる集合基板35の状態で本願発明を実施した場合、集合基板35を分割して多数のセラミック基板14を効率よく得ることが可能になり、コストの低減を図ることが可能になる。
また、集合基板35を複合積層体Aに分割する工程と、キャビティCの形成用に第1切り込み溝6aを形成する工程を同じ工程でほぼ同時に形成することが可能であるため、形状精度、寸法精度の高いセラミック基板を効率よく製造することが可能になる。
すなわち、この実施例1の構成からは、以下に説明するような特有の作用効果が得られる。
(1)従来のように、キャビティCとなる貫通孔のない状態で、複合積層体Aを形成することが可能になるため、複合積層体Aを形成する際の圧着工程でキャビティCとなる貫通孔に変形を生じたりすることがなく、形状精度の高いセラミック基板14を効率よく製造することが可能になる。
(2)また、第2セラミック基材層11bを貫通する第1切り込み溝6aは各セラミック基材層間の第1収縮抑制層12aに達する深さにまで形成することが可能で、かつ、第1収縮抑制層12aは厚く形成することができるため、第1切り込み溝6aの深さに、ある程度のばらつきが許容されるため、安定して形状精度の高いキャビティCを備えたセラミック基板14を形成することが可能になる。
(3)また、セラミック基材層と、第1柱状連結体4aを備えた第1収縮抑制層12aを積層して、複合積層体Aを形成するが、同一セラミック基材層内に厚みが異なる部分が存在しないため、焼成時にセラミック基材層の厚み方向に応力がばらつくことを抑制、防止しつつ、収縮させることが可能になる。言い換えると、キャビティC部分の周辺部の土手部Bを構成するセラミック基材層と、キャビティの底部を構成するセラミック基材層が第1収縮抑制層12aによって分断されているため、各セラミック基材層の収縮は互いに影響せず、それぞれ平坦なセラミック基材層を形成することが可能になり、土手部Bを構成するセラミック基材層とキャビティ底部を構成するセラミック基材層が、第1柱状連結体4aを介して連結された、形状精度の高いセラミック基板14を得ることが可能になる。
(4)また、セラミック基材層のキャビティCとなる部分は、従来の製造方法では、貫通孔とされ、廃棄されてしまうことになるが、本願発明においては、焼成工程が終了するまで、複合積層体Aの一部として存在していることを利用して、特性評価用導体パターン25を配設するようにしているので、効率よく、特性を把握したり、安定した生産性を確保したりすることが可能になる。
(5)複合積層体Aに、直交するように第1切り込み溝6aを形成するようにしており、中央部20などを除去することにより形成される土手部Bの、亀裂の起点となりやすい隅部(コーナ部)が、図7に示すように、第1切り込み溝6aにより、他の領域から分断されている(縁が切られている)ので、隅部から土手部Bに亀裂が発生しにくいセラミック基板を得ることができる。
また、図13は本願発明の変形例にかかるセラミック基板を示す斜視図、図14は平面図である。このセラミック基板14aは、土手部Bの四隅が切り欠かれている点を除いては、図7に示したセラミック基板14と同様の構成を有している。
このセラミック基板14aのように、土手部Bの四隅を切り欠いた構造とすることにより、欠けやすい土手部Bの四隅で欠けが発生することを防止することができるとともに、辺L1、辺L2、辺L3、辺L4の、4辺が結合している場合に土手部Bの隅部に加わる応力を逃がして、土手部Bが応力により割れたりすることのない信頼性の高いセラミック基板を得ることが可能になる。
また、図15,図16,図17,図18は、本願発明のさらに他の変形例にかかるセラミック基板の構成を示す平面図である。
図15に示すような土手部Bを備えたセラミック基板14bは、第2セラミック基材層11bが平面的に見て、25個の領域に区画されるように第1切り込み溝6aを形成し、第2セラミック基材層11bの中央部、および、辺L1、辺L2の対向する2辺の中央部を除去することにより作製することができる。
この構成の場合、残った辺L3,L4の間に金属キャップを挟み込むような構成とすることも可能である。
なお、このセラミック基板14bを作製する場合、第2セラミック基材層11bのうち、土手部Bとして残る部分のみを第1柱状連結体4aにより連結し、除去される部分は第1柱状連結体4aにより連結されることがないようにすることが必要である。
また、図16に示すような土手部Bを備えたセラミック基板14cは、第2セラミック基材層11bが平面的に見て、25個の領域に区画されるように第1切り込み溝6aを形成し、第2セラミック基材層11bの中央部、および、辺L1、辺L2、辺L3、辺L4の4辺すべての中央部を除去することにより作製することができる。
このセラミック基板14cの場合、例えば、キャビティCの中央部に半導体素子(図示せず)を搭載し、その基板端近傍にワイヤボンディングパッドを形成することが可能になり、キャビティの壁部によってワイヤーボンダーのキャピラリが入らなかったため形成することができなかった領域にも、安定したワイヤボンディングを行うことが可能になる。
なお、このセラミック基板14cを作製する場合、第2セラミック基材層11bのうち、土手部Bとして残る部分のみを第1柱状連結体4aにより連結し、除去される部分は第1柱状連結体4aにより連結されることがないようにすることが必要である。
また、図17に示すように、四隅の土手部Bおよび周辺部より内側の土手部Baを備えたセラミック基板14dは、第2セラミック基材層11bが平面的に見て、25個の領域に区画されるように第1切り込み溝6aを形成し、第2セラミック基材層11bの中央部、および、辺L1、辺L2、辺L3、辺L4の4辺すべての中央部を除去することにより作製することができる。
この場合にも、上記実施例1の作用効果と同様の効果が得られ、さらに、例えば、キャビティCに半導体素子を搭載し、その近傍の土手部Baにワイヤボンディングパッドを形成することが可能になり、安定したワイヤボンディングを行うことが可能になる。
また、図17のセラミック基板14dにおいては、第1柱状連結体4aが、第1導体パターンと第2導体パターンとを電気的には接続していない補強用柱状連結体4cを含む構成としている。なお、補強用柱状連結体4cの構成材料としては例えば、セラミック柱状体などを用いることが可能である。
なお、図18は補強用柱状連結体4cを備えたセラミック基板の製造方法の一例を説明するための、複合積層体の要部の構造を模式的に示す図である。
図18に示すように、補強用柱状連結体4cとして、セラミック基材層11a,11bに配設されたビアホール導体34と異なる材料(例えば、セラミック基材層11a,11bを構成するセラミック材料と同一のセラミック系材料など)からなるものを用いる場合、第1収縮抑制層12aに、補強用柱状連結体4cを配設しておくことにより(すなわち、第1セラミック基材層11aと第2セラミック基材層11bの間にのみ補強用柱状連結体4cを配設しておくことにより)、上記実施例1の場合と同様の方法によって、第1セラミック基材層11aと第2セラミック基材層11bとが、第1柱状連結体4aおよび補強用柱状連結体4cにより連結された信頼性の高いセラミック基板を効率よく製造することができる。
また、図19は他の変形例にかかるセラミック基板14eを示す図である。このセラミック基板14eにおいては、土手部Bが一つの辺側にのみ、略直方体状に形成されており、他の辺側には配設されていない構造を有している。
すなわち、本願発明のセラミック基板は、土手部Bの形状に制約はなく、図19に示すように、土手部Bが一方の辺側にのみ形成されていてもよい。さらに、特に図示しないが、2つの辺に略L字状に土手部Bが形成されていてもよく、また、3つの辺に土手部Bが形成され、一つの辺にのみ土手部のない構成とすることも可能である。
図20は本願発明のさらに他の実施例(実施例2)にかかるセラミック基板の製造方法の一工程を示す図、図21は実施例2にかかるセラミック基板の製造方法により製造されたセラミック基板の構造を示す図である。
なお、図20、図21において、図1〜図9と同一符号を付した部分は同一または相当する部分を示している。
また、この実施例2において、以下に説明する構成以外の構成は、上記実施例1の場合と同様である。
なお、この実施例2のセラミック基板の製造方法は、セラミック基材層を3層以上形成し、両主面側からキャビティ形成用の切り込み溝を形成し、両面キャビティ構造のセラミック基板を製造する方法にかかるものである。
図20は複合積層体Aに切り込み溝を形成した状態を示している。この実施例2の複合積層体Aは、第1セラミック基材層11aと、第1収縮抑制層12aを介してその上に積層された第2セラミック基材層11bを備えているとともに、第1セラミック基材層11aの、第2セラミック基材層11b側が配設された側とは反対側に、各セラミック基材層の焼結する温度では実質的に焼結しない第2収縮抑制層12bを介して積層された未焼結の第3セラミック基材層11cを備えており、かつ、第2収縮抑制層12bは、第1セラミック基材層11aと第3セラミック基材層11cとを連結するための第2柱状連結体4bを備えている。
さらに、第2セラミック基材層11bと、第3セラミック基材層11cの外側には、外側収縮抑制層12cが配設されている
そして、この実施例2では、第2セラミック基材層11bを、第1柱状連結体4aに接続された第1領域R1、および、第1柱状連結体4aに接続されていない第2領域R2に分割するための第1切り込み溝6aを形成するとともに、第3セラミック基材層11cを、第2柱状連結体4bに接続された第1領域R1、および、第2柱状連結体4bに接続されていない第2領域R2に分割するための第2切り込み溝6bを形成するようにしている。
なお、切り込み溝6a,6bを形成するにあたっては、第2セラミック基材層11b側から第1収縮抑制層12aに達するように第1切り込み溝6aを形成するとともに、第3セラミック基材層11c側から第2収縮抑制層12bに達するように第2切り込み溝6bを形成するようにして、焼成後に、第2および第3セラミック基材層11b,11cの不要部分である第2領域R2と、各収縮抑制層12a、12b、12cとを確実に除去することができるようにしている。
そして、上述のように切り込み溝6a,6bが形成された複合積層体Aを焼成した後、第2および第3セラミック基材層11b,11cの第2領域R2と、各収縮抑制層12a、12b、12cとを除去することによって、図21に示すように、第1セラミック基材層11aの、第2セラミック基材層11b側である第1主面F1側に、第2セラミック基材層11bの第1領域R1および第1柱状連結体4aを土手部Bとした第1キャビテイC1、第1セラミック基材層11aの、第3セラミック基材層11c側である第2主面F2側に、第3セラミック基材層11cの第1領域R1および第2柱状連結体4bを土手部とした第2キャビティC2を備えたセラミック基板14fが得られる。
この実施例2のセラミック基板の製造方法により得られたセラミック基板14fにおいては、上述のように、第1セラミック基材層の表裏両面に形成された第2および第3セラミック基材層に、表裏両面側から切り込み溝6a,6bを形成して、キャビティを形成するようにしているので、位置精度・形状精度が高いキャビティを両面に備えたセラミック基板を効率よく製造することができる。
図22は本願発明のさらに他の実施例(実施例3)にかかるセラミック基板の製造方法の一工程を示す図、図23は実施例3にかかるセラミック基板の製造方法により製造されたセラミック基板の構造を示す図である。
なお、図22、図23において、図1〜図9と同一符号を付した部分は同一または相当する部分を示している。
また、この実施例3において、以下に説明する構成以外の構成は、上記実施例1の場合と同様である。
なお、この実施例3のセラミック基板の製造方法は、図23に示すように、側壁部に段差部を有する段差付きキャビティC3を備えたセラミック基板14gを製造する方法にかかるものである。
図22は、この実施例3のセラミック基板の製造工程において、複合積層体Aに切り込み溝を形成した状態を示している。この実施例3の複合積層体Aは、第1セラミック基材層11aと、第1収縮抑制層12aと、第2セラミック基材層11bとを備えているとともに、さらに、第2セラミック基材層11bの上面側に、各セラミック基材層の焼結する温度では実質的に焼結しない第2収縮抑制層12bを介して積層された未焼結の第3セラミック基材層11cを備えており、かつ、第2収縮抑制層12bは、第2セラミック基材層11bと第3セラミック基材層11cとを連結するための第2柱状連結体4bを備えている。さらに、第1セラミック基材層11aと、第3セラミック基材層11cの外側には、外側収縮抑制層12cが配設されている
そして、第3セラミック基材層11cを第2柱状連結体4bに接続された第1領域R1、第2柱状連結体4bに接続されていない第2領域R2に分割するように、第3セラミック基材層11c側から第2収縮抑制層12bに達するように第1切り込み溝6aを形成するとともに、第2セラミック基材層11bを第1柱状連結体4aに接続された第1領域R1、第1柱状連結体4aに接続されていない第2領域R2に分割するように、第3セラミック基材層11c側から第1収縮抑制層12aに達する第3切り込み溝6cを形成する。
そして、上述のように切り込み溝6a,6cが形成された複合積層体Aを焼成した後、第2および第3セラミック基材層11b,11cの第2領域R2と、各収縮抑制層12a、12b、12cとを除去することにより、図23に示すように、第2セラミック基材層11bおよび第3セラミック基材層11cの第1領域R1と、第1および第2柱状連結体4a,4bを土手部Bとした、側壁部に段差部を有する段差付きキャビティC3を備えたセラミック基板14gを効率よくしかも確実に製造することができる。
なお、この実施例3の方法によれば、キャビティ形成用の貫通孔を備えた複合積層体を直接圧着する従来の工法に比べて、キャビティC3の中間層となる土手部B、すなわち、第2セラミック基材層11bの第2領域R2の側壁の形状がシャープで、形状精度の高い段差付きキャビティを備えたセラミック基板を効率よく製造することができる。
図24は本願発明のさらに他の実施例(実施例4)にかかるセラミック基板の製造方法の一工程を示す図、図25は実施例4にかかるセラミック基板の製造方法により製造されたセラミック基板の構造を示す図、図26は図25に示すセラミック基板に表面実装部品を実装したモジュール基板を示す図である。
なお、図24、図25、図26において、図1〜図9と同一符号を付した部分は同一または相当する部分を示している。
また、この実施例4において、以下に説明する構成以外の構成は、上記実施例1の場合と同様である。
なお、この実施例4のセラミック基板の製造方法は、図25に示すように、表面側および裏面側のそれぞれにキャビティCを備え、かつ、表裏面に形成されたキャビティの形状が互いに異なるセラミック基板14hを製造する方法にかかるものである。
図24は、この実施例4のセラミック基板の製造工程において、複合積層体Aに切り込み溝を形成した状態を示している。この実施例4の複合積層体Aは、第1セラミック基材層11aと、第1収縮抑制層12aを介してその下側に積層された第2セラミック基材層11bを備えており、第1セラミック基材層11a側と、第2セラミック基材層11b側のそれぞれにキャビティC(図25参照)が形成されるべき領域が設けられている。また、第1セラミック基材層11aと、第2セラミック基材層11bの外側には、外側収縮抑制層12cが配設されている
そして、この実施例4では、第1セラミック基材層11aと、第2セラミック基材層11bを、第1柱状連結体4aに接続された第1領域R1、および、第1柱状連結体4aに接続されていない第2領域R2に分割するための切り込み溝として、第1セラミック基材層11a側から第4切り込み溝6dを形成するとともに、第2セラミック基材層11b側から第1切り込み溝6aを形成し、表裏両主面に互いに形状が異なるキャビティが形成されるように、第1切り込み溝6aと、第4切り込み溝6dとを非対称となる位置に形成するようにしている。
そして、上述のように切り込み溝6a,6dが形成された複合積層体Aを焼成した後、第1および第2セラミック基材層11a,11bの第2領域R2と、各収縮抑制層12a、12cとを除去することにより、図25に示すように、表裏両主面側のそれぞれにキャビティCを備え、かつ、キャビティの形状が異なるセラミック基板14hを得ることができる。
また、図26に示すように、セラミック基板14hの両面側の各キャビティCに半導体素子17を搭載し、セラミック基材層11a,11bに電子部品16を搭載することにより、両主面に表面実装部品が効率よく配設することが可能で、かつ、部品高さが低く、高度なモジュール基板114を効率よく製造することができる。
図27は本願発明のさらに他の実施例(実施例5)にかかるセラミック基板の製造方法の一工程を示す図、図28は実施例5にかかるセラミック基板の製造方法により製造されたセラミック基板の構造を示す図である。
なお、図27,図28において、図1〜図9と同一符号を付した部分は同一または相当する部分を示している。
また、この実施例5において、以下に説明する構成以外の構成は、上記実施例1の場合と同様である。
なお、この実施例5のセラミック基板の製造方法は、図28に示すように、キャビティを備え、かつ、表面側および裏面側に、柱状連結体の一部が突起電極として突出した構造を有するセラミック基板14iを製造する方法にかかるものである。
図27は、この実施例5のセラミック基板の製造工程において、複合積層体Aに切り込み溝を形成した状態を示している。この実施例5の複合積層体Aは、第1セラミック基材層11aと、第1収縮抑制層12aを介して積層された第2セラミック基材層11bと、第1セラミック基材層11aの下面側、および第2セラミック基材層11bの上面側に配設された外側収縮抑制層12cを備えている。
また、上下の外側収縮抑制層12cには、それぞれ、突起部すなわちこの実施例5では突起電極となる部分を形成するための突起部形成用柱状体4dが配設されている。なお、突起部形成用柱状体4dは、金属を導電成分として含有する導電材料から形成されており、焼成することにより突起部である突起電極24が形成されるような組成のものが用いられている。
そして、第2セラミック基材層11bが、第1柱状連結体4aに接続された第1領域R1と、第1柱状連結体4aに接続されていない第2領域R2とに分割されるように、上側の外側収縮抑制層12c側から、第1収縮抑制層12aに達するように第1切り込み溝6aを形成する。
その後、上述のように第1切り込み溝6aが形成された複合積層体Aを焼成した後、第2セラミック基材層11bの第2領域R2と、各収縮抑制層12a,12cとを除去することにより、図28に示すように、キャビティCを備え、かつ、表面側および裏面側に、突起部である突起電極24が形成された構造を有するセラミック基板14iを効率よくしかも確実に製造することができる。
[変形例]
また、図29はこの実施例5の、変形例にかかるセラミック基板の製造方法の一工程を示す図、図30は該変形例にかかるセラミック基板の製造方法により製造されたセラミック基板の構造を示す図、図31は該セラミック基板に表面実装部品を実装した状態を示す図である。
なお、図29,図30、図31において、図1〜図9と同一符号を付した部分は同一または相当する部分を示している。
図29に示すように、下側の外側収縮抑制層12cに、上述の突起部形成用柱状体4dの他にさらに他の突起部形成用柱状体4fを形成しておき、第1切り込み溝6aを形成して、焼成した後、第2セラミック基材層11bの第2領域R2と、各収縮抑制層12a,12cとを除去することにより、図30に示すように、キャビティCを備え、かつ、表面側および裏面側に、突起部である突起電極24が形成され、さらに、第1セラミック基材層11aの上下両主面に突起部である突起電極24aが形成された構造を有するセラミック基板14jを効率よくしかも確実に製造することができる。
そして、図31に示すように、セラミック基板14jを構成する第1セラミック基材層11aの上面側に半導体素子17などの表面実装部品を搭載することにより、表面実装部品が効率よく配設された高度なモジュール基板114を効率よく製造することができる。
なお、図31に示すような構成とすることにより、表面実装部品がキャビティCに載置され、短いワイヤを用いた低ループワイヤボンディングで実装された構造を有する、小型、低背で、高密度のモジュール基板を得ることが可能になる。
図32は本願発明のさらに他の実施例(実施例6)にかかるセラミック基板の製造方法の一工程を示す図、図33は実施例6にかかるセラミック基板の製造方法により製造されたセラミック基板の構造を示す図である。
なお、図32,図33において、図1〜図9と同一符号を付した部分は同一または相当する部分を示している。
また、この実施例6において、以下に説明する構成以外の構成は、上記実施例1の場合と同様である。
この実施例6では、実施例1の複合積層体Aと同じ構成を有する複合積層体Aに、第1切り込み溝6aを形成するにあたって、図32に示すように、第1切り込み溝6aが複合積層体Aの端部にまで達しないような態様で、すなわち、ロ字状となるような態様で第1切り込み溝6aを形成し、焼成後に、第2セラミック基材層11bの不要部分である第2領域R2と、各収縮抑制層12a,12cとを除去することにより、図33に示すように、土手部Bの四隅に切り込み溝のない構造を有するセラミック基板14kを得るようにしている。
上述のような、ロ字状に第1切り込み溝6aを形成するにあたっては、ピンや、部分的にスリットの入ったカット刃を用いることにより、キャビティの外周部となる部分にのみ第1切り込み溝6aを形成することができる。
なお、本願発明は、上記実施例に限定されるものではなく、複合積層体の具体的な構成、キャビティの具体的な形状、複合積層体の形成方法、セラミック基材層を柱状連結体に接続された第1領域および柱状連結体に接続されていない第2領域に分割する際の各領域の形状、切り込み溝の形成方法や具体的な配設態様、複合積層体の焼成条件、焼成方法などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
本願発明のセラミック基板の製造方法は、第1セラミック基材層と、未焼結の第2セラミック基材層と、両者を連結するための第1柱状連結体を有し、各セラミック基材層の焼結する温度では実質的に焼結しない第1収縮抑制層とを介して積層することにより複合積層体を形成するようにしているので、従来のように、キャビティとなる貫通孔のない状態で、複合積層体を形成することが可能になるため、複合積層体を形成する際の圧着工程でキャビティとなる貫通孔に変形を生じたりすることを防止することが可能になるとともに、第2セラミック基材層に、複合積層体の第2セラミック基材層側から第1収縮抑制層に達する第1切り込み溝を形成し、焼成した後、セラミック基材層の不要部分と収縮抑制層とを取り除くことにより、キャビティ備えたセラミック基板を製造するようにしているので、複雑な製造工程や製造設備を必要とせずに、形状精度の高いキャビティ構造を有するセラミック基板を効率よく製造することができる。
したがって、本願発明は、種々の用途に用いられるセラミック基板、該セラミック基板に各種の電子部品を搭載したモジュール基板などの分野に広く利用することができる。
本願発明の実施例1にかかるセラミック基板の製造方法の一工程を示す図であって、複合積層体の構成を示す分解図である。 本願発明の実施例1にかかるセラミック基板の製造方法の一工程を示す図であって、形成された複合積層体の構成を示す図である。 本願発明の実施例1にかかるセラミック基板の製造方法の一工程を示す図であって、複合積層体に第1切り込み溝を形成した状態を示す断面図である。 本願発明の実施例1にかかるセラミック基板の製造方法の一工程を示す図であって、複合積層体に第1切り込み溝を形成した状態を示す斜視図である。 本願発明の実施例1にかかるセラミック基板の製造方法の一工程を示す図であって、焼成後の複合積層体を示す図である。 本願発明の実施例1にかかるセラミック基板の製造方法の一工程を示す図であって、焼成後の複合積層体から、セラミック基材層の不要部分と収縮抑制層を除去した後の状態を示す図である。 本願発明の実施例1のセラミック基板の製造方法により製造したセラミック基板を示す斜視図である。 本願発明の実施例1のセラミック基板の製造方法により製造したセラミック基板を示す平面図である。 図8のセラミック基板に表面実装部品を搭載した状態を示す図である。 図8のセラミック基板に表面実装部品を搭載した後、キャビティを樹脂で封止した状態を示す図である。 図10のセラミック基板をマザーボードに搭載した状態を示す図である。 集合基板から子基板を分割する方法でセラミック基板を製造する方法を説明する図である。 本願発明の実施例1のセラミック基板の製造方法により製造されるセラミック基板の変形例を示す斜視図である。 図13のセラミック基板の平面図である。 本願発明の実施例1のセラミック基板の製造方法により製造されるセラミック基板の他の変形例を示す平面図である。 本願発明の実施例1のセラミック基板の製造方法により製造されるセラミック基板のさらに他の変形例を示す平面図である。 本願発明の実施例1のセラミック基板の製造方法により製造されるセラミック基板のさらに他の変形例を示す平面図である。 本願発明の実施例1のセラミック基板の製造方法の変形例を示す図であって、補強用柱状連結体を備えたセラミック基板の製造方法の一例を説明するための、複合積層体の要部の構造を模式的に示す断面図である。 本願発明の実施例1のセラミック基板の製造方法により製造されるセラミック基板のさらに他の変形例を示す斜視図である。 本願発明の実施例2にかかるセラミック基板の製造方法の一工程を示す図であって、複合積層体の構成を示す図である。 本願発明の実施例2にかかるセラミック基板の製造方法により製造されたセラミック基板を示す図である。 本願発明の実施例3にかかるセラミック基板の製造方法の一工程を示す図であって、複合積層体の構成を示す図である。 本願発明の実施例3にかかるセラミック基板の製造方法により製造されたセラミック基板を示す図である。 本願発明の実施例4にかかるセラミック基板の製造方法の一工程を示す図であって、複合積層体の構成を示す図である。 本願発明の実施例4にかかるセラミック基板の製造方法により製造されたセラミック基板を示す図である。 図25のセラミック基板に表面実装部品を搭載したモジュール基板を示す図である。 本願発明の実施例5にかかるセラミック基板の製造方法の一工程を示す図であって、複合積層体の構成を示す図である。 本願発明の実施例5にかかるセラミック基板の製造方法により製造されたセラミック基板を示す図である。 本願発明の実施例5にかかるセラミック基板の製造方法の変形例を示す図であって、製造工程で形成された複合積層体の構成を示す図である。 本願発明の実施例5にかかるセラミック基板の製造方法の変形例にかかる方法で製造されたセラミック基板を示す図である。 図30のセラミック基板に表面実装部品を搭載したモジュール基板を示す図である。 本願発明の実施例6にかかるセラミック基板の製造方法の一工程を示す図であって、複合積層体に第1切り込み溝を形成した状態を示す図である。 本願発明の実施例6にかかるセラミック基板の製造方法により製造されたセラミック基板を示す斜視図である。 従来のセラミック構造体を示す図である。
符号の説明
1 基板用グリーンシート
2 収縮抑制層用グリーンシート
3 収縮抑制層用グリーンシート接続用ビアホール
4a 第1柱状連結体
4b 第2柱状連結体
4c 補強用柱状連結体
4d、4f 突起部形成用柱状体
5 子基板分割溝
6a 第1切り込み溝
6b 第2切り込み溝
6c 第3切り込み溝
6d 第4切り込み溝
8 樹脂
9 マザーボード
11 セラミック基材層
11a 第1セラミック基材層
11b 第2セラミック基材層
11c 第3セラミック基材層
12a 第1収縮抑制層
12b 第2収縮抑制層
12c 外側収縮抑制層
14 焼結基板
14a、14b、14c、14d、14e、14f、14g、14h、14i、14j、14k セラミック基板
16 電子部品
17 半導体素子
20 中央部
20a 中央部の周辺部
24,24a 突起電極
25 特性評価用導体パターン
31 表面導体
32 内層導体
33 層間接続用のビアホール
34 ビアホール導体
35 集合基板
114,114a モジュール基板
A 複合積層体
B 土手部
Ba 周辺部より内側の土手部
C キャビティ
C1 第1キャビテイ
C2 第2キャビティ
C3 段差付きキャビティ
F1 第1主面
F2 第2主面
L1、L2、L3、L4 辺
R1 第1領域
R2 第2領域

Claims (17)

  1. 未焼結または焼結済みの第1セラミック基材層と、未焼結の第2セラミック基材層と、前記第1セラミック基材層と前記第2セラミック基材層とを連結するための第1柱状連結体を有し、前記各セラミック基材層の焼結する温度では実質的に焼結しない第1収縮抑制層とを介して積層してなる、複合積層体を形成する複合積層体形成工程と、
    前記第2セラミック基材層を、前記第1柱状連結体に接続された第1領域および前記第1柱状連結体に接続されていない第2領域に分割するように、前記複合積層体の前記第2セラミック基材層側から前記第1収縮抑制層に達する第1切り込み溝を形成する切り込み溝形成工程と、
    前記複合積層体を、前記第1セラミック基材層が未焼結の場合には、前記第1および第2セラミック基材層が焼結し、かつ、前記第1収縮抑制層が実質的に焼結しない温度で焼成し、前記第1セラミック基材層が焼結済みの場合には、第2セラミック基材層が焼結し、かつ、前記第1収縮抑制層が実質的に焼結しない温度で焼成する焼成工程と、
    前記第2セラミック基材層の前記第2領域と前記第1収縮抑制層とを取り除き、前記第2セラミック基材層の前記第1領域と前記第1セラミック基材層とが前記第1柱状連結体を介して連結されたセラミック基板を取り出す収縮抑制層除去工程と
    を具備することを特徴とする、セラミック基板の製造方法。
  2. 前記第2領域が前記第1領域に取り囲まれるように形成されており、前記第2領域を取り除くことによって、前記第2セラミック基材層の前記第1領域および前記第1柱状連結体を土手部としたキャビティが形成されるように構成されていることを特徴とする、請求項1記載のセラミック基板の製造方法。
  3. 前記第1切り込み溝を格子状の切り込み溝とすることを特徴とする、請求項1または2記載のセラミック基板の製造方法。
  4. 前記第1セラミック基材層が、その表面および/または内部に第1導体パターンを有し、前記第2セラミック基材層が、その表面および/または内部に第2導体パターンを有しており、前記第1柱状連結体が、前記第1導体パターンと前記第2導体パターンとを電気的に接続する、導電性材料からなる柱状連結体を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のセラミック基板の製造方法。
  5. 前記第1柱状連結体が、前記第1導体パターンと前記第2導体パターンとを電気的には接続していない補強用柱状連結体を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のセラミック基板の製造方法。
  6. 前記第2セラミック基材層の前記第2領域に、特性評価用導体パターンを形成することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のセラミック基板の製造方法。
  7. 前記第1セラミック基材層と、前記第2セラミック基材層と、前記第1柱状連結体とにより規定される空間を埋めるように樹脂層を設ける工程を備えることを特徴とする、請求項2〜6のいずれかに記載のセラミック基板の製造方法。
  8. 前記キャビティ内に表面実装部品を搭載する工程を備え、前記表面実装部品の少なくとも一部を覆うように前記樹脂層を設けることを特徴とする、請求項7記載のセラミック基板の製造方法。
  9. 前記複合積層体形成工程において、前記第1セラミック基材層の、前記第2セラミック基材層側とは反対側に、前記各セラミック基材層の焼結する温度では実質的に焼結しない第2収縮抑制層を介して積層された未焼結の第3セラミック基材層を有しており、かつ、前記第2収縮抑制層には、前記第1セラミック基材層と前記第3セラミック基材層とを連結するための第2柱状連結体が形成された複合積層体を形成し、
    前記切り込み溝形成工程において、前記第3セラミック基材層を前記第2柱状連結体に接続された第1領域、前記第2柱状連結体に接続されていない第2領域に分割するように、前記第3セラミック基材層側から前記第2収縮抑制層に達する第2切り込み溝を形成し、
    前記焼成工程において、前記第1セラミック基材層が未焼結の場合には、前記第1、第2および第3セラミック基材層が焼結し、かつ、前記第1および第2収縮抑制層が実質的に焼結しない温度で焼成し、前記第1セラミック基材層が焼結済みの場合には、前記第2および第3セラミック基材層が焼結し、かつ、前記第1および第2収縮抑制層が実質的に焼結しない温度で焼成した後、
    前記収縮抑制層除去工程において、前記第3セラミック基材層の前記第2領域ならびに前記第2収縮抑制層を取り除くことによって、前記第1セラミック基材層の、前記第2セラミック基材層側である第1主面側に、前記第2セラミック基材層の前記第1領域および前記第1柱状連結体を土手部とした第1キャビテイを、前記第1セラミック基材層の、前記第3セラミック基材層側である第2主面側に、前記第3セラミック基材層の前記第1領域および前記第2柱状連結体を土手部とした第2キャビティを形成することを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載のセラミック基板の製造方法。
  10. 前記複合積層体形成工程において、前記第2セラミック基材層の、前記第1セラミック基材層とは反対側に、前記各セラミック基材層の焼結する温度では実質的に焼結しない第2収縮抑制層を介して積層された未焼結の第3セラミック基材層を有しており、かつ、前記第2収縮抑制層には、前記第2セラミック基材層と前記第3セラミック基材層とを連結するための第2柱状連結体が形成された複合積層体を形成し、
    前記切り込み溝形成工程において、前記第3セラミック基材層を前記第2柱状連結体に接続された第1領域、前記第2柱状連結体に接続されていない第2領域に分割するように、前記第3セラミック基材層側から前記第1収縮抑制層に達する第3切り込み溝を形成し、
    前記焼成工程において、前記第1セラミック基材層が未焼結の場合には、前記第1、第2および第3セラミック基材層が焼結し、かつ、前記第1および第2収縮抑制層が実質的に焼結しない温度で焼成し、前記第1セラミック基材層が焼結済みの場合には、前記第2および第3セラミック基材層が焼結し、かつ、前記第1および第2収縮抑制層が実質的に焼結しない温度で焼成した後、
    前記収縮抑制層除去工程において、前記第3セラミック基材層の前記第2領域ならびに前記第2収縮抑制層を取り除くことによって、側壁に段差部を有する段差付きキャビティを形成すること
    を特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載のセラミック基板の製造方法。
  11. 前記切り込み溝形成工程において、前記第1セラミック基材層を、前記第1柱状連結体に接続された第1領域、前記第1柱状連結体に接続されていない第2領域に分割するように、前記第1セラミック基材層側から前記第1収縮抑制層に達する第4切り込み溝を形成し、
    前記焼成工程において、前記第1セラミック基材層が未焼結の場合には、前記第1および第2セラミック基材層が焼結し、かつ、前記第1収縮抑制層が実質的に焼結しない温度で焼成し、前記第1セラミック基材層が焼結済みの場合には、第2セラミック基材層が焼結し、かつ、前記第1収縮抑制層が実質的に焼結しない温度で焼成した後、
    前記収縮抑制層除去工程において、前記第1セラミック基材層の前記第2領域を取り除くことにより、両面にキャビティを形成することを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載のセラミック基板の製造方法。
  12. 前記各セラミック基材層のうち、切り込み溝が形成されることになる最も外側のセラミック基材層の外側に、収縮抑制層を配設し、前記収縮抑制層を介して、前記切り込み溝が形成されるべきセラミック基材層に切り込み溝を形成することを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載のセラミック基板の製造方法。
  13. 前記セラミック基材層のうち、最も外側のセラミック基材層の外側に、収縮抑制層を配設し、両主面に前記収縮抑制層が配設された状態で前記複合積層体を焼成することを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載のセラミック基板の製造方法。
  14. 両主面に切り込み溝のない収縮抑制層が配設された状態で前記複合積層体を焼成することができるように、最も外側の収縮抑制層に切り込み溝が形成されている場合に、さらにその外側に切り込み溝の形成されていない収縮抑制層を配設することを特徴とする、請求項13記載のセラミック基板の製造方法。
  15. 前記最外層の収縮抑制層の少なくとも一方に、金属を導電成分として含有する導電材料からなる突起部形成用柱状体を設けておき、前記複合積層体の焼成後、前記最外層の収縮抑制層を取り除くことにより、突起電極を備えたセラミック基板を得ることを特徴とする、請求項13記載のセラミック基板の製造方法。
  16. 前記各工程を、複数のセラミック基板を集合してなる集合基板の状態で実施し、焼成後、前記集合基板を子基板に分割する工程を有することを特徴とする、請求項1〜15のいずれかに記載のセラミック基板の製造方法。
  17. 前記集合基板を前記子基板に分割するための分割溝を、各切り込み溝を形成する面側から前記第1セラミック基材層に達するように形成することを特徴とする、請求項16記載のセラミック基板の製造方法。
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