JP2007094290A - バックプリントラベル用紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】 一旦貼着し剥離した後は、再貼着できなくなり、不正使用が防止されるのみならず、印刷された文字等が擦れて不鮮明になったり、削られたりすることがなく更には、剥離後、被着体側に印刷された文字等が識別可能に残る新たなバックプリントラベル用紙を提供すること。
【解決手段】 透明な基材1の一面に多孔質構造を有する凝集破壊層2を設け、該破壊層2の表面に文字等Pの印刷を施しその表面に粘着剤層3を設けたラベル用紙において、印刷された文字等Pを前記基材1の他面側から観るようにしたこと。
【選択図】図3

Description

本発明は、値段表示やバーコード表示、或いは可変情報をその都度表示するオンデマンド用途等に使用されるラベル用紙に関し、特に手間やコストのかかるラミネート加工等を施さなくとも、印刷された文字又は記号若しくは図形またはそれらの組合せ(以下、文字等という)が貼着後に擦れて不鮮明になったり、不正目的に貼替えられる等のおそれのないラベル用紙に関する。
従来から、貼替防止用のラベルやシール或いはシートが種々提案されている。例えば、特許文献1には、貼替防止ラベルとして、表面基材と、該基材の裏面に形成され、基材の剥離時に凝集破壊する凝集破壊層と、該破壊層の裏面に形成される粘着剤層を含む貼替防止ラベルが提案されている。また、特許文献2には、ポリウレタン樹脂と無機フィラーを含有する樹脂組成物を用いた脆質接着シートが提案されている。
しかしながら、特許文献1において提案されている貼替防止ラベルでは、剥離強度を好適な値にするには、フィラーと樹脂のみで形成されている凝集破壊層中のフィラー成分を多くする必要があり、そのため、凝集破壊層の表層に紙粉が発生してしまうという問題があった。また、凝集破壊層が固形分で密に凝固されるため、原料が多量に使用されることとなり、コストがかさむという問題があった。
また、特許文献2において提案されている脆質接着シートは、原料としてポリウレタン樹脂を用いるため、用途によっては、耐候性に難があるという問題があった。
更に、特許文献1において提案されている貼替防止ラベルは、値札ラベルとして用いることを想定し、基材に隠蔽性を有する上質紙などを使用し、その表面に、例えば商品の値段などを表示するための印刷、および印字などがなされている。しかし、基材の表面が擦れたりして印刷等された値段の表示が不鮮明になることもあり、また、意図的に値段表示が削られ、値段が書き換えられるおそれがあった。
印刷等された商品の値段表示が擦れたり、削られたりしないように印刷等が施された基材の表面を透明なプラスチックフィルムで被覆し保護すること、所謂ラミネート加工を施すことも考えられる。しかし、印刷後に基材表面をプラスチックフィルムで被覆するのでは手間がかかる上に、コストがかかりすぎ、またラベルも厚くなってしまうという問題があった。
また、特許文献1,2に提案されているような従来の貼替防止ラベルや脆質接着シートは、剥離時に凝集破壊層が破壊されるので剥離した後に再貼着できなくなり、不正使用が防止されるが、剥離後に商品の値段等が印刷された基材側が持ち去られてしまうと、剥離前のその商品の値段がわからなくなってしまうという問題があった。
特開平8−30202号公報 特開2003−171478号公報
本発明は、一旦貼着し剥離した後は、再貼着できなくなり、不正使用が防止されるのみならず、印刷された文字等が擦れて不鮮明になったり、削られたりすることがなく、更には、剥離後も被着体側に印刷された文字等が識別可能に残る新たなラベル用紙を提供することをその課題とするものである。
上記課題を解決することを目的としてなされた本発明の構成は、透明な基材の一面に多孔質構造を有する凝集破壊層を設け、該破壊層の表面に文字等の印刷を施しその表面に粘着剤層を設けたラベル用紙において、印刷された文字等を前記基材の他面側から観るようにしたことを特徴とするものである。
本発明は、上記構成において、印刷は、メチルエチルケトン、トルエン、酢酸エチルのいずれか又はこれらの2以上を混合したものを溶剤の主成分とするインクを用いて行なうのが好ましい。また、このインクを用いることにより、凝集破壊層の印刷されたインクの受容部は、インクの溶剤により溶解または膨潤され、多孔質構造がつぶれて緻密化され、透明化現象を生じさせることが可能となる。更に、凝集破壊層の粘着時における表層剥離強度は、0.10〜1.50N/25mmであるのが好ましい。
本発明は、凝集破壊層が多孔質構造を有することから、この凝集破壊層を透明な基材の一面に設け、その破壊層の表面に文字等の印刷を施せば、インクが凝集破壊層に受容され基材との境界面にまで浸透して基材の他面側から印刷した文字等を観ることができることに着目してバックプリントタイプのラベル用紙にしたので、従来のようにラミネート加工を施さなくとも、印刷した商品の値段などの文字等が透明な基材に保護され、貼着後にラベル用紙の表面が擦れたり汚れても文字等が不鮮明になることがないという効果が得られる。また、透明な基材で保護されているので、意図的に印刷された商品の値段表示が削られたりするおそれもないという効果が得られる。
また、本発明のラベル用紙に印刷を施すとき、メチルエチルケトン、トルエン、酢酸エチルのいずれか又はこれらの2以上を混合したものを溶剤の主成分とするインクを用いて行なえば、上記破壊層の印刷されたインクの受容部がインクの溶剤により溶解または膨潤され、多孔質構造がつぶれて緻密化されるので、仮に該破壊層が破壊されて基材側が持ち去られても、商品側に残っている粘着剤層上の該破壊層の一部から印刷された文字等の痕跡を読取ることができるため、剥がされたラベル用紙にどのような表示がされていたかを確認することができるという効果が得られる。
次に、本発明の実施の形態例を図に拠り説明する。図1は本発明を適用するバックプリントラベル用紙の一例の断面図、図2は図1のラベル用紙の剥離後の粘着剤層側の剥離面を拡大した平面図、図3は図1のバックプリントラベル用紙に印刷を施した本発明のバックプリントラベル用紙の一例の断面図、図4は図3のラベル用紙を一部剥離した状態を示す斜視図である。
図1は、本発明のバックプリントラベル用紙が基本的に貼替防止ラベルであることを説明するために、印刷を施さない状態での構造を示したもので、図1において、1は透明な基材、2はこの基材1の一面に設けた凝集破壊層、3はこの凝集破壊層2の表面に設けた粘着剤層である。
本発明に用いる基材1としては、透明なフィルム状又はシート状のもので、コーティングが可能なものであれば基本的に用いることができる。基材1の厚さは10〜400μm、好ましくは20〜300μmである。フィルム状のものとして、例えば、透明なプラスチックフィルムが挙げられる。プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート,ポリプロピレン,ポリスチレン,ポリ塩化ビニル,ポリメチルメタクリレート,ポリエチレン,ポリカーボネート,ポリ乳酸等の透明なフィルムが挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート,ポリプロピレンのフィルムがラベルに適した剛度(こし)が得られる点、またコストの点から好適に用いられる。なお、基材1の表面とインク受容層となる凝集破壊層2の接着性を向上させるために、易接着処理層を施してもよく、また、コロナ放電加工などを施してもよい。更に、基材1と凝集破壊層2の接着強度を増すためにアンカーコート層やクッション性を増すために中間層を設けてもよい。
次に、凝集破壊層2は、基材1の一面に樹脂とフィラーを含む塗工液、又は樹脂単独の塗工液、又は樹脂同士をブレンドした塗工液を塗布して設ける。塗工法としては、例えば湿式凝固法を用いることができる。ここで、湿式凝固法とは、樹脂を有機溶媒に溶解したものにフィラーを添加して塗工液とし、該塗工液を基材上に塗布した後、前記溶媒との相溶性は有するが前記樹脂に対し非溶媒である液中に通して有機溶媒を置換かつゲル化し、凝固させ、乾燥して、塗工層である凝集破壊層を形成することをいう。また、塗工液は前記した残りの2タイプも使用できる。更に、一般的に公知な乾式コート法も用いることができる。しかしながら、凝集破壊層を形成するには、多孔度合いが大きな湿式凝固法を用いる方が有利である。
形成された凝集破壊層(塗工層)は多孔質構造に形成されるのであるが、そのメカニズムは樹脂に対し非溶媒である液中に通して凝固する際、有機溶媒が液中に抜ける時に抜け道が空洞となって、この空洞部が孔となることによる。この液に通す回数は、通常2回であるが、その液の温度としては、1回目は15℃以上40℃以下、好ましくは20℃以上30℃以下、2回目は60℃以上100℃未満、好ましくは80℃以上95℃以下である。このように温度調節することにより、孔の数、大きさを調節することができ、温度を上げることにより、孔を大きくすることが可能となる。
凝集破壊層2におけるこの孔の数や径は、該破壊層2を形成する塗工液の固形分重量濃度や該破壊層2におけるフィラー固形分重量/樹脂固形分重量の比、凝固液の温度を変えることにより調整することができるので、用途に応じた剥離強度にすることができる。詳細には、固形分重量濃度を低く、フィラー固形分重量/樹脂固形分重量の比を高くすると孔の数が多くなり、固形分重量濃度を低く、凝固液の温度を高くすると、孔径を大きくすることができる。本発明においては、この孔の調整により、剥離強度を制御することができる。ここで、剥離強度とは、一般には剥離するときにかかる力[N]のことをいうが、特に本発明に関しては、凝集破壊層2が破壊されながら裂けるときにかかる力のことをいう。この強度は、多孔化の度合いにより制御することができる。すなわち、孔の数を多く、孔径を大きくすることにより、剥離強度を低くする(凝集破壊層の層間で破壊されやすくする)ことが可能となる。本発明における凝集破壊層2の粘着時における表層剥離強度は、0.10〜0.90N/25mmであるのが好ましいが、本発明の効果を最も良く再現する剥離強度は、0.200〜0.800〔N/25mm〕である。
バックプリントラベル用紙としては、例えば、値札ラベルのように店頭の商品に貼り付けるもの、自転車の車輪カバーに貼り付けるもの、自動車のエンジンルームに貼り付けるもの、ブレスチケット用に用いるもの、可変情報を印刷するオンデマンド用に用いるもの等、様々なものがあるが、それらは、その被着体の相違により、凝集破壊層2の剥離強度をそれぞれに合ったものに調整する必要がある。本発明では、多孔化の度合いにより剥離強度を調節することができ、積層体と被着体との接着度合いに応じたものを作製することが可能となる。
上記塗工液の樹脂としては、ポリエステル樹脂,ポリ塩化ビニル樹脂,ポリスチレン樹脂,ポリメチルメタクリレート樹脂,ポリカーボネート樹脂,ポリウレタン樹脂,塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂,アクリル樹脂,アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂,アクリロニトリル−メチルアクリレート共重合樹脂,ポリビニルブチラール樹脂,スチレン−ブタジエン共重合樹脂,メチルメタクリレート−ブタジエン共重合樹脂,塩化ビニル−アクリル共重合樹脂,酢酸ビニル−エチレン−アクリル共重合樹脂,また、塩化ビニル−アクリル共重合樹脂又は塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂と、飽和共重合ポリエステル樹脂とを混合したもの等が挙げられる。
上記塗工液のフィラーとしては、有機フィラー、無機フィラーのいずれでも使用でき、特に限定されるものではない。例えば、ポリスチレン,ポリメチルメタクリレート,スチレン−アクリル共重合体,合成シリカ,クレー,タルク,珪藻土,炭酸カルシウム,焼成カオリン,酸化チタン,酸化亜鉛,サテンホワイト等が使用できる。中でも、炭酸カルシウムや酸化チタンが好適に用いられる。これを用いることにより、安価で印刷性や白色度が向上する。
上記塗工液に用いる有機溶媒としては、多孔質層を形成する樹脂を溶解するものであればよい。例えば、ジメチルホルムアミド(DMF),N−メチルピロリドン,ジメチルスルホキシド,ジメチルアセトアミド,テトラヒドロフラン,γ−ブチロラクトン等が挙げられる。中でも、DMFが、多孔質膜の加工性、簡便性、安価な点等から好適に用いられる。
次に、湿式凝固法における樹脂に対し非溶媒である液としては、水,エタノール,メタノール等が挙げられるが、中でも、水が好適に用いられる。水は取り扱いが非常に容易だからである。
このようにして作製された凝集破壊層2は、その密度を0.5〜1.0g/cm3とするものである。湿式凝固法で作製した場合、凝集破壊層2(多孔質層)は、乾式法と比べ、その多孔度合いが高く、貼替防止用積層体として適度な剥離強度を有するものの作製が可能である。したがって、乾式法のように、多量のフィラーを添加する必要はなく、紙粉の発生を防止することができる。なお、ここでいう密度とは、JIS P-8118に基づく数値である。
また、凝集破壊層2を形成する塗工液の固形分重量濃度は、5〜60wt%が好ましく、さらに好ましくは、10〜50wt%である。貼替防止用として良好な剥離強度を有する積層体を作製するためには、濃度をこの範囲とする必要がある。濃度が5wt%よりも低いと、剥離強度が低くなり、貼替防止用途としての適用が困難である場合もありうる。また、濃度が60wt%よりも高いと、逆に剥離強度が高くなり、凝集破壊層で凝集破壊しにくくなり、これも貼替防止用途としての使用に困難さを伴う場合もある。また、濃度が上記範囲外であると、塗工性(基材との濡れ性)が悪くなり、表面にムラが生じ、製品適性が悪くなってしまい、この点からも好ましくない。
更に、凝集破壊層2を形成する塗工液の固形分中におけるフィラーと樹脂の重量比は、樹脂1に対しフィラー0.5〜6.0が好ましく、さらに好ましくは2.0〜5.0である。重量比が0.5を下回ると、孔が形成されにくくなるため、剥離強度が高くなってしまい、凝集破壊しにくくなる場合がある。6.0を上回ると、フィラーが表面に露出され、紙粉の原因となり、好ましくない。
また、凝集破壊層2は、上記湿式凝固法により多孔質構造に形成されるが、その多孔質構造は、剥離により破壊された凝集破壊層2の粘着剤層側の剥離面の算術平均粗さRaが0.4〜1.0μmの範囲のものである。この算術平均粗さRaは、多孔質の内容と関連するものであり、上記の範囲であることにより、貼替防止用ラベルと考えた場合の凝集破壊層として、適度な孔を有するといえる。ここで、算術平均粗さRaとは、粗さ曲線から、平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から測定曲線までの偏差の絶対値を合計し、平均した値をいう。
次に、粘着剤層3を形成する粘着剤としては、天然ゴム,合成ゴム,アクリルやウレタン等の一般的な樹脂が使用でき、中でもアクリル樹脂が好適に用いられる。
上記構成の本発明を適用するバックプリントラベル用紙は、その粘着剤層3を被着体4に当てがい、貼着して使用する。なお、粘着剤層3に予め離型紙を貼着しておき、ラベル用紙の使用時に離型紙を剥がして使用したり、多数のラベル用紙を貼着してある離型紙から個々にラベル用紙を剥がして使用したりするなどの使用形態がある。
図1に示したように、被着体4に貼着されたラベルを剥がそうとすると、凝集破壊層2において凝集破壊が起こり、粘着剤層3側の剥離面2aと基材1側の剥離面2bとに分離される。このため、価格表示等が異なる2つのラベルを剥がし、それらを貼替えようとしてもうまく貼付けることができず、不正使用が防止されることとなる。なお、図2に、図1のラベル用紙の剥離後の粘着剤層側の剥離面を拡大した平面図を示してある。
次に、図3,図4により、本発明のバックプリントラベル用紙の一例について説明する。なお、図1,図2において示した符号と同一符号は同一の部材を示している。図3は、透明な基材1の一面に凝集破壊層2を設けた後、その凝集破壊層2の表面に文字等「プリント」の印刷を施した状態を示し、印刷した後、その印刷した側の凝集破壊層2の表面に粘着剤層2が設けられることを示している。
また、印刷の方式は、グラビア印刷、オフセット印刷,シルク印刷,インクジェット印刷などが挙げられる。このうち、印刷に用いるインクの溶剤にメチルエチルケトン、トルエン、酢酸エチルのいずれか又はこれらの2以上を混合したものを使用したものがより好ましい。更に、インクとしては、染料系より顔料系のインクの方が耐候性の強さの点でより好ましい。
印刷された文字の「プリント」は、図3に示したように多孔質構造を有する凝集破壊層2に受容されその表面から基材1側に浸透して基材1との境界面に到達する。その結果、「プリント」の文字は、透明な基材1の他面側から観ることができるようになる。このとき、凝集破壊層2に受容されたインクの溶剤により、凝集破壊層2のインク受容部分の多孔質構造が溶解または膨潤されてつぶれ、緻密化されるので、図4に示したようにラベル用紙を剥離すると、凝集破壊層2の緻密化された部分も凝集破壊されて粘着剤層3側に残った凝集破壊層2に残り、基材1側が持ち去られても印刷された文字の「プリント」を識別することができることとなる。
また、印刷された文字の「プリント」は、上記のように凝集破壊層2における透明な基材1との境界部分に表示され、基材1によって保護されているため、基材1の他面側が擦れたり、汚れたりしても、きれいに拭き取るなどすれば、「プリント」の文字が不鮮明になることはない。また、基材1の他面側から「プリント」の文字を削り落とすこともできなくなる。
更に、本発明のバックプリントラベル用紙は、ロール巻きにすることにより、テープのようにして使用することも可能である。
以下、本発明のバックプリントラベル用紙の実施例及び効果について説明する。なお、下記において、各組成中の成分表示における「部」は、すべて「重量部」を意味している。
厚さ100μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(メリネックス545 帝人デュポンフィルム(株)製)の表面に下記組成−1の塗工液をアプリケーターで塗布し、20℃の水に1分間浸漬、さらに90℃の熱水に5秒間浸漬して水切り後、帯電防止剤を塗布し、80℃で乾燥して20μmの白色で多孔質な凝集破壊層を形成した。その後、凝集破壊層上部にMEK/トルエン/酢酸エチルを混合溶剤とする一般的に市販されているグラビアインキ(青色を用いた)で「プリント」と印刷し、粘着剤(アクリル樹脂)を印刷された凝集破壊層の上部に設け、本発明の一例のバックプリントラベル用紙を作製した。このものは、基材の凝集破壊層とは他面側から観た時、印刷部である「プリント」という文字が基材側に鮮明に映し出されていた。次に、このものを被着体であるステンレス板に貼り付け、5分後に剥離したところ凝集破壊層の層間で剥離し、しかも「プリント」という文字は被着体側の層に識別可能に鮮やかに残っていた。勿論、粘着剤層は被着体側に残っている為、剥離したラベルを再度別の場所に貼ることはできない。このものの表層剥離強度は0.416〔N/25mm〕、算術平均粗さは0.72〔μm〕であった。また、表層の密度は0.73〔g/cm3〕であった。
〔組成−1〕
アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂
(ライタック120PCF、日本エイアンドエル社製、固形分100%) 7部
軽質炭酸カルシウム
(軽質炭酸カルシウム、丸尾カルシウム社製、固形分100%) 27部
酸化チタン(タイペークR-820、石原産業社製、固形分100%) 3部
ジメチルホルムアミド(固形分0%) 60部
可塑剤(ジオクチルアジペート、固形分100%) 3部
厚さ50μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(サンオリエントPB-260 フタムラ化学(株)製)の表面に下記組成−2をバーコーターで塗布し、アンカーコート層を設けた後、下記組成−3の塗工液をアプリケーターで塗布し、20℃の水に1分間浸漬、さらに90℃の熱水の中に5秒間浸漬して水切り後、帯電防止剤を塗布し、80℃で乾燥して20μmの白色で多孔質な凝集破壊層を形成した。その後、印刷された凝集破壊層上部に実施例1と同様に「プリント」という文字を実施例1と同様のグラビアインキを用い印刷した後、粘着剤(アクリル樹脂)を印刷された凝集破壊層の上部に設け、本発明の別例のバックプリントラベル用紙を作製した。このものは、基材の凝集破壊層とは他面側から観たとき、印刷部である「プリント」という文字が実施例1と同様に基材側に鮮明に映し出されていた。次に、このものを被着体である鉄板に貼り付け、5分後に剥離したところ凝集破壊層の層間で剥離し、しかも「プリント」という文字は被着体側の層に識別可能に鮮やかに残っていた。勿論、このラベルを別な場所に貼ろうとしても不可能なことは実施例1と同様である。このものの表層剥離強度は0.250〔N/25mm〕、算術平均粗さは0.63〔μm〕であった。また、表層の密度は0.58〔g/cm3〕であった。
〔組成−2〕
水(固形分0%) 59部
スチレン−アクリル樹脂エマルジョン
(アクロナールYJ2721Dap、信陽ケミカル社製、固形分46.5%) 37部
シリカ(ミズカシルP-801、水沢化学工業社製、固形分100%) 2部
湿潤剤(SNウェット366、サンノプコ社製、固形分70%) 1部
増粘剤(プライマルRM8W、ロームアンドハースジャパン社製、固形分30%) 1部
〔組成−3〕
アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂
(ライタック120PCF、日本エイアンドエル社製、固形分100%) 8部
軽質炭酸カルシウム
(軽質炭酸カルシウム、丸尾カルシウム社製、固形分100%) 18部
酸化チタン(タイペークR-820、石原産業社製、固形分100%) 2部
ジメチルホルムアミド(固形分0%) 69部
可塑剤(ジオクチルアジペート、固形分100%) 3部
〔評価法〕
剥離強度は、粘着力試験法で評価する(JIS Z-0237準拠)。ラベル用紙をSUS304鋼板に手動型テープ圧着ロールを用いて貼り、引張試験機(ストログラフV1−C東洋精機社製)で強度を測定した。
算術平均粗さは、JIS B-0601-1994に準拠し、レーザー変位計(キーエンス社製)を用いて測定した。
密度は、JIS P-8118に準拠し測定した。
本発明は、スーパーのラベルなどのように目を盗んで早く剥がされるものや、ブランド品・純正品などのラベルなどのようにゆっくり剥がされるものなど、ケースバイケースの強度に対応したバックプリントラベル用紙を提供することができる。また、本発明のバックプリントラベル用紙は、ラミネート加工等を施さなくとも文字等が不鮮明になったり、削り取られることがないので、例えば値札ラベルとして好適に使用することができ、剥離されても印刷した文字等の痕跡が残るので、剥離される前の商品の値段などをすぐに確認することができる。
本発明を適用するバックプリントラベル用紙の一例の断面図。 図2は図1のラベル用紙の剥離後の粘着剤層側の剥離面を拡大した平面図。 図1のバックプリントラベル用紙に印刷を施した本発明のバックプリントラベル用紙の一例の断面図。 図3のラベル用紙を一部剥離した状態を示す斜視図。
1 基材
2 インク受容層
3 粘着剤層
4 被着体
P 文字等

Claims (4)

  1. 透明な基材の一面に多孔質構造を有する凝集破壊層を設け、該凝集破壊層の表面に文字等の印刷を施しその表面に粘着剤層を設けたラベル用紙において、印刷された文字等を前記基材の他面側から観るようにしたことを特徴とするバックプリントラベル用紙。
  2. 印刷は、メチルエチルケトン、トルエン、酢酸エチルのいずれか又はこれらの2以上を混合したものを溶剤の主成分とするインクを用いて行なうことを特徴とする請求項1のバックプリントラベル用紙。
  3. 凝集破壊層の印刷されたインクの受容部は、インクの溶剤により溶解または膨潤され、多孔質構造がつぶれて緻密化されることを特徴とする請求項1又は2のバックプリントラベル用紙。
  4. 凝集破壊層の粘着時における表層剥離強度は、0.10〜0.90N/25mmであることを特徴とする請求項1のバックプリントラベル用紙。
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