JP6729290B2 - スクラッチシート - Google Patents

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Description

本発明は、所定の作業を行うことにより、隠蔽されていた情報を視認可能とするスクラッチシートに関する。
従来、隠したい情報の上に隠蔽層を形成し、この隠蔽層をコイン等でスクラッチする(引っ掻く、擦る)ことにより、隠されていた情報を視認可能にするスクラッチ構造を有するシートが用いられている。このようなスクラッチ構造を有するシートは、くじ、抽選券等、情報を隠蔽しておく必要のある媒体に利用されている。出願人も、スクラッチ構造を有するシート(スクラッチシート)として、様々な形態のものを提案している(特許文献1、2参照)。
特開2013−22853号公報 特開2013−91233号公報
スクラッチシートは、上述のように、くじ、抽選券等に用いられることが多く、エンタテイメント性が要求されるものである。しかしながら、従来のスクラッチシートでは、隠蔽層を削ったり剥がしたり等、所定の作業を行うことにより隠された情報を出現させるだけであった。
そこで、本発明は、所定の作業を行うことにより、単に隠された情報を知ることができるだけでなく、段階的に情報を出現させることが可能なスクラッチシートを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明第1の態様では、
基材と、
前記基材の一方の面に形成された情報記録層と、
前記情報記録層に重ねて形成された剥離層と、
前記剥離層に重ねて形成され、相対的に厚い部分である厚塗布部と当該厚塗布部より薄い薄塗布部を備えた第1の隠蔽層と、
前記第1の隠蔽層に重ねて形成され、相対的に厚い部分である厚塗布部と当該厚塗布部より薄い薄塗布部を備えた第2の隠蔽層と、
前記第2の隠蔽層を保護する保護層と、
を有し、
前記第1の隠蔽層の厚塗布部に対応する位置に第2の隠蔽層の薄塗布部が重なり、前記第1の隠蔽層の薄塗布部に対応する位置に第2の隠蔽層の厚塗布部が重なることを特徴とするスクラッチシートを提供する。
本発明第1の態様によれば、スクラッチシートが、基材と、基材の一方の面に形成された情報記録層と、情報記録層に重ねて形成された剥離層と、剥離層に重ねて形成され、相対的に厚い部分である厚塗布部と厚塗布部より薄い薄塗布部を備えた第1の隠蔽層と、第1の隠蔽層に重ねて形成され、相対的に厚い部分である厚塗布部と厚塗布部より薄い薄塗布部を備えた第2の隠蔽層と、前記第2の隠蔽層を保護する保護層を有し、第1の隠蔽層の厚塗布部に対応する位置に第2の隠蔽層の薄塗布部が重なり、第1の隠蔽層の薄塗布部に対応する位置に第2の隠蔽層の厚塗布部が重なるようにしたので、剥離層の影響が第1の隠蔽層の薄塗布部を介して第2の隠蔽層の厚塗布部にまで及び、第2の隠蔽層の厚塗布部が、第1の隠蔽層から剥離し易くなる。また、第2の隠蔽層が保護層により保護されているため、耐摩擦性があるとともに、剥離層を厚くすることができ、剥離性(剥離し易さ)が向上する。このため、第2の隠蔽層の厚塗布部のみを粘着テープ等で剥がすことができ、残った第1の隠蔽層、第2の隠蔽層をコイン等で削ることにより段階的に情報を出現させることが可能となる。
また、本発明第2の態様では、前記スクラッチシートにおいて、前記第1の隠蔽層の厚塗布部の厚さは、3.0μm〜5.0μmであり、前記第1の隠蔽層の薄塗布部の厚さは、0.5μm〜1.5μmであることを特徴とする。
本発明第2の態様によれば、第1の隠蔽層の厚塗布部の厚さは、3.0μm〜5.0μmであり、第1の隠蔽層の薄塗布部の厚さは、0.5μm〜1.5μmであるので、剥離層の影響が、第1の隠蔽層の薄塗布部を介して第2の隠蔽層の厚塗布部にまで及ぶ一方、第1の隠蔽層の厚塗布部を介して第2の隠蔽層の薄塗布部に及ばないようにできる可能性が高まる。このため、第2の隠蔽層の厚塗布部のみを、第1の隠蔽層から一層剥離し易くなる。
本発明によれば、所定の作業を行うことにより、単に隠された情報を知ることができるだけでなく、段階的に情報を出現させることが可能となる。
本発明の一実施形態に係るスクラッチシートを示す図である。 粘着テープ等を利用して第2の隠蔽層5、保護層6の一部を除去した状態のスクラッチシートを示す図である。 硬貨により擦られた後の状態におけるスクラッチシートを示す図である。 第1の隠蔽層4の厚塗布部の形成パターンにより得られる、第2の隠蔽層5、保護層6の残留パターンの異なる例を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<1.スクラッチシートの構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るスクラッチシートを示す図である。図1(a)は平面図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A線に対応する断面図である。図1において、1は基材、2は情報記録層、3は剥離層、4は第1の隠蔽層、5は第2の隠蔽層、6は保護層、10はスクラッチシートである。基材1は、情報記録層2、剥離層3、第1の隠蔽層4、第2の隠蔽層5および保護層6を支持する支持体としての役割を果たすものであり、カードや印刷物等、目的・用途に応じた厚さ・サイズのものが用いられる。基材1の一方の面、他方の面、または両面には、別途印刷インキにより所定の情報が印刷された印刷層が形成されていてもよい。
隠蔽層としては、第1の隠蔽層4と第2の隠蔽層5の2層が存在し、第2の隠蔽層5が第1の隠蔽層4に重ねて形成されている。第1の隠蔽層4は、相対的に厚く塗布された厚塗布部4aと相対的に薄く形成された薄塗布部4bを備えている。上面側から見ると、厚塗布部4aは、平面形状が所定のパターンで形成されたものである。本実施形態では、第1の隠蔽層4の厚塗布部4aは、長方形(正方形を含む意味)を格子状に配置したパターンで形成されている。また、第2の隠蔽層5は、相対的に厚く塗布された厚塗布部5aと相対的に薄く形成された薄塗布部5bを備えている。第1の隠蔽層4の厚塗布部4aに対応する位置に第2の隠蔽層5の薄塗布部5bが重なり、第1の隠蔽層4の薄塗布部4bに対応する位置に第2の隠蔽層5の厚塗布部5aが重なっている。
第1の隠蔽層4と第2の隠蔽層5の色は、任意の様々な色を用いることができるが、情報記録層2を視認困難なように隠蔽可能な色とする必要がある。また、後述のように、第2の隠蔽層5の一部を粘着テープ等により剥離した際に、剥離した部分とその他の部分が明確に区別できるように、第1の隠蔽層4と第2の隠蔽層5の色は、目視で認識可能な程度に異なる色であることが好ましい。ここで、粘着テープ等とは、例えば、セロハンテープ、ビニールテープ、ガムテープ等、粘着剤または接着剤が塗布されたテープを意味する。図1の例では、第2の隠蔽層5が第1の隠蔽層4の存在も隠蔽しており、第1の隠蔽層4が視認困難となっている。図1の例では、第2の隠蔽層5が第1の隠蔽層4の存在を隠蔽する場合における、第1の隠蔽層4の厚塗布部4aの形成位置を、格子状に配置した破線の長方形の枠により示している。
情報記録層2は、文字、図柄等による所定の情報が記録された層である。情報記録層2は、剥離層3を介して形成された第1の隠蔽層4および第2の隠蔽層5により、視認困難なように隠蔽される。
剥離層3は、第1の隠蔽層4を情報記録層2から容易に剥離可能とするために形成された層である。剥離層3は、情報記録層2を覆うようにして形成されている。第1の隠蔽層4および第2の隠蔽層5は、情報記録層2を隠蔽するために形成された層である。第1の隠蔽層4および第2の隠蔽層5は、剥離層3に重ねて形成されている。したがって、第1の隠蔽層4および第2の隠蔽層5も、情報記録層2を覆うようにして形成されている。
第1の隠蔽層4は、情報記録層2により表現された情報を隠すための層であり、情報記録層2を覆うようにして形成されている。第1の隠蔽層4は、墨インキ等を用いて形成されている。
第2の隠蔽層5は、情報記録層2により表現された情報を隠すための層であり、情報記録層2を覆うようにして形成されている。墨インキを用いて形成された第1の隠蔽層4との目視による区別を可能とするため、第2の隠蔽層5は、墨インキとは異なる色のインキを用いて形成されている。本実施形態では、銀インキを用いて第2の隠蔽層5を形成している。銀インキには金属粉末であるアルミニウム粉末が含まれている。金属粉末が含まれていることにより、第2の隠蔽層5自体が固化し易くなり、第1の隠蔽層4との密着性を弱めることができる。このため、粘着テープ等により第2の隠蔽層5を第1の隠蔽層4から剥離し易くなる。したがって、第2の隠蔽層5には、金属粉末が含まれていることが好ましい。
保護層6は、第2の隠蔽層5を保護するための層であり、第2の隠蔽層5を覆うようにして形成されている。
図1(b)の断面図は、スクラッチシート10の層構成を示すものであるため、現実とは厚さの比が異なっている。現実には、スクラッチシートの幅が数十mm〜数百mmであるのに対して、スクラッチシートの厚さは、数百μm程度である。また、図1(b)においては、基材1、情報記録層2、剥離層3、第1の隠蔽層4、第2の隠蔽層5の各層の厚さを略同一にして示しているが、現実には、後述するように、それぞれ異なった厚さとなっている。なお、スクラッチシートの層構成は、どちらを上層、下層としてもよいが、以下では説明に便宜上、保護層6側を上層、基材1側を下層として説明していく。
基材1としては、例えば、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、セルロース繊維紙等の紙類、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリレート等の各種合成樹脂のプラスチックシート、また、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルム、あるいは基材内部に微細空隙(ミクロボイド)を有するフィルム(いわゆる合成紙)を使用することができる。
基材1の厚さについては、特に限定はないが、3μm〜300μmが好ましく、20μm〜175μmであることがより好ましい。基材1の色についても、特に限定はないが、情報記録層2に表現された情報を視認し易いように、情報記録層2と異なる色であることが好ましい。
情報記録層2は、上述のように、文字、図柄等による所定の情報が記録された層である。所定の情報としては、様々な情報を記録することができる。例えば、「12345」のような番号を示す情報を記録しておき、スクラッチシートを抽選のための「くじ」として用いることができる。情報記録層2は、公知の印刷インキを、オフセット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、電子写真印刷等の公知の印刷方式により印刷することにより形成される。
剥離層3は、第1の隠蔽層4の剥離を容易にするための層である。そのため、剥離層3としては、第1の隠蔽層4が剥離層3から容易に剥離できるように、第1の隠蔽層4との接着性の低いものを使用することが好ましい。剥離層3の形成には、例えば、フッ素系樹脂、シリコーン、各種のワックスなどの離型剤を添加または共重合させたアクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、繊維素系樹脂、ワックス、メラミン系樹脂等を用いることができる。また、本実施形態では、下層側の情報記録層2を視認するため、剥離層3が透明性を有していることが好ましい。また、剥離層3を形成するための塗布量・塗布厚は特に限定されないが、好ましくは、塗布厚は1.0μm以上である。保護層6の存在により、粘着テープ等による剥離のための力の影響が、第1の隠蔽層4まで及び難くなり、剥離層3が厚くても、第1の隠蔽層4が剥離層3から剥離し難くなる。そのため、剥離層3の塗布厚に、特に上限はないが、現実的には、10μm以下とすることが好ましい。剥離層3の塗布厚が1μm未満であると、コイン等による第1の隠蔽層4の剥離が困難となる。
第1の隠蔽層4は、コイン等で削り取ったり、接着剤(「粘着剤」も包含する意味)により剥離したりすることが可能な層であって、情報記録層2を隠蔽するための層である。第1の隠蔽層4は、隠蔽性の高いインキを印刷することにより形成される。具体的には、隠蔽性の高い顔料が、比較的多量にバインダ樹脂中に分散したものである。必要に応じて、着色の目的で、染料もしくは通常の顔料が配合されたインキであってもよい。第1の隠蔽層4は、剥離層3に重ねて形成される。
第1の隠蔽層4および第2の隠蔽層5を構成する隠蔽性の高い顔料としては、銀粉末、アルミニウム粉末、黄銅粉末、もしくは銅粉末等の金属系粉末、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、アルミナ、二酸化チタン、シリカ、硫酸バリウム、タルク、カオリン、クレー、カーボンブラック、もしくは樹脂粉末等を使用することができる。また、第1の隠蔽層4および第2の隠蔽層5を構成するバインダ樹脂としては、上記の隠蔽性の高い顔料を保持するものを選択して用いる。例えば、天然ゴム、もしくは塩酸ゴム等のゴム系天然樹脂、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、アクリル、塩化ビニル、もしくは塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等を使用する。第1の隠蔽層4および第2の隠蔽層5の色については、情報記録層2の視認を困難とするものであれば、特に限定されない。
第1の隠蔽層4は、例えば、カーボンブラックをインキ化した墨インキなどをオフセット印刷方式、グラビア印刷方式、シルクスクリーン印刷、フレキソ印刷方式などの公知の印刷方式で形成すればよい。第1の隠蔽層4の形成は、剥離層3全体を覆うように第1層を形成し、さらに、第1層に重ねてパターン状に第2層を形成することにより行う。第1層と第2層が重なった箇所が厚塗布部4aとなり、第1層のみの箇所が薄塗布部4bとなる。第1層の形成、第2層の形成ともに、上述のような公知の印刷方式で形成するが、第1層の形成と第2層の形成を同一の印刷方式で行ってもよいし、互いに異なる印刷方式で行ってもよい。
第1の隠蔽層4を形成するための塗布量・塗布厚は特に限定されないが、第1層の塗布厚は0.5μm〜1.5μmであることが好ましく、第2層の塗布厚は2.5μm〜3.5μmであることが好ましい。したがって、第1の隠蔽層4の厚塗布部4aの塗布厚は3.0μm〜5.0μmの範囲となり、第1の隠蔽層4の薄塗布部4bの塗布厚は0.5μm〜1.5μmの範囲となる。これらの範囲を超えると、剥離層3を形成する剥離インキの剥離成分が、第1の隠蔽層4の薄塗布部4bを超えて適度に浸透し難く、また、第1の隠蔽層4の厚塗布部4aを超えて影響を及ぼしてしまう等の不具合が生じることになる。
第2の隠蔽層5は、粘着テープ等により第1の隠蔽層4からの剥離が容易なようにするための層である。そのため、第2の隠蔽層5としては、粘着テープ等と接着し易いような接着性の高いものを使用することが好ましい。第2の隠蔽層5の形成には、上述のように、第1の隠蔽層4と同様の材料を用いることができる。ただし、粘着テープ等の密着性がより高く、第1の隠蔽層4との密着性がより低い材料を用いる必要がある。第2の隠蔽層5は、例えば、金属粉をインキ化した銀インキなどをオフセット印刷方式、グラビア印刷方式、シルクスクリーン印刷、フレキソ印刷方式などの公知の印刷方式で形成すればよい。
また、第2の隠蔽層5を形成するための塗布量・塗布厚は特に限定されないが、薄塗布部5bにおいて、好ましくは、塗布厚は2μm〜3μmである。第2の隠蔽層5の上層側の面を平坦な面にするため、第1の隠蔽層4の薄塗布部4bに重なる部分である厚塗布部5aにおいては、さらに、第1の隠蔽層4の第2層の厚さが加算されることになる。
ここで、「平坦な面」とは、目視において、その面に、特段の凹みや突起がなく、一様な面を成している、と認識されるものであることを意味する。したがって、微視的には、1μm未満の凹凸が存在するものの、目視においては、平面と認識されるような面も、「平坦な面」に含まれるものとする。より正確には、平坦な面とは、JIS規格に定義される「表面粗さの評価方法」における、「うねり曲線」を除外した、「粗さ曲線」における、表面粗さRaが、0.01〜1.0μm(より好ましくは0.01〜0.50μm)であることをいう。しかし、本発明では、スクラッチシートとして利用する場合において、利用者が不快さを感じない程度の平坦さで足りる。
第2の隠蔽層5の、薄塗布部5bにおける厚さが、2μm未満であると、厚塗布部5aとの厚さの差が大きくなり過ぎ、良好な塗布が行えない恐れが高まる。また、第2の隠蔽層5の薄塗布部5bにおける厚さが、3μmを超えると、粘着テープ等に接着して、第2の隠蔽層5が全て剥離されてしまう恐れが高まる。したがって、第2の隠蔽層5の薄塗布部5bにおける厚さは、第1の隠蔽層4の薄塗布部4bの厚さより厚いことが好ましい。第2の隠蔽層5の薄塗布部5bにおける厚さが、第1の隠蔽層4の薄塗布部4bの厚さより厚いことにより、厚塗布部4aと薄塗布部4bを備えた第1の隠蔽層4に重ねる場合であっても、第2の隠蔽層5が安定的に形成されるためである。
保護層6は、第2の隠蔽層5を保護するための層である。保護層6を形成する印刷インキは、第2の隠蔽層5と良好に接着する必要があり、第2の隠蔽層5を形成するビヒクルと同じものが適当であり、これに溶媒、各種補助剤等を加えてインキ化したものである。保護層6の色は、どのようなものであっても良いが、通常は、無色のものが用いられる。また、保護層6は透明であっても不透明であってもよいが、透明であることが好ましい。
<2.実施例>
基材1として、坪量127.9g/m2の三菱製紙株式会社製のマットコート紙「SWORD iJET(登録商標)4.3マット」を使用した。
まず、通常のインクジェットインキを用いて、インクジェット印刷方式により、上記基材1上に、情報記録層2の形成を行った。本実施形態では、図3(a)に示すように、文字情報である「12345」を形成した。
また、通常のオフセットインキを用いて、オフセット印刷方式により、所定のメッセージ(図3(a)の例では、「スクラッチシート」「コインで擦って下さい」「テープで剥離して下さい」等)、その他必要な絵柄等の印刷を行った。
続いて、情報記録層2を覆うように、剥離インキを印刷した。剥離インキとしては、SICPA社製「UV Flexo UV Release Varnish Fluo Blue 9R0128V」を用いた。
剥離インキの印刷は、乾燥時の厚さが5μmになるようにフレキソ印刷方式により印刷した。この結果、情報記録層2に重なる剥離層3が形成された。この際、「コインで擦って下さい」とメッセージが印刷された箇所も覆うように、剥離インキを印刷した。
さらに、剥離層3に重ねて、墨インキを一様に印刷した。墨インキとしては、SICPA社製「UV Flexo Scratch-Off Black 7UG7009」を用いた。墨インキは、厚さが1μmになるようにフレキソ印刷方式により印刷した。これが、第1の隠蔽層4の第1層に相当する部分となる。
続いて、同一の墨インキを用いて、パターン状に印刷を行った。墨インキは、厚さが3μmになるようにフレキソ印刷方式により印刷した。これが、第1の隠蔽層4の第2層に相当する部分となる。パターン状に重ね刷りされた部分が厚さ4μmの厚塗布部4aとなり、パターン状に重ね刷りされなかった部分が厚さ1μmの薄塗布部4bとなる。
さらに、墨インキに重ねて、銀インキを印刷した。銀インキとしては、SICPA社製「UV FlexoVarnish For Scratch Off Silver/Gold 880770」と「UV Silver Paste 880761」を4:1の質量比で混合したものを用いた。銀インキは、第1の隠蔽層4の厚塗布部4aに重なる部分である薄塗布部5bにおいて、厚さが2μmになり、上面が平坦な面になるように印刷した。印刷は、フレキソ印刷方式により行った。第1の隠蔽層4の薄塗布部4bに重なる部分である厚塗布部5aにおいては、第1の隠蔽層4の第2層の厚さに相当する3μmが加算されるため、厚さが5μmとなった。銀インキが塗布された部分が、第2の隠蔽層5となる。
この結果、墨インキと銀インキの二層構成となる第1の隠蔽層4、第2の隠蔽層5が、剥離層3に重ねて形成された。
また、「コインで擦って下さい」とメッセージが印刷された箇所も覆うように、銀インキを印刷した。
さらに、銀インキに重ねて、OPニスを塗布した。OPニスとしては、SICPA社製「UV Flexo UV Release Varnish Fluo Blue 9R0128V」を用いた。これにより、保護層6が形成された。
以上のようにして、図1に示したようなスクラッチシートが完成した。
第1の隠蔽層4は、カーボンブラックを含む黒色であり、第2の隠蔽層5は金属粉を含む銀色であるため、保護層6は透明ではあるが、第1の隠蔽層4、第2の隠蔽層5を通して、情報記録層2に表現された情報を視認することは困難であった。
<3.使用例>
図1に示したスクラッチシート10では、第1の隠蔽層4、第2の隠蔽層5が情報記録層2を覆って形成されている。第1の隠蔽層4は黒色であり、第2の隠蔽層5は銀色のインキであるため、情報記録層2を視認することはできない。そのため、図1(a)の例では、「テープで剥離して下さい」というメッセージが、第2の隠蔽層5を示す矢印とともに印刷されている。上述のように、図1(a)においては、第1の隠蔽層4の厚塗布部の形成位置を、格子状に配置した長方形の枠により示しているが、実際には、この格子状の枠は視認困難である。
図1に示したスクラッチシート10において、「テープで剥離して下さい」というメッセージに従い、粘着テープの粘着面を保護層6に接触させる。保護層6が形成された箇所においては、粘着テープの粘着面と保護層6が接触することになる。そして、粘着テープをスクラッチシート10から剥がす。
保護層6と第2の隠蔽層5は密着性が高いため、保護層6とともに第2の隠蔽層5も剥離されることになる。一方、剥離層3を形成する剥離インキの剥離成分は、第1の隠蔽層4が薄い場合に、第1の隠蔽層4を超えて浸透し、影響を及ぼす。そのため、第1の隠蔽層4の薄塗布部4bと接する第2の隠蔽層5の厚塗布部5aに剥離作用を与え、第2の隠蔽層5の厚塗布部5aが第1の隠蔽層4の薄塗布部4bから剥離されることになる。剥離層3を形成する剥離インキの剥離成分は、第1の隠蔽層4が厚い場合は、第1の隠蔽層4を超えて浸透せず、影響を及ぼさない。そのため、第1の隠蔽層4の厚塗布部4aと接する第2の隠蔽層5の薄塗布部5bに剥離作用を与えず、第2の隠蔽層5の薄塗布部5bは第1の隠蔽層4の厚塗布部4aから剥離されない。この際、剥離層3が比較的厚くても(例えば4mm以上)、保護層6の存在により、粘着テープ等による剥離のための力の影響が、第1の隠蔽層4まで及び難くなり、第1の隠蔽層4が剥離層3から剥離し難くなる。
第1の隠蔽層4、第2の隠蔽層5、保護層6は、いきなりコインで削ることにより除去することも可能である。しかし、コインで擦ると、第1の隠蔽層4の全てが一気に削られてしまい、情報記録層2が全て視認可能になってしまう。このため、2段階で視認状態を変化させるためには、図1(a)に示したようなメッセージを印刷しておき、粘着テープを用いて第2の隠蔽層5、保護層6のみを剥がさせるように促すことが好ましい。
第2の隠蔽層5の一部(厚塗布部5a)を剥がすと、スクラッチシート10は図2に示すような状態となる。図2は、粘着テープにより第2の隠蔽層5の厚塗布部5aが剥離された後の状態におけるスクラッチシートを示す図である。図2(a)は、この時点におけるスクラッチシートの平面図であり、図2(b)は、図2(a)のB−B線に対応する断面図である。図2(b)に示すように、元のスクラッチシート10からは、第2の隠蔽層5の厚塗布部5aのみが剥離された状態となる。スクラッチシート10の表面から見た場合は、図2(a)に示すように、第1の隠蔽層4の厚塗布部4aの平面形状に相当するパターンを視認することが可能となる。すなわち第2の隠蔽層5の薄塗布部5bは、図2(a)に示すように、第1の隠蔽層4の厚塗布部4aの形状である長方形を格子状に配置したパターンで残る。なお、粘着テープにより第2の隠蔽層5の厚塗布部5aを剥離した場合、現実には、必ずしも、図2(b)に示すように、段差がくっきりと表れるとは限らない。図2(b)は、理想的な状態であり、また、説明の便宜上、段差を明確に示したものである。しかし、厚塗布部5aが断面矩形状に剥離されず、段差がくっきりと表れない場合であっても、表面から見た場合に、厚塗布部と薄塗布部によるパターンが現れれば、所定の情報が得られることになる。
したがって、スクラッチシート10の表面からは、黒を背景に銀の格子状のパターンが視認されることになる。第1の隠蔽層4と第2の隠蔽層5の色が明確に異なっている程、第1の隠蔽層4の厚塗布部4a、第2の隠蔽層5の薄塗布部5bが形成するパターンがはっきりと認識されることになる。しかし、色が異なっていない場合であっても、第1の隠蔽層4と第2の隠蔽層5を形成するインキが異なっていれば、その質感や光沢の違いにより、パターンを認識することが可能となる。
また、「コインで擦って下さい」というメッセージの上に剥離層3が形成されているため、図2(a)に示すように、「コインで擦って下さい」というメッセージが表出し、第1の隠蔽層4の残存位置を示す矢印とともに視認可能となる。
図2に示したスクラッチシート10において、「コインで擦って下さい」というメッセージに従い、第1の隠蔽層4と残った第2の隠蔽層5を硬貨で擦ると、第1の隠蔽層4と残っている第2の隠蔽層5が硬貨により削られる。この際、削る力が大きければ、硬貨により剥離層3も削られることもある。
この結果、スクラッチシート10は、図3に示すような状態となる。図3は、硬貨により第1の隠蔽層4、第2の隠蔽層5が擦られた後の状態におけるスクラッチシートを示す図である。すなわち、図3(b)に示すように、情報記録層2に重ねて剥離層3のみが残る状態となる。本実施形態では、剥離層3が、数μm〜数十μmの厚さを通して視認可能な程度の透明性を有しているため、スクラッチシート10の表面から見た場合は、文字「12345」を視認することが可能となる。図3の例は、第1の隠蔽層4および第2の隠蔽層5が全て除去された状態を示しているが、もちろん、硬貨で擦る際の状態により、第1の隠蔽層4および第2の隠蔽層5が若干残る場合もある。第1の隠蔽層4および第2の隠蔽層5が若干残った場合であっても、目的とする文字「12345」が十分に視認可能な状態となればよい。
利用者にしてみると、粘着テープで剥離することにより、第2の隠蔽層5の厚塗布部5aを除去して、第1の隠蔽層4の厚塗布部4aにより表現された情報(図2の例では、長方形を格子状に配置したパターン)を取得することができる。そして、第1の隠蔽層4、残った第2の隠蔽層5を硬貨等で擦ることにより、第1の隠蔽層4、第2の隠蔽層5を除去し、情報記録層2により表現された情報を取得することができる。このように、利用者は、1つのスクラッチシートで、段階的に2回楽しむことができる。
上記の例では、図2(a)に示したように、第1の隠蔽層4の厚塗布部4aを、長方形を格子状に配置したパターンで形成した。第1の隠蔽層4の厚塗布部の形成パターンとしては、様々なものを用いることができる。図4は、第1の隠蔽層4の厚塗布部4aを異なるパターンとした場合の視認されるパターンを示す図である。図4の例では、第1の隠蔽層4の厚塗布部4aの形成パターンを「コイン」という文字の形状とした場合を示している。そのため、第2の隠蔽層5の薄塗布部5bは、図4に示したように、「コイン」という文字のパターンで残ることになる。第1の隠蔽層4の厚塗布部4a、第2の隠蔽層5の薄塗布部5bによる形成パターンを「コイン」という文字の形状とした場合、利用者は、コインで削ることを示唆している、と判断することができるため、「コインで擦って下さい」というメッセージを印刷しないようにすることもできる。
1・・・基材
2・・・情報記録層
3・・・剥離層
4・・・第1の隠蔽層
5・・・第2の隠蔽層
6・・・保護層
4a、5a・・・厚塗布部
4b、5b・・・薄塗布部
10・・・スクラッチシート

Claims (2)

  1. 基材と、
    前記基材の一方の面に形成された情報記録層と、
    前記情報記録層に重ねて形成された剥離層と、
    前記剥離層に重ねて形成され、相対的に厚い部分である厚塗布部と当該厚塗布部より薄い薄塗布部を備えた第1の隠蔽層と、
    前記第1の隠蔽層に重ねて形成され、相対的に厚い部分である厚塗布部と当該厚塗布部より薄い薄塗布部を備えた第2の隠蔽層と、
    前記第2の隠蔽層を保護する保護層と、
    を有し、
    前記第1の隠蔽層の厚塗布部に対応する位置に第2の隠蔽層の薄塗布部が重なり、前記第1の隠蔽層の薄塗布部に対応する位置に第2の隠蔽層の厚塗布部が重なることを特徴とするスクラッチシート。
  2. 前記第1の隠蔽層の厚塗布部の厚さは、3.0μm〜5.0μmであり、
    前記第1の隠蔽層の薄塗布部の厚さは、0.5μm〜1.5μmであることを特徴とする請求項1に記載のスクラッチシート。
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