JP6638414B2 - スクラッチシート - Google Patents

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Description

本発明は、所定の作業を行うことにより、隠蔽されていた情報を視認可能とするスクラッチシートに関する。
従来、隠したい情報の上に隠蔽層を形成し、この隠蔽層をコイン等でスクラッチする(引っ掻く、擦る)ことにより、隠されていた情報を視認可能にするスクラッチ構造を有するシートが用いられている。このようなスクラッチ構造を有するシートは、くじ、抽選券等、情報を隠蔽しておく必要のある媒体に利用されている。出願人も、スクラッチ構造を有するシート(スクラッチシート)として、様々な形態のものを提案している(特許文献1、2参照)。
特開2013−22853号公報 特開2013−91233号公報
スクラッチシートは、上述のように、くじ、抽選券等に用いられることが多く、エンタテイメント性が要求されるものである。しかしながら、従来のスクラッチシートでは、隠蔽層を削ったり剥がしたり等、所定の作業を行うことにより隠された情報を出現させるだけであった。
そこで、本発明は、所定の作業を行うことにより、単に隠された情報を知ることができるだけでなく、段階的に情報を出現させることが可能なスクラッチシートを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明第1の態様では、
基材と、
前記基材の一方の面に形成された情報記録層と、
前記情報記録層に重ねて形成された相対的に厚い部分と薄い部分の2段階の厚さを有する剥離層と、
前記剥離層の相対的に厚い部分と薄い部分それぞれに重ねて形成された隠蔽層と、
を有することを特徴とするスクラッチシートを提供する。
本発明第1の態様によれば、スクラッチシートが、基材の一方の面に形成された情報記録層と、情報記録層に重ねて形成された相対的に厚い部分と薄い部分の2段階の厚さを有する剥離層と、剥離層の相対的に厚い部分と薄い部分それぞれに重ねて形成された相対的に厚い部分と薄い部分の2段階の厚さを有する隠蔽層と、を有するので、隠蔽層を剥離した際に、隠蔽層の一部が残り、さらに残った隠蔽層を除去する作業を行うことにより、単に隠された情報を知ることができるだけでなく、段階的に情報記録層が表現する情報を出現させることが可能となる。
また、本発明第2の態様では、前記剥離層の相対的に薄い部分に重ねて形成された前記隠蔽層の厚さは、前記剥離層の相対的に厚い部分と薄い部分の差より薄いことを特徴とする。
本発明第2の態様によれば、剥離層の相対的に薄い部分に重ねて形成された隠蔽層の厚さは、剥離層の相対的に厚い部分と薄い部分の差より薄いので、粘着テープ等を用いて、剥離層の相対的に厚い部分に重なる隠蔽層のみを剥離することが可能となる。
また、本発明第3の態様では、前記基材は、紙であることを特徴とする。
本発明第3の態様によれば、情報記録層、剥離層、隠蔽層が重ねられる基材が紙であるので、基材と隠蔽層の顔料が絡むことにより、粘着テープ等を用いた場合に、隠蔽層の下層側の一部を剥離し難くなる。
本発明によれば、所定の作業を行うことにより、単に隠された情報を知ることができるだけでなく、段階的に情報を出現させることが可能となる。
本発明第1の実施形態に係るスクラッチシートを示す図である。 本発明第2の実施形態に係るスクラッチシートを示す図である。 本発明第3の実施形態に係るスクラッチシートを示す図である。 粘着テープ等を利用して隠蔽層4aを除去した状態のスクラッチシートを示す図である。 硬貨により擦られた後の状態におけるスクラッチシートを示す図である。 剥離層3の厚塗布部3aと薄塗布部3bとの平面方向における関係により得られるパターンの異なる例を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<1.スクラッチシートの構成>
図1は、本発明第1の実施形態に係るスクラッチシートを示す図である。図1(a)は平面図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A線に対応する断面図である。図1において、1は基材、2は情報記録層、3(3a、3b)は剥離層、4(4a、4b)は隠蔽層、10はスクラッチシートである。基材1は、情報記録層2、剥離層3および隠蔽層4を支持する支持体としての役割を果たすものであり、カードや印刷物等、目的・用途に応じた厚さ・サイズのものが用いられる。基材1の一方の面、他方の面、または両面には、別途印刷インキにより所定の情報が印刷された印刷層が形成されていてもよい。
情報記録層2は、文字、図柄等による所定の情報が記録された層である。情報記録層2は、その上に重ねて形成された隠蔽層4により、視認困難なように隠蔽される。
剥離層3は、隠蔽層4を情報記録層2から容易に剥離するために形成された層である。剥離層3は、情報記録層2を覆うようにして形成されている。剥離層3は、相対的に厚い部分である厚塗布部3aと、相対的に薄い部分である薄塗布部3bを有している。隠蔽層4は、情報記録層2を隠蔽するために形成された層である。隠蔽層4は、剥離層3に重ねて形成されている。したがって、隠蔽層4も、情報記録層2を覆うようにして形成されている。
隠蔽層4は、情報記録層2により表現された情報を隠すための層であり、情報記録層2を覆うようにして形成されている。隠蔽層4は、実質的に均一な厚さで塗布されるため、剥離層3の厚塗布部3aと薄塗布部3bの厚さの差より薄い場合には、厚塗布部3a上の隠蔽層4aと薄塗布部3b上の隠蔽層4bに分離する。隠蔽層4を削る際に、粘着テープ等を用いて剥離することもできるように、隠蔽層4は、銀インキ等を用いて形成されている。
図1(b)の断面図は、スクラッチシート10の層構成を示すものであるため、現実とは厚さの比が異なっている。現実には、スクラッチシートの幅が数十mm〜数百mmであるのに対して、スクラッチシートの厚さは、数百μm程度である。また、図1(b)においては、基材1、情報記録層2、剥離層3、隠蔽層4の各層の厚さを同一にして示しているが、現実には、後述するように、それぞれ異なった厚さとなっている。なお、スクラッチシートの層構成は、どちらを上層、下層としてもよいが、以下では説明に便宜上、隠蔽層4側を上層、基材1側を下層として説明していく。
基材1としては、例えば、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、セルロース繊維紙等の紙、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリレート等の各種合成樹脂のプラスチックシート、また、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルム、あるいは基材内部に微細空隙(ミクロボイド)を有するフィルム(いわゆる合成紙)を使用することができる。
基材1の厚さについては、特に限定はないが、3μm〜300μmが好ましく、20μm〜175μmであることがより好ましい。基材1の色についても、特に限定はないが、情報記録層2に表現された情報を視認し易いように、情報記録層2と異なる色であることが好ましい。
情報記録層2は、上述のように、文字、図柄等による所定の情報が記録された層である。所定の情報としては、様々な情報を記録することができる。例えば、「12345」のような番号を示す情報を記録しておき、スクラッチシートを抽選のためのくじとして用いることができる。情報記録層2は、公知の印刷インキを、公知の印刷方式により印刷することにより形成される。
剥離層3は、隠蔽層4の情報記録層2からの剥離を容易にするための層である。そのため、剥離層3としては、隠蔽層4が情報記録層2から容易に剥離できるような接着性の低いものを使用することが好ましい。剥離層3の形成には、例えば、フッ素系樹脂、シリコーン、各種のワックスなどの離型剤を添加または共重合させたアクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、繊維素系樹脂、ワックス、メラミン系樹脂等を用いることができる。また、本実施形態では、下層側の情報記録層2を視認するため、剥離層3が透明性を有していることが好ましい。
剥離層3は、相対的に厚い部分と薄い部分の2段階の厚さを有している。相対的に厚い部分は厚塗布部3aであり、相対的に薄い部分は薄塗布部3bである。厚塗布部3aの厚さと薄塗布部3bの厚さの差や比率は、明確に異なるように形成されている。厚塗布部3aの厚さと薄塗布部3bの厚さの差や比率については、明確に異なるように形成されている限り、特別な限定はないが、厚さの差は、隠蔽層4bの厚さよりも大きいことが好ましい。厚塗布部3aの厚さと薄塗布部3bの厚さの差が、隠蔽層4bの厚さ以下である場合は、隠蔽層4bと隠蔽層4aと一体化してしまい、粘着テープで隠蔽層4aを剥がす際に、隠蔽層4bも同時に剥がれてしまう恐れが高まるためである。
また、剥離層3を形成するための塗布量・塗布厚は特に限定されないが、好ましくは、薄塗布部3bの塗布厚は0.1μm〜3μmである。厚塗布部3aの厚さと薄塗布部3bの厚さの差は、0.5μm〜3μmであることが好ましい。厚塗布部3aの厚さと薄塗布部3bの厚さの差が0.5μm未満であると、隠蔽層4bの厚さ以下となってしまい、隠蔽層4bと隠蔽層4aが一体化してしまうためである。また、厚塗布部3aの厚さと薄塗布部3bの厚さの差が3μmを超えると、厚塗布部3aが安定して形成されないためである。
隠蔽層4は、コイン等で削り取ったり、接着剤により剥離したりすることが可能な層であって、情報記録層2を隠蔽するための層である。隠蔽層4は、隠蔽性の高いインキを印刷することにより形成される。具体的には、隠蔽性の高い顔料が、比較的多量にバインダ樹脂中に分散したものであって、必要に応じて、着色の目的で、染料もしくは通常の顔料が配合されたインキであってもよい。隠蔽層4は、剥離層3に重ねて形成される。上述のように、剥離層3が、相対的に厚い部分と薄い部分の2段階の厚さを有しているため、隠蔽層4は、2つの層に分離されることになる。図1(b)に示すように、隠蔽層4aは、剥離層3の相対的に厚い部分である厚塗布部3aに重なり、隠蔽層4bは、剥離層3の相対的に薄い部分である薄塗布部3bに重なる。
隠蔽層4を構成する隠蔽性の高い顔料としては、銀粉末、アルミニウム粉末、黄銅粉末、もしくは銅粉末等の金属系粉末、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、アルミナ、二酸化チタン、シリカ、硫酸バリウム、タルク、カオリン、クレー、カーボンブラック、もしくは樹脂粉末等を使用することができる。また、隠蔽層4を構成するバインダ樹脂としては、上記の隠蔽性の高い顔料を保持し、基材との接着性の良好なものを選択して用いる。例えば、天然ゴム、もしくは塩酸ゴム等のゴム系天然樹脂、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、アクリル、塩化ビニル、もしくは塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等を使用する。
隠蔽層4は、例えば、金属粉をインキ化した銀インキなどをオフセット印刷方式、グラビア印刷方式、シルクスクリーン印刷方式などの公知の印刷方式で形成すればよく、隠蔽性をあげるために複数回印刷してもよい。また、隠蔽性のある異なるインキによる印刷層を複数層形成してもよい。隠蔽層4を形成するための塗布量・塗布厚は特に限定されないが、剥離層3の厚塗布部3aと重なる部分である隠蔽層4a、薄塗布部3bと重なる部分である隠蔽層4bにおいても、塗布厚は0.1μm〜10μmであることが好ましい。第1の実施形態においては、隠蔽層4が薄いことが特徴である。したがって隠蔽層4の塗布厚は、0.1μm〜1μmであることがより好ましい。特に、剥離層3の相対的に薄い部分である薄塗布部3bに重ねて形成された隠蔽層4bの厚さは、剥離層3の相対的に厚い部分である厚塗布部3aと薄い部分である薄塗布部3bの差より薄い。このため、粘着テープ等を用いて、剥離層の相対的に厚い部分である厚塗布部3aに重なる隠蔽層4aのみを剥離することが可能となる。
<1.2.第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態に比べて隠蔽層の厚さを厚くしたものである。第2の実施形態においては、隠蔽層4の塗布厚は、3μm〜7μmであることが好ましい。図2は、本発明第2の実施形態に係るスクラッチシートを示す図である。図2(a)は平面図であり、図2(b)は、図2(a)のA−A線に対応する断面図である。図2においても、図1と同様、1は基材、2は情報記録層、3(3a、3b)は剥離層、4(4a、4b)は隠蔽層、10はスクラッチシートである。図1との相違は、剥離層3の相対的に厚い部分である厚塗布部3aに重なる隠蔽層4a、剥離層3の相対的に薄い部分である薄塗布部3bに重なる隠蔽層4bが厚いため、分離せずに一体となっている点である。すなわち、第2の実施形態では、厚塗布部3aの厚さと薄塗布部3bの厚さの差よりも隠蔽層4bの厚さが厚いため、隠蔽層4bと隠蔽層4aが一体化する。
図2は、層構成を模式的に示したものである。実際には、スクラッチシートの構造は、図2に示すように単純なものではない。基材1が紙である場合には、情報記録層2、剥離層3、隠蔽層4は、基材1に浸透する。紙とは、繊維(植物繊維やその他の繊維)を有するものであり、上述のように上質紙等に限らず、アート紙、コート紙、キャストコート紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、セルロース繊維紙等であってもよい。隠蔽層4が、基材1に浸透した場合には、隠蔽層4の顔料が基材1の繊維と絡まる。この場合、粘着テープ等と接触した場合であっても、隠蔽層4は、スクラッチシート10から剥離され難くなる。したがって、断面を見た時に、情報記録層2、剥離層3、隠蔽層4が基材1に埋もれている箇所が存在することにはなるが、情報記録層2の下層には、必ず基材1の繊維が存在するので、図2(b)に示したような層構成は実現されることになる。上述のように、第2の実施形態においては、基材1として繊維を有する紙類を用いると、隠蔽層4bが粘着テープ等により剥がれ難くなり、好ましいものである。
<1.3.第3の実施形態>
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、第2の実施形態に比べて、さらに隠蔽層の厚さを厚くしたものである。第3の実施形態においては、隠蔽層4の塗布厚は、7μm〜10μmであることが好ましい。図3は、本発明第3の実施形態に係るスクラッチシートを示す図である。図3(a)は平面図であり、図3(b)は、図3(a)のA−A線に対応する断面図である。図3においても、図1、図2と同様、1は基材、2は情報記録層、3(3a、3b)は剥離層、4(4a、4b)は隠蔽層、10はスクラッチシートである。図1、図2との相違は、剥離層3の相対的に厚い部分である厚塗布部3aに重なる隠蔽層4a、剥離層3の相対的に薄い部分である薄塗布部3bに重なる隠蔽層4bが、より厚いため、分離せずに一体となっているだけでなく、上面(図3(b)の上側)が略平坦に近い状態になっている点である。このように、隠蔽層4の上面を平坦に近い状態にするためには、隠蔽層の印刷後、乾燥または硬化まで時間を掛けて行う必要がある。
図3は、層構成を模式的に示したものである。実際には、スクラッチシートの構造は、図3に示すように単純なものではない。基材1が紙類である場合には、図2と同様、情報記録層2、剥離層3、隠蔽層4は、基材1に浸透する。特に、隠蔽層4が、基材1に浸透した場合には、隠蔽層4の顔料が基材1の繊維と絡まる。この場合、粘着テープ等と接触した場合であっても、隠蔽層4は、スクラッチシート10から剥離され難くなる。したがって、断面を見た時に、情報記録層2、剥離層3、隠蔽層4が基材1に埋もれている箇所が存在することにはなるが、情報記録層2の下層には、必ず基材1の繊維が存在するので、図3(b)に示したような層構成は実現されることになる。上述のように、第3の実施形態においては、基材1として繊維を有する紙類を用いると、隠蔽層4bが粘着テープ等により剥がれ難くなり、好ましいものである。
<2.実施例>
(実施例1)
基材1として、127.9g/m2の三菱製紙株式会社製のマットコート紙「ニューVマット」を使用した。
まず、通常のオフセットインキを用いて、オフセット印刷方式により、上記基材1上に、情報記録層2の形成を行った。本実施形態では、図4(a)に示すように、文字情報である「12345」を形成した。
また、同様に通常のオフセットインキを用いて、オフセット印刷方式により、所定のメッセージ(図4(a)の例では、「スクラッチシート」「コインで擦って下さい」「テープで剥離して下さい」等)、その他必要な絵柄等の印刷を行った。
続いて、厚塗布部3aと薄塗布部3bを形成するための凹凸を備えた版を用意し、この版を用いて、情報記録層2を覆うように、剥離インキを印刷した。剥離インキとしては、SICPA社製「UV Flexo UV Release Varnish Fluo Blue 9R0128V」を用いた。
剥離インキの印刷は、厚塗布部3aの厚さ4μm、薄塗布部3bの厚さ3μmになるようにフレキソ印刷方式により印刷した。この結果、情報記録層2に重なり、厚塗布部3aと薄塗布部3bを有する剥離層3が形成された。
さらに、剥離層3に重ねて、墨インキを印刷した。墨インキとしては、SICPA社製「UV Flexo Scratch-Off Black 7UG7009」を用いた。墨インキは、厚さが0.4μmになるようにフレキソ印刷方式により印刷した。さらに、墨インキに重ねて、銀インキを印刷した。銀インキとしては、SICPA社製「UV FlexoVarnish For Scratch Off Silver/Gold 880770」と「UV Silver Paste 880761」を4:1の質量比で混合したものを用いた。銀インキは、厚さが0.4μmになるようにフレキソ印刷方式により印刷した。この結果、墨インキと銀インキの二層構成となる隠蔽層4が、剥離層3に重ねて形成された。
これにより、図1に示したようなスクラッチシートが完成した。
隠蔽層4は、金属粉を含む銀色であるため、隠蔽層4を通して、情報記録層2に表現された情報を視認することは困難であった。
(実施例2)
隠蔽層4の形成に用いる墨インキと銀インキの厚さ以外は、実施例1と同様にしてスクラッチシートを作成した。墨インキは、厚さが3μmになるようにフレキソ印刷方式により印刷した。また、銀インキは、厚さが3μmになるようにフレキソ印刷方式により印刷した。
これにより、図2に示したようなスクラッチシートが完成した。
隠蔽層4は、金属粉を含む銀色であるため、隠蔽層4を通して、情報記録層2に表現された情報を視認することは困難であった。
<3.使用例>
(実施例1に対応した使用例)
図1に示したスクラッチシート10では、隠蔽層4が情報記録層2を覆って形成されている。隠蔽層4は銀色と墨色のインキであるため、図1(a)に示すように、情報記録層2を視認することはできない。そのため、図1の例では、「テープで剥離して下さい」というメッセージが、隠蔽層4を示す矢印とともに印刷されている。
図1に示したスクラッチシート10において、「テープで剥離して下さい」というメッセージに従い、粘着テープの粘着面を隠蔽層4に粘着させた後、粘着テープをスクラッチシート10から剥がす。すると、隠蔽層4のうち、剥離層3の厚塗布部3aと重なる隠蔽層4aが、粘着テープの粘着面に付着した状態で、粘着テープとともに、スクラッチシート10から剥離される。この際、剥離層3の薄塗布部3bと重なる隠蔽層4bについては、粘着テープと接触しないため、剥離することができず、剥離層3側に残ったままとなる。実施例1においては、基材1が紙であるため、剥離層3の薄塗布部3bと重なる隠蔽層4bの顔料が、基材1と絡むことにより、隠蔽層4bの下層側の一部を剥離することができず、剥離層3側に残ったままとなる場合もある。隠蔽層4aは、コインで削ることにより除去することも可能である。しかし、コインで擦ると、薄塗布部3bと重なる部分の隠蔽層4bも一気に削ってしまい、情報記録層2が全て視認可能になってしまう。このため、2段階で視認状態を変化させるためには、粘着テープを用いて隠蔽層4aのみを剥がすようにすることが好ましい。
剥離層3の厚塗布部3aと重なる隠蔽層4aを剥がすと、スクラッチシート10は図4に示すような状態となる。図4は、粘着テープにより隠蔽層4aが剥離された後の状態におけるスクラッチシートを示す図である。図4(a)は、この時点におけるスクラッチシートの平面図であり、図4(b)は、図4(a)のB−B線に対応する断面図である。図4(b)に示すように、元のスクラッチシート10からは、隠蔽層4aが剥離され、情報記録層2の一部は、剥離層3の厚塗布部3aのみが重なった状態となる。剥離層3は、透明であるため、スクラッチシート10の表面から見た場合は、図4(a)に示すように、情報記録層2が表現する文字「12345」の一部を視認することが可能となる。ここで、剥離層3の透明性の程度は、数μm〜数十μmの厚さを通して視認可能な程度で足りる。剥離層3の透明性が足りず、剥離層3を介して情報記録層2を視認することが困難になったとしても、最終的には硬貨により隠蔽層4および剥離層3を全て削ってしまえば、情報記録層2を全て視認することが可能となる。このため、剥離層3の透明性が高くない場合であっても、スクラッチシートとしては、利用することができる。
粘着テープを利用して隠蔽層4aのみを剥離した場合、隠蔽層4bがスクラッチシート10に残り、隠蔽層4bによる所定のパターンが形成されることになる。図4(a)の例では、剥離層3の厚塗布部3aと薄塗布部3bとの平面方向における関係により、薄塗布部3bの平面形状である複数の矩形が、格子状に近い形態で形成される。この状態では、情報記録層2が表現する文字「12345」の一部しか視認することができない。そのために、図4(a)の例では、「コインで擦って下さい」というメッセージが、隠蔽層4bの残存位置を示す矢印とともに印刷されている。
図4に示したスクラッチシート10において、「コインで擦って下さい」というメッセージに従い、残った隠蔽層4bを硬貨で擦ると、硬貨により残った隠蔽層4bが削られる。この際、力の加減によっては、硬貨により剥離層3も削られることになる。
この結果、スクラッチシート10は図5に示すような状態となる。図5は、硬貨により隠蔽層4および剥離層3が擦られた後の状態におけるスクラッチシートを示す図である。すなわち、図5(b)に示すように、情報記録層2が全て表出した状態となる。これにより、スクラッチシート10の表面から見た場合は、文字「12345」の全てを視認することが可能となる。図5の例は、理想的に、隠蔽層4および剥離層3が全て除去された状態を示しているが、もちろん、硬貨で擦る際の状態により、隠蔽層4および剥離層3が若干残る場合もある。隠蔽層4および剥離層3が若干残った場合であっても、目的とする文字「12345」が十分に視認可能な状態となればよい。
利用者にしてみると、粘着テープで剥離するか、場合によってはコイン等で軽く削ることにより、隠蔽層4の上層側を除去して、情報記録層2により表現された情報(図4、図5の例では、「12345」)の一部を取得することができる。そして、残った隠蔽層4を硬貨等で擦ることにより、隠蔽層4および剥離層3を除去し、情報記録層2により表現された情報を完全な状態として取得することができる。このように、利用者は、1つのスクラッチシートで、段階的に2回楽しむことができる。
(実施例2に対応した使用例)
図2に示したスクラッチシート10では、隠蔽層4が情報記録層2を覆って形成されている。隠蔽層4は銀色と墨色のインキであるため、図2(a)に示すように、情報記録層2を視認することはできない。そのため、図2の例では、「テープで剥離して下さい」というメッセージが、隠蔽層4を示す矢印とともに印刷されている。
図2に示したスクラッチシート10において、「テープで剥離して下さい」というメッセージに従い、粘着テープの粘着面を隠蔽層4に粘着させた後、粘着テープをスクラッチシート10から剥がす。すると、隠蔽層4のうち、剥離層3の厚塗布部3aと重なる隠蔽層4aが、粘着テープの粘着面に付着した状態で、粘着テープとともに、スクラッチシート10から剥離される。この際、剥離層3の薄塗布部3bと重なる隠蔽層4bについては、基材1と隠蔽層4bの顔料が絡むことにより、隠蔽層4bの下層側の一部を剥離することができず、剥離層3側に残ったままとなる。隠蔽層4aは、コインで削ることにより除去することも可能である。しかし、コインで擦ると、薄塗布部3bと重なる部分の隠蔽層4bも一気に削ってしまい、情報記録層2が全て視認可能になってしまう。このため、2段階で視認状態を変化させるためには、粘着テープを用いて隠蔽層4aのみを剥がすようにすることが好ましい。剥離層3の厚塗布部3aと重なる隠蔽層4aを剥がすと、スクラッチシート10は図4に示すような状態となる。この後は、実施例1に対応した使用例と同様である。
<4.変形例>
上記の例では、図4(a)に示したように、剥離層3の厚塗布部3aと薄塗布部3bとの平面方向における関係により、薄塗布部3bの平面形状である複数の矩形が、格子状に近い形態のパターンを形成した。剥離層3の厚塗布部3aと薄塗布部3bとの平面方向における関係により得られるパターンの異なる例を図6に示す。図6の例では、剥離層3の厚塗布部3aと薄塗布部3bとの平面方向における関係により「コイン」という文字のパターンを形成している。具体的には、剥離層3の薄塗布部3bを「コイン」という文字の形状になるように形成し、粘着テープによる隠蔽層4aの剥離後に、「コイン」という文字が表現されるようにしている。例えば、「コイン」という文字を形成した場合、利用者は、コインで削ることを示唆している、と判断することができるため、「コインで擦って下さい」というメッセージを印刷しないようにすることもできる。
1・・・基材
2・・・情報記録層
3・・・剥離層
3a・・・厚塗布部
3b・・・薄塗布部
4、4a、4b・・・隠蔽層
10・・・スクラッチシート

Claims (2)

  1. 基材と、
    前記基材の一方の面に形成された情報記録層と、
    前記情報記録層に重ねて形成された相対的に厚い部分と薄い部分の2段階の厚さを有する剥離層と、
    前記剥離層の相対的に厚い部分と薄い部分それぞれに重ねて形成された隠蔽層と、を有し、
    前記剥離層の相対的に薄い部分に重ねて形成された前記隠蔽層の厚さは、前記剥離層の相対的に厚い部分と薄い部分の差より薄いことを特徴とするスクラッチシート。
  2. 前記基材は、紙であることを特徴とする請求項1に記載のスクラッチシート。
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