JP2018012198A - 多層印刷物及びその製造方法 - Google Patents

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Hirobumi Tezuka
博文 手塚
元 関根
Hajime Sekine
元 関根
幸一郎 齊藤
Koichiro Saito
幸一郎 齊藤
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Abstract

【課題】基材上の情報を遮蔽層によって遮蔽した多層印刷物であって、使用者が該遮蔽層を容易に除去して情報を読み取ることができ、遮蔽層の削りかすが使用者の手指やその周辺に付着しない多層印刷物を提供する。【解決手段】基材1上に、所定の印刷パターンを有する第1印刷層2を配置し、該第1印刷層2を覆って、プラスチック消しゴムで擦過することによって除去可能な第2印刷層3を設ける。【選択図】図1

Description

本発明は、複数の印刷層を有する多層印刷物に関し、特に消しゴムを擦過することによって絵柄を発現させることができる多層印刷物に関する。
従来、くじや抽選券、プリペイドカードなどにおいて、基材上に印刷された情報を遮蔽層で覆って遮蔽し、使用者が必要時に該遮蔽層を爪やコインなどで削り取って遮蔽されていた上記情報を可視化するスクラッチカードのような多層印刷物が知られている。例えば、特許文献1には、遮蔽層として熱可塑性樹脂中に金属粉末等の不透明粒子を混合分散させた層や、金属蒸着膜を用いたスクラッチカードが開示されている。
特開2007−15204号公報
従来のスクラッチカードは、遮蔽層の削りかすが細かく、該削りかすが使用者の手指や遮蔽層のスクラッチに用いられたコイン、スクラッチカード周辺に付着してしまうといった問題があった。
本願発明の課題は、基材上に印刷された情報を印刷層によって遮蔽した多層印刷物であって、従来のスクラッチカードと同様に使用者が該印刷層を容易に除去して上記情報を可視化することができ、除去した印刷層の削りかすが使用者の手指やその周辺に付着しない多層印刷物を提供することにある。
本発明の第1は、基材と、該基材上に配置された第1印刷層及び第2印刷層と、を具備する多層印刷物(1)であって、
前記第1印刷層が所定の印刷パターンを有し、
前記第2印刷層が、前記第1印刷層と、前記基材の少なくとも一部と、を覆い、
前記第2印刷層が不透明層であって、プラスチック消しゴムで擦過することによって除去可能であり、
前記プラスチック消しゴムで擦過することにより、前記第1印刷層の印刷パターンが可視化されることを特徴とする。
上記本発明の多層印刷物(1)においては、以下の構成を好ましい形態として含む。
(2)上記(1)において、前記第2印刷層が酸化重合型インキの硬化物である。
(3)上記(2)において、前記第2印刷層がワックスの固形分を4質量%以上20質量%以下含有する。
(4)上記(2)又は(3)において、旧JIS P 8130に準じて測定される、前記基材の吸油度が500秒以上である。
(5)上記(4)において、前記基材が前記第1印刷層及び第2印刷層を配置した側の表面にバリア層を有する。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかにおいて、記第1印刷層が前記プラスチック消しゴムで擦過することによって除去可能である。
(7)上記(6)において、前記第1印刷層が酸化重合型インキの硬化物である。
(8)上記(1)〜(7)のいずれかにおいて、前記第1印刷層が透明層である。
(9)上記(1)〜(7)のいずれかにおいて、前記第1印刷層が不透明層である。
(10)上記(1)〜(5)において、前記第1印刷層が不透明層であって、前記プラスチック消しゴムで擦過しても除去不可能である。
(11)上記(1)〜(10)において、前記第1印刷層が紫外線硬化型インキの硬化物である。
(12)上記(9)〜(11)のいずれかにおいて、前記第1印刷層が存在する部位と存在しない部位とで、前記第2印刷層の表面の色に実質的に差がない。
(13)上記(2)又は(3)において、旧JIS P 8130に準じて測定される、前記基材の吸油度が500秒未満であり、
前記第1印刷層が透明層であって、前記プラスチック消しゴムで擦過しても除去不可能である。
(14)上記(13)において、前記第1印刷層が紫外線硬化型域の硬化物である。
(15)上記(1)〜(14)において、少なくとも前記第2印刷層上に、前記プラスチック消しゴムで擦過することによって除去可能である透明なトップコート層を有する。
本発明の第2は、上記(4)の多層印刷物の製造方法(16)であって、
基材上に、所定のパターンを有する第1印刷層を印刷により形成する印刷工程と、前記第1印刷層の形成工程の後、酸化重合型インキにより第2印刷層を印刷により形成する印刷工程と、を有することを特徴とする。
本発明の多層印刷物の製造方法(16)においては、下記の構成を好ましい態様として含む。
(17)上記(16)において、前記第1印刷層の印刷工程が酸化重合型インキを印刷する工程である。
(18)上記(16)において、前記第1印刷層の印刷工程が紫外線硬化型インキを印刷する工程である。
本発明の多層印刷物は、プラスチック消しゴムで擦過するだけで遮蔽されていた印刷層を可視化することができ、また、プラスチック消しゴムで除去された遮蔽層である印刷層は、消しゴムかすに付着しているため、消しゴムかすごと廃棄することができ、基材や使用者の手指、或いはこれらの周辺に付着するおそれがない。
本発明の多層印刷物の一実施形態の、プラスチック消しゴムで擦過する前と擦過した後とのそれぞれの状態を示す断面模式図である。 図1の実施形態の、プラスチック消しゴムで擦過する前と擦過した後のそれぞれの状態を示す平面模式図である。 本発明の多層印刷物において、トップコート層を設けた実施形態の、プラスチック消しゴムで擦過する前の状態を示す断面模式図である。 本発明の多層印刷物の他の実施形態の、プラスチック消しゴムで擦過する前と擦過した後とのそれぞれの状態を示す断面模式図である。 図4の実施形態の、プラスチック消しゴムで擦過する前と擦過した後のそれぞれの状態を示す平面模式図である。 本発明の多層印刷物の他の実施形態の、プラスチック消しゴムで擦過する前と擦過した後とのそれぞれの状態を示す断面模式図である。 図6の実施形態の、プラスチック消しゴムで擦過する前と擦過した後のそれぞれの状態を示す平面模式図である。 本発明の多層印刷物において、基材が表面にバリア層を有する実施形態の、プラスチック消しゴムで擦過する前の状態を示す断面模式図である。
本発明の多層印刷物は、基材と、基材上に配置された第1印刷層及び第2印刷層と、を具備し、前記第1印刷層が所定の印刷パターンを有し、前記第2印刷層が前記第1印刷層を覆って遮蔽し、且つ該第2印刷層が不透明層であって、プラスチック消しゴムで擦過することによって除去可能である。よって、本発明の多層印刷物をプラスチック消しゴムで擦過することにより、前記第2印刷層の少なくとも一部が除去され、前記第1印刷層の印刷パターンが可視化される。尚、本発明における第1印刷層が、従来のスクラッチカードにおける情報を備えた印刷層であり、第2印刷層が遮蔽層に相当する。
本発明の多層印刷物が提供する情報は、第1印刷層の印刷パターンによって示され、例えば絵、模様、図形、文字、バーコード等である。
本発明において、「プラスチック消しゴム(字消し)」とは、基材上に鉛筆等で書かれた文字や絵柄を、該基材を削ることなく除去しうるもので、一般的には、塩化ビニル及びフタル酸系可塑剤のような可塑剤を含む消しゴムを指し、JIS S 6050の規格に準拠したものが好ましい。このようなプラスチック消しゴムとして代表的には、トンボ鉛筆株式会社製の「MONO」消しゴムを使うことができ、これは特に、2016年1月1日時点で製造販売されているものをいう。尚、天然ゴムからなる消しゴムや、基材を削り取る砂消しゴムのような消しゴムは含まない。
また、「プラスチック消しゴムで擦過することによって除去可能である」とは、JIS P8136に準拠して、板紙耐摩擦試験機(熊谷理化工業(株)製)を用い擦過試験で除去しうる程度である。具体的には、試験機の摩擦子にプラスチック消しゴム(縦10mm、横20mm、厚さ5mm)を両面テープで固定し、試験台に多層印刷物を固定し、荷重1800gfの圧力で往復させ、第1印刷層の印刷パターンが認識できるようになれば、本発明の範疇である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明するが、本発明は下記実施形態に限定されない。
(実施形態1)
図1、図2は、本発明の多層印刷物の実施形態1の、プラスチック消しゴムで擦過する前(図1(a)、図2(a))と後(図1(b)、図2(b))とを示す図であり、図1は断面模式図、図2は平面模式図である。図2(a)のA−A’断面が図1(a)であり、図2(b)のB−B’断面が図1(b)である。図中、1は基材、2は第1印刷層、3は第2印刷層である。尚、図中の符号は、後述する図3〜図8において共通である。本実施形態は、第1印刷層2もプラスチック消しゴムで擦過することにより除去可能である。
図1(a)に示すように、本発明の多層印刷物は、基材1上に第1印刷層2と第2印刷層3とを具備し、第1印刷層2が、必要な情報を示す所定の印刷パターンを有している。そして、第2印刷層3が、第1印刷層2と、基材1の少なくとも一部と、を覆っており、その結果、第2印刷層3によって第1印刷層2の印刷パターンが遮蔽されて非可視化されている。本発明において、第2印刷層3は、第1印刷層2を覆って該第1印刷層2の印刷パターンを非可視化するため、不透明層である。
本実施形態では、第1印刷層2と第2印刷層3の両方がプラスチック消しゴムで擦過することにより除去可能であり、印刷時のインキの組成が同じ、或いは近いことから、互いに密着性が高い。そのため、第2印刷層3と基材1との密着性が、第2印刷層3と第1印刷層2との密着性よりも低くなるように基材1を選択しておけば、第2印刷層3をプラスチック消しゴムで擦過した際、第2印刷層3は、第1印刷層2上の部位よりも基材1に直接接する部位が優先的に除去され、図1(b)に示すように、第1印刷層2と第2印刷層3の積層体が残される。よって、基材1上には、第1印刷層2の印刷パターンが、第2印刷層3によって可視化される。
尚、本実施形態では、第1印刷層2もプラスチック消しゴムで擦過することにより除去可能であり、基材1との密着性は第2印刷層3と同様に低くなるため、プラスチック消しゴムで擦過して基材1に直接接する部位の第2印刷層3を除去した後も引き続きプラスチック消しゴムで擦過すると、第1印刷層2と第2印刷層3との積層体も除去することができる。
本実施形態では、第1印刷層2の上に第2印刷層3が残されるため、第1印刷層2としては、透明層でも不透明層でもかまわないが、不透明層の場合には、第1印刷層2と第2印刷層3とが積層した部位と、第2印刷層3が基材1上に直接積層した部位とで、色に実質的な差がないようにすることが望ましい。
ここで、色に実質的な差がないとは、目視で一見した限りでは、多くの人にとって見分けがつかないことを意味し、又はJIS Z 8730に規定されるL*a*b*表色系に基づく色差ΔE*abが、5.0以下、3.0以下、2.0以下、若しくは1.0以下であることを意味していてもよい。色差ΔE*abは、分光光度計(SpectroEye、X−rite社)を用いてD65光源、視野角2度の条件でL*a*b*値を測定することで求めることができる。
具体的には、例えば、第2印刷層3を青色とした場合に、第1印刷層2を水色で印刷する。
また、第1印刷層2と第2印刷層3とが積層された部位と、第2印刷層3が基材1上に直接接する部位とでは、基材1から第2印刷層3の表面までの高さに差があるため、第2印刷層3の表面に凹凸を生じ、斜め方向から見た場合には、この凹凸に起因して第1印刷層2の印刷パターンが見えてしまう(可視化する)場合がある。このような場合には、図3に示すように、第2印刷層3の上にプラスチック消しゴムで擦過することによって除去可能で且つ透明なトップコート層4を積層して第2印刷層3の表面を平坦化することで、上記凹凸に起因して第1印刷層2の印刷パターンが可視化するのを防止することができる。
(実施形態2)
上記実施形態1においては、第1印刷層2をプラスチック消しゴムで擦過することによって除去可能な印刷層としたが、本実施形態では、第1印刷層2をプラスチック消しゴムで擦過しても除去不可能な印刷層とした形態である。
図4、図5は、本実施形態の多層印刷物の、プラスチック消しゴムで擦過する前(図4(a)、図5(a))と後(図4(b)、図5(b))とを示す図であり、図4は断面模式図、図5は平面模式図である。図5(a)のA−A’断面が図4(a)であり、図5(b)のB−B’断面が図4(b)である。
本実施形態においては、第1印刷層2がプラスチック消しゴムで擦過しても除去不可能であり、印刷時に用いられるインキの組成が第1印刷層2と第2印刷層3とでは大きく異なることから、第1印刷層2と第2印刷層3との密着性が低い。そのため、基材1と第2印刷層3との密着性も低かった場合には、第2印刷層3をプラスチック消しゴムで擦過した際に、基材1上の部位も第1印刷層2上の部位も除去され、図4(b)、図5(b)に示されるように、第2印刷層3が全て除去され、第1印刷層2が露出して、第1印刷層2の印刷パターンが可視化される。よって、本実施形態においては、第1印刷層2は不透明層で形成される。
本実施形態においては、第1印刷層2はプラスチック消しゴムで擦過しても除去不可能であるため、第2印刷層3を除去した後、引き続きプラスチック消しゴムで擦過しても第1印刷層2は除去されない。よって、本実施形態は、実施形態1に比べて情報を可視化する際に、プラスチック消しゴムで擦過しすぎて情報を欠くおそれがない。
本実施形態においては、第1印刷層2、第2印刷層3のいずれもが不透明層であるため、前記実施形態1において説明したように、第1印刷層2と第2印刷層3とが積層した部位と、第2印刷層3が基材1上に直接接する部位とで、色に実質的な差がないようにすることが好ましい。
また、本実施形態においても、斜め方向から見た場合でも、第1印刷層2の印刷パターンが可視化されないように、図3に示したトップコート層4を積層してもよい。
(実施形態3)
上記実施形態1,2では、基材1に接する第2印刷層3を除去することで、第1印刷層2の印刷パターンを可視化する形態を示したが、本実施形態では、逆に、基材1に接する部位の第2印刷層3を残すことで、第1印刷層2の印刷パターンを可視化する形態を示す。
図6、図7は、本実施形態の多層印刷物の、プラスチック消しゴムで擦過する前(図6(a)、図7(a))と後(図6(b)、図7(b))とを示す図であり、図6は断面模式図、図7は平面模式図である。図7(a)のA−A’断面が図6(a)であり、図7(b)のB−B’断面が図6(b)である。
本実施形態においては、第1印刷層2がプラスチック消しゴムで擦過しても除去不可能であり、印刷時に用いられるインキの組成が第1印刷層2と第2印刷層3とでは大きく異なることから、第1印刷層2と第2印刷層3との密着性が低い。また、本実施形態では、基材1として、第2印刷層3と密着性が高いものを選択する。これにより、第2印刷層3をプラスチック消しゴムで擦過した際には、第1印刷層2上の部位が優先的に除去され、基材1上に直接接する部位が残り、図6(b)、図7(b)に示すように、第1印刷層2の表面が露出する。本実施形態では、第1印刷層2を透明層で形成するため、第2印刷層3で囲まれた第1印刷層2の印刷パターンが可視化する。本実施形態においては、第1印刷層2と第2印刷層3を両方とも不透明層で且つ互いに異なる色とするか、或いは、第1印刷層2を透明層、第2印刷層3を不透明層とすることによって、第1印刷層2と第2印刷層3とが明確に区別されるように構成する。
尚、本実施形態においても、斜め方向から見た場合に第1印刷層2の印刷パターンが可視化されないように、図3に示したトップコート層4を積層してもよい。
次に、本発明で用いられる各部材の材料について説明する。
(基材)
基材1としては、第1印刷層2,第2印刷層3を印刷で形成しうるものであれば、いずれの材料も用いることができる。具体的には、上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、フォイル紙、再生紙、含浸紙、可変情報用紙等の紙基材や、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、塩化ビニルフィルム、ポリイミドフィルム、可変情報用フィルム等のフィルム基材、織布、不織布等の布基材が挙げられる。
本発明において、実施形態1及び実施形態2で用いる基材1としては、プラスチック消しゴムで擦過することによって第2印刷層3を容易に除去することができるように、第2印刷層3との密着性が低い材料が用いられる。具体的には、旧JIS P 8130に準じて測定される、基材1の吸油度が500秒以上であることが好ましく、望ましくは1000秒以上である。係る吸油度の規定は、基材1の表面を加工することによって満たしていてもよく、よって、図8に図示するように、基材1として、基体1bとバリア層1aとからなる積層体を用い、第1印刷層2,第2印刷層3を設ける側のバリア層1aを、吸油度が500秒以上である材料で構成すれば、基体1bとして、吸油度が500秒未満である材料を用いることもできる。
また、実施形態3で用いる基材1としては、第2印刷層3をプラスチック消しゴムで擦過した際に、基材1上の部位よりも第1印刷層2上の部位の方が優先的に除去されるように、基材1と第2印刷層3との密着性が高い材料が用いられ、具体的には、旧JIS P 8130に準じて測定される吸油度が500秒未満である材料を用いることが好ましい。
尚、本発明において、上記吸油度は旧JIS P 8130に準拠して測定される。具体的には、熊谷理機工業株式会社製の用紙吸油度試験機を用いて、吸油度を測定する用紙をセットし、所定のオイル(ポリブテン)を滴下後、ローラーを転がしてオイルを延ばす。そして、そのオイルの表面光反射変化を電圧変化により測定し、変化に要した秒数を計数し、吸油度とする。
(印刷層)
本発明においては、第2印刷層3はプラスチック消しゴムで擦過することによって除去可能であり、第1印刷層2は、プラスチック消しゴムで擦過することによって除去可能な印刷層と、プラスチック消しゴムで擦過しても除去不可能な印刷層のいずれかをとりうる。
本発明において、プラスチック消しゴムで擦過することによって除去可能な印刷層は、プラスチック消しゴムに含有される可塑剤の作用で除去することができれば特に限定されないが、好ましくは、従来からオフセット印刷で用いられている油性インキの硬化物、即ち、酸化重合型インキの硬化物である。また、特開平6−287496号公報に記載されたインキの硬化物も用いることができる。
酸化重合型インキは、ビヒクル成分の酸化重合により硬化可能なインキである。一般に、酸化重合型インキは、ビヒクル成分として、樹脂、架橋剤又は乾燥促進剤、乾性油又は半乾性油、溶剤等の公知の成分を含む。また、不透明層を形成する場合には、このインキに着色剤を含有させればよい。これらの成分の種類及び量は、本発明の目的、用いられる印刷方法等に応じて適宜設計することができる。
また、第2印刷層3はワックスの固形成分を4質量%以上20質量%以下含有することにより、印刷層としての特性や、印刷層形成時のインキの特性を損なうことなく、プラスチック消しゴムで擦過した際に除去しやすくなり、好ましい。望ましくは10質量%以上である。
本発明においては、第2印刷層3をプラスチック消しゴムで擦過することによって、第2印刷層3の少なくとも一部を除去するが、除去された第2印刷層3は、消しゴムかすに付着しているため、消しゴムかすと共に廃棄することができる。よって、除去された第2印刷層3が、使用者の手指や多層印刷物、或いはこれらの周辺に付着するおそれがない。
本発明において、プラスチック消しゴムで擦過しても除去不可能な印刷層としては、特に限定されないが、従来からオフセット印刷で用いられている紫外線硬化型インキの硬化物が好ましく用いられる。紫外線硬化型インキは、ビヒクル成分の光重合により硬化可能なインキである。一般に、紫外線硬化型インキは、ビヒクル成分として、樹脂、光重合性モノマー又はオリゴマー、光重合開始剤等の公知の成分を含むが、溶剤等の揮発成分を実質的に含まない。また、不透明層を形成する場合には、このインキに着色剤を与えてもよい。これらの成分の種類及び量は、本発明の目的、用いられる印刷方法等に応じて適宜設計することができる。
(トップコート層)
本発明において用いられるトップコート層は、プラスチック消しゴムで擦過することにより除去可能な透明層であって、第2印刷層3の表面の凹凸を平坦化しうる材料であれば特に限定されない。好ましくは、酸化重合型透明インキである。
(製造方法)
本発明の多層印刷物は、基材1上に第1印刷層2を印刷により形成し、次いで第2印刷層3を印刷により形成することで製造することができる。よって、好ましくは、酸化重合型インキ或いは紫外線硬化型インキを用いて第1印刷層2を印刷し、次いで、酸化重合型インキを用いて第2印刷層3を印刷する。トップコート層4は、必要に応じて、第2印刷層3の印刷工程の後に印刷によって形成する。印刷方法としては、特に限定されないが、シルクスクリーン印刷、グラビア印刷、凹版印刷、オフセット印刷、活版印刷、インクジェット印刷、フレキソ印刷等を挙げることができ、特にオフセット印刷が好ましく用いられる。
1:基材、1a:バリア層、1b:基体、2:第1印刷層、3:第2印刷層、4:トップコート層

Claims (18)

  1. 基材と、該基材上に配置された第1印刷層及び第2印刷層と、を具備する多層印刷物であって、
    前記第1印刷層が所定の印刷パターンを有し、
    前記第2印刷層が、前記第1印刷層と、前記基材の少なくとも一部と、を覆い、
    前記第2印刷層が不透明層であって、プラスチック消しゴムで擦過することによって除去可能であり、
    前記プラスチック消しゴムで擦過することにより、前記第1印刷層の印刷パターンが可視化されることを特徴とする多層印刷物。
  2. 前記第2印刷層が酸化重合型インキの硬化物であることを特徴とする請求項1に記載の多層印刷物。
  3. 前記第2印刷層がワックスの固形分を4質量%以上20質量%以下含有することを特徴とする請求項2に記載の多層印刷物。
  4. 旧JIS P 8130に準じて測定される、前記基材の吸油度が500秒以上であることを特徴とする請求項2又は3に記載の多層印刷物。
  5. 前記基材が前記第1印刷層及び第2印刷層を配置した側の表面にバリア層を有することを特徴とする請求項4に記載の多層印刷物。
  6. 前記第1印刷層が前記プラスチック消しゴムで擦過することによって除去可能であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の多層印刷物。
  7. 前記第1印刷層が酸化重合型インキの硬化物であることを特徴とする請求項6に記載の多層印刷物。
  8. 前記第1印刷層が透明層であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の多層印刷物。
  9. 前記第1印刷層が不透明層であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の多層印刷物。
  10. 前記第1印刷層が不透明層であって、前記プラスチック消しゴムで擦過しても除去不可能であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の多層印刷物。
  11. 前記第1印刷層が紫外線硬化型インキの硬化物であることを特徴とする請求項10に記載の多層印刷物。
  12. 前記第1印刷層が存在する部位と存在しない部位とで、前記第2印刷層の表面の色に実質的に差がないことを特徴とする請求項9乃至11のいずれか一項に記載の多層印刷物。
  13. 旧JIS P 8130に準じて測定される、前記基材の吸油度が500秒未満であり、
    前記第1印刷層が透明層であって、前記プラスチック消しゴムで擦過しても除去不可能であることを特徴とする請求項2又は3に記載の多層印刷物。
  14. 前記第1印刷層が紫外線硬化型インキの硬化物であることを特徴とする請求項13に記載の多層印刷物。
  15. 少なくとも前記第2印刷層上に、前記プラスチック消しゴムで擦過することによって除去可能である透明なトップコート層を有することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載の多層印刷物。
  16. 請求項4に記載の多層印刷物の製造方法であって、
    基材上に、所定のパターンを有する第1印刷層を印刷により形成する印刷工程と、前記第1印刷層の形成工程の後、酸化重合型インキにより第2印刷層を印刷により形成する印刷工程と、を有することを特徴とする多層印刷物の製造方法。
  17. 前記第1印刷層の印刷工程が酸化重合型インキを印刷する工程であることを特徴とする請求項16に記載の多層印刷物の製造方法。
  18. 前記第1印刷層の印刷工程が紫外線硬化型インキを印刷する工程であることを特徴とする請求項16に記載の多層印刷物の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018012197A (ja) * 2016-07-19 2018-01-25 共同印刷株式会社 多色印刷物及びその製造方法
CN109649031A (zh) * 2018-11-19 2019-04-19 江苏学泰印务有限公司 一种多层叠放式无套印边转印膜

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