JP7142866B2 - ポジスクラッチ印刷物 - Google Patents
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Description
すなわち、無機酸化物粒子を含む下地層と、その上のネガ印刷層とは同じ色とするので、擦過前における秘匿画像の境界線において色差を認識することは困難ではあるが、コインを擦過させて明瞭な画像を現すためには、下地層にはコイン擦過用の無機酸化物を多量に混入させ、一方、ネガ印刷層はコイン擦過性のないものとする必要がある。 その結果、完全に同色とすることが困難なだけでなく、画像の境界での屈折率差が大きくなり反射率(光沢)の差を認識しうることがあった。 特に、白色顔料としても汎用されている二酸化チタンは屈折率が大きいのでその傾向が強く出る。
また、このような台紙を用意することなく、基材の上に秘匿画像を設け、コインで擦過することによってその秘匿画像部分が発色する形式のスクラッチ印刷物をポジスクラッチ印刷物という。
(1) 基材の上の秘匿画像を金属片による擦過で着色させ視認可能とするポジスクラッチ印刷物であって、
前記基材の上に、
穴あきベタの二酸化チタン含有下地層と、
前記秘匿画像以外を現すマットニス印刷部分および前記秘匿画像をはめ込んだ石英粉含有印刷部分を含むスクラッチ表層と、
を順次有する、ポジスクラッチ印刷物、
(2) 前記石英粉含有印刷部分が網点である、(1)記載のポジスクラッチ印刷物、
(3) 前記二酸化チタン含有下地層と、前記スクラッチ表層との間に隠蔽模様層をさらに有する、(1)または(2)記載のポジスクラッチ印刷物、
(4) 前記隠蔽模様層が黄色または透明な網点である、(3)記載のポジスクラッチ印刷物、
(5) 前記秘匿画像がマトリックス型二次元コードである、(1)から(4)のいずれか一つに記載のポジスクラッチ印刷物、
である。
さらに、 本発明のスクラッチ台紙およびポジスクラッチ印刷物は、基材を選ばず、上質紙、マットコート紙、コート紙、アート紙等の薄紙だけでなく、合成紙や紙器に用いるボール紙、透明フィルム等多種多様な基材に適用できる。
前記基材の上に、
二酸化チタン含有下地層(A)と、
石英粉含有スクラッチ層(C)と
を順次有する。
なお、このときの網点%は、60%未満では擦過したときの発色が小さく、85%を超えると模様の効果が失われるため60~85%が好ましい。
なお、実際の作業では、(A)、(B)、(C)3層または(A)、(B)、(C)、(D)4層の場合、(A)と(C)層に空けた穴を一致させるには(B)層または(B)、(D)層にも同様の穴を設けると上下の穴を一致させやすい。
また、「ワンパスで印刷する」とは、多色刷りの印刷機を用いて、多色印刷する場合に、一色を印刷した後、未セットの状態で同時に同じ印刷機の後胴で次の色を印刷することをいう。
得られたオンデマンドスクラッチ印刷物をコインで擦過するとオンデマンド印刷された秘匿画像部分以外が発色し、秘匿画像部分が発色しないため、結果として秘匿画像を視認できるようになる。 前記オンデマンド印刷としては、無色または黄色トナーによるデジタル印刷か、無色透明インキによるインクジェット印刷が挙げられ、前記手書きの場合は無色透明インキによるものが挙げられる。 インクジェットまたは手書きで秘匿画像を形成する場合、用いるインキは、無色透明でも黄色でもどちらでも良いが下の層を完全に被覆する状態を呈するものであれば使用可能で、透明樹脂、透明ワックス等を含有するインキが例示できるが、沈降などにより不均一とならず、インクジェットではノズルを詰まらせることがないよう、インキ中に溶解する樹脂またはワックスが好ましい。
さらに、(A)、(B)、(C)の3層のスクラッチ台紙では、(A)層の二酸化チタンが(B)層の上に浸出し、(A)、(B)、(C)、(D)の4層のスクラッチ台紙では、さらに(C)層の石英粉が(D)層の上に浸出する結果、(B)層または(B)(D)層の隠蔽模様に邪魔されずに、(A)(C)層の双方がコイン擦過性に寄与することになるため発色性にも優れる。
基材の上の秘匿画像を金属片による擦過で着色させ視認可能とするポジスクラッチ印刷物であって、
前記基材の上に、
二酸化チタン含有下地層と、
前記秘匿画像以外を現すマットニス印刷部分および前記秘匿画像をはめ込んだ石英粉含有印刷部分を含むスクラッチ表層と、
を順次有する。
なお、隠蔽模様層を設けない場合は、当然、この工程を省いて次工程に進む。
なお、マットニスと秘匿画像との印刷順は、ここではマットニス、秘匿画像の順として説明したが、もちろん秘匿画像、マットニスと逆にすることもできる。
例えば、本発明では網点、穴あきベタといった印刷が例示されているが、結果として印刷されていない部分があって、その部分を通じてインキが下層へ浸透し、また上述した浸出現象が起きていると考えられるので、これらの網点や穴あきベタと同等の印刷ができれば印刷方法は選ばない。
超光沢メジウム(OP-672、東京インキ(株)製)31部、上刷ニス(OP-782、東京インキ(株)製)30部、石英粉(平均粒子径2.5μm、クリスタライト VX-SR、(株)龍森製)25部および二酸化チタン(JR-1000、テイカ(株)製)3部を混合し、次いで三本ロールで練肉した後、AFソルベント(AF-6、JXエナジー(株)製)11部を混合して石英粉含有インキを得た。
5色オフセット枚葉印刷機を用いて、マットコート紙(ミューマット、北越製紙(株)製)に二酸化チタン含有白インキ(スクラッチインキ白A-1、東京インキ(株)製、二酸化チタン含有量42%)を穴あきベタとスクリーン線数175線、網点%80%の網点とからなる風車模様の版(A版、図1)で印刷し、次いでワンパスで黄インキ(ニューセルボ、東京インキ(株)製)を隠蔽模様の版(B版)で印刷した。
十分に乾燥させた後、5色オフセット枚葉印刷機を用いて、製造例1の石英粉含有インキを、A版を2mmだけ横方向にずらして作製した版(C版)で印刷し、次いでワンパスで黄インキ(ニューセルボ、東京インキ(株)製)を、B版を2mmだけ横方向にずらして作製した版(D版)で印刷した(図2)。
なお、AおよびC版の穴あきベタ部分の穴は3×3mmの正方形あたり6個で、上下で一致するように空けた。
実施例1で得られたスクラッチ台紙に、デジタル印刷機を用いて黄色トナーで秘匿画像を印刷してオンデマンドのスクラッチ印刷物を得た。
得られた印刷物は、目視ではもちろんのこと、ブラックライトで照射しても秘匿画像を視認できなかったが、コインで擦過したところ、秘匿画像以外の部分が黒く発色することにより、秘匿画像がそれを象るように現れた。
5色オフセット枚葉印刷機を用いて、マットコート紙(ミューマット、北越製紙(株)製)に二酸化チタン含有白インキ(スクラッチインキ白A-1、東京インキ(株)製、二酸化チタン含有量42%)をスクリーン線数100線の網点%90%で印刷し、次いでワンパスで黄インキ(ニューセルボ、東京インキ(株)製)でスクリーン線数175線の網点%60%の隠蔽模様を印刷した。
乾燥後、5色オフセット枚葉印刷機を用いて、マットニス(東京インキ(株)製 GP No.100 メジューム 2部およびマットニス OT-1 1部を混合練肉したもの)を秘匿画像以外の部分にベタ印刷し、ワンパスで製造例1の石英粉含有インキを用いてスクリーン線数175線の網点%30%で秘匿画像をはめ込み印刷した(図3)。
得られた印刷物は目視ではもちろんのこと、ブラックライトで照射しても秘匿画像を視認できなかったが、コインで擦過したところ、秘匿画像が黒く発色して現れた。
5色オフセット枚葉印刷機を用いて、マットコート紙(ミューマット、北越製紙(株)製)に二酸化チタン含有白インキ(スクラッチインキ白A-1、東京インキ(株)製、二酸化チタン含有量42%)を穴あきベタとスクリーン線数175線、網点%80%の網点とからなる風車模様の版(A版、図1)で印刷し、次いでワンパスで黄インキ(ニューセルボ、東京インキ(株)製)を隠蔽模様の版(B版)で印刷し、次いでワンパスで製造例1の石英粉含有インキを、A版を2mmだけ横方向にずらして作製した版(C版)で印刷した。
なお、AおよびC版の穴あきベタ部分の穴は3×3mmの正方形あたり6個で、上下で一致するように空けた。
実施例4で得られたスクラッチ台紙に、デジタル印刷機を用いて黄色トナーで秘匿画像を印刷してオンデマンドのスクラッチ印刷物を得た。
得られた印刷物は、目視ではもちろんのこと、ブラックライトで照射しても秘匿画像を視認できなかったが、コインで擦過したところ、秘匿画像以外の部分が黒く発色することにより、秘匿画像がそれを象るように現れた。
2 ベタ印刷部分
3 網点印刷部分
4 スクラッチ台紙
5 基材
6 二酸化チタン含有下地層(A)
7 第一隠蔽模様層(B)
8 石英粉含有スクラッチ層(C)
9 第二隠蔽模様層(D)
10 ポジスクラッチ印刷物
11 二酸化チタン含有下地層
12 隠蔽模様層
13 マットニス印刷部分(マットニス層)
14 秘匿画像部分(秘匿画像層)
Claims (5)
- 基材の上の秘匿画像を金属片による擦過で着色させ視認可能とするポジスクラッチ印刷物であって、
前記基材の上に、
穴あきベタの二酸化チタン含有下地層と、
前記秘匿画像以外を現すマットニス印刷部分および前記秘匿画像をはめ込んだ石英粉含有印刷部分を含むスクラッチ表層と、
を順次有する、ポジスクラッチ印刷物。 - 前記石英粉含有印刷部分が網点である、請求項1記載のポジスクラッチ印刷物。
- 前記二酸化チタン含有下地層と、前記スクラッチ表層との間に隠蔽模様層をさらに有する、請求項1または2記載のポジスクラッチ印刷物。
- 前記隠蔽模様層が黄色または透明な網点である、請求項3記載のポジスクラッチ印刷物。
- 前記秘匿画像がマトリックス型二次元コードである、請求項1から4のいずれか一つに記載のポジスクラッチ印刷物。
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