JP6836754B2 - スクラッチインキおよびスクラッチ印刷物 - Google Patents

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Description

本発明は、コイン等の金属片で擦過することで秘匿画像を着色させるか、または秘匿画像以外の部分を着色させて秘匿画像を視認可能とするスクラッチ印刷物に用いるスクラッチインキおよび当該スクラッチインキを印刷してなるスクラッチ印刷物に関する。
白い紙の上に硬い二酸化チタンなどの無機酸化物粒子を含む白色インキで文字や画像などを印刷しても、そのままでは視認できないが、印刷部分をコインなどの金属片で擦過すると、白色インキ中の無機酸化物粒子によりコインが削れて金属粉を生じ(ヤスリ効果)、この金属粉が印刷部分に付着して黒く着色し、画像を視認できるようになる(以下、この現象を「コイン擦過性」という。)。
しかしながら、印刷用紙にはその白色度を高めるために蛍光増白剤が含まれており、ブラックライトのような紫外光を照射すると青白く蛍光発光する。 一方、二酸化チタンなどのコイン擦過性のある無機酸化物粒子を含む白色インキは、このような紫外光を透過せず、また蛍光発光もしない。 そのため、コインが削れて発色するタイプのスクラッチ印刷物では、紫外光を照射すると、印刷用紙の青白く発光する中に白色インキにより印刷された画像が影のように黒く浮き上がってしまう。 つまり、コインなどで擦過することなしに秘匿画像を視認できてしまう、といった問題を生じる。
これに対して、コイン擦過性無機酸化物粒子を含む白色インキを白い紙の上にベタ刷りし、この上に画像を象るようにコート(被覆)した、いわゆるネガタイプのスクラッチ印刷物が開発された。 例えば、特許文献1には、「紙媒体上に印刷された秘匿画像を金属で摩擦することで着色されて認識可能とするスクラッチ印刷物であって、前記紙媒体の表面上に酸化チタンを含む白色インクでベタ刷り印刷して与えられた下地層と、前記下地層上に油分をより高めた酸化チタンを含む白色インクでベタ刷り印刷して与えられた被覆下地層と、前記被覆下地層上の前記秘匿画像を残したネガパターンに白色剤を少なくとも含むマットニスで印刷して与えられたマットニス層と、を順次有することを特徴とするスクラッチ印刷物」が開示されている。
このようなスクラッチ印刷物に紫外光を照射すると、印刷用紙の青白く発光する中にベタ刷り印刷された下地層全体が黒く浮き上がり、マットニスによるネガパターンで与えられた画像を視認することはできないが、コインで擦過すると、マットニスでコートされていない白色インキ部分だけにコインの金属粉が付着し着色して、画像を視認できるようになる。
しかしながら、特許文献1では、酸化チタンを含む白色インキによるベタ刷り印刷とその上のコート(秘匿画像部分)との境界線が着色される画像を象ることとなるため、この境界線における色差及び光沢差をなくす、または、減じなければならない。
そこで、特許文献2には、「コインで擦過することで秘匿画像を着色させて視認可能とさせるスクラッチ印刷物であって、コイン擦過用無機酸化物粒子を含む白色インキに有色インキを混入させてシート体の上に与えた下地層と、この上に前記下地層と同色のネガ用有色インキで前記秘匿画像を象るように与えたネガ印刷層と、を含むことを特徴とするスクラッチ印刷物」が開示され、「コインで擦過することによる秘匿画像の着色を抑制させることなく、擦過前における秘匿画像の境界線において認識され得る色差をネガ印刷層の印刷状態に大きく依存させることなく一定の範囲内に抑え得」るとしている。
特許文献2は、確かに「擦過前における秘匿画像の境界線において認識され得る色差をネガ印刷層の印刷状態に大きく依存させることなく一定の範囲内に抑え得」ることができるが、それでもその差異を全く認識できないわけではなかった。
すなわち、無機酸化物粒子を含む下地層と、その上のネガ印刷層とは同じ色とするので、擦過前における秘匿画像の境界線において色差を認識することは困難ではあるが、コインを擦過させて明瞭な画像を現すためには、下地層にはコイン擦過用の無機酸化物を多量に混入させ、一方、ネガ印刷層はコイン擦過性のないものとする必要がある。 その結果、完全に同色とすることが困難なだけでなく、画像の境界での屈折率差が大きくなり反射率(光沢)の差を認識しうることがあった。 特に、白色顔料としても汎用されている二酸化チタンは屈折率が大きいのでその傾向が強く出る。
そこで、特許文献2では、シート体と下地層との間に光沢層を設けたり(請求項3)、迷彩画像層を設けたり(請求項4)することによって秘匿画像の境界線を認識されないように工夫しているが、これらの層は下地層の更に下にあるので下地層より上の層への影響は限定的とならざるを得なかった。
さらに、特許文献3には、コイン擦過前に秘匿画像をより視認できにくくするため、「シート体の上にコイン擦過性無機酸化物粒子を含む白または淡黄色インキを網点で印刷した下地層と、この上に接して黄色系インキを網点で印刷した迷彩画像層と、さらにその上に黄色系インキまたは透明ニスを前記秘匿画像を象るように網点で印刷した秘匿画像層と、を設けた」スクラッチ印刷物が提案され、前記コイン擦過性無機酸化物粒子としては、二酸化チタン、酸化アルミニウムおよびシリカが例示されている。
特開2013−49136号公報 特開2013−75508号公報 特開2015−186881号公報
これらのコイン擦過性無機酸化物粒子は、その形状についての記載はないが、刷版や印刷機のローラー、ドクター等を傷めないように、丸い形状のものを用いるのが一般的である。 しかしながら、丸い形状のコイン擦過性無機酸化物粒子では、コイン擦過性と発色とを十分に発現させるためには多量に用いる必要がある。 特に、一般的な白インキで用いられ、コイン擦過性無機酸化物粒子としても汎用されている二酸化チタンは比重が大きいため、オフセット輪転印刷のような高速印刷では、ビヒクル分のみが流動し、顔料等の固形分が残って印刷機のローラー端から飛び散るといった現象が起き、事実上印刷できないといった結果となっていた。
従って、本発明は、コイン等の金属片で擦過することで秘匿画像を視認可能とさせるタイプのスクラッチ印刷物に用いるスクラッチインキであって、オフセット輪転印刷のような高速印刷にも使用可能なスクラッチインキ、当該スクラッチインキを用いてなるスクラッチ印刷物を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、コイン擦過性粒子としてケイ素またはケイ素を主体とした酸化物の粉砕品(以下「石英粉」という。)を用いることにより前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1) 金属片で擦過することで基材の上の秘匿画像を着色させるか、
または秘匿画像以外の部分を着色させて秘匿画像を視認可能とするスクラッチ印刷物に用いるスクラッチインキであって、
前記スクラッチインキ全体に対し、その含有量が10重量%以上65重量%以下の石英粉と、
10重量%以下の二酸化チタンと、
を含有する、スクラッチインキ、
(2) 前記石英粉のレーザー法による平均粒子径が1μm以上5μm以下である、(1)記載のスクラッチインキ、
(3) 基材となる紙の上のスクラッチ層を金属片で擦過することで秘匿画像を着色させ、視認可能とするスクラッチ印刷物であって、
前記スクラッチ層が(1)または(2)記載のスクラッチインキを塗布してなる、スクラッチ印刷物
(4) 前記紙と前記スクラッチ層との間に迷彩画像層を有する、(3)記載のスクラッチ印刷物
(5) 前記迷彩画像層が黄色迷彩画像層である、(4)記載のスクラッチ印刷物
(6) 基材となる紙の上の秘匿画像以外の部分を、金属片で擦過することで着色させ秘匿画像を視認可能とするスクラッチ印刷物であって、
前記紙の上に(1)または(2)記載のスクラッチインキを塗布してなるスクラッチ層と、
その上に前記秘匿画像からなる非スクラッチ層と、
を有する、スクラッチ印刷物、
(7) 前記紙と前記スクラッチ層との間に迷彩画像層を有する、(6)記載のスクラッチ印刷物、
(8) 前記迷彩画像層が黄色迷彩画像層である、()記載のスクラッチ印刷物
(9) 前記非スクラッチ層が無色透明トナーもしくは黄色トナーによるデジタル印刷、または無色透明インキによる手書きもしくはインクジェット印刷で設けてなる、(6)乃至(8)のいずれか一つに記載のスクラッチ印刷物、
である。
本発明によれば、石英粉は硬く(石英のモース硬度は7)、尖っているため少量でも十分なコイン擦過性を発現し、比重も2.7と従来用いられてきた二酸化チタン(ルチルで比重4.27)より軽いため、オフセット輪転印刷のような高速印刷でも印刷可能なスクラッチインキを提供できる。 もちろん、インキに含まれる成分を調整したり、他の成分を添加したりすることで紫外線硬化型の印刷にも適用できる。
また、石英粉は透明でその屈折率が通常の有機物と同等なため、本発明のスクラッチインキを用いて作製されたスクラッチ印刷物はコイン擦過前には殆ど視認されることがない。 さらに、そのスクラッチ層は硬く尖った石英粉を含有するので少量でもコイン擦過後の着色も良好となる。
本発明の実施形態にかかるスクラッチ印刷物のコイン擦過前後を表す図であって、コイン擦過により秘匿画像が着色して現れる。 本発明の実施形態にかかるスクラッチ印刷物のコイン擦過前後を表す図であって、コイン擦過により秘匿画像以外が着色することによって秘匿画像が現れる。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。 なお、本実施形態は、本発明を実施するための一形態に過ぎず、本発明は本実施形態によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更実施の形態が可能である。
本発明のスクラッチインキは、金属片で擦過することで秘匿画像を着色させるか、または秘匿画像以外の部分を着色させて秘匿画像を視認可能とするスクラッチ印刷物に用いるスクラッチインキであって、石英粉を含有する。
本発明で用いる石英粉は、石英、ケイ砂、ケイ石等のケイ素またはケイ素を主体とした酸化物を粉砕して得られる。 石英粉は、無色透明で屈折率が炭素、水素、窒素、酸素等から成る一般的な有機物と同等なため視認されにくく、硬度が高く粒型も尖っているためコイン擦過性に優れる。 当該石英粉の平均粒子径は1μm以上5μm以下が好ましく、より好ましくは1μm以上3μm以下である。 粉砕品でない球形の石英では擦過性が不十分なため、また、粉砕品でも平均粒子径1μm未満ではコイン擦過性が不十分なため、多量に使用する必要がある。 その結果、インキの重量を増加させるだけでなく、粘性も過大となるため高速印刷に不適となる。 平均粒子径が5μmを超えると、インキ製造時に撹拌機を傷めたり、印刷時には刷版、ローラー、ドクター等を傷める可能性が高くなる。 特に、刷版はアルミニウム製で柔らかいため傷つきやすい。 なお、平均粒子径3μm以下であればインキ製造時に撹拌機を傷めたり、印刷時に印刷機の版、ローラー、ドクター等を殆ど傷めることがない。 なお、石英粉の平均粒子径はレーザー法で測定した値である。
本発明で用いる石英粉の含有量は、好ましくは10重量%以上65%重量%以下である(含有量はスクラッチインキ全量に対する。以下同じ。)。 その含有量が10重量%未満ではコインで擦過したとき着色が不十分となり、65重量%を超えると、インキの製造が困難となるばかりでなく印刷機の版、ローラー、ドクター等を傷めやすくなるため好ましくない。
本発明のスクラッチインキは、さらに、スクラッチインキの比重調節、基材となる紙との色相差調整、コイン擦過性の補強などを目的として二酸化チタン粒子を含有してもよい。 二酸化チタンにはアナタース型、ルチル型等の結晶形が知られているが、コイン擦過性に優れるためルチル型が好ましく用いられる。 また、その含有量はスクラッチインキ全量に対して10重量%以下が好ましい。 10重量%を超えると紫外光で視認されやすくなるばかりでなく、高速印刷ではローラー端からの飛び散りが起こるため好ましくない。 この補助的に用いられる二酸化チタン粒子の粒子径は通常の印刷用インキに用いるものと同等のものであれば使用可能である。
本発明のスクラッチインキは、用いる印刷法や印刷条件に応じて、他の添加物を含有することができる。 例えば、オフセットインキであれば溶剤、キレート剤、ワニス等を含有することができる。 また、必要に応じて体質顔料、顔料分散剤、乳化剤、乾燥防止剤、乾燥促進剤、整面剤、滑剤などの添加剤を含有してもよい。
本発明スクラッチインキは、インキの種類に応じて、含有させる顔料の一部または全部を石英粉に代えることによって従来公知の方法によって製造することができる。 例えば、オフセット輪転用であれば、ロジン変性フェノール樹脂、溶剤、キレート剤などを加熱混合して製造されるオフセット印刷インキ用ワニスと石英粉、二酸化チタン粒子等を混合練肉して得られる。
本発明のスクラッチ印刷物のうち、金属片で擦過することで秘匿画像を着色させて視認可能とするスクラッチ印刷物は、基材となる紙の上に上記で説明してきたスクラッチインキで秘匿画像を印刷してなるスクラッチ層を有する。
このスクラッチ印刷物に用いる紙は、上質紙およびマットコート紙が適度に光を乱反射させ秘匿画像を視認させにくくする効果をもつため、好適に使用できる。 アート紙またはコート紙では秘匿画像との光沢差が大きくなり、擦過前に秘匿画像が視認される場合がある。
前記スクラッチ層は、前記紙の上に前記スクラッチインキで印刷することにより設けられるが、コイン擦過前に視認されにくくするためには網点で印刷されるのが好ましく、その網点濃度は50〜90%である。 網点濃度が、90%を超えると擦過前に視認される可能性が大きくなり、50%未満ではコインで擦過しても秘匿画像の視認が困難となる場合がある。
前記スクラッチ印刷物では、前記紙と前記スクラッチ層の間には迷彩画像層を設けることができる。 前記迷彩画像層は、基材となる紙の上に迷彩模様を印刷して設けられ、その色は、黄色が好ましい。 他の色でも可能ではあるが、黄色は明度が高くスクラッチ層との明度差を小さくできるため好ましい。 前記迷彩画像層は網点で印刷されるのが好ましく、その濃度は40〜90%が好ましい。 90%を超えるとその上のスクラッチ層との光沢差が大きくなり、擦過前に秘匿画像を視認できる場合がある。 また、40%未満では十分な迷彩効果が発現しない場合がある。 ここで、網点濃度とは、網点面積率、すなわち字や絵柄を網点で印刷したとき、その字や絵柄において、印刷された点(網点)が占める割合をいう。
本発明のスクラッチ印刷物のうち、金属片で擦過することによって秘匿画像以外の部分を着色させて秘匿画像を視認可能とするスクラッチ印刷物では、基材となる紙の上にスクラッチ層を擦過部分全面に設け、その上に秘匿画像を非スクラッチ層として設ける。 すなわち、スクラッチ層が擦過部分全面に設けられた印刷物(スクラッチ台紙)を用意しておけば、そのスクラッチ台紙に秘匿画像を非スクラッチ層として印刷することによっていつでもオンデマンドでスクラッチ印刷物を作製することができる。 すなわち、前記非スクラッチ層は、オンデマンド印刷であるトナーを用いたデジタル印刷、インクジェット方式等または手書きで設けられ、その印刷または手書きされた部分はコインで擦過しても着色しない。 従って、スクラッチ層には本発明のスクラッチインキを擦過部分全面に印刷し、その上に非スクラッチ層として秘匿画像を印刷すると、コイン擦過によりその下にあるスクラッチ層の秘匿画像以外の部分だけが着色し、秘匿画像が現れる。
前記非スクラッチ層は迷彩画像層が設けられていない場合は無色透明であることが好ましく、迷彩画像層が設けられている場合は、無色透明または迷彩画像層と同じ色で印刷されるのが好ましいが、コイン擦過によって擦り取られないことが重要である。 トナーによるデジタル印刷では非スクラッチ層が黄色または無色透明な場合に、その下にあるスクラッチ層との密着性に優れ、コイン擦過によって擦り取られないため、迷彩画像層を設ける場合には、紙/黄色迷彩画像層/スクラッチ層/黄色または無色透明非スクラッチ層、の組み合わせが、迷彩画像層を設けない場合は、紙/スクラッチ層/無色透明非スクラッチ層、の組み合わせが好ましい。 なお、ここでいう無色透明とは、スクラッチ層の上に印刷された非スクラッチ層の画像を視認できない程度のものをいい、必ずしも、完全に無色で高度の透明性を要求するものではない。
また、前記非スクラッチ層を、ペンで手書きしたり、インクジェットで印刷して設ける場合は、顔料で着色されているとコイン擦過によって擦り取られてしまうことがあるので顔料の含まれていない無色透明のインキを用いるのが好ましく、例えば、樹脂成分を含むインキが例示できる。 従って、必要な範囲の全面に本発明のスクラッチインキを印刷した印刷物を用意し、その上に、このような無色透明インキを用いてペンで手書きしたり、インクジェット方式で印刷したりすることによって、誰でも簡便に秘匿画像が形成されたスクラッチ印刷物を作製することができる。
なお、前記樹脂成分としては、透明で得られた皮膜がコイン擦過によって削り取られないものであれば使用可能で、透明性、溶剤への溶解性および各種基材との密着性に優れたポリビニルブチラール等が例示できる。
本発明のスクラッチ印刷物は、コイン擦過性を増強するためにスクラッチインキを2回以上印刷したり、スクラッチ層のコイン擦過性を妨げない限り、迷彩効果の増強のために迷彩画像層をさらに設けたり、他の層を設けたりすることができる。
本発明のスクラッチ印刷物のうち、金属片で擦過することによって秘匿画像を着色させて視認可能とするスクラッチ印刷物では、基材となる紙に、迷彩画像層を設けない場合は本発明のスクラッチインキで秘匿画像を印刷して得られ、迷彩画像層を設ける場合は迷彩画像層を印刷し、その上に前記スクラッチインキで秘匿画像を印刷して得られる。 ここで用いる印刷には、特に限定されるものではないがオフセット輪転印刷が好ましく用いられる。
また、金属片で擦過することによって秘匿画像以外の部分を着色させて秘匿画像を視認可能とするスクラッチ印刷物(オンデマンドのスクラッチ印刷物)では、基材となる紙に、迷彩画像層を設けない場合は本発明のスクラッチインキで必要部分の全面にスクラッチ層を印刷し、その上に秘匿画像として非スクラッチ層を印刷して得られ、迷彩画像層を設ける場合は迷彩画像層を印刷し、その上に前記スクラッチインキでスクラッチ層を印刷し、さらに非スクラッチ層をオンデマンド印刷または手書きして得られる。
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 なお、例中、「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を表す。
「スクラッチインキの製造」
超光沢メジウム(OP−672、東京インキ(株)製)31部、上刷ニス(OP−782、東京インキ(株)製)30部、石英粉(平均粒子径2.5μm、クリスタライト VX−SR、(株)龍森製)25部および二酸化チタン(JR−1000、テイカ(株)製)3部を混合し、次いで三本ロールで練肉した後、AFソルベント(AF−6、JXエナジー(株)製)11部を混合してスクラッチインキAを得た。
「スクラッチ印刷物の作製」 以下においては、図1を参照しながら説明する。
5色オフセット輪転印刷機を用いて、マットコート紙(ミューマット、北越製紙(株)製)に墨、藍、赤、黄の各インキ、スクラッチインキAの順に印刷した。 ここで、黄インキによる印刷はコイン擦過部分2ではその全面に60%の網点濃度による迷彩画像とし、スクラッチインキAによる秘匿画像印刷は2の範囲内に60%の網点濃度による印刷とした。
なお、スクラッチインキAの印刷時にインキの飛び散りもなく、1万枚以上を問題なく印刷できた。
また、得られた印刷物の迷彩画像部分2においては、目視ではもちろんのこと、ブラックライトを照射しても秘匿画像を視認できず、コインでコイン擦過部分2を擦過したところ、十分な識別性をもって秘匿画像3が着色して現れた。
「オンデマンドのスクラッチ印刷物の作製」 以下においては、図2を参照しながら説明する。
5色オフセット輪転印刷機を用いて、マットコート紙(ミューマット、北越製紙(株)製)に墨、藍、赤、黄の各インキ、スクラッチインキAの順に印刷した。 ここで、黄インキおよびスクラッチインキAの印刷は、コイン擦過部分21の全面に60%の網点とした。 この秘匿画像を持たないスクラッチ印刷物の上に、デジタル印刷機を用いて黄色トナーで秘匿画像を印刷してオンデマンドのスクラッチ印刷物を得た。
得られた印刷物の迷彩画像部分は、目視ではもちろんのこと、ブラックライトで照射しても秘匿画像を視認できなかったが、コイン擦過部分21をコインで擦過したところ、秘匿画像以外の部分が黒く発色することによって、十分な識別性をもって秘匿画像31(黄色トナー印刷部分)がそれを象るように現れた。
1 通常の印刷部分
2 コイン擦過部分(黄色インキによる全面迷彩画像印刷+スクラッチインキによる秘匿画像印刷)
3 着色して現れた秘匿画像
21 コイン擦過部分(黄色インキによる全面迷彩画像印刷+スクラッチインキによる全面印刷+デジタル印刷機による秘匿画像印刷)
31 秘匿画像以外が着色することにより現れた秘匿画像

Claims (9)

  1. 金属片で擦過することで基材の上の秘匿画像を着色させるか、
    または秘匿画像以外の部分を着色させて秘匿画像を視認可能とするスクラッチ印刷物に用いるスクラッチインキであって、
    前記スクラッチインキ全体に対し、その含有量が10重量%以上65重量%以下の石英粉と、
    10重量%以下の二酸化チタンと、
    を含有する、スクラッチインキ。
  2. 前記石英粉のレーザー法による平均粒子径が1μm以上5μm以下である、請求項1記載のスクラッチインキ。
  3. 基材となる紙の上のスクラッチ層を金属片で擦過することで秘匿画像を着色させ、視認可能とするスクラッチ印刷物であって、
    前記スクラッチ層が請求項1または2記載のスクラッチインキを塗布してなる、スクラッチ印刷物
  4. 前記紙と前記スクラッチ層との間に迷彩画像層を有する、請求項記載のスクラッチ印刷物
  5. 前記迷彩画像層が黄色迷彩画像層である、請求項4記載のスクラッチ印刷物
  6. 基材となる紙の上の秘匿画像以外の部分を、金属片で擦過することで着色させ秘匿画像を視認可能とするスクラッチ印刷物であって、
    前記紙の上に請求項1または2記載のスクラッチインキを塗布してなるスクラッチ層と、
    その上に前記秘匿画像からなる非スクラッチ層と、
    を有する、スクラッチ印刷物。
  7. 前記紙と前記スクラッチ層との間に迷彩画像層を有する、請求項6記載のスクラッチ印刷物。
  8. 前記迷彩画像層が黄色迷彩画像層である、請求項記載のスクラッチ印刷物。
  9. 前記非スクラッチ層が無色透明トナーもしくは黄色トナーによるデジタル印刷、または無色透明インキによる手書きもしくはインクジェット印刷で設けてなる、請求項6乃至のいずれか一つに記載のスクラッチ印刷物。
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