JP2004230783A - 印刷物 - Google Patents

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Abstract

【課題】パール顔料含有インキが持つ光沢感と二色性を良好に発揮させる。
【解決手段】所定形状に成形した基材11表面に、可視光下での光反射率を10〜90%の範囲内に設定した下地層12を形成し、下地層12上にパール顔料含有インキ16を用いて印刷した真珠光沢層を形成する。下地層12の光反射率の設定方法としては、例えば酸化チタンや炭酸カルシウムなどの白色系顔料を主成分とする白色インキや、光沢度調節用のメジウムなどの半透明インキを基材11表面に塗工すれば良く、白色インキや半透明インキに黒色や紺色の濃色系顔料を所定量添加することで微調整できる。また、インキ中の顔料の大きさや粘度を変えることでも微調整できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パール顔料含有インキを使用した印刷物に係り、特に偽造防止帳票として好適な印刷物に関する。
【0002】
【従来の技術】
商品券や有価証券のような帳票類は、金券的価値を有する性質故にコピー機などによる偽造の対象となり易く、帳票上に何等かの偽造防止加工が施されているのが一般的である。この種の偽造防止加工の一例としては、パール顔料を含有したインキを用いた印刷が知られている。かかるインキを用いて印刷された文字や模様は、ある角度で特定波長の反射光のみが強調され、見る角度によって異なる色に映る真珠のような光沢感を有している。このため、コピー機による複写では同様な光沢感を再現することは難しく、また通常の印刷インキを用いた場合に比して帳票の美観を高めることも可能となる。
【0003】
ところで、このパール顔料含有インキは、印刷される帳票の下地の色相によって以下のようにその見え方が異なるものである。
【0004】
図8aに示すように、例えば白色や黄色のような明色系の下地1aの場合には、照射光3がパール顔料2で多重反射するとともに下地1aでも反射する。目視ではパール顔料2の反射光3aに加えて下地1aの反射光3bが混ざって見えることから、パール顔料2が持つ真珠色のような光沢感(以下、説明の便宜上「パール感」という)を認識しづらくなる。
【0005】
図8bに示すように、例えば黒色や紺色のような暗色系の下地1bの場合(例えば、特許文献1参照)には、照射光3がパール顔料2では多重反射するが下地1bではほとんど吸収されて反射しない。すると、目視では下地1bの反射光が見えなくなり、パール顔料2の反射光3aのみが見えることから、明色系の下地1aの場合に比べるとパール顔料2のパール感は把握し易い。ところが、暗色系の色の場合には下地1bの反射光がなく常にパール顔料2の真珠色が見えているため、パール顔料2が持つもう一つの特徴である、見る角度によって色が変化して見える性質(以下、説明の便宜上「二色性」という)が損なわれてしまう。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−240133号公報
【0007】
一方、上記のような不具合を解消してパール顔料のパール感を維持しつつ二色性を良好に確保するためには、次に挙げるような各種方法によりインキから下地へと透過する光量を減少させることが考えられる。
【0008】
▲1▼下地を明色系の色とし、インキの塗膜を厚くする(図9a参照)
▲2▼下地を明色系の色とし、パール顔料の含有量を多くする(図9b参照)
▲3▼下地を明色系の色とし、パール顔料の粒子径を大きくする(図9c参照)
【0009】
しかしながら、上記▲1▼〜▲3▼のいずれの方法にあっても、印刷方式によっては以下のような不具合が生じるために採用するのはかなり困難である。
【0010】
上記▲1▼の方法の場合、インキの塗膜を厚くするためにはインキの盛量を調整しなければならないが、例えばオフセット印刷方式ではインキの盛量があまりに多いと版面にインキが盛り切れずに印刷できないことがある。
【0011】
上記▲2▼の方法の場合、パール顔料の含有量が多いとインキのタック(粘着性)が高くなり、インキの転移不良や版汚れなどの障害が起こり、印刷物に均一な印刷を行なうことができない。
【0012】
上記▲3▼の方法の場合、例えばグラビア印刷方式であれば顔料の最大粒子径が通常60μm程度まで印刷可能であるが、オフセット印刷方式によると印刷可能な顔料の最大粒子径はせいぜい15μm程度が限界であり、顔料の最大粒子径による印刷制約がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、印刷方式の制約を受けることなくパール顔料含有インキ特有のパール感と二色性をともに良好に発揮でき、特に偽造防止帳票として好適な印刷物を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る印刷物は、可視光下での光反射率が10〜90%の範囲内に設定された下地上に、パール顔料含有インキを用いて印刷された真珠光沢層が設けられていることを特徴とする。ここで、下地の光反射率を20〜60%の範囲内に設定すると、パール感と二色性の双方の特徴を非常に良好に認識できる。
【0015】
また、本発明に係る印刷物は、可視光下での光反射率が10〜90%の範囲内に設定された第1の下地層と、第1の下地層の背景として可視光下での光反射率が10%未満または90%超に設定された第2の下地層と、が形成されてなる下地上の少なくとも第1の下地層上に、パール顔料含有インキを用いて印刷された真珠光沢層が設けられていることを特徴とする。ここで、第1の下地層の光反射率を20〜60%の範囲内、第2の下地層の光反射率を20%未満または60%超に設定すると、パール感と二色性の双方の特徴を非常に良好に認識できる。
【0016】
さらに、本発明に係る印刷物は、可視光下での光反射率が10%未満または90%超に設定された第1の下地層と、第1の下地層の背景として可視光下での光反射率が10〜90%の範囲内に設定された第2の下地層と、が形成されてなる下地上の少なくとも第1の下地層上に、パール顔料含有インキを用いて印刷された真珠光沢層が設けられていることを特徴とする。ここで、第1の下地層の光反射率を20%未満または60%超、第2の下地層の光反射率を20〜60%の範囲内に設定すると、パール感と二色性の双方の特徴を非常に良好に認識できる。
【0017】
本発明において、真珠光沢層の形成方法としては、一般的には全面塗布によるベタ印刷であるが、高密度の網点印刷やストライプ印刷等でも形成することができる。
【0018】
尚、本発明において、パール顔料含有インキとして、透明ベース樹脂に虹彩パール顔料が含有されたインキを使用すると、パール顔料が持つパール感と二色性をより一層効果的に発揮できるので好ましい。
【0019】
また、本発明では下地の光反射率を考慮することにより、印刷方式としてはパール顔料含有インキの組成が制限されるために敬遠されていたオフセット印刷で行なうことが可能となり、さらには凸版印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷などその他の印刷方式で行なうこともできる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
図1乃至図3は本発明の第1実施形態を示すもので、図1は本発明に係る印刷物の構成例を示す平面図、図2は同印刷物の断面図、図3は同印刷物の作用を表わす説明図である。本実施形態では偽造防止加工が必要な印刷物の一例として商品券に適用した例を示している。
【0022】
この商品券10は、所定形状に成形された基材11表面に光反射率を調整するための下地層12が形成され、この下地層12上に本券が商品券であることを示す商品券表示欄13や有効期限表示欄14が設けられて必要事項が通常の印刷インキで印刷されている。また、下地層12上には本券の金銭的価値を決定する金額表示欄15が設けられ、金額表示欄15には複写による偽造を防止するためにパール顔料含有インキ16を用いて印刷された真珠光沢層によって金額が印刷されている。
【0023】
基材11の素材としては、普通紙,上質紙,アート紙などの紙製基材の他、PET,PVCなどの樹脂製基材を使用することができるが、基材11表面に形成された下地層12によって、基材11の下地の光反射率が可視光下(波長400〜700nm)にて10〜90%の範囲内に設定されている必要がある。光反射率を10〜90%の範囲内とする根拠は、10%未満であると下地の反射光が弱すぎてパール顔料の二色性を充分に発揮できず、90%を超過すると逆に下地の反射光が強すぎてパール顔料のパール感を把握しづらくなるためである。
【0024】
下地の光反射率の調整方法としては、例えば酸化チタンや炭酸カルシウムなどの白色系顔料を主成分とする白色インキや、光沢度調節用のメジウムなどの半透明インキを基材11表面に任意の厚みで均一に塗工することにより行なうことができる。また、インキ中の顔料の大きさや粘度を変えることでも行なうことができる。尚、光反射率を低減させるためには、これら白色インキや半透明インキに黒色や紺色のような濃色系顔料を添加混練して微調整すれば良い。
【0025】
下地層12上に設けられた金額表示欄15には、パール顔料含有インキ16を用いて金額が印刷されている。パール顔料含有インキ16としては、パール顔料のパール感と二色性を効果的に発揮するために、透明ベース樹脂に虹彩パール顔料が所定の重量%含有されたインキを使用するのが好ましい。このようなインキは、例えば「フラッシュパール グリーン(大日本インキ化学工業(株)製)」がある。
【0026】
ここで、商品券10の作用について説明する。図3に示すように、この商品券10にあっては、照射光3がパール顔料含有インキ16のパール顔料16aによって多重反射して反射光3aとなる。一方、パール顔料含有インキ16が塗布された下地層12は可視光下での光反射率が10〜90%の範囲内に設定されており、照射光3の一部は下地層12に吸収されるとともに下地層12で反射して反射光3cとなる。
【0027】
そこで、目視ではパール顔料16aの反射光3aに下地層12の反射光3cが混ざって見えることになるが、このとき下地層12の反射光3cは白色系の下地の反射光3bよりも弱い光であるため、白色系の下地の場合に比してパール顔料16aが持つパール感を把握し易くなる。また、下地層12は黒色系の下地のように照射光3をほとんど全て吸収するわけではなく、弱い反射光3cとなって反射するため、黒色系の下地の場合と異なりパール顔料16aが持つ二色性が損なわれることもない。
【0028】
このように、商品券10の金額表示欄15にはパール顔料含有インキ16を用いて印刷された真珠光沢層によって金額が表示されており、この金額表示はパール顔料が持つパール感を充分に発揮していることから、複写で忠実に再現することは困難である。また、この金額表示はパール顔料特有の二色性も同時に具えているため、角度を変えて色の変化の具合を見れば簡単に真偽の判別を行なうことができる。さらに、パール顔料16aが持つパール感と二色性によって印刷物の美観を高めることができ、商品券10に高価な印象を与えることができる。
【0029】
ところで、従来ではパール顔料が持つパール感や二色性を発揮させるために、インキを厚盛にしたり、パール顔料の含有量を増加させたり、パール顔料の粒子径を大きくしたりしなければならず、これらの方法は特にインキ組成が制限されるようなオフセット印刷方式では印刷することが困難であった。ところが、本発明ではパール顔料含有インキの組成を変更することなく、下地の光反射率を調整するだけの簡単な方法を採用することにより、パール顔料が持つパール感と二色性をともに効果的に発揮することができる。したがって、本発明によれば、パール顔料含有インキの印刷方式としては、凸版印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷などの各種印刷方式に加え、オフセット印刷で印刷することもでき、印刷方式の制約を受けることなく印刷することが可能となる。
【0030】
次に、図4乃至図7は本発明の第2実施形態の構成例を示す図である。本実施形態における印刷物は、基材表面に近似色で光反射率の異なる2パターンの下地層が形成されていることが特徴である。尚、本実施形態においても印刷物の一例として商品券に適用した例を示しており、上述した第1実施形態と同一部分には同一の符号を附してある。
【0031】
図4および図5に示す商品券10−1は、基材11表面の一部分に下地層12が形成されている。この下地層12は、可視光下での光反射率が10〜90%の範囲内に設定された第1の下地層12aと、第1の下地層12aの背景として可視光下での光反射率が10%未満または90%超に設定された第2の下地層12bとから構成されている。また、この商品券10−1が本物であることを表わすために、第1の下地層12aによって「OK」の文字が形成されている。そして、下地層12の上には、パール顔料含有インキ16が均一の盛量で全面塗布された真珠光沢層が形成されている。尚、下地層の光反射率の設定方法、および使用するパール顔料含有インキに関しては上述した実施形態と同様である。
【0032】
この商品券10−1によれば、下地層12上の真珠光沢層を正面から見ると、「OK」の文字からなる第1の下地層12aが第2の下地層12bに隠れて見えないが、券面を傾けて見ると、光反射率の異なる第1の下地層12aと第2の下地層12bに印刷されたパール顔料のパール感の相違によって、「OK」の文字が浮かび上がって見える。このようにパール顔料含有インキ16で文字を直接印刷するのではなく、下地層12の光反射率の違いによって真偽判別の文字を形成するようにしたので、より高精度に偽造防止を行なうことができる。また、第1の下地層12aの光反射率と第2の下地層12bの光反射率とを極めて近似した値に設定すると、正面からの見た真珠光沢層の区別がさらに困難となるため効果的である。
【0033】
また、第1の下地層の光反射率と第2の下地層の光反射率とを逆に設定しても良い。すなわち、図6および図7に示す商品券10−2のように、第1の下地層12cの可視光下での光反射率を10%未満または90%超に設定し、第1の下地層12cの背景となる第2の下地層12dの可視光下での光反射率を10〜90%の範囲内に設定することもできる。この商品券10−2によれば、下地層12上の真珠光沢層を正面から見ると「OK」の文字からなる第1の下地層12cが第2の下地層12dに隠れて見えないが、券面を傾けて見ると図4及び図5のときとは反対に「OK」の文字の背景が浮かび上がって見えるようになる。
【0034】
尚、上述した第1実施形態と第2実施形態に共通する補足事項として、真珠光沢層の形成方法は、必ずしも下地層の上に全面塗布するベタ印刷に限られない。つまり、真珠光沢層は下地層の上に高密度の網点印刷やストライプ印刷等により形成することが可能である。
【0035】
以上、本発明に係る印刷物の構成および作用について説明したが、以下、本発明に係る印刷物の効果について具体的な実施例に基づいて説明する。
【0036】
【実施例1】
以下の条件に従って4種類の印刷物(印刷物A〜印刷物D)を作製し、各印刷物におけるパール顔料が持つパール感と二色性をそれぞれ比較した。
【0037】
[条件1]下地の素材
基材は、印刷物Aでは白色PET、印刷物Bではアート紙、印刷物CではPET、印刷物DではPVCを使用し、特に印刷物Cでは白色PETに光沢度調節用のメジウムを塗布して光反射率を調整した下地処理を施した。
【0038】
[条件2]下地の光反射率
下地の光反射率は、印刷物Aでは可視光下(波長400〜700nm)にて90〜100%、印刷物Bでは可視光下にて77〜86%、印刷物Cでは可視光下にて80〜86%、印刷物Dでは可視光下にて68〜88%に設定した。
【0039】
[条件3]パール顔料含有インキ
下地の表面に、インキ塗工のテスト機「RIテスター((株)明製作所製)」でパール顔料含有インキを同一の盛量(0.075cc)でそれぞれ均一に塗布した。パール顔料含有インキとしては「フラッシュパール グリーン(大日本インキ化学工業(株)製)」を使用した。
【0040】
評価項目は、パール感と二色性の2項目とし、パール感はパールの輝き・色の強さ、二色性は角度による色の変化の大きさをそれぞれ評価するものとする。評価基準は、以下の表1の通りとし、非常に良好な場合は◎、良好な場合は○、やや不良な場合は△、不良な場合は×として4段階で評価する。
【0041】
【表1】
Figure 2004230783
【0042】
そして、印刷物A〜印刷物Dにおけるパール顔料が持つパール感と二色性をそれぞれ目視で官能的に評価した。その評価結果を以下の表2に示す。
【0043】
【表2】
Figure 2004230783
【0044】
表2の評価結果から明らかなように、パール感については、印刷物Bと印刷物Dではともに○(良好)であったのに対し、印刷物Cでは△(やや不良)、印刷物Aでは×(不良)であった。
【0045】
また、二色性については、印刷物Bと印刷物Dではともに○(良好)であったのに対し、印刷物Aと印刷物Cではともに△(やや不良)であった。
【0046】
印刷物Cと印刷物Bおよび印刷物Dとの比較から、同程度の光反射率であれば基材としてはPETにメジウムを塗布したものよりもアート紙やPVCの方がパール感を認識し易いことが分かる。これは、PETにメジウムを塗布するとアート紙やPVCに比べて基材表面に塗布されるパール顔料含有インキのインキ定着性が僅かながら低下するためであると考えられる。
【0047】
また、印刷物Aと印刷物Cとの比較から、同質の基材でかつ同一のインキ盛量であっても下地の光反射率を低減させればパール感が向上し、ほとんど認識できなかったパールの輝き・色が認識できるようになることが分かる。
【0048】
以上の結果から、パール顔料が持つパール感に関しては、下地の素材にかかわらず下地の光反射率を少なくとも90%以下に設定することで確実に認識できることが判明した。
【0049】
【実施例2】
以下の条件に従って11種類の印刷物(印刷物1〜印刷物11)を作製し、各印刷物におけるパール顔料が持つパール感と二色性をそれぞれ比較した。
【0050】
[条件1]下地の素材
基材は全て白色PETを使用して同一基材とした。
【0051】
[条件2]下地の光反射率
基材表面に、インキ塗工のテスト機「RIテスター((株)明製作所製)」で光反射率の異なる半透明インキを同一の盛量(0.075cc)で均一に塗布し、光反射率の異なる複数の下地を用意した。下地の光反射率の設定は、光沢度調節用のメジウムに黒色顔料を所定の重量%含有させることにより微調整した。
【0052】
[条件3]パール顔料含有インキ
下地の表面に、同テスト機でパール顔料含有インキを同一の盛量(0.075cc)でそれぞれ均一に塗布した。パール顔料含有インキとしては「フラッシュパール グリーン(大日本インキ化学工業(株)製)」を使用した。
【0053】
そして、印刷物1〜印刷物11におけるパール顔料が持つパール感と二色性を目視で官能的に評価した。その評価結果を以下の表3に示す。尚、評価項目と評価基準は上述した実施例1の場合と同一である。
【0054】
【表3】
Figure 2004230783
【0055】
表3の評価結果から明らかなように、パール感については、印刷物1では×(不良)、印刷物2では△(やや不良)であるのに対し、印刷物6,印刷物7,印刷物8,印刷物9,印刷物10,および印刷物11ではいずれも◎(非常に良好)であり、印刷物1から印刷物11に向かうにつれて次第に向上した。
【0056】
また、二色性については、印刷物11では×(不良)、印刷物1,印刷物2,印刷物3,印刷物4,および印刷物10ではいずれも△(やや不良)であるのに対し、印刷物6,印刷物7,および印刷物8ではいずれも◎(非常に良好)であり、印刷物1と印刷物10からそれぞれ中間の印刷物(印刷物6,印刷物7,および印刷物8)に向かうにつれて次第に向上した。
【0057】
尚、印刷物6,印刷物7,および印刷物8は、パール感と二色性ともに◎(非常に良好)の評価が得られた。
【0058】
パール顔料が持つパール感に関しては、下地の光反射率を低くするにしたがって漸次的に向上することが分かる。また、下地の光反射率が少なくとも90%以下であればパールの輝き・色が認識でき、特に60%以下であればパールの輝き・色が非常に認識し易くなるといえる。
【0059】
一方、パール顔料が持つ二色性に関しては、下地の光反射率が少なくとも10%以上であれば角度を変えることで色の変化が認識でき、特に20〜60%の範囲内であれば角度により色が大きく変化することが分かる。
【0060】
以上の結果から、パール顔料が持つパール感と二色性の双方の特徴を認識するためには、下地の光反射率を少なくとも10〜90%の範囲内に設定すれば良いことが判明した。さらに、下地の光反射率を20〜60%の範囲内に設定すればパール感と二色性の双方の特徴を非常に良好に認識できることが判明した。
【0061】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、パール顔料含有インキの組成を変更することなく、下地の光反射率を調整するだけの簡単な方法を採用することによりパール顔料が持つパール感と二色性をともに効果的に発揮することができる。また、パール顔料含有インキの印刷方式としては、凸版印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷などの各種印刷方式に加え、オフセット印刷で印刷することもでき、印刷方式の制約を受けることなく印刷することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る印刷物の構成例を示す平面図。
【図2】図1に示した印刷物のII−II線断面図。
【図3】図1に示した印刷物の作用を表わす説明図。
【図4】本発明に係る印刷物の他の構成例を示す図。
【図5】図4に示した印刷物のV−V線断面図。
【図6】本発明に係る印刷物の他の構成例を示す図。
【図7】図6に示した印刷物のVII−VII線断面図。
【図8】従来の印刷物における下地色の違いによる光の反射を表わす説明図。
【図9】従来の印刷物の不具合を説明する模式図。
【符号の説明】
10,10−1,10−2…印刷物(商品券)
11…基材
12…下地層
12a…第1の下地層
12b…第2の下地層
12c…第1の下地層
12d…第2の下地層
13…商品券表示欄
14…有効期限表示欄
15…金額表示欄
16…パール顔料含有インキ
16a…パール顔料

Claims (7)

  1. 可視光下での光反射率が10〜90%の範囲内に設定された下地上に、パール顔料含有インキを用いて印刷された真珠光沢層が設けられていることを特徴とする印刷物。
  2. 可視光下での光反射率が10〜90%の範囲内に設定された第1の下地層と、第1の下地層の背景として可視光下での光反射率が10%未満または90%超に設定された第2の下地層と、が形成されてなる下地上の少なくとも第1の下地層上に、パール顔料含有インキを用いて印刷された真珠光沢層が設けられていることを特徴とする印刷物。
  3. 可視光下での光反射率が10%未満または90%超に設定された第1の下地層と、第1の下地層の背景として可視光下での光反射率が10〜90%の範囲内に設定された第2の下地層と、が形成されてなる下地上の少なくとも第1の下地層上に、パール顔料含有インキを用いて印刷された真珠光沢層が設けられていることを特徴とする印刷物。
  4. 可視光下での光反射率が20〜60%の範囲内に設定された下地上に、パール顔料含有インキを用いて印刷された真珠光沢層が設けられていることを特徴とする印刷物。
  5. 可視光下での光反射率が20〜60%の範囲内に設定された第1の下地層と、第1の下地層の背景として可視光下での光反射率が20%未満または60%超に設定された第2の下地層と、が形成されてなる下地上の少なくとも第1の下地層上に、パール顔料含有インキを用いて印刷された真珠光沢層が設けられていることを特徴とする印刷物。
  6. 可視光下での光反射率が20%未満または60%超に設定された第1の下地層と、第1の下地層の背景として可視光下での光反射率が20〜60%の範囲内に設定された第2の下地層と、が形成されてなる下地上の少なくとも第1の下地層上に、パール顔料含有インキを用いて印刷された真珠光沢層が設けられていることを特徴とする印刷物。
  7. 上記パール顔料含有インキは、透明ベース樹脂に虹彩パール顔料が含有されたインキであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の印刷物。
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