JP2009073141A - スクラッチ商業印刷物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 秘匿情報印刷部をスクラッチするまでは秘匿すべき情報を視認することができず、また、秘匿情報印刷部を隠蔽する隠蔽層を不要とし、且つ、大量印刷が可能な秘匿情報印刷部をスクラッチすることにより初めて秘匿情報が顕現するスクラッチ商業印刷物を提供するものである。
【解決手段】 本発明の商業印刷物は、シート状基材の上に少なくとも一部に秘匿すべき情報等が印刷された秘匿情報印刷部を有する商業印刷物であって、前記秘匿情報印刷部が発色剤層と顕色剤層が積層されて形成され、前記秘匿情報印刷部をスクラッチすることにより秘匿情報を顕現させることを特徴とするものである。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明の商業印刷物は、シート状基材の上に少なくとも一部に秘匿すべき情報等が印刷された秘匿情報印刷部を有する商業印刷物であって、前記秘匿情報印刷部が発色剤層と顕色剤層が積層されて形成され、前記秘匿情報印刷部をスクラッチすることにより秘匿情報を顕現させることを特徴とするものである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、秘匿すべき情報が不用意に人目に触れないようにしたスクラッチ商業印刷物に関し、詳しくは秘匿情報印刷部を擦る(スクラッチ)こと等により秘匿情報が顕現するスクラッチ商業印刷物に関するものである。
一般の印刷物は、情報を広めるために大量に複製され、複製された情報を隠蔽する必要は殆どないが、印刷物によっては、内容が見えることにより支障が生じるものもある。例えば、チラシなどの商業印刷物に掲載されるキャンペーンとして籤の「当り」や「はずれ」等の文字や、クイズの解答を示す記号や図形等、あるいはその他の様式による当落情報や優待情報等が見えてしまうと、籤のもつべき偶然性やクイズの持つ期待感が損なわれ、籤やクイズのキャンペーンとしての意味が失われる。そのために、秘匿すべき情報が印刷された秘匿情報印刷部を見えないようにする必要がある。
上記のような種々のケースにおいて、秘匿情報印刷部を隠蔽する方法として、紙等の基材上に例えば「当り」、「はずれ」などの文字等の秘匿情報が下地印刷層を介して例えば、酸化チタン、酸化珪素等の硬貨を構成する金属より硬度が同等またはそれより硬度が大きい材料を含むインキ組成物を用いて下地印刷層と同色の秘匿情報印刷部として設けられ、秘匿情報が下地印刷層と同色のため秘匿情報が視認できないようにされ、次いで、秘匿情報印刷部を硬貨で擦過して、硬貨の削り取られた金属により秘匿情報印刷部を着色し、下地印刷層と着色した秘匿情報印刷部との色差若しくは濃度差により秘匿情報を顕現させるコインスクラッチ印刷物が知られている。また、くじ、抽選券等の秘匿情報(「当り」、「はずれ」等)の上部に爪や硬貨等でスクラッチ(削り取り)可能な隠蔽層を設けたスクラッチ印刷物が広く知られている(例えば、特許文献1、2参照)。後者の技術は、紙やカード等からなる基材上に例えば「当り」、「はずれ」などの文字や任意の図形等の秘匿情報が印刷又はプリンターにより印字されている。そして、この秘匿情報上には、コーティング等で設けられた秘匿情報を保護するための被覆層を介して、スクラッチ可能な隠蔽層が設けられ、秘匿情報を目視不能に覆っている。隠蔽層はスクラッチにより除去可能であり、隠蔽層がスクラッチにより削り取られることによって、秘匿情報が見えるようになるものである。
しかしながら、前者のコインスクラッチ印刷物は見る角度を変え凝視すると下地印刷層と秘匿情報印刷部との光沢差あるいは濃度差等により、視認できる場合があり、硬貨で擦過して、硬貨の削り取られた金属により秘匿情報印刷部を着色して秘匿情報を顕現しなくても、事前に秘匿情報が得られることとなり、籤等の有する機能が発揮されないことが稀に発生するという問題がある。また、硬貨で擦過して顕現した隠蔽情報は消しゴムで簡単に消せるために不正防止が難しく籤等を企画した商業印刷物には向かないという問題がある。後者のスクラッチ印刷物は隠蔽層は十分な隠蔽性を確保するために、シルクスクリーン印刷が用いられ厚膜の隠蔽層が形成されている。したがって、秘匿情報が視認できないために籤を企画した商業印刷物等には広く利用されている。しかし、シルクスクリーン印刷方式を用いるために、1)シルクスクリーン印刷工程が別工程として必要となり、さらには、2)製造能力が他の印刷方式に比べ生産能力が低い、3)サイズの大きい用紙を用いることができない等のシルクスクリーン印刷方式の制限事項があり、原価アップとなると共に大量供給できないという問題がある。また、隠蔽層はスクラッチにより削り取られるために削り滓が発生するという問題がある。
実公平2−3897号公報
特開平2−297482号公報
本発明は、上記のような従来の問題点に鑑み、秘匿情報印刷部をスクラッチするまでは秘匿すべき情報を視認することができず、また、秘匿情報印刷部を隠蔽する隠蔽層を不要とし、且つ、大量印刷が可能な秘匿情報印刷部をスクラッチすることにより初めて秘匿情報が顕現するスクラッチ商業印刷物を提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明の商業印刷物は、シート状基材の上に少なくとも一部に秘匿すべき情報等が印刷された秘匿情報印刷部を有する商業印刷物であって、前記秘匿情報印刷部が発色剤層と顕色剤層が積層されて形成され、前記秘匿情報印刷部をスクラッチすることにより秘匿情報を顕現させることを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の本発明は、請求項1記載のスクラッチ商業印刷物において、前記秘匿情報印刷部上にカムフラージュ層が形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載のスクラッチ商業印刷物において、前記秘匿情報印刷部が粘着剤層を介して透明フィルムで覆われていることを特徴とするものである。
本発明の商業印刷物は、シート状基材の上に発色剤層が形成され、シート状基材の上に少なくとも一部に秘匿すべき情報等が印刷された秘匿情報印刷部を有する商業印刷物であって、秘匿情報印刷部が発色剤層と顕色剤層が積層されて形成された構成とすることにより、秘匿情報印刷部をスクラッチすることにより発色剤層と顕色剤層が積層された部分において発色剤層に含まれる発色剤と顕色剤層に含まれる顕色剤が反応して発色し、秘匿情報が顕現されるものである。したがって、秘匿情報印刷部をスクラッチするまでは秘匿すべき情報を全く視認することができず、スクラッチすることにより初めて顕現した秘匿情報は、例えば消しゴム等で簡単に消えることがなく、不正防止の効果に優れ籤を企画したチラシ等の商業印刷物に好適なものとなる。また、印刷方式もオフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、活版印刷等の方式が適用でき、従来のようにシルクスクリーン印刷に限定されることがなく、大量に印刷できるという効果がある。
また、請求項2記載の本発明は、秘匿情報印刷部上にカムフラージュ層が形成されていることにより、秘匿すべき情報が、一層人目に触れても視認することができないものである。
また、請求項3記載の本発明は、秘匿情報印刷部が粘着剤層を介して透明フィルムで覆われていることにより、秘匿情報印刷部を例えば硬貨等でスクラッチしてもシート状基材が破れることを防ぐ効果がある。また、スクラッチして顕現した秘匿すべき情報は透明フィルムで覆われているために容易に消すことができないために不正防止効果がより優れると共に、スクラッチ商業印刷物の取扱い時に秘匿情報印刷部に誤って外力がかかっても自己発色層が容易に発色しないように保護する役目を果たすものである。また、秘匿情報印刷部を透明フィルムで覆うことにより透明フィルムで光が反射し、秘匿情報印刷部の角度を変えて見ても秘匿すべき情報を事前に視認することができないようにする効果がある。
以下図面を用いて、本発明の実施形態について説明する。図1は本発明にかかるスクラッチ商業印刷物の一実施形態を示す平面図、図2は図1のX−X線断面図、図3は本発明にかかるスクラッチ商業印刷物の秘匿情報印刷部の説明図、図4本発明の他の実施形態を示す平面図である。図中の符号1、1’はスクラッチ商業印刷物、2はシート状基材、3、3’は秘匿情報印刷部、4は情報記載部、5は発色剤、6は発色剤層、7は顕色剤、8は顕色剤層、9は粘着剤層、10は透明フィルム、11は発色部、12は非発色部、13はカムフラージュ層をそれぞれ示す。
まず、図1、図2を用いて本発明のスクラッチ商業印刷物について説明する。図1は本発明にかかるスクラッチ商業印刷物の平面図であり、図2は図1のX−X線断面図であって、秘匿情報印刷部の構成を説明する説明図である。本発明のスクラッチ商業印刷物1は、シート状基材2の上の下方の一部に秘匿すべき情報等が印刷された秘匿情報印刷部3を有するチラシ等の商業印刷物である。スクラッチ商業印刷物1は、例えば、カタログを参照して希望する商品等を申込む注文書であって、上方に設けられた情報記載部4に宣伝、特典情報や記入要領等の顧客へ提供する情報が印刷されている。秘匿情報印刷部3は、図2に示すように発色剤5を含む発色剤層6と顕色剤7を含む顕色剤層8が積層されて形成されている。顕色剤層8は、例えば1等〜5等の文字が5つの有色インキで印刷された円内に印刷されてパターン状に形成されている。発色剤5を含む発色剤層6及び顕色剤7を含む顕色剤層8は無色であり、秘匿情報印刷部3に印刷された秘匿すべき情報は人目では視認が困難である。さらに、秘匿情報印刷部3は粘着剤層9を介して透明フィルム10で覆われている。なお、顕色剤層8は、文字以外に記号、数字、図形、画像等の秘匿情報を表現するパターン状に形成してもよく、ネガ状態(抜き文字)でもポジ状態でもよい。なお、図1において円内に記載された1等〜5等の文字を薄く記載しているが説明のために記載したものであり、スクラッチするまでは視認できないものである。
次に、発色剤5を含む発色剤層6、顕色剤7を含む顕色剤層8で形成された構成の秘匿情報印刷部3の作用について、図2、図3を用いて説明する。図3は図1の秘匿情報印刷部3のみを示す平面図であって、(a)はスクラッチする前の状態を示し、(b)は中央の円内をスクラッチした状態を示し、(c)は全ての円をスクラッチした状態を示す。図3(a)に示すようにスクラッチするまでは秘匿情報印刷部3に印刷された秘匿すべき情報は全く視認することができず、人目に触れない状態となっている。秘匿情報印刷部3の中央の円内をスクラッチすると、発色剤層6と顕色剤層8が積層された部分ではスクラッチによる押圧で発色剤層6の発色剤5を内蔵するカプセルが壊れて、発色剤が滲み出して、顕色剤層8に含まれる顕色剤7と反応して発色し発色部11となる。一方、顕色剤層8の積層されていない部分は発色することがなく無色のままで非発色部12となり、発色部11と非発色部12との色差若しくは濃度差により秘匿すべき情報が顕現されて図3(b)に示すように視認できるようになる。図3(c)は秘匿情報印刷部3の5つの円内を全てスクラッチして全ての秘匿すべき情報を顕現させた状態を示している。この一実施形態では5つの円のいずれか1つを顧客に選択させて特典を与えようとする手法を示したものである。このように本発明のスクラッチ商業印刷物1は秘匿情報印刷部3をスクラッチすることにより、発色させて秘匿すべき情報を顕現させる構成を提供するものであり、一実施例の手法に限定されるものではなく、当り、はずれ等の籤等の種々の手法に適用できる。
次に、図2を参照しながら、本発明のスクラッチ商業印刷物1の各層について詳しく説明する。まず、シート状基材2には再生紙、上質紙、カード紙、コート紙、クレーコート紙、板紙、コートボール紙、合成紙等が使用でき、坪量および大きさは、用途により任意に選定できる。発色剤層6の発色剤5には、例えば、ロイコ染料等の発色剤をマイクロカプセル化したものを含むインキをシート状基材2上にオフセット印刷やグラビア印刷等の公知の印刷方式を用いて所定の位置に印刷することにより設けることができる。顕色剤層8の顕色剤7には、例えば、フェノール性水酸基を有するものを用いることができ、これらを含むインキをシート状基材2上にオフセット印刷やグラビア印刷等の公知の印刷方式を用いて発色剤層6に積層されるように所定の位置に見当合せしてパターン状に印刷することにより設けることができる。このように電子供与性の無色の有機化合物を発色剤層6の発色剤5とし、電子受容性物質を顕色剤層8の顕色剤7とし、発色剤5と顕色剤7とを反応させることにより発色させるという既知の構成を用いることができる。また、発色剤層と顕色剤層との層構成については顕色剤層8をパターン状としたが、図2において発色剤層6を顕色剤層とし、顕色剤層8を発色剤層として発色剤層をパターン状にしてもよいし、発色剤層6と顕色剤層8のいずれもパターン状にしてもよい。粘着剤層9の粘着剤には、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂等を用いた一般の粘着剤が使用できる。透明フィルム10にはポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリスチレン、アセテート等の化石資源由来の原料を用いたプラスチックフィルムや植物由来の原料を用いたポリ乳酸等のフィルムの延伸若しくは未延伸のフィルムを用いることができる。
図4は本発明の他の実施形態を示し、図4(a)は平面図、図4(b)は図4(a)のY−Y線部分断面図であって、秘匿情報印刷部を説明する説明図である。本発明の他の実施形態であるスクラッチ商業印刷物1’は、一実施形態のスクラッチ商業印刷物1との相違点は秘匿情報印刷部において図2における顕色剤層8と粘着剤層9との間にカムフラージュ層を設けた点であり、その他は一実施形態と同じである。相違する点について説明をし、一実施形態と同じところは同じ符号を付し説明を省略する。他の実施形態のスクラッチ商業印刷物1’はシート状基材2の上に発色剤5を含む発色剤層6と顕色剤7を含む顕色剤層8が形成され、シート状基材2上の下方の一部に秘匿すべき情報等が印刷された秘匿情報印刷部3’を有するチラシ等の商業印刷物である。秘匿情報印刷部3’は、図4(b)に示すように発色剤層6の上に顕色剤層8が形成され、該顕色剤層8の上にカムフラージュ層13が形成されて構成されている。さらに、秘匿情報印刷部3’は粘着剤層9を介して透明フィルム10で覆われている。このような構成にすることにより、秘匿すべき情報が、一層、視認することが困難となるものである。カムフラージュ層13には一般のインキを用いることができ、発色剤層6及び顕色剤層8に接着し、粘着剤層9と密着性のよいインキタイプを選択して適宜用いればよい。また、カムフラージュ層13はベタ柄以外であればよく、地紋や柄模様等が好適に用いられる。しかし、カムフラージュ層13の刷色については発色剤層6の発色剤5と顕色剤層8の顕色剤7とが反応して顕現される色と異なる色相を選択することが肝要である。
抽選券の抽選番号、籤の「当り」又は「はずれ」等の当落情報、使用者を特定した振込依頼書書等の親展通知情報等の不用意に人目に触れないように秘匿すべき情報を伴う商業印刷物や通信媒体に利用できる。
1、1’ スクラッチ商業印刷物
2 シート状基材
3、3’ 秘匿情報印刷部
4 情報記載部
5 発色剤
6 発色剤層
7 顕色剤
8 顕色剤層
9 粘着剤層
10 透明フィルム
11 発色部
12 非発色部
13 カムフラージュ層
2 シート状基材
3、3’ 秘匿情報印刷部
4 情報記載部
5 発色剤
6 発色剤層
7 顕色剤
8 顕色剤層
9 粘着剤層
10 透明フィルム
11 発色部
12 非発色部
13 カムフラージュ層
Claims (3)
- シート状基材の上に少なくとも一部に秘匿すべき情報等が印刷された秘匿情報印刷部を有する商業印刷物であって、前記秘匿情報印刷部が発色剤層と顕色剤層が積層されて形成され、前記秘匿情報印刷部をスクラッチすることにより秘匿情報を顕現させることを特徴とするスクラッチ商業印刷物。
- 前記秘匿情報印刷部上にカムフラージュ層が形成されていることを特徴とする請求項1記載のスクラッチ商業印刷物。
- 前記秘匿情報印刷部が粘着剤層を介して透明フィルムで覆われていることを特徴とする請求項1又は2に記載のスクラッチ商業印刷物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007246520A JP2009073141A (ja) | 2007-09-25 | 2007-09-25 | スクラッチ商業印刷物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007246520A JP2009073141A (ja) | 2007-09-25 | 2007-09-25 | スクラッチ商業印刷物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009073141A true JP2009073141A (ja) | 2009-04-09 |
Family
ID=40608603
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JP2007246520A Withdrawn JP2009073141A (ja) | 2007-09-25 | 2007-09-25 | スクラッチ商業印刷物 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2009073141A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016007777A (ja) * | 2014-06-25 | 2016-01-18 | 大日本印刷株式会社 | チラシ |
-
2007
- 2007-09-25 JP JP2007246520A patent/JP2009073141A/ja not_active Withdrawn
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JP2016007777A (ja) * | 2014-06-25 | 2016-01-18 | 大日本印刷株式会社 | チラシ |
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