JP2007078339A - エジェクタ式冷凍サイクル - Google Patents

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Abstract

【課題】エジェクタ上流側から分岐した分岐通路に配置された蒸発器を含む複数の蒸発器を備えるエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、流量比ηを最適流量比ηmaxに近づけ、サイクル全体として高い冷却能力を発揮させながら運転する。
【解決手段】第1蒸発器16出口側冷媒過熱度が所定の値になるように、エジェクタ15のノズル部15aの冷媒流量Gnozを調整する可変絞り機構14と、第1蒸発器16出口側冷媒過熱度が所定の値になった時のGnozに対してエジェクタ15の冷媒吸引口15bに吸引される冷媒流量Geがサイクル全体として高い冷却能力を示す流量比ηmaxになるように設計された第2蒸発器20上流側固定絞り19とを備え、Gnozを過熱度制御することによって、サイクル全体として高い冷却能力を発揮させながら運転する。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷媒減圧手段および冷媒循環手段の役割を果たすエジェクタを有するエジェクタ式冷凍サイクルに関するものである。
従来、複数の蒸発器を備えるエジェクタ式冷凍サイクルは、特許文献1等にて知られている。
この特許文献1には、図27に示すように、エジェクタ15の冷媒下流側に第1蒸発器16を接続し、この第1蒸発器16の冷媒下流側に気液分離器をなすアキュムレータ32を配置するともに、アキュムレータ32の液相冷媒出口側とエジェクタ15の冷媒吸引口側との間に第2蒸発器20を配置し、同時に2つの蒸発器を作動させるサイクルが開示されている。
このサイクルでは、膨張時の冷媒の高速な流れにより生じる圧力低下を利用して、第2蒸発器20から流出する冷媒を吸引するとともに、膨張時の冷媒の速度エネルギーをディフューザ部15d(昇圧部)にて圧力エネルギーに変換して冷媒圧力(圧縮機11の吸入圧)を上昇させている。これにより、圧縮機11の駆動動力を低減できるので、サイクルの運転効率を向上させることができる。
また、このサイクルでは、第1蒸発器16および第2蒸発器20の2つの蒸発器により別々の空間、または2つの蒸発器で同一の空間から吸熱(冷却)作用を発揮することができる。そして、2つの蒸発器にて室内の冷房を行うこともできる(特許文献1の段落0192参照)。
さらに、特許文献1には、エジェクタ15の冷媒吸引口側のみに蒸発器(上記第2蒸発器に対応)を配置するエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、エジェクタの上流部もしくは蒸発器の上流部に機械式もしくは電気式の制御弁を設けることが記載されている。そして、これら制御弁は、その開度調整により蒸発器出口冷媒の過熱度制御などを行う旨が記載されている(特許文献1の図27、29、31〜33参照)。
特許第3322263号公報
ところで、この従来技術のサイクルでは、放熱器12から流出した冷媒の全量がエジェクタ15のノズル部15aを通過する。ここで、エジェクタ15のノズル部15aを通過する冷媒流量をGnozとする。このGnozは第1蒸発器16出口側冷媒が所定の乾き度以下になるような流量になっており、ノズル部15aで減圧された冷媒はエジェクタ15の冷媒吸引口15bから吸引された冷媒と混合して第1蒸発器16へ流入する。そして、第1蒸発器16から流出した冷媒は、アキュムレータ32にて気相冷媒と液相冷媒に分離される。
一方、第2蒸発器20には、エジェクタ15の冷媒吸引口15bが低圧化し吸引作用を発揮することで、アキュムレータ32で分離された液相冷媒が供給される。ここで、冷媒吸引口15bから吸引される冷媒流量をGeとする。第2蒸発器20に流入した液相冷媒は、第2蒸発器20にて蒸発するので、冷媒吸引口15bから吸引される冷媒の殆ど又は全てが気相冷媒となっている。よって、第1蒸発器16の冷却能力に寄与する冷媒流量は、ほぼGnozの液相冷媒の流量となるので、第1蒸発器16の冷却能力はGnozの影響を受ける。
従って、従来技術のサイクルでは、エジェクタ15の冷媒吸引口15bに吸引される冷媒流量Geを増加させて、第2蒸発器20に流入する液相冷媒の流量を増加させれば、第1蒸発器16の冷却能力を低下させることなく第2蒸発器20の冷却能力を増加できるので、サイクル全体としての冷却能力も増加する。
ここで、蒸発器の冷却能力とは、例えば、蒸発器において冷媒が空気より吸熱した時の冷媒のエンタルピ増加分である。このエンタルピ増加分とは冷媒の単位重量あたりの比エンタルピの増加分に冷媒流量を乗じたものである。さらに、サイクル全体としての冷却能力とは、第1および第2蒸発器16、20における冷媒のエンタルピ増加分の合計値Qerである。もちろん、Qerを圧縮機11の消費動力で除した成績係数COPとしてもよい。
よって、従来技術のサイクルでは、図29に示すように、エジェクタ15のノズル部15aを通過する冷媒流量Gnozとエジェクタ15の冷媒吸引口15bに吸引される冷媒流量Geの比である流量比η(η=Ge/Gnoz)が増加するとサイクル全体の冷却能力Qerも上昇する。
しかし、サイクル熱負荷が低い場合には、サイクル内の冷媒の高低圧差が小さくなるので、エジェクタ15の入力が小さくなる。この場合、従来技術のサイクルでは、冷媒流量Geがエジェクタ15の冷媒吸引能力のみに依存するので、エジェクタ15の入力低下→エジェクタ15の冷媒吸引能力の低下→第2蒸発器20に流入する液相冷媒の流量の減少→流量比ηの低下が発生して、冷却能力Qerが低下してしまう。
そこで、本出願人は、先に、特願2004−290120号(以下、先願例という。)にて、図28に示すようなサイクルを提案している。この先願例のサイクルでは、放熱器12吐出側とエジェクタ15冷媒流入口との間に分岐通路18を設け、この分岐通路18に冷媒の圧力及び流量を調整する絞り機構42と第2蒸発器20を配置し、第2蒸発器20出口側をエジェクタ15の冷媒吸引口15b側に接続している。
この先願例のサイクルでは、エジェクタ15の上流部で冷媒流れを分岐し、分岐した冷媒を分岐通路18を通して冷媒吸引口15bに吸引させるから、分岐通路18がエジェクタ15に対して並列的な接続関係となる。このため、分岐通路18にエジェクタ15の冷媒吸引能力だけでなく、圧縮機11の冷媒吸入、吐出能力をも利用して冷媒を供給できる。
よって、エジェクタ15の入力低下→エジェクタ15の冷媒吸引能力の低下という現象が発生しても、エジェクタ15の冷媒吸引口15bに吸引される冷媒流量Geの減少度合を従来技術のサイクルよりも小さくできる。
また、先願例のサイクルでは、エジェクタ15の上流部で冷媒流れを分岐しているので、放熱器12から流出する冷媒流量Gnは、エジェクタ15のノズル部15aを通過する冷媒流量Gnozと第2蒸発器20に流入する冷媒流量との和に等しくなる。そして、第2蒸発器20に流入する冷媒流量は、エジェクタ15の冷媒吸引口15bに吸引される冷媒流量Geと等しい。
従って、先願例のサイクルでは、Gn=Gnoz+Geの関係となり、Gnozが低下すればGeが増加し、逆にGnozが増加すればGeが低下するので、第1蒸発器16の冷却能力が低下しても第2蒸発器20の冷却能力が増加し、逆に第2蒸発器20の冷却能力が低下しても第1蒸発器16の冷却能力が増加することになる。よって、図29に示すように、流量比ηの変化に対する冷却能力Qerの変化は、従来技術のサイクルよりも少ないという利点があり、さらに、最適流量比ηmaxにおいてピークを有する。
すなわち、先願例のサイクルでは、高い冷却能力Qerを発揮させながらサイクルを運転するためには流量比ηを最適流量比ηmaxに近づけるように運転する必要がある。
本発明は上記点に鑑み、先願例のサイクルのようにエジェクタ上流側から分岐した分岐通路に配置された蒸発器を含む複数の蒸発器を備えるエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、流量比ηを最適流量比ηmaxに近づけ、サイクル全体として高い冷却能力を発揮させながら運転することを目的とする。
また、先願例のサイクルにおいて、使用者の要求あるいはシステム上の要求によって第1蒸発器16または第2蒸発器20の冷却対象空間を急冷させる必要があるときに、どのようにして第1蒸発器16または第2蒸発器20の冷却対象空間を急冷させるかについての具体的方法は考案されていない。
そこで、本発明は、使用者の要求あるいはシステム上の要求によって第1蒸発器または第2蒸発器の冷却対象空間を急冷させる必要があるときに、第1蒸発器または第2蒸発器の冷却対象空間を急冷させる具体的方法を提案することを他の目的とする。
また、先願例のサイクルにおいて、低熱負荷時には高い冷却能力Qerを必要としないのであるが、高い冷却能力Qerを必要としない低熱負荷時に、どのようにして圧縮機の駆動動力を低減させるかについての具体的方法は考案されていない。
そこで、本発明は、低熱負荷時において、圧縮機の駆動動力を低減させる具体的方法を提案することを他の目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、エジェクタ(15)から流出した冷媒を蒸発させる第1蒸発器(16)と、冷媒の流れを放熱器(12)とエジェクタ(15)との間で分岐して冷媒吸引口(15b)に導く分岐通路(18)と、分岐通路(18)に配置されて冷媒を減圧して流量調整する絞り手段(19)と、絞り手段(19)下流側に配置されて冷媒を蒸発させる第2蒸発器(20)とを備え、サイクル内部の冷媒状態、第1蒸発器(16)および第2蒸発器(20)の冷却対象空間温度、ならびに冷却対象空間の周囲温度の少なくとも一つに関連する物理量に基づいて、エジェクタ(15)にて減圧膨張される第1冷媒流量(Gnoz)と冷媒吸引口(15b)に吸引される第2冷媒流量(Ge)との流量比(η)を調整するようになっていることを第1の特徴とする。
これによれば、サイクル内部の冷媒状態などに関連する物理量に基づいて流量比(η)が調整されるので、エジェクタ式冷凍サイクルをサイクル全体として高い冷却能力を発揮させながら運転することができる。
ここで、本発明におけるサイクル内部の冷媒状態に関連する物理量とは、例えば、冷媒の温度、圧力および流量に関連する物理量であって、過熱度、過冷却度およびサイクル内の特定の箇所における流量と別の箇所における流量との比を含む意味である。また、冷却対象空間の温度とは、例えば、内気温であり、冷却対象空間の周囲温度とは、例えば、外気温であり、間接的に冷媒状態を推定することができる温度を含む意味である。
上記第1の特徴の効果を発揮するために、具体的には、流量比(η)を調整する手段は、エジェクタ(15)自体に構成すればよい。エジェクタ(15)自体に構成するとは、具体的には、エジェクタ(15)に冷媒を減圧膨張させる部分の冷媒通路面積を可変にする機構を設ける手段、冷媒を減圧膨張させる部分に流入する冷媒密度を調整することで間接的に流量調整する手段、冷媒を減圧膨張させる部分の流量係数を調整することにより間接的に流量調整する手段等が考えられる。
また、流量比(η)を調整する手段は、絞り手段(19)自体に構成してもよい。絞り手段(19)自体に構成するとは、絞り手段(19)を可変絞り機構にすればよい。
また、流量比(η)を調整する手段は、エジェクタ(15)および絞り手段(19)とは別の可変絞り手段(14、30、33、34、36、37、39)にて構成して、分岐通路(18)の分岐点(Z)とエジェクタ(15)冷媒流入側との間に配置してもよいし、分岐通路(18)の分岐点(Z)と第2蒸発器(20)冷媒流入側との間に配置してもよい。さらに、分岐通路(18)の分岐点(Z)に配置してもよい。
このように、流量比(η)を調整する手段を可変絞り手段(14、30、33、34、36、37、39)にて構成すれば、調整された流量比(η)がサイクル全体として高い冷却能力を発揮できるように、エジェクタ(15)の冷媒を減圧膨張させる部分の冷媒通路面積、エジェクタ(15)にて減圧膨張された冷媒と冷媒吸引口(15b)から吸引された冷媒を混合し昇圧させる機能を司る部位の寸法、および、絞り手段(19)の絞り開度を予め所定量に設計しておくことによって、第1の特徴の効果を容易に発揮させることができる。
また、本発明では、エジェクタ(15)から流出した冷媒を蒸発させる第1蒸発器(16)と、冷媒の流れを放熱器(12)とエジェクタ(15)との間で分岐して冷媒吸引口(15b)に導く分岐通路(18)と、分岐通路(18)に配置されて冷媒を減圧する絞り手段(19)と、絞り手段(19)下流側に配置されて冷媒を蒸発させる第2蒸発器(20)とを備え、サイクル内部の冷媒状態、第1蒸発器(16)および第2蒸発器(20)の冷却対象空間温度、ならびに冷却対象空間の周囲温度の少なくとも一つに関連する物理量に基づいて、サイクル全体の冷媒流量を調整するようになっていることを第2の特徴とする。
これによれば、サイクル内部の冷媒状態などに関連する物理量に基づいて、サイクル全体の冷媒流量が調整されるので、調整された冷媒流量において、サイクル全体として高い冷却能力を発揮できるようにエジェクタ(15)の冷媒を減圧膨張させる部分の冷媒通路面積、エジェクタ(15)にて減圧膨張された冷媒と冷媒吸引口(15b)から吸引された冷媒を混合し昇圧させる機能を司る部位の寸法、および、および絞り手段(19)の絞り開度を予め所定量に設計しておくことによって、エジェクタ式冷凍サイクルをサイクル全体として高い冷却能力を発揮させながら運転することができる。
上記第2の特徴の効果を発揮するために、具体的には、冷媒流量を調整する手段は、分岐通路(18)の分岐点(Z)の上流側に配置すればよい。
また、本発明では、冷媒を吸入し圧縮する圧縮機(11、61〜64)と、圧縮機(11、61〜64)の冷媒吐出流量を調整する吐出流量可変手段(11a、11b、61a〜64a)と、エジェクタ(15)から流出した冷媒を蒸発させる第1蒸発器(16)と、冷媒の流れを放熱器(12)とエジェクタ(15)との間で分岐して冷媒吸引口(15b)に導く分岐通路(18)と、分岐通路(18)に配置されて冷媒を減圧する絞り手段(19)と、絞り手段(19)下流側に配置されて冷媒を蒸発させる第2蒸発器(20)とを備え、吐出流量可変手段(11a、11b、61a〜64a)は、サイクル内部の冷媒状態、第1蒸発器(16)および第2蒸発器(20)の冷却対象空間温度、ならびに冷却対象空間の周囲温度の少なくとも一つに関連する物理量に基づいて、圧縮機(11、61〜64)の冷媒吐出流量を調整するようになっていることを第3の特徴とする。
これによれば、サイクル内部の冷媒状態などに関連する物理量に基づいて、吐出流量可変手段(11a)が圧縮機(11、61〜64)の冷媒吐出流量を調整するので、エジェクタ式冷凍サイクルをサイクル全体として高い冷却能力を発揮させながら運転することができる。
上記第3の特徴の効果を発揮するために、具体的には、吐出流量可変手段は、可変容量型圧縮機の吐出容量を変化させて冷媒吐出流量を調整する電気式容量制御弁(11b)としてもよい。さらに、固定容量型圧縮機の作動状態と非作動状態との比率を変化させて冷媒吐出流量を調整する電磁クラッチ(11a、61a〜64a)としてもよい。
また、本発明では、エジェクタ(15)から流出した冷媒を蒸発させる第1蒸発器(16)と、冷媒の流れを放熱器(12)とエジェクタ(15)との間で分岐して冷媒吸引口(15b)に導く分岐通路(18)と、分岐通路(18)に配置されて冷媒を減圧して流量調整する絞り手段(19)と、絞り手段(19)下流側に配置されて冷媒を蒸発させる第2蒸発器(20)と、第1蒸発器(16)および第2蒸発器(20)の少なくとも1つに空気を送風する送風手段(16a)と、送風手段(16a)の送風空気量を調整する送風量調整手段(16b)とを備え、送風量調整手段(16b)は、サイクル内部の冷媒状態、第1蒸発器(16)および第2蒸発器(20)の冷却対象空間温度、ならびに冷却対象空間の周囲温度の少なくとも一つに関連する物理量に基づいて、送風空気量を調整するようになっていることを第4の特徴とする。
これによれば、サイクル内部の冷媒状態などに関連する物理量に基づいて、送風量調整手段(16b)が、第1蒸発器(16)および第2蒸発器(20)の少なくとも1つに送風される送風空気量を調整するので、後述する第5実施形態に説明するように実質的にサイクル内部の冷媒流量が調整される。よって、エジェクタ式冷凍サイクルをサイクル全体として高い冷却能力を発揮させながら運転することができる。
また、本発明では、圧縮機(11、61〜64)から吐出された高圧冷媒の放熱を行う放熱器(12)と、放熱器(12)に空気を送風する送風手段(12a)と、送風手段(12a)の送風空気量を調整する送風量調整手段(12b)と、エジェクタ(15)から流出した冷媒を蒸発させる第1蒸発器(16)と、冷媒の流れを放熱器(12)とエジェクタ(15)との間で分岐して冷媒吸引口(15b)に導く分岐通路(18)と、分岐通路(18)に配置されて冷媒を減圧して流量調整する絞り手段(19)と、絞り手段(19)下流側に配置されて冷媒を蒸発させる第2蒸発器(20)とを備え、送風量調整手段(12b)は、サイクル内部の冷媒状態、第1蒸発器(16)および第2蒸発器(20)の冷却対象空間温度、ならびに冷却対象空間の周囲温度の少なくとも一つに関連する物理量に基づいて、送風空気量を調整するようになっていることを第5の特徴とする。
これによれば、サイクル内部の冷媒状態などに関連する物理量に基づいて、送風量調整手段(12b)が放熱器(12)に送風される送風空気量を調整するので、後述する実施形態のように実質的にサイクル内部の冷媒流量が調整される。よって、エジェクタ式冷凍サイクルをサイクル全体として高い冷却能力を発揮させながら運転することができる。
上記第1〜5の特徴の効果を発揮するために、具体的に物理量を第1蒸発器(16)出口側冷媒の過熱度に関連する物理量、第2蒸発器(20)出口側冷媒の過熱度に関連する物理量、放熱器(12)出口側冷媒の過冷却度に関連する物理量、さらに、高圧冷媒が、臨界圧力以上に昇圧されるサイクルでは放熱器(12)出口側冷媒の温度および圧力とすればよい。
上記第1、4および5の特徴の効果を発揮するためには、物理量を流量比(η)としてもよい。さらに、上記第1、2、4および5の特徴の効果を発揮するために、物理量を圧縮機(11、61〜64)冷媒吐出流量としてもよい。
物理量が第1蒸発器(16)出口側冷媒の過熱度に関連する物理量であれば、サイクル全体として高い冷却能力を発揮させることができると同時に、第1蒸発器(16)出口側冷媒の過熱度を確保することができるので、圧縮機(11、61〜64)に液相冷媒が吸入されることも防止できる。この結果、圧縮機(11、61〜64)の作動不良が防止でき、サイクルの安定性を向上させることができる。
物理量が、放熱器(12)出口側冷媒の温度および圧力であれば、高圧冷媒が臨界圧力以上に昇圧され過冷却度を検出できない場合でも、上記第1〜5の特徴を発揮することができる。
そして、本発明では、上記第1〜5の特徴を有するエジェクタ式冷凍サイクルの第1蒸発器(16)の下流側に液相冷媒と気相冷媒を分離するアキュムレータ(32)を設けてもよい。
これによれば、サイクル全体として高い冷却能力(Qer)を発揮させることができると同時に、第1蒸発器(16)の下流側のアキュムレータ(32)が気相冷媒と液相冷媒を分離し、気相冷媒のみを圧縮機(11、61〜64)に吸入されるようにできるので、圧縮機(11、61〜64)の作動不良が防止でき、サイクルの安定性を向上させることができる。
また、本発明では、冷媒を吸入し圧縮する圧縮機(11、61〜64、66)と、圧縮機(11、61〜64、66)から吐出された高圧冷媒の放熱を行う放熱器(12)と、放熱器(12)下流側の冷媒を減圧膨張させ、この膨張時の高速度の冷媒流により冷媒を内部に吸引する冷媒吸引口(15b)を有し、冷媒吸引口(15b)からの吸引冷媒と高速度の冷媒流とを混合し、この混合した冷媒流を減速して冷媒流の圧力を上昇させるエジェクタ(15)と、エジェクタ(15)から流出した冷媒を蒸発させる第1蒸発器(16)と、冷媒の流れを放熱器(12)とエジェクタ(15)との間で分岐して冷媒吸引口(15b)に導く分岐通路(18)と、分岐通路(18)に配置されて冷媒を減圧して流量調整する絞り手段(19)と、絞り手段(19)下流側に配置されて冷媒を蒸発させる第2蒸発器(20)と、冷却対象空間を急冷する必要性を判定する判定手段(21)とを備え、判定手段(21)が必要性があると判定したときは、第1蒸発器(16)または第2蒸発器(20)の蒸発温度を判定時と比較して低下するようになっていることを第6の特徴とする。
これによれば、冷却対象空間を急冷する必要性があると判定したときに、第1蒸発器(16)または第2蒸発器(20)の蒸発温度を判定時と比較して低下するので、冷却対象空間を急冷することができる。
上記第6の特徴の効果を発揮するために、具体的には、使用者が急冷要求を入力する入力手段(65)を備え、判定手段(21)が入力手段(65)から急冷要求を受けたときに必要性を判定するようにしてもよい。さらに、判定手段(21)がサイクル内部の冷媒状態、第1蒸発器(16)および第2蒸発器(20)の冷却対象空間温度の少なくとも一つに関連する物理量に基づいて必要性を判定するようにしてもよい。
また、上記第6の特徴の効果を発揮するために、具体的には、冷却対象空間(67)の熱負荷を検出する検出手段(70)を備え、
検出手段(70)により検出される熱負荷が増加すると、判定手段(21)が必要性を判定するようにしてもよい。
より具体的には、検出手段を、冷却対象空間(67)内の被冷却物の重量を検出する重量検出手段(70)にすれば、被冷却物の重量が増加したときに熱負荷が増加したとみなして急冷の必要性を判定できるので、簡便な構成によって熱負荷の増加を判定できる。
また、上記第6の特徴の効果を発揮するために、具体的には、エジェクタ(15)にて減圧膨張される第1冷媒流量(Gnoz)と冷媒吸引口(15b)に吸引される第2冷媒流量(Ge)との流量比(η)を調整する流量比調整手段(15、36、37)を備え、流量比調整手段(15、36、37)がエジェクタ(15)にて減圧膨張される冷媒流れを遮断することによって、蒸発温度を判定時と比較して低下するようにしてもよい。
また、冷媒流れの分岐部とエジェクタ(15)との間に可変絞り手段(36、37)を配置して、流量比調整手段を、可変絞り手段(36、37)自体で構成してもよい。さらに、流量比調整手段を、エジェクタ(15)自体で構成してもよい。
また、上記第6の特徴の効果を発揮するために、具体的には、圧縮機(11、61〜64)の冷媒吐出流量を調整する吐出流量可変手段(11a、11b、61a〜64a)を備え、吐出流量可変手段(11a、11b、61a〜64a)が冷媒吐出流量を判定時と比較して増加することによって、蒸発温度を判定時と比較して低下するようにしてもよい。
また、上記第6の特徴の効果を発揮するために、具体的には、少なくとも第2蒸発器(20)に空気を送風する送風手段(16a)と、送風手段(16a)の送風量を調整する送風量調整手段(16b)とを備え、送風量調整手段(16b)が送風量を判定時と比較して減少することによって、蒸発温度を判定時と比較して低下するようにしてもよい。
また、上記第6の特徴の効果を発揮するために、具体的には、第1蒸発器(16)または第2蒸発器(20)の出口側冷媒の過熱度を判定時と比較して増加することによって、蒸発温度を判定時と比較して低下するようにしてもよい。
また、本発明では、冷媒を吸入し圧縮する圧縮機(11、61〜64、66)と、
圧縮機(11、61〜64、66)から吐出された高圧冷媒の放熱を行う放熱器(12)と、
放熱器(12)下流側の冷媒を減圧膨張させ、この膨張時の高速度の冷媒流により冷媒を内部に吸引する冷媒吸引口(15b)を有し、冷媒吸引口(15b)からの吸引冷媒と高速度の冷媒流とを混合し、この混合した冷媒流を減速して冷媒流の圧力を上昇させるエジェクタ(15)と、
エジェクタ(15)から流出した冷媒を蒸発させる第1蒸発器(16)と、
冷媒の流れを放熱器(12)とエジェクタ(15)との間で分岐して冷媒吸引口(15b)に導く分岐通路(18)と、
分岐通路(18)に配置されて冷媒を減圧して流量調整する絞り手段(19)と、
絞り手段(19)下流側に配置されて冷媒を蒸発させる第2蒸発器(20)と、
冷却対象空間(67)の熱負荷が所定量以下に低下していることを判定する判定手段(71)とを備え、
判定手段(71)が熱負荷の低下を判定したときは、第1蒸発器(16)または第2蒸発器(20)の蒸発温度を判定時と比較して低下するようになっていることを第7の特徴とする。
これによると、熱負荷の低下を判定したときは、第1蒸発器(16)または第2蒸発器(20)の蒸発温度を判定時と比較して低下するので、空気と蒸発温度との温度差が判定時と比較して増加する。
このため、圧縮機(11、61〜64、66)の冷媒吐出流量を判定時よりも低下させつつ、冷却対象空間(67)の温度を判定時と同一温度に維持することができる。このため、低熱負荷時において、圧縮機(11、61〜64、66)の駆動動力を低減することができる。
上記第7の特徴の効果を発揮するために、具体的には、冷却対象空間(67)には、被冷却物を出し入れする開口部(68)と、開口部(68)を開閉するドア(69)とが設けられており、
ドア(69)の単位時間当たりの開閉回数が所定値以下であると、判定手段(71)が熱負荷の低下を判定するようになっている。
これによれば、ドア(69)の開閉状態を検知する手段(72)を設けるだけの簡便な構成によって、熱負荷の低下を判定することができる。
また、上記第7の特徴の効果を発揮するために、具体的には、所定時間における冷却対象空間(67)の温度の変化量が所定値以下であると、判定手段(71)が熱負荷の低下を判定するようにしてもよい。
これによれば、冷却対象空間(67)の温度の変化に基づいて熱負荷の低下を判定するので、熱負荷の低下を確実に判定することができる。
また、上記第7の特徴の効果を発揮するために、具体的には、圧縮機(66)は、電動モータ(66a)により駆動され、電動モータ(66a)の回転数調整によりの冷媒吐出流量が調整される電動圧縮機であり、
電動モータ(66a)の消費電力が所定値以下であると、判定手段(71)が熱負荷の低下を判定するようにしてもよい。
これによれば、電動モータ(66a)の消費電力を検出する手段(74)を設けるだけの簡便な構成によって、熱負荷の低下を判定することができる。
また、上記第7の特徴の効果を発揮するために、具体的には、圧縮機(66)は、電動モータ(66a)により駆動され、電動モータ(66a)の回転数調整によりの冷媒吐出流量が調整される電動圧縮機であり、
電動モータ(66a)が所定回転数以下で所定時間以上回転していると、判定手段(71)が熱負荷の低下を判定するようにしてもよい。
これによれば、電動モータ(66a)の回転数を検出する手段(75)を設けるだけの簡便な構成によって、熱負荷の低下を判定することができる。
また、上記第7の特徴の効果を発揮するために、具体的には、エジェクタ(15)にて減圧膨張される第1冷媒流量(Gnoz)と冷媒吸引口(15b)に吸引される第2冷媒流量(Ge)との流量比(η)を調整する流量比調整手段(15、36、37)を備え、流量比調整手段(15、36、37)がエジェクタ(15)にて減圧膨張される冷媒流れを遮断することによって、蒸発温度を判定時と比較して低下するようにしてもよい。
また、冷媒流れの分岐部とエジェクタ(15)との間に可変絞り手段(36、37)を配置して、流量比調整手段を、可変絞り手段(36、37)自体で構成してもよい。さらに、流量比調整手段を、エジェクタ(15)自体で構成してもよい。
また、上記第7の特徴の効果を発揮するために、具体的には、少なくとも第2蒸発器(20)に空気を送風する送風手段(16a)と、送風手段(16a)の送風量を調整する送風量調整手段(16b)とを備え、送風量調整手段(16b)が送風量を判定時と比較して減少することによって、蒸発温度を判定時と比較して低下するようにしてもよい。
また、上記第7の特徴の効果を発揮するために、具体的には、第1蒸発器(16)または第2蒸発器(20)の出口側冷媒の過熱度を判定時と比較して増加することによって、蒸発温度を判定時と比較して低下するようにしてもよい。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
図1は、本発明のエジェクタ式冷凍サイクル10を車両用冷凍装置に適用した例を示す。本実施形態の車両用冷凍装置は、庫内温度を例えば、−20℃付近の極低温に冷却するものである。
まず、エジェクタ式冷凍サイクルにおいて、圧縮機11は、冷媒を吸入、圧縮および吐出するものであり、電磁クラッチ11aおよびベルトを介して車両走行用エンジン(図示せず。)により回転駆動される。本実施形態では、外部からの制御信号により吐出容量を連続的に可変制御できる斜板式可変容量型圧縮機を用いている。
具体的には、圧縮機11の吐出圧と吸入圧を利用して斜板室(図示せず。)の圧力を制御し、斜板の傾斜角度を変更してピストンストロークを変化させ、これにより、吐出容量を略0%〜100%の範囲で連続的に変化させるものである。そして、この吐出容量の変化により冷媒吐出能力を調整することができる。
ここで、吐出容量は冷媒の吸入圧縮を行う作動空間の幾何学的な容積であり、ピストンストロークの上死点と下死点との間のシリンダ容積である。
さらに、斜板室の圧力の制御について説明すると、圧縮機11は電磁式容量制御弁11bを備えており、この電磁式容量制御弁11bは、圧縮機11の吸入側の低圧冷媒圧力による力F1を発生する圧力応動機構(図示せず。)と、この低圧冷媒圧力Psによる力F1と対抗する電磁力F2を発生する電磁機構(図示せず。)とを内蔵している。
この電磁機構の電磁力F2は、後述する空調制御装置21から出力される制御電流Inによって決定される。そして、この低圧冷媒圧力Psに応じた力F1と電磁力F2に応じて変位する弁体(図示せず。)により高圧冷媒と低圧冷媒を斜板室に導入する割合を変化させることで、斜板室の圧力を変化させている。
また、圧縮機11では斜板室の圧力の調整により吐出容量を100%から略0%付近まで連続的に変化させることができるので、吐出容量を略0%付近に減少することにより、圧縮機11が実質的に作動停止状態にすることができる。従って、圧縮機11の回転軸をプーリ、ベルトVを介して車両エンジンに常時連結するクラッチレスの構成としてもよい。
放熱器12は、圧縮機11の冷媒吐出側に接続されており、圧縮機11から吐出された高圧冷媒と放熱器用送風機12aにより送風される外気(車室外空気)との間で熱交換を行って、高圧冷媒を冷却する熱交換器である。
放熱器用送風機12aは駆動用電動モータ12bにより駆動され、駆動用電動モータ12bは空調制御装置21から印加電圧V1が出力されると回転駆動するようになっている。よって、空調制御装置21が印加電圧V1を変更すると駆動用電動モータ12bの回転数を変更できるので、放熱器用送風機12aが送風する空気量を変更できる。
また、本実施形態では、サイクル内循環冷媒として、通常のフロン系冷媒を用いているので、エジェクタ式冷凍サイクル10は、高圧圧力が臨界圧力を超えない亜臨界サイクルを構成する。従って、放熱器12は冷媒を凝縮する凝縮器として作用する。
放熱器12の冷媒下流部には冷媒の気液を分離して液相冷媒を溜める気液分離器として受液器13が配置され、この受液器13から液相冷媒が下流側に導出される。受液器13の冷媒下流側には可変絞り機構14が接続される。
この可変絞り機構14は、具体的には、周知の温度式膨張弁であり、受液器13からの高圧液相冷媒を気液二相状態の中間圧冷媒に減圧する機能を果たす。
この温度式膨張弁は、後述する第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度に応じて弁体部(図示せず。)の開度を調整し、それにより、可変絞り機構14を通過する冷媒流量を調整して第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度が所定の値に近づくようにしている。すなわち、本実施形態では、温度式膨張弁の弁体部が流量比(η)を調整する手段となる。
温度式膨張弁の弁体には圧力応動手段をなすダイヤフラム機構14aが結合され、ダイヤフラム機構14aは感温筒14bの封入ガス媒体の圧力(第1蒸発器16出口側冷媒の温度に応じた圧力)と、均圧管14cにより導入される第1蒸発器16出口側冷媒圧力とに応じて弁体を変位させ、弁体の開度を調整する。すなわち、本実施形態においては、感温筒14bおよび均圧管14cがサイクル内部の冷媒状態に関連する物理量を検出する手段となる。
そして、可変絞り機構14の出口側にはエジェクタ15が接続されている。このエジェクタ15は冷媒を減圧する減圧手段であるとともに、高速で噴出する冷媒流の吸引作用(巻き込み作用)によって冷媒の循環を行う流体輸送を冷媒循環手段でもある。
エジェクタ15には、可変絞り機構14を通過して流入する中間圧冷媒の通路面積を小さく絞って、中間圧冷媒を等エントロピ的に減圧膨張させるノズル部15aと、ノズル部15aの冷媒噴出口と同一空間に配置され、後述する第2蒸発器20からの気相冷媒を吸引する冷媒吸引口15bが備えられている。
さらに、ノズル部15aおよび冷媒吸引口15bの下流側には、ノズル部15aからの高速度の冷媒流と冷媒吸引口15bからの吸引冷媒とを混合する混合部15cが設けられている。そして、混合部15cの下流側に昇圧部をなすディフューザ部15dが配置されている。
このディフューザ部15dは冷媒の通路面積を徐々に大きくする形状に形成されており、冷媒流れを減速して冷媒圧力を上昇させる作用、つまり、冷媒の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換する機能を有する。
エジェクタ15のディフューザ部15dの下流側には第1蒸発器16が接続される。第1蒸発器16は、蒸発器用送風機16aより送風された空気と冷媒とを熱交換し、冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる吸熱器である。
蒸発器用送風機16aは駆動用電動モータ16bにより駆動され、駆動用電動モータ16bは空調制御装置21から印加電圧V2が出力されると回転駆動するようになっている。よって、空調制御装置21が印加電圧V2を変更すると駆動用電動モータ16bの回転数を変更できるので、蒸発器用送風機16aが送風する空気量を変更できる。
この第1蒸発器16の冷媒流れ下流側は内部熱交換器17に接続され、内部熱交換器17の冷媒出口側は圧縮機11の吸入側に接続される。
次に、分岐通路18は、上述の受液器13と可変絞り機構14の間とエジェクタ15の冷媒吸引口15bとを接続する冷媒通路である。Zは分岐通路18の分岐点を示す。この分岐通路18には、上述の内部熱交換器17が配置され、この内部熱交換器17の下流側に固定絞り19が配置され、さらに、この固定絞り19の下流側に第2蒸発器20が配置されている。
ここで、内部熱交換器17は、分岐通路18を通過する高温の高圧冷媒と、第1蒸発器16下流側の低温の低圧冷媒との熱交換を行うものである。この内部熱交換器17での冷媒相互間の熱交換によって、分岐通路18を通過する冷媒が冷却されるので、第1蒸発器16および第2蒸発器20における冷媒入口・出口間の冷媒のエンタルピ差(冷却能力)を増大させることができる。
固定絞り19は、第2蒸発器20への流入する冷媒の流量調整と減圧を行うものであって、具体的にはキャピラリチューブやオリフィスのような固定絞りで構成できる。
さらに、本実施形態における固定絞り19の絞り開度は、第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度が所定の値になった時に可変絞り機構14を通過し、さらにエジェクタ15のノズル部15aを通過する冷媒流量Gnozと、エジェクタ15の冷媒吸引口15bに吸引される冷媒流量Geとの流量比ηが図29に示す最適流量比ηmaxになるように予め所定量に設計されている。ここで、η=Ge/Gnozであり、最適流量比ηmaxはシステム全体としての冷却能力Qerが最高になる流量比である。
このような設計は第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度が所定の値になった時の可変絞り機構14の絞り開度に対して、エジェクタ15のノズル部15aの冷媒通路面積、混合部15cおよびディフューザ部15dの寸法、固定絞り19の絞り開度を適切な値に設計することによって実現できる。この設計には、可変絞り機構14を通過する冷媒が流れる通路および固定絞り19を通過する冷媒が流れる通路(分岐通路18)の圧力損失も考慮されている。
また、第2蒸発器20は、冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる吸熱器である。さらに、本実施形態では、第1蒸発器16と第2蒸発器20を一体構造に組み付けている。具体的には、第1蒸発器16と第2蒸発器20の構成部品をアルミニウムで構成してろう付けにより一体構造に接合している。
そのため、上述の蒸発器用送風機16aにて送風された空気は、矢印Aのように流れ、まず、第1蒸発器16にて冷却され、次に第2蒸発器20にて冷却されるようになっている。すなわち、第1蒸発器16と第2蒸発器20にて同一の冷却対象空間を冷却するようになっている。
空調制御装置21は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。空調制御装置21は、そのROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行って上記各種機器11a、11b、12b、16b等の作動を制御する。
また、空調制御装置21には、各種センサ群からの検出信号、および操作パネル(図示せず。)からの各種操作信号が入力される。センサ群として具体的には、外気温(車室外温度)を検出する外気センサ等が設けられる。また、操作パネルには冷却対象空間の冷却温度を設定する温度設定スイッチ等が設けられる。
次に、上述のような構成で本実施形態の作動について説明する。空調制御装置21の制御出力によって電磁クラッチ11aに通電され、電磁クラッチ11aが接続状態になると、圧縮機11に車両走行用エンジンから回転駆動力が伝達される。そして、空調制御装置21から電磁式容量制御弁11bに制御プログラムに基づいて制御電流Inが出力されると、圧縮機11が、気相冷媒を吸入圧縮して吐出する。
圧縮機11から圧縮され吐出された高温高圧の気相冷媒は放熱器12に流入する。放熱器12では高温高圧の冷媒が外気により冷却されて凝縮する。放熱器12から流出した放熱後の高圧冷媒は、受液器13にて気相冷媒と液相冷媒に分離され、さらに、受液器13から流出した液相冷媒は、分岐点Zにて可変絞り機構14に向かう冷媒流れと、分岐通路18に向かう冷媒流れとに分流する。
可変絞り機構14に向かう冷媒流れは、可変絞り機構14で減圧および流量調整されてエジェクタ15へ流入する。ここで、可変絞り機構14は、第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度が所定の値に近づくように、可変絞り機構14の通過冷媒流量を調整する。すなわち、冷媒流量Gnozを調整する。
エジェクタ15に流入した冷媒流れはノズル部15aでさらに減圧され膨張する。従って、ノズル部15aで冷媒の圧力エネルギーが速度エネルギーに変換され、このノズル部15aの噴出口から冷媒は高速度となって噴出する。この際の冷媒吸引作用により、冷媒吸引口15bから分岐通路18の第2蒸発器20通過後の冷媒(気相冷媒)を吸引する。
ノズル部15aから噴出した冷媒と冷媒吸引口15bに吸引された冷媒は、ノズル部15a下流側の混合部15cで混合してディフューザ部15dに流入する。このディフューザ部15dでは通路面積の拡大により、冷媒の速度(膨張)エネルギーが圧力エネルギーに変換されるため、冷媒の圧力が上昇する。
そして、エジェクタ15のディフューザ部15dから流出した冷媒は第1蒸発器16に流入する。第1蒸発器16では、低温の低圧冷媒が蒸発器用送風機16aの送風空気から吸熱して蒸発する。そして、第1蒸発器16通過後の気相冷媒は内部熱交換器17へ流入し、分岐点Zにて分岐通路18へ流入した高温高圧冷媒と熱交換を行う。そして、内部熱交換器17から流出した気相冷媒は、圧縮機11に吸入され再び圧縮される。
一方、分岐通路18に流入した冷媒流れは内部熱交換器17に流入し、前述の如く、第1蒸発器16から流出した低温低圧の気相冷媒と熱交換を行う。そして、内部交換機19で冷却された冷媒は、固定絞り19で減圧されて低圧冷媒となり、この低圧冷媒が第2蒸発器20に流入する。
第2蒸発器20では、流入した低圧冷媒が第1蒸発器16で冷却された送風空気から吸熱して蒸発する。そして、第2蒸発器20通過後の気相冷媒は冷媒吸引口15bからエジェクタ15内に吸引される。ここで、エジェクタ15の冷媒吸引口15bに吸引される冷媒流量Geは、前述のように固定絞り19の絞り開度が予め所定量に設計されているので、Gnozとの流量比ηが最適流量比ηmaxに近づくような流量になっている。
そして、第2蒸発器20で蒸発した気相冷媒は、エジェクタ15の冷媒吸引口15bより吸引されて、混合部15cでノズル部15aを通過した液相冷媒と混合して第1蒸発器16に流入していく。
以上のごとく、本実施形態では、エジェクタ15のディフューザ部15dの下流側冷媒を第1蒸発器16に供給するとともに、分岐通路18側の冷媒を固定絞り19を通して第2蒸発器20にも供給できるので、第1蒸発器16および第2蒸発器20で同時に冷却作用を発揮できる。
その際に、第1蒸発器16の冷媒蒸発圧力はディフューザ部15dで昇圧した後の圧力であり、一方、第2蒸発器20の出口側はエジェクタ15の冷媒吸引口15bに接続されているから、ノズル部15aでの減圧直後の最も低い圧力を第2蒸発器20に作用させることができる。これにより、第1蒸発器16の冷媒蒸発圧力(冷媒蒸発温度)よりも第2蒸発器20の冷媒蒸発圧力(冷媒蒸発温度)を低くすることができる。
また、エジェクタ15のディフューザ部15dでの昇圧作用によって圧縮機11の吸入圧を上昇できる分だけ、圧縮機11の圧縮仕事量を低減でき、省動力効果を発揮することができる。
さらに、本実施形態における可変絞り機構14は、第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度が所定の値に近づくように冷媒流量Gnozを調整する。その結果、流量比ηがシステム全体の冷却能力が高くなる最適流量比ηmaxに近づくように調整されるので、サイクル全体として高い冷却能力を発揮しながら運転することができる。
また、第1蒸発器16の出口側に冷媒の過熱度制御を行っているので、圧縮機11への液相冷媒が戻ることも防止できサイクルの安定性も確保できる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、可変絞り機構14を分岐点Zとエジェクタ15との間に配置し、分岐通路18に固定絞り19を配置しているが、本実施形態では、図2に示すように、可変絞り機構14と固定絞り19を廃止して、分岐通路8に可変絞り機構30を設けている。
可変絞り機構30は、第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度が所定の値に近づくように冷媒流量を調整する温度式膨張弁であり、温度式膨張弁の構成は第1実施形態と同様である。すなわち、可変絞り機構30の弁体が流量比(η)を調整する手段となり、可変絞り機構30の感温筒および均圧管がサイクル内部の冷媒状態に関連する物理量を検出する手段となる。
さらに、本実施形態におけるエジェクタ15のノズル部15aの冷媒通路面積等は、第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度が所定の値になった時の冷媒流量Gnozと、エジェクタ15の冷媒吸引口15bに吸引される冷媒流量Geとの流量比ηが最適流量比ηmaxになるように予め所定量に設計されている。その他のサイクル構成は第1実施形態と同様である。
よって、本実施形態のサイクルを作動させると、可変絞り機構30は、第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度が所定の値に近づくように冷媒流量Geを調整する。その結果、流量比ηが最適流量比ηmaxに近づくように調整されるので、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
第1実施形態では、可変絞り機構14を分岐点Zとエジェクタ15との間に配置しているが、本実施形態では、図3に示すように、可変絞り機構14を廃止して、受液器13と分岐点Zとの間に可変絞り機構31を設けている。
可変絞り機構31は、第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度が所定の値に近づくように冷媒流量を調整する温度式膨張弁であり、温度式膨張弁の構成は第1実施形態と同様である。すなわち、可変絞り機構31の弁体がサイクル全体の冷媒流量を調整する手段であり、可変絞り機構31の感温筒および均圧管がサイクル内部の冷媒状態に関連する物理量を検出する手段である。
さらに、本実施形態では、第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度が所定の値になった時の可変絞り機構31を通過する冷媒流量において、流量比ηが最適流量比ηmaxになるように、エジェクタ15のノズル部15aの冷媒通路面積等および固定絞り19の絞り開度が予め所定量に設計されている。その他のサイクル構成は第1実施形態と同様である。
よって、本実施形態のサイクルを作動させると、可変絞り機構31は、第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度が所定の値に近づくように可変絞り機構31を通過する冷媒流量を調整する。その結果、流量比ηが最適流量比ηmaxに近づくように調整されるので、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第4実施形態)
第1実施形態では、可変絞り機構14を分岐点Zとエジェクタ15との間に配置しているが、本実施形態では、図4に示すように、可変絞り機構14を廃止して、第1蒸発器16出口側冷媒の温度Ts1を検出する温度センサ51および圧力Ps1を検出する圧力センサ52を設けている。
また、温度センサ51および圧力センサ52の検出値は空調制御装置21に入力され、空調制御装置21は、検出値に基づいて第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度を算出するようになっている。すなわち、本実施形態では温度センサ51および圧力センサ52が、サイクル内部の冷媒状態に関連する物理量を検出する手段である。
そして、空調制御装置21は、算出した過熱度が所定の値に近づくように制御電流Inを制御し、電磁式容量制御弁11bが圧縮機11の吐出容量を調整する。すなわち、本実施形態では、電磁式容量制御弁11bが吐出流量可変手段である。
また、本実施形態では、第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度が所定の値になった時の圧縮機11の冷媒吐出流量において、流量比ηが最適流量比ηmaxになるように、エジェクタ15のノズル部15aの冷媒通路面積等および固定絞り19の絞り開度が予め所定量に設計されている。その他のサイクル構成は第1実施形態と同様である。
次に、本実施形態の作動について説明すると、例えば、第1蒸発器16の冷房熱負荷増加により第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度が上昇して、この過熱度が予め定めた所定の値を超えると空調制御装置21が圧縮機吐出容量を増加させる。その結果、第1蒸発器16を通過する冷媒流量が増加するので、第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度を低下させることができる。
また、第1蒸発器16の冷房熱負荷低下により第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度が低下して、この過熱度が予め定めた所定の値を下回ると空調制御装置21が圧縮機吐出容量を縮小させる。その結果、第1蒸発器16の通過する冷媒流量が低下するので、第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度を上昇させることができる。
このように、空調制御装置21は、第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度が所定の値に近づくように圧縮機11の吐出容量を制御する。その結果、流量比ηも最適流量比ηmaxに近づくように調整されるので、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、空調制御装置21が、サイクル全体として高い冷却能力を発揮するように圧縮機11の吐出流量を変更するので、圧縮機11の不必要な吐出流量増加を防止できる。その結果、より一層、省動力効果を発揮することができる。
(第5実施形態)
第4実施形態では、可変容量型の圧縮機11を用いているが、本実施形態では、図5に示すように、圧縮機11を廃止して固定容量型の圧縮機61を設けている。圧縮機61には電磁クラッチ11aと同様の構成の電磁クラッチ61aが設けられており、圧縮機61は電磁クラッチ61aおよびベルトを介して車両走行用エンジンにより回転駆動される。
また、空調制御装置21は、算出した過熱度が所定の値に近づくように印加電圧V2を変更するようになっている。すなわち、本実施形態では、温度センサ51および圧力センサ52が、サイクル内部の冷媒状態に関連する物理量を検出する手段であり、蒸発器用送風機16aの駆動用電動モータ16bが送風量調整手段となる。
なお、エジェクタ15のノズル部15aの冷媒通路面積等および固定絞り19の絞り開度に関する流量比ηを決定するための設計およびその他のサイクル構成は、第4実施形態と同様である。
次に、本実施形態の作動を説明する。例えば、第1蒸発器16の冷房熱負荷増加により第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度が上昇して、この過熱度が予め定めた所定の値を超えると、空調制御装置21が駆動用電動モータ16bに印加する印加電圧V2を増加させる。
印加電圧V2が増加すると、蒸発器用送風機16aによって送風される空気量が増加する。このため、第1蒸発器16における冷媒蒸発温度および圧力が上昇する。これにより、圧縮機11の吸入冷媒圧力Psを増加させて、圧縮機61に吸入される冷媒密度を増加させることができるので、実質的に圧縮機61の冷媒吐出流量を増加させる。その結果、第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度を所定の値に近づくように制御できる。
ここで、蒸発器用送風機16aによって送風される空気量が増加すると第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度がさらに増加することが懸念される。このため、本実施形態は、過熱度増加によるサイクル全体の冷却能力の低下に対して、圧縮機61の冷媒吐出流量増加によるサイクル全体の冷却能力の上昇の方が大きいサイクルに適用される。
このように、空調制御装置21が第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度を所定の値に近づくように、蒸発器用送風機16aによる空気送風量を制御しても、第4実施形態と全く同様の効果を得ることができる。
(第6実施形態)
第1実施形態では、受液器13を放熱器12と分岐点Zとの間に配置し、可変絞り機構14を分岐点Zとエジェクタ15との間に配置しているが、本実施形態では、図6に示すように、受液器13および可変絞り機構14を廃止して、第1蒸発器16の下流側に液相冷媒と気相冷媒を分離するアキュムレータ32を設け、さらに、分岐点Zとエジェクタ15との間に可変絞り機構33を設けている。
可変絞り機構33は、第2蒸発器20出口側冷媒の過熱度が所定の値に近づくように冷媒流量を調整する温度式膨張弁である。温度式膨張弁の構成は第1実施形態と同様であり、本実施形態では、可変絞り機構33の感温筒および均圧管は、第2蒸発器20出口側冷媒の温度および圧力に応じて可変絞り機構33の弁体を変位させる。
すなわち、可変絞り機構33の弁体が流量比(η)を調整する手段となり、可変絞り機構33の感温筒および均圧管がサイクル内部の冷媒状態に関連する物理量を検出する手段となる。
さらに、本実施形態における固定絞り19の絞り開度は、第2蒸発器20出口側冷媒の過熱度が所定の値になった時に可変絞り機構33を通過し、さらにエジェクタ15のノズル部15aを通過する冷媒流量Gnozと、エジェクタ15の冷媒吸引口15bに吸引される冷媒流量Geとの流量比ηが最適流量比ηmaxになるように予め所定量に設計されている。その他のサイクル構成は第1実施形態と同様である。
よって、本実施形態のサイクルを作動させると、可変絞り機構33は、第2蒸発器20出口側冷媒の過熱度が所定の値に近づくように冷媒流量Gnozを調整する。その結果、流量比ηが最適流量比ηmaxに近づくように調整されるので、サイクル全体として高い冷却能力を発揮しながら運転することができる。
また、第1蒸発器16の出口側にアキュムレータ32を備えているので、圧縮機11への液相冷媒が戻ることも防止でき、サイクルの安定性も確保できる。
(第7実施形態)
第6実施形態では、可変絞り機構33を分岐点Zとエジェクタ15との間に配置し、分岐通路18に固定絞り19を配置しているが、本実施形態では、図7に示すように、可変絞り機構33と固定絞り19を廃止して、分岐通路8に可変絞り機構34を設けている。
可変絞り機構34は、第2蒸発器20出口側冷媒の過熱度が所定の値に近づくように冷媒流量を調整する温度式膨張弁であり、温度式膨張弁の構成は第6実施形態と同様である。すなわち、可変絞り機構34の弁体が流量比(η)を調整する手段となり、可変絞り機構34の感温筒および均圧管がサイクル内部の冷媒状態に関連する物理量を検出する手段となる。
さらに、本実施形態におけるエジェクタ15のノズル部15aの冷媒通路面積等は、第2蒸発器20出口側冷媒の過熱度が所定の値になった時の冷媒流量Gnozと、エジェクタ15の冷媒吸引口15bに吸引される冷媒流量Geとの流量比ηが最適流量比ηmaxになるように予め所定量に設計されている。その他のサイクル構成は第6実施形態と同様である。
よって、本実施形態のサイクルを作動させると、可変絞り機構34は、第2蒸発器20出口側冷媒の過熱度が所定の値に近づくように冷媒流量Geを調整する。その結果、流量比ηが最適流量比ηmaxに近づくように調整されるので、第6実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第8実施形態)
第6実施形態では、可変絞り機構33を分岐点Zとエジェクタ15との間に配置しているが、本実施形態では、図8に示すように、可変絞り機構33を廃止して、放熱器12と分岐点Zとの間に可変絞り機構35を設けている。
可変絞り機構35は、第2蒸発器20出口側冷媒の過熱度が所定の値に近づくように冷媒流量を調整する温度式膨張弁であり、温度式膨張弁の構成は第6実施形態と同様である。すなわち、可変絞り機構35の弁体がサイクル全体の冷媒流量を調整する手段であり、可変絞り機構35の感温筒および均圧管がサイクル内部の冷媒状態に関連する物理量を検出する手段である。
さらに、本実施形態では、第2蒸発器20出口側冷媒の過熱度が所定の値になった時の可変絞り機構35を通過する冷媒流量において、流量比ηが最適流量比ηmaxになるように、エジェクタ15のノズル部15aの冷媒通路面積等および固定絞り19の絞り開度が予め所定量に設計されている。その他のサイクル構成は第6実施形態と同様である。
よって、本実施形態のサイクルを作動させると、可変絞り機構35は、第2蒸発器20出口側冷媒の過熱度を所定の値に近づくように可変絞り機構35を通過する冷媒流量を調整する。その結果、流量比ηが最適流量比ηmaxに近づくように調整されるので、第6実施形態と全く同様の効果を得ることができる。
(第9実施形態)
第6実施形態では、可変絞り機構33を分岐点Zとエジェクタ15との間に配置しているが、本実施形態では、図9に示すように、可変絞り機構33を廃止して、第2蒸発器20出口側冷媒の温度Ts2を検出する温度センサ53および圧力Ps2を検出する圧力センサ54を設けている。
また、温度センサ53および圧力センサ54の検出値は空調制御装置21に入力され、空調制御装置21は、検出値に基づいて第2蒸発器20出口側冷媒の過熱度を算出するようになっている。すなわち、本実施形態では温度センサ53および圧力センサ54が、サイクル内部の冷媒状態に関連する物理量を検出する手段となる。
そして、空調制御装置21は、算出した過熱度が所定の値に近づくように制御電流Inを制御し、電磁式容量制御弁11bが圧縮機11の吐出容量を調整する。すなわち、本実施形態では、電磁式容量制御弁11bが吐出流量可変手段である。
また、本実施形態では、第2蒸発器20出口側冷媒の過熱度が所定の値になった時の圧縮機11の冷媒吐出流量において、流量比ηが最適流量比ηmaxになるように、エジェクタ15のノズル部15aの冷媒通路面積等および固定絞り19の絞り開度が予め所定量に設計されている。その他のサイクル構成は第6実施形態と同様である。
よって、本実施形態のサイクルを作動させると、第4実施形態と同様に、空調制御装置21が、第2蒸発器20出口側冷媒の過熱度を所定の値に近づけるように、圧縮機11の冷媒吐出流量を制御するので、流量比ηも最適流量比ηmaxに近づくように調整される。その結果、第6実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、第4実施形態と同様に、圧縮機11の不必要な吐出流量増加を防止でき、より一層、省動力効果を発揮することができる。
(第10実施形態)
第9実施形態では、可変容量型の圧縮機11を用いているが、本実施形態では、図10に示すように、圧縮機11を廃止して固定容量型の圧縮機62を設けている。圧縮機62には電磁クラッチ11aと同様の構成の電磁クラッチ62aが設けられており、圧縮機62は電磁クラッチ62aおよびベルトを介して車両走行用エンジンにより回転駆動される。
また、空調制御装置21は、算出した過熱度が所定の値に近づくように印加電圧V2を変更するようになっている。すなわち、本実施形態では、温度センサ53および圧力センサ54が、サイクル内部の冷媒状態に関連する物理量を検出する手段であり、蒸発器用送風機16aの駆動用電動モータ16bが送風量調整手段となる。
なお、エジェクタ15のノズル部15aの冷媒通路面積等および固定絞り19の絞り開度に関する流量比ηを決定するための設計およびその他のサイクル構成は、第9実施形態と同様である。
本実施形態のサイクルを作動させると、第5実施形態と同様に、実質的に圧縮機62の冷媒吐出流量を変化させることができ、第2蒸発器20出口側冷媒の過熱度を所定の値に近づくように制御できる。よって、第9実施形態と全く同様の効果を得ることができる。
(第11実施形態)
第6実施形態では、可変絞り機構33を分岐点Zとエジェクタ15との間に配置しているが、本実施形態では、図11に示すように、可変絞り機構33を廃止して、分岐点Zとエジェクタ15の間に電気式可変絞り機構36を配置し、さらに、放熱器12の出口側冷媒の温度Tcを検出する温度センサ55および圧力Pcを検出する圧力センサ56を設けている。
電気式可変絞り機構36は、冷媒通路面積を調整する弁機構と空調制御装置21から出力される制御信号(パルス信号)によって回転駆動するステッピングモータを有し、ステッピングモータが回転すると、上記弁機構の弁体が変位して冷媒通路面積を連続的に調整することができる流量調整弁である。
また、温度センサ55および圧力センサ56の検出値は空調制御装置21に入力され、空調制御装置21は、検出値に基づいて放熱器12出口側冷媒の過冷却度を算出し、放熱器12の出口側冷媒の過冷却度が所定の値に近づくように制御信号(パルス信号)を出力して、電気式可変絞り機構36の冷媒通路面積を調整する。
すなわち、本実施形態における電気式可変絞り機構36は流量比(η)を調整する手段であり、温度センサ55および圧力センサ56がサイクル内部の冷媒状態に関連する物理量を検出する手段となる。
さらに、本実施形態における固定絞り19の絞り開度は、放熱器12出口側冷媒の過冷却度が所定の値になった時に電気式可変絞り機構36を通過し、さらにエジェクタ15のノズル部15aを通過する冷媒流量Gnozと、エジェクタ15の冷媒吸引口15bに吸引される冷媒流量Geとの流量比ηが最適流量比ηmaxになるように予め所定量に設計されている。その他のサイクル構成は第6実施形態と同様である。
よって、本実施形態のサイクルを作動させると、空調制御装置21は、電気式可変絞り機構36を制御して、放熱器12出口側冷媒の過冷却度が所定の値に近づくように冷媒流量Gnozを制御する。その結果、流量比ηが最適流量比ηmaxに近づくように調整されるので、第6実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、本実施形態の構成で、圧縮機11が冷媒を超臨界圧力になるまで昇圧するようになっている場合は、空調制御装置21が過冷却度を算出できない。この場合は、空調制御装置21は、放熱器12出口側冷媒の圧力が所定の値になるように電気式可変絞り機構36を制御する。
そして、放熱器12出口側冷媒の圧力が所定の値になった時に電気式可変絞り機構36を通過し、さらにエジェクタ15のノズル部15aを通過する冷媒流量Gnozと、エジェクタ15の冷媒吸引口15bに吸引される冷媒流量Geとの流量比ηが最適流量比ηmaxになるように、固定絞り19の絞り開度を予め所定量に設計しておくことで、冷媒が超臨界状態になるサイクルであっても、第6実施形態と全く同様の効果を得ることができる。
また、変形例として本実施形態の構成において、空調制御装置21が、電気式可変絞り機構36に出力する制御信号(パルス信号)の出力(パルスカウント数)を記憶できるようにし、さらに、予め制御信号(パルス信号)の出力(パルスカウント数)に応じた電気式可変絞り機構36の冷媒通路面積、固定絞り19の絞り開度を記憶していてもよい。
これにより、空調制御装置21は制御信号(パルス信号)の出力(パルスカウント数)に基づいて電気式可変絞り機構36の冷媒通路面積を把握し、記憶している固定絞り19絞り開度と比較することで、実際の流量比ηを推定できる。
そして、空調制御装置21が実際の流量比ηを最適流量比ηmaxに近づくよう電気式可変絞り機構36の弁体を変位させることで、サイクル全体として高い冷却能力を発揮しながら運転することができる。
(第12実施形態)
第11実施形態では、電気式可変絞り機構36を分岐点Zとエジェクタ15の間に配置し、媒分岐通路18に固定絞り19を配置しているが、本実施形態では、図12に示すように、電気式可変絞り機構36と固定絞り19を廃止して、分岐通路18に電気式可変絞り機構37を設けている。
電気式可変絞り機構37の構成は、第11実施形態と同様である。空調制御装置21は、検出値に基づいて放熱器12出口側冷媒の過冷却度を算出し、放熱器12の出口側冷媒の過冷却度が所定の値に近づくように制御信号(パルス信号)を出力して、電気式可変絞り機構37冷媒通路面積を調整する。
すなわち、本実施形態における電気式可変絞り機構37は流量比(η)を調整する手段となり、温度センサ55および圧力センサ56がサイクル内部の冷媒状態に関連する物理量を検出する手段となる。
さらに、本実施形態におけるエジェクタ15のノズル部15aの冷媒通路面積等は、放熱器12出口側冷媒の過冷却度が所定の値になった時の冷媒流量Gnozと、エジェクタ15の冷媒吸引口15bに吸引される冷媒流量Geとの流量比ηが最適流量比ηmaxになるように予め所定量に設計されている。その他のサイクル構成は第11実施形態と同様である。
よって、本実施形態のサイクルを作動させると、空調制御装置21は、電気式可変絞り機構37を制御して、放熱器12出口側冷媒の過冷却度が所定の値に近づくように冷媒流量Geを制御する。その結果、流量比ηが最適流量比ηmaxに近づくように調整されるので、第11実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、第11実施形態と同様に本実施形態の構成において、空調制御装置21が、電気式可変絞り機構37に出力する制御信号(パルス信号)の出力(パルスカウント数)を記憶できるようにし、さらに、予め制御信号(パルス信号)の出力(パルスカウント数)に応じた電気式可変絞り機構37の冷媒通路面積、エジェクタ15のノズル部15aの絞り開度を記憶していてもよい。
これにより、空調制御装置21が、実際の流量比ηを推定して、流量比ηを最適流量比ηmaxに近づけるように制御することができるので、第11実施形態と同様に、高い冷却能力を発揮しながら運転することができる。
(第13実施形態)
第11実施形態では、電気式可変絞り機構36を分岐点Zとエジェクタ15との間に配置しているが、本実施形態では、図13に示すように、電気式可変絞り機構36を廃止して、放熱器12と分岐点Zとの間であって温度センサ55および圧力センサ56の下流側に電気式可変絞り機構38を設けている。
電気式可変絞り機構38の構成は、第11実施形態と同様である。空調制御装置21は、検出値に基づいて放熱器12出口側冷媒の過冷却度を算出し、放熱器12の出口側冷媒の過冷却度が所定の値に近づくように制御信号(パルス信号)を出力して、電気式可変絞り機構38冷媒通路面積を調整する。
すなわち、本実施形態における電気式可変絞り機構38はサイクル全体の冷媒流量を調整する手段であり、温度センサ55および圧力センサ56がサイクル内部の冷媒状態に関連する物理量を検出する手段である。
さらに、本実施形態では、放熱器12出口側冷媒の過冷却度が所定の値になった時の電気式可変絞り機構38を通過する冷媒流量において、流量比ηが最適流量比ηmaxになるように、エジェクタ15のノズル部15aの冷媒通路面積等および固定絞り19の絞り開度が予め所定量に設計されている。その他のサイクル構成は第11実施形態と同様である。
よって、本実施形態のサイクルを作動させると、電気式可変絞り機構38は、放熱器12出口側冷媒の過冷却度が所定の値に近づくように電気式可変絞り機構38を通過する冷媒流量を制御する。その結果、流量比ηを最適流量比ηmaxに近づくように調整されるので、第11実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第14実施形態)
第11実施形態では、電気式可変絞り機構36を分岐点Zとエジェクタ15の間に配置しているが、本実施形態では、図14に示すように、電気式可変絞り機構36を廃止している。
そして、空調制御装置21は、放熱器12出口側冷媒の過冷却度が所定の値に近づくように制御電流Inを制御し、電磁式容量制御弁11bが圧縮機11の吐出容量を調整する。すなわち、本実施形態では、電磁式容量制御弁11bが吐出流量可変手段であり、温度センサ55および圧力センサ56が、サイクル内部の冷媒状態に関連する物理量を検出する手段となる。
また、本実施形態では、放熱器12出口側冷媒の過冷却度が所定の値になった時の圧縮機11の冷媒吐出流量において、流量比ηが最適流量比ηmaxになるように、エジェクタ15のノズル部15aの冷媒通路面積等および固定絞り19の絞り開度が予め所定量に設計されている。その他のサイクル構成は第11実施形態と同様である。
よって、本実施形態のサイクルを作動させると、第4実施形態と同様に、空調制御装置21が放熱器12出口側冷媒の過冷却度を所定の値に近づけるように制御電流Inを制御し、吐出流量可変手段をなす電磁式容量制御弁11bが圧縮機11の吐出容量を調整するので、流量比ηも最適流量比ηmaxに近づくように調整される。その結果、第11実施形態と全く同様の効果を得ることができる。
さらに、第4実施形態と同様に、圧縮機11の不必要な吐出流量増加を防止でき、より一層、省動力効果を発揮することができる。
(第15実施形態)
第14実施形態では、可変容量型の圧縮機11を用いているが、本実施形態では、図15に示すように、圧縮機11を廃止して固定容量型の圧縮機63を設けている。圧縮機63には電磁クラッチ11aと同様の構成の電磁クラッチ63aが設けられており、圧縮機63は電磁クラッチ63aおよびベルトを介して車両走行用エンジンにより回転駆動される。
また、空調制御装置21は、算出した過冷却度が所定の値に近づくように印加電圧V2を変更するようになっている。すなわち、本実施形態では、温度センサ55および圧力センサ56が、サイクル内部の冷媒状態に関連する物理量を検出する手段であり、蒸発器用送風機16aの駆動用電動モータ16bが送風量調整手段となる。
なお、エジェクタ15のノズル部15aの冷媒通路面積等および固定絞り19の絞り開度に関する流量比ηを決定するための設計およびその他のサイクル構成は、第14実施形態と同様である。
本実施形態のサイクルを作動させると、第5実施形態と同様に、実質的に圧縮機63の冷媒吐出流量を変更することができ、放熱器12出口側冷媒の過冷却度を所定の値に近づくように制御できるので、第14実施形態と全く同様の効果を得ることができる。
(第16実施形態)
第11実施形態では、放熱器12出口側に温度センサ55および圧力センサ56を配置したが、本実施形態では、図16に示すように、温度センサ55および圧力センサ56を廃止して、第1蒸発器16出口側に接続される内部熱交換器17と圧縮機11の間の圧縮機11吸入側冷媒の温度Tsiを検出する温度センサ57および圧力Psiを検出する圧力センサ58を設け、さらに、圧縮機11に回転計11cを設けている。
回転計11cは圧縮機11の回転数Ncを検出するもので、ホール素子やMRE素子によって圧縮機11の回転による磁束変化を検出する磁気式回転数センサである。また、エンジンECUよりエンジン回転数Neを検出して回転数Ncを演算してもよい。
そして、温度センサ57、圧力センサ58および回転計11cの検出値は空調制御装置21に入力され、空調制御装置21はTsiおよびPsiに基づいて圧縮機11吸入冷媒密度を算出し、さらに、この吸入冷媒密度、回転数Ncおよび制御電流Inによって圧縮機11の冷媒吐出流量を算出するようになっている。
また、空調制御装置21には、予め、電気式可変絞り機構36に出力される制御信号(パルス信号)の出力(パルスカウント数)に応じた冷媒通路面積と、固定絞り19の絞り開度が記憶されており、算出された冷媒吐出流量において流量比ηが最適流量比ηmaxになるように電気式可変絞り機構36の冷媒通路面積を変更するようになっている。その他のサイクル構成は第11実施形態と同様である。
すなわち、本実施形態では、電気式可変絞り機構36は流量比(η)を調整する手段であり、温度センサ57、圧力センサ58および回転計11cがサイクル内部の冷媒状態に関連する物理量を検出する手段である。
よって、本実施形態のサイクルを作動させると、空調制御装置21は圧縮機11の冷媒吐出流量を算出する。そして、算出された冷媒吐出流量、予め記憶している電気式可変絞り機構36の制御信号(パルス信号)の出力(パルスカウント数)に応じた冷媒通路面積、および固定絞り19の絞り開度に基づいて、流量比ηが最適流量比ηmaxになるように電気式可変式絞り機構36の冷媒通路面積を調整する。その結果、第11実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第17実施形態)
第16実施形態では、電気式可変絞り機構36を分岐点Zとエジェクタ15の間に配置し、媒分岐通路18に固定絞り19を配置しているが、本実施形態では、図17に示すように、電気式可変絞り機構36と固定絞り19を廃止して、分岐通路8に電気式可変絞り機構39を設けている。
そして、空調制御装置21は、第16実施形態と同様に、Tsi、Psi、回転数Ncおよび制御電流Inによって圧縮機11の冷媒吐出流量を算出する。また、空調制御装置21には、予め、電気式可変絞り機構36に出力される制御信号(パルス信号)の出力(パルスカウント数)に応じた冷媒通路面積と、エジェクタ15のノズル部15aの絞り開度が記憶されている。
さらに、空調制御装置21は、算出された冷媒吐出流量において流量比ηが最適流量比ηmaxになるように電気式可変絞り機構39の冷媒通路面積を制御するようになっている。その他のサイクル構成は第16実施形態と同様である。
すなわち、本実施形態では、電気式可変絞り機構39は流量比(η)を調整する手段であり、温度センサ57、圧力センサ58および回転計11cがサイクル内部の冷媒状態に関連する物理量を検出する手段である。
よって、本実施形態のサイクルを作動させると、空調制御装置21は圧縮機11の冷媒吐出流量を算出する。そして、算出された冷媒吐出流量、予め記憶している電気式可変絞り機構39の制御信号(パルス信号)の出力(パルスカウント数)に応じた冷媒通路面積およびエジェクタ15のノズル部15aの絞り開度に基づいて、流量比ηが最適流量比ηmaxになるように可変式絞り機構39の冷媒通路面積を調整する。その結果、第16実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第18実施形態)
第16実施形態では、電気式可変絞り機構36を分岐点Zとエジェクタ15の間に配置しているが、本実施形態では、図18に示すように、電気式可変絞り機構36を廃止して、放熱器12と分岐点Zの間に電気式可変絞り機構40を設けている。
そして、空調制御装置21は、第16実施形態と同様に、Tsi、Psi、回転数Ncおよび制御電流Inによって圧縮機11の冷媒吐出流量を算出する。また、空調制御装置21には、予め、電気式可変絞り機構40に出力される制御信号(パルス信号)の出力(パルスカウント数)に応じた冷媒通路面積が記憶されている。
また、本実施形態では、電気式可変絞り機構40を通過する冷媒流量が所定の値になった時に、流量比ηが最適流量比ηmaxになるように、エジェクタ15のノズル部15aの冷媒通路面積等および固定絞り19の絞り開度が予め所定量に設計されている。その他のサイクル構成は第16実施形態と同様である。
すなわち、本実施形態では、電気式可変絞り機構40はサイクル全体の冷媒流量を調整する手段であり、温度センサ57、圧力センサ58および回転計11cがサイクル内部の冷媒状態に関連する物理量を検出する手段である。
よって、本実施形態のサイクルを作動させると、空調制御装置21は圧縮機11の冷媒吐出流量を算出し、算出された冷媒吐出流量と予め記憶している電気式可変絞り機構40の制御信号(パルス信号)の出力(パルスカウント数)に応じた冷媒通路面積に基づいて、電気式可変絞り機構40を通過する冷媒流量が所定の値になるように電気式可変絞り機構40の冷媒通路面積を調整する。その結果、流量比ηが最適流量比ηmaxに近づくので、第16実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第19実施形態)
第16実施形態では、電気式可変絞り機構36を分岐点Zとエジェクタ15の間に配置し、可変容量型の圧縮機11を用いているが、本実施形態では、図19に示すように、電気式可変絞り機構36および圧縮機11を廃止して、固定容量型の圧縮機64を設けている。
圧縮機64には電磁クラッチ11aと同様の構成の電磁クラッチ64aが設けられており、圧縮機64は電磁クラッチ64aおよびベルトを介して車両走行用エンジンにより回転駆動される。また、圧縮機64には回転計11cと同様の構成で圧縮機64の回転数Ncを検出する回転計64cが設けられている。
そして、空調制御装置21は、第16実施形態と同様に、Tsi、Psi、回転数Ncおよび制御電流Inによって圧縮機11の冷媒吐出流量を算出する。さらに、算出した冷媒吐出流量が所定の値に近づくように、印加電圧V2を調整して、蒸発器用送風機16の送風空気量を調整する。
また、本実施形態では、圧縮機64の冷媒吐出流量が所定の値になった時に、流量比ηが最適流量比ηmaxになるように、エジェクタ15のノズル部15aの冷媒通路面積および固定絞り19の絞り開度が予め所定量に設計されている。その他のサイクル構成は第16実施形態と同様である。
すなわち、本実施形態では、発器用送風機16aの駆動用電動モータ16bが送風量調整手段であり、温度センサ57、圧力センサ58および回転計64cがサイクル内部の冷媒状態に関連する物理量を検出する手段である。
本実施形態のサイクルを作動させると、第5実施形態と同様に、実質的に圧縮機64の冷媒吐出流量を変更することができ、冷媒吐出流量が所定の値に近づくように調整できるので、第16実施形態と全く同様の効果を得ることができる。
(第20実施形態)
上記第11実施形態では、空調制御装置21が電気式可変絞り機構36を制御して流量比ηを最適流量比ηmaxに近づけることにより、サイクル全体として高い冷却能力を発揮しながら運転しているが、本実施形態では、図20に示すように、使用者から冷却対象空間の急冷要求を受けたとき、空調制御装置21が電気式可変絞り機構36を閉じることにより冷却対象空間を急冷する運転(以下、急冷運転という)を行う。
操作パネルに配置される急冷スイッチ65は、使用者によって操作される操作部材であり、急冷スイッチ65の操作信号が空調制御装置21に入力される。なお、急冷スイッチ65は、本発明における入力手段に該当する。
急冷スイッチ65がオンされ、空調制御装置21に急冷スイッチ65からの操作信号が入力されると、空調制御装置21は、冷却対象空間を急冷する必要性があると判定する。したがって、空調制御装置21は、本発明における判定手段に該当する。
空調制御装置21が冷却対象空間を急冷する必要性があると判定したときは、空調制御装置21が電気式可変絞り機構36の冷媒通路面積を閉じるように制御する。これにより、エジェクタ15のノズル部15aへの冷媒流れが遮断される。
エジェクタ15のノズル部15aへの冷媒流れが遮断されると、分流していた冷媒が全て分岐通路18を流れるので、分岐通路18の冷媒流量が増加する。分岐通路18の冷媒流量が増加すると、固定絞り19に流入する冷媒流量が増加して冷媒流速が上昇する。このため、固定絞り19での減圧量が増加するので、固定絞り19で減圧された冷媒の圧力は分流時と比較して低下する。
これにより、第2蒸発器20の冷媒蒸発圧力を低くすることができ、冷媒蒸発温度を低くすることができる。この結果、第2蒸発器20の吹出温度が低下するので、急冷を行うことができる。
なお、本実施形態では、上記第11実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルに急冷運転を追加しているが、分岐点Zとエジェクタ15の間に電気式可変絞り機構36を配置する他の実施形態に対しても、本実施形態と同様に急冷運転を追加できる。具体的には、上記第16実施形態に対して、本実施形態と同様に急冷運転を追加できる。
(第21実施形態)
上記第20実施形態では、電気式可変絞り機構36を閉じることにより急冷運転を行っているが、本実施形態では、圧縮機11の吐出容量を増加することにより急冷運転を行う。
本実施形態における冷凍サイクルの構成は、上記第20実施形態(図20)と同一である。
急冷スイッチ65がオンされ、空調制御装置21に急冷スイッチ65からの操作信号が入力されると、空調制御装置21は電磁式容量制御弁11bへ出力する制御電流Inを制御して圧縮機11の吐出容量を増加させる。
圧縮機11の吐出容量が増加すると、エジェクタ15のノズル部15aを通過する冷媒流量をGnozおよびエジェクタ15の冷媒吸引口15bに吸引される冷媒流量Geの両者が増加する。このため、第1蒸発器16および第2蒸発器20における冷媒側冷房能力が空気側冷房能力に対して過剰になるので、低圧を下げて冷媒流量が減少するように冷凍サイクルがバランスする。
これにより、第1蒸発器16および第2蒸発器20の冷媒蒸発圧力を低くすることができ、冷媒蒸発温度を低くすることができる。この結果、第1蒸発器16および第2蒸発器20の吹出温度が低下するので、急冷を行うことができる。
さらに、空調制御装置21は、電気式可変絞り機構36を制御して、放熱器12出口側冷媒の過冷却度が所定の値に近づくように冷媒流量Gnozを制御する。その結果、流量比ηが最適流量比ηmaxに近づくように調整されるので、サイクル全体として高い冷却能力を発揮しながら急冷運転することができる。
なお、本実施形態において、圧縮機11の吐出容量が増加したとき、電気式可変絞り機構36を制御して、エジェクタ15のノズル部15aを通過する冷媒流量Gnozが増加しないようにすれば、エジェクタ15の冷媒吸引口15bに吸引される冷媒流量Geのみが増加する。これにより、第2蒸発器20の吹出温度のみ低下させて、急冷を行ってもよい。
また、本実施形態では、上記第11実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルに急冷運転を追加しているが、可変容量型の圧縮機11を用いる他の実施形態に対しても、本実施形態と同様に急冷運転を追加できる。具体的には、上記第1〜4、6〜9、12〜14、16〜18実施形態に対して、本実施形態と同様に急冷運転を追加できる。
(第22実施形態)
上記第20実施形態では、電気式可変絞り機構36を閉じることにより急冷運転を行っているが、本実施形態では、蒸発器用送風機16aによって送風される空気量を減少することにより急冷運転を行う。
本実施形態における冷凍サイクルの構成は、上記第20実施形態(図20)と同一である。
急冷スイッチ65がオンされ、空調制御装置21に急冷スイッチ65からの操作信号が入力されると、空調制御装置21が駆動用電動モータ16bに印加する印加電圧V2を低下させる。印加電圧V2が低下すると、蒸発器用送風機16aによって送風される空気量が減少する。
蒸発器用送風機16aによって送風される空気量が減少すると、第1蒸発器16および第2蒸発器20における冷媒側冷房能力が空気側冷房能力に対して過剰になるので、低圧を下げて冷媒流量が減少するように冷凍サイクルがバランスする。
これにより、第1蒸発器16および第2蒸発器20の冷媒蒸発圧力を低くすることができ、冷媒蒸発温度を低くすることができる。この結果、第1蒸発器16および第2蒸発器20の吹出温度が低下するので、冷却対象空間のうち第1蒸発器16および第2蒸発器20から吹き出された冷却空気が直接当たる部位を部分的に冷却させることができ、急冷を行うことができる。
さらに、空調制御装置21は、電気式可変絞り機構36を制御して、放熱器12出口側冷媒の過冷却度が所定の値に近づくように冷媒流量Gnozを制御する。その結果、流量比ηが最適流量比ηmaxに近づくように調整されるので、サイクル全体として高い冷却能力を発揮しながら急冷運転することができる。
なお、本実施形態では、上記第11実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルに急冷運転を追加しているが、駆動用電動モータ16bによって蒸発器用送風機16aの送風空気量を調整するようになっている他の実施形態に対しても、本実施形態と同様に急冷運転を追加できる。具体的には、上記第1〜10、12〜19実施形態に対して、本実施形態と同様に急冷運転を追加できる。
(第23実施形態)
上記第20実施形態では、電気式可変絞り機構36を閉じることにより急冷運転を行っているが、本実施形態では、図21に示すように、第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度を増加させることにより急冷運転を行う。
図21は、上記第4実施形態における冷凍サイクルに電気式可変絞り機構41と急冷スイッチ65とを追加したものである。電気式可変絞り機構41は、第11実施形態と同様の構成であり、分岐点Zとエジェクタ15の間に配置される。急冷スイッチ65は上記第20〜22実施形態と同様に、操作パネルに配置され、使用者によって操作される操作部材である。
本実施形態では、上記第4実施形態と同様に、温度センサ51および圧力センサ52の検出値が空調制御装置21に入力され、空調制御装置21が、検出値に基づいて第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度を算出するようになっている。さらに、空調制御装置21は、算出した過熱度が所定の値に近づくように制御電流Inを制御し、電磁式容量制御弁11bが圧縮機11の吐出容量を調整する。
ところで、急冷スイッチ65がオンされ、空調制御装置21に急冷スイッチ65からの操作信号が入力されると、空調制御装置21は過熱度の所定の値を所定量だけ増加させる。さらに、空調制御装置21は、電気式可変絞り機構41を制御して、算出した過熱度が所定量だけ増加させた所定の値に近づくように冷媒流量Gnozを制御する。
このように、第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度が所定量だけ増加すると、第1蒸発器16における冷媒側冷房能力が空気側冷房能力に対して過剰になる。このため、低圧を下げて冷媒流量が減少するように冷凍サイクルがバランスする。
この結果、第1蒸発器16冷媒蒸発圧力を低くすることができ、第1蒸発器16の吹出温度が低下するので、急冷を行うことができる。
なお、本実施形態では、第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度を増加させることにより第1蒸発器16の吹出温度を低下させているが、第2蒸発器20出口側冷媒の過熱度を増加させることにより第2蒸発器20の吹出温度を低下させてもよい。
また、本実施形態の冷凍サイクル10は、電気式可変絞り機構41を分岐点Zとエジェクタ15の間に配置して、分岐点Zよりも下流側に配置した構成になっている。これに対して、第13実施形態のように、電気式可変絞り機構38を放熱器12と分岐点Zとの間に配置して、分岐点Zよりも上流側に配置した構成にしても、本実施形態と同様の効果を発揮できる。
(第24実施形態)
上記第20実施形態では、使用者からの要求(急冷スイッチ65のオン操作)があると急冷する必要性があると判定して急冷運転を行うようになっているが、本実施形態では、図22に示すように、急冷スイッチ65を廃止して、使用者からの要求なしに、システム上の要求によって急冷運転を行う。
本実施形態では、本発明のエジェクタ式冷凍サイクル10を定地型冷蔵庫に適用しており、圧縮機11を廃止して電動圧縮機66を設けている。電動圧縮機66には電動モータ66aが設けられており、電動モータ66aの回転数調整により電動圧縮機66の冷媒吐出能力(冷媒吐出流量)を調整できる。
具体的には、本例では、第1蒸発器16の空気吸込み部に図示しない温度センサが配置され、この温度センサにより検出される吸込み空気温度に応じて電動モータ66aの回転数を調整する。これにより、電動圧縮機66の冷媒吐出能力(冷媒吐出流量)を調整して冷凍サイクル10内の循環冷媒流量を調整するようになっている。
冷却対象空間67には、被冷却物を出し入れするための開口部68と、開口部68を開閉するドア69が設けられている。冷却対象空間67は、図示しない冷凍室、冷蔵室、野菜室等に仕切られている。そして、冷凍室の庫内温度が−20℃付近、冷蔵室の庫内温度が3℃付近、野菜室の庫内温度が5℃付近になるように、冷却された送風空気Aが冷凍室、冷蔵室、野菜室等のそれぞれに配風されるようになっている。
冷凍室には製氷するための製氷皿(図示せず)が配置されており、製氷皿の重量を検出する重量センサ70の検出信号が空調制御装置21に入力される。なお、重量センサ70は、本発明における重量検出手段に該当するものである。
いま、製氷皿に水(被冷却物)が投入され、重量センサ70によって検出される製氷皿の重量が増加すると、空調制御装置21は冷却対象空間67すなわち冷凍室を急冷する必要性があると判定する。
そして、上記第20実施形態と同様に急冷運転を行う。すなわち、空調制御装置21が電気式可変絞り機構36の冷媒通路面積を閉じることによって第2蒸発器20の冷媒蒸発温度を低下させる。このため、製氷皿に水(被冷却物)が投入されて冷凍室の熱負荷が増加したときに冷凍室の庫内温度が一時的に上昇してしまうことを抑制できる。
なお、本実施形態では、重量センサ70を冷凍室に配置して、製氷皿の重量が増加したとき急冷運転を行うようになっているが、重量センサ70を冷蔵室、野菜室等に配置して、冷蔵室、野菜室等に被冷却物が投入されて冷蔵室、野菜室等の重量が増加したとき急冷運転を行うようにしてもよい。
これにより、冷蔵室、野菜室等に被冷却物が投入されて冷蔵室、野菜室等の熱負荷が増加したときに冷蔵室、野菜室等の庫内温度が一時的に上昇してしまうことを抑制できる。
また、本実施形態では、急冷する必要性があると判定すると、上記第20実施形態と同様に急冷運転を行うようになっているが、上記第21〜23実施形態と同様に急冷運転を行うようにしてもよい。
すなわち、電動圧縮機66の吐出容量を増加させて冷媒蒸発温度を低下させることによって冷媒蒸発温度を低下してもよいし、蒸発器用送風機16aによって送風される空気量を減少させて冷媒蒸発温度を低下してもよいし、また、第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度を増加させて冷媒蒸発温度を低下してもよい。
また、本実施形態では、急冷スイッチ65を廃止しているが、急冷スイッチ65を設けて、急冷する必要性を自動的に判定したときのみならず、使用者からの要求があったときにも急冷運転を行うようにしてもよい。
(第25実施形態)
上記第24実施形態では、急冷する必要性を判定したときに急冷運転を行うようになっているが、本実施形態では、図23に示すように、冷却対象空間67の熱負荷が所定量以下に低下していると判定したときに電動圧縮機66の駆動動力を低減する運転(省動力運転)を行うようになっている。
本実施形態では、冷却対象空間67のドア69の開閉を検知するドアスイッチ72からの検知信号が空調制御装置71に入力される。
このような構成において、ドア69の開閉頻度が少ないときは冷却対象空間67の熱負荷が小さくなる。そこで、単位時間当たりのドア開閉回数が一定回数以下になると、空調制御装置71は冷却対象空間67の熱負荷が所定量以下に低下していると判定する。したがって、空調制御装置71は本発明における判定手段に該当する。
そして、冷却対象空間67の熱負荷が所定量以下に低下していると判定したときには、上記第20実施形態と同様の制御によって第2蒸発器20の冷媒蒸発温度を低下させる。すなわち、空調制御装置71が電気式可変絞り機構36の冷媒通路面積を閉じることによって固定絞り19に流入する冷媒流量を増加させて固定絞り19での減圧量を増加させ、第2蒸発器20の冷媒蒸発圧力(冷媒蒸発温度)を低下させる。
すると、第2蒸発器20の吹出温度が低下して、冷却対象空間67の温度が低下するので、第1蒸発器16の吸込み空気温度が低下する。そして、第1蒸発器16の吸込み空気温度の低下に応じて電動モータ66aの回転数を減少させて電動圧縮機66の冷媒吐出能力(冷媒吐出流量)を減少させることにより、冷凍サイクル10内の循環冷媒流量を減少させる。
つまり、第2蒸発器20の蒸発温度を低下することによって、空気と蒸発温度との温度差が増加するので、電動圧縮機66の冷媒吐出能力(冷媒吐出流量)を低下させつつ、冷却対象空間67の温度を維持することができる。このため、低熱負荷時において、電動圧縮機66の駆動動力を低減することができる。
ところで、周知のように、電動圧縮機66の駆動動力は圧縮比と冷媒吐出能力(冷媒吐出流量)の影響を受けるのであるが、駆動動力に対して冷媒吐出能力(冷媒吐出流量)の影響度が大きい特性を有する電動圧縮機66である場合に、このような電動圧縮機66の駆動動力の低減効果がより大きくなる。
また、電動圧縮機66が密閉型圧縮機である場合にも、駆動動力の低減効果がより大きくなる。すなわち、周知のように、密閉型圧縮機は、低温の吸入冷媒と、高温の吐出冷媒とを熱交換させることによって、吸入冷媒の密度を増加させて、圧縮効率を向上するものである。
このため、本実施形態のように、第2蒸発器20の冷媒蒸発温度が低くなると、吸入冷媒がより低温になるので、吸入冷媒と吐出冷媒との熱交換作用がより得られる。このため、密閉型圧縮機特有の圧縮効率の向上効果をより活かすことができるので、駆動動力の低減効果がより大きくなる。
なお、本実施形態では、冷却対象空間67の熱負荷が所定量以下に低下していると判定したときには、上記第20実施形態と同様の制御によって冷媒蒸発温度を低下させるようになっているが、上記第21〜23実施形態と同様の制御によって冷媒蒸発温度を低下させるようにしてもよい。
すなわち、電動圧縮機66の吐出容量を増加させて冷媒蒸発温度を低下させることによって冷媒蒸発温度を低下させてもよいし、蒸発器用送風機16aによって送風される空気量を減少させて冷媒蒸発温度を低下させてもよいし、また、第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度を増加させて冷媒蒸発温度を低下させてもよい。
また、本実施形態では、単位時間当たりのドア開閉回数が一定回数以下になっているときに冷却対象空間67の熱負荷が所定量以下に低下していると判定しているが、単位時間当たりのドア開放時間が所定時間以下になっているときに冷却対象空間67の熱負荷が所定量以下に低下していると判定してもよい。
(第26実施形態)
上記第25実施形態では、冷却対象空間67のドアの開閉状況に基づいて冷却対象空間67の熱負荷が所定量以下に低下していると判定しているが、本実施形態では、図24に示すように、冷却対象空間67の温度変化量に基づいて冷却対象空間67の熱負荷が所定量以下に低下していると判定する。
本実施形態では、上記第25実施形態におけるドアスイッチ72の代わりに、冷却対象空間67の温度を検出する庫内温度センサ73からの検出信号が空調制御装置71に入力される。
本例では、庫内温度センサ73を冷凍室に配置しているが、冷凍室に限定されるものではなく、冷蔵室または野菜室等に庫内温度センサ73を配置してもよい。また、冷凍室、冷蔵室または野菜室等のそれぞれに庫内温度センサ73を配置してもよい。
ドアの開閉頻度が少なかったり、外部から被冷却物が投入されなかったりして、冷凍室の温度の変化量が所定値以下になると、空調制御装置71は冷却対象空間67の熱負荷が所定量以下に低下していると判定する。
そして、上記第25実施形態と同様に、電気式可変絞り機構36の冷媒通路面積を閉じる等の制御によって第2蒸発器20の冷媒蒸発温度を低下させるので、電動圧縮機66の駆動動力を低減することができる。
(第27実施形態)
上記第25実施形態では、冷却対象空間67のドアの開閉状況に基づいて冷却対象空間67の熱負荷が所定量以下に低下していると判定しているが、本実施形態では、図25に示すように、電動圧縮機66の消費電力に基づいて冷却対象空間67の熱負荷が所定量以下に低下していると判定する。
本実施形態では、電動圧縮機66の消費電力(電動モータ66aの消費電力)を検出する電力センサ74からの検出信号が空調制御装置71に入力される。なお、電力センサ74の代わりに、電圧センサや電流センサによって電動圧縮機66の消費電力を検出してもよい。
上述のように、第2蒸発器20の吹出温度に応じて電動モータ66aの回転数を調整することにより、電動圧縮機66の冷媒吐出流量を調整して冷凍サイクル10内の循環冷媒流量を調整するようになっている。
したがって、冷却対象空間67の熱負荷の小さい状態が一定時間持続して、第2蒸発器20の吹出温度が低下しているときは、電動モータ66aの回転数が減少して、電動圧縮機66の冷媒吐出流量が抑えられている。このため、電動圧縮機66の消費電力が低下している。
そこで、本例では、電動圧縮機66の消費電力が所定値以下であると、空調制御装置71は、冷却対象空間67の熱負荷が所定量以下に低下していると判定する。
そして、上記第25実施形態と同様に、電気式可変絞り機構36の冷媒通路面積を閉じる等の制御によって第2蒸発器20の冷媒蒸発温度を低下させるので、電動圧縮機66の駆動動力を低減することができ、電動圧縮機66の消費電力をより低減できる。
(第28実施形態)
上記第27実施形態では、電動圧縮機66の消費電力に基づいて冷却対象空間67の熱負荷が所定量以下に低下していると判定しているが、本実施形態では、図26に示すように、電動圧縮機66の回転数に基づいて冷却対象空間67の熱負荷が所定量以下に低下していると判定する。
本実施形態では、上記第27実施形態における電力センサ74の代わりに、電動圧縮機66の回転数(電動モータ66aの回転数)を検出する回転数センサ75からの検出信号が空調制御装置71に入力される。
上述のように、冷却対象空間67の熱負荷の小さい状態が一定時間持続して、第2蒸発器20の吹出温度が低下しているときは、電動モータ66aの回転数が減少して、電動圧縮機66の冷媒吐出流量が抑えられている。
そこで、本例では、電動圧縮機66が所定値以下の回転数で所定時間以上作動していると、空調制御装置71は、冷却対象空間67の熱負荷が所定量以下に低下していると判定する。
そして、上記第25実施形態と同様に、電気式可変絞り機構36の冷媒通路面積を閉じる等の制御によって第2蒸発器20の冷媒蒸発温度を低下させるので、電動圧縮機66の駆動動力を低減することができ、電動圧縮機66の消費電力をより低減できる。
(その他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、以下のように種々変形可能である。
(1)上記実施形態においては、本発明を車両用冷凍装置に適用し、第1蒸発器16と第2蒸発器20の冷却対象空間が同一である例を示したが、第1蒸発器16と第2蒸発器20の冷却対象空間が異なっていてもよい。
例えば、第1蒸発器16は車室内前席側領域を冷却対象空間として、第2蒸発器20は車室内後席側領域を冷却対象空間としてもよい。このように、冷却対象空間が異なる場合は、それぞれの蒸発器に専用の蒸発器用送風機を設けて、それぞれの蒸発器用送風機の送風量を個別に制御してもよい。これにより実質的にエジェクタ15のノズル部15aを通過する冷媒流量Gnozとエジェクタ15の冷媒吸引口15bに吸引される冷媒流量Geを調整して流量比ηを調整することもできる。
(2)第1〜4、6〜9、11〜14、16〜18、20〜23実施形態では、圧縮機11として可変容量型圧縮機を用い、空調制御装置21によって電気式容量制御弁11bを制御して、圧縮機11の冷媒吐出能力を制御するようにしているが、圧縮機61〜64のような固定容量型圧縮機を用い、電磁クラッチ12a、61a〜64aによって、固定容量型圧縮機の作動状態と非作動状態の比率(稼動率)を制御して、圧縮機11、61〜64の冷媒吐出能力を制御するようにしてもよい。
また、圧縮機として電動圧縮機を用いてもよい。この場合は、電動圧縮機11の回転数制御によって冷媒吐出能力を制御できる。
(3)第1、6、11、16、20、23実施形態では、可変絞り機構14、33および電気式可変絞り36と、ノズル部の冷媒通路面積が固定されたエジェクタを用いているが、ノズル開度可変式の可変エジェクタを用いて冷媒流量Gnozを調整してもよい。可変エジェクタとは具体的にはノズル部の冷媒通路面積を外部からの信号によって可変制御することができる通路面積変更機構を有するエジェクタである。可変エジェクタを用いることで、エジェクタ式冷凍サイクル装置の省スペース化を図ることもできる。
(4)第5、10、15、19、22実施形態では、駆動用電動モータ16bの回転数を制御して、蒸発器用送風機16aの送風空気量を調整したが、送風量調整手段として、送風空気の通過する通路の面積を調整する通路開度調整機構を用いて変更してもよい。具体的には、サーボモータにより駆動される通路開閉ドアなどを用いることができる。
(5)第1〜3実施形態では、第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度を温度式膨張弁の感温筒および均圧管によって検出し、第4、5実施形態では、温度センサ51および圧力センサ52によって検出しているが、第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度の検出手段はこれに限定されるものではない。
例えば、第1蒸発器16冷媒蒸発温度または圧力と第1蒸発器16出口側冷媒温度から推定することができる。
また、第1蒸発器16冷媒蒸発温度または圧力と第1蒸発器16吹出空気温度から推定することもできる。過熱度の上昇により第1蒸発器16の冷却能力が低下して、第1蒸発器16吹出空気温度が上昇するからである。
また、第1蒸発器16吸込空気温度と第1蒸発器16出口側冷媒温度から過熱度を推定することもできる。また、第1蒸発器16吸込空気温度と第1蒸発器16吹出空気温度から過熱度を推定することもできる。
さらに、第1蒸発器16吸込空気温度のみでも過熱度を推定できる。これは、冷凍機のように冷却対象空間(冷凍庫)の空気を循環して蒸発器で冷却する場合、過熱度が過大になると第1蒸発器16吹出温度が上昇し、その結果、冷凍庫内の温度が上昇するために第1蒸発器16吸込空気温度も上昇するからである。
よって、上記の物理量を検出する手段を用いても、第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度を検出できる。
(6)第6〜8実施形態では、第2蒸発器20出口側冷媒の過熱度を温度式膨張弁の感温筒および均圧管によって検出し、第9、10実施形態では、温度センサ53および圧力センサ54によって検出しているが、第2蒸発器20出口側冷媒の過熱度の検出手段はこれに限定されるものではない。
例えば、上述の第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度と同様に、第2蒸発器20冷媒蒸発温度または圧力と第2蒸発器20出口側冷媒温度とによって推定することができる。さらに、第2蒸発器20冷媒蒸発温度または圧力と第2蒸発器20吹出空気温度とによって推定してもよい。
この他にも、第2蒸発器20吸込空気温度と第2蒸発器20出口側冷媒温度との組合せ、第2蒸発器20吸込空気温度と第2蒸発器20吹出空気温度との組合せ、第2蒸発器20吸込空気温度のみでも過熱度を推定できる。
よって、上記の物理量を検出する手段を用いても、第2蒸発器20出口側冷媒の過熱度を検出できる。
(7)第11〜15、20〜22実施形態では、放熱器12出口側冷媒の過冷却度を温度センサ55および56によって検出しているが、放熱器12出口側冷媒の過冷却度の検出手段はこれに限定されるものではない。
例えば、放熱器12における冷媒凝縮温度(冷媒圧力)と放熱器12出口側冷媒温度との組合せ、放熱器12吸込空気温度および放熱器12出口冷媒温度との組合せ、および、放熱器12出口側冷媒の乾き度から推定することができる。
よって、上記の物理量を検出する手段を用いても、放熱器12出口側冷媒の過冷却度を検出できる。
(8)第1、2、6、7、11、12、16、17、20〜23実施形態では可変絞り機構14、30、31、33、34、35および電気式可変絞り機構36、37、38、39、40を分岐点Zとエジェクタ15との間および分岐点Zと第2蒸発器20との間に配置して流量比ηを調整したが、分岐点Zに流量可変式三方弁を用いてもよい。
具体的には、ステッピングモータ駆動のロータリーバルブ式の可変流量式三方弁を用いればよい。これにより、分岐点Zにおけるエジェクタ15側開口面積と分岐通路18側(第2蒸発器20側)開口面積とを同時に連続的に変更できるので、流量比ηを調整しやすい。
(9)上記実施形態において、可変絞り機構14、30、31、33、34、35として温度式膨張弁を用い、電気式可変絞り機構36、37、38、39、40、41としてステッピングモータ駆動の流量調整弁を用いたが、複数の特性の異なる固定絞りを切替えて使用する可変絞り機構を用いてもよい。
また、上記各実施形態の上述の可変絞り機構、電気式可変絞り機構、固定絞りを組合せて使用してもよい。
(10)第5、10、15、19実施形態では、駆動用電動モータ16bの回転数を制御して、蒸発器用送風機16aの送風空気量を調整したが、空調制御装置21が、駆動用電動モータ12bの回転数を制御して、放熱器用送風機12aの送風空気量を調整してもよい。これによって、実質的に圧縮機の冷媒吐出流量や放熱器12下流側冷媒圧力を変更できる。
例えば、放熱器12へ送風される空気の量が低下すると過冷却度が減少する。(超臨界サイクルの場合は高圧圧力が上昇する。)これにより、エジェクタ15の上流側が高圧化するので、エジェクタ15のノズル部15aを通過する冷媒流量Gnozとエジェクタ15の冷媒吸引口15bの吸引圧力が変動してエジェクタ15の冷媒吸引口15bに吸引される冷媒流量Geも変動する。すなわち、流量比ηが変動する。
そこで、予め空調制御装置21に過冷却度(高圧圧力)に対応する流量比ηの変動を記憶しておき、空調制御装置21が過冷却度(高圧圧力)に基づいて、印加電圧V1を変更して流量比ηを最適流量ηmaxに近づけるように制御してもよい。
(11)上記実施形態においては、第1蒸発器16と第2蒸発器20の2つの蒸発器を用いているが、さらに蒸発器の数を増加させて3以上の蒸発器を用いてもよい。
例えば、第1実施形態の構成で、分岐通路18の内部熱交換器17と固定絞り19との間から第1蒸発器16出口側とを接続する第2分岐通路を設け、第2分岐通路に固定絞りおよび第3蒸発器を設けてもよい。
この場合は、第1蒸発器16出口側冷媒の過熱度が所定の値になった時に可変絞り機構14を通過する冷媒流量、固定絞り19を通過する冷媒流量および第2分岐通路に配置された固定絞りを通過する冷媒流量が、システム全体としての冷却能力Qerを高くするように、固定絞り19および第2分岐通路に配置された固定絞りの絞り開度を設定すればよい。
(12)上記実施形態の冷凍サイクルは高圧圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界サイクルの例を示したが、第11実施形態に記載したように、高圧圧力が冷媒の臨界圧力を超える超臨界サイクルに適用してもよい。
(13)本発明では、検出手段の検出値に基づいて流量比(η)、サイクル全体の冷媒流量、冷媒吐出流量および送風空気量を調整したが、これらの調整手段を複数組合せてもよい。例えば、分岐点Zとエジェクタ15との間に第1可変絞り機構を設け、さらに分岐通路18の第2蒸発器20上流側に第2可変絞り機構を設けて、GnozおよびGeを制御することで直接流量比ηを制御するようにしてもよい。
(14)第1〜第23実施形態では、本発明によるエジェクタ式冷凍サイクルを車両用冷凍装置に適用したが、定地型冷蔵庫、定地型冷凍庫、冷房装置および給湯器用のヒートポンプサイクルなどの蒸気圧縮式サイクルに適用してもよい。
(15)上記実施形態では、冷媒としてフロン系冷媒を用いているが、CO2系冷媒およびHC系冷媒を用いてもよい。フロンとは炭素、フッ素、塩素、水素からなる有機化合物の総称であり、冷媒として広く使用されているものである。
フロン系冷媒には、HCFC(ハイドロ・クロロ・フルオロ・カーボン)系冷媒、HFC(ハイドロ・フルオロ・カーボン)系冷媒等が含まれており、これらはオゾン層を破壊しないため代替フロンと呼ばれる冷媒である。
また、HC(炭化水素)系冷媒とは、水素、炭素を含み、自然界に存在する冷媒物質のことである。このHC系冷媒には、R600a(イソブタン)、R290(プロパン)などがある。
(16)第20〜23実施形態では、使用者が急冷スイッチ65をオンしたときに急冷運転を行っているが、サイクル内部の冷媒状態、第1蒸発器16および第2蒸発器20の冷却対象空間温度の少なくとも一つに関連する物理量に基づいて空調制御装置21が急冷する必要性を判定したときに第20〜22実施形態と同様の急冷運転を行うようにしてもよい。
具体的には、冷却対象空間温度が所定の条件を満たしたときに、急冷する必要性があると判定する。また、サイクル内部の冷媒状態から冷却対象空間温度を推定して急冷する必要性を判定してもよい。
(17)第24〜28実施形態では、圧縮機66として電動圧縮機を用いているが、圧縮機11のような可変容量型圧縮機を用い、空調制御装置71によって電気式容量制御弁11bを制御して、圧縮機11の冷媒吐出能力(冷媒吐出流量)を制御するようにしてもよく、また、圧縮機61〜64のような固定容量型圧縮機を用い、電磁クラッチ12a、61a〜64aによって、固定容量型圧縮機の作動状態と非作動状態の比率(稼動率)を制御して、圧縮機11、61〜64の冷媒吐出能力(冷媒吐出流量)を制御するようにしてもよい。
(18)第24〜第28実施形態では、本発明によるエジェクタ式冷凍サイクルを定地型冷蔵庫に適用したが、車両用冷凍装置、定地型冷凍庫、冷房装置および給湯器用のヒートポンプサイクルなどの蒸気圧縮式サイクルに適用してもよい。
第1実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルを示すサイクル構成図である。 第2実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルを示すサイクル構成図である。 第3実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルを示すサイクル構成図である。 第4実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルを示すサイクル構成図である。 第5実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルを示すサイクル構成図である。 第6実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルを示すサイクル構成図である。 第7実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルを示すサイクル構成図である。 第8実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルを示すサイクル構成図である。 第9実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルを示すサイクル構成図である。 第10実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルを示すサイクル構成図である。 第11実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルを示すサイクル構成図である。 第12実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルを示すサイクル構成図である。 第13実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルを示すサイクル構成図である。 第14実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルを示すサイクル構成図である。 第15実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルを示すサイクル構成図である。 第16実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルを示すサイクル構成図である。 第17実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルを示すサイクル構成図である。 第18実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルを示すサイクル構成図である。 第19実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルを示すサイクル構成図である。 第20〜22実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルを示すサイクル構成図である。 第23実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルを示すサイクル構成図である。 第24実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルを示すサイクル構成図である。 第25実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルを示すサイクル構成図である。 第26実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルを示すサイクル構成図である。 第27実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルを示すサイクル構成図である。 第28実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルを示すサイクル構成図である。 従来技術のエジェクタ式冷凍サイクルを示すサイクル構成図である。 先願例のエジェクタ式冷凍サイクルを示すサイクル構成図である。 従来技術と先願例における流量比ηと冷却能力Qerの関係を示す説明図である。
符号の説明
11、61〜64…圧縮機、11a、61a〜64a…電磁クラッチ、
11b…電磁式容量制御弁、12…放熱器、12a…放熱器用送風機、
14、30、31、33〜35…可変絞り機構、15…エジェクタ、
15b…冷媒吸引口、16…第1蒸発器、16a…蒸発器用送風機、18…分岐通路、
19…固定絞り、20…第2蒸発器、32…アキュムレータ、
36〜40…電気式可変絞り機構。

Claims (42)

  1. 冷媒を吸入し圧縮する圧縮機(11、61〜64)と、
    前記圧縮機(11、61〜64)から吐出された高圧冷媒の放熱を行う放熱器(12)と、
    前記放熱器(12)下流側の冷媒を減圧膨張させ、この膨張時の高速度の冷媒流により冷媒を内部に吸引する冷媒吸引口(15b)を有し、前記冷媒吸引口(15b)からの吸引冷媒と前記高速度の冷媒流とを混合し、この混合した冷媒流を減速して冷媒流の圧力を上昇させるエジェクタ(15)と、
    前記エジェクタ(15)から流出した冷媒を蒸発させる第1蒸発器(16)と、
    冷媒の流れを前記放熱器(12)と前記エジェクタ(15)との間で分岐して前記冷媒吸引口(15b)に導く分岐通路(18)と、
    前記分岐通路(18)に配置されて冷媒を減圧して流量調整する絞り手段(19)と、
    前記絞り手段(19)下流側に配置されて冷媒を蒸発させる第2蒸発器(20)とを備え、
    サイクル内部の冷媒状態、前記第1蒸発器(16)および前記第2蒸発器(20)の冷却対象空間温度、ならびに前記冷却対象空間の周囲温度の少なくとも一つに関連する物理量に基づいて、前記エジェクタ(15)にて減圧膨張される第1冷媒流量(Gnoz)と前記冷媒吸引口(15b)に吸引される第2冷媒流量(Ge)との流量比(η)を調整するようになっていることを特徴とするエジェクタ式冷凍サイクル。
  2. 前記流量比(η)を調整する手段は、前記エジェクタ(15)自体で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  3. 前記流量比(η)を調整する手段は、前記絞り手段(19)自体で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  4. 前記流量比(η)を調整する手段は、前記エジェクタ(15)および前記絞り手段(19)とは別の可変絞り手段(14、30、33、34、36、37、39)にて構成されていることを特徴とする請求項1に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  5. 前記可変絞り手段(14、33、36)は、前記分岐通路(18)の分岐点(Z)と前記エジェクタ(15)冷媒流入口との間に配置されていることを特徴とする請求項4に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  6. 前記可変絞り手段(30、34、37、39)は、前記分岐通路(18)の分岐点(Z)と前記第2蒸発器(20)冷媒流入口との間に配置されていることを特徴とする請求項4に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  7. 前記可変絞り手段は、前記分岐通路(18)の分岐点(Z)に配置されていることを特徴とする請求項4に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  8. 冷媒を吸入し圧縮する圧縮機(11、61〜64)と、
    前記圧縮機(11、61〜64)から吐出された高圧冷媒の放熱を行う放熱器(12)と、
    前記放熱器(12)下流側の冷媒を減圧膨張させ、この膨張時の高速度の冷媒流により冷媒を内部に吸引する冷媒吸引口(15b)を有し、前記冷媒吸引口(15b)からの吸引冷媒と前記高速度の冷媒流とを混合し、この混合した冷媒流を減速して冷媒流の圧力を上昇させるエジェクタ(15)と、
    前記エジェクタ(15)から流出した冷媒を蒸発させる第1蒸発器(16)と、
    冷媒の流れを前記放熱器(12)と前記エジェクタ(15)との間で分岐して前記冷媒吸引口(15b)に導く分岐通路(18)と、
    前記分岐通路(18)に配置されて冷媒を減圧する絞り手段(19)と、
    前記絞り手段(19)下流側に配置されて冷媒を蒸発させる第2蒸発器(20)とを備え、
    サイクル内部の冷媒状態、前記第1蒸発器(16)および前記第2蒸発器(20)の冷却対象空間温度、ならびに前記冷却対象空間の周囲温度の少なくとも一つに関連する物理量に基づいて、サイクル全体の冷媒流量を調整するようになっていることを特徴とするエジェクタ式冷凍サイクル。
  9. 前記冷媒流量を調整する手段は、前記分岐通路(18)の分岐点(Z)上流側に配置されていることを特徴とする請求項8に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  10. 冷媒を吸入し圧縮する圧縮機(11、61〜64)と、
    前記圧縮機(11、61〜64)の冷媒吐出流量を調整する吐出流量可変手段(11a、11b、61a〜64a)と、
    前記圧縮機(11、61〜64)から吐出された高圧冷媒の放熱を行う放熱器(12)と、
    前記放熱器(12)下流側の冷媒を減圧膨張させ、この膨張時の高速度の冷媒流により冷媒を内部に吸引する冷媒吸引口(15b)を有し、前記冷媒吸引口(15b)からの吸引冷媒と前記高速度の冷媒流とを混合し、この混合した冷媒流を減速して冷媒流の圧力を上昇させるエジェクタ(15)と、
    前記エジェクタ(15)から流出した冷媒を蒸発させる第1蒸発器(16)と、
    冷媒の流れを前記放熱器(12)と前記エジェクタ(15)との間で分岐して前記冷媒吸引口(15b)に導く分岐通路(18)と、
    前記分岐通路(18)に配置されて冷媒を減圧する絞り手段(19)と、
    前記絞り手段(19)下流側に配置されて冷媒を蒸発させる第2蒸発器(20)とを備え、
    前記吐出流量可変手段(11a、11b、61a〜64a)は、サイクル内部の冷媒状態、前記第1蒸発器(16)および前記第2蒸発器(20)の冷却対象空間温度、ならびに前記冷却対象空間の周囲温度の少なくとも一つに関連する物理量に基づいて、前記圧縮機(11、61〜64)の冷媒吐出流量を調整するようになっていることを特徴とするエジェクタ式冷凍サイクル。
  11. 前記吐出流量可変手段は、可変容量型圧縮機の吐出容量を変化させて前記冷媒吐出流量を調整する電気式容量制御弁(11b)であることを特徴とする請求項10に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  12. 前記吐出流量可変手段は、固定容量型圧縮機の作動状態と非作動状態との比率を変化させて前記冷媒吐出流量を調整する電磁クラッチ(11a、61a〜64a)であることを特徴とする請求項10に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  13. 冷媒を吸入し圧縮する圧縮機(11、61〜64)と、
    前記圧縮機(11、61〜64)から吐出された高圧冷媒の放熱を行う放熱器(12)と、
    前記放熱器(12)下流側の冷媒を減圧膨張させ、この膨張時の高速度の冷媒流により冷媒を内部に吸引する冷媒吸引口(15b)を有し、前記冷媒吸引口(15b)からの吸引冷媒と前記高速度の冷媒流とを混合し、この混合した冷媒流を減速して冷媒流の圧力を上昇させるエジェクタ(15)と、
    前記エジェクタ(15)から流出した冷媒を蒸発させる第1蒸発器(16)と、
    冷媒の流れを前記放熱器(12)と前記エジェクタ(15)との間で分岐して前記冷媒吸引口(15b)に導く分岐通路(18)と、
    前記分岐通路(18)に配置されて冷媒を減圧して流量調整する絞り手段(19)と、
    前記絞り手段(19)下流側に配置されて冷媒を蒸発させる第2蒸発器(20)と、
    前記第1蒸発器(16)および前記第2蒸発器(20)の少なくとも1つに空気を送風する送風手段(16a)と、
    前記送風手段(16a)の送風空気量を調整する送風量調整手段(16b)とを備え、
    前記送風量調整手段(16b)は、サイクル内部の冷媒状態、前記第1蒸発器(16)および前記第2蒸発器(20)の冷却対象空間温度、ならびに前記冷却対象空間の周囲温度の少なくとも一つに関連する物理量に基づいて、前記送風空気量を調整するようになっていることを特徴とするエジェクタ式冷凍サイクル。
  14. 冷媒を吸入し圧縮する圧縮機(11、61〜64)と、
    前記圧縮機(11、61〜64)から吐出された高圧冷媒の放熱を行う放熱器(12)と、
    前記放熱器(12)に空気を送風する送風手段(12a)と、
    前記送風手段(12a)の送風空気量を調整する送風量調整手段(12b)と、
    前記放熱器(12)下流側の冷媒を減圧膨張させ、この膨張時の高速度の冷媒流により冷媒を内部に吸引する冷媒吸引口(15b)を有し、前記冷媒吸引口(15b)からの吸引冷媒と前記高速度の冷媒流とを混合し、この混合した冷媒流を減速して冷媒流の圧力を上昇させるエジェクタ(15)と、
    前記エジェクタ(15)から流出した冷媒を蒸発させる第1蒸発器(16)と、
    冷媒の流れを前記放熱器(12)と前記エジェクタ(15)との間で分岐して前記冷媒吸引口(15b)に導く分岐通路(18)と、
    前記分岐通路(18)に配置されて冷媒を減圧して流量調整する絞り手段(19)と、
    前記絞り手段(19)下流側に配置されて冷媒を蒸発させる第2蒸発器(20)とを備え、
    前記送風量調整手段(12b)は、サイクル内部の冷媒状態、前記第1蒸発器(16)および前記第2蒸発器(20)の冷却対象空間温度、ならびに前記冷却対象空間の周囲温度の少なくとも一つに関連する物理量に基づいて、前記送風空気量を調整するようになっていることを特徴とするエジェクタ式冷凍サイクル。
  15. 前記物理量は、前記第1蒸発器(16)出口側冷媒の過熱度に関連する物理量であることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  16. 前記物理量は、前記第2蒸発器(20)出口側冷媒の過熱度に関連する物理量であることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  17. 前記物理量は、前記放熱器(12)出口側冷媒の過冷却度に関連する物理量であることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  18. 前記高圧冷媒は臨界圧力以上に昇圧されるようになっており、
    前記物理量は、前記放熱器(12)出口側冷媒の温度および圧力であることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  19. 前記物理量は、前記流量比(η)に関連する物理量であることを特徴とする請求項1ないし7、13、14のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  20. 前記物理量は、前記圧縮機(11、61〜64)の冷媒吐出流量に関連する物理量であることを特徴とする請求項1ないし9、13、14のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  21. 前記第1蒸発器(16)の下流側に液相冷媒と気相冷媒を分離するアキュムレータ(32)を備えていることを特徴とする請求項16ないし20のいずか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  22. 冷媒を吸入し圧縮する圧縮機(11、61〜64、66)と、
    前記圧縮機(11、61〜64、66)から吐出された高圧冷媒の放熱を行う放熱器(12)と、
    前記放熱器(12)下流側の冷媒を減圧膨張させ、この膨張時の高速度の冷媒流により冷媒を内部に吸引する冷媒吸引口(15b)を有し、前記冷媒吸引口(15b)からの吸引冷媒と前記高速度の冷媒流とを混合し、この混合した冷媒流を減速して冷媒流の圧力を上昇させるエジェクタ(15)と、
    前記エジェクタ(15)から流出した冷媒を蒸発させる第1蒸発器(16)と、
    冷媒の流れを前記放熱器(12)と前記エジェクタ(15)との間で分岐して前記冷媒吸引口(15b)に導く分岐通路(18)と、
    前記分岐通路(18)に配置されて冷媒を減圧して流量調整する絞り手段(19)と、
    前記絞り手段(19)下流側に配置されて冷媒を蒸発させる第2蒸発器(20)と、
    冷却対象空間を急冷する必要性を判定する判定手段(21)とを備え、
    前記判定手段(21)が前記必要性があると判定したときは、前記第1蒸発器(16)または前記第2蒸発器(20)の蒸発温度を前記判定時と比較して低下するようになっていることを特徴とするエジェクタ式冷凍サイクル。
  23. 使用者が急冷要求を入力する入力手段(65)を備え、
    前記判定手段(21)が前記入力手段(65)から前記急冷要求を受けたときに前記必要性を判定することを特徴とする請求項22に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  24. 前記判定手段(21)がサイクル内部の冷媒状態、前記第1蒸発器(16)および前記第2蒸発器(20)の冷却対象空間温度の少なくとも一つに関連する物理量に基づいて前記必要性を判定することを特徴とする請求項22に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  25. 前記冷却対象空間(67)の熱負荷を検出する検出手段(70)を備え、
    前記検出手段(70)により検出される前記熱負荷が増加すると、前記判定手段(21)が前記必要性を判定することを特徴とする請求項22に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  26. 前記検出手段は、前記冷却対象空間(67)内の被冷却物の重量を検出する重量検出手段(70)であることを特徴とする請求項25に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  27. 前記エジェクタ(15)にて減圧膨張される第1冷媒流量(Gnoz)と前記冷媒吸引口(15b)に吸引される第2冷媒流量(Ge)との流量比(η)を調整する流量比調整手段(15、36、37)を備え、
    前記流量比調整手段(15、36、37)が前記エジェクタ(15)にて減圧膨張される冷媒流れを遮断することによって、前記蒸発温度を前記判定時と比較して低下するようになっていることを特徴とする請求項22ないし26のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  28. 冷媒流れの分岐部と前記エジェクタ(15)との間に可変絞り手段(36、37)が配置され、
    前記流量比調整手段は、前記可変絞り手段(36、37)自体で構成されていることを特徴とする請求項27に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  29. 前記流量比調整手段は、前記エジェクタ(15)自体で構成されていることを特徴とする請求項27に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  30. 前記圧縮機(11、61〜64)の冷媒吐出流量を調整する吐出流量可変手段(11a、11b、61a〜64a)を備え、
    前記吐出流量可変手段(11a、11b、61a〜64a)が前記冷媒吐出流量を前記判定時と比較して増加することによって、前記蒸発温度を前記判定時と比較して低下するようになっていることを特徴とする請求項22ないし26のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  31. 少なくとも前記第2蒸発器(20)に空気を送風する送風手段(16a)と、
    前記送風手段(16a)の送風量を調整する送風量調整手段(16b)とを備え、
    前記送風量調整手段(16b)が前記送風量を前記判定時と比較して減少することによって、前記蒸発温度を前記判定時と比較して低下するようになっていることを特徴とする請求項22ないし26のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  32. 前記第1蒸発器(16)または前記第2蒸発器(20)の出口側冷媒の過熱度を前記判定時と比較して増加することによって、前記蒸発温度を前記判定時と比較して低下するようになっていることを特徴とする請求項22ないし26のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  33. 冷媒を吸入し圧縮する圧縮機(11、61〜64、66)と、
    前記圧縮機(11、61〜64、66)から吐出された高圧冷媒の放熱を行う放熱器(12)と、
    前記放熱器(12)下流側の冷媒を減圧膨張させ、この膨張時の高速度の冷媒流により冷媒を内部に吸引する冷媒吸引口(15b)を有し、前記冷媒吸引口(15b)からの吸引冷媒と前記高速度の冷媒流とを混合し、この混合した冷媒流を減速して冷媒流の圧力を上昇させるエジェクタ(15)と、
    前記エジェクタ(15)から流出した冷媒を蒸発させる第1蒸発器(16)と、
    冷媒の流れを前記放熱器(12)と前記エジェクタ(15)との間で分岐して前記冷媒吸引口(15b)に導く分岐通路(18)と、
    前記分岐通路(18)に配置されて冷媒を減圧して流量調整する絞り手段(19)と、
    前記絞り手段(19)下流側に配置されて冷媒を蒸発させる第2蒸発器(20)と、
    冷却対象空間(67)の熱負荷が所定量以下に低下していることを判定する判定手段(71)と、
    前記判定手段(71)が前記熱負荷の低下を判定したときは、前記第1蒸発器(16)または前記第2蒸発器(20)の蒸発温度を前記判定時と比較して低下するようになっていることを特徴とするエジェクタ式冷凍サイクル。
  34. 前記冷却対象空間(67)には、被冷却物を出し入れする開口部(68)と、前記開口部(68)を開閉するドア(69)とが設けられており、
    前記ドア(69)の単位時間当たりの開閉回数が所定値以下であると、前記判定手段(71)が前記熱負荷の低下を判定することを特徴とする請求項33に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  35. 所定時間における前記冷却対象空間(67)の温度の変化量が所定値以下であると、前記判定手段(71)が前記熱負荷の低下を判定することを特徴とする請求項33に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  36. 前記圧縮機(66)は、電動モータ(66a)により駆動され、前記電動モータ(66a)の回転数調整により前記冷媒吐出流量が調整される電動圧縮機であり、
    前記電動モータ(66a)の消費電力が所定値以下であると、前記判定手段(71)が前記熱負荷の低下を判定することを特徴とする請求項33に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  37. 前記圧縮機(66)は、電動モータ(66a)により駆動され、前記電動モータ(66a)の回転数調整により前記冷媒吐出流量が調整される電動圧縮機であり、
    前記電動モータ(66a)が所定回転数以下で所定時間以上回転していると、前記判定手段(71)が前記熱負荷の低下を判定することを特徴とする請求項33に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  38. 前記エジェクタ(15)にて減圧膨張される第1冷媒流量(Gnoz)と前記冷媒吸引口(15b)に吸引される第2冷媒流量(Ge)との流量比(η)を調整する流量比調整手段(15、36、37)を備え、
    前記流量比調整手段(15、36、37)が前記エジェクタ(15)にて減圧膨張される冷媒流れを遮断することによって、前記蒸発温度を前記判定時と比較して低下するようになっていることを特徴とする請求項33ないし37のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  39. 冷媒流れの分岐部と前記エジェクタ(15)との間に可変絞り手段(36、37)が配置され、
    前記流量比調整手段は、前記可変絞り手段(36、37)自体で構成されていることを特徴とする請求項38に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  40. 前記流量比調整手段は、前記エジェクタ(15)自体で構成されていることを特徴とする請求項38に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  41. 少なくとも前記第2蒸発器(20)に空気を送風する送風手段(16a)と、
    前記送風手段(16a)の送風量を調整する送風量調整手段(16b)とを備え、
    前記送風量調整手段(16b)が前記送風量を前記判定時と比較して減少することによって、前記蒸発温度を前記判定時と比較して低下するようになっていることを特徴とする請求項33ないし37のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  42. 前記第1蒸発器(16)または前記第2蒸発器(20)の出口側冷媒の過熱度を前記判定時と比較して増加することによって、前記蒸発温度を前記判定時と比較して低下するようになっていることを特徴とする請求項33ないし37のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
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