JP4270098B2 - エジェクタサイクル - Google Patents

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Description

本発明は、冷媒減圧手段および冷媒循環手段をなすエジェクタを有するエジェクタサイクルに関するものであり、例えば、車両用冷凍冷蔵装置の冷凍サイクルに適用して有効である。
本出願人は、特許文献1において冷媒減圧手段および冷媒循環手段をなすエジェクタを使用した蒸気圧縮式冷凍サイクル(エジェクタサイクル)を提案している。この特許文献1では、エジェクタと、エジェクタ下流側に配置される気液分離器との間に第1蒸発器を配置するとともに、気液分離器の液相冷媒出口側とエジェクタの冷媒吸引口側との間に第2蒸発器を設けるものが実施形態の1つとして記載されている。
特許第3322263号公報
ところで、上記特許文献1において、第1蒸発器の冷媒蒸発温度が0℃より低い条件にてサイクルが運転されることがある。従って、第1蒸発器のフロスト(霜付き)による冷却性能の低下が課題となる。しかし、上記特許文献1では除霜手段について提案されていない。
また、冷凍車等では、荷物を目的地に運搬して降ろした後は、庫内が空になるので、冷凍サイクルの運転を停止する。すると、庫内壁面の霜が解けて庫内空気の湿度が上昇し、庫内壁面に結露が生じて、庫内壁面が水浸しになる。そこで、庫内壁面の温度を庫内空気の露点温度以上に加温して、庫内壁面での結露を防止する加温運転が必要となるが、この加温運転についても上記特許文献1には何ら提案されていない。
本発明は、複数の蒸発器を備える、エジェクタを使用した蒸気圧縮式冷凍サイクルにおいて、エジェクタの冷媒流出側に配置される蒸発器の加温運転を簡単に実行できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、冷媒を吸入し圧縮する圧縮機(10)と、
前記圧縮機(12)から吐出された高圧冷媒の放熱を行う放熱器(11)と、
前記放熱器(11)下流側の冷媒を減圧膨張させるノズル部(12a)、前記ノズル部(12a)から噴射する高い速度の冷媒流により冷媒が内部に吸引される冷媒吸引口(12c)、および前記高い速度の冷媒流と前記冷媒吸引口(12c)からの吸引冷媒とを混合した冷媒流の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換する昇圧部(12b)を有するエジェクタ(12)と、
前記エジェクタ(12)の冷媒流出側に配置され、冷媒を蒸発させて冷却能力を発揮するとともに、冷媒流出側が前記圧縮機(10)の吸入側に接続される第1蒸発器(13)と、
前記冷媒吸引口(12c)に吸引される冷媒の通路(15、150)に配置され、冷媒を蒸発させて冷却能力を発揮する第2蒸発器(17)とを備え、
前記エジェクタ(12)には流量調整手段(12d)が備えられており、
前記第1蒸発器(13)を配置した冷蔵庫側の室内壁面を前記第1蒸発器(13)により庫内空気の露点温度以上に加温して前記冷蔵庫側の加温運転を行うときは、前記圧縮機(10)を起動するとともに、前記第1蒸発器(13)の冷媒蒸発温度が前記庫内空気の露点温度以上に上昇するように前記流量調整手段(12d)を所定値以上の冷媒流量状態に制御することを特徴としている。
これによると、第1蒸発器(13)はエジェクタ(12)の冷媒流出側(駆動流側)に配置され、第2蒸発器(17)は吸引冷媒側に配置されているから、第1蒸発器(13)の冷媒蒸発圧力よりも第2蒸発器(17)の冷媒蒸発圧力が低くくなって、第1蒸発器(13)の冷却温度よりも第2蒸発器(17)の冷却温度の方を低くできる。
このような特徴を有するサイクルにおいて、第1蒸発器(13)を配置した冷蔵庫側の加温運転を行うときは、エジェクタ(12)の流量調整手段(12d)を所定値以上の冷媒流量状態に制御することで第1蒸発器(13)自身の冷媒蒸発温度を庫内空気の露点温度以上に上昇させ、これにより、冷蔵庫側の加温運転を良好に実行できる。
請求項に記載の発明では、冷媒を吸入し圧縮する圧縮機(10)と、
前記圧縮機(12)から吐出された高圧冷媒の放熱を行う放熱器(11)と、
前記放熱器(11)下流側の冷媒を減圧膨張させるノズル部(12a)、前記ノズル部(12a)から噴射する高い速度の冷媒流により冷媒が内部に吸引される冷媒吸引口(12c)、および前記高い速度の冷媒流と前記冷媒吸引口(12c)からの吸引冷媒とを混合した冷媒流の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換する昇圧部(12b)を有するエジェクタ(12)と、
前記エジェクタ(12)の冷媒流出側に配置され、冷媒を蒸発させて冷却能力を発揮するとともに、冷媒流出側が前記圧縮機(10)の吸入側に接続される第1蒸発器(13)と、
前記冷媒吸引口(12c)に吸引される冷媒の通路(15、150)に配置され、冷媒を蒸発させて冷却能力を発揮する第2蒸発器(17)とを備え、
前記第1蒸発器(13)を配置した冷蔵庫側の室内壁面を前記第1蒸発器(13)により庫内空気の露点温度以上に加温して前記冷蔵庫側の加温運転を行うときは、前記圧縮機(10)を起動するとともに、前記第1蒸発器(13)の冷媒蒸発温度が前記庫内空気の露点温度以上に上昇するように前記圧縮機(12)の冷媒吐出能力を所定値以上に制御することを特徴とする。
これによると、圧縮機(12)の能力制御により第1蒸発器(13)の冷媒蒸発温度を高めて、冷蔵庫側の加温運転を実行できる。他の作用効果は請求項1と同じである。
請求項に記載の発明では、冷媒を吸入し圧縮する圧縮機(10)と、
前記圧縮機(12)から吐出された高圧冷媒の放熱を行う放熱器(11)と、
前記放熱器(11)下流側の冷媒を減圧膨張させるノズル部(12a)、前記ノズル部(12a)から噴射する高い速度の冷媒流により冷媒が内部に吸引される冷媒吸引口(12c)、および前記高い速度の冷媒流と前記冷媒吸引口(12c)からの吸引冷媒とを混合した冷媒流の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換する昇圧部(12b)を有するエジェクタ(12)と、
前記エジェクタ(12)の冷媒流出側に配置され、冷媒を蒸発させて冷却能力を発揮するとともに、冷媒流出側が前記圧縮機(10)の吸入側に接続される第1蒸発器(13)と、
前記冷媒吸引口(12c)に吸引される冷媒の通路(15、150)に配置され、冷媒を蒸発させて冷却能力を発揮する第2蒸発器(17)とを備え、
前記第1蒸発器(13)を配置した冷蔵庫側の室内壁面を前記第1蒸発器(13)により庫内空気の露点温度以上に加温して前記冷蔵庫側の加温運転を行うときは、前記圧縮機(10)を起動するとともに、前記第1蒸発器(13)の冷媒蒸発温度が前記庫内空気の露点温度以上に上昇するように前記放熱器(11)の冷却風量を所定値以下に制御することを特徴とする。
これによると、放熱器(11)の冷却風量制御により第1蒸発器(13)の冷媒蒸発温度を高めて、冷蔵庫側の加温運転を実行できる。他の作用効果は請求項1、2と同じである。
請求項に記載の発明では、冷媒を吸入し圧縮する圧縮機(10)と、
前記圧縮機(12)から吐出された高圧冷媒の放熱を行う放熱器(11)と、
前記放熱器(11)下流側の冷媒を減圧膨張させるノズル部(12a)、前記ノズル部(12a)から噴射する高い速度の冷媒流により冷媒が内部に吸引される冷媒吸引口(12c)、および前記高い速度の冷媒流と前記冷媒吸引口(12c)からの吸引冷媒とを混合した冷媒流の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換する昇圧部(12b)を有するエジェクタ(12)と、
前記エジェクタ(12)の冷媒流出側に配置され、冷媒を蒸発させて冷却能力を発揮するとともに、冷媒流出側が前記圧縮機(10)の吸入側に接続される第1蒸発器(13)と、
前記冷媒吸引口(12c)に吸引される冷媒の通路(15、150)に配置され、冷媒を蒸発させて冷却能力を発揮する第2蒸発器(17)とを備え、
前記第1蒸発器(13)を配置した冷蔵庫側の室内壁面を前記第1蒸発器(13)により庫内空気の露点温度以上に加温して前記冷蔵庫側の加温運転を行うときは、前記圧縮機(10)を起動するとともに、前記第1蒸発器(13)の冷媒蒸発温度が前記庫内空気の露点温度以上に上昇するように前記第1蒸発器(13)の風量を所定値以上に制御することを特徴とする。
これによると、第1蒸発器(13)の風量制御により第1蒸発器(13)の冷媒蒸発温度を高めて、冷蔵庫側の加温運転を実行できる。他の作用効果は請求項1、2、3と同じである。
請求項に記載の発明のように、請求項1ないしのいずれか1つに記載のエジェクタサイクルにおいて、前記第2蒸発器(17)の入口部に可変絞り機構(16)を設けてもよい。
請求項に記載の発明のように、請求項1ないしのいずれか1つに記載のエジェクタサイクルにおいて、前記冷蔵庫側の加温運転を制御する電気制御装置(20)と、前記電気制御装置(20)に加温運転の指令を出す加温スイッチ(26a)とを備えるようにしてもよい。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態によるエジェクタサイクルを示しており、本実施形態は車両用冷凍冷蔵装置の冷凍サイクルに適用した例を示す。圧縮機10は冷媒を吸入、圧縮するもので、この圧縮機10を図示しない車両走行用エンジンによりベルト等を介して回転駆動するようになっている。
本実施形態では圧縮機10として固定容量型圧縮機を用いており、この固定容量型圧縮機10の作動のオンオフ制御を電磁クラッチ10aにより行って、圧縮機オンオフ作動の比率を制御することにより冷媒吐出能力を制御するようになっている。なお、圧縮機10として吐出容量を変化できる可変容量型圧縮機を使用して、吐出容量の制御により冷媒吐出能力を制御するようにしてもよい。
圧縮機10の冷媒流れ下流側には放熱器11が配置されている。放熱器11は圧縮機10から吐出された高圧冷媒と冷却ファン11aにより送風される外気(車室外空気)との間で熱交換を行って高圧冷媒を冷却する。冷却ファン11aはモータにより回転数制御(風量制御)が可能な電動式冷却ファンである。
放熱器11の冷媒流れ下流側部位にはエジェクタ12が配置されている。このエジェクタ12は流体を減圧する減圧手段であるとともに、高速で噴出する作動流体の巻き込み作用によって流体輸送を行う運動量輸送式ポンプである(JIS Z 8126 番号2.1.2.3等参照)。
エジェクタ12には、放熱器11から流入する高圧冷媒の通路面積を小さく絞って、高圧冷媒を等エントロピ的に減圧膨張させるノズル部12aと、ノズル部12aの冷媒噴出口と同一空間に配置され、後述する第2蒸発器17からの気相冷媒を吸引する冷媒吸引口12cが備えられている。
さらに、ノズル部12aおよび冷媒吸引口12cの冷媒流れ下流側部位には、昇圧部をなすディフューザ部12bが配置されている。このディフューザ部12bは冷媒の通路面積を徐々に大きくする形状に形成されており、冷媒流れを減速して冷媒圧力を上昇させる作用、つまり、冷媒の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換する作用を果たす。
更に、エジェクタ12のノズル部12aの入口部には流量調整機構12dが設けてある。この流量調整機構12dはノズル部12aの絞り通路面積を変化させて冷媒流量を調整する可変絞り機構であって、具体的にはエジェクタ12の軸方向(ノズル部12aの冷媒流れ方向)に移動可能なニードル弁12eと、このニードル弁12eの軸方向位置を制御するアクチュエータ12fとからなる。
ニードル弁12eの先端部はテーパ状に形成され、このテーパ状先端部の位置制御によりノズル部12aの絞り通路面積を変化させるようになっている。アクチュエータ12fは例えばステッピングモータから構成され、ステッピングモータのロータ部の回転運動をねじ機構等によりエジェクタ12の軸方向の変位に変換してニードル弁12eの軸方向位置を制御する。
エジェクタ12のディフューザ部12bの冷媒流出側は第1蒸発器13に接続される。この第1蒸発器13の冷媒流出側は気液分離器14に接続される。この気液分離器14はタンク形状からなり、第1蒸発器13から流出した冷媒の気液を密度差により分離して、気液分離器14のタンク形状内部の上方側に気相冷媒が溜まり、下方側に液相冷媒が溜まる。
そこで、気液分離器14のタンク形状の上方部に気相冷媒の出口14aを設けて圧縮機10の吸入側に接続している。一方、気液分離器14のタンク形状の下方部に液相冷媒の出口14bを設けて、この液相冷媒の出口14bとエジェクタ12の冷媒吸引口12cとの間を分岐通路15により結合している。
この分岐通路15には絞り機構16が設けられ、この絞り機構16の冷媒流出側に第2蒸発器17が設けられている。ここで、絞り機構16は気液分離器14からの液相冷媒を減圧して第2蒸発器17での冷媒蒸発圧力を調節するものである。この絞り機構16は、具体的には、キャピラリチューブやオリフィス等からなる固定絞り、あるいは絞り開度を調節可能な可変絞りのいずれで構成してもよい。
ここで、絞り機構16を可変絞りで構成する場合は第2蒸発器17での冷媒蒸発圧力や冷媒蒸発温度、あるいは第2蒸発器17出口での冷媒過熱度を可変絞りの絞り開度の調節により調節することが好ましい。
エジェクタ12の冷媒流出側に位置する第1蒸発器13の冷媒蒸発圧力(冷媒蒸発温度)はディフューザ部12bにて昇圧した後の圧力であり、これに対し、第2蒸発器17はエジェクタ12の冷媒吸引口12cの上流側に位置しているので、第2蒸発器17の冷媒蒸発圧力(冷媒蒸発温度)は第1蒸発器13よりも低くなる。
そこで、本実施形態では、車両用冷凍冷蔵装置における冷蔵庫の冷却手段として第1蒸発器13を用い、車両用冷凍冷蔵装置における冷凍庫の冷却手段として第2蒸発器17を用いている。
第1蒸発器13および第2蒸発器17には、それぞれ第1、第2送風機18、19により庫内空気が送風されるようになっている。この第1、第2送風機18、19はモータ回転数制御により風量が制御可能な電動送風機である。
次に、本実施形態の電気制御部の概要を説明すると、電気制御装置(以下ECUと略称)20はマイクロコンピュータおよびその周辺回路等により構成されるものである。圧縮機10の電磁クラッチ10a、放熱器11の電動式冷却ファン11a、エジェクタ12の流量調整機構12dのアクチュエータ12f、および第1、第2送風機18、19等の作動をECU20の制御出力により制御するようになっている。
第1蒸発器13近傍の所定位置には温度センサ21が配置され、この温度センサ21により第2蒸発器19近傍の空気温度を検出する。この温度センサ21の検出信号はECU20に入力される。
次に、上記構成において本実施形態の作動を説明する。圧縮機10を車両エンジンにより駆動すると、圧縮機10は気液分離器14内の気相冷媒を吸入して圧縮し、吐出する。この吐出冷媒(高温高圧状態の冷媒)は放熱器11に流入して外気により冷却され凝縮する。放熱器11から流出した液相冷媒は、エジェクタ12に流入しノズル部12aで減圧され、気液2相状態となる。
このノズル部12aで高圧冷媒の圧力エネルギーが速度エネルギーに変換され、冷媒は高速度となってノズル噴出口から噴出する。この際に生じるノズル噴出口付近の圧力低下により、冷媒吸引口12cから第2蒸発器17にて蒸発した気相冷媒を吸引する。
ノズル部12aから噴出した冷媒と冷媒吸引口12cに吸引された冷媒は、ノズル部12a下流側で混合してディフューザ部12bに流入する。このディフューザ部12bでは通路面積の拡大により、冷媒の速度(膨張)エネルギーが圧力エネルギーに変換されるため、冷媒の圧力が上昇する。
そして、エジェクタ12のディフューザ部12bから流出した冷媒は第1蒸発器13に流入し、ここで第1送風機18の送風空気から吸熱して蒸発する。これにより、第1送風機18の送風空気を冷却できる。第1蒸発器13を通過した冷媒は気液分離器14内に流入して、気相冷媒と液相冷媒とに分離される。気液分離器14内の気相冷媒は圧縮機10に吸入され、圧縮される。
一方、気液分離器14内の液相冷媒は分岐通路15側へ流れる。この液相冷媒は絞り機構16で減圧されて第2蒸発器17に流入し、ここで第2送風機19の送風空気から吸熱して蒸発する。これにより、第2送風機19の送風空気を冷却できる。第2蒸発器17で蒸発した気相冷媒は冷媒吸引口12cに吸引され、ノズル部12aからの高速噴出流(駆動流)と混合する。
前述のごとく第1蒸発器13の冷媒蒸発圧力(冷媒蒸発温度)よりも第2蒸発器17の冷媒蒸発圧力(冷媒蒸発温度)が低くなるので、第1蒸発器13により冷却される冷蔵庫の冷却温度(例えば−5℃)よりも第2蒸発器17により冷却される冷凍庫の冷却温度(例えば−25℃)を低くすることができる。従って、冷凍冷蔵装置の冷蔵庫と冷凍庫とを所定の温度差を付けた2つ温度帯で良好に冷却できる。
ところで、第1蒸発器13にフロスト(霜付き)が発生すると、第1送風機18の送風量が減少して、第1蒸発器13付近の空気温度が上記冷蔵庫の冷却温度(例えば−5℃)よりも更に所定温度低い温度(フロスト判定温度)Ta以下に低下する。
本実施形態では、第1蒸発器13付近の空気温度が温度センサ21により検出され、その検出信号がECU20に入力される。そこで、ECU20では第1蒸発器13付近の空気温度が上記フロスト判定温度Ta以下に低下すると第1蒸発器13のフロスト状態を判定して、第1蒸発器13の除霜運転を自動的に行う。
この除霜運転では、圧縮機10の運転状態を維持したまま、第1蒸発器13の冷媒蒸発温度を一時的に0℃よりも高い温度域に上昇させるようにサイクル運転状況を変化させる。
この除霜運転をモリエル線図に基づいて具体的に説明する。先ず、図2は通常運転時、すなわち、除霜運転を行っていない通常の冷凍冷蔵運転時のサイクル挙動を示すモリエル線図で、図3は除霜運転時のサイクル挙動を示すモリエル線図である。図2、図3におけるa〜j点は、図1の冷凍サイクルにおけるa〜jの部位における冷媒の状態を示す。
図2、3において、e〜fのエンタルピ増加部分が第1蒸発器13の吸熱分であり、また、i〜jによるエンタルピ増加部分が第2蒸発器17の吸熱分である。
通常運転時には第1蒸発器13の冷媒蒸発圧力が0℃等温線に対応する冷媒蒸発圧力よりも低くなっており、第1蒸発器13の冷媒蒸発温度が0℃よりも低い温度(例えば、−5℃)になっている。
そこで、本実施形態では、第1蒸発器13のフロストを判定して、第1蒸発器13の除霜運転を行うときは、ECU20の制御出力によりエジェクタ12の流量調整機構12dのアクチュエータ12fを動作させて、流量調整機構12dのニードル弁12eをノズル部12aの絞り通路の面積が増大する方向(図1の左方向)に移動させる。
これにより、ノズル部12aを通過する冷媒流(駆動流)の流量が増加し、ディフューザ部12bでの昇圧量が増加するので、第1蒸発器13の冷媒蒸発圧力を0℃等温線に対応する冷媒蒸発圧力よりも高い圧力に上昇させることができる。この結果、第1蒸発器13の表面温度が0℃より高い温度(例えば、10℃付近)に上昇して、第1蒸発器13の表面の霜を溶かすことができる。
ここで、第1、第2蒸発器13、17間の絞り機構16として、通常運転時と除霜運転とで絞り開度(絞り通路面積)を切り替える可変絞りを用いて、除霜運転時には絞り機構16の絞り面積を通常運転時よりも一段と小さい値に切り替えるようにすれば、除霜運転時でも絞り機構16での減圧量を大きくして(図3のh→iの圧力降下参照)、第2蒸発器17の冷媒蒸発圧力を通常運転時と同レベルに維持できる。
この結果、除霜運転時でも第2蒸発器17の冷媒蒸発温度を通常運転時と同レベルの低温(例えば−25℃)に維持でき、冷凍庫の冷却作用を続行できる。
上記除霜運転の実行により、第1蒸発器13近傍の空気温度が上記フロスト判定温度Taよりも所定温度αだけ高い除霜終了温度Tb(Tb=Ta+α)まで上昇すると、ECU20にて除霜運転の終了を判定して、ECU20の制御出力によりエジェクタ12の流量調整機構12dのアクチュエータ12fを動作させ、流量調整機構12dのニードル弁12eを除霜運転開始前の元の位置(通常運転時の位置)に復帰させ、ノズル部12aの絞り通路の面積を通常運転時の元の大きさに復帰(減少)させる。
これにより、ノズル部12aを通過する冷媒流(駆動流)の流量が減少し、ディフューザ部12bでの昇圧量が減少するので、第1蒸発器13の冷媒蒸発圧力を0℃等温線に対応する冷媒蒸発圧力よりも低い圧力に復帰させ、第1蒸発器13による冷蔵庫の冷却作用を再び発揮できる。
なお、絞り機構16を構成する上記可変絞りの具体例としては、サーボモータ等のアクチュエータにより位置制御される可動板部材に、通常運転用の大面積の第1絞り穴と、除霜運転用の小面積の第2絞り穴とを開口し、通常運転時には大面積の第1絞り穴で冷媒の減圧を行い、除霜運転時には小面積の第2絞り穴で冷媒の減圧を行うように、可動板部材の位置を切替制御すればよい。
また、絞り機構16として第2蒸発器17の冷媒蒸発圧力または冷媒蒸発温度に応答して絞り開度を調整する可変絞りを用いて、除霜運転時にも第2蒸発器17によって冷凍庫の冷却作用を続行できるようにしてもよい。
(第2実施形態)
第1実施形態は、エジェクタ12に流量調整機構12dを備えて、第1蒸発器13の除霜運転時にはエジェクタ12の冷媒流量を通常運転時よりも大きくして、第1蒸発器13の冷媒蒸発圧力を0℃等温線に対応する冷媒蒸発圧力よりも高い圧力に上昇させているが、第2実施形態は圧縮機10の冷媒吐出能力の制御によって第1蒸発器13の除霜運転を行うものである。
すなわち、第2実施形態によると、ECU20が第1蒸発器13のフロストを判定して、第1蒸発器13の除霜を行うときは、ECU20から圧縮機10の冷媒吐出能力を増大するための制御信号を圧縮機10に加える。第2実施形態では、第1実施形態と同様に固定容量型圧縮機10のオンオフ動作を電磁クラッチ10aにより制御し、そのオンオフ動作の比率により冷媒吐出能力を制御するようにしている。
従って、第1蒸発器13の除霜運転時には、圧縮機10のオン動作比率(稼働率)が通常運転時よりも所定量大きくなるように電磁クラッチ10aの通電制御を行う。これにより、圧縮機10の冷媒吐出能力(冷媒吐出流量)が通常運転時よりも増大して、エジェクタ12の冷媒流量が増大する。この結果、第1実施形態と同等のサイクル挙動が生じて第1蒸発器13の除霜を行うことができる。
なお、圧縮機10として吐出容量を変化できる可変容量型圧縮機を使用する場合は、第1蒸発器13の除霜運転時に可変容量型圧縮機の容量制御機構に吐出容量増加の制御信号を加えて冷媒吐出能力を増大させればよい。
更に、圧縮機10として回転数制御可能な電動圧縮機を使用する場合は、第1蒸発器13の除霜運転時に電動圧縮機のモータに回転数増加の制御信号を加えて冷媒吐出能力を増大させればよい。
(第3実施形態)
第3実施形態は放熱器11の冷却風量の制御によって第1蒸発器13の除霜を行うものである。
すなわち、第3実施形態によると、ECU20が第1蒸発器13のフロストを判定して、第1蒸発器13の除霜を行うときは、ECU20から放熱器11の冷却ファン11aのモータに対して、回転数低下(風量低下)の制御信号を加える。
これにより、第1蒸発器13の除霜運転時には、冷却ファン11aの冷却風量が通常運転時よりも所定量減少するので、放熱器11の空気側冷却能力が低下して、放熱器11での冷媒圧力(サイクル高圧圧力)が上昇する。
このサイクル高圧圧力の上昇によってエジェクタ12の冷媒流量が増大する。この結果、第1実施形態と同等のサイクル挙動が生じて第1蒸発器13の除霜を行うことができる。
(第4実施形態)
第4実施形態は第1蒸発器13の風量制御によって第1蒸発器13の除霜を行うものである。
すなわち、第4実施形態によると、ECU20が第1蒸発器13のフロストを判定して、第1蒸発器13の除霜を行うときは、ECU20から第1蒸発器13に送風する第1送風機18のモータに対して、回転数上昇(風量上昇)の制御信号を加える。
これにより、第1蒸発器13の除霜運転時には、第1送風機18の風量が通常運転時よりも所定量増加するので、第1蒸発器13の冷却熱負荷が増加して、第1蒸発器13の冷媒蒸発圧力(サイクル低圧圧力)が上昇する。このため、サイクル高圧圧力の上昇→エジェクタ12の冷媒流量増大→第1蒸発器13の冷媒蒸発圧力の上昇という循環が起こり、
第1蒸発器13の除霜を行うことができる。
なお、上記第1〜第4実施形態では、エジェクタ12の流量調整機構12dの制御、圧縮機10の冷媒吐出能力制御、放熱器11の冷却風量制御、および第1蒸発器13の風量制御をそれぞれ個別に実行して、第1蒸発器13の除霜運転を行う場合を説明したが、上記第1〜第4実施形態による制御を複数組み合わせて第1蒸発器13の除霜運転を行うようにしてもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、第2蒸発器17の除霜運転について説明していないが、第2蒸発器17の除霜が必要な場合は、第1蒸発器13の除霜運転とは別手段、例えば、サイクル高圧側の高温冷媒を第2蒸発器17に導入する等の手段で第2蒸発器17の除霜を行えばよい。
(第5〜第9実施形態)
図4〜図8は第5〜第9実施形態であり、本発明を適用可能な冷凍サイクル構成の他の例を示す。なお、図4〜図8はいずれも冷凍サイクル構成のみを図示し、圧縮機10の電磁クラッチ10a、放熱器11の冷却ファン11a、エジェクタ12の流量調整機構12d、第1、第2蒸発器13、17の第1、第2送風機18、19、ECU20等の図示を省略している。
図4は第5実施形態であり、第1実施形態における分岐通路15の代わりに、放熱器11の出口側からエジェクタ12の冷媒吸引口12cに至る分岐通路150を設け、この分岐通路150に冷媒流れの上流側から下流側へ向かって、通路開閉機構をなす電磁弁22、絞り機構16、および第2蒸発器17を直列に配置している。
第5実施形態の冷凍サイクル構成においても、第1蒸発器13の冷媒蒸発圧力よりも第2蒸発器17の冷媒蒸発圧力が低くなるので、第1蒸発器13による冷蔵作用と第2蒸発器17による冷凍作用とを同時に実行できる。そして、第5実施形態においても上記第1〜第4実施形態による第1蒸発器13の除霜運転を同様に行うことができる。
図5は第6実施形態であり、上記第5実施形態の変形である。すなわち、第6実施形態では、放熱器11の出口側から第1蒸発器13の出口側(圧縮機10の吸入側)に至る分岐通路151を上記第5実施形態に更に追加している。
この分岐通路151には冷媒流れの上流側から下流側へ向かって、通路開閉機構をなす電磁弁23、絞り機構24、および第3蒸発器25を直列に配置している。絞り機構24も絞り機構16と同様に固定絞り、可変絞りのいずれで構成してもよい。
第6実施形態によると、第1蒸発器13および第3蒸発器25の冷媒蒸発圧力が同等になり、そして、第2蒸発器17の冷媒蒸発圧力が第1蒸発器13および第3蒸発器25の冷媒蒸発圧力よりも低くなる。
従って、第1、第3蒸発器13、25による冷蔵作用と第2蒸発器17による冷凍作用とを同時に実行できる。そして、第6実施形態においても第1〜第4実施形態による第1蒸発器13の除霜運転を同様に行うことができる。
図6は第7実施形態であり、上記第5実施形態(図4)の変形である。すなわち、第7実施形態では、第1蒸発器13と並列に設けられた分岐通路152を上記第5実施形態(図4)に更に追加している。
この分岐通路152には冷媒流れの上流側から下流側へ向かって、絞り機構24と第3蒸発器25を直列に配置している。
第7実施形態によると、第1蒸発器13および第3蒸発器25の冷媒蒸発圧力が同等になり、そして、第2蒸発器17の冷媒蒸発圧力が第1蒸発器13および第3蒸発器25の冷媒蒸発圧力よりも低くなる。第7実施形態においても第1〜第4実施形態による第1蒸発器13の除霜運転を同様に行うことができる。
図7は第8実施形態であり、第1実施形態(図1)の変形である。すなわち、第8実施形態では、第1蒸発器13と並列に設けられた分岐通路152を第1実施形態(図4)に追加し、この分岐通路152に冷媒流れの上流側から下流側へ向かって、絞り機構24と第3蒸発器25を直列に配置している。
第8実施形態によると、第1蒸発器13および第3蒸発器25の冷媒蒸発圧力が同等になり、そして、第2蒸発器17の冷媒蒸発圧力が第1蒸発器13および第3蒸発器25の冷媒蒸発圧力よりも低くなる。第8実施形態においても第1〜第4実施形態による第1蒸発器13の除霜運転を同様に行うことができる。
図8は第9実施形態であり、第1実施形態(図1)の変形である。すなわち、第9実施形態では、放熱器11の出口側から第1蒸発器13の出口側(気液分離器14の入口側)に至る分岐通路151を第1実施形態に更に追加している。
この分岐通路151には冷媒流れの上流側から下流側へ向かって、絞り機構24および第3蒸発器25を直列に配置している。
第9実施形態によると、第1蒸発器13および第3蒸発器25の冷媒蒸発圧力が同等になり、そして、第2蒸発器17の冷媒蒸発圧力が第1蒸発器13および第3蒸発器25の冷媒蒸発圧力よりも低くなる。第8実施形態においても第1〜第4実施形態による第1蒸発器13の除霜運転を同様に行うことができる。
(第10実施形態)
上述の第1〜第9実施形態は、第1蒸発器13の除霜運転に関するものであるが、第10実施形態は第1蒸発器13の加温運転に関するものである。
最初に、加温運転について説明すると、車両用冷凍冷蔵装置(冷凍車)においては、通常の冷凍冷蔵運転をしながら、庫内の荷物を目的地に運搬し、庫内の荷物を降ろした後は、冷凍庫、冷蔵庫の室内が空の状態になるので、冷凍サイクルの運転を停止する。
この冷凍サイクル停止状態が継続されることにより、冷凍庫、冷蔵庫の室内壁面の温度が上昇して、この室内壁面に付着していた霜が溶けて庫内空気の水分量が飽和水蒸気量を超えて結露する。この結果として、冷凍庫、冷蔵庫の室内壁面が水浸しになるという不具合が発生する。
そこで、冷凍庫、冷蔵庫の室内壁面を庫内空気の露点温度以上に加温して、庫内空気の結露を防止することが加温運転である。
第10実施形態は、前述の第1実施形態による第1蒸発器13の冷媒蒸発圧力(冷媒蒸発温度)の上昇を図って、第1蒸発器13を配置した冷蔵庫側の加温運転を行うものである。なお、第2蒸発器17を配置した冷凍庫側の加温運転は、必要に応じて、別手段(高温冷媒の導入等)で行うものとする。
図9は第10実施形態を示すもので、ECU20には操作パネル26の種々な操作スイッチの操作信号が入力される。この操作パネル26には加温運転の指令を出す加温スイッチ26aが設けられている。第10実施形態の冷凍サイクル構成は第1実施形態(図1)と同じである。
ユーザー(運転者)が加温運転が必要であると判断したときは操作パネル26の加温スイッチ26aを手動操作して投入する。これにより、ECU20はエジェクタ12の流量調整機構12dに制御出力を加えて、流量調整機構12dを加温運転時に必要となる所定の高流量状態に駆動する。
この結果、ノズル部12aを通過する冷媒流(駆動流)の流量が増加し、ディフューザ部12bでの昇圧量が増加するので、第1蒸発器13の冷媒蒸発圧力(冷媒蒸発温度)を上昇させる。そのため、第1蒸発器13を配置した冷蔵庫側の室内壁面を庫内空気の露点温度以上に加温して、冷蔵庫側の室内壁面における結露を防止できる。なお、加温運転時にも、第2蒸発器17は冷凍庫側の冷却機能を続行する。
そして、第1蒸発器13近傍の温度(温度センサ21の検出温度)がユーザー(運転者)設定による所定温度以上に上昇したら、ECU20により圧縮機10を自動的に停止し、加温運転を停止する。この加温運転停止後も、送風機18、19の作動は継続して庫内温度の均一化を図る。
なお、第10実施形態では、エジェクタ12の流量調整機構12dの制御により第1蒸発器13の加温運転を行うようにしているが、第1蒸発器13の加温運転を第2〜第4実施形態のサイクル運転制御で行ったり、あるいは第1〜第4実施形態によるサイクル運転制御を複数個組み合わせて第1蒸発器13の加温運転を行うようにしてもよい。
(他の実施形態)
なお、本発明は上述の実施形態に限定されることなく、以下述べるごとく種々変形可能である。
(1)上述の実施形態では、車両用冷凍冷蔵装置における冷蔵庫内を第1蒸発器13で冷却し、冷凍庫内を第2蒸発器17で冷却する例を説明したが、例えば、第1蒸発器13で車室内を冷房し、第2蒸発器17で冷蔵庫内を冷却する用途に本発明を適用してもよい。また、熱負荷の異なる複数部位の冷房のために本発明を適用してもよい。
もちろん、車両用に限らず、定置用の冷凍サイクルに本発明を適用してもよい。このように、本発明は複数の温度帯で冷却が必要な種々な用途に適用できる。
(2)第1〜第4実施形態では、第1蒸発器13近傍の空気温度を温度センサ21により検出して第1蒸発器13の除霜運転を自動的に行うようにしているが、これは具体的な一例を示すにすぎず、除霜運転の自動制御は種々変形できる。例えば、第1蒸発器13近傍の空気温度の代わりに、第1蒸発器13の表面温度を温度センサ21により検出して、除霜運転の自動制御を行うようにしてもよい。
また、第1蒸発器13近傍の冷媒通路内に冷媒温度を検出する冷媒温度センサを設け、第1蒸発器13近傍の冷媒温度に基づいて除霜運転の自動制御を行うようにしてもよい。また、第1蒸発器13近傍の冷媒温度と冷媒圧力は相関関係があるから、第1蒸発器13近傍の冷媒圧力を検出する冷媒圧力センサを設け、第1蒸発器13近傍の冷媒圧力に基づいて除霜運転の自動制御を行うようにしてもよい。
更に、上記のごとき温度センサ21や冷媒圧力センサを廃止して、ECU20のタイマー機能にてサイクルの起動後に、所定の時間間隔で除霜運転を所定時間のみ自動的に行うようにしてもよい。
(3)上述の実施形態において絞り機構16および絞り機構24を固定絞りまたは可変絞りで構成する旨説明しているが、絞り機構16および絞り機構24として特別の絞り手段を設置せずに、例えば、第2、第3蒸発器17、25の入口側冷媒配管の流路長さによる圧損を利用して、この入口側冷媒配管自体により絞り機構16、24を構成してもよい。
また、第2、第3蒸発器17、25の実際の搭載位置に基づく重力方向の高さ位置の差(ヘッド差)による圧損を利用して、第2、第3蒸発器17、25の入口側冷媒配管自体により絞り機構16、24を構成してもよい。
(4)上述の実施形態では、冷媒の種類を特定しなかったが、冷媒はフロン系、HC系の代替フロン、二酸化炭素(CO2)など蒸気圧縮式の超臨界サイクルおよび亜臨界サイクルのいずれに適用できるものであってもよい。
なお、ここでフロンとは炭素、フッ素、塩素、水素からなる有機化合物の総称であり、
冷媒として広く使用されているものである。フロン系冷媒には、HCFC(ハイドロ・ク
ロロ・フルオロ・カーボン)系冷媒、HFC(ハイドロ・フルオロ・カーボン)系冷媒等
が含まれており、これらはオゾン層を破壊しないため代替フロンと呼ばれる冷媒である。
また、HC(炭化水素)系冷媒とは、水素、炭素を含み、自然界に存在する冷媒物質の
ことである。このHC系冷媒には、R600a(イソブタン)、R290(プロパン)な
どがある。
本発明の第1実施形態によるエジェクタサイクルを示す模式図である。 第1実施形態による通常運転時のモリエル線図である。 第1実施形態による除霜運転時のモリエル線図である。 本発明の第5実施形態によるエジェクタサイクルを示す模式図である。 本発明の第6実施形態によるエジェクタサイクルを示す模式図である。 本発明の第7実施形態によるエジェクタサイクルを示す模式図である。 本発明の第8実施形態によるエジェクタサイクルを示す模式図である。 本発明の第9実施形態によるエジェクタサイクルを示す模式図である。 本発明の第10実施形態によるエジェクタサイクルを示す模式図である。
符号の説明
10…圧縮機、11…放熱器、12…エジェクタ、12a…ノズル部、
12b…ディフューザ部(昇圧部)、12c…冷媒吸引口、12d…流量調整機構、
13…第1蒸発器、14…気液分離器、15、150〜152…分岐通路、
16、24…絞り機構、17…第2蒸発器、25…第3蒸発器。

Claims (6)

  1. 冷媒を吸入し圧縮する圧縮機(10)と、
    前記圧縮機(12)から吐出された高圧冷媒の放熱を行う放熱器(11)と、
    前記放熱器(11)下流側の冷媒を減圧膨張させるノズル部(12a)、前記ノズル部(12a)から噴射する高い速度の冷媒流により冷媒が内部に吸引される冷媒吸引口(12c)、および前記高い速度の冷媒流と前記冷媒吸引口(12c)からの吸引冷媒とを混合した冷媒流の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換する昇圧部(12b)を有するエジェクタ(12)と、
    前記エジェクタ(12)の冷媒流出側に配置され、冷媒を蒸発させて冷却能力を発揮するとともに、冷媒流出側が前記圧縮機(10)の吸入側に接続される第1蒸発器(13)と、
    前記冷媒吸引口(12c)に吸引される冷媒の通路(15、150)に配置され、冷媒を蒸発させて冷却能力を発揮する第2蒸発器(17)とを備え、
    前記エジェクタ(12)には流量調整手段(12d)が備えられており、
    前記第1蒸発器(13)を配置した冷蔵庫側の室内壁面を前記第1蒸発器(13)により庫内空気の露点温度以上に加温して前記冷蔵庫側の加温運転を行うときは、前記圧縮機(10)を起動するとともに、前記第1蒸発器(13)の冷媒蒸発温度が前記庫内空気の露点温度以上に上昇するように前記流量調整手段(12d)を所定値以上の冷媒流量状態に制御することを特徴とするエジェクタサイクル。
  2. 冷媒を吸入し圧縮する圧縮機(10)と、
    前記圧縮機(12)から吐出された高圧冷媒の放熱を行う放熱器(11)と、
    前記放熱器(11)下流側の冷媒を減圧膨張させるノズル部(12a)、前記ノズル部(12a)から噴射する高い速度の冷媒流により冷媒が内部に吸引される冷媒吸引口(12c)、および前記高い速度の冷媒流と前記冷媒吸引口(12c)からの吸引冷媒とを混合した冷媒流の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換する昇圧部(12b)を有するエジェクタ(12)と、
    前記エジェクタ(12)の冷媒流出側に配置され、冷媒を蒸発させて冷却能力を発揮するとともに、冷媒流出側が前記圧縮機(10)の吸入側に接続される第1蒸発器(13)と、
    前記冷媒吸引口(12c)に吸引される冷媒の通路(15、150)に配置され、冷媒を蒸発させて冷却能力を発揮する第2蒸発器(17)とを備え、
    前記第1蒸発器(13)を配置した冷蔵庫側の室内壁面を前記第1蒸発器(13)により庫内空気の露点温度以上に加温して前記冷蔵庫側の加温運転を行うときは、前記圧縮機(10)を起動するとともに、前記第1蒸発器(13)の冷媒蒸発温度が前記庫内空気の露点温度以上に上昇するように前記圧縮機(12)の冷媒吐出能力を所定値以上に制御することを特徴とするエジェクタサイクル。
  3. 冷媒を吸入し圧縮する圧縮機(10)と、
    前記圧縮機(12)から吐出された高圧冷媒の放熱を行う放熱器(11)と、
    前記放熱器(11)下流側の冷媒を減圧膨張させるノズル部(12a)、前記ノズル部(12a)から噴射する高い速度の冷媒流により冷媒が内部に吸引される冷媒吸引口(12c)、および前記高い速度の冷媒流と前記冷媒吸引口(12c)からの吸引冷媒とを混合した冷媒流の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換する昇圧部(12b)を有するエジェクタ(12)と、
    前記エジェクタ(12)の冷媒流出側に配置され、冷媒を蒸発させて冷却能力を発揮するとともに、冷媒流出側が前記圧縮機(10)の吸入側に接続される第1蒸発器(13)と、
    前記冷媒吸引口(12c)に吸引される冷媒の通路(15、150)に配置され、冷媒を蒸発させて冷却能力を発揮する第2蒸発器(17)とを備え、
    前記第1蒸発器(13)を配置した冷蔵庫側の室内壁面を前記第1蒸発器(13)により庫内空気の露点温度以上に加温して前記冷蔵庫側の加温運転を行うときは、前記圧縮機(10)を起動するとともに、前記第1蒸発器(13)の冷媒蒸発温度が前記庫内空気の露点温度以上に上昇するように前記放熱器(11)の冷却風量を所定値以下に制御することを特徴とするエジェクタサイクル。
  4. 冷媒を吸入し圧縮する圧縮機(10)と、
    前記圧縮機(12)から吐出された高圧冷媒の放熱を行う放熱器(11)と、
    前記放熱器(11)下流側の冷媒を減圧膨張させるノズル部(12a)、前記ノズル部(12a)から噴射する高い速度の冷媒流により冷媒が内部に吸引される冷媒吸引口(12c)、および前記高い速度の冷媒流と前記冷媒吸引口(12c)からの吸引冷媒とを混合した冷媒流の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換する昇圧部(12b)を有するエジェクタ(12)と、
    前記エジェクタ(12)の冷媒流出側に配置され、冷媒を蒸発させて冷却能力を発揮するとともに、冷媒流出側が前記圧縮機(10)の吸入側に接続される第1蒸発器(13)と、
    前記冷媒吸引口(12c)に吸引される冷媒の通路(15、150)に配置され、冷媒を蒸発させて冷却能力を発揮する第2蒸発器(17)とを備え、
    前記第1蒸発器(13)を配置した冷蔵庫側の室内壁面を前記第1蒸発器(13)により庫内空気の露点温度以上に加温して前記冷蔵庫側の加温運転を行うときは、前記圧縮機(10)を起動するとともに、前記第1蒸発器(13)の冷媒蒸発温度が前記庫内空気の露点温度以上に上昇するように前記第1蒸発器(13)の風量を所定値以上に制御することを特徴とするエジェクタサイクル。
  5. 前記第2蒸発器(17)の入口部に可変絞り機構(16)が設けられていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載のエジェクタサイクル。
  6. 前記冷蔵庫側の加温運転を制御する電気制御装置(20)と、
    前記電気制御装置(20)に加温運転の指令を出す加温スイッチ(26a)とを備えることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載のエジェクタサイクル。
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