JP4835296B2 - エジェクタ式冷凍サイクル - Google Patents

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Description

本発明は、エジェクタを有するエジェクタ式冷凍サイクルに関する。
従来、特許文献1に、圧縮機吐出冷媒を放熱させる放熱器の下流側、かつエジェクタのノズル部上流側の分岐部で冷媒の流れを分岐して、分岐された一方の冷媒をノズル部側へ流入させ、他方の冷媒をエジェクタの冷媒吸引口側へ流入させるエジェクタ式冷凍サイクルが開示されている。
この特許文献1のエジェクタ式冷凍サイクルでは、エジェクタのディフューザ部下流側にエジェクタから流出した冷媒を蒸発させる第1蒸発器を配置し、さらに、分岐部とエジェクタの冷媒吸引口の間に、冷媒を減圧させる絞り機構および冷媒を蒸発させて冷媒吸引口上流側に流出する第2蒸発器を配置して、双方の蒸発器において冷媒が吸熱作用を発揮できるようにしている。
また、エジェクタのディフューザ部の昇圧作用によって、第1蒸発器における冷媒蒸発圧力(冷媒蒸発温度)を第2蒸発器における冷媒蒸発圧力(冷媒蒸発温度)よりも上昇させて、それぞれの蒸発器において異なる温度帯で冷媒が蒸発できるようにしている。さらに、第1蒸発器の下流側を圧縮機吸入側に接続して、圧縮機吸入冷媒圧力を上昇させることで、圧縮機駆動動力を低減させてサイクル効率(COP)の向上を図っている。
特開2005−308380号公報
さらに、本発明者らは、先に、特願2006−36532号(以下、先願例という。)にて、特許文献1のエジェクタ式冷凍サイクルに、放熱器12出口側冷媒と圧縮機11吸入側冷媒とを熱交換させる内部熱交換器21を設けたサイクル(図6に示す。)を提案している。
ここで、この先願例のサイクルの通常運転時における内部熱交換器21の作用を図7により説明する。なお、図7は、先願例のサイクルの冷媒の状態を示したモリエル線図であり、通常運転時の冷媒の状態を破線で示し、二点鎖線は等温線を示している。
図7の破線に示すように、先願例のサイクルの通常運転時において、内部熱交換器21は、放熱器12出口側冷媒のエンタルピを、a→bに示すように減少させ、圧縮機11吸入側冷媒のエンタルピを、c→dに示すように増大させるように作用する。その結果、それぞれの蒸発器15、18における冷媒入口・出口間の冷媒のエンタルピ差を拡大できるので、サイクルの冷凍能力を増大できる。
ところで、先願例のサイクルを車両用空調装置に適用した場合、冬季の低外気温時に車室内を暖房する際等に、車室内吹出空気の除湿を目的として、サイクルを運転させる(以下、このような運転を低外気温除湿運転という。)ことがある。そして、それぞれの蒸発器15、18において除湿された冷風を、エンジン冷却水を熱源とするヒータコアにて再加熱して車室内に吹き出している。
この低外気温除湿運転時は、車室内の冷房を行う通常運転時に対して冷凍サイクルに要求される冷凍能力が少なくなるので、通常運転時に対して圧縮機の冷媒吐出能力を低下させた状態でサイクルが運転される。
従って、通常運転時に対して、冷凍サイクルの高圧側冷媒圧力と低圧側冷媒圧力との高低圧差が小さくなり、冷凍サイクル内を循環する冷媒流量も少なくなる。具体的には、この低外気温除湿運転時の冷媒の状態は、図7の実線で示すように、通常運転時の高低圧冷媒の高低圧差ΔPnに対して、低外気温除湿運転時の高低圧差ΔPdhが縮小する。
さらに、低外気温除湿運転時には、放熱器12において高圧側冷媒が低温の外気と熱交換して充分に放熱し、さらに、それぞれの蒸発器15、18において低圧側冷媒が高温の内気と熱交換して吸熱するので、放熱器12出口側冷媒温度が圧縮機11吸入側冷媒温度よりも低くなってしまうことがある。
そして、放熱器12出口側冷媒温度が圧縮機11吸入側冷媒温度よりも低くなってしまうと、内部熱交換器21は、放熱器12出口側冷媒のエンタルピを、図7のe→fに示すように増大させ、圧縮機11吸入側冷媒のエンタルピを、図7のg→hに示すように減少させるように作用してしまう。
つまり、内部熱交換器21において、それぞれの蒸発器15、18における冷媒入口・出口間の冷媒のエンタルピ差を縮小させて、サイクルの冷凍能力を低下させてしまうという好ましくない熱交換が行われてしまう。
さらに、低外気温除湿運転時には、外気温に対して、車室内温度が高くなるので、放熱器12出口側冷媒を絞り手段17入口側へ導く冷媒通路が車室内に配置されていると、この冷媒通路を通過する冷媒が車室内空気に加熱されてエンタルピを増加させてしまうことがある。
上述の内部熱交換器21における好ましくない熱交換および上記の冷媒通路通過時の加熱によって、放熱器12出口側冷媒のエンタルピが増大して気液二相状態になり、この気液二相状態の冷媒が絞り手段17に流入すると、液相冷媒中に存在する気泡が絞り手段17の小さい開度の冷媒通路を塞いでしまい、冷媒の流れを遮断してしまう。
さらに、前述の如く、低外気温除湿運転時においては、サイクル内を循環する冷媒流量が少なくなるので、上記の気泡を押し流すこともできない。そのため、第2蒸発器18に冷媒が供給されなくなり、サイクルが所望の冷凍能力(除湿能力)を発揮できないという問題(いわゆる、ベーパロックの問題)が発生してしまう。
本発明は、上記点に鑑み、エジェクタのノズル部上流側で分岐された冷媒を減圧膨張させる絞り手段におけるベーパロックの発生を抑制することを目的とする。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、圧縮機(11)から吐出された高圧冷媒と室外の空気とを熱交換させて、高圧冷媒を放熱させる放熱器(12)と、放熱器(12)出口側冷媒の流れを分岐する分岐部(Z)と、分岐部(Z)で分岐された一方の冷媒を減圧膨張させるノズル部(14a)から噴射する高速度の冷媒流によって、冷媒を冷媒吸引口(14b)から吸引するエジェクタ(14)と、分岐部(Z)で分岐された他方の冷媒を減圧膨張させる絞り手段(17)と、絞り手段(17)下流側の低圧冷媒を蒸発させて、冷媒吸引口(14b)上流側に流出する蒸発器(18)とを備え、
放熱器(12)出口側から絞り手段(17)入口側へ至る冷媒通路のうち少なくとも一部には、冷媒通路の内部と外部との熱移動を抑制する断熱材(16a)が設けられており、蒸発器(18)は、絞り手段(17)下流側の低圧冷媒を、空調対象空間に送風される空気と熱交換させることによって蒸発させ、分岐部(Z)から絞り手段(17)へ至る冷媒分岐通路(16)の少なくとも一部は、室外と空調対象空間を含む室内とを仕切る部材によって仕切られた空間のうち室内側に配置され、断熱材(16a)は、冷媒分岐通路(16)のうち、室外と室内とを仕切る部材によって仕切られた空間のうち室内側に配置された部位のみに設けられているエジェクタ式冷凍サイクルを特徴とする。
これによれば、放熱器(12)出口側から絞り手段(17)入口側へ至る冷媒通路のうち少なくとも一部には、上記冷媒通路の内部と外部との熱移動を抑制する断熱材(16a)が設けられているので、冷媒通路を通過する冷媒の温度よりも、冷媒通路の外部の温度が高くなる運転条件において、冷媒が冷媒通路で加熱されてしまうことを抑制できる。
その結果、冷媒通路を通過して絞り手段(17)へ流入する冷媒のエンタルピが増大することを抑制できるので、絞り手段(17)へ流入する冷媒が気液二相状態になることを抑制して、絞り手段(17)におけるベーパロックの発生を抑制できる。
なお、本請求項における空調対象空間とは、温度、湿度等が目的に適合するように処理調整される空間を意味する。従って、冷房、暖房される室内空間のみを意味するだけでなく、食品などの腐敗を防ぐために低温貯蔵する冷蔵庫内空間、食品などを凍結させて保存する冷凍庫内空間等も含まれる。
請求項2に記載の発明のように、請求項1に記載のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、分岐部(Z)へ流入する冷媒と、圧縮機(11)へ吸入される冷媒とを熱交換させる内部熱交換器(21)を備えていてもよい。
請求項3に記載の発明のように、請求項1に記載のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、分岐部(Z)からノズル部(14a)へ流れる冷媒と、圧縮機(11)へ吸入される冷媒とを熱交換させる内部熱交換器(21)を備えていてもよい。
請求項4に記載の発明のように、請求項2または3に記載のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、内部熱交換器(21)は、室外と室内とを仕切る部材によって仕切られた空間のうち室外側に配置されていてもよい。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態のうち、第3実施形態が特許請求の範囲に記載した発明の実施形態であり、第1実施形態は本発明の前提となる形態であり、第2、第4実施形態は、参考例として示す形態である。
(第1実施形態)
図1〜2により、本発明のエジェクタ式冷凍サイクル10を車両用冷凍サイクル装置に適用した例を説明する。図1は、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10の全体構成図である。エジェクタ式冷凍サイクル10において、冷媒を吸入圧縮する圧縮機11は、電磁クラッチ11a、ベルト等を介して図示しない車両エンジンにより回転駆動される。
この圧縮機11としては、吐出容量の変化により冷媒吐出能力を調整できる可変容量型圧縮機、あるいは電磁クラッチ11aの断続により圧縮機作動の稼働率を変化させて冷媒吐出能力を調整する固定容量型圧縮機のいずれを使用してもよい。また、圧縮機11として電動圧縮機を使用すれば、電動モータの回転数調整により冷媒吐出能力を調整できる。
圧縮機11の冷媒吐出側には、放熱器12が接続されている。放熱器12は圧縮機11から吐出された高圧冷媒と放熱器用送風手段を構成する電動送風機13により送風される外気(車室外空気)とを熱交換させて高圧冷媒を冷却するものである。
電動送風機13は、周知の遠心多翼ファンを電動モータ13aにて回転駆動させる構成になっており、電動モータ13aの回転数は、後述する空調制御装置30から出力される制御電圧によって制御される。
なお、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10では、冷媒として通常のフロン系冷媒を採用し、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界サイクルを構成している。従って、放熱器12は冷媒を凝縮させる凝縮器として機能する。
さらに、本実施形態の放熱器12は、冷媒を凝縮させる凝縮用熱交換部と、この凝縮用熱交換部で冷却された冷媒の気液を分離するレシーバ12aと、このレシーバ12aからの飽和液相冷媒を過冷却する過冷却用熱交換部とを有して構成されている。つまり、本実施形態の放熱器12は、いわゆるサブクール型凝縮器である。
放熱器12出口側には、内部熱交換器21の高圧側冷媒流路21aが接続されている。この内部熱交換器21は、高圧側冷媒流路21aを通過する放熱器12出口側冷媒と低圧側冷媒流路21bを通過する圧縮機11吸入側冷媒との間で熱交換を行うものである。
この内部熱交換器21の具体的構成としては種々なものを採用できるが、本実施形態では、2重管式の熱交換器構成を採用している。具体的には、高圧側冷媒流路21aを形成する外側管の内側に低圧側冷媒流路21bを形成する内側管を配置した構成になっている。
内部熱交換器21の高圧側冷媒流路21aの出口側には、冷媒の流れを分岐する分岐点Zが設けられ、分岐点Zで分岐された一方の冷媒は、エジェクタ14のノズル部14a側に流入し、他方の冷媒は冷媒分岐通路16を介して、エジェクタ14の冷媒吸引口14b側に流入するようになっている。
エジェクタ14は、冷媒を減圧する減圧手段であるとともに、高速で噴出する冷媒流の吸引作用によって冷媒の循環を行う冷媒循環手段でもある。
また、エジェクタ14は、内部熱交換器21の高圧側冷媒流路21a出口側から流入する高圧冷媒の通路面積を小さく絞って、高圧冷媒を等エントロピ的に減圧膨張させるノズル部14aと、ノズル部14aの冷媒噴射口と連通するように配置されて後述する第2蒸発器18から流出した冷媒を吸引する冷媒吸引口14bとを有して構成される。
さらに、ノズル部14aおよび冷媒吸引口14bの冷媒流れ下流側部位には、ノズル部14aから噴射する高速度の冷媒流と冷媒吸引口14bからの吸引冷媒とを混合する混合部14cが設けられ、混合部14cの冷媒流れ下流側には昇圧部をなすディフューザ部14dが設けられている。
ディフューザ部14dは冷媒通路面積を徐々に大きくする形状に形成されており、冷媒流れを減速して冷媒圧力を上昇させる作用、つまり、冷媒の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換する作用を果たす。さらに、エジェクタ14のディフューザ部14d出口側には第1蒸発器15が接続される。
第1蒸発器15は、内部を通過する低圧冷媒と電動送風機19により送風される空気(内気または外気)と熱交換させることによって、冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる吸熱器である。電動送風機19は、前述の電動送風機13と同様の構成で、電動送風機19の電動モータ19aの回転数も、空調制御装置30から出力される制御電圧によって制御される。
なお、第1蒸発器15は車両用空調装置の室内空調ユニット(図示せず)の空気通路を形成するケース内に配置されて、このケース内を通過して車室内へ吹き出される空気を冷却する冷却手段を構成している。つまり、本実施形態では、第1蒸発器15は車室内空調用として用いられており、第1蒸発器15の空調対象空間は車室内となる。
また、上記室内空調ユニットのケース内のうち第1蒸発器15の空気流れ下流側には、空気を加熱する加熱手段を構成するヒータコア(図示せず)等が配置され、このヒータコアの加熱度合いにより温度調整および湿度調整された空調風がケースの空気流れ下流側端部の吹出口(図示せず)から車室内へ吹き出すようになっている。
第1蒸発器15の冷媒出口側には、前述の内部熱交換器21の低圧側冷媒流路21bが接続され、低圧側冷媒流路21bの出口側には圧縮機11吸入側が接続されている。
一方、分岐点Zで分岐された他方の冷媒は冷媒分岐通路16を介して、エジェクタ14の冷媒吸引口14b側に流入する。この冷媒分岐通路16には絞り手段17が配置され、この絞り手段17よりも冷媒流れ下流側には第2蒸発器18が配置されている。絞り手段17は第2蒸発器18へ流入する冷媒を減圧膨張させる減圧手段であって、具体的にはキャピラリチューブやオリフィスのような固定絞りで構成されている。
第2蒸発器18は、内部を通過する低圧冷媒と蒸発器用送風手段である電動送風機20により送風される空気と熱交換させることによって、冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる吸熱器である。電動送風機20は、電動送風機13、19と同様の構成で、電動送風機20の電動モータ20aの回転数も、空調制御装置30から出力される制御電圧によって制御される。
なお、第2蒸発器18は車室内に配置された冷蔵庫内へ吹き出される空気を冷却する冷却手段を構成している。つまり、本実施形態では、第2蒸発器18は冷蔵庫内の冷却用として用いられており、第2蒸発器18の空調対象空間(冷却対象空間)は冷蔵庫内となる。また、電動送風機20は冷蔵庫内空気を第2蒸発器18に向けて送風するようになっており、第2蒸発器18にて冷却された冷風を冷蔵庫内に循環させている。
さらに、本実施形態では、図1の太破線に示すように、上記の構成のうち、圧縮機11、放熱器12、内部熱交換器21、分岐部Zおよび冷媒分岐通路16の絞り手段17上流側を車室外に配置している。
なお、本実施形態の車室外とは、乗員が搭乗する車室の外部を意味し、エンジンルーム内、車室の床下等も車室外に含まれる。エンジンルーム内や車室の床下等についても、車両走行動圧(ラム圧)による走行風が流入するため、車室外と同等の温度環境となりうるからである。
より具体的には、本実施形態では、圧縮機11、放熱器12および内部熱交換器21をエンジンルーム内に配置し、内部熱交換器21の高圧側冷媒流路21a下流側の分岐部Zおよび冷媒分岐通路16の絞り手段17上流側を車両床下に配置している。さらに、本実施形態の車室外は、空調対象空間の外部に相当する。
一方、上記の構成のうち、エジェクタ14、第1蒸発器15、絞り手段17および第2蒸発器18は車室内に配置されている。なお、本実施形態の車室内とは、乗員が搭乗する車室の内部のみを意味するものではなく、エンジンルームと車室内を仕切るダッシュパネルより車室内側等も含まれる。
つまり、ダッシュパネルと車両計器板等が配置されるインストルメントパネルとの間の空間等も車室内に含まれる。なお、前述の室内空調ユニットは、ダッシュパネルとインストルメントパネルとの間の空間に配置されている。
空調制御装置30は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。この空調制御装置30は、そのROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行って、各種の電気式のアクチュエータ13a、19a、20a等の作動を制御する。
また、空調制御装置30には、外気温(車室外温度)を検出する外気センサ等のセンサ群の検出値や、車両用空調装置を作動させる作動スイッチ等が設けられた操作パネルの各種操作信号が入力される。なお、図1では、空調制御装置30も車室内に配置されているが、空調制御装置30の配置は車室外であってもよい。
次に、上述の構成において本実施形態の作動について説明する。まず、車室内を冷房し、冷蔵庫内を冷却する通常運転時について説明する。操作パネルの作動スイッチが投入されると、圧縮機11に車両エンジンにより駆動力が伝達される。圧縮機11で圧縮され吐出された高温高圧状態の気相冷媒は放熱器12に流入する。
放熱器12の凝縮用熱交換部では高温高圧の気相冷媒が外気により冷却されて凝縮し、凝縮した冷媒はレシーバ12a内において気相冷媒と液相冷媒とに分離され、この液相冷媒が過冷却用熱交換部において、さらに冷却されて内部熱交換器21の高圧側冷媒流路21aに流入する。
ここで、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの通常運転時における内部熱交換器21の作用を図2により説明する。なお、図2は、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの冷媒の状態を示したモリエル線図であり、通常運転時の冷媒の状態を破線で示し、後述する低外気温除湿運転時の冷媒の状態を実線で示し、二点鎖線は等温線を示している。
通常運転時には、内部熱交換器21において、高圧側冷媒流路21aの高温の高圧液相冷媒と低圧側冷媒流路21bの低温の低圧冷媒との間で熱交換が行われる。従って、先願例のサイクルと同様に、内部熱交換器21は、放熱器12出口側冷媒のエンタルピを、a→bに示すように減少させ、圧縮機11吸入側冷媒のエンタルピを、c→dに示すように増大させるように作用する。
内部熱交換器21の高圧側冷媒流路21aから流出した冷媒は、分岐点Zにてエジェクタ14に向かう冷媒流れと、分岐冷媒通路16に向かう冷媒流れとに分流する。
エジェクタ14に流入した冷媒流れはノズル部14aで減圧され膨張する。これにより、ノズル部14aで冷媒の圧力エネルギーが速度エネルギーに変換され、このノズル部14aの噴出口から冷媒は高速度となって噴出する。この際の冷媒吸引作用により、冷媒吸引口14bから分岐冷媒通路16の第2蒸発器18通過後の冷媒を吸引する。
ノズル部14aから噴出した冷媒と冷媒吸引口14bに吸引された冷媒は、ノズル部14a下流側の混合部14cで混合してディフューザ部14dに流入する。このディフューザ部14dでは通路面積の拡大により、冷媒の速度(膨張)エネルギーが圧力エネルギーに変換されるため、冷媒の圧力が上昇する。
エジェクタ14のディフューザ部14dから流出した冷媒は第1蒸発器15に流入する。第1蒸発器15では、低圧冷媒が電動送風機19の送風空気から吸熱して蒸発する。この第1蒸発器15通過後の冷媒は内部熱交換器21の低圧側冷媒流路21bに流入して、内部熱交換器21の高圧側冷媒流路21aの高圧冷媒と熱交換する。そして、低圧側冷媒流路21b通過後の気相冷媒は圧縮機11に吸入され再び圧縮される。
一方、分岐冷媒通路16に流入した冷媒流れは絞り手段17で減圧されて低圧冷媒となり、この低圧冷媒が第2蒸発器18に流入する。第2蒸発器18では、低圧冷媒が電動送風機20の送風空気から吸熱して蒸発する。この第2蒸発器18通過後の気相冷媒は冷媒吸引口14bからエジェクタ14内に吸引される。
上記の如く作動することで、第1、2蒸発器15、18の双方に冷媒を供給できるので、第1、2蒸発器15、18で同時に冷却作用を発揮できる。その際に、第1蒸発器15の冷媒蒸発圧力はディフューザ部14dで昇圧した後の圧力となり、一方、第2蒸発器18の冷媒蒸発圧力はノズル部14aでの減圧直後の圧力となる。
これにより、第1蒸発器15の冷媒蒸発圧力(冷媒蒸発温度)よりも第2蒸発器18の冷媒蒸発圧力(冷媒蒸発温度)を低くすることができる。本実施形態では、第1蒸発器15を車室内空調用として用い、第2蒸発器18を冷蔵庫内の冷却用として用いているので、車室内冷房温度よりも車載の冷凍冷蔵庫内の冷却温度を低くすることができる。
しかも、エジェクタ14のディフューザ部14dでの昇圧作用によって圧縮機11の吸入圧を上昇できる分だけ、圧縮機11の圧縮仕事量を低減できるので、圧縮機11の省動力効果を得ることができる。さらに、内部熱交換器21の作用によって、第1、2蒸発器15、18における冷媒入口・出口間の冷媒のエンタルピ差を拡大できるので、サイクルの冷凍能力を増大できる。その結果、サイクル効率(COP)を向上させることができる。
ところで、車両用空調装置では、冬季の低外気温時であっても車室内吹出空気の除湿および冷蔵庫内の温度維持を目的として、エジェクタ式冷凍サイクルを運転させることがある。このような運転条件では、車室外の温度が第2蒸発器18の空調対象空間(冷却対象空間)の温度より低くなる運転条件となりうる。つまり、前述の低外気温除湿運転と同様の運転がなされることがある。
このような低外気温除湿運転では、前述の図7で説明したように、通常運転時に対して冷凍サイクルに要求される冷凍能力が少なくなり、サイクル熱負荷が小さくなる。そして、サイクルの高低圧差が小さくなるととともに、内部熱交換器21の好ましくない熱交換によって、絞り手段17におけるベーパロックが懸念される。
これに対して、本実施形態では、内部熱交換器21の高圧側冷媒流路21a出口側から絞り手段17入口側に至る冷媒通路の一部が、車室外に配置されている。従って、低外気温除湿運転時に、内部熱交換器21の高圧側冷媒流路21a出口側から絞り手段17入口側に至る冷媒通路を通過する冷媒を車室外の低温外気によって冷却することができる。
つまり、低外気温除湿運転時の内部熱交換器21の好ましくない熱交換によって放熱器12出口側冷媒が加熱されてしまう場合でも、低温外気によって絞り手段17へ流入する冷媒を確実に再冷却することができる。
具体的には、低外気温除湿運転時において、内部熱交換器21が放熱器12出口側冷媒のエンタルピを、図2のe→fに示すように増加させてしまう場合でも、低温外気によって冷却することで、再びf→e’に示すように減少させることができる。従って、絞り手段17へ流入する冷媒が気液二相状態になることを抑制できる。その結果、絞り手段17におけるベーパロックの発生を抑制できる。
ここで、上述の構成の車両用空調装置を夏季の高外気温時に運転した場合について説明する。夏季の高外気温時には、もちろん、車室外の温度が第2蒸発器18の空調対象空間(冷却対象空間)の温度より高くなっている。さらに、この状態では、内部熱交換器21は放熱器12出口側冷媒のエンタルピを減少させるように作用する。
従って、内部熱交換器21の高圧側冷媒流路21a出口側から絞り手段17入口側に至る冷媒通路を通過する冷媒を車室外の高温空気によって再加熱されてしまうことが懸念される。ところが、圧縮機11から吐出された冷媒は放熱器12において外気と熱交換して放熱するものの、必ずしも外気と同等の温度まで冷却されない。
そのため、内部熱交換器21で冷却された高圧側冷媒流路21a流出冷媒と、外気温との温度差は僅かな値に過ぎない。従って、内部熱交換器21の高圧側冷媒流路21a出口側から絞り手段17入口側に至る冷媒通路が、車室外に配置されていても、内部熱交換器21による冷凍能力増大効果を大幅に損ねることもない。
(第2実施形態)
上述の第1実施形態では、内部熱交換器21の高圧側冷媒流路21aの下流側に分岐部Zを配置しているが、本実施形態では、図3に示すように、放熱器12出口側と内部熱交換器21入口側(具体的には、内部熱交換器21の高圧側冷媒流路21a入口側)との間に分岐部Zを配置している。さらに、分岐部Z下流側の冷媒分岐通路16の一部が車室内に配置されている。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
上記の構成において本実施形態の作動について説明する。まず、車室内を冷房して、冷蔵庫を作動させる通常運転時は、第1実施形態と同様に、圧縮機11で圧縮され吐出された高温高圧状態の気相冷媒は放熱器12に流入して外気により冷却されて凝縮する。そして、高圧冷媒はレシーバ12aにて気液分離された冷媒のうち、液相冷媒が分岐部Zで分岐されて、一方の冷媒が、内部熱交換器21の高圧側冷媒流路21aに流入する。
内部熱交換器21の高圧側冷媒流路21aに流入した冷媒は、第1実施形態と同様に、エンタルピが減少されて、エジェクタ14のノズル部14aに流入して減圧されて膨張する。
そして、ノズル部14aから噴射された冷媒は、冷媒吸引口14bから吸引された第2蒸発器18通過後の冷媒と混合されて、ディフューザ部14dにて昇圧されて第1蒸発器15に流入する。第1蒸発器15に流入した冷媒は、電動送風機19の送風空気から吸熱して蒸発し、内部熱交換器21の低圧側冷媒流路21bを介して圧縮機11に吸入される。
一方、分岐冷媒通路16に流入した冷媒流れは絞り手段17で減圧されて低圧冷媒となり、この低圧冷媒が第2蒸発器18に流入する。第2蒸発器18に流入した冷媒は、電動送風機20の送風空気から吸熱して蒸発する。この第2蒸発器18通過後の気相冷媒は冷媒吸引口14bからエジェクタ14内に吸引される。
上記の如く作動することで、通常運転時には、第1実施形態と同様に、第1、2蒸発器15、18において異なる温度帯で同時に冷却作用を発揮できる。しかも、内部熱交換器21の作用によって、第1蒸発器15における冷媒入口・出口間の冷媒のエンタルピ差を拡大できるので、サイクル効率(COP)を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、分岐部Zが放熱器12出口側と内部熱交換器21入口側との間に配置されているので、絞り手段17へ流入する冷媒が、内部熱交換機21を通過することがない。従って、例えば、前述の低外気温除湿運転においても、内部熱交換器21にて絞り手段17に流入する冷媒が加熱されることがない。その結果、第1実施形態と同様に、絞り手段17におけるベーパロックの発生を抑制できる。
(第3実施形態)
上述の第1実施形態では、エジェクタ式冷凍サイクル10のうち、圧縮機11、放熱器12、内部熱交換器21、分岐部Zおよび冷媒分岐通路16の絞り手段17上流側を車室外に配置しているが、本実施形態では、図4に示すように、分岐部Z下流側の冷媒分岐通路16の一部が車室内に配置されている。
さらに、冷媒分岐通路16のうち車室内に配置された部分の外周には冷媒分岐通路16の内部と外部との熱移動を抑制する断熱材16aが設けられている。具体的には、この断熱材16aとして、樹脂発泡材等が採用されており、冷媒分岐通路16の外周に巻き付けられている。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
上記の構成において本実施形態の作動について説明する。まず、上述の通常運転時は、第1実施形態と同様に作用する。従って、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、本実施形態では、冷媒分岐通路16のうち車室内に配置された部分の外周に断熱材16aが設けられているので、例えば、前述の低外気温除湿運転のように、冷媒分岐通路16を通過する冷媒の温度よりも、冷媒通路の外部である車室内温度が高くなる運転条件において、冷媒が冷媒通路で加熱されてしまうことを抑制できる。
その結果、第1実施形態と同様に、絞り手段17へ流入する冷媒が気液二相状態になることを抑制して、絞り手段17におけるベーパロックの発生を抑制できる。
(第4実施形態)
上述の第1実施形態では、エジェクタ式冷凍サイクル10のうち、圧縮機11、放熱器12、内部熱交換器21、分岐部Zおよび冷媒分岐通路16の絞り手段17上流側を車室外に配置しているが、本実施形態では、図5に示すように、分岐部Z下流側の冷媒分岐通路16の一部が車室内に配置されている。
さらに、圧縮機11吐出冷媒を放熱器12下流側へバイパスさせるバイパス通路31、このバイパス通路31を開閉する開閉手段を構成する電磁弁32、放熱器12下流側冷媒圧力を検出する高圧圧力センサ33、第2蒸発器18下流側冷媒圧力を検出する低圧圧力センサ34が設けられている。
この電磁弁32は、空調制御装置30から出力される制御電圧によって開閉され、高圧圧力センサ33および低圧圧力センサ34の検出信号は、空調制御装置30に入力される。
ここで、高圧圧力センサ33は高圧側冷媒圧力を検出する検出手段であり、低圧圧力センサ34は低圧側冷媒圧力を検出する検出手段なので、各圧力センサ33、34によって高低圧差検出手段が構成される。さらに、本実施形態では、高低圧差が予め定めた値以下になったとき、空調制御装置30が、電磁弁32を開弁させるようになっている。
上記の構成において本実施形態の作動について説明する。まず、上述の通常運転時は、第1実施形態と同様に作用する。従って、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、本実施形態では、高低圧差が小さくなると空調制御装置30が電磁弁32を開弁させるので、例えば、前述の低外気温除湿運転のように、高低圧差が小さくなる運転条件において、圧縮機11吐出冷媒の一部を、バイパス通路31を介して、放熱器12下流側に導くことができる。
そして、バイパス通路31を通過した圧縮機11吐出冷媒の一部は、放熱器12において冷却されることなく、放熱器12下流側へ導かれるので、放熱器12における圧縮機11吐出冷媒の凝縮量を低下させて、高圧側冷媒圧力を上昇させることができる。従って、絞り手段17へ流入する冷媒の圧力を、電磁弁32を開弁させる前よりも上昇させることができる。
これにより、絞り手段17の上流側と下流側との圧力差が拡大し、絞り手段17を通過する冷媒流量を増加させることができるので、低外気温除湿運転時のベーパロックの発生原因となる気泡が絞り手段17の冷媒通路を塞いでしまっていても、この気泡を押し流すことができる。その結果、絞り手段17におけるベーパロックの発生を抑制できる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の各実施形態では、第1蒸発器15を車室内空調用に用い、第2蒸発器18を冷蔵庫内冷却用に用いているが、第1、2蒸発器15、18の用途は、これに限定されない。
例えば、第1、2蒸発器15、18を車室内空調用に用いてもよい。すなわち、第1、2蒸発器15、18によって同一の空調対象空間(冷却対象空間)を冷却するようにしてもよい。なお、この場合は、電動送風機19、20のうちいずれか一方を廃止できるので、部品点数低減によるコストダウン効果を得ることもできる。
また、第1、2蒸発器15、18によって同一の空調対象空間(冷却対象空間)を冷却する場合は、第1、2蒸発器15、18を同一の材料(例えば、アルミニウム材)等で構成して、ろう付け手段によって一体化してもよい。さらに、例えば、第1実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、第1蒸発器15、第2蒸発器18、絞り手段17およびエジェクタ14を一体化してもよい。
具体的には、エジェクタ14を第2蒸発器18のヘッダタンク内部に収容し、キャピラリチューブで構成された絞り手段17を第1蒸発器15および第2蒸発器18のヘッダタンク外壁面に沿って接合する構成にすればよい。
(2)上述の各実施形態では、エジェクタ14のディフューザ部14dの下流側に第1蒸発器15を配置しているが、この第1蒸発器15を廃止してもよい。さらに、この場合は、放熱器12のレシーバ12aを廃止して、ディフューザ部14d出口側と圧縮機11吸入側との間に、冷媒の気液を分離する気液分離器をなすアキュムレータを配置して、このアキュムレータから気相冷媒を圧縮機11吸入側に供給するようにしてもよい。
もちろん、上述の各実施形態のサイクル構成において、レシーバ12aを廃止して上記のアキュムレータを設けてもよい。
(3)上述の各実施形態では、絞り手段17をキャピラリチューブやオリフィスのような固定絞りで構成しているが、さらにベーパロックを抑制するために、各実施形態の絞り手段17の絞り形状を変更してもよい。具体的には、キャピラリチューブを採用している場合はチューブ内径の拡大化やチューブ長さの短縮化等を行えばよい。また、オリフィスを採用している場合は冷媒通路面積の拡大化等を行えばよい。
(4)上述の第2実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルに、第3実施形態の断熱材16aを適用してもよい。すなわち、第2実施形態の構成で、冷媒分岐通路16のうち車室内に配置された部分の外周に断熱材16aを設けてもよい。
これによれば、低外気温除湿運転時に、絞り手段17に流入する冷媒が内部熱交換器21および冷媒通路のいずれにおいても加熱されることがないので、より一層、絞り手段17に流入する冷媒が加熱されてエンタルピを増加させることを防止できる。
(5)上述の第4実施形態では、高圧圧力センサ33および低圧圧力センサ34によって、高低圧差検出手段を構成しているが、高低圧差検出手段はこれに限定されない。
例えば、放熱器用送風手段である電送送風機13の送風量と蒸発器用送風手段である電動送風機20の送風量との差に基づいて、高低圧差を検出するようになっていてもよい。一般的に、放熱器用送風手段の送風量が増加すると高圧側冷媒圧力が低下し、蒸発器用送風手段の送風量が増加すると低圧側冷媒圧力が上昇する。従って、放熱器用送風手段の送風量と蒸発器用送風手段の送風量との差に基づいて、高低圧差を検出できる。
具体的には、例えば、第4実施形態のサイクルにおいて、空調制御装置30から各電動送風機13、20に出力される制御電圧と各電動送風機13、20の送風量との関係を示すマップ、電動送風機13の送風量と高圧側冷媒圧力との関係を示すマップ、電動送風機20の送風量と低圧側冷媒圧力との関係を示すマップ等を予め空調制御装置30に記憶させておき、空調制御装置30において各制御電圧に基づいて上記各マップを参照して高低圧差を決定すればよい。
また、放熱器用送風手段の送風空気温度と蒸発器用送風手段の送風空気温度との差に基づいて、高低圧差を検出するようになっていてもよい。一般的に、放熱器用送風手段の送風空気温度が上昇すると高圧側冷媒圧力が低下し、蒸発器用送風手段の送風空気温度が上昇すると低圧側冷媒圧力が上昇する。従って、放熱器用送風手段の送風空気温度と蒸発器用送風手段の送風空気温度との差に基づいて、高低圧差を検出できる。
具体的には、例えば、第4実施形態のサイクルにおいて、車室外温度を検出する外気温センサおよび冷蔵庫内温度を検出する庫内温度センサを設け、外気温センサによって放熱器用送風手段の送風空気温度を検出し、庫内温度センサによって蒸発器用送風手段の送風空気温度を検出する。
さらに、放熱器用送風手段の送風空気温度と高圧側冷媒圧力との関係を示すマップ、蒸発器用送風手段の送風空気温度と低圧側冷媒圧力との関係を示すマップ等を予め空調制御装置30に記憶させておき、空調制御装置30において外気温センサおよび庫内温度センサの各検出値に基づいて上記各マップを参照して高低圧差を算定すればよい。
(6)上述の第4実施形態では、圧縮機11吐出冷媒を放熱器12下流側へバイパスさせるバイパス通路31およびバイパス通路31を開閉する開閉手段を構成する電磁弁32を設け、高低圧差が予め定めた値以下になったとき、電磁弁32を開弁させることで高圧側冷媒圧力を上昇させているが、高圧側冷媒圧力を上昇させる手段は、これに限定されない。
例えば、放熱器用送風手段の作動を制御する制御手段を設けて、高低圧差が予め定めた値以下になったとき、制御手段が放熱器用送風手段の作動を停止するようになっていてもよい。具体的には、上述の第4実施形態のサイクルにおいて、高低圧差が予め定めた値以下になったとき、空調制御装置30が電動送風機13の作動を停止させてもよい。
また、放熱器用送風手段の送風空気の流れを遮断する遮断機構と、遮断機構の作動を制御する制御手段とを設けて、高低圧差が予め定めた値以下になったとき、制御手段が送風空気の流れを遮断するように遮断機構を作動させてもよい。
具体的には、上述の第4実施形態のサイクルにおいて、電動送風機13と放熱器12との間に、空調制御装置30の制御信号によって作動する遮断機構を配置する。この遮断機構としては、スライド式の開閉ドア等を採用できる。そして、高低圧差が予め定めた値以下になったとき、空調制御装置30が、送風空気の流れを遮断するように遮断機構を作動させてもよい。
(7)上述の各実施形態では、車両用の冷凍サイクルについて説明したが、車両用に限らず、定置用等の冷凍サイクルに対しても本発明を同様に適用できることはもちろんである。
(8)上述の実施形態では、放熱器12を冷媒と外気とを熱交換させる室外側熱交換器とし、第1、2蒸発器15、18を室内側熱交換器として車室内および冷蔵庫内の冷却用に適用しているが、逆に、第1、2蒸発器15、18を外気等の熱源から吸熱する室外側熱交換器として構成し、放熱器12を空気あるいは水等の被加熱流体を加熱する室内側熱交換器として構成するヒートポンプサイクルに本発明を適用してもよい。
第1実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 第1実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルのモリエル線図である。 第2実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 第3実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 第4実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 先願例のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 先願例のエジェクタ式冷凍サイクルのモリエル線図である。
符号の説明
11…圧縮機、12…放熱器、13、20…電動送風機、14…エジェクタ、
14a…ノズル部、14b…冷媒吸引口、16a…断熱材、17…絞り手段、
18…第2蒸発器、21…内部熱交換器、30…空調制御装置、31…バイパス通路、
32…電磁弁、33…高圧圧力センサ、34…低圧圧力センサ。

Claims (4)

  1. 冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、
    前記圧縮機(11)から吐出された高圧冷媒と室外の空気とを熱交換させて、前記高圧冷媒を放熱させる放熱器(12)と、
    前記放熱器(12)出口側冷媒の流れを分岐する分岐部(Z)と、
    前記分岐部(Z)で分岐された一方の冷媒を減圧膨張させるノズル部(14a)から噴射する高速度の冷媒流によって、冷媒を冷媒吸引口(14b)から吸引するエジェクタ(14)と、
    前記分岐部(Z)で分岐された他方の冷媒を減圧膨張させる絞り手段(17)と、
    前記絞り手段(17)下流側の低圧冷媒を蒸発させて、前記冷媒吸引口(14b)上流側に流出する蒸発器(18)とを備え、
    前記放熱器(12)出口側から前記絞り手段(17)入口側へ至る冷媒通路のうち少なくとも一部には、前記冷媒通路の内部と外部との熱移動を抑制する断熱材(16a)が設けられており、
    前記蒸発器(18)は、前記絞り手段(17)下流側の低圧冷媒を、空調対象空間に送風される空気と熱交換させることによって蒸発させ、
    前記分岐部(Z)から前記絞り手段(17)へ至る冷媒分岐通路(16)の少なくとも一部は、前記室外と前記空調対象空間を含む室内とを仕切る部材によって仕切られた空間のうち前記室内側に配置され、
    前記断熱材(16a)は、前記冷媒分岐通路(16)のうち、前記室外と前記室内とを仕切る部材によって仕切られた空間のうち前記室内側に配置された部位のみに設けられていることを特徴とするエジェクタ式冷凍サイクル。
  2. 前記分岐部(Z)へ流入する冷媒と、前記圧縮機(11)へ吸入される冷媒とを熱交換させる内部熱交換器(21)を備えることを特徴とする請求項1に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  3. 前記分岐部(Z)から前記ノズル部(14a)へ流れる冷媒と、前記圧縮機(11)へ吸入される冷媒とを熱交換させる内部熱交換器(21)を備えることを特徴とする請求項1に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  4. 前記内部熱交換器(21)は、前記室外と前記室内とを仕切る部材によって仕切られた空間のうち前記室外側に配置されていることを特徴とする請求項2または3に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
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