JP2007077223A - ポリ(トリアリールアミン) - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一般式(I)で表わされる構成単位を含有するポリ(トリアリールアミン)。
(式中、Ar1、Ar2、Ar4およびAr5は芳香族炭化水素もしくは芳香族複素環の二価基を、Ar6は不飽和炭化水素もしくは芳香族炭化水素もしくは芳香族複素環の二価基を、Ar3は芳香族炭化水素もしくは芳香族複素環の一価基を、R1およびR2はアルキル基もしくは芳香族炭化水素基を表わす。)
【選択図】なし
Description
これら機能素子のなかで、光電変換素子とりわけ太陽電池および電子写真感光体用ホール輸送材としてこれまで低分子系および高分子系の様々な材料が報告されているが、前者においてはさらなる高効率化、後者においてはプリントの高速化ならびに耐久性が求められている。
発光素子用の材料としては、低分子系および高分子系の様々な材料が報告されている。低分子系においては、種々の積層構造の採用により高効率化の実現が、またドーピング法をうまくコントロールすることにより耐久性の向上が報告されている。しかし、低分子集合体の場合には、長時間における経時での膜状態の変化が生じることが報告されており、膜の安定性に関して本質的な問題点を抱えている。一方、高分子系材料においては、これまで、主にPPV(poly-p-phenylenevinylene)系列やpoly-thiophene等について精力的に検討が行われてきた。しかしながら、これらの材料系は純度を上げることが困難であることや、本質的に蛍光量子収率が低いことが問題点として挙げられ、高性能な発光素子は得られていないのが現状である。しかし、高分子材料は本質的にガラス状態が安定であることを考慮すると、高蛍光量子効率を付与することができれば優れた発光素子の構築が可能となるため、この分野でさらなる改良が行われている。たとえば一例として繰り返し単位としてアリールアミンユニットを含む高分子材料を挙げることができる(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、非特許文献1)。
上記特許文献6は本発明者らが先に提案したものであるが、このアリールアミンユニットを有する高分子材料を含め前記の従来技術に示される高分子材料において、有機エレクトロニクス用素材における特性値である移動度の向上は目覚しいが、有機エレクトロニクス用素材とりわけ有機FET素子への応用を考慮すると、さらに高移動度の素材が望まれている。
即ち、本発明は以下の(1)〜(4)である。
(1)一般式(I)で表わされる構成単位を含有するポリ(トリアリールアミン)。
(2)一般式(II)で表わされる構成単位を含有するポリ(トリアリールアミン)。
(3)一般式(III)で表わされる構成単位を含有するポリ(トリアリールアミン)。
(4) 下記一般式(IV)で表されるジアルデヒド化合物と下記一般式(V)で表わされるジホスホン酸エステル化合物とを重合反応させることを特徴とする下記一般式(I)で表わされるポリ(トリアリールアミン)の製造方法。
本発明のポリ(トリアリールアミン)の製造方法は、例えばアルデヒドとホスホネートを用いたWittig−Horner反応、アルデヒドとホスホニウム塩を用いたWittig反応、ビニル置換体とハロゲン化物を用いたHeck反応、アミンとハロゲン化物を用いたUllmann反応などを用いることができ、公知の方法により製造可能である。特にWittig−Horner反応およびWittig反応は反応操作の簡便さから有効である。
反応に用いる塩基の量は、通常ホスホン酸エステル化合物の重合活性点に対して同量使用するだけでよいが、さらに過剰量用いても支障ない。
また、上記重合反応における重合時間は、用いられるモノマーの反応性、または望まれる重合体の分子量等に応じて適宜設定すればよいが、0.2時間〜30時間が好適である。
更に、上記重合反応における反応温度は特に制御する必要なく室温において良好に重合反応が進行するが、反応効率をより上げるために加熱したり、またはより温和な条件に冷却することも可能である。
また、機械的特性を改良するために重合時に分岐化剤を少量加えることもできる。使用される分岐化剤は、重合反応活性基を3つ以上(同種でも異種でもよい)有する化合物である。これらの分岐化剤は単独で使用してもよく、また複数併用してもよい。
前記一般式(I)における置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基としては単環基、多環基(縮合多環基、非縮合多環基)の何れでもよく、一例として以下のものを挙げることができる。例えばフェニル基、ナフチル基、ピレニル基、フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などが挙げられる。また芳香族複素環基としてはチオフェン、ベンゾチオフェン、ジチエニルベンゼン、フラン、ベンゾフラン、カルバゾール、等が挙げられ、不飽和炭化水素としては−CH=CH−、−CH=CH−CH=CH−が挙げられる。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)炭素数1〜25の無置換もしくは置換のアルキル基、アルコキシ基。
(3)アリールオキシ基。(アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するアリールオキシ基が挙げられる。これは、炭素数1〜25の無置換もしくは置換のアルキル基、炭素数1〜25の無置換もしくは置換のアルコキシ基、又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。)
(4)アルキルチオ基又はアリールチオ基。(アルキルチオ基又はアリールチオ基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。)
(5)アルキル置換アミノ基。(具体的には、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(p−トリル)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基等が挙げられる。)
(6)アシル基。(アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。)
(合成例1)
4,4’−ジホルミル−4’’−(2−エチルヘキシルオキシ)トリフェニルアミン7.0gおよび4−ブロモベンジルホスホン酸ジエチル10.0gを脱水N,N−ジメチルホルムアミド50mlに溶解し、これにカリウムt−ブトキシド4.81gを少量づつ添加した。添加後室温で2時間攪拌した後、酢酸で中和し内容物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗、乾燥し溶媒を留去したのちカラムクロマト処理(シリカゲル、溶離液:トルエン/ヘキサン=1/4)した。さらに酢酸エチル/エタノールの混合溶媒から再結晶して、黄色針状晶の4,4’−ビス(4−ブロモスチリル)−4’’−(2−エチルヘキシルオキシ)トリフェニルアミン7.8gを得た。融点117.0〜120.0℃
元素分析値(%)実測値(計算値)
C68.63(68.58) H5.62(5.62) N1.73(1.90) Br21.11(21.72)
赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)では964cm−1にトランスオレフィンにもとづく吸収が認められた。
4,4’−ビス(4−ブロモスチリル)−4’’−(2−エチルヘキシルオキシ)トリフェニルアミン3.0gを脱水テトラヒドロフラン30mlに溶解し、窒素気流下n−ブチルリチウムの1.6mol dm−3のヘキサン溶液8.4mlを−70℃から−66℃にて30分を要して滴下した。同温度で1時間攪拌した後、N,N−ジメチルホルムアミド3.0mlを加えた。攪拌下徐々に室温に戻した後、酢酸エチルおよび水を加え、有機層を飽和食塩水で洗浄し硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を留去した。得られた橙赤色の油状物をカラムクロマト処理(シリカゲル、溶離液;酢酸エチル/ヘキサン=1/4)し橙色ガラス質の4,4’−ビス(4−ホルミルスチリル)−4’’−(2−エチルヘキシルオキシ)トリフェニルアミン2.0gを得た。
元素分析値(%)実測値(計算値)
C83.24(83.38) H6.99(6.84) N2.24(2.21)
赤外吸収スペクトル(NaClキャスト膜)を図1に示したが1695cm−1にカルボニル、964cm−1にトランスオレフィンの吸収が認められた。
合成例2で得られたジアルデヒド1.00g、化学式(V−6)で示されるジホスホネート0.89gおよびベンズアルデヒド5.0mg(分子量調整剤)を脱水テトラヒドロフラン30mlに溶解し、窒素気流下カリウムt−ブトキシドの1.0moldm−3テトラヒドロフラン溶液4.7mlを22〜29℃にて徐々に滴下した。滴下後室温で3時間撹拌した後、微量のベンジルホスホン酸ジエチルを入れ30分攪拌し、酢酸で中和した。内容物を水に滴下し粗ポリマーを得た。これをテトラヒドロフラン/イオン交換水、ついでテトラヒドロフラン/メタノールで2回再沈精製をおこなった後、塩化メチレンに溶解し、イオン交換水でその洗浄液の導電率がイオン交換水と同等になるまで洗浄を繰り返した。洗浄後メタノール中に滴下して橙黄色の下記式(2)で示されるポリ(トリアリールアミン)−1を1.20g得た。
元素分析値(%)実測値(計算値)
C84.76(84.98) H8.26(8.05) N1.56(1.57)
赤外吸収スペクトル(NaClキャスト膜)を図2に示したが959cm−1にトランスオレフィンにもとづく吸収が認められた。
GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量は47500、重量平均分子量は147000であった。
Al電極が蒸着されたPET基板上に、実施例1で得られたポリ(トリアリールアミン)−1の10wt%のテトラヒドロフラン溶液をブレード塗工し、膜厚8.1μmの薄膜を形成した。この半導体フィルム上にさらに金電極を蒸着し、サンドイッチセルを作製した。このセルを用いて、タイムオブフライト法により有機半導体材料のキャリア移動度を測定したところ、2.5×105V/cmの電界強度において1.6×10―3cm2V―1s−1の高いキャリア移動度が観測された。
p−ドープされてゲートとして作用するシリコン基板表面を熱酸化してSiO2の絶縁層を200nm形成した後、酸化膜を片面だけ除去し、除去した面にAlを蒸着してゲート電極とした。次に該SiO2の絶縁層上に、実施例1で得られたポリ(トリアリールアミン)−1の約1.0wt%のTHF/パラキシレン=8/2の混合溶媒からなる溶液をスピンコートして乾燥することにより有機半導体層を作製した。引き続きチャネル長30μm、チャネル幅10mmとなるようにソース・ドレイン電極のAu膜を蒸着した。
また、以下の式を用いて有機半導体の電界効果移動度を算出した。
Claims (4)
- 下記一般式(IV)で表されるジアルデヒド化合物と下記一般式(V)で表わされるジホスホン酸エステル化合物とを重合反応させることを特徴とする下記一般式(I)で表わされるポリ(トリアリールアミン)の製造方法。
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