JP2007092032A - アリールアミン重合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた移動度特性を有すると共に湿式成膜が可能で、低コストプロセスに適応できる有機エレクトロニクス用として有用なトリアリールアミン重合体を提供する。
【解決手段】下記一般式(I):
Figure 2007092032

で表される繰返し単位を有するアリールアミン重合体。
【選択図】なし

Description

本発明は、光電変換素子、薄膜トランジスタ素子、発光素子など種々の有機エレクトロニクス用素材として有用な新規なアリールアミン重合体に関する。
有機材料の発光特性や電荷輸送特性を利用して、光電変換素子、薄膜トランジスタ素子、発光素子など種々の機能素子が提案されている。有機材料をこれら素子に用いることにより、軽量、フレキシブル性、安価、低製造コスト等、有機材料の有する最大の利点が生かされ、その効果が発揮されることが期待される。
上記機能素子の中で光電変換素子用の材料、とりわけ太陽電池および電子写真感光体用ホール輸送材として、これまで低分子系および高分子系の様々な材料が報告されているが、前者(低分子系材料)においてはさらなる高効率化、後者(高分子系材料)においてはプリントの高速化ならびに耐久性が求められている。
また、発光素子用の材料としても、低分子系および高分子系の様々な材料が報告されている。例えば、低分子系材料の場合には、種々の積層構造の採用により高効率化を実現することが報告されており、またドーピング法をうまくコントロールすることにより耐久性を向上することが報告されている。
しかし、低分子系材料、いわゆる低分子集合体の場合には、長時間使用した際に、膜状態に変化が生じることが報告されており、経時における膜の安定性に関して本質的な問題点を抱えている。
一方、高分子系材料においては、これまで、主にPPV(poly−p−phenylenevinylene)系列やpoly−thiophene等について精力的に検討が行われてきた。
しかしながら、これらの材料系は純度を上げることが困難であることや、本質的に蛍光量子収率が低いことが問題点として挙げられ、高性能な発光素子は得られていないのが現状である。
上記のような問題を有するものの、高分子材料は本質的にガラス状態が安定であることから、その蛍光量子効率を向上(高蛍光量子効率化)することができれば、優れた発光素子の構築が可能となるため、この分野でさらなる改良が行われている。
このような高分子材料の例としては、例えば、繰り返し単位としてアリールアミンユニットを含む高分子材料を挙げることができる(例えば、特許文献1〜5、非特許文献1参照。)。
一方、有機薄膜トランジスタ素子においても、低分子系および高分子系の様々な材料が報告されている。例えば、低分子材料ではペンタセン、フタロシアニン、フラーレン、アントラジチオフェン、チオフェンオリゴマー、ビスジチエノチオフェンなどが、また高分子材料ではポリチオフェン、ポリチエニレンビニレン、ポリアリールアミンなども検討されている。
しかし、前記の従来技術に示される高分子材料において、いわゆる有機エレクトロニクス用素材として重要な特性値である移動度の向上は目覚しいが、例えば、有機エレクトロニクス、とりわけ有機FET素子への応用を考慮すると、さらに高移動度の素材が望まれている。
さらに、安価に製造でき、充分な柔軟性と強度を持ち、かつ軽量で大面積化が可能である有機材料を種々の機能素子(光電変換素子、薄膜トランジスタ素子、発光素子など)に適用して、その最大の特徴を活かすためには、有機材料が、有機溶剤に対して充分な溶解性を有することが必要である。しかし一般的に、共役が伸張された構造を特徴とするπ共役ポリマーは、その構造が剛直である場合が多く、この剛直構造が溶解性を低下させる原因となっている。
上記従来技術に提案されている材料においても溶解性に難点を有する高分子材料が多く、これを回避すべく様々な分子設計が行なわれているのが現状である。
WO99/20675号公報(特表2001−520289号公報) 特開平10−310635号公報 特開平8−157575号公報 WO97/09394号公報(特表2002−515078号公報) WO03/035714号公報(特表2005−506419号公報) Synth.Met.,84,269(1997)
本発明者らは先に、π共役結合を主鎖とする(エチレン結合を含む)アリールアミンユニットを繰り返し単位に有する高分子材料が、優れた発光特性を有すると共に、例えば、耐久性に優れた有機薄膜EL素子用として、また有機トランジスタの活性層用高分子材料として有用であることを見出した。しかし、有機エレクトロニクス用素材、とりわけ有機FET素子への応用を考慮すると、さらに移動度の向上が望まれている。
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、優れた移動度特性を有すると共に湿式法による成膜が可能で、低コストプロセスに適応でき、発光素子、FET素子、光電変換素子などの有機エレクトロニクス用材料として有用なトリアリールアミン重合体を提供することを目的とする。なお、本発明における移動度特性とは、主にホール輸送に基づく電荷の移動度特性である。
本発明者らは鋭意検討した結果、特定の繰返し単位を有するアリールアミン重合体により上記課題が解決されることを見出し、本発明に至った。
以下、本発明について具体的に説明する。
すなわち、本発明は、下記一般式(I)で表される繰返し単位を有することを特徴とするアリールアミン重合体である。
Figure 2007092032
式中、Ar1、Ar3、Ar4は置換もしくは無置換の2価の芳香族炭化水素基を表し、Ar2は置換もしくは無置換の1価の芳香族炭化水素基を表す。R1、R2は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、または置換もしくは無置換のアルキルチオ基から選択される基を表し、同一でも別異でもよく、xおよびyは、それぞれ0から2までの整数を表し、同一でも別異でもよく、nは0または1の整数を表す。
また、本発明は、上記アリールアミン重合体において、前記一般式(I)で表される繰返し単位が、下記一般式(II)で表されることを特徴とする。
Figure 2007092032
式中、Ar1は置換もしくは無置換の2価の芳香族炭化水素基を表し、Ar2は置換もしくは無置換の1価の芳香族炭化水素基を表す。R1、R2、R3、R4は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、または置換もしくは無置換のアルキルチオ基から選択される基を表し、同一でも別異でもよく、xおよびyは、それぞれ0から2までの整数を表し、同一でも別異でもよく、zおよびuは、それぞれ0から4までの整数を表し、同一でも別異でもよく、nは0または1の整数を表す。
さらに、本発明は、上記アリールアミン重合体において、前記一般式(II)で表される繰返し単位が、下記一般式(III)で表されることを特徴とする。
Figure 2007092032
式中、Ar1は置換もしくは無置換の2価の芳香族炭化水素基を表し、R1、R2、R3、R4、R5は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、または置換もしくは無置換のアルキルチオ基から選択される基を表し、同一でも別異でもよく、xおよびyは、それぞれ0から2までの整数を表し、同一でも別異でもよく、zおよびuは、それぞれ0から4までの整数を表し、同一でも別異でもよく、vは0から5までの整数を表し、nは0または1の整数を表す。
本発明の前記一般式(I)、(II)あるいは(III)で表される繰返し単位を有するアリールアミン重合体は、高いホール輸送性を有し優れた移動度特性を有すると共に耐久性に優れ、湿式法による膜形成ができるため、低コストプロセスに適応可能である。
このため、耐久性に優れた光電変換素子用の高分子材料として、あるいは優れた発光特性を有すると共に耐久性に優れた発光素子用の高分子材料として、または薄膜トランジスタの活性層用高分子材料として特に有用である。
本発明におけるアリールアミン重合体は、前記一般式(I)で表される繰返し単位を有することを特徴とする。また、前記一般式(I)で表される繰返し単位が、前記一般式(II)で表されることを特徴とする。さらに、前記一般式(II)で表される繰返し単位が、前記一般式(III)で表されることを特徴とする、いわゆるポリ(トリアリールアミン)高分子材料である。
前述のように、本発明のアリールアミン重合体は、有機トランジスタ用の電荷輸送性高分子材料として、また有機薄膜EL素子用の高分子材料として、また、電子写真感光体用材料などの有機エレクトロニクス用素材として有用である。
以下に本発明のアリールアミン重合体の製造方法について説明する。
本発明のアリールアミン重合体の製造方法としては、例えば、アリールハロゲン化物とアリールホウ素化合物を用いたクロスカップリング反応(Suzuki Coupling)、アリールハロゲンとアリールスズ化合物を用いたクロスカップリング反応(Stille Coupling)などが好ましい。
アリールハロゲン化物のハロゲン原子としては、反応性の観点からヨウ素または臭素が好ましい。すなわち、アリールハロゲン化物としてヨウ素化物または臭素化物が好ましい。
アリールホウ素化合物としては、アリールボロン酸またはアリールボロン酸エステルが用いられる。アリールボロン酸エステルは、アリールボロン酸を用いた場合に生ずる三量体からなる環状無水物(ボロキシン)を生成せず、また、合成物の結晶性が高く、精製が容易であることからより好ましい。
アリールボロン酸エステルの合成方法としては、以下のような方法が挙げられる。
(i)アリールボロン酸とアルキルジオールを無水有機溶媒中にて加熱反応する。
(ii)アリールハロゲン化物のハロゲン部位をメタル化した後に、アルコキシボロンエステルを加える反応。
(iii)アリールハロゲンのグリニャール試薬を調製した後に、アルコキシボロンエステルを加える反応。
(iv)アリールハロゲン化物とビス(ピナコラト)ジボロンやビス(ネオペンチル グリコラト)ジボロンをパラジウム触媒下にて加熱反応する。
パラジウム触媒としては、Pd(PPh34、PdCl2(PPh32、Pd(OAc)2、PdCl2、またはパラジウムカーボンに配位子として別途トリフェニルホスフィンを加える、など種々の触媒を用いることができるが、最も汎用的にはPd(PPh34が用いられる。
上記反応には塩基が必ず必要であるが、Na2CO3、NaHCO3、K2CO3などの比較的弱い塩基が良好な結果を与える。立体障害等の影響を受ける反応系の場合には、Ba(OH)2やK3PO4などの強塩基が有効である。
その他、苛性ソーダ、苛性カリ、金属アルコシド等、例えば、カリウムt−ブトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、リチウムt−ブトキシド、カリウム2−メチル−2−ブトキシド、ナトリウム2−メチル−2−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、カリウムメトキシドなども用いることができる。
また、反応をよりスムーズに進行させるために相間移動触媒を用いてもよく、好ましくは、テトラアルキルハロゲン化アンモニウム、テトラアルキル硫酸水素アンモニウム、またはテトラアルキル水酸化アンモニウムであり、好ましい例としては、テトラ−n−ブチルハロゲン化アンモニウム、ベンジルトリエチルハロゲン化アンモニウム、またはトリカプリルイルメチル塩化アンモニウムである。
反応溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノール、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル等のアルコールおよびエーテル系、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル系の他、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等を挙げることができる。
上記重合反応の反応温度は、用いるモノマーの反応性や、反応溶媒等により適宜設定されるが、溶媒の沸点以下に抑えることが好ましい。
上記重合反応における反応時間は、用いるモノマーの反応性や、所望とする重合体の分子量などにより適宜設定することができるが、2〜50時間が好適であり、さらには5〜24時間がより好ましい。
また、以上の重合反応の操作において、分子量を調節するために分子量調節剤あるいは重合体の末端を封止(末端修飾基)するための封止剤を反応系に後で添加することも可能であるし、あるいは反応開始時に添加しておくことも可能である。従って、本発明における重合体の末端には、停止剤に由来する末端修飾基が結合してもよい。
分子量調節剤あるいは末端封止剤としては、フェニルボロン酸、ブロモベンゼン、ヨウ化ベンゼン等、反応活性基を1個有する化合物が挙げられる。
本発明のアリールアミン重合体の好ましい分子量は、ポリスチレン換算数平均分子量で1000〜1000000 であり、より好ましくは2000 〜500000 である。
分子量が小さ過ぎる場合には、成膜性が悪化してクラックが発生するなど実用性に乏しいものとなる。一方、分子量が大き過ぎる場合には、一般の有機溶媒に対する溶解性が悪くなり、例えば、溶液の粘度が高くなって塗工が困難となり、やはり実用上の問題が生ずる。
また、機械的特性を改良するために重合時に分岐化剤を少量加えて、アリールアミン重合体の分子構造を分岐化することもできる。使用される分岐化剤としては、重合反応活性基を3つ以上(同種でも異種でもよい)有する化合物が用いられる。これらの分岐化剤は単独で使用してもよく、また複数併用してもよい。
以上のようにして得られた本発明のアリールアミン重合体は、重合に使用した塩基、未反応モノマー、末端停止剤、あるいは重合中に発生した無機塩等の不純物を除去して使用される。反応生成物の精製操作は、再沈澱、抽出、ソックスレー抽出、限外濾過、透析等をはじめとする従来公知の方法を使用できる。
上記製造方法により得られたアリールアミン重合体を有機溶媒に溶解して塗工液とし、この塗工液を用いて、スピンコート法、キャスト法、ディップ法、インクジェット法、ドクターブレード法、スクリーン印刷法、スプレー塗工等の公知の成膜方法により、薄膜を作製することが可能である。
これらの成膜方法により形成された薄膜は、クラックの発生等がなく、強度、靭性、耐久性等にも優れ、光電変換素子、FET素子、発光素子等の有機エレクトロニクスに好適である。
前記一般式(I)、(II)および(III)で表されるアリールアミン重合体の具体例を以下に示す。
前記一般式(I)および(II)における置換もしくは無置換の1価の化芳香族炭化水素基Ar2としては、単環基、多環基(縮合多環基、非縮合多環基)の何れでもよく、一例として以下のものを挙げることができる。
例えば、フェニル基、ナフチル基、ピレニル基、フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などが挙げられる。
前記一般式(I)における置換もしくは無置換の2価の芳香族炭化水素基Ar1、Ar3、Ar4、および一般式(II)、一般式(III)における置換もしくは無置換の2価の芳香族炭化水素基Ar1としては、一例として上記置換もしくは無置換の1価の芳香族炭化水素の2価基(例えば、フェニレン基、ナフチレン基、ピレニレン基、フルオレニレン基等の2価の芳香族炭化水素基)が挙げられる。
また、これら環構造を有する基(Ar1、Ar2、Ar3およびAr4)は、以下に示す種々の置換基を有していてもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)炭素数1 〜25 の直鎖または分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基。これらはさらにハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルチオ基で置換されていてもよい。
(3)アリールオキシ基:アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するアリールオキシ基が挙げられる。これらは、ハロゲン原子を置換基として含有してもよく、炭素数1〜25の直鎖または分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基、またはアルキルチオ基を含有していてもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
(4)アルキルチオ基またはアリールチオ基:アルキルチオ基またはアリールチオ基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(5)アルキル置換アミノ基:具体的には、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N ,N−ジフェニルアミノ基、N ,N−ジ(p −トリル)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基等が挙げられる。
(6)アシル基:アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
本発明における前記一般式(I)、(II)および(III)で表されるアリールアミン重合体の芳香環(前記2価の芳香族炭化水素基Ar1、Ar3、Ar4、および1価の前記芳香族炭化水素基Ar2)上に、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアルコキシ基を置換基として有していてもよく、溶媒への溶解性向上の観点からは、置換基もしくは無置換の、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基を有することが好ましい。
これら置換基の炭素数が増加すれば溶解性はより向上するが、その反面、電荷輸送性等の特性は低下してしまうため、溶解性が損なわれない範囲で所望の特性が得られるような置換基を選択することが好ましい。
その場合の好適な置換基の例としては、炭素数が1〜25の、アルキル基、アルコキシ基およびアルキルチオ基が挙げられる。
これら置換基は同一のものを複数導入してもよいし、異なるものを複数導入してもよい。また、これらのアルキル基、アルコキシ基およびアルキルチオ基はさらにハロゲン原子、シアノ基、アリール基、ヒドロキシル基、カルボキシル基または、炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基で置換されたアリール基を含有していてもよい。
上記アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、3 ,7−ジメチルオクチル基、2−エチルヘキシル基、トリフルオロメチル基、2−シアノエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
また、アルコキシ基、アルキルチオ基としては、上記アルキル基の結合位に酸素原子または硫黄原子を挿入して、それぞれアルコキシ基またはアルキルチオ基としたものが一例として挙げられる。
本発明のアリールアミン重合体は、アルキル基やアルコキシ基の置換基が存在することにより、溶媒への溶解性が向上する。溶媒に対する重合体の溶解性を向上させることは、重合体を溶媒に溶解した塗工液を用いて膜形成して有機EL素子や有機トランジスタ素子を製造する際の湿式成膜過程における製造許容範囲を大きくすることに繋がるため重要である。
すなわち、溶解性の向上により、例えば、塗工溶媒の選択肢、溶液調製時の温度範囲、並びに、溶媒の乾燥時の温度範囲および圧力範囲を拡大することができ、これらプロセッシビリティーの高さにより、結果的に高純度で均一性の高い高品質な薄膜が得られる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これら実施例によって制限されるものではない。
(実施例1)
〈重合体1の合成〉
下記反応式(1)に示す反応工程に沿って以下の条件で重合反応を行い重合体1を合成した。
Figure 2007092032
100ml三つ口フラスコに、上記反応式(1)に示すジボロンエステル体0.872g(1.5mmol)、ジブロモ体1.069g(1.5mmol)、相間移動触媒としてAliquat336(アルドリッチ社製)12.1mg(0.03mmol)、フェニルボロン酸5.5mg(0.045mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム4.33mg(0.00375mmol)、トルエン11mlを加え、窒素ガス置換した後、2M−炭酸ナトリウム水溶液を3.1ml加え、17時間還流した後、停止反応のため、ブロモベンゼン118mg(0.75mmol)を加え8時間還流した。
その後、反応溶液を室温に戻した後、有機層をメタノール/水の混合溶媒中に滴下し、再沈殿させることによりポリマーを得た。次いで、得られたポリマーをジクロロメタン溶液とし、イオン交換水で十分に洗浄した後に、テトラヒドロフラン溶液とし、メタノール中に滴下して再沈殿することによりポリマーを精製した。収量1.20g、収率91%であった。
上記ポリマーの数平均分子量および重量平均分子量(いずれもGPC〔ゲルパーミエーションクロマトグラフィー〕により測定したポリスチレン換算の平均分子量)、ガラス転移温度(示差操作熱量測定から求めた)、元素分析値(計算値)、および赤外吸収スペクトルを測定した結果は以下のようであった。
GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量:48200、重量平均分子量:134600、
示差操作熱量測定から求めたガラス転移温度:122.1℃、
元素分析値(計算値); C:83.04%(83.23%)、H:8.05%(7.90%)、N:1.53%(1.59%)、S:7.49%(7.28%)、
赤外吸収スペクトル(NaClキャスト膜):図1に示した。
(実施例2)
〈重合体2の合成〉
下記反応式(2)に示す反応工程に沿って以下の条件で重合反応を行い重合体2を合成した。
Figure 2007092032
100ml三つ口フラスコに、上記反応式(2)に示すジボロンエステル体0.872g(1.5mmol)、ジブロモ体0.838g(1.5mmol)、相間移動触媒としてAliquat336(アルドリッチ社製)12.1mg(0.03mmol)、フェニルボロン酸5.5mg(0.045mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム4.33mg(0.00375mmol)、トルエン11mlを加え、窒素ガス置換した後、2M−炭酸ナトリウム水溶液を3.1ml加え、20時間還流した後、停止反応のため、ブロモベンゼン118mg(0.75mmol)を加え6時間還流した。
その後、反応溶液を室温に戻した後、有機層をメタノール/水の混合溶媒中に滴下し、再沈殿させることによりポリマーを得た。次いで、得られたポリマーをジクロロメタン溶液とし、イオン交換水で十分に洗浄した後に、テトラヒドロフラン溶液とし、メタノール中に滴下し再沈殿することによりポリマーを精製した。収量1.07g、収率98%であった。
上記ポリマーの数平均分子量および重量平均分子量(いずれもGPC〔ゲルパーミエーションクロマトグラフィー〕により測定したポリスチレン換算の平均分子量)、ガラス転移温度(示差操作熱量測定から求めた)、元素分析値(計算値)、および赤外吸収スペクトルを測定した結果は以下のようであった。
GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量:5900、重量平均分子量:11800、
示差操作熱量測定から求めたガラス転移温度:108.3℃、
元素分析値(計算値);C:77.46%(77.75%)、H:7.12%(7.08%)、N:1.79%(1.93%)、S:8.69%(8.83%)、
赤外吸収スペクトル(NaClキャスト膜):図2に示した。
(実施例3)
〈重合体3の合成〉
下記反応式(3)に示す反応工程に沿って以下の条件で重合反応を行い重合体3を合成した。
Figure 2007092032
100ml三つ口フラスコに、上記反応式(3)に示すジボロンエステル体0.872g(1.5mmol)、ジブロモ体0.853g(1.5mmol)、相間移動触媒としてAliquat336(アルドリッチ社製)12.1mg(0.03mmol)、フェニルボロン酸5.5mg(0.045mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム4.33mg(0.00375mmol)、トルエン11mlを加え、窒素ガス置換した後、2M−炭酸ナトリウム水溶液を3.1ml加え、30時間還流した後、停止反応のため、ブロモベンゼン118mg(0.75mmol)を加え6時間還流した。
その後、反応溶液を室温に戻した後、有機層をメタノール/水の混合溶媒中に滴下し、再沈殿させることによりポリマーを得た。次いで、得られたポリマーをジクロロメタン溶液とし、イオン交換水で十分に洗浄した後に、テトラヒドロフラン溶液とし、メタノール中に滴下し再沈殿することによりポリマーを精製した。収量1.10g、収率99%であった。
上記ポリマーの数平均分子量および重量平均分子量(いずれもGPC〔ゲルパーミエーションクロマトグラフィー〕により測定したポリスチレン換算の平均分子量)、ガラス転移温度(示差操作熱量測定から求めた)、元素分析値(計算値)、および赤外吸収スペクトルを測定した結果は以下のようであった。
GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量:8500、重量平均分子量:19400、
示差操作熱量測定から求めたガラス転移温度:84.1℃、
元素分析値(計算値);C:81.30%(81.58%)、H:7.94%(7.80%)、N:1.84%(1.90%)、S:8.48%(8.71%)、
赤外吸収スペクトル(NaClキャスト膜):図3に示した。
(実施例4)
〈重合体4の合成〉
下記反応式(4)に示す反応工程に沿って以下の条件で重合反応を行い重合体4を合成した。
Figure 2007092032
100ml三つ口フラスコに、上記反応式(4)に示すジボロンエステル体1.182g(2.03mmol)、ジブロモ体0.659g(2.03mmol)、相間移動触媒としてAliquat336(アルドリッチ社製)16.4mg(0.03mmol)、フェニルボロン酸7.4mg(0.06mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム5.87mg(0.0051mmol)、トルエン14mlを加え、窒素ガス置換した後、2M-炭酸ナトリウム水溶液を4.1ml加え、14時間還流した後、停止反応のため、ブロモベンゼン157mg(1.0mmol)を加え同様に6時間還流した。
その後、反応溶液を室温に戻した後、有機層をメタノール/水の混合溶媒中に滴下し、再沈殿させることによりポリマーを得た。この得られたポリマーはテトラヒドロフランやクロロホルムに不溶であった。収量1.00g、収率100%であった。
上記ポリマーの元素分析値(計算値)、および赤外吸収スペクトルを測定した結果は以下のようであった。
元素分析値(計算値); C:77.90%(78.17%)、H:5.87%(5.94%)、N:2.73%(2.85%)、S:13.02%(13.04%)、
赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法):図4に示した。
(実施例5)
〈重合体3−2の合成〉
下記反応式(3−2)に示す反応工程に沿って以下の条件で重合反応を行い重合体3−2を合成した。
Figure 2007092032
50ml三つ口フラスコに、上記反応式(3−2)に示すジボロンエステル体0.872g(1.5mmol)、ジブロモ体0.853g(1.5mmol)、相間移動触媒として、Aliquat336(アルドリッチ社製)12.1mg(0.03mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム8.7mg(0.00752mmol)、トルエン6mlを加え、窒素ガス置換した後、2M−炭酸ナトリウム水溶液を3.5ml加え、13時間還流した後、停止反応として、まず、フェニルボロン酸73mg(0.6mmol)を加え5時間還流し、次いで、ブロモベンゼン109mg(0.69mmol)を加え4時間還流した。
その後、反応溶液を室温に戻した後、有機層をメタノール/水の混合溶媒中に滴下し、再沈殿させることによりポリマーを得た。次いで、得られたポリマーをクロロホルム溶液とし、イオン交換水で十分に洗浄した後に、テトラヒドロフラン溶液とし、メタノール中に滴下し再沈殿することによりポリマーを精製した。収量1.07g、収率97%であった。
上記ポリマーの数平均分子量および重量平均分子量(いずれもGPC〔ゲルパーミエーションクロマトグラフィー〕により測定したポリスチレン換算の平均分子量)、元素分析値(計算値)、および赤外吸収スペクトルを測定した結果は以下のようであった。
GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量:42600、重量平均分子量:164600、
元素分析値(計算値);C:81.42%(81.58%)、H:8.01%(7.80%)、N:1.92%(1.90%)、S:8.64%(8.71%)、
赤外吸収スペクトル(NaClキャスト膜):図5に示した。
(実施例6)
〈重合体5の合成〉
下記反応式(5)に示す反応工程に沿って以下の条件で重合反応を行い重合体5を合成した。
Figure 2007092032
50ml三つ口フラスコに、上記反応式(5)に示すジボロンエステル体0.872g(1.5mmol)、ジブロモ体0.612g(1.5mmol)、相間移動触媒として、Aliquat336(アルドリッチ社製)13.4mg(0.033mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム8.7mg(0.0075mmol)、トルエン6.2mlを加え、窒素ガス置換した後、2M−炭酸ナトリウム水溶液を3.5ml加え、13時間還流した後、停止反応として、まず、フェニルボロン酸73mg(0.6mmol)を加え5時間還流し、次いで、ブロモベンゼン109mg(0.69mmol)を加え同様に4時間還流した。
その後、反応溶液を室温に戻した後、有機層をメタノール/水の混合溶媒中に滴下し、再沈殿させることによりポリマーを得た。次いで、得られたポリマーをクロロホルム溶液とし、イオン交換水で十分に洗浄した後に、テトラヒドロフラン溶液とし、メタノール中に滴下し再沈殿することによりポリマーを精製した。収量0.844g、収率98%であった。
上記ポリマーの数平均分子量および重量平均分子量(いずれもGPC〔ゲルパーミエーションクロマトグラフィー〕により測定したポリスチレン換算の平均分子量)、元素分析値(計算値)、および赤外吸収スペクトルを測定した結果は以下のようであった。
GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量:40900、重量平均分子量:176400、
元素分析値(計算値);C:78.98%(79.26%)、H:7.22%(7.18%)、N:2.57%(2.43%)、S:11.04%(11.13%)、
赤外吸収スペクトル(NaClキャスト膜):図6に示した。
(実施例7)
〈重合体6の合成〉
下記反応式(6)に示す反応工程に沿って以下の条件で重合反応を行い重合体6を合成した。
Figure 2007092032
50ml三つ口フラスコに、上記反応式(6)に示すジボロンエステル体0.938g(1.5mmol)、ジブロモ体1.219g(1.5mmol)、相間移動触媒として、Aliquat336(アルドリッチ社製)12.6mg(0.03mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム8.7mg(0.00752mmol)、トルエン6.2mlを加え、窒素ガス置換した後、2M−炭酸ナトリウム水溶液を3.5ml加え、4時間還流した後、停止反応として、まず、フェニルボロン酸73mg(0.6mmol)を加え3時間還流し、次いで、ブロモベンゼン118mg(0.75mmol)を加え3時間還流した。
その後、反応溶液を室温に戻した後、有機層をメタノール/水の混合溶媒中に滴下し再沈殿させることによりポリマーを得た。次いで、得られたポリマーをクロロホルム溶液とし、イオン交換水で十分に洗浄した後に、テトラヒドロフラン溶液とし、メタノール中に滴下し再沈殿することによりポリマーを精製した。収量1.23g、収率80%であった。
上記ポリマーの数平均分子量および重量平均分子量(いずれもGPC〔ゲルパーミエーションクロマトグラフィー〕により測定したポリスチレン換算の平均分子量)、元素分析値(計算値)、および赤外吸収スペクトルを測定した結果は以下のようであった。
GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量:35700、重量平均分子量:184300、
元素分析値(計算値);C:82.35%(82.60%)、H:8.61%(8.76%)、N:1.45%(1.37%)、S:6.10%(6.26%)、
赤外吸収スペクトル(NaClキャスト膜):図7に示した。
(実施例8)
〈重合体7の合成〉
下記反応式(7)に示す反応工程に沿って以下の条件で重合反応を行い重合体7を合成した。
Figure 2007092032
50ml三つ口フラスコに、上記反応式(7)に示すジボロンエステル体0.938g(1.5mmol)、ジブロモ体0.852g(1.5mmol)、相間移動触媒として、Aliquat336(アルドリッチ社製)12.8mg(0.03mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム8.7mg(0.00752mmol)、トルエン6.2mlを加え、窒素ガス置換した後、2M−炭酸ナトリウム水溶液を3.5ml加え、4時間還流した後、停止反応として、まず、フェニルボロン酸73mg(0.6mmol)を加え3時間還流し、次いで、ブロモベンゼン118mg(0.75mmol)を加え3時間還流した。
その後、反応溶液を室温に戻した後、有機層をメタノール/水の混合溶媒中に滴下し、再沈殿させることによりポリマーを得た。次いで、得られたポリマーをクロロホルム溶液とし、イオン交換水で十分に洗浄した後に、テトラヒドロフラン溶液とし、メタノール中に滴下し再沈殿することによりポリマーを精製した。収量0.76g、収率65%であった。
上記ポリマーの数平均分子量および重量平均分子量(いずれもGPC〔ゲルパーミエーションクロマトグラフィー〕により測定したポリスチレン換算の平均分子量)、元素分析値(計算値)、および赤外吸収スペクトルを測定した結果は以下のようであった。
GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量:29700、重量平均分子量:154700、
元素分析値(計算値);C:79.87%(80.05%)、H:7.99%(7.88%)、N:1.74%(1.80%)、S:8.35%(8.22%)、
赤外吸収スペクトル(NaClキャスト膜):図8に示した。
(応用例1)
p−ドープされてゲートとして作用するシリコン基板表面を熱酸化してSiO2の絶縁層を200nm形成した後、酸化膜を片面だけ除去し、除去した面にAlを蒸着してゲート電極とした。次に、該SiO2の絶縁層上に、実施例1で得られた重合体1をTHF/パラキシレン=8/2の混合溶媒に約1.0wt%となるように溶解して調製した溶液をスピンコートした後、乾燥することにより有機半導体層を形成した。引き続き有機半導体層上にチャネル長30μm、チャネル幅10mmとなるようにAu膜を蒸着してソース・ドレイン電極を形成し、応用例1のTFTを作製した。
作製した応用例1のTFTについて評価し、下記式(a)を用いて有機半導体の電界効果移動度を算出した。
Ids=μCinW(Vg−Vth)2/2L …(a)
(ただし、Cinはゲート絶縁膜の単位面積あたりのキャパシタンス、Wはチャネル幅、Lはチャネル長、Vgはゲート電圧、Idsはソースドレイン電流、μは移動度、Vthはチャネルが形成し始めるゲートの閾値電圧である。)
上記作製した応用例1のTFTの移動度は2.0×10-3(cm2/Vsec)であった。
また、オンオフ比(Vds=−20V、Vg=−20VにおけるIdsと、Vds=−20V、Vg=+10〜−20Vの範囲内で観測された最小のIdsの比)は7.6×103で、閾値電圧は−2.60Vであった。
以上のように、作製した応用例1のTFTは非常に優れた特性を示した。
(応用例2)
p−ドープされてゲートとして作用するシリコン基板表面を熱酸化してSiO2の絶縁層を200nm形成した後、酸化膜を片面だけ除去し、除去した面にAlを蒸着してゲート電極とした。次に、該SiO2の絶縁層上に、実施例2で得られた重合体2をTHF/パラキシレン=8/2の混合溶媒に約1.0wt%となるように溶解して調製した溶液をスピンコートした後、乾燥することにより有機半導体層を形成した。引き続き有機半導体層上にチャネル長30μm、チャネル幅10mmとなるようにAu膜を蒸着してソース・ドレイン電極を形成し、応用例2のTFTを作製した。
応用例1と同様にして作製した応用例2のTFTについて評価し、電界効果移動度、オンオフ比および閾値電圧を求めたところ、作製したTFTの移動度は4.2×10-4(cm2/Vsec)、オンオフ比は3.0×103、閾値電圧は、−1.14Vであった。
以上のように、作製した応用例2のTFTは非常に優れた特性を示した。
(応用例3)
p−ドープされてゲートとして作用するシリコン基板表面を熱酸化してSiO2の絶縁層を200nm形成した後、酸化膜を片面だけ除去し、除去した面にAlを蒸着してゲート電極とした。次に、該SiO2の絶縁層上に、実施例3で得られた重合体3をTHF/パラキシレン=8/2の混合溶媒に約1.0wt%となるように溶解して調製した溶液をスピンコートした後、乾燥することにより有機半導体層を形成した。引き続き有機半導体層上にチャネル長30μm、チャネル幅10mmとなるようにAu膜を蒸着してソース・ドレイン電極を形成し、応用例3のTFTを作製した。
応用例1と同様にして作製した応用例3のTFTについて評価し、電界効果移動度、オンオフ比および閾値電圧を求めたところ、作製したTFTの移動度は1.5×10-4(cm2/Vsec)、オンオフ比は3.5×103、閾値電圧は、−3.00Vであった。
以上のように、作製した応用例3のTFTは非常に優れた特性を示した。
(応用例4)
p−ドープされてゲートとして作用するシリコン基板表面を熱酸化してSiO2の絶縁層を200nm形成した後、酸化膜を片面だけ除去し、除去した面にAlを蒸着してゲート電極とした。次に、該SiO2の絶縁層上に、実施例5で得られた重合体3−2をTHF/パラキシレン=8/2の混合溶媒に約1.0wt%となるように溶解して調製した溶液をスピンコートした後、乾燥することにより有機半導体層を形成した。引き続き有機半導体層上にチャネル長50μm、チャネル幅9mmとなるようにAu膜を蒸着してソース・ドレイン電極を形成し、応用例4のTFTを作製した。
応用例1と同様にして作製した応用例4のTFTについて評価し、電界効果移動度、オンオフ比および閾値電圧を求めたところ、作製したTFTの移動度は2.1×10-4(cm2/Vsec)、オンオフ比は5.0×103、閾値電圧は、−1.96Vであった。
以上のように、作製した応用例4のTFTは非常に優れた特性を示した。
(応用例5)
p−ドープされてゲートとして作用するシリコン基板表面を熱酸化してSiO2の絶縁層を200nm形成した後、酸化膜を片面だけ除去し、除去した面にAlを蒸着してゲート電極とした。次に、該SiO2の絶縁層上に、実施例6で得られた重合体5をTHF/パラキシレン=8/2の混合溶媒に約1.0wt%となるように溶解して調製した溶液をスピンコートした後、乾燥することにより有機半導体層を形成した。引き続き有機半導体層上にチャネル長50μm、チャネル幅9mmとなるようにAu膜を蒸着してソース・ドレイン電極を形成し、応用例5のTFTを作製した。
応用例1と同様にして作製した応用例5のTFTについて評価し、電界効果移動度、オンオフ比および閾値電圧を求めたところ、作製したTFTの移動度は6.1×10-4(cm2/Vsec)、オンオフ比は7.6×103、閾値電圧は、−1.14Vであった。
以上のように、作製した応用例5のTFTは非常に優れた特性を示した。
(応用例6)
p−ドープされてゲートとして作用するシリコン基板表面を熱酸化してSiO2の絶縁層を200nm形成した後、酸化膜を片面だけ除去し、除去した面にAlを蒸着してゲート電極とした。次に、該SiO2の絶縁層上に、実施例7で得られた重合体6をTHF/パラキシレン=8/2の混合溶媒に約1.0wt%となるように溶解して調製した溶液をスピンコートした後、乾燥することにより有機半導体層を形成した。引き続き有機半導体層上にチャネル長30μm、チャネル幅10mmとなるようにAu膜を蒸着してソース・ドレイン電極を形成し、応用例6のTFTを作製した。
応用例1と同様にして作製した応用例6のTFTについて評価し、電界効果移動度、オンオフ比および閾値電圧を求めたところ、作製したTFTの移動度は4.2×10-5(cm2/Vsec)、オンオフ比は3.6×102、閾値電圧は、−0.95Vであった。
以上のように、作製した応用例6のTFTは非常に優れた特性を示した。
(応用例7)
p−ドープされてゲートとして作用するシリコン基板表面を熱酸化してSiO2の絶縁層を200nm形成した後、酸化膜を片面だけ除去し、除去した面にAlを蒸着してゲート電極とした。次に、該SiO2の絶縁層上に、実施例8で得られた重合体7をTHF/パラキシレン=8/2の混合溶媒に約1.0wt%となるように溶解して調製した溶液をスピンコートした後、乾燥することにより有機半導体層を形成した。引き続き有機半導体層上にチャネル長30μm、チャネル幅10mmとなるようにAu膜を蒸着してソース・ドレイン電極を形成し、応用例7のTFTを作製した。
応用例1と同様にして作製した応用例7のTFTについて評価し、電界効果移動度、オンオフ比および閾値電圧を求めたところ、作製したTFTの移動度は9.3×10-5(cm2/Vsec)、オンオフ比は1.4×103、閾値電圧は、−1.62Vであった。
以上のように、作製した応用例4のTFTは非常に優れた特性を示した。
上記のように、本発明のアリールアミン重合体は、高いホール輸送性を有し、優れた移動度特性を有すると共に、湿式成膜が可能で低コストプロセスに適応できるため、FET素子、光電変換素子、発光素子の有機エレクトロニクス用材料として有用に用いられる。
本発明における実施例1で得られた重合体1の赤外吸収スペクトル図である。 本発明における実施例2で得られた重合体2の赤外吸収スペクトル図である。 本発明における実施例3で得られた重合体3の赤外吸収スペクトル図である。 本発明における実施例4で得られた重合体4の赤外吸収スペクトル図である。 本発明における実施例5で得られた重合体3−2の赤外吸収スペクトル図である。 本発明における実施例6で得られた重合体5の赤外吸収スペクトル図である。 本発明における実施例7で得られた重合体6の赤外吸収スペクトル図である。 本発明における実施例8で得られた重合体7の赤外吸収スペクトル図である。

Claims (3)

  1. 下記一般式(I)で表される繰返し単位を有することを特徴とするアリールアミン重合体。
    Figure 2007092032

    (式中、Ar1、Ar3、Ar4は置換もしくは無置換の2価の芳香族炭化水素基を表し、Ar2は置換もしくは無置換の1価の芳香族炭化水素基を表す。R1、R2は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、または置換もしくは無置換のアルキルチオ基から選択される基を表し、同一でも別異でもよく、xおよびyは、それぞれ0から2までの整数を表し、同一でも別異でもよく、nは0または1の整数を表す。)
  2. 前記一般式(I)で表される繰返し単位が、下記一般式(II)で表されることを特徴とする請求項1に記載のアリールアミン重合体。
    Figure 2007092032

    (式中、Ar1は置換もしくは無置換の2価の芳香族炭化水素基を表し、Ar2は置換もしくは無置換の1価の芳香族炭化水素基を表す。R1、R2、R3、R4は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、または置換もしくは無置換のアルキルチオ基から選択される基を表し、同一でも別異でもよく、xおよびyは、それぞれ0から2までの整数を表し、同一でも別異でもよく、zおよびuは、それぞれ0から4までの整数を表し、同一でも別異でもよく、nは0または1の整数を表す。)
  3. 前記一般式(II)で表される繰返し単位が、下記一般式(III)で表されることを特徴とする請求項2に記載のアリールアミン重合体。
    Figure 2007092032

    (式中、Ar1は置換もしくは無置換の2価の芳香族炭化水素基を表し、R1、R2、R3、R4、R5は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、または置換もしくは無置換のアルキルチオ基から選択される基を表し、同一でも別異でもよく、xおよびyは、それぞれ0から2までの整数を表し、同一でも別異でもよく、zおよびuは、それぞれ0から4までの整数を表し、同一でも別異でもよく、vは0から5までの整数を表し、nは0または1の整数を表す。)
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